JPH082168A - 筆記具 - Google Patents

筆記具

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JPH082168A
JPH082168A JP6134615A JP13461594A JPH082168A JP H082168 A JPH082168 A JP H082168A JP 6134615 A JP6134615 A JP 6134615A JP 13461594 A JP13461594 A JP 13461594A JP H082168 A JPH082168 A JP H082168A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】インク貯溜室2とペン体の間を遮断し筆記時の
筆圧によって開弁するペン体弁機構と、インク貯溜室2
と大気とを連通する大気連通弁機構13と、筆記に先立
ってこの筆記具を振った場合またはペン体を下向きにし
た場合の加速度または重力によって上記の大気連通弁機
構13を開弁する重錘21を設けた。 【効果】非使用時は、上記のペン体弁機構と大気連通弁
機構13が閉弁しているので、インク貯溜室2内のイン
クは漏洩しない。筆記時には、上記のペン体弁機構およ
び大気連通弁機構13が開弁し、インク貯溜室2内が大
気圧と等しくなるので、インクが安定して供給される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ボールチップペン、フ
エルトチップペン、ニードルペン、ペイントマーカ、修
正液マーカ、ホワイトボードマーカ、ネイルマーカ、そ
の他の各種の用途の筆記具に関する。
【0002】さらに特定すれば、本発明はこれらの筆記
具において、インク貯溜室内に液体状のインクを直接貯
溜するとともに、インクの種類、ペン体の種類、用途等
に制限されず、あらゆる種類の筆記具に適用でき、かつ
構造が簡単で作動が確実な筆記具に関する。
【0003】
【従来の技術】一般に、筆記具には各種の形式がある
が、最近ではインク貯溜室に液体状態のインクを直接貯
溜するいわゆる直液形の筆記具が開発されている。この
ような直液形の筆記具は、大量のインクを貯溜すること
ができ、またインクの種類やペン体の種類に制約される
ことが少なく、各種の用途の筆記具に適用できるという
利点がある。
【0004】しかし、このような直液形の筆記具は、温
度や気圧の変化によりインク貯溜室内と大気との間に圧
力差が生じた場合等において、インクの流出を確実に防
止すること、また筆記の際のインクの供給量を確実に制
御すること、等、解決しなければならない各種の課題が
ある。
【0005】この直液形の筆記具の一つの形式として、
インク貯溜室に摺動自在でかつ液密性を有するスライド
栓を設け、このインク貯溜室の尾端部を大気に開放する
とともに、このスライド栓によってインクと空気とを区
画したものがある。このような形式のものは、インクの
消費、膨脹、収縮等はこのスライド栓の摺動によって補
償し、このインク貯溜室内の圧力を常に大気圧と等しい
圧力に維持する。しかし、実際には、このスライド栓に
は摺動抵抗があり、この摺動抵抗によって生じるインク
貯溜室内と大気との間の差圧を補償し、インクの供給量
を制御する機構を必要とする。しかし、このインクの制
御は微妙であるため、この弁機構の構造や作動圧力の設
定を精密にしなければならず、またインクの種類も制約
される不具合がある。
【0006】また、別の形式として、キヤップの嵌合の
際のポンプ作用等によって、インク貯溜室内を常時大気
圧より高い圧力に加圧しておく形式のものもある。この
ようなものは、修正液等、粘度の高いインクも使用する
ことができ、またインクの消費や膨脹、収縮を補償する
機構は不要になるが、インク貯溜室内が常時加圧されて
いるため、非筆記時にインクが漏洩するのを防止するた
めに高いシール性が必要となる。また筆記の際のインク
の供給量の制御もやはり微妙であり、インクの供給制御
のための弁機構やペン体の精度も高くする必要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の事情に
基づいてなされたもので、インク貯溜室内に液体状のイ
ンクを直接貯溜する直液形の筆記具において、インク、
ペン体の種類、用途等に制約されることが少なく、各種
の筆記具に広く適用することができるとともに、その構
造、作動が簡単であり、コストを低減できるとともに作
動の確実な筆記具を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の筆記具は、本体
と、この本体内に設けられ液体のインクを直接貯溜する
インク貯溜室と、上記の本体の先端部に設けられ上記の
インク貯溜室内に連通したペン体とを備えている。そし
て、このペン体と上記のインク貯溜室内との間にはペン
体弁機構が設けられ、このペン体弁機構は非筆記時には
このインク貯溜室とペン体との連通を遮断するとともに
筆記時にのみこのペン体とインク貯溜室内とを連通させ
る。また、上記の本体の尾端部には大気連通弁機構が設
けられ、この大気連通弁機構を介して上記のインク貯溜
室内と大気とが連通されており、この大気連通弁機構は
常時は閉弁している。また、上記の本体内にその軸方向
に移動自在に設けられた重錘を備え、この重錘はこの筆
記具を上記のペン体を下向きの姿勢にした場合に作用す
る重力またはこの筆記具を軸方向に振った場合に作用す
る軸方向の加速度の少なくともいずれか一方の力で上記
の大気連通弁機構を開弁する。
【0009】
【作用】上記のペン体弁機構および大気連通弁機構は、
非筆記時には閉弁しているので、上記のインク貯溜室は
大気とは連通されておらず、このインク貯溜室内は密封
状態になっている。したがって、温度変化、気圧の変化
等により、このインク貯溜室内の圧力と大気圧との間に
差圧が生じた場合でも、インクが押し出されたり、また
外気がこのインク貯溜室内に吸入されたりすることは確
実に防止される。
【0010】また、筆記の際には、この筆記具をペン体
側を下向きにすること、または筆記に先だってインクの
撹拌のためにこの筆記具を振ることにより、上記の重錘
に重力加速度または加速度が作用し、この重錘によって
上記の大気連通弁機構が開弁する。したがって、このイ
ンク貯溜室内と大気とがこの開弁した大気連通弁機構に
よって連通され、このインク貯溜室内の圧力は大気圧と
等しい圧力になる。そして、実際の筆記により、その筆
圧によりペン体弁機構が開弁し、インク貯溜室内からペ
ン体にインクが供給され、筆記がなされる。
【0011】この際に、上記のインク貯溜室内は大気圧
と等しい圧力になっているとともに、このペン体に供給
されるインクの圧力はこのインク貯溜室内のインクの水
頭圧のみである。したがって、供給されるインクの圧力
は常に安定しており、安定した筆記が可能であり、また
インクの供給圧力や供給量を制御する複雑な機構は不要
となり、構造が簡単となる。また、上記のペン体弁機構
や大気連通弁機構は、筆記者の筆記または筆記に先立つ
動作によって作動するものであり、差圧等によって作動
する微妙な機構部分がない。よって、作動が確実であ
り、またインクやペン体の種類、用途等に制約されるこ
とがなく、各種の筆記具に適用することが可能である。
【0012】
【実施例】以下、図を参照して本発明の実施例を説明す
る。図1には本発明の第1の実施例を示し、この実施例
はペイントマーカ、修正液ペン等、粘度が高く、また筆
記に先だって筆記具を振ってインクを撹拌するような筆
記具に特に適したものである。
【0013】この筆記具は、本体1を有しており、この
本体1内にはインク貯溜室2が形成されており、このイ
ンク貯溜室2内には液体状のインク、たとえばペイント
や修正液が直接収容されている。また、この本体1の先
端部にはペン体3が設けられており、この実施例の場
合、このペン体はボール径が1mm程度の比較的径の大
きなボールチップである。そして、このペン体3は、イ
ンク供給通路8を介して上記のインク貯溜室2内の先端
部側に連通している。
【0014】このペン体3すなわちボールチップは、図
7に詳細に示すように、ボールホルダ4と、このボール
ホルダ4の先端部に抱持されたボール5とを有してお
り、このボールの抱持部には、ボール座面6とカシメ部
7が形成され、これらの間に上記のボール5が回転自在
に抱持されている。このボール5と上記のボール座面
6、カシメ部7との間には、間隙が形成されている。そ
して、後に詳述するスプリング18のロッド部19の先
端部が、このボール5の背面側に当接してこのボール5
を先端側に付勢しており、このボール5は上記のカシメ
部7の内周面に密着し、内外のシール性を維持してい
る。また、筆記の際には、筆圧によってこのボール5は
上記のスプリング18の付勢力に抗して後退し、上記の
カシメ部7の内周面との間にわずかな隙間が形成され、
このボール5の回転によってインクが紙面に供給され
る。したがって、この実施例の場合には、このペン体3
は、筆記のためのペン体と、筆記の際にのみ開弁してイ
ンクを供給するペン体弁機構を兼用している。
【0015】また、上記の本体1の尾端部には尾栓10
が設けられている。そして、この尾栓10の内部には、
中空部11が突設され、この中空部11の先端部はこの
尾栓10の中央でかつ中心部に位置している。また、こ
の中空部11内には、大気連通孔12が形成され、この
尾栓10の内部と大気とを連通している。
【0016】また、この尾栓10の先端部側には、大気
連通弁機構13が設けられている。14はその弁座部で
あって、上記の大気連通孔12を介して上記のインク貯
溜室2の尾端部側と、大気とを連通するように構成され
ている。また、上記のインク貯溜室2内には、弁体15
が設けられている、この弁体15は棒状をなし、このイ
ンク貯溜室2内の中心に沿って配置され、その尾端部は
円錐状の弁体部16に形成され、この弁体部16は上記
の弁座部14にインク貯溜室2側から着座して閉弁する
ように構成されている。なお、上記の弁座部14は、周
囲が円錐形に形成され、その先端部が径方向に弾性変形
可能に形成され、上記の弁体部16の外周面と密着する
ように構成されている。
【0017】また、この弁体15は先端部側に向かって
弁軸部20が延長され、この弁軸部20の先端部には径
の大きな衝突受部17が形成されている。また、この衝
突受部の先端部側には、スプリング18が介装されてい
る。このスプリング18はコイル状をなし、その先端部
側の脚部は直線状に延長されてロッド部19を形成して
おり、このロッド部19の先端は前記のペン体3のボー
ル5に当接し、このボール5を先端側に付勢している。
【0018】また、上記のインク貯溜室2内には、重錘
21が収容されている。この重錘21は、黄銅等の比較
的比重の大きい金属材料で形成され、上記のインク貯溜
室2の内径より小さい外径に形成され、また中心部には
案内孔22が形成されている。そして、この重錘21
は、その案内孔22が上記の弁体15の弁軸部20に摺
動自在に挿通し、この弁軸部20に案内されてこのイン
ク貯溜室2内を軸方向に自由状態で移動可能となってい
る。
【0019】次に、上記の筆記具の作用を説明する。ま
ず、この筆記具の非使用状態では、上記のペン体弁機構
を兼用するペン体3のボール5が上記のスプリング18
の付勢力によって前方に付勢されて閉弁状態であり、ま
た上記の大気連通弁機構13の弁体15もこのスプリン
ク18の付勢力によってた後方に付勢され、弁座部14
に着座して閉弁状態を維持している。したがって、この
インク貯溜室2内と外部との連通は全て密封状態であ
り、よって温度が変化してインク貯溜室2内のインクや
空気が膨脹収縮したり、また大気の気圧が変化したりし
て、このインク貯溜室2内の圧力と大気の圧力との間に
差圧が生じた場合でも、このインク貯溜室2内のインク
が流出したり、また外部の空気をこのインク貯溜室2内
に吸入したりすることがない。なお、この実施例では、
上記のペン体弁機構を兼用するペン体3、大気連通弁機
構13はいずれもインク貯溜室2側から大気側への流れ
を阻止する逆止弁機構の構成であるため、このインク貯
溜室2内の圧力が上昇してインクが外部に流出するとい
う最も好ましくない不具合は確実に防止することができ
る。また、上記の尾栓10内には、中空部11が突設さ
れ、この中空部11の先端部はこの尾栓10内の中心部
に位置しているので、万一、上記の大気連通弁機構13
から多少のインクが漏洩しても、この漏洩したインクは
この尾栓10内に溜り、上記の中空部11の先端部に達
することはないので、このインクが外部に漏洩すること
はない。
【0020】次に、この筆記具で筆記をする際には、筆
記に先だってインク貯溜室2内のインクを撹拌するため
に、この筆記具を軸方向に振る。これによって、上記の
重錘21がこのインク貯溜室2内を軸方向に往復移動
し、内部のインクを撹拌する。この際に、この重錘が前
進した場合には、この重錘は上記の弁体15の衝突受部
17に衝突する。この衝突の際の慣性力により、この弁
体15は上記のスプリング18の付勢力に抗して前進
し、この弁体15の弁体部16が弁座部14から離座
し、この大気連通弁機構13が開弁する。これにより、
このインク貯溜室2内と大気とが連通され、このインク
貯溜室2内が大気圧と等しい圧力になる。
【0021】なお、この重錘21が衝突受部材17に衝
突して大気連通弁機構13が開弁する場合は、この筆記
具が前進した後停止する際、すなわち前進方向の減速の
際であり、加速度はこの筆記具の先端側に向けて作用し
ている。したがって、このインク貯溜室2内のインクも
この場合には慣性力によって先端部側に移動しており、
この大気連通弁機構13の設けられている尾端部側の部
分にはインクが存在していない。したがって、上記のよ
うにこの大気連通弁機構13が開弁しても、このインク
が流出することはない。
【0022】次に、この筆記具によって筆記をすると、
その筆圧によってペン体3のボール5がスプリング18
の付勢力に抗して後退し、ボールホルダ4のカシメ部7
から離れ、このペン体3が兼用するペン体弁機構が開弁
してインクが供給され、筆記がなされる。この際に、上
記のインク貯溜室2内は上述の如く大気圧と等しい圧力
になっているので、このペン体3にはこのインク貯溜室
2内のインクの水頭圧に相当する圧力が作用する。した
がって、この供給されるインクの圧力が安定しており、
安定した筆跡が得られる。
【0023】また、筆記中にインク貯溜室2内のインク
や空気が筆記者の体温によって膨脹することもあるが、
このような筆記具は、筆記中に時々この筆記具を振って
使用するものであるから、この筆記具を振る際に上記の
大気連通弁機構13が開弁し、このインク貯溜室2内の
圧力は常に大気の圧力と等しい圧力に維持される。
【0024】この第1の実施例では、筆記具を振る際の
加速度で重錘21により大気連通弁機構13を開弁する
ものであり、この筆記具を振る際の加速度はかなりの大
きさであるから、この重錘21の質量が比較的小さくて
も、この大気連通弁機構13を開弁するに十分な慣性力
が得られる。
【0025】なお、この重錘21の質量を十分に大きく
すれば、この筆記具をペン先を下向きにしただけでこの
重錘21に作用する重力のみによって上記の大気連通弁
機構13を開弁させることができる。このように構成す
れば、筆記に先だって筆記具を振ってインクを撹拌する
必要のない筆記具にも適用することができる。
【0026】また、図2および図3には本発明の第2の
実施例を示す。このものは、通常のペン等、筆記に先だ
って筆記具を振ってインクを撹拌する必要のない筆記具
に好適した構造である。この第2の実施例では、前記の
重錘をインク貯溜室2の外側に配置してある。そして、
中空の尾栓10の先端部側に大気連通弁機構13が配置
されている。この大気連通弁機構13は、隔壁部30を
備えており、この隔壁部30によりインク貯溜室2内と
尾栓10内とが区画されている。そして、この隔壁部3
0の中央部には、上記の尾栓10内に向けて円筒状の弁
座部31が突設されている。またこの隔壁部30の中心
には連通孔36が形成され、この連通孔36はインク貯
溜室2内に連通している。また、上記の弁座部31の外
周面には複数の弁口32が開口し、これら弁口32は上
記の連通孔36に連通している。また、この弁座部31
の外周には、弁部材33が嵌合している。この弁部材3
3は比較的軟質の合成ゴム等の弾性材料で形成され、円
板状をなしている。そして、この弁部材33の中心に
は、嵌合孔38が形成され、この嵌合孔38内に上記の
弁座部31が嵌合し、この嵌合孔38の内周面が弁座部
31の外周面に密着し、上記の弁口32を閉塞してい
る。
【0027】また、上記の中空の尾栓10内には、重錘
21が軸方向に移動自在に収容されている。なお、上記
の尾栓10には大気連通孔12が形成され、またこの重
錘21の中心部にも大気連通孔34が形成されている。
そして、この重錘21の先端部35は斜めに切除された
形状をなし、この重錘21が前進した場合にはこの先端
部35が上記の弁部材33の外周部の一箇所に当接する
ように構成されている。また、この重錘21は、これに
作用する重力のみによって上記の弁部材33を変形させ
るに十分な質量を有している。
【0028】また、この実施例では、ボールチップから
なるペン体3のボール5を付勢するスプリング18はロ
ッド状のものであり、このロッド状のスプリング18は
湾曲した状態でインク貯溜2内に収容されており、この
湾曲したスプリング18の復元力で上記のボール5を付
勢するように構成されている。
【0029】この実施例では、筆記に先だってこの筆記
具をペン先3を下向きにすると、図3に示すように重力
によって重錘21が前進し、その先端部35が弁部材3
3の周縁部の一部に当接し、この重錘21に作用する重
力によってこの弁部材33が略円錐形に変形し、その嵌
合孔38の内周面と、弁座部31の外周面との間に隙間
が生じる。したがって、上記の連通孔36、弁口32、
大気連通孔34,12を介してこのインク貯溜室2内が
大気に連通し、このインク貯溜室2内の圧力が大気の圧
力と等しくなる。なお、この際には、この筆記具はペン
体3を下向きにした姿勢であるので、この大気連通弁機
構13が開弁してもインクが流出することはない。ま
た、この第2の実施例の大気連通弁機構13は、上記の
ような弾性材料からなる弁部材33を備え、この弁部材
33の一部が変形するだけで開弁するので、その開弁に
要する力が小さくてすみ、上述のように重錘21に作用
する重力だけでこの大気連通弁機構13を十分に開弁す
ることができる。
【0030】なお、この第2の実施例のものは、上記の
点以外は前記の第1の実施例と同様の構成であり、図2
および図3中、第1の実施例と対応する部分には同じ符
号を付してその説明を省略する。
【0031】この第2の実施例のものは、水性インクを
使用する筆記具等、筆記に先だって筆記具を振ってイン
クを撹拌する必要のない筆記具に適したものである。し
かし、この第2の実施例のものは、図2に示すように、
インク貯溜室2内に撹拌用のボール37等を収容すれ
ば、ペイントマーカ、修正液マーカ等、筆記に先立って
筆記具を振ってインクを撹拌するような筆記具にも適用
することができる。なお、この際には、上記の重錘に筆
記具を振る際の大きな加速度が作用するので、この重錘
21の質量を小さくすることができる。
【0032】また、図4には本発明の第3の実施例を示
す。このものは、上記の第2の実施例と略同様の構成で
あるが、中空の尾栓10内に収容された重錘21先端部
に弁座部32が直接突設され、この弁座部31が前記の
第2の実施例と同様な弁部材33に嵌合している。ま
た、この実施例では、上記の弁座部31の基端部外周に
弁口溝41が形成されている。
【0033】この実施例は、筆記に先立ってこの筆記具
をペン体を下向きの姿勢にすると、上記の重錘21に作
用する重力によって上記の弁部材33が略円錐形に変形
し、この大気連通弁機構13が開弁する。この第3の実
施例のものは、その作用等は上記の第2の実施例のもの
と同様であるが、重錘21が自由状態で移動すること、
すなわち重錘の遊びがないので、この筆記具の姿勢を変
えたような場合でも、この重錘21が自由状態で移動し
て音や衝撃を発生することがなく、使用感が良好であ
る。
【0034】また、図5には本発明の第4の実施例を示
す。このものは、合成樹脂材料等からなる弁座部材42
を備えており、この弁座部材42には弁座部31が突設
されており、この弁座部31の基端部には上記の第3の
実施例と同様に弁口溝41が形成されている。そして、
この弁座部31はインク貯溜室2内まで延長され、この
延長された弁座部の先端部には重錘21が取り付けられ
ている。
【0035】この第4の実施例のものは、上記の第3の
実施例のものとその作用等は同様であるが、重錘21が
インク貯溜室2内に収容されているので、インクが緩衝
作用をなし、この筆記具を振った場合等にこの重錘21
が周囲の物に衝突して音や衝撃を発生することがないの
で、より使用感が良好であるとともに、この筆記具の本
体1を透明な合成樹脂材料等で形成した場合でも、この
重錘21がインクで隠蔽されるので、外観が損なわれな
い。
【0036】さらに、図6には本発明の第5の実施例を
示す。このものは、中空の尾栓10の内部に重錘21を
移動自在に収容するとともに、この尾栓10の後端部に
合成ゴム等の弾性材料からなる弁座部材45を設け、ま
た重錘21の後端部からは円錐形の弁体部47を突設
し、この弁体部47を上記の弁座部材45に着座させた
ものである。なお、この重錘21はスプリング46によ
って後端部側に付勢されている。
【0037】この実施例は、筆記に先立ってこの筆記具
をペン体を下向きにすると、この重錘21に作用する重
力によってこの重錘21および弁体部47がスプリング
46の付勢力に抗して前進し、この大気連通弁機構13
が開弁してインク貯溜室2が大気と連通する。
【0038】なお、上記の第3ないし第5の実施例にお
いても、筆記に先立って筆記具を振ってインクを撹拌す
るような筆記具の場合には、上記の重錘21の質量を小
さくしてもこの大気連通弁機構13を開弁できることは
もちろんである。
【0039】また、上記の実施例では、ペン体3とし
て、ペン体弁機構を兼用するボールチップを使用した
が、本発明はこのようなボールチップに限定されず、そ
の他のペン体を使用することができる。
【0040】たとえば、図8にはフエルトチップのペン
体51を使用した場合の第6の実施例を示す。このもの
は、本体1の先端部にペン体弁機構50が形成されてい
る。このペン体弁機構50は、筆記具の本体1の先端部
の内周面に形成された円錐形の弁座面52と、この弁座
面52にインク貯溜室2側から着座した円錐形の弁体部
材53とを備えており、この弁体部材53の先端部にフ
エルトチップ等のペン体51が取り付けられている。そ
して、この弁体部材43は、スプリングのロッド部54
によって先端部側に付勢されている。
【0041】この実施例のものは、筆記の際の筆圧によ
って、弁体部材53がスプリングの付勢力に抗して後退
して離座し、このペン体弁機構50が開弁してインクが
供給される。したがって、上記のフエルトチップのよう
に、インクのシール性を備えていないペン体を使用する
ことができる。
【0042】また、図9には、ニードルチップ等のペン
体55を使用した第7の実施例を示す。このものは、ニ
ードルホルダ56の内周面に円錐形の弁座面60を形成
し、またニードル58の外周面を円錐形の弁体面59と
して形成し、スプリングのロッド部57によってこのニ
ードル58の弁体面59を弁座面60に着座させたもの
で、このニードルチップがペン体弁機構を兼用している
ものである。
【0043】このものは、筆記の際の筆圧によって、上
記のニードル58がスプリングの付勢力に抗して後退
し、このニードル58の弁体面59が弁座面60から離
座して開弁し、インクが供給される。
【0044】なお、本発明は上記の各実施例には限定さ
れず、各種の変形が可能である。たとえば、ペン体弁機
構や大気連通弁機構の構成は、必ずしも上記の実施例の
ようなものには限定されず、その他の構成の弁機構を採
用できることはもちろんである。
【0045】
【発明の効果】上述の如く、本発明の筆記具はペン体弁
機構および大気連通弁機構が非筆記時には閉弁している
ので、上記のインク貯溜室は大気とは連通されておら
ず、このインク貯溜室内は密封状態になっている。した
がって、温度変化、気圧の変化等により、このインク貯
溜室内の圧力と大気圧との間に差圧が生じた場合でも、
インクが押し出されたり、また外気がこのインク貯溜室
内に吸入されたりすることは確実に防止される。
【0046】また、筆記の際には、この筆記具をペン体
側を下向きにすること、または筆記に先だってインクの
撹拌のためにこの筆記具を振ることにより、上記の重錘
に重力加速度または加速度が作用し、この重錘によって
上記の大気連通弁機構が開弁し、このインク貯溜室内の
圧力は大気圧と等しい圧力になる。
【0047】よって、このペン体に供給されるインクの
圧力はこのインク貯溜室内のインクの水頭圧のみであ
り、供給されるインクの圧力は常に安定しており、安定
した筆記が可能であり、またインクの供給圧力や供給量
を制御する複雑な機構は不要となり、構造が簡単とな
る。また、上記のペン体弁機構や大気連通弁機構は、筆
記者の筆記または筆記に先立つ動作によって作動するも
のであり、差圧等によって作動する微妙な機構部分がな
い。よって、作動が確実であり、またインクやペン体の
種類、用途等に制約されることがなく、各種の筆記具に
適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の縦断面図
【図2】第2の実施例の縦断面図
【図3】第2の実施例を下向きにした状態の大気連通弁
機構の部分の縦断面図
【図4】第3の実施例の大気連通弁機構の部分の縦断面
【図5】第4の実施例の大気連通弁機構の部分の縦断面
【図6】第5の実施例の大気連通弁機構の部分の縦断面
【図7】第1の実施例のペン体の部分の縦断面図
【図8】第6の実施例のペン体の部分の縦断面図
【図9】第7の実施例のペン体の部分の縦断面図
【符号の説明】
1…本体 2…インク貯溜室 3…ペン体 13…大気連通弁機構 21…重錘

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筆記具の本体と、この本体内に設けられ
    液体のインクを直接貯溜するインク貯溜室と、上記の本
    体の先端部に設けられ上記のインク貯溜室内に連通した
    ペン体と、このペン体と上記のインク貯溜室内との連通
    を遮断するとともに筆記時の筆圧によって開弁しこのペ
    ン体とインク貯溜室内とを連通させるペン体弁機構と、
    上記の本体の尾端部に設けられ上記のインク貯溜室内と
    大気とを連通する大気連通弁機構と、上記の本体内にそ
    の軸方向に移動自在に設けられた重錘とを備え、この重
    錘はこの筆記具を上記のペン体を下向きの姿勢にした場
    合に作用する重力またはこの筆記具を軸方向に振った場
    合に作用する軸方向の加速度の少なくともいずれか一方
    の力で上記の大気連通弁機構を開弁するものであること
    を特徴とする筆記具。
  2. 【請求項2】 前記の重錘は前記の本体内に軸方向に自
    由状態で移動可能に収容されており、この筆記具を振っ
    た際にこの重錘は自由状態で移動した後に前記の大気連
    通弁機構に衝突し、この衝突の際の慣性力によって前記
    の大気連通弁機構を開弁するものであることを特徴とす
    る請求項1の筆記具。
  3. 【請求項3】 前記の重錘は、前記インク貯溜室内に収
    容されており、このインク貯溜室内のインクの撹拌用の
    重錘と兼用されていることを特徴とする請求項2の筆記
    具。
  4. 【請求項4】 前記の大気連通弁機構は、前記のインク
    貯溜室の尾端部に形成された弁座部と、前記のインク貯
    溜室内に収容され上記の弁座部に先端部側から着座して
    閉弁する弁体と、この弁体から前記インク貯溜室内を先
    端部側に延長された弁軸と、この弁軸の先端部に設けら
    れた衝突受部と、この弁体を閉弁方向に付勢するスプリ
    ングとを備えており、また前記の重錘は前記のインク貯
    溜室内に軸方向に自由状態で移動可能に収容されてお
    り、この筆記具を軸方向に振った場合にこの重錘が先端
    部側に移動して上記の衝突受部に衝突し、その慣性力で
    上記の弁体を開弁させるものであることを特徴とする請
    求項2に記載の筆記具。
  5. 【請求項5】 前記の大気連通弁機構は、円筒状の弁座
    部材を備え、この弁座部材の周面には連通孔が開口して
    おり、この連通孔を介して前記のインク貯溜室と大気と
    が連通されており、また弾性材料からなる円板状の弁部
    材を備えており、この弁部材の中心部には嵌合孔が形成
    され、この嵌合孔は上記の円筒状の弁座部材の外周面に
    密嵌して上記の連通孔を閉止しており、また前記の重錘
    は上記の円板状の弁部材の周縁部に当接してこの弁部材
    を弾性変形させ、この弁部材の上記嵌合孔の内周面と上
    記弁座部材の外周面との間に間隙を形成してこの大気連
    通弁機構を開弁させるものであることを特徴とする請求
    項1の筆記具。
  6. 【請求項6】 前記の大気連通弁機構は、円筒状の弁座
    部材を備え、この弁座部材の周面には連通孔が開口して
    おり、この連通孔を介して前記のインク貯溜室と大気と
    が連通されており、また弾性材料からなる円板状の弁部
    材を備えており、この弁部材の中心部には嵌合孔が形成
    され、この嵌合孔は上記の円筒状の弁座部材の外周面に
    密嵌して上記の連通孔を閉止しており、また前記の重錘
    は上記の弁座部材を軸方向に移動させて上記の弁部材を
    弾性変形させ、この弁部材の上記嵌合孔の内周面と上記
    弁座部材の外周面との間に間隙を形成してこの大気連通
    弁機構を開弁させるものであることを特徴とする請求項
    1の筆記具。
  7. 【請求項7】 前記の重錘は、この筆記具を先端部側を
    下向きにした場合に作用する重力のみによって前記の大
    気連通弁機構を開弁させるに十分な質量を有しているこ
    とを特徴とする請求項5または請求項6の筆記具。
  8. 【請求項8】 前記のペン体はボールチップであり、ま
    たこのボールチップのボールを先端側に付勢する弾性部
    材を備え、この弾性部材の付勢力によってこのボールは
    ボールホルダの先端部の内周面に押圧されて閉止状態と
    なり、また筆記の際の筆圧によって上記のボールが上記
    の弾性部材の付勢力に抗して後退してボールチップの先
    端部の内周面との間に間隙を形成してインクの流出を可
    能とし、このボールチップと上記の弾性部材とで前記の
    ペン体弁機構を構成していることを特徴とする請求項1
    の筆記具。
  9. 【請求項9】 前記のペン体弁機構は、前記の本体の先
    端部に形成された円錐形の弁座部と、この弁座部に前記
    インク貯溜室側から着座する円錐形の弁体と、この弁体
    を先端部側に付勢する弾性部材とを備え、上記の弁体の
    先端部にはペン体が取り付けられており、筆記の際の筆
    圧によって上記の弁体が上記の弾性部材の付勢力に抗し
    て後退して開弁し、インクの流出を可能とすることを特
    徴とする請求項1の筆記具。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019065022A1 (ja) * 2017-09-29 2019-04-04 株式会社3S 塗布具
JP2020104332A (ja) * 2018-12-26 2020-07-09 株式会社パイロットコーポレーション インキ吸入器

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