JPH08217435A - 熱可塑性微粒子の不融化方法、およびそれを用いた活性炭の製造方法 - Google Patents

熱可塑性微粒子の不融化方法、およびそれを用いた活性炭の製造方法

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JPH08217435A
JPH08217435A JP7025079A JP2507995A JPH08217435A JP H08217435 A JPH08217435 A JP H08217435A JP 7025079 A JP7025079 A JP 7025079A JP 2507995 A JP2507995 A JP 2507995A JP H08217435 A JPH08217435 A JP H08217435A
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particles
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thermoplastic
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JP7025079A
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Fumihiro Miyoshi
史洋 三好
Yukihiro Osugi
幸広 大杉
Seiji Hanatani
誠二 花谷
Masayuki Sumi
誠之 角
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 活性炭の製造に用いられる熱可塑性微粒子の
不融化において、生産性良く、粒子の溶融による粒子相
互の融着を防止し、熱可塑性微粒子の迅速かつ均一な不
融化を可能にする不融化方法、および活性炭の製造方法
の提供。 【構成】 熱可塑性微粒子の不融化において、平均粒径
1〜100μm の熱可塑性微粒子に、該熱可塑性微粒子
の平均粒径以上の平均粒径を有する媒体粒子を添加し、
流動条件下に振動を付加しながら、熱可塑性微粒子を酸
化性ガスと接触させる。また、得られた不融化微粒子を
造粒し、その後賦活化し活性炭を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ピッチ等の熱可塑性材
料の微粒子を原料とする活性炭の製造方法に係わり、特
にピッチまたはその他の原料から得られた熱可塑性微粒
子を酸化処理により迅速かつ均一に不融化する方法、お
よびそれを用いた活性炭の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、地球にやさしい産業技術の創造、
アメニティー空間の創造等の社会的盛り上がりを背景
に、活性炭の機能性の向上が求められている。従来、活
性炭は石炭、やしがらなどを原料として古くから製造さ
れているが、それらを原料とした場合、厳密な細孔制御
を行う上で問題となる活性炭中の灰分などの除去、精製
は容易ではない。一方、活性炭の製造方法の一つとし
て、原料として安価で灰分の少ないピッチを原料とする
球状活性炭の製造方法が特開昭56−69214 号公報などで
開示されている。
【0003】一般にピッチを原料とする球状活性炭の製
造においては、加熱条件下でのピッチ粒子同士の融着を
防止するために、賦活化工程に先立ち、熱可塑性のピッ
チ粒子を酸化処理し、不融化粒子とする、いわゆる不融
化工程が必要である。一般に、不融化工程は酸素または
酸化性物質をピッチに付加して分子間架橋などを形成さ
せることによってなされ、酸化性物質としては空気等の
ガスまたは液状の酸化性物質が用いられる。この反応
は、ピッチの軟化点以下の低温で行われ、発熱反応であ
るため厳密な温度管理、すなわちピッチの溶融を防止す
るための除熱が必要であり、操作の迅速化が工業的に検
討されてきた。
【0004】また不融化の進行度が調製された活性炭の
品質に大きく影響することから、均一な不融化が望まれ
る。このような不融化反応は、ピッチ粒子の表面から進
行するので、ピッチの粒径が小さく、ピッチの外表面積
が大きい程、迅速かつ均一な不融化が期待される。熱溶
融性ピッチの均一な不融化方法として一般的に試みられ
てきた方法では、高軟化点の原料ピッチを、活性炭製造
における賦活化工程の前工程として、実質的に均一な不
融化が行われる程度の粒子径まで微細に粉砕し、微粒子
の固気反応にキルン炉または通常の流動層装置を用いて
酸化性気体と反応させる。この方法では、微粒子同士が
凝集し、さらにはピッチの溶融による粒子相互の融着を
防止するのが困難であり、均一な不融化を迅速に行うこ
とができず、工業的な方法には至っていない。
【0005】熱溶融性ピッチの迅速かつ均一な不融化方
法としては、特開昭56−69214 号公報および特開昭56−
69215 号公報に記載されているように、高軟化点のピッ
チにナフタレン等の2環または3環の芳香族化合物を添
加剤として加え、球状化し、有機溶剤で該添加剤を抽出
してピッチ球状物に添加剤に起因する抜け穴を形成し、
多孔性ピッチとして表面積を高め、これにより酸化性ガ
スが内部まで流入し易くして不融化反応を行わせる方法
が知られている。
【0006】しかし、上述のような高軟化点の原料ピッ
チを多孔性ピッチとしてから酸化性ガスで不融化する従
来方法では、ピッチ球状物に形成された添加剤に起因す
る抜け穴の径が小さいため、空気等酸化性の加熱ガスに
よるピッチの溶融を防止して不融化するには長時間を要
するという欠点があった。また、製造工程が、ピッチと
添加剤との混合、溶融工程、ペレット化工程、球状化工
程、添加剤抽出工程、乾燥工程、および不融化工程とい
うように工程数が多くて複雑であり、また添加剤および
有機溶剤を使用する必要があることから、経済性を確保
することが困難であった。さらに、前記従来方法では、
ピッチ球状物の粒径を大きくすると、均一な抽出および
不融化が困難になることから、必然的に、得られる活性
炭の粒径が小さくなり、活性炭の使用に当たって圧力損
失が高くなり、得られる活性炭の用途は、特定の使用形
態の用途、例えば流動層といった用途に限定された。ま
た賦活化が主として粒子表面で進行するため、得られる
活性炭の単位容積当たりの吸着量が小さくなる等の問題
があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、活性
炭の製造に用いられる熱可塑性微粒子を酸化処理により
不融化するに当たって、上述の従来技術の問題点を解決
し、生産性良く、粒子の溶融による粒子相互の融着を防
止し、熱可塑性微粒子の迅速かつ均一な不融化を可能に
する不融化方法、およびそれを用いた活性炭の製造方法
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱可塑性微粒
子の不融化方法において、平均粒径1〜 100μmの熱可
塑性微粒子に、該熱可塑性微粒子の平均粒径以上の平均
粒径を有する媒体粒子を添加し、流動条件下に振動を付
加しながら、前記熱可塑性微粒子を酸化性ガスと接触さ
せて酸化処理を行うことを特徴とする熱可塑性微粒子の
不融化方法であり、また本発明は、前記熱可塑性微粒子
が高軟化点のピッチであることが好ましく、また本発明
は、前記媒体粒子がセラミック粒子であることが好まし
く、また本発明は、前記いずれかの方法で得られた不融
化微粒子を造粒し、その後賦活化することを特徴とする
活性炭の製造方法である。
【0009】さらにまた、本発明は、前記媒体粒子の平
均粒径が 100〜1000μmであることが好ましい。
【0010】
【作用】本発明で使用できる熱可塑性微粒子としては、
石炭系ピッチ、石油系ピッチ、ポリアクリロニトリル、
フェノール樹脂等から選ばれる熱可塑性材料を原料とす
る、活性炭の製造に用いられる熱可塑性微粒子が挙げら
れる。熱可塑性微粒子の原料としては、好ましくは高軟
化点のピッチ、より好ましくは高軟化点の石炭系ピッ
チ、石油系ピッチ、さらに好ましくは軟化点が 150〜 2
50℃の石炭系ピッチ、石油系ピッチから選ばれるピッチ
が好ましい。軟化点が 150℃未満では、不融化処理が困
難となり、 250℃超えの場合、光学的異方性組織が増加
し、調製される活性炭の性能が低下し好ましくない。
【0011】このような高軟化点のピッチは、粗原料で
あるコールタールピッチ、あるいは石油タールピッチに
蒸留、濾過、精製、熱処理、溶剤分別、水素化などの工
程を単独または組み合わせて行うことにより製造するこ
とができ、ピッチ中の低沸点揮発成分、灰分などの成分
が除去された熱溶融性ピッチであって、微細孔の発現に
適した光学的等方性ピッチが好ましいが、特にこれに限
定されるものではない。基本的には、灰分などの不純物
を含まない熱可塑性の炭素質粒子が好ましい。
【0012】本発明では、熱可塑性材料、好ましくは軟
化点が 150〜 250℃の高軟化点の原料ピッチを微粒子に
加工する。熱可塑性微粒子の平均粒径は、1から 100μ
mが好ましい、平均粒径が 100μm超えの場合には、均
質な架橋構造が得られず、粒子断面方向において、均質
な活性炭が得られない。また本発明においては、媒体粒
子と混合し流動条件下で不融化するため、熱可塑性微粒
子の平均粒径が 100μm超えの場合には、不融化後にお
ける媒体粒子と得られた不融化微粒子との分離が容易で
はなくなる。また、熱可塑性微粒子の平均粒径が1μm
未満の場合には、粉砕における負荷が増大し、経済性が
損なわれる。さらに、熱可塑性微粒子の平均粒径が1μ
m未満の場合には、熱可塑性微粒子が粒子間の付着力に
より相互に結合して、凝集塊を形成するため、ガスのチ
ャンネリングが起こり、熱可塑性微粒子に振動を付加し
ても熱可塑性微粒子を酸化性ガスと十分に接触させるこ
とができず、このため、酸化性ガスによる除熱が不十分
となり、ピッチ等熱可塑性微粒子の溶融を防止すること
ができない。
【0013】添加する媒体粒子としては、熱の良導体
で、また処理する熱可塑性微粒子に対して化学的に不活
性な物質が好ましい。すなわち、本発明における媒体粒
子としては、好ましくはアルミナ粒子、ガラスビーズ、
シリカ粒子、シリカ・アルミナ粒子、ジルコニア粒子等
のセラミック粒子、また十分炭化処理された黒鉛、コー
クス、人造黒鉛等の炭素材粒子から選ばれた粒子、さら
に好ましくは前記セラミック粒子が好ましい。媒体粒子
の平均粒径は 100μmから1000μmが好ましい。媒体粒
子の平均粒径が1000μm超えの場合、熱可塑性微粒子の
粒径と大きくかけ離れ、不融化時に酸化性ガスの空塔速
度が小の場合、流動状態が不均一になり、逆に空塔速度
が大の場合、熱可塑性微粒子が飛散してしまう問題があ
る。媒体粒子の平均粒径が 100μm未満の場合、媒体粒
子が熱可塑性微粒子と凝集塊を形成するため、ガスのチ
ャンネリングが起こり、熱可塑性微粒子に振動を付加し
ても熱可塑性微粒子を酸化性ガスと十分に接触させるこ
とができず、このため酸化性ガスによる除熱が不十分と
なり、熱可塑性微粒子の溶融を防止することができな
い。また、媒体粒子の平均粒径が 100μm未満の場合、
媒体粒子と不融化微粒子とを分離する際には、媒体粒子
と得られた不融化微粒子との分離が容易ではなくなる。
また、媒体粒子の添加割合は、熱可塑性微粒子 100重量
部に対して10重量部から 300重量部が好ましい。10重量
部未満の場合、媒体粒子の効果は少なく、流動化状態は
不均一になる。また 300重量部超えの場合、反応装置単
位容積当たりの処理量が少なくなり、生産効率が低下
し、経済性が損なわれる。
【0014】本発明においては、媒体粒子が添加された
ピッチ微粒子等、熱可塑性微粒子への振動の付加および
ピッチ微粒子等熱可塑性微粒子と酸化性ガスの接触は、
流動層装置を用いて行うことができ、流動層本体に振動
子を取付けた、いわゆる振動流動装置で行うことができ
る。この場合の好ましい振動数は25Hz以上、振幅は1mm
以上である。また、ガスの分散板を通して、ピッチ微粉
の層に流入させる酸化性ガスに脈動を加えることによ
り、間接的にピッチ微粒子等の熱可塑性微粒子に振動を
加える方法でも良い。これについては、目的とする活性
炭の最終形態にとって適切なものを選択することができ
る。
【0015】本発明で不融化時に用いる酸化性ガスとし
ては、例えば空気、酸素、二酸化窒素など、またはこれ
らを二種類以上含む混合ガスが例示されるが、これらに
限定されるものではない。不融化時の温度は 150〜 350
℃が好ましい。 150℃未満では酸化反応の進行が遅く、
350℃超えでは燃焼反応を起こし易く好ましくない。
【0016】本発明方法によって得られた不融化微粒子
から活性炭を製造するには、転動造粒、押し出し造粒、
錠剤成型等に用いられる造粒機で、好ましくはバインダ
を添加し、不融化微粒子を任意の粒径に球状化、ペレッ
ト化、錠剤化等の造粒を行い、次いで炭化、賦活化工程
で炭化、賦活化することにより、炭素含有量を増加さ
せ、活性化し活性炭を得る。
【0017】前記、バインダとしては、石炭系ピッチ、
石油系ピッチ、フェノール樹脂等から選ばれるバインダ
が好ましい。炭化、賦活化工程では、一般に賦活化剤と
して水蒸気、二酸化炭素、酸素含有ガス等、またはこれ
らの混合ガスから選ばれるガスを用い、 400℃〜1100℃
の温度条件下で処理する。中でも、水蒸気が最も一般的
に用いられる。この炭化、賦活化工程では、まず不融化
工程において微粒子中に均一に架橋結合を形成した酸素
原子を含む化合物の脱離が起こる。この脱離位置を活性
点として、水蒸気等の酸化性ガスと炭素との反応によっ
て、炭素が一部ガス化し、均一な微細孔の開孔および生
成が起こり、得られる製品は吸着剤として優れた機能を
発現する。
【0018】また、炭化、賦活化工程では、不融化微粒
子中の揮発分およびピッチ分子中で構造が熱的に不安定
な部分は、分解揮発、縮合して、六員環構造が発達し、
炭素分の多い構造となり、強度を有する活性炭が得られ
る。この工程では、種々の加熱炉または種々の発熱体を
用いた電気炉を用いることができる。いずれの炉を用い
た場合でも、水蒸気を賦活化剤とする場合には特に大き
い吸熱反応であり、多量のエネルギーが消費されるた
め、熱効率良く賦活を実施することが必要である。
【0019】上述のように、本発明では、原料である熱
可塑性材料は微粒子に加工されて表面積が大となり、こ
の微粒子が酸化性ガスと直接接触するため、不融化に長
時間を必要とせず、しかも、粒径が小さいため均一な不
融化が行われる。また、従来、流動層においては、微粒
子同士が凝集し、個々の微粒子と酸化性ガスとの接触が
抑制され、また特にピッチ微粒子は付着性があり、安息
角が大きいために流動化が困難であり、振動を加えても
流動化は容易ではないが、本発明において媒体粒子を用
いることにより、ピッチ微粒子のような凝集性の強い微
粒子について、微粒子同士の凝集が抑制され、個々の熱
可塑性微粒子と酸化性ガスとの接触が良好となり、流動
化も容易となる。
【0020】すなわち、本発明では、微粒子に媒体粒子
を添加し、振動を付加しながら流動させることにより、
微粒子を容易に流動させることができ、凝集が抑制され
均一な不融化が達成される。また、本発明では、熱可塑
性微粒子と媒体粒子の粒径を限定することにより、熱可
塑性微粒子の飛散が抑制され、比較的大きなガス速度で
操作でき、反応熱の除去が容易に行われ、不活性粒子を
媒体として加えると、反応の暴走が抑制される。また、
流動条件下で不融化を行うため、従来の回転炉よりも熱
可塑性微粒子充填層の温度分布が均一になるため、製品
の品質が均一になる。
【0021】
【実施例】次に、本発明を実施例および比較例について
説明する。実施例では熱可塑性微粒子の原料として全面
光学的等方性ピッチを使用したが、本発明はこれに限定
されるものではない。また、ピッチの軟化点(℃)は温
度傾斜法で測定した。不融化処理は、振動架台、振動
子、流動層本体、ガス分散板、フィルター、ヒーター等
を備えた回分式振動流動層装置に、空気を流通させて行
った。
【0022】またこれらの例において、平均粒径は光透
過式粒度測定装置にて累積分布を求め、50%を示す粒径
を平均粒径とした。生産効率は振動流動層単位容積およ
び時間当たりの不融化微粒子の生産量で示した。 実施例1 16重量%のベンゼン不溶分、痕跡量のキノリン不溶分を
含む石炭系ピッチを、窒素ガス雰囲気中で真空度5mmHg
の条件下に 400℃の温度で熱処理し、56重量%のベンゼ
ン不溶分を含む軟化点 215℃の全面光学的等方性ピッチ
を得た。得られたピッチを微粉砕し、平均粒径30μmの
ピッチ微粒子とした。
【0023】ピッチ微粒子 100重量部に 177〜 250μm
の粒径範囲で平均粒径 214μmのガラスビーズを 100重
量部添加した。得られた混合物を回分式振動流動層装置
に充填し、空気を10cm/s の空塔速度で流通させ、振幅
2mm、振動数30Hz、昇温速度0.3℃/min の条件下で、
325℃まで昇温して不融化処理した。生産効率は 3.3kg
/m3・h であった。次いで、処理品を篩い分けし、不融
化微粒子を分離した。
【0024】得られた不融化微粒子の酸素含有量は、
9.9重量%で、半径方向の酸素濃度を電子プローブX線
マイクロアナライザー(EPMA)で測定した結果、酸
素は粒子内に均一に分布しており、不融化処理での粒子
相互の溶融による融着は認められなかった。また、不融
化処理後の平均粒径は25μmであった。得られた不融化
微粒子を、皿式転動造粒機で、バインダーとして、痕跡
量のキノリン不溶分を含む軟化点10℃の石炭系ピッチ10
重量%と混合して造粒し、平均粒径5mmの球状不融化粒
子を得た。得られた球状不融化粒子を、連続式キルン炉
を用いて、水蒸気を流通させながら、 950℃で6時間滞
留させて賦活化した。得られた球状活性炭の収率は26重
量%であり、平均粒径は 3.6mm、BET法による比表面
積は1480m2 /gであった。
【0025】かかる球状活性炭を吸着カラムに充填し、
ブタンの吸着、空気による脱着を繰り返した後に測定し
たブタン有効吸着量は、 100cm3 の球状活性炭に対して
9gのブタン吸着量であった。 実施例2 実施例1と同じピッチ微粒子 100重量部に対して実施例
1で使用したのと同じガラスビーズ 200重量部を添加し
た。得られた混合物を回分式振動流動装置に充填し、空
気を10cm/s の空塔速度で流通させ、振幅2mm、振動数
35Hz、昇温速度1.0℃/min の条件下で、 325℃まで昇
温して不融化処理した。生産効率は10kg/m3・h であっ
た。処理品を篩い分けし、不融化微粒子を分離した。
【0026】得られた不融化微粒子の酸素含有量は、
9.3重量%で、半径方向の酸素濃度を電子プローブX線
マイクロアナライザー(EPMA)で測定した結果、酸
素は粒子内にほぼ均一に分布しており、不融化処理での
粒子相互の溶融による融着は認められなかった。また、
不融化処理後の平均粒径は26μmであった。得られた不
融化微粒子を、皿式転動造粒機で、バインダーとして、
実施例1で使用したのと同じ石炭系ピッチ10重量%と混
合して造粒し、平均粒径5mmの球状不融化粒子を得た。
得られた球状不融化粒子を、連続式キルン炉を用いて二
酸化炭素ガスを流通させながら、1000℃で2時間滞留さ
せて賦活化した。得られた球状活性炭の収率は25重量%
であり、平均粒径は 3.5mm、BET法による比表面積は
1620m2 /gであった。
【0027】比較例1 実施例1と同じピッチ微粒子およびガラスビーズを回分
式振動流動層装置に充填し、流動化実験をおこなった。
振動を加えないと流動層に吹き抜けが生じてチャンネリ
ングが生じた。 比較例2 実施例1と同じピッチ微粒子を、媒体粒子を添加するこ
となく、回分式振動流動層装置に充填し、空気を10cm/
s の空塔速度で流通させ、振幅2mm、振動数35Hz、昇温
速度 0.3℃/min の条件下で昇温した。約 180℃までは
ほぼ設定どおり温度制御されながら昇温できたが、 180
℃を超えたところで急に温度が上昇し、ピッチ微粒子が
溶融した。
【0028】比較例3 実施例1と同様にして得た全面光学的等方性ピッチを、
粉砕し、平均粒径 0.7mmのピッチ粒子を得た。得られた
ピッチ粒子を回分式振動流動層装置に充填し、空気を10
cm/s の空塔速度で流通させ、振幅2mm、振動数35Hz、
昇温速度 0.3℃/min の条件下で、 325℃まで昇温して
不融化処理した。得られた不融化粒子の酸素含有量は
5.9重量%であった。得られた不融化粒子の半径方向の
酸素濃度分布をEPMAで測定した結果、粒子表面近傍
の酸素濃度が高く、酸素は粒子内に不均一に分布してい
た。不融化での粒子相互の溶融による融着は認められな
かった。
【0029】得られた不融化粒子を、連続式キルン炉を
用いて、水蒸気を流通させながら、950℃で6時間滞留
させて賦活化した。得られた粒子には発泡、および粒子
相互の融着が認められ、均一な賦活は達成されなかっ
た。 比較例4 比較例3で得られた不融化粒子を、皿式転動造粒機で、
バインダーとして、実施例1で使用したのと同じ石炭系
ピッチ10重量%と混合して造粒し、平均粒径5mmの球状
不融化粒子を得た。得られた球状不融化粒子を、連続式
キルン炉を用いて、水蒸気を流通させながら、 950℃で
6時間滞留させて賦活化した。得られた粒子は、球状の
形態を保持しておらず、発泡、および粒子相互の融着が
認められ、均一な賦活は達成されなかった。
【0030】比較例5 実施例1と同様にして得た全面光学的等方性ピッチを、
粉砕し、平均粒径0.15mmのピッチ粒子を得た。得られた
ピッチ粒子を回分式振動流動層装置に充填し、空気を10
cm/s の空塔速度で流通させ、振幅2mm、振動数35Hz、
昇温速度 0.3℃/min の条件下で、 325℃まで昇温して
不融化処理した。得られた不融化粒子の酸素含有量は
7.2重量%であった。得られた不融化粒子の半径方向の
酸素濃度分布をEPMAで測定した結果、粒子表面近傍
の酸素濃度が高く、酸素は粒子内に不均一に分布してい
た。不融化での粒子相互の溶融による融着は認められな
かった。
【0031】得られた不融化粒子を、皿式転動造粒機
で、バインダーとして、実施例1で使用したのと同じ石
炭系ピッチを10重量%混合して造粒し、平均粒径5mmの
球状不融化粒子を得た。得られた球状不融化粒子を、連
続式キルン炉を用いて、水蒸気を流通させながら、 950
℃で6時間滞留させて賦活化した。得られた粒子は、球
状の形態を保持していたが、一部、粒子相互の融着が認
められた。
【0032】得られた球状活性炭の収率は、球状不融化
粒子に対して29重量%であり、平均粒径は 3.9mm、BE
T法による比表面積は1180m2 /gであった。かかる球
状活性炭を吸着カラムに充填し、ブタンの吸着、窒素に
よる脱着を繰り返した後に測定したブタン有効吸着量
は、 100cm3 の球状活性炭に対して 4.1gのブタン吸着
量であった。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、熱可塑性微粒子に媒体
粒子を添加することにより、振動流動層において、熱可
塑性微粒子が良好な流動条件下に、酸化性ガスと直接接
触するので、不融化の際の反応熱は酸化性ガスによって
効率良く除去され、反応が暴走することなく不融化され
る。また、微細な熱可塑性微粒子を用いることによって
表面積が広くなるため、反応時間を短縮し、粒子内にお
ける酸素濃度分布が均一な不融化微粒子を製造すること
ができる。
【0034】また本発明によって得られた不融化微粒子
を従来技術で造粒、賦活化することにより、球状活性炭
の粒径を容易に大きくすることができ、従って活性炭の
使用に当たって圧力損失を小さくすることができ、特定
の使用形態および用途に限られることがなくなる。さら
に、本発明によれば、活性炭単位容積当たりの吸着容量
を大きくすることが工業的に可能となった。
フロントページの続き (72)発明者 花谷 誠二 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 角 誠之 東京都千代田区内幸町2丁目2番3号 川 崎製鉄株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性微粒子の不融化方法において、
    平均粒径1〜 100μmの熱可塑性微粒子に、該熱可塑性
    微粒子の平均粒径以上の平均粒径を有する媒体粒子を添
    加し、流動条件下に振動を付加しながら、前記熱可塑性
    微粒子を酸化性ガスと接触させて酸化処理を行うことを
    特徴とする熱可塑性微粒子の不融化方法。
  2. 【請求項2】 熱可塑性微粒子が高軟化点のピッチであ
    る請求項1記載の熱可塑性微粒子の不融化方法。
  3. 【請求項3】 媒体粒子がセラミック粒子である請求項
    1または2記載の熱可塑性微粒子の不融化方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3いずれかの方法で得られた
    不融化微粒子を造粒し、その後賦活化することを特徴と
    する活性炭の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002104817A (ja) * 2000-07-25 2002-04-10 Kuraray Co Ltd 活性炭、その製造方法、分極性電極及び電気二重層キャパシタ
JP2003267715A (ja) * 2002-03-15 2003-09-25 Osaka Gas Co Ltd 活性炭およびその製造方法

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