JPH10160586A - 熱電対用保護管及びこれを用いる測温方法 - Google Patents

熱電対用保護管及びこれを用いる測温方法

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JPH10160586A
JPH10160586A JP33763696A JP33763696A JPH10160586A JP H10160586 A JPH10160586 A JP H10160586A JP 33763696 A JP33763696 A JP 33763696A JP 33763696 A JP33763696 A JP 33763696A JP H10160586 A JPH10160586 A JP H10160586A
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JP
Japan
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thermocouple
base material
furnace
high alloy
protection tube
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JP33763696A
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English (en)
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Koichiro Kanefuji
▲紘▼一郎 金藤
Hiroshi Goto
拡 後藤
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Daido Steel Co Ltd
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】熱電対の寿命を長くできる熱電対用保護管を提
供する。 【解決手段】先端が密閉された筒状母材の外周面にNi
を55〜80重量%及びCrを15〜35重量%含有す
る高合金材料をプラズマ粉末肉盛溶接した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱電対用保護管及び
これを用いる測温方法に関する。一般に熱電対は、これ
を先端が密閉された保護管内に挿入し、双方の間に絶縁
材を充填した状態で使用される。このような熱電対はシ
ース熱電対と称されるが、場合によってはかかるシース
熱電対を更に別の保護管内に挿入した状態で使用され
る。これらの保護管には、それが高度の耐食性を有し、
よって内部の熱電対を長期間に亘り保護し得るものであ
ることが要請される。本発明はかかる要請に応える熱電
対用保護管及びこれを用いる測温方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上記のような熱電対用保護管とし
て、先端が密閉された金属製管、例えばSUS310S
製の管が用いられている。熱電対の実際使用場面では、
熱電対を先端が密閉された金属製管内に挿入し、双方の
間に絶縁材を充填したシース熱電対をそのまま使用する
か或はかかるシース熱電対を更に別の先端が密閉された
金属製管内に挿入して使用しているのである。ところ
が、これらの保護管には、その耐食性が不充分であるた
め、結果として内部の熱電対の寿命が短いという問題が
ある。このような問題は特に廃棄物溶融炉の炉壁温度を
測定するような場合に大きい。廃棄物を溶融処理する溶
融炉においては、その炉壁の溶損程度を監視するため、
炉壁に凹部を設け、この凹部内に保護管を挿入し、更に
この保護管内にシース熱電対を挿入して、炉壁の温度を
測定するが、炉壁を浸透した腐食成分が凹部内に挿入し
た保護管及びこの保護管内に挿入したシース熱電対それ
自体の保護管を腐食し、結果として内部の熱電対を損傷
する。なかでも、都市ごみの焼却残渣(焼却灰や焼却飛
灰)のようにアルカリ塩を含む廃棄物を溶融処理する溶
融炉の炉壁部、具体的には炉内に生成するアルカリ塩を
含む溶融スラグと接触する部位の炉壁部は特に溶損し易
く、かかる炉壁部の溶損程度を監視するため、上記のよ
うに該炉壁部に設けた凹部内に保護管を挿入し、更にこ
の保護管内にシース熱電対を挿入して、該炉壁部の温度
を測定するが、炉壁部を浸透したアルカリ塩が、400
℃以上になる温度域の凹部内に挿入した保護管及びこの
保護管内に挿入したシース熱電対それ自体の保護管を著
しく腐食するので、内部の熱電対の寿命は半月程度しか
ないというのが実情である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、従来の熱電対用保護管では、その耐食性が
不充分であるため、結果として内部の熱電対の寿命が短
い点である。
【0004】
【課題を解決するための手段】しかして本発明は、先端
が密閉された筒状母材の外周面にNiを55〜80重量
%及びCrを15〜35重量%含有する高合金材料をプ
ラズマ粉末肉盛溶接して成ることを特徴とする熱電対用
保護管に係る。また本発明は、先端が密閉された筒状母
材の外周面にNiを55〜80重量%及びCrを15〜
35重量%含有する高合金材料をプラズマ粉末肉盛溶接
した後、その溶接部を冷間で塑性加工し、更に溶体化処
理して成ることを特徴とする熱電対用保護管に係る。更
に本発明は、上記のような熱電対用保護管内にシース熱
電対を挿入し、この熱電対用保護管を廃棄物溶融炉の炉
体に取付けて、炉体若しくは炉内の温度を測定すること
を特徴とする測温方法に係る。
【0005】本発明において、先端が密閉された筒状母
材としては、一般に先端が密閉された金属製管、例えば
先端が密閉されたSUS304、SUS310、SUS
310S、SUS316、SUS430等のステンレス
鋼製の管を使用できる。したがって先端が密閉された筒
状母材それ自体としては従来の熱電対用保護管をそのま
ま使用できる。先端が密閉された筒状母材の外周面、少
なくとも腐食成分に晒されることとなる外周面部には高
合金材料がプラズマ粉末肉盛溶接( PlasmaPowder Weld
ing )されている。
【0006】本発明において、高合金材料としては、N
iを55〜80重量%及びCrを15〜35重量%含有
するものを用いるが、更にMoを8〜15重量%含有す
るものを用いるのが好ましい。これらの高合金材料は耐
食性に優れ、前述したようにアルカリ塩を含む廃棄物を
溶融処理する溶融炉の炉壁部の温度測定部の温度が40
0℃以上となるような場合においても充分な耐食性を発
揮する。かかる高合金材料としては、15.5Cr−7
6Ni−8Fe(数値はいずれも重量%、以下同じ)、
22Cr−61Ni−2.5Fe−9Mo−3.6N
b、30Cr−69.4Ni−0.6Y23、29Cr
−60Ni−9Fe−0.2Cu、19Cr−57Ni
−13Mo等が挙げられる。
【0007】本発明では、先端が密閉された筒状母材の
外周面、少なくとも腐食成分に晒されることとなる外周
面部に上記のような高合金材料をプラズマ粉末肉盛溶接
する。高合金粉末材料をプラズマトーチを用いて肉盛溶
接するプラズマ粉末肉盛溶接の方法それ自体は公知の方
法を適用できる。プラズマ粉末肉盛溶接は、溶接棒を用
いる場合に比べて、溶接速度が早い、自動化が容易であ
る等の利点を有する。先端が密閉された筒状母材の外周
面に上記のような高合金材料をプラズマ粉末肉盛溶接す
るのに代えて、当初から先端が密閉された上記のような
高合金材料製の管を作製することも考えられるが、この
ような管の作製は、用いる材料の性質上、誠に難しい。
【0008】本発明に係る熱電対用保護管は、以上説明
したように、先端が密閉された筒状母材の外周面にNi
を55〜80重量%及びCrを15〜35重量%、或は
更にMoを8〜15重量%含有する高合金材料をプラズ
マ粉末肉盛溶接して成るものであるが、かくしてプラズ
マ粉末肉盛溶接した後、その溶接部を冷間で塑性加工
し、更に溶体化処理して成るものが好ましい。溶接部の
冷間での塑性加工及び溶体化処理により、該溶接部に微
細再結晶が生じ、これによって粒界浸食が抑制されるの
で、耐食性を更に向上できる。
【0009】本発明に係る熱電対用保護管は熱電対を用
いて測温する場合の各種の産業分野に利用できる。強い
腐食成分に晒され易い廃棄物溶融炉の炉体温度を測定す
る場合にも適用でき、またアルカリ塩を含む廃棄物を溶
融処理する溶融炉の炉壁部であって測温部温度が400
℃以上となるような部位の炉壁部、例えば炉内に生成す
るアルカリ塩を含む溶融スラグと接触する部位の炉壁部
の温度を測定する場合にも適用できる。この場合に通常
は、かかる炉壁部に凹部を設け、この凹部内に本発明に
係る熱電対用保護管を挿入し、更にこの熱電対用保護管
内に市販のシース熱電対を挿入して、該炉壁部の温度を
測定する。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は熱電対との関係で本発明に
係る熱電対用保護管を例示する断面図である。先端が密
閉された筒状母材11内に熱電対21が挿入されてお
り、筒状母材11と熱電対21との間には絶縁材31が
充填されていて、これらはその形態としてシース熱電対
を構成している。筒状母材11の基端側にはフランジ4
1が形成されており、フランジ41よりも先端側におけ
る筒状母材11の外周面部に15.5Cr−76Ni−
8Feの組成を有する高合金材料のプラズマ粉末肉盛溶
接部51が肉盛溶接されている。図1に例示した熱電対
用保護管はシース熱電対を構成する筒状母材11の外周
面部に直接高合金材料を肉盛溶接したものから成ってい
る。
【0011】図2は廃棄物溶融炉との関係で本発明に係
る他の熱電対用保護管を例示する断面図である。全体を
図示しない廃棄物溶融炉の炉壁部は炉外側から炉内側に
向かい炉殻61、耐火キャスタブル62及び耐火レンガ
63の順で構築されており、この炉壁部の炉内側は炉内
に生成するアルカリ塩を含む溶融スラグSと接触してい
て、溶融処理時にその炉内側温度は1400℃以上にな
り、後述するように挿入したシース熱電対先端部の温度
は800℃程度になる。この炉壁部には炉殻61及び耐
火キャスタブル62を貫通して耐火レンガ63へと亘り
凹部71が形成されており、凹部71内に熱電対用保護
管が挿入されていて、この熱電対用保護管内にシース熱
電対81が挿入されている。図2に例示した熱電対用保
護管は先端が密閉された筒状母材12、筒状母材12の
やや基端側に形成されたフランジ42、筒状母材12の
基端側に形成されたフランジ43及びフランジ42より
も先端側における筒状母材12の外周面部に肉盛溶接さ
れた高合金材料のプラズマ粉末肉盛溶接部52を備え、
プラズマ粉末肉盛溶接部52は筒状母材12の外周面部
に19Cr−57Ni−13Moの組成を有する高合金
材料をプラズマ粉末肉盛溶接した後、冷間で塑性加工
し、更に溶体化処理したものから成っている。
【0012】図2について前述した使用態様で下記の条
件下に炉壁部の温度を測定した。 条件:廃棄物溶融炉;三相交流アーク炉、廃棄物;アル
カリ塩を含む都市ごみ焼却残渣(焼却灰/焼却飛灰=2
/1の混合物)、筒状母材;先端が密閉されたSUS3
10S製の管、プラズマ粉末肉盛溶接部の肉厚;2mm、
塑性加工;冷間でのスエージング加工、溶体化処理;1
150℃から水鈍、シース熱電対;先端が密閉されたS
US310S製の管で保護された外径8mmのK型熱電対 上記の条件下に都市ごみ焼却残渣を連続して溶融処理し
たところ、シース熱電対は3か月経過後でもその機能を
円滑に発揮していた。これに対し、熱電対用保護管とし
て、外周面部に高合金材料がプラズマ粉末肉盛溶接され
ていない先端が密閉されたSUS310S製の管を用い
た場合、シース熱電対は15日でその機能を停止した。
【0013】
【発明の効果】既に明らかなように、以上説明した本発
明には、内部の熱電対の寿命を長くできるという効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】シース熱電対との関係で本発明に係る熱電対用
保護管を例示する断面図。
【図2】廃棄物溶融炉との関係で本発明に係る他の熱電
対用保護管を例示する断面図。
【符号の説明】
11,12・・・筒状母材、21・・・熱電対、31・
・・絶縁材、41〜43・・・フランジ、61・・・炉
殻、62・・・耐火キャスタブル、63・・・耐火レン
ガ、71・・・凹部、81・・・シース熱電対、S・・
・溶融スラグ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G01K 7/02 G01K 7/02 C // B23K 10/02 501 B23K 10/02 501A

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端が密閉された筒状母材の外周面にN
    iを55〜80重量%及びCrを15〜35重量%含有
    する高合金材料をプラズマ粉末肉盛溶接して成ることを
    特徴とする熱電対用保護管。
  2. 【請求項2】 先端が密閉された筒状母材の外周面にN
    iを55〜80重量%及びCrを15〜35重量%含有
    する高合金材料をプラズマ粉末肉盛溶接した後、その溶
    接部を冷間で塑性加工し、更に溶体化処理して成ること
    を特徴とする熱電対用保護管。
  3. 【請求項3】 高合金材料が更にMoを8〜15重量%
    含有するものである請求項1又は2記載の熱電対用保護
    管。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載の熱電対用保護
    管内にシース熱電対を挿入し、この熱電対用保護管を廃
    棄物溶融炉の炉体に取付けて、炉体若しくは炉内の温度
    を測定することを特徴とする測温方法。
JP33763696A 1996-12-02 1996-12-02 熱電対用保護管及びこれを用いる測温方法 Pending JPH10160586A (ja)

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