JPH08217479A - フッ化物ガラス母材の製造方法 - Google Patents

フッ化物ガラス母材の製造方法

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JPH08217479A
JPH08217479A JP3204195A JP3204195A JPH08217479A JP H08217479 A JPH08217479 A JP H08217479A JP 3204195 A JP3204195 A JP 3204195A JP 3204195 A JP3204195 A JP 3204195A JP H08217479 A JPH08217479 A JP H08217479A
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fluoride glass
melt
hollow portion
fluoride
volume
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JP3204195A
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Chie Fukuda
智恵 福田
Masashi Onishi
正志 大西
Hiroo Kanamori
弘雄 金森
Yoshiaki Miyajima
義昭 宮島
Masataka Nakazawa
正隆 中沢
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Sumitomo Electric Industries Ltd
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B37/00Manufacture or treatment of flakes, fibres, or filaments from softened glass, minerals, or slags
    • C03B37/01Manufacture of glass fibres or filaments
    • C03B37/012Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments
    • C03B37/01265Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments starting entirely or partially from molten glass, e.g. by dipping a preform in a melt
    • C03B37/01268Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments starting entirely or partially from molten glass, e.g. by dipping a preform in a melt by casting
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2201/00Type of glass produced
    • C03B2201/80Non-oxide glasses or glass-type compositions
    • C03B2201/82Fluoride glasses, e.g. ZBLAN glass

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 サクソンキャスティング法の長所を活かした
3層構造を有するフッ化物ガラス母材の製造方法を提供
する。 【構成】 (a)不活性ガス雰囲気中で、第1の中空部
110の体積と第2の中空部130の体積の和と略同一
の量の第1の材料組成の第1のフッ化物ガラス融液を開
口中空部から注ぐ第1の工程と、(b)第2の材料組成
の第2のフッ化物ガラス融液を、注入された第2のフッ
化物ガラス融液が固化した後の体積が注入された第1の
フッ化物ガラス融液が固化した場合に融液状態から減少
した体積よりも小さくなる量だけ、不活性ガス雰囲気中
で前記開口中空部110から第1のフッ化物ガラス融液
上に注ぐ第2の工程と、(c)第3の材料組成の第3の
フッ化物ガラス融液を不活性ガス雰囲気中で開口中空部
110から第2のフッ化物ガラス融液上に注ぐ第3の工
程と、(d)第3のフッ化物ガラス融液が注入された鋳
型を不活性ガス雰囲気中で徐冷して固化する第4の工程
と、を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光伝送媒体であるフッ
化物ファイバの作成にあたって使用されるフッ化物ガラ
ス母材の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光通信の光伝送媒体として使用される赤
外領域の光を透過する光ファイバとして、この波長領域
で損失の少ないフッ化物ガラスを材料としたフッ化物フ
ァイバが注目されている。フッ化物ファイバは、低損失
性を生かした長距離伝送媒体として、また、赤外光を増
幅する光ファイバ増幅器の構成要素として使用される。
【0003】フッ化物ファイバはフッ化物ガラス母材を
線引して作成されるが、こうしたフッ化物ガラス母材
は、期待するコアとクラッド間の比屈折率差を得るため
に調合されたコアおよびクラッド材料を出発材として、
例えば、特公開 昭63−11535のファイバ用プリ
フォーム製造方法(以後、サクソンキャスティング法と
呼ぶ)を使用して作成される。このサクソンキャスティ
ング法では、鋳型の中にクラッド用フッ化物ガラス融液
を注入後、コア用フッ化物ガラス融液を注入する工程を
介して、フッ化物ガラス母材を製造する。
【0004】このサクソンキャスティング法は、ビルト
インキャスティング法やローテーショナルキャスティン
グ法に比べて、コア部とクラッド部との界面に周囲雰囲
気から水分等が混入しにくいので、良質のフッ化物ファ
イバが得られる利点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のサクソンキャス
ティング法では、上記のように2種のフッ化物ガラスを
使用するので、2層構造のフッ化物ガラス母材が得られ
る。一方、近年の光ファイバに求められる機能の多様化
に伴い、コア部が2層構造を有したり、クラッド部が2
層構造を有したりするフッ化物ファイバの需要が増大し
ている。
【0006】また、ビルトインキャスティング法によれ
ば、3層構造のフッ化物ガラス母材の製造は可能である
が、上述のように、界面に周囲雰囲気から水分等が混入
しやすいので、良質のフッ化物ファイバが得にくい。
【0007】本発明は、上記を鑑みてなされたものであ
り、サクソンキャスティング法の長所を活かした3層構
造を有するフッ化物ガラス母材の製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のフッ化物ガラス
母材の製造方法は、(a)複数種のフッ化物ガラス融液
を注ぐ開口中空部と、第1の端部で開口中空部と連通し
た円柱状の第1の中空部と、第1の中空部の第2の端部
で第1の中空部と連通するとともに、第1の中空部の中
心軸と略一致する中心軸を有し、第1の中空部の端部の
面積よりも大きな端部を有する柱状の第2の中空部とを
備える鋳型に、不活性ガス雰囲気中で、第1の中空部の
体積と第2の中空部の体積の和と略同一の量の第1の材
料組成の第1のフッ化物ガラス融液を前記開口中空部か
ら第1の中空部へ向けて注ぐ第1の工程と、(b)第2
の材料組成の第2のフッ化物ガラス融液を、注入された
第2のフッ化物ガラス融液が固化した後の体積が注入さ
れた第1のフッ化物ガラス融液が固化した場合に融液状
態から減少した体積よりも小さくなる量だけ、不活性ガ
ス雰囲気中で前記開口中空部から第1のフッ化物ガラス
融液上に注ぐ第2の工程と、(c)第3の材料組成の第
3のフッ化物ガラス融液を不活性ガス雰囲気中で開口中
空部から第2のフッ化物ガラス融液上に注ぐ第3の工程
と、(d)第3のフッ化物ガラス融液が注入された鋳型
を不活性ガス雰囲気中で徐冷して固化する第4の工程
と、を備えることを特徴とする。
【0009】ここで、第2のフッ化物ガラス融液の固化
後のフッ化物ガラスは、第3のフッ化物ガラス融液の固
化後のフッ化物ガラスよりも屈折率が高く設定すること
も可能であるし、また、第2のフッ化物ガラス融液の固
化後のフッ化物ガラスは、第1のフッ化物ガラス融液の
固化後のフッ化物ガラスよりも屈折率が低く設定するこ
とも可能である。
【0010】また、第2のフッ化物ガラス融液の注入量
は、注入された第1のフッ化物ガラス融液が固化した場
合に融液状態から減少した体積よりも多いことを特徴と
してもよい。
【0011】また、第1の中空部の端部の面積は、 S≦3α1 ・α2 ・V/2 …(1) ここで、S:前記第1の中空部の端部の面積 α1 :前記第1のフッ化物ガラス融液の固化後の体積減
少率 α2 :前記第2のフッ化物ガラス融液の固化後の体積減
少率 V:前記第1の中空部の体積と前記第1の中空部の体積
との和の関係を満足する、ことを特徴としてもよい。
【0012】また、第4の工程後に、(e)固化された
フッ化物ガラス部材から前記第の中空部で固化した第1
の円柱状のフッ化物ガラス部材を取り出す第5の工程
と、(f)第1の円柱状のフッ化物ガラス部材を加熱し
て延伸し、第2の径を有する第2の円柱状のフッ化物ガ
ラス部材とする第6の工程と、(g)第2の円柱状のフ
ッ化物ガラス部材から3層構造を部分を選択した第3の
円柱状のフッ化物ガラス部材を得る第7の工程と、
(h)第3の円柱状のフッ化物ガラス部材を第2の径と
略同一の内径を有する円筒状のフッ化物ガラス部材に挿
入して第4の円柱状のフッ化物ガラス部材とする第8の
工程と、を更に備えることを特徴としてもよい。
【0013】
【作用】本発明のフッ化物ガラス母材の製造方法では、
不活性ガス雰囲気中で溶融した第1のフッ化物ガラス融
液と第2のフッ化物ガラス融液と第3のフッ化物ガラス
融液とを用意した後、まず、本発明のフッ化物ガラス母
材の製造装置である鋳型に、ガラス軟化温度よりも低い
温度(例えば、室温程度)であり且つ不活性ガス雰囲気
中で、第1の材料組成の第1のフッ化物ガラス融液を開
口中空部から第1の中空部へ向けて注ぐ。一般的には、
注入量は第1の中空部の体積と第2の中空部の体積との
和と略同一とする。また、第1の中空部の端部の面積
が、(1)式の関係を満足すると、3層構造の部分を2
cm以上とすることができる。
【0014】次に、第2のフッ化物ガラス融液を不活性
ガス雰囲気中で開口中空部から第1のフッ化物ガラス融
液上に注ぐ。注入済の第1のフッ化物ガラス融液は、主
に鋳型内面側から冷却されて収縮し、第2のフッ化物ガ
ラス融液は中心軸付近で下方に侵入していく。第2のフ
ッ化物ガラス融液の注入量は、注入された第2のフッ化
物ガラス融液が固化した後の体積が注入された第1のフ
ッ化物ガラス融液が固化した場合に融液状態から減少し
た体積よりも小さくなる量に設定する。この注入量の制
限を守らなければ、3層構造を実現できない。なお、こ
の制限に加えて、第2のフッ化物ガラス融液の注入量
を、注入された第1のフッ化物ガラス融液が固化した場
合に融液状態から減少した体積よりも多く設定すると、
第1の中空部の開口中空部側の端部から3層構造が実現
されるので、3層構造の部分を長くすることができる。
【0015】次いで、第3のフッ化物ガラス融液を不活
性ガス雰囲気中で開口中空部から第2のフッ化物ガラス
融液上に注ぐ。注入済の第1および第2のフッ化物ガラ
ス融液は、主に鋳型内面側から冷却されて収縮し、第3
のフッ化物ガラス融液は中心軸付近で下方に侵入してい
く。引き続き、第1、第2、および第3のフッ化物ガラ
ス融液が注入された鋳型を不活性ガス雰囲気中で徐冷し
て固化する。
【0016】なお、最終的なフッ化物ファイバにおける
3層構造を考慮した場合、一般的には、上記の製造工程
のみでは得られたガラス部材の最外層の厚さが中間層や
最内層の厚さに対して薄いものになってしまうので、以
下の製造工程が引き続き実施される。
【0017】まず、固化したガラス部材を鋳型から取り
出し、第1の中空部に応じた部分を選択して第1の円柱
状のフッ化物ガラス部材を得る。
【0018】次に、第1の円柱状のフッ化物ガラス部材
を加熱して延伸し、第2の径を有する第2の円柱状のフ
ッ化物ガラス部材とする。引き続き、第2の円柱状のフ
ッ化物ガラス部材から3層構造の部分を選択した第3の
円柱状のフッ化物ガラス部材を得る。
【0019】次いで、第3の円柱状のフッ化物ガラス部
材を第2の径と略同一の内径を有する円筒状のフッ化物
ガラス部材に挿入して第4の円柱状のフッ化物ガラス部
材とし、延伸してフッ化物ガラス母材を得る。
【0020】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明のフッ化物
ガラス母材の製造方法の実施例を説明する。なお、図面
の説明にあたって同一の要素には同一の符号を付し、重
複する説明を省略する。
【0021】本実施例は、Er添加の内層コアとなるべ
き部分と、Er無添加の外層コアとなるべき部分と、ク
ラッドとなるべき部分とから構成されるフッ化物ガラス
母材の製造方法である。
【0022】図1は、本発明の実施例に係るフッ化物ガ
ラス母材の製造方法で使用するキャスティング用の鋳型
の構成図である。図1に示すように、この鋳型100
は、(a)フッ化物ガラス融液を注ぐ開口中空部110
と、(b)第1の端部121側で開口中空部110の第
1の領域で開口中空部110と連通した直径=8mm、
長さ=100mmの円柱状の中空部120と、(c)中
空部120の第2の端部122側で中空部120と連通
するとともに、中空部120の中心軸(X)と略一致す
る中心軸を有し、中空部120の端部の面積よりも大き
な端部を有する円柱状の中空部130とを備える。
【0023】本発明の実施例に係るフッ化物ガラス母材
の製造方法は、鋳型100を含む製造系で実施される。
図2は、実施例のフッ化物ガラス母材の製造方法を実施
する製造系の構成図である。図2に示すように、この製
造系は、操作容器としてのドライグロ−ブボックス20
0とこれに接続された加熱容器としての加熱炉300と
を備える。加熱炉300は、石英製の炉芯管310とそ
の解放端に設けられたキャップ330と炉芯管310の
周囲を包むヒ−タ320とを有する。炉芯管310は、
SiO2 ガラスで形成され、その内面には炉心管の形状
に沿うような形のPtスリーブが挿入されている。炉芯
管310の内部には溶融用のるつぼ410、420、4
30を収容する円柱状の空間が形成されている。
【0024】炉芯管310のドライグロ−ブボックス2
00側の端部には、吸入口201が設けられていて、不
活性ガスであるAr等をこの炉芯管310内に導入する
ことができる。炉芯管310内に導入された不活性ガ
ス、内部で発生したガス等は、その他端に設けられた排
出口202から排気される。炉芯管310中のるつぼ4
10、420、430は、台500の上に載置されてお
り、前述のキャップ330を介してドライグロ−ブボッ
クス200側に取り出すことができる。
【0025】ドライグロ−ブボックス200には、作業
用のグロ−ブ210、観察窓220の他、エントリ−ロ
ック、アニ−ル炉等が設けられ、鋳型100が収納され
る。
【0026】本実施例のフッ化物ガラス母材の製造方法
では以下のようにしてフッ化物ガラス母材を製造する。
【0027】まず、ドライグロ−ブボックス200内
で、表1に示す3種の原材料を準備する。
【0028】
【表1】
【0029】引き続き、これらの原材料に添加剤として
の5重量%のフッ素化剤NH4 HF2 を添加したもの
を、クラッド用材料をるつぼ410に、外層コア用材料
をるつぼ420に、内層コア用材料をるつぼ430に入
れて、台500に乗せて内部温度が略350℃に設定さ
れた炉芯管310内に投入する。
【0030】次に、るつぼ410、420、430をA
r雰囲気中(Ar流量=3l/分;炉心管310内気圧
≒大気圧−400mmH2 O)、略350℃で約1時間
保持後、0.5時間掛けて略800℃まで加熱して約
1.5時間保持し、るつぼ410、420、430内の
原材料を溶融する。引き続き、約0.5時間かけて略6
60℃まで降温して1時間保持後、キャップ330を取
り外し、台500と共にるつぼ410、420、430
をグロ−ブ210を使用して炉芯管310から室温のド
ライグロ−ブボックス200内へ取り出す。
【0031】次いで、るつぼ410内のクラッド用フッ
化物ガラス融液およびるつぼ420内のコア用フッ化物
ガラス融液を、順次、鋳型100に注入(キャスティン
グ)する。図3は、キャスティングの工程図である。
【0032】本実施例のキャスティング工程では、ま
ず、約200℃に予加熱した鋳型100内に80cm3
のクラッド用フッ化物ガラス融液を、開口中空部110
から注入する。注入量は、第1の中空部120と中空部
130との体積の和と略同一とする(図3(a)参
照)。
【0033】次に、クラッド用フッ化物ガラス融液の注
入終了時から約3秒後にるつぼ420内の15cm3
外層コア用フッ化物ガラス融液を注入する(図3(b)
参照)。クラッド用フッ化物ガラス融液の固化による体
積減少率は約20%であり、外層コア用フッ化物ガラス
融液の注入量は注入されたクラッド用フッ化物ガラス融
液の固化による体積減少量に略一致している。
【0034】次いで、外層コア用フッ化物ガラス融液の
注入終了時から約3秒後にるつぼ430内の内層コア用
フッ化物ガラス融液を注入する(図3(c)参照)。
【0035】次に、鋳型100を直立させたままグロー
ブボックス200内の内部温度が約250℃に設定され
たアニール炉に収納して約5時間保持後、約15時間か
けて室温に降温する。こうして徐冷された固化されたフ
ッ化物ガラス部材800を鋳型100から取り出し、中
空部120に応じた部分を以外を分離してフッ化物ガラ
ス部材810を得る(図3(d)参照)。
【0036】図4は、フッ化物ガラス部材810を得た
(図4(a)参照)後のフッ化物ガラス母材の製造工程
図である。図4に示すように、まず、取り出したフッ化
物ガラス部材810から3層構造の部分を選択しフッ化
物ガラス部材820を得る(図4(b)参照)。次に、
フッ化物ガラス部材820をテフロンなどのフッ化物樹
脂でできたチューブに入れて加熱して延伸し、外径=
2.5mmを有する円柱状のフッ化物ガラス部材830
とする(図4(c)参照)。次いで、内径=2.5mm
を有する円筒状のフッ化物ガラス部材840にフッ化物
ガラス部材830を挿入する(図4(d)参照)。この
操作により所望のコアとなるべき部分の径に対してクラ
ッドとなるべき部分の外径の比のフッ化物ガラス部材8
50を得る。引き続き、フッ化物ガラス部材850を延
伸後、 内層コア径/外層コア径〜1/2 の部分を選びだして、フッ化物ガラス母材860を得る
(図4(e)参照)。
【0037】図5は、外層コア用融液の注入量と、固化
後の内部構造との関係の説明図である。
【0038】一般に、内層コア用フッ化物ガラスの注入
量は、 (1−α2 )・U2 <α1 ・U1 …(2) ここで、U1 :クラッド用融液の注入量 U2 :外層コア用融液の注入量 α1 :クラッド用融液の固化による体積減少率 α2 :外層コア用融液の固化による体積減少率 の条件を満たす必要がある。この条件に適合しない場合
には、クラッド用融液の固化により生じる中心軸付近の
隙間には外層コア用融液の固化したものしか形成され得
ず、3層構造とはならない。
【0039】また、中空部120内に3層構造を実現す
るためには、 (1−α1 )・U1 <V1 +V2 …(3) が必要である。
【0040】また、中空部120の端部121付近から
3層構造を実現し、3層部分の長さを長くするには、 U1 ≒V1 +V2 …(4) および α1 ・U1 ≦U2 …(5) とすること、更にα1 およびα2 を大きくすることが好
適である。
【0041】上記のように、本実施例では、 U1 ≒V1 +V2 ≒80cm3 α1 ・U1 ≒U2 ≒15cm3 とするとともに、 α1 ≒α2 ≒20% と、一般には5〜20%程度の体積減少率のフッ化物ガ
ラスの中から大きな体積減少率のフッ化物ガラス組成を
選択した。
【0042】最内層は略円錐状に中間層(上記実施例で
の外層コアとなるべき部分812)の内側に形成され
る。したがって、3層構造を有する部分の長さLは、 α1 ・U1 −(1−α2 )・U2 ≒π・r1 2 ・L/3 …(6) の関係を満たす。
【0043】中空部120内の3層構造の部分を長くす
るためには、(5)式の条件を満たすことが好適なの
で、この条件下で(6)式で定まる3層構造部の長さを
最長とする条件は、 α1 ・U1 =U2 …(7) となる。(7)式(6)式に代入すると、 π・r1 2 ≒3α1 ・α2 ・U1 /L …(8) となる。後の延伸を考慮すると、L>2cmが好適なの
で、 π・r1 2 <3α1 ・α2 ・U1 /2 …(9) 但し、r1 の単位はcm、U1 の単位はcm3の関係を
満たすことが好ましい。
【0044】(9)式は、α1 =α2 =0.05で、 π・r1 2 <U1 /267 …(10) となり、α1 =α2 =0.2で、 π・r1 2 <3U1 /50 …(11) となる。
【0045】本実施例では、α1 ≒α2 ≒0.2であ
り、r1 ≒0.4cm、U1 ≒80cm3 なので、 π・r1 2 ≒0.50<4.8≒3U1 /50 となり、2cm以上の3層構造を有する部分が中空部1
20内に形成される。
【0046】本発明は、上記の実施例に限定されるもの
ではなく変形が可能である。例えば、上記実施例以外の
フッ化物ガラス組成であっても、(5)式および(9)
式の条件を満たすように、鋳型の形状や注入量を調整す
れば、実施例と同様に好適な3層構造の母材を製造する
ことができる。
【0047】
【発明の効果】以上、詳細に説明した通り、本発明のフ
ッ化物ガラス母材の製造方法によれば、サクソンキャス
ティング法に基づいて3層構造を実現するので、界面に
周囲雰囲気から水分等が混入しにくいので、良質のフッ
化物ファイバを得ることができる。
【0048】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るフッ化物ガラス母材の製
造方法で使用するキャスティング用の鋳型の構成図であ
る。
【図2】実施例のフッ化物ガラス母材の製造方法を実施
する製造系の構成図である。
【図3】キャスティングの工程図である。
【図4】キャスティング工程後のフッ化物ガラス母材の
製造工程図である。
【図5】外層コア用融液の注入量と固化後の内部構造と
の関係の説明図である。
【符号の説明】
100…鋳型、200…ドライグローブボックス、30
0…加熱炉、410,420,430…るつぼ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金森 弘雄 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内 (72)発明者 宮島 義昭 東京都千代田区内幸町一丁目1番6号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 中沢 正隆 東京都千代田区内幸町一丁目1番6号 日 本電信電話株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数種のフッ化物ガラス融液を注ぐ開口
    中空部と、第1の端部で前記開口中空部と連通した円柱
    状の第1の中空部と、前記第1の中空部の第2の端部で
    前記第1の中空部と連通するとともに、前記第1の中空
    部の中心軸と略一致する中心軸を有し、前記第1の中空
    部の第2の端部の面積よりも大きな端部を有する柱状の
    第2の中空部とを備える鋳型に、不活性ガス雰囲気中
    で、前記第1の中空部の体積と前記第2の中空部の体積
    の和と略同一の量の第1の材料組成の第1のフッ化物ガ
    ラス融液を前記開口中空部から前記第1の中空部へ向け
    て注ぐ第1の工程と、 第2の材料組成の第2のフッ化物ガラス融液を、注入さ
    れた前記第2のフッ化物ガラス融液が固化した後の体積
    が注入された前記第1のフッ化物ガラス融液が固化した
    場合に融液状態から減少した体積よりも小さくなる量だ
    け、不活性ガス雰囲気中で前記開口中空部から前記第1
    の中空部内の前記第1のフッ化物ガラス融液上に注ぐ第
    2の工程と、 第3の材料組成の第3のフッ化物ガラス融液を不活性ガ
    ス雰囲気中で前記開口中空部から前記第1の中空部内の
    前記第2のフッ化物ガラス融液上に注ぐ第3の工程と、 前記第3のフッ化物ガラス融液が注入された前記鋳型を
    不活性ガス雰囲気中で冷却して固化する第4の工程と、 を備えることを特徴とするフッ化物ガラス母材の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記第2のフッ化物ガラス融液の固化後
    のフッ化物ガラスは、前記第3のフッ化物ガラス融液の
    固化後のフッ化物ガラスよりも屈折率が低い、ことを特
    徴とする請求項1記載のフッ化物ガラス母材の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記第2のフッ化物ガラス融液の固化後
    のフッ化物ガラスは、前記第1のフッ化物ガラス融液の
    固化後のフッ化物ガラスよりも屈折率が高い、ことを特
    徴とする請求項1記載のフッ化物ガラス母材の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記第2のフッ化物ガラス融液の注入量
    は、注入された前記第1のフッ化物ガラス融液が固化し
    た場合に融液状態から減少した体積よりも多い、ことを
    特徴とする請求項1記載のフッ化物ガラス母材の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記第1の中空部の端部の面積は、 S≦3α1 ・α2 ・V/2 ここで、S:前記第1の中空部の端部の面積 α1 :前記第1のフッ化物ガラス融液の固化後の体積減
    少率 α2 :前記第1のフッ化物ガラス融液の固化後の体積減
    少率 V:前記第1の中空部の体積と前記第1の中空部の体積
    との和 の関係を満足する、ことを特徴とする請求項1記載のフ
    ッ化物ガラス母材の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記第4の工程後に、 固化されたフッ化物ガラス部材から前記第の中空部で固
    化した第1の円柱状のフッ化物ガラス部材を取り出す第
    5の工程と、 前記第1の円柱状のフッ化物ガラス部材を加熱して延伸
    し、第2の径を有する第2の円柱状のフッ化物ガラス部
    材とする第6の工程と、 前記第2の円柱状のフッ化物ガラス部材から3層構造を
    部分を選択した第3の円柱状のフッ化物ガラス部材を得
    る第7の工程と、 前記第3の円柱状のフッ化物ガラス部材を前記第2の径
    と略同一の内径を有する円筒状のフッ化物ガラス部材に
    挿入して第4の円柱状のフッ化物ガラス部材とする第8
    の工程と、 を更に備えることを特徴とする請求項3記載のフッ化物
    ガラス母材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002010080A1 (fr) * 2000-07-28 2002-02-07 Asahi Glass Company, Limited Procede de fabrication d'une preforme en fibre de verre

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