JPH0821768A - 熱電対式温度計及び出銑口の溶銑温度測定方法 - Google Patents
熱電対式温度計及び出銑口の溶銑温度測定方法Info
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- JPH0821768A JPH0821768A JP15477194A JP15477194A JPH0821768A JP H0821768 A JPH0821768 A JP H0821768A JP 15477194 A JP15477194 A JP 15477194A JP 15477194 A JP15477194 A JP 15477194A JP H0821768 A JPH0821768 A JP H0821768A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 損傷を与えることなく熱電対式温度計をタッ
ピングマシンで出銑口に打込んでセットして、出銑口の
溶銑の温度を連続測定する。 【構成】 熱電対２，２を挿入した、表面にＺｒＯ2 系
の溶射皮膜４が施された耐熱衝撃性に優れたＭｏ・Ｚｒ
Ｏ2 系サーメットからなる保護管３を金属保護管５に挿
入し、さらに保護管３の内側及び保護管３と金属保護管
５との間の隙間にＭｇＯからなる耐火物粉末６を充填す
れば、熱電対式温度計１の耐衝撃強度が向上するので、
金属棒１０の温度計収容室１１に収容して熱電対式温度
計１を簡単に出銑口に打込むことができ、そして金属棒
１０と金属保護管５が溶損しても保護管３は耐熱性に優
れた溶射皮膜４で保護されて溶損することなく熱電対
２，２を保護するので、溶銑の温度を連続測定すること
ができる。
ピングマシンで出銑口に打込んでセットして、出銑口の
溶銑の温度を連続測定する。 【構成】 熱電対２，２を挿入した、表面にＺｒＯ2 系
の溶射皮膜４が施された耐熱衝撃性に優れたＭｏ・Ｚｒ
Ｏ2 系サーメットからなる保護管３を金属保護管５に挿
入し、さらに保護管３の内側及び保護管３と金属保護管
５との間の隙間にＭｇＯからなる耐火物粉末６を充填す
れば、熱電対式温度計１の耐衝撃強度が向上するので、
金属棒１０の温度計収容室１１に収容して熱電対式温度
計１を簡単に出銑口に打込むことができ、そして金属棒
１０と金属保護管５が溶損しても保護管３は耐熱性に優
れた溶射皮膜４で保護されて溶損することなく熱電対
２，２を保護するので、溶銑の温度を連続測定すること
ができる。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、特に、高炉の出銑口の
溶銑温度を測定する熱電対式温度計及び熱電対式温度計
を用いて出銑口の溶銑温度測定方法に関する。
溶銑温度を測定する熱電対式温度計及び熱電対式温度計
を用いて出銑口の溶銑温度測定方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】溶融金属温度を連続的、かつ長時間測定
する高温測定用温度計には、ＺｒＢ2質の保護管を用い
たものが知られている。このＺｒＢ2 質の保護管を用い
た高温測定用温度計は、例えば、特開平１−３２１３２
７号公報に開示されている。
する高温測定用温度計には、ＺｒＢ2質の保護管を用い
たものが知られている。このＺｒＢ2 質の保護管を用い
た高温測定用温度計は、例えば、特開平１−３２１３２
７号公報に開示されている。
【０００３】以下、この従来例に係る高温測定用温度計
を、その保護管の断面図の図５を参照しながら説明する
と、この高温測定用温度計の保護管は、ＺｒＢ2 ；８５
％、ＢＮ；１０％、ＳｉＣ；５％の成分組成になる密
度；４．３０のＺｒＢ2 製の保護管本体１に、Ｚｒ
Ｂ2 ；９２％、Ａｌ2 Ｏ3 ；３％、ＳｉＯ2 ；３％の成
分組成になる密度；４．５０のダブルコーン状のＺｒＢ
2 製のスリーブ２を外嵌し、これら保護管本体１とスリ
ーブ２との間の隙間に、ＺｒＢ2 ；９５％、その他バイ
ンダー；５％の成分組成になるＺｒＢ2 製接着剤を充填
した後に、１５０℃で１０時間乾燥したものである。
を、その保護管の断面図の図５を参照しながら説明する
と、この高温測定用温度計の保護管は、ＺｒＢ2 ；８５
％、ＢＮ；１０％、ＳｉＣ；５％の成分組成になる密
度；４．３０のＺｒＢ2 製の保護管本体１に、Ｚｒ
Ｂ2 ；９２％、Ａｌ2 Ｏ3 ；３％、ＳｉＯ2 ；３％の成
分組成になる密度；４．５０のダブルコーン状のＺｒＢ
2 製のスリーブ２を外嵌し、これら保護管本体１とスリ
ーブ２との間の隙間に、ＺｒＢ2 ；９５％、その他バイ
ンダー；５％の成分組成になるＺｒＢ2 製接着剤を充填
した後に、１５０℃で１０時間乾燥したものである。
【０００４】この保護管を用いた温度計での温度測定試
験の結果、温度１５００〜１５５０℃の溶鋼に１６０時
間浸漬しても極く僅かに浸食されただけで、しかもＺｒ
Ｂ2製接着剤への地金の侵入や軟化も認められず、良好
な状態で使用し得ることを確認している。なお、その保
護管の断面図の図６に示すように、保護管本体１を分割
構成とすると共に、保護管本体１，１の相対する側に雄
ねじを螺刻し、さらにスリーブ２に雌ねじを螺刻した継
足し構成としたものも開示している。
験の結果、温度１５００〜１５５０℃の溶鋼に１６０時
間浸漬しても極く僅かに浸食されただけで、しかもＺｒ
Ｂ2製接着剤への地金の侵入や軟化も認められず、良好
な状態で使用し得ることを確認している。なお、その保
護管の断面図の図６に示すように、保護管本体１を分割
構成とすると共に、保護管本体１，１の相対する側に雄
ねじを螺刻し、さらにスリーブ２に雌ねじを螺刻した継
足し構成としたものも開示している。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来例
に係るＺｒＢ2 製保護管はセラミックで靱性が低く、耐
衝撃性・耐熱衝撃性が劣っているため、溶鋼に浸漬して
溶鋼の温度を測定するという用途に用いることができて
も、高炉の出銑口内の溶銑温度の測定には不向きであ
る。つまり、出銑口内の溶銑温度を測定するためには、
出銑口開口用のタッピングマシンを使用し、このタッピ
ングマシンの金属棒と共に高温測定用温度計を打込む必
要があるためである。
に係るＺｒＢ2 製保護管はセラミックで靱性が低く、耐
衝撃性・耐熱衝撃性が劣っているため、溶鋼に浸漬して
溶鋼の温度を測定するという用途に用いることができて
も、高炉の出銑口内の溶銑温度の測定には不向きであ
る。つまり、出銑口内の溶銑温度を測定するためには、
出銑口開口用のタッピングマシンを使用し、このタッピ
ングマシンの金属棒と共に高温測定用温度計を打込む必
要があるためである。
【０００６】仮に、ＺｒＢ2 製保護管を用いた高温測定
用温度計をタッピングマシンの金属棒と共に打込むと、
打込み時の機械的衝撃や曲げ力等によってＺｒＢ2 製保
護管に亀裂が発生し、その耐久寿命が極めて短くなると
いう解決すべき課題の他、充分に予熱する必要があり、
予熱にも長時間を要する。即ち、その取扱いも煩わしい
だけでなく、出銑口の溶銑温度を測定するに際してのそ
のセットに極めて長時間を要するという解決すべき課題
があった。
用温度計をタッピングマシンの金属棒と共に打込むと、
打込み時の機械的衝撃や曲げ力等によってＺｒＢ2 製保
護管に亀裂が発生し、その耐久寿命が極めて短くなると
いう解決すべき課題の他、充分に予熱する必要があり、
予熱にも長時間を要する。即ち、その取扱いも煩わしい
だけでなく、出銑口の溶銑温度を測定するに際してのそ
のセットに極めて長時間を要するという解決すべき課題
があった。
【０００７】従って、本発明は、耐衝撃性・耐熱衝撃性
が優れると共に、取扱いの容易な熱電対式温度計及びこ
の熱電対式温度計を用いて出銑口の溶銑の温度を容易に
測定することを可能ならしめる出銑口の溶銑温度測定方
法の提供を目的とする。
が優れると共に、取扱いの容易な熱電対式温度計及びこ
の熱電対式温度計を用いて出銑口の溶銑の温度を容易に
測定することを可能ならしめる出銑口の溶銑温度測定方
法の提供を目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記実情に鑑
みてなされたものであって、従って本発明の請求項１に
係る熱電対式温度計の構成は、熱電対が挿入され、表面
にＺｒＯ2 系サーメットの溶射皮膜が施された有底状の
Ｍｏ・ＺｒＯ2 系サーメットからなる保護管と、該保護
管が挿入される有底状の金属保護管と、前記保護管の内
側及び該保護管と前記金属保護管の間の隙間のそれぞれ
に軽充填密度で充填される耐火物粉末とからなることを
特徴とする。
みてなされたものであって、従って本発明の請求項１に
係る熱電対式温度計の構成は、熱電対が挿入され、表面
にＺｒＯ2 系サーメットの溶射皮膜が施された有底状の
Ｍｏ・ＺｒＯ2 系サーメットからなる保護管と、該保護
管が挿入される有底状の金属保護管と、前記保護管の内
側及び該保護管と前記金属保護管の間の隙間のそれぞれ
に軽充填密度で充填される耐火物粉末とからなることを
特徴とする。
【０００９】また、本発明の請求項２に係る出銑口の溶
銑温度測定方法の要旨は、タッピングマシンに着脱自在
に装着される出銑口開口用の金属棒に、長手方向に沿う
温度計収容室を設け、該金属棒の前記温度計収容室に請
求項１記載の熱電対式温度計を収容して出銑口を開口
し、出銑口の開口後に前記金属棒をそのまま出銑口に残
して、前記熱電対式温度計で出銑口の溶銑の温度を測定
することを特徴とする。
銑温度測定方法の要旨は、タッピングマシンに着脱自在
に装着される出銑口開口用の金属棒に、長手方向に沿う
温度計収容室を設け、該金属棒の前記温度計収容室に請
求項１記載の熱電対式温度計を収容して出銑口を開口
し、出銑口の開口後に前記金属棒をそのまま出銑口に残
して、前記熱電対式温度計で出銑口の溶銑の温度を測定
することを特徴とする。
【００１０】
【作用】本発明の請求項１に係る熱電対式温度計によれ
ば、有底状のＭｏ・ＺｒＯ2 系サーメットからなる保護
管はＺｒＢ2 製の保護管に比較して耐熱衝撃性が優れて
おり、しかも、保護管の内側及び保護管と金属保護管と
の間の隙間のそれぞれに軽充填密度で充填されている耐
火物粉末によって衝撃が吸収されるのに加えて、Ｍｏ・
ＺｒＯ2 系サーメットからなる保護管は、金属保護管に
挿入されているので、熱電対式温度計全体の耐衝撃強度
が一層向上する。さらに、Ｍｏ・ＺｒＯ2系サーメット
からなる保護管は、表面に溶射されているＺｒＯ2 系サ
ーメットの溶射皮膜により耐熱性が一層向上する。
ば、有底状のＭｏ・ＺｒＯ2 系サーメットからなる保護
管はＺｒＢ2 製の保護管に比較して耐熱衝撃性が優れて
おり、しかも、保護管の内側及び保護管と金属保護管と
の間の隙間のそれぞれに軽充填密度で充填されている耐
火物粉末によって衝撃が吸収されるのに加えて、Ｍｏ・
ＺｒＯ2 系サーメットからなる保護管は、金属保護管に
挿入されているので、熱電対式温度計全体の耐衝撃強度
が一層向上する。さらに、Ｍｏ・ＺｒＯ2系サーメット
からなる保護管は、表面に溶射されているＺｒＯ2 系サ
ーメットの溶射皮膜により耐熱性が一層向上する。
【００１１】また、本発明の請求項２に係る出銑口の溶
銑温度測定方によれば、本発明の請求項１に係る熱電対
式温度計が金属棒の温度計収容室に収容され、タッピン
グマシンの作動によりマッドで閉塞されている出銑口に
打込まれて熱電対式温度計は金属棒と共に溶銑中に残さ
れる。熱電対式温度計は打込み中を通じて衝撃を受ける
が、本発明の請求項１に係る熱電対式温度計は、上記の
とおり耐衝撃性が優れているので、従来のＺｒＢ2 製の
保護管を用いた温度計のように簡単に破損するようなこ
とがない。そして、溶銑の温度で先端棒や金属保護管が
溶損するが、この熱電対式温度計はＭｏ・ＺｒＯ2 系サ
ーメットからなる保護管で保護されて出銑口の溶銑の温
度を測定し続けることができる。
銑温度測定方によれば、本発明の請求項１に係る熱電対
式温度計が金属棒の温度計収容室に収容され、タッピン
グマシンの作動によりマッドで閉塞されている出銑口に
打込まれて熱電対式温度計は金属棒と共に溶銑中に残さ
れる。熱電対式温度計は打込み中を通じて衝撃を受ける
が、本発明の請求項１に係る熱電対式温度計は、上記の
とおり耐衝撃性が優れているので、従来のＺｒＢ2 製の
保護管を用いた温度計のように簡単に破損するようなこ
とがない。そして、溶銑の温度で先端棒や金属保護管が
溶損するが、この熱電対式温度計はＭｏ・ＺｒＯ2 系サ
ーメットからなる保護管で保護されて出銑口の溶銑の温
度を測定し続けることができる。
【００１２】
【実施例】以下、本発明の実施例に係る熱電対式温度計
と出銑口への熱電対式温度計の打込みに用いる金属棒
を、この熱電対式温度計を収容した状態を示す金属棒の
断面図の図１（ａ）と、図１（ａ）のＡ−Ａ線断面図の
図１（ｂ）とを参照しながら説明する。
と出銑口への熱電対式温度計の打込みに用いる金属棒
を、この熱電対式温度計を収容した状態を示す金属棒の
断面図の図１（ａ）と、図１（ａ）のＡ−Ａ線断面図の
図１（ｂ）とを参照しながら説明する。
【００１３】図に示す符号１は、熱電対式温度計で、こ
の熱電対式温度計１は後述するように構成されている。
即ち、インロー部でステンレス保護管３ａが接続され、
表面にＺｒＯ2 系サーメットの溶射皮膜４が施されてな
る有底状のＭｏ・ＺｒＯ2 系サーメットからなる保護管
３（外径２５ｍｍ）の内側に長短２対の熱電対２，２が
挿入されている。なお、Ｍｏ・ＺｒＯ2 系サーメットか
らなる保護管３にはステンレス保護管３ａが接続されて
いるが、この部位は高温に晒されることがなく、全てを
高価なＭｏ・ＺｒＯ2 系サーメットにする必要がないか
らである。
の熱電対式温度計１は後述するように構成されている。
即ち、インロー部でステンレス保護管３ａが接続され、
表面にＺｒＯ2 系サーメットの溶射皮膜４が施されてな
る有底状のＭｏ・ＺｒＯ2 系サーメットからなる保護管
３（外径２５ｍｍ）の内側に長短２対の熱電対２，２が
挿入されている。なお、Ｍｏ・ＺｒＯ2 系サーメットか
らなる保護管３にはステンレス保護管３ａが接続されて
いるが、この部位は高温に晒されることがなく、全てを
高価なＭｏ・ＺｒＯ2 系サーメットにする必要がないか
らである。
【００１４】そして、保護管３，３ａは有底状の金属保
護管５に挿入されると共に、前記保護管３，３ａの内側
及びこれら保護管３，３ａと前記金属保護管５の間の隙
間のそれぞれには、衝撃の吸収を目的とした粒度４０〜
３３０メッシュ程度のＭｇＯからなる耐火物粉末６が軽
充填密度で充填されている。耐火物粉末６の充填程度
は、例えば、隙間に耐火物粉末６を入れ、軽く振動を与
える程度が良い。その理由は、耐火物粉末６の充填密度
が高すぎても、低すぎても衝撃の吸収にとって好ましく
ないからである。なお、耐火物粉末６としては、高融点
物質であれば良いので、ＭｇＯだけでなく、例えばＡｌ
2 Ｏ3 等も用いることができ、特に耐火物粉末６の材質
そのものに限定されるものではない。
護管５に挿入されると共に、前記保護管３，３ａの内側
及びこれら保護管３，３ａと前記金属保護管５の間の隙
間のそれぞれには、衝撃の吸収を目的とした粒度４０〜
３３０メッシュ程度のＭｇＯからなる耐火物粉末６が軽
充填密度で充填されている。耐火物粉末６の充填程度
は、例えば、隙間に耐火物粉末６を入れ、軽く振動を与
える程度が良い。その理由は、耐火物粉末６の充填密度
が高すぎても、低すぎても衝撃の吸収にとって好ましく
ないからである。なお、耐火物粉末６としては、高融点
物質であれば良いので、ＭｇＯだけでなく、例えばＡｌ
2 Ｏ3 等も用いることができ、特に耐火物粉末６の材質
そのものに限定されるものではない。
【００１５】従って、この熱電対式温度計１のＭｏ・Ｚ
ｒＯ2 系サーメットからなる保護管３は従来例のＺｒＢ
2 製の保護管に比較して耐熱衝撃性が優れ、しかも、こ
の保護管３の内側及びこの保護管３と金属保護管５との
間の隙間のそれぞれに充填されている耐火物粉末６によ
って衝撃が吸収されるのに加えて、Ｍｏ・ＺｒＯ2 系サ
ーメットからなる保護管３は、金属保護管５に挿入され
ているので、この熱電対式温度計１全体の耐衝撃強度が
一層向上すると共に、金属保護管５が溶損してＭｏ・Ｚ
ｒＯ2 系サーメットからなる保護管３が高温に晒されて
も、この保護管３は表面に溶射されているＺｒＯ2 系サ
ーメットの溶射皮膜で保護される。
ｒＯ2 系サーメットからなる保護管３は従来例のＺｒＢ
2 製の保護管に比較して耐熱衝撃性が優れ、しかも、こ
の保護管３の内側及びこの保護管３と金属保護管５との
間の隙間のそれぞれに充填されている耐火物粉末６によ
って衝撃が吸収されるのに加えて、Ｍｏ・ＺｒＯ2 系サ
ーメットからなる保護管３は、金属保護管５に挿入され
ているので、この熱電対式温度計１全体の耐衝撃強度が
一層向上すると共に、金属保護管５が溶損してＭｏ・Ｚ
ｒＯ2 系サーメットからなる保護管３が高温に晒されて
も、この保護管３は表面に溶射されているＺｒＯ2 系サ
ーメットの溶射皮膜で保護される。
【００１６】上記熱電対式温度計１は、図示しないタッ
ピングマシンに着脱自在に装着される出銑口開口用の金
属棒１０（外形５０ｍｍ、長さ６ｍ）の径方向の中心部
において、長手方向に沿いかつこの金属棒１０の径方向
の中心と同心に設けられている断面が円形状の温度計収
容室１１に、耐火物粉末１２と共に収容されている。な
お、必ずしも耐火物粉末１２である必要がなく、例えば
繊維状の耐火物であっても良く、さらに熱電対式温度計
１の外側は金属保護管５で保護されているので無くても
良い。このように、熱電対式温度計１を耐火物粉末１２
と共に温度計収容室１１に収容したのは、熱電対式温度
計１の衝撃による損傷をより確実に防止することを狙い
としたものである。
ピングマシンに着脱自在に装着される出銑口開口用の金
属棒１０（外形５０ｍｍ、長さ６ｍ）の径方向の中心部
において、長手方向に沿いかつこの金属棒１０の径方向
の中心と同心に設けられている断面が円形状の温度計収
容室１１に、耐火物粉末１２と共に収容されている。な
お、必ずしも耐火物粉末１２である必要がなく、例えば
繊維状の耐火物であっても良く、さらに熱電対式温度計
１の外側は金属保護管５で保護されているので無くても
良い。このように、熱電対式温度計１を耐火物粉末１２
と共に温度計収容室１１に収容したのは、熱電対式温度
計１の衝撃による損傷をより確実に防止することを狙い
としたものである。
【００１７】金属棒１０の温度計収容室１１に収容した
熱電対式温度計１を出銑口の溶銑温度を測定するために
出銑口にセットする場合は、タッピングマシンでマッド
で閉塞されている出銑口に金属棒１０を打込み、そして
金属棒１０をタッピングマシンから取外す。このような
金属棒１０の打込みに際して、熱電対式温度計１は衝撃
を受けるが、この熱電対式温度計１は、上記のとおり、
耐衝撃性が優れているので、従来のＺｒＢ2 製の保護管
を用いた温度計のように簡単に破損することなく出銑口
にセットすることができた。そして、溶銑の温度で先端
棒１０や金属保護管５が溶損しても、この熱電対式温度
計１はＭｏ・ＺｒＯ2 系サーメットからなる保護管３で
保護されて出銑口の溶銑の温度を測定し続けることがで
きた。
熱電対式温度計１を出銑口の溶銑温度を測定するために
出銑口にセットする場合は、タッピングマシンでマッド
で閉塞されている出銑口に金属棒１０を打込み、そして
金属棒１０をタッピングマシンから取外す。このような
金属棒１０の打込みに際して、熱電対式温度計１は衝撃
を受けるが、この熱電対式温度計１は、上記のとおり、
耐衝撃性が優れているので、従来のＺｒＢ2 製の保護管
を用いた温度計のように簡単に破損することなく出銑口
にセットすることができた。そして、溶銑の温度で先端
棒１０や金属保護管５が溶損しても、この熱電対式温度
計１はＭｏ・ＺｒＯ2 系サーメットからなる保護管３で
保護されて出銑口の溶銑の温度を測定し続けることがで
きた。
【００１８】つまり、この熱電対式温度計１は、予熱す
ることなく出銑口にセットしたのであるが、縦軸に測定
温度（℃）をとり、横軸に経過時間（ｈ）をとって示す
測定温度説明図の図２に示すように、２６時間連続して
溶銑の温度を測定し続けることができた。次いで、この
熱電対式温度計１を出銑口から取外して冷却した後に各
部品を調査した。勿論、金属棒１０や金属保護管５は溶
損していたが、保護管３には殆ど損傷がなく、長期安定
して使用し得ることを確認した。但し、同図から良く理
解されるように、約１０時間の過渡時間があり、応答性
を必要としない用途に限られるという問題が残された。
ることなく出銑口にセットしたのであるが、縦軸に測定
温度（℃）をとり、横軸に経過時間（ｈ）をとって示す
測定温度説明図の図２に示すように、２６時間連続して
溶銑の温度を測定し続けることができた。次いで、この
熱電対式温度計１を出銑口から取外して冷却した後に各
部品を調査した。勿論、金属棒１０や金属保護管５は溶
損していたが、保護管３には殆ど損傷がなく、長期安定
して使用し得ることを確認した。但し、同図から良く理
解されるように、約１０時間の過渡時間があり、応答性
を必要としない用途に限られるという問題が残された。
【００１９】次に、本発明の他の実施例に係る熱電対式
温度計と出銑口への熱電対式温度計の打込みに用いる金
属棒を、この熱電対式温度計を収容した状態を示す金属
棒の外観図の図３（ａ）と、図３（ａ）のＢ矢視図の図
３（ｂ）と、熱電対式温度計の断面図の図３（ｃ）とを
参照しながら説明すると、熱電対式温度計１は、１対の
熱電対２が挿入されてなるハイアルミナ絶縁管２ａが、
表面にＺｒＯ2 系サーメットの溶射皮膜４が施されてな
る有底状のＭｏ・ＺｒＯ2 系サーメットからなる保護管
３（外形１２ｍｍ）に挿入され、さらに保護管３が有底
状の金属保護管５に挿入されると共に、前記ハイアルミ
ナ管２ａと保護管３の間及び保護管３と金属保護管５の
と間の隙間のそれぞれに、上記実施例と同様の粒度と材
質からなる耐火物粉末６が軽充填密度で充填されてい
る。なお、この例ではハイアルミナ絶縁管２ａを用いて
いるが、これは熱電対２が細く、熱電対２が予めハイア
ルミナ絶縁管２ａに挿入されてなるものをそのまま用い
たからである。
温度計と出銑口への熱電対式温度計の打込みに用いる金
属棒を、この熱電対式温度計を収容した状態を示す金属
棒の外観図の図３（ａ）と、図３（ａ）のＢ矢視図の図
３（ｂ）と、熱電対式温度計の断面図の図３（ｃ）とを
参照しながら説明すると、熱電対式温度計１は、１対の
熱電対２が挿入されてなるハイアルミナ絶縁管２ａが、
表面にＺｒＯ2 系サーメットの溶射皮膜４が施されてな
る有底状のＭｏ・ＺｒＯ2 系サーメットからなる保護管
３（外形１２ｍｍ）に挿入され、さらに保護管３が有底
状の金属保護管５に挿入されると共に、前記ハイアルミ
ナ管２ａと保護管３の間及び保護管３と金属保護管５の
と間の隙間のそれぞれに、上記実施例と同様の粒度と材
質からなる耐火物粉末６が軽充填密度で充填されてい
る。なお、この例ではハイアルミナ絶縁管２ａを用いて
いるが、これは熱電対２が細く、熱電対２が予めハイア
ルミナ絶縁管２ａに挿入されてなるものをそのまま用い
たからである。
【００２０】上記熱電対式温度計１は、図示しないタッ
ピングマシンに着脱自在に装着される出銑口開口用の金
属棒１０（外形５０ｍｍ、長さ６ｍ）の外周の長手方向
に沿って設けられた溝状の温度計収容室１１に沿わされ
てセットされており、熱電対式温度計１の金属保護管５
外周の一部は完全に露出した状態になっている。このよ
うに、金属保護管５外周の一部を露出させるようにした
のは、熱電対式温度計１の温度応答性の向上を狙いとし
たものである。
ピングマシンに着脱自在に装着される出銑口開口用の金
属棒１０（外形５０ｍｍ、長さ６ｍ）の外周の長手方向
に沿って設けられた溝状の温度計収容室１１に沿わされ
てセットされており、熱電対式温度計１の金属保護管５
外周の一部は完全に露出した状態になっている。このよ
うに、金属保護管５外周の一部を露出させるようにした
のは、熱電対式温度計１の温度応答性の向上を狙いとし
たものである。
【００２１】従って、上記実施例と同様に、タッピング
マシンで金属棒１０を打込むことにより、損傷すること
なくこの電対式温度計１を出銑口にセットすることがで
き、そして金属保護管５が溶損しても、この熱電対式温
度計１はＭｏ・ＺｒＯ2 系サーメットからなる保護管３
で保護されて出銑口の溶銑の温度を測定し続けることが
できた。
マシンで金属棒１０を打込むことにより、損傷すること
なくこの電対式温度計１を出銑口にセットすることがで
き、そして金属保護管５が溶損しても、この熱電対式温
度計１はＭｏ・ＺｒＯ2 系サーメットからなる保護管３
で保護されて出銑口の溶銑の温度を測定し続けることが
できた。
【００２２】この熱電対式温度計１による溶銑の温度測
定結果は、縦軸に測定温度（℃）をとり、横軸に経過時
間（ｈ）をとって示す測定温度説明図の図４に示すよう
に、過渡時間が短く、約４０分程度で定常状態になるの
で、上記実施例に比較して温度応答性が極めて優れてい
る。勿論、保護管３の径が細く、薄肉厚のため、耐久性
は上記実施例に比較して劣るが、実用上十分な１５時間
に及ぶ連続使用が可能であることを確認した。
定結果は、縦軸に測定温度（℃）をとり、横軸に経過時
間（ｈ）をとって示す測定温度説明図の図４に示すよう
に、過渡時間が短く、約４０分程度で定常状態になるの
で、上記実施例に比較して温度応答性が極めて優れてい
る。勿論、保護管３の径が細く、薄肉厚のため、耐久性
は上記実施例に比較して劣るが、実用上十分な１５時間
に及ぶ連続使用が可能であることを確認した。
【００２３】
【発明の効果】以上述べたように、本発明に係る熱電対
式温度計及び出銑口の溶銑温度測定方法によれば、Ｚｒ
Ｂ2 製の保護管に比較して耐熱衝撃性が優れたＭｏ・Ｚ
ｒＯ2系サーメットからなる保護管の使用と、保護管の
内側及び保護管と金属保護管との間の隙間のそれぞれに
充填されている耐火物粉末による衝撃の吸収と、保護管
の金属保護管への挿入とにより熱電対式温度計の耐衝撃
強度の向上が可能になる結果、予熱せずにタッピングマ
シンでこの熱電対式温度計に損傷を与えることなく打込
んで容易に出銑口にセットすることができ、さらにＭｏ
・ＺｒＯ2 系サーメットからなる保護管の表面のＺｒＯ
2 系サーメットの溶射皮膜による耐熱性の向上によって
長期間の連続温度測定が可能になり、溶銑出口への熱電
対式温度計のセット作業時間の大幅な短縮に多大に寄与
することができる。
式温度計及び出銑口の溶銑温度測定方法によれば、Ｚｒ
Ｂ2 製の保護管に比較して耐熱衝撃性が優れたＭｏ・Ｚ
ｒＯ2系サーメットからなる保護管の使用と、保護管の
内側及び保護管と金属保護管との間の隙間のそれぞれに
充填されている耐火物粉末による衝撃の吸収と、保護管
の金属保護管への挿入とにより熱電対式温度計の耐衝撃
強度の向上が可能になる結果、予熱せずにタッピングマ
シンでこの熱電対式温度計に損傷を与えることなく打込
んで容易に出銑口にセットすることができ、さらにＭｏ
・ＺｒＯ2 系サーメットからなる保護管の表面のＺｒＯ
2 系サーメットの溶射皮膜による耐熱性の向上によって
長期間の連続温度測定が可能になり、溶銑出口への熱電
対式温度計のセット作業時間の大幅な短縮に多大に寄与
することができる。
【図１】図１（ａ）は、本発明の実施例に係る熱電対式
温度計を収容した状態を示す金属棒の断面図、図１
（ｂ）は図１（ａ）のＡ−Ａ線断面図である。
温度計を収容した状態を示す金属棒の断面図、図１
（ｂ）は図１（ａ）のＡ−Ａ線断面図である。
【図２】本発明の実施例に係る熱電対式温度計による測
定温度説明図である。
定温度説明図である。
【図３】図３（ａ）は本発明の他の実施例に係る熱電対
式温度計を収容した状態を示す金属棒の外観図、図３
（ｂ）は図３（ａ）のＢ矢視図、図３（ｃ）は熱電対式
温度計の断面図である。
式温度計を収容した状態を示す金属棒の外観図、図３
（ｂ）は図３（ａ）のＢ矢視図、図３（ｃ）は熱電対式
温度計の断面図である。
【図４】本発明の他の実施例に係る熱電対式温度計によ
る測定温度説明図である。
る測定温度説明図である。
【図５】従来例に係るＺｒＢ2 製の保護管の断面図であ
る。
る。
【図６】他の従来例に係るＺｒＢ2 製の保護管の断面図
である。
である。
１…熱電対式温度計 ２…熱電対，２ａ…ハイアルミナ保護管 ３…Ｍｏ・ＺｒＯ2 系サーメットからなる保護管，３ａ
…ステンレス保護管 ４…溶射皮膜 ５…金属保護管 ６…耐火物粉末 １０…金属棒 １１…温度計収容室 １２…耐火物粉末
…ステンレス保護管 ４…溶射皮膜 ５…金属保護管 ６…耐火物粉末 １０…金属棒 １１…温度計収容室 １２…耐火物粉末
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永井 信幸 兵庫県神戸市西区高塚台１丁目５番５号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内
Claims (2)
- 【請求項１】 熱電対が挿入され、表面にＺｒＯ2 系サ
ーメットの溶射皮膜が施された有底状のＭｏ・ＺｒＯ2
系サーメットからなる保護管と、該保護管が挿入される
有底状の金属保護管と、前記保護管の内側及び該保護管
と前記金属保護管の間の隙間のそれぞれに軽充填密度で
充填される耐火物粉末とからなることを特徴とする熱電
対式温度計。 - 【請求項２】 タッピングマシンに着脱自在に装着され
る出銑口開口用の金属棒に、長手方向に沿う温度計収容
室を設け、該金属棒の前記温度計収容室に請求項１記載
の熱電対式温度計を収容して出銑口を開口し、出銑口の
開口後に前記金属棒をそのまま出銑口に残して、前記熱
電対式温度計で出銑口の溶銑の温度を測定することを特
徴とする出銑口の溶銑温度測定方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15477194A JPH0821768A (ja) | 1994-07-06 | 1994-07-06 | 熱電対式温度計及び出銑口の溶銑温度測定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15477194A JPH0821768A (ja) | 1994-07-06 | 1994-07-06 | 熱電対式温度計及び出銑口の溶銑温度測定方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0821768A true JPH0821768A (ja) | 1996-01-23 |
Family
ID=15591542
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP15477194A Withdrawn JPH0821768A (ja) | 1994-07-06 | 1994-07-06 | 熱電対式温度計及び出銑口の溶銑温度測定方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0821768A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007078475A (ja) * | 2005-09-13 | 2007-03-29 | Kobe Steel Ltd | 高炉内溶銑温度の測定方法 |
| KR100816634B1 (ko) * | 2005-08-24 | 2008-03-27 | 헤라우스 일렉트로-나이트 인터내셔날 엔. 브이. | 용융 금속 내에서의 온도 측정 장치 |
| KR100839526B1 (ko) * | 2001-12-24 | 2008-06-18 | 주식회사 하이닉스반도체 | 반도체 소자 제조방법 |
| KR101014540B1 (ko) * | 2009-03-17 | 2011-02-16 | 주식회사 우진 | 용융로 내부온도 측정을 위한 열전대 조립체 및 가스 밀봉장치 |
| CN112609159A (zh) * | 2020-12-16 | 2021-04-06 | 尚越光电科技股份有限公司 | 一种cigs薄膜太阳能电池热电偶装配的共蒸设备 |
-
1994
- 1994-07-06 JP JP15477194A patent/JPH0821768A/ja not_active Withdrawn
Cited By (9)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100839526B1 (ko) * | 2001-12-24 | 2008-06-18 | 주식회사 하이닉스반도체 | 반도체 소자 제조방법 |
| KR100816634B1 (ko) * | 2005-08-24 | 2008-03-27 | 헤라우스 일렉트로-나이트 인터내셔날 엔. 브이. | 용융 금속 내에서의 온도 측정 장치 |
| US7712957B2 (en) | 2005-08-24 | 2010-05-11 | Heraeus Electro-Nite International N.V. | Device for measuring temperature in molten metals |
| US8033717B2 (en) | 2005-08-24 | 2011-10-11 | Heraeus Electro-Nite International N.V. | Device for measuring temperature in molten metals |
| JP2007078475A (ja) * | 2005-09-13 | 2007-03-29 | Kobe Steel Ltd | 高炉内溶銑温度の測定方法 |
| JP4664784B2 (ja) * | 2005-09-13 | 2011-04-06 | 株式会社神戸製鋼所 | 高炉内溶銑温度の推定方法 |
| KR101014540B1 (ko) * | 2009-03-17 | 2011-02-16 | 주식회사 우진 | 용융로 내부온도 측정을 위한 열전대 조립체 및 가스 밀봉장치 |
| CN112609159A (zh) * | 2020-12-16 | 2021-04-06 | 尚越光电科技股份有限公司 | 一种cigs薄膜太阳能电池热电偶装配的共蒸设备 |
| CN112609159B (zh) * | 2020-12-16 | 2023-02-14 | 尚越光电科技股份有限公司 | 一种cigs薄膜太阳能电池热电偶装配的共蒸设备 |
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Legal Events
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|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20011002 |