JPH08215618A - ポリオレフィン樹脂成形物の表面改質装置 - Google Patents

ポリオレフィン樹脂成形物の表面改質装置

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JPH08215618A
JPH08215618A JP7028439A JP2843995A JPH08215618A JP H08215618 A JPH08215618 A JP H08215618A JP 7028439 A JP7028439 A JP 7028439A JP 2843995 A JP2843995 A JP 2843995A JP H08215618 A JPH08215618 A JP H08215618A
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resin molded
molded product
ozone
aqueous solution
nozzles
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JP7028439A
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Mamoru Kato
守 加藤
Yasuhiko Ogisu
康彦 荻巣
Nobuyoshi Tanaka
伸佳 田中
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Toyoda Gosei Co Ltd
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Toyoda Gosei Co Ltd
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    • B05D3/101Pretreatment of polymeric substrate
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ポリオレフィン樹脂成形物の表面改質に際し、
短時間の改質処理で極めて良好な改質特性を得るととも
に、改質斑が生じるのを抑制する。 【構成】表面改質装置の表面改質室内には、4組のシャ
ワー手段100,200等が設けられており、各シャワ
ー手段100,200等にはオゾン水溶液が供給され
る。各シャワー手段100,200等は表面改質用配管
110,210等を有し、各配管110,210等に
は、それぞれ5つのノズル111〜115,211〜2
15等が設けられる。相互に隣接しあうノズル111〜
115,121〜125及び211〜215,221〜
225から噴射されるオゾン水溶液の当接領域が重なる
ようノズル位置が設定され、また、各シャワー手段10
0,200毎に、各ノズル111〜115,211〜2
15等の位相が、半ピッチずつずれるようにして設定さ
れる。酸化反応の補いあいにより、総合的な表面改質レ
ベルが均質なものとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばポリプロピレン
等の表面極性の比較的小さいポリオレフィンを主成分と
する樹脂成形物の表面塗装装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリプロピレンに代表される表面
極性の比較的小さいポリオレフィン樹脂成形物を例えば
塗装等の2次加工に供する場合、まずトリクロロエタン
等の溶剤により樹脂成形物表面の洗浄及び表面改質(凹
凸化)が行われる。次に、その表面にプライマー塗装が
施されたり、あるいは、プラズマ処理が施される。この
ような処理が施されることにより、表面が極性化されて
樹脂成形物と上塗り塗料との間が強固に接合される。し
かし、近年では、トリクロロエタン等のハロゲン化炭化
水素系の有機溶剤を用いて洗浄するのを規制する要求が
高まってきており、上記の溶剤に代わるポリオレフィン
樹脂成形物の表面を改質するための新たなる方法が各方
面において研究されている。
【0003】上記の要求に答える技術の1つとして、例
えば特開平3−103448号公報に開示されたものが
挙げられる。この技術では、ポリプロピレン樹脂成形物
がオゾン気流下で処理されることにより、その表面が酸
化され、表面には極性基が付与される。この極性基の導
入により表面改質が図られる。しかし、上記技術では、
ポリプロピレン樹脂成形物をオゾン気流下で処理するよ
うにしていたため、樹脂成形物の全ての表面を均一に改
質することは困難であった。すなわち、表面を均一に改
質するためには、オゾン気流を全ての表面に対してほぼ
均一に、かつ、各表面に対してほぼ同一時間だけ当てな
ければならない。従って、樹脂成形物が複雑な形状をな
すような場合には、樹脂成形物又は気流を適当に動かし
たりしなければ、樹脂成形物の全ての表面を均一に改質
することができず、結果として均一な塗装を施すことが
非常に困難となっていた。
【0004】上記不具合に対処すべく、本願出願人は、
特開平6−248103号において、ポリオレフィン樹
脂成形物をオゾン水溶液に接触させて、前記ポリオレフ
ィン樹脂成形物の表面を酸化させる旨を開示している。
かかる方法によれば、改質工程前での有機溶剤の使用を
省略して、樹脂成形物の表面を容易に、かつ、均一に改
質することができる。また、その後の塗装により、樹脂
成形物の表面に塗膜層を強固に形成することができる。
【0005】ところが、上記公報に開示された技術で
は、一定の優れた改質結果は得られるものの、例えばポ
リオレフィン樹脂成形物を所定温度のオゾン水溶液に浸
漬する方法が採用されていたため、以下に示すような不
具合の発生するおそれがあった。すなわち、図10に示
すように、樹脂成形物51をオゾン水溶液中に浸漬する
前段階においては、水流ノズル52を用いたパワーウォ
ッシュ洗浄(流水洗浄)が行われるのが一般的である
が、かかる洗浄は樹脂成形物51がコンベア53上に載
置された状態で行われる。このため、オゾン水溶液への
浸漬工程に際しては、樹脂成形物51をコンベア53か
ら外して別の浸漬用の容器54中へと移動させ、かつ、
その浸漬状態を保持する必要があった。また、パワーウ
ォッシュ洗浄時においては、樹脂成形物51のうちのコ
ンベア53側の面(樹脂成形物51の裏面)は、さほど
洗浄されない。このため、樹脂成形物51の浸漬時にお
いて、その裏面に付着した汚染物質が容器54内のオゾ
ン水溶液中に溶解してしまうおそれがあった。その結
果、オゾン水溶液が汚染されてしまい、場合によっては
良好な改質結果が得られないおそれがあった。
【0006】さらに、上記技術では、オゾンが単位時間
あたりに樹脂成形物51に当接する量が比較的少なく、
表面改質に比較的時間を要することとなっていた。そこ
で、かかる不具合を解消するための技術として、シャワ
ー手段等を用いてオゾン水溶液を、樹脂成形物の表面に
対し流水状に接触させる技術が考えられる。この技術に
よれば、一連の工程でもって(例えばコンベアを用い
て)連続的に改質を行うことができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに、オゾン水溶液を樹脂成形物の表面に対し単に流水
状に接触させるのみでは、樹脂成形物の表面全体を均一
に改質することは困難であった。すなわち、上記技術で
は、シャワーノズル等からの流水が頻繁に当たる部位に
おいては、その改質がより進行するが、これに対し流水
が頻繁に当たらない部位においては、改質が行われにく
い。このため、改質処理において改質斑が生じてしま
い、その後、樹脂成形物の表面に塗装を施そうとした場
合には、塗装強度に斑が生じてしまうおそれがあった。
【0008】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたものであって、表面極性の比較的小さいポリオ
レフィン樹脂成形物の表面改質に際し、短時間の改質処
理で極めて良好な改質特性が得られるとともに、改質斑
が生じるのを抑制することのできるポリオレフィン樹脂
成形物の表面改質装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明においては、ポリオレフィン
を主成分とする樹脂成形物に対し、所定間隔を隔てて形
成された複数のノズルを有するシャワー手段を用い、前
記ノズルからオゾン水溶液をそれぞれ放射状に噴射して
接触せしめることにより、前記樹脂成形物の表面を酸化
させるべく構成されてなる表面改質装置であって、相互
に隣接しあう前記ノズルから噴射されるオゾン水溶液の
当接領域が重なるよう前記ノズルを配置構成することに
より、前記樹脂成形物の表面酸化を均質化ならしめるよ
うにしたことをその要旨としている。
【0010】また、請求項2に記載の発明においては、
ポリオレフィンを主成分とする樹脂成形物に対し、所定
間隔を隔てて形成された複数のノズルを有するシャワー
手段を用い、前記ノズルからオゾン水溶液をそれぞれ放
射状に噴射して接触せしめることにより、前記樹脂成形
物の表面を酸化させるべく構成されてなる表面改質装置
であって、シャワー手段を複数配列させるとともに、前
記各シャワー手段の前記ノズルの位置を、各シャワー手
段毎にずらしたことをその要旨としている。
【0011】さらに、請求項3に記載の発明において
は、請求項1又は2に記載のポリオレフィン樹脂成形物
の表面改質装置において、当該表面改質装置は、さら
に、前記樹脂成形物を搭載し、移送する移送手段と、前
記シャワー手段の前段階に設けられた前洗浄手段と、前
記シャワー手段の後段階に設けられた後洗浄手段とを備
えるとともに、少なくとも前記各手段を、1つのユニッ
ト内に配設したことをその要旨としている。
【0012】
【作用】上記請求項1に記載の発明によれば、所定間隔
を隔てて形成された複数のノズルを有するシャワー手段
が用いられ、各ノズルから、ポリオレフィンを主成分と
する樹脂成形物に対し、オゾン水溶液がそれぞれ放射状
に噴射され、接触する。この接触により、樹脂成形物の
表面が酸化され、極性基が付与される。すなわち、樹脂
成形物の表面が改質される。
【0013】さて、本発明では、相互に隣接しあうノズ
ルから噴射されるオゾン水溶液の当接領域が重なるよ
う、ノズルが構成されている。このため、1つのノズル
からのオゾン水溶液の当接領域のうち、樹脂成形物の表
面の酸化レベルの比較的低い周縁部分は隣接する他のノ
ズルからのオゾン水溶液が当接することとなり、当該部
分の酸化反応が補われることとなる。従って、総合的な
表面改質レベルが均質なものとなりうる。
【0014】また、請求項2に記載の発明によれば、シ
ャワー手段が複数配列されるとともに、各シャワー手段
のノズルの位置が、各シャワー手段毎にずらされてい
る。このため、1つのシャワー手段では改質が不十分で
あった領域が他のシャワー手段のノズルから噴射される
オゾン水溶液により酸化される。従って、総合的な表面
改質レベルが均質なものとなりうる。
【0015】さらに、請求項3に記載の発明によれば、
請求項1又は2に記載の発明の作用に加えて、ポリオレ
フィン樹脂成形物は、移送手段により、少なくとも表面
改質装置内を移送される。そして、当該移送手段により
移送される樹脂成形物は、まずシャワー手段の前段階に
設けられた前洗浄手段により表面の前洗浄に供される。
また、移送手段により移送され、上記シャワー手段等に
より表面が改質された樹脂成形物は、シャワー手段の後
段階に設けられた後洗浄手段により後洗浄に供される。
【0016】本発明では、少なくとも前記各手段が、1
つのユニット内に配設されている。このため、前洗浄手
段及び後洗浄手段により、シャワー手段から噴射される
オゾン水溶液のいわばバリヤが構成されることとなり、
オゾン水溶液又はオゾンガスが系外に流出するのが回避
されうる。
【0017】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図面に
基づいて説明する。図4に示すように、例えば自動車用
バンパー等の樹脂製品1は、樹脂成形物2及びその表面
に形成された塗膜層3により構成されている。樹脂成形
物2はポリプロピレンにより金型にて成形されたもので
あり、その表面は改質(酸化)されている。そして、本
実施例では、当該樹脂成形物2の表面に直接塗装が施さ
れている。また、前記塗膜層3を形成する塗料は、例え
ばポリエステル系の塗料に塩素化ポリプロピレンが配合
されることにより構成されている。
【0018】次に、上記樹脂製品1を製造するに際し、
特に樹脂成形物2の成形後から塗装の前段階に至るまで
の表面改質装置の構成について、図3に示す概略図等に
従って説明する。
【0019】同図に示すように、樹脂成形物2の表面改
質装置4は、パワーウォッシュ室5、表面改質室6、純
水洗浄室7及び表面調整室8等から構成され、これらは
1つのユニット内に設けられている。また、これら各室
5〜8を経るに際しては、移送手段としてのコンベア9
が使用され、樹脂成形物2は該コンベア9の移動により
例えば図の右方へ搬送されるようになっている。
【0020】前記パワーウォッシュ室5は、樹脂成形物
2の表面の汚れを簡易的に洗浄除去するための室であっ
て、図示しないポンプ、前洗浄手段を構成するパワーウ
ォッシュ配管11及びドレインタンク12等を備えてい
る。そして、該パワーウォッシュ配管11のノズルから
スプレー状の水が樹脂成形物2に対して吹き付けられる
ようになっている。
【0021】また、純水洗浄室7は、樹脂成形物2に付
着したオゾン水溶液を濯いで除去するための室であっ
て、同じく図示しないポンプ、後洗浄手段を構成するリ
ンス用配管13及びドレインタンク14等を備えてい
る。そして、該リンス用配管13のノズルからスプレー
状の純水が樹脂成形物2に対して吹き付けられるように
なっている。
【0022】さらに、表面調整室8は、純水洗浄後、樹
脂成形物2に付着した純水等の乾燥を促進するための表
面調整を行うための室であって、同じく図示しないポン
プ、表面調整用配管15及びドレインタンク16等を備
えている。そして、該表面調整用配管15のノズルから
スプレー状の表面調整水が樹脂成形物2に対して吹き付
けられるようになっている。表面調整水は、樹脂成形物
2に付着した純水等の表面張力を低下させて乾燥を促進
しうるものであればいかなるものが採用されてもよい
が、本実施例では、純水に対し、表面調整剤(例えばポ
リオキシエチレンアルキルエーテル等の界面活性剤)が
混入されたものが使用される。
【0023】併せて、本実施例における表面改質室6
は、パワーウォッシュ室5と純水洗浄室7との間に設け
られている。表面改質室6内には、4組のシャワー手段
100,200,300,400及びドレインタンク1
7が設けられており、前記各シャワー手段100〜40
0にはメイン配管18を通じてオゾン水溶液が供給され
るようになっている。メイン配管18の途中には、オゾ
ン溶解槽19及びヒータ21が設けられている。オゾン
溶解槽19には、ドレインタンク17からのオゾン水溶
液がポンプ20を介して導入されるようになっている。
また、オゾン溶解槽19には、別途設けられたオゾン発
生器22から発生したオゾンが供給され、該オゾン溶解
槽19内でオゾン水溶液が生成、貯留されるようになっ
ている。ヒータ21は、流動中のオゾン水溶液を所定の
温度(例えば50℃)にまで加温することができるよう
になっている。
【0024】図3,5に示すように、各シャワー手段1
00〜400は、並列に配設されているとともに、それ
ぞれ左右一対の直線状の表面改質用配管110,12
0,210,220,310,320,410,420
を有している。また、図1,2,5に示すように、各配
管110,120,210,220等には、それぞれ5
つのノズル111〜115,121〜125及び211
〜215,221〜225等が等間隔毎に設けられてい
る。そして、これら各ノズルからオゾン水溶液が放射状
に噴射され、樹脂成形物2に接触するようになってい
る。
【0025】本実施例では、図1,2に示すように、相
互に隣接しあうノズル111〜115,121〜125
及び211〜215,221〜225から噴射されるオ
ゾン水溶液の当接領域が重なるよう、ノズル位置が設定
されている。
【0026】また、図1に示すように、各シャワー手段
100〜400毎に、各ノズル111〜115,121
〜125及び211〜215,221〜225の位置
(いわば位相)が、半ピッチずつずれるようにして設定
されている(図1では、2つのシャワー手段100,2
00のみについて示すが、他のシャワー手段300,4
00についても同様のことがいえる)。
【0027】さらに、図3に示すように、各シャワー手
段100〜400は、樹脂成形物2にオゾン水溶液を噴
射させる際の角度が異なるように配設されている。すな
わち、樹脂成形物2の側方側から、徐々に上方側に当た
るように角度設定がなされている。この設定により、樹
脂成形物2の表面(意匠面)に対し、オゾン水溶液が均
等に当たるようになっている。
【0028】なお、本実施例では、上記オゾン水溶液の
オゾン濃度を調整したり、蒸発等により損失した水を補
填するための機構が設けられている。すなわち、パワー
ウォッシュ室5のドレインタンク12及び表面改質室6
のドレインタンク17間並びに純水洗浄室7のドレイン
タンク14及び表面改質室6のドレインタンク17間
が、それぞれ連通管23,24により接続されている。
また、各連通管23,24には、バルブ25,26が設
けられている。そして、各バルブ25,26が適宜に開
閉されることにより、表面改質室6のドレインタンク1
7内に純水が新たに供給されたりされなかったりする。
【0029】樹脂成形物2の表面改質を行うに際して
は、オゾン水溶液が用いられる。ここで、オゾン水溶液
の水素イオン指数(以下、単に「pH」という)は7以
下であることが望ましい。特に、pHは3〜7程度が望
ましい。これは、水の酸性度が高い方がオゾンの溶解度
を高くできるからであり、その結果、オゾン水溶液中の
オゾン濃度を高めることができるからである。一方、あ
まりに酸性度が高いと、今度はオゾンの活性度合いが低
いものとなってしまう。このため、オゾン水溶液は、p
H3〜7程度の弱酸性が望ましい。
【0030】本実施例では、このpHを例えば「6」に
設定し、維持するために、有機酸がオゾン水溶液中に混
在される。より詳しくは、表面改質室6のオゾン溶解槽
19と表面調整室8のドレインタンク16とが連通管2
7で連結されており、その途中にはバルブ28が設けら
れている。そして、該バルブ28を開放することによ
り、表面調整室8のドレインタンク16中の表面調整剤
(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)の混合された
水溶液が、連通管27を介してオゾン溶解槽19に導入
される。導入された表面調整剤は、オゾン水溶液中のオ
ゾンの強力な酸化力により分解、酸化され、有機酸(カ
ルボン酸)に変化するのである。つまり、本実施例で
は、表面調整剤は、表面調整室8中においては、後の乾
燥工程において水の乾燥を促進するために使用され、表
面改質室6内においては、酸化されて有機酸となり、こ
れがオゾン水溶液にpHを調整するためのいわばpH調
整剤としての作用を奏するようになっている。
【0031】なお、本実施例では、各ドレインタンク1
2,14,16,17等の中には、温度系、水位計、p
H計等(いずれも図示しない)の測定機器が設けられて
いるとともに、制御用のコントローラ(図示しない)が
設けられている。そして、コントローラは、上記各種測
定機器による検出結果に基づき、コンベア9、各種ポン
プ21等、ヒータ21、オゾン発生器22、各種バルブ
25,26,28等を好適に制御する。また、表面改質
装置4内における各室5〜8は壁によって仕切られてい
るとともに、上記コンベア9の通過する部分には図示し
ないドアが開閉可能に設けられている。そして、コンベ
ア9が移動する際には、ドアが開かれて、コンベア9及
びその上に載置された樹脂成形物2の移動が許容される
ようになっている。さらに、表面改質装置4に隣接し
て、乾燥機29が設けられ、表面調整工程を経た樹脂成
形物2の表面を乾燥するようになっている。
【0032】次に、上記のように構成されてなる表面改
質装置4等を用いて、樹脂成形物2の表面を改質する方
法及び改質時の作用効果について説明する。まず、金型
により所定の形状に成形された樹脂成形物2を作動中の
コンベア9上にその意匠面を上にした状態で載置し、図
3の右方へと移動させてゆく。
【0033】すると、樹脂成形物2は、表面改質装置4
のうち、最初にパワーウォッシュ室5へと案内される。
所定の位置に到達したならば、コンベア9の作動を所定
時間だけ停止させ、前記パワーウォッシュ配管11のノ
ズルの先端からスプレー状の水を樹脂成形物2の表面に
対し吹き付ける。すると、樹脂成形物2の表面に付着し
ていたホコリ、ゴミ等の汚れが洗浄除去される。
【0034】次に、樹脂成形物2を前記コンベア9によ
りさらに図の右方へと移動させ、表面改質室6へと供す
る。そして、再度コンベア9の作動を所定時間だけ停止
させ、シャワー手段100のノズル111〜115,1
21〜125から、樹脂成形物2に対し、オゾン水溶液
を放射状に噴射する。すると、オゾン水溶液は樹脂成形
物2の表面に接触し、この接触により、樹脂成形物2の
表面が酸化され、極性基が付与される。すなわち、樹脂
成形物2の表面が改質される。
【0035】ここで、本実施例では、図2に示すよう
に、相互に隣接しあうノズル111〜115,121〜
125から噴射されるオゾン水溶液の当接領域が重なる
よう、ノズルが配置構成されている。このため、1つの
ノズル111〜115,121〜125からのオゾン水
溶液の当接領域のうち、樹脂成形物2の表面の酸化レベ
ルの比較的低い周縁部分は隣接する他のノズル111〜
115,121〜125からのオゾン水溶液が当接する
こととなり、当該部分の酸化反応が補われることとな
る。従って、総合的な表面改質レベルが均質なものとな
りうる。
【0036】所定時間だけオゾン水溶液を放射状に噴射
した後、さらに樹脂成形物2を前記コンベア9によりさ
らに図の右方へと移動させ、再度コンベア9の作動を所
定時間だけ停止させる。そして、シャワー手段200の
ノズル211〜215,221〜225から、樹脂成形
物2に対し、オゾン水溶液を放射状に噴射する。する
と、上記同様オゾン水溶液は樹脂成形物2の表面に接触
し、この接触により、樹脂成形物2の表面の酸化反応が
進み、樹脂成形物2の表面改質が促進される。ここで、
上記と同様、相互に隣接しあうノズル211〜215,
221〜225から噴射されるオゾン水溶液の当接領域
が重なるよう、ノズルが配置構成されていため、酸化反
応が相互に補われる。従って、総合的な表面改質レベル
が均質なものとなりうる。
【0037】さらに、本実施例では、前記シャワー手段
100のノズル111〜115,121〜125に比
べ、当該シャワー手段200の各ノズル211〜21
5,221〜225の位置(位相)が、半ピッチずつず
れるようにして設定されている。このため、仮に最初の
シャワー手段100で改質が不十分であった領域が存在
したとしても、当該シャワー手段200の各ノズル21
1〜215,221〜225から噴射されるオゾン水溶
液により酸化反応が補われる。従って、総合的な表面改
質レベルがさらに均質なものとなりうる。
【0038】併せて、前記シャワー手段100に比べ、
当該シャワー手段200の噴射角度が異なるように配設
されている。このため、樹脂成形物2の表面(意匠面)
に対し、オゾン水溶液がより均等に当たり、より一層の
改質レベルの均質化が図られうる。
【0039】続いて、所定時間だけオゾン水溶液を放射
状に噴射した後、前記コンベア9の移動、停止、シャワ
ー手段300のノズルからのオゾン水溶液の噴射、コン
ベア9の再度の移動、停止、シャワー手段400のノズ
ルからのオゾン水溶液の噴射を行う。この場合にも上述
と同様の作用を奏する。
【0040】その後、コンベア9を図の右方へ移動さ
せ、上記のように表面改質された樹脂成形物2を純水で
洗浄するべく、純水洗浄室7内へと案内し、所定位置に
到達したならばコンベア9を停止させる。そして、リン
ス用配管13のノズルから、樹脂成形物2に対し、純水
をスプレー状に噴射する。すると、樹脂成形物2の表面
に付着していたオゾン水溶液が濯ぎ流され、洗浄され
る。
【0041】次に、コンベア9を再度図の右方へ移動さ
せ、上記のように洗浄された樹脂成形物2の表面を調整
するべく、表面調整室8内へと案内し、所定位置に到達
したならばコンベア9を停止させる。そして、表面調整
用配管15のノズルから、樹脂成形物2に対し、表面調
整水をスプレー状に噴射する。すると、樹脂成形物2の
表面に付着する水等の表面張力が低下し、純水に比べて
表面への水等の付着量が比較的少ないものとなる。
【0042】さらに、コンベア9を再度図の右方へ移動
させ、上記のように表面調整された樹脂成形物2の表面
を乾燥するべく、乾燥機29内へと案内し、所定時間乾
燥させる。このとき、樹脂成形物2の表面に付着してい
る表面調整水の量は比較的少なく、しかも、表面調整水
の蒸発速度は純水に比べて著しく速いため、樹脂成形物
2の表面は速やかに乾燥されることとなる。
【0043】このような一連の工程を経ることにより、
樹脂成形物2の表面改質が完了する。そして、乾燥工程
を経た樹脂成形物2は、次なる塗装工程へと供される。
その塗装工程においては、上述したような所定の塗料が
塗布される。その後、再度乾燥されることにより、樹脂
成形物2の表面には塗膜層3が形成される。
【0044】以上説明したように、本実施例では、樹脂
成形物2の表面には噴射状のオゾン水溶液が接触し、オ
ゾンの酸化力により、樹脂成形物の表面が酸化され、極
性化される。ここで、樹脂成形物2がいかなる形状(本
実施例ではバンパの形状)をなしていたとしても、オゾ
ン水溶液は、樹脂成形物2の意匠面の全表面に確実に接
触することが可能となる。そのため、樹脂成形物2表面
の各箇所における反応斑が起きにくく、各表面において
比較的均一に酸化反応が行われる。これとともに、オゾ
ン水溶液が流水状に当たるので、酸化反応が促進され、
処理時間が比較的短時間で済む。さらに、樹脂成形物を
オゾン水溶液中に浸漬させる場合と異なり、放射状のオ
ゾン水溶液を樹脂成形物2に当てればよいため、一連の
工程においてオゾン水溶液を接触させることが可能とな
る。すなわち、パワーウォッシュ洗浄後、樹脂成形物を
一旦コンベアから取り外し、容器中に浸漬させる必要が
あった従来技術とは異なり、コンベア9上において連続
的に改質処理を施すことができる。その結果、改質設備
及び設置スペースの簡素化並びにコストの低減を図るこ
とができる。
【0045】また、本実施例では、相互に隣接しあうノ
ズル111〜115,121〜125,211〜21
5,221〜225等から噴射されるオゾン水溶液の当
接領域が重なるよう、ノズルが配置構成されている。こ
のため、1つのノズル111〜115,121〜12
5,211〜215,221〜225からのオゾン水溶
液の当接領域のうち、樹脂成形物2の表面の酸化レベル
の比較的低い周縁部分は隣接する他のノズル111〜1
15,121〜125からのオゾン水溶液が当接するこ
ととなり、当該部分の酸化反応が補われることとなる。
従って、総合的な表面改質レベルを均質なものとするこ
とができ、ひいては、改質斑が生じるのを防止すること
ができる。その結果、その表面に形成された塗膜層3の
塗装強度(耐剥離強度)に斑が生じてしまうのを抑制す
ることができる。
【0046】また、本実施例では、シャワー手段100
のノズル111〜115,121〜125に比べ、当該
シャワー手段200の各ノズル211〜215,221
〜225の位置(位相)が、半ピッチずつずれるように
して設定されている。また、それ以外のシャワー手段3
00,400についても同様に各ノズルの位置(位相)
が、半ピッチずつずれるようにして設定されている。こ
のため、仮に最初のシャワー手段100で改質が不十分
であった領域が存在したとしても、それ以降の工程にお
けるシャワー手段200等の各ノズル211〜215,
221〜225等から噴射されるオゾン水溶液により酸
化反応が補われる。従って、総合的な表面改質レベルを
さらに均質なものとすることができ、上記効果をより確
実ならしめることができる。
【0047】図6は上述の効果を示すグラフである。す
なわち、同図は、その横軸に樹脂成形品2の長さ方向の
位置を示し、縦軸に改質レベル(塗膜層3を形成したと
きのピーリング強度)を示すものである。同図に破線で
示すように、1つのシャワー手段100のみでは、個々
の単独のノズル111〜115,121〜125から噴
射されたオゾン水溶液による改質レベルは、樹脂成形品
2の長さ方向に斑が生じうる。つまり、1つのノズルの
みを考慮した場合、樹脂成形物2表面への当接領域のう
ち、中央部分は比較的改質されやすいのに対し、周縁部
分は改質されにくい。しかし、本実施例では、噴射され
るオゾン水溶液の当接領域が重なるよう、ノズルが配置
構成されているので、同図1点鎖線で示すように、総合
的に考慮した場合には改質レベルの斑は低減されうる。
【0048】さらに、その後の工程において、ノズル2
11〜215,221〜225等の位置が半ピッチすつ
ずれたシャワー手段200等によって、オゾン水溶液に
よる酸化反応が補われる。つまり、シャワー手段100
〜400を複数配列させるとともに、各シャワー手段1
00〜400のノズル111〜115,121〜12
5,211〜215,221〜225等の位置が、各シ
ャワー手段100〜400毎にずらされるため、同図に
実線で示すように、最終的な改質レベルは、樹脂成形物
2の長さ方向に均質なものとなるのである。
【0049】併せて、本実施例では、表面改質装置4
を、パワーウォッシュ室5、表面改質室6、純水洗浄室
7及び表面調整室8等から構成し、これらを1つのユニ
ット内に設けるようにした。このため、パワーウォッシ
ュ室5(パワーウォッシュ配管11)や純水洗浄室7
(リンス用配管13)が表面改質室6に対してのバリヤ
的作用を発揮する。従って、オゾン水溶液やオゾンガス
が外部に流出するのをより確実に抑制することができ
る。各処理を経た後に一旦外気にさらされることがない
ので、樹脂成形物2が冷却されてしまい酸化反応に支障
を来すのを抑制することができる。すなわち、表面改質
装置4内が全体として表面改質室6内のオゾン水溶液に
より温められるため、別途加温手段を設けなくともよ
く、その結果、熱効率の向上を図ることができる。
【0050】加えて、本発明とは直接的には関連しない
が、本実施例では、オゾン水溶液のpHを一定値に設定
し、維持するために、表面調整水をオゾン水溶液中に混
入させるようにした。そして、オゾンの酸化力により、
分解、酸化されて得られた有機酸をpH調整剤として用
いることとした。さらには、バルブ28を適宜調整する
ことにより、pHを調整することとした。これは、酸化
されて得られた有機酸がさらに分解酸化されて、やがて
二酸化炭素と水になるからであると考えられる。従っ
て、有機酸が逐次分解されてゆくため、適宜バルブ28
を開放制御して表面調整剤を補充し、有機酸の生成を促
すことにより、pHが一定に調整されるのである。
【0051】本実施例では、このように構成したことに
より、pHを調整するために無機酸、特に強酸が使用さ
れていた従来技術とは異なり、酸の取扱いにさほど慎重
を期す必要がなくなる。また、水溶性有機溶剤(表面調
整剤)が酸化されて得られた有機酸は、pHを調整をす
る役割を果たした後に、再度オゾンにより酸化され、分
解されて、最終的には二酸化炭素、水等に変化する。こ
のため、分解された後には、設備等の腐食を考慮する必
要がなくなる。
【0052】さらに、表面調整剤は上述したpH調整剤
として使用されるのみならず、本来の使用目的である乾
燥促進機能を充分に発揮しうる。すなわち、有機溶剤た
る表面調整剤がpH調整剤としてオゾン水溶液中に混入
されることにより、表面調整剤とpH調整剤とが兼用さ
れうることとなる。従って、表面調整水の廃液がpH調
整に利用されうることとなり、コストの著しい削減を図
ることができる。また、表面調整水の廃液処理の手間が
省略され、より一層のコストの削減を図ることができ
る。
【0053】〔実験〕次に、上記の本実施例特有の作用
効果を確認するために、表面調整剤のオゾンによる酸化
に関してのビーカースケールでの実験を行ったので、以
下に説明する。
【0054】(実験装置)まず、表面改質に際して用い
る実験装置について説明する。但し、ここで用いる装置
として、容器中に4リットルの工業用水を注ぎ、容器を
これで満たした。そして、オゾン発生器から発生したオ
ゾンをバブリングさせ、オゾン濃度を一定に保持した
(4ppm)。なお、水溶液の温度は50度に保持し
た。
【0055】(実験内容及び実験結果)上記の装置を用
いて、所定時間毎にオゾン水溶液のpHを測定した。ま
ず、表面改質剤としてエタノールを滴下させたときの実
験結果を図7,8に示す。但し、ここでは、1回のみエ
タノールを所定量滴下させる実験(図8)とpH計を見
ながらpHを「6」に保持するべく、継続的にエタノー
ルを滴下させる実験(図7)とを行った。図8に示すよ
うに、所定量のエタノールを滴下した後は、pHが徐々
に下がることが分かる。また、その後、pHが徐々に上
昇することがわかる。これらのことから、エタノールは
オゾンによって酸化され、アセトアルデヒドを経て酢酸
に変化し、その後、酢酸が分解酸化されて二酸化炭素と
水に変化したことがわかる。また、図7に示すように、
上記動作を繰り返し行うことにより、pHを所定値に維
持することができる。
【0056】さらに、図9は、pHを「6」に保持する
べく、上記エタノールに代えて、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテルを継続的に滴下させる実験を行ったもの
である。同図に示すように、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテルを滴下させた場合であっても、上記と同様の
ことがいえる。すなわち、水溶性の有機溶剤であれば、
いかなるものをオゾン水溶液に添加しても、オゾンの酸
化力により、有機酸に変化し、さらには、分解されると
いうことがいえる。
【0057】尚、本発明は上記実施例に限定されず、例
えば次の如く構成してもよい。 (1)前記実施例では、樹脂成形物2の意匠面(上面)
側からオゾン水溶液をスプレー状に当てる構成とした
が、樹脂成形物2の表面全てが意匠面であるような場合
には、各面(例えば裏面側)からオゾン水溶液を噴射さ
せるような構成としてもよい。
【0058】(2)前記実施例では、ポリオレフィン樹
脂成形物の素材としてポリプロピレンを採用したが、素
材がポリオレフィンを主成分としているものであれば、
ポリエチレン製の樹脂成形物や、その他の2次成分が配
合されたもの等いかなるものの表面改質に適用すること
もできることはいうまでもない。また、その形状はバン
パーの形状に限られるものではなく、例えばグリル、ガ
ーニッシュ、モール、スポイラー、ランプ、マーク、エ
ンブレム、ホイールカバー等の各種車両用外装品などを
はじめ、いかなる形状をなしていてもよい。
【0059】(3)前記実施例における表面調整剤とし
て、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、エタノール
を用いたが、その他の水溶性の有機溶剤(例えば、その
他のアルコール、エーテル、アルデヒド、カルボン酸、
ケトン、エステル、アミン)等を用いてもよい。
【0060】(4)前記実施例では、ポリエステル系塗
料に塩素化ポリプロピレンを配合した塗料を用いたが、
ポリエステルに塩素化ポリプロピレンをグラフト重合あ
るいはブロック重合した塗料等いかなる塗料を用いても
よい。
【0061】特許請求の範囲の各請求項に記載されない
ものであって、上記実施例から把握できる技術的思想に
ついて以下にその効果とともに記載する。 (a)請求項1〜3に記載のポリオレフィン樹脂成形物
の表面改質装置において、前記オゾン水溶液はpH調整
剤が混入されることにより水素イオン指数が7以下に調
整されてなるものであり、かつ、前記pH調整剤とし
て、水溶性有機溶剤を用いることを特徴とする。
【0062】かかる構成とすることにより、従って、水
素イオン指数を調整するために無機酸、特に強酸が使用
されていた従来技術とは異なり、取扱いにさほど慎重を
期す必要がなくなる。また、有機酸は、オゾンにより酸
化され、分解されて、最終的には二酸化炭素、水等に変
化するため、設備等の腐食を考慮する必要がなくなる。
【0063】(b)上記付記(a)に記載のポリオレフ
ィン樹脂成形物の表面改質装置において、少なくとも前
記オゾン水溶液による表面改質工程の後において、前記
樹脂成形物に水系洗浄を施す水系洗浄工程及びその後の
乾燥工程を有し、前記水系洗浄工程における洗浄液中
に、その後の乾燥工程において乾燥を促進させるための
表面調整剤を混入させるとともに、該表面調整剤を前記
pH調整剤として使用することを特徴とする。
【0064】かかる構成とすることにより、表面調整剤
とpH調整剤とが兼用されうることとなり、コストの増
大が抑制されうる。また、場合によっては、表面調整剤
を含有した水系洗浄液の廃液が利用されうることとな
り、水系洗浄液の廃液処理の手間が省かれうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例のシャワー手段群の一部を示す模式平
面図である。
【図2】一実施例のシャワー手段の一部を示す模式平面
図である。
【図3】表面改質装置を模式的に示す構成図である。
【図4】一実施例における樹脂製品の部分断面図であ
る。
【図5】一実施例における1つのシャワー手段を示す斜
視図である。
【図6】樹脂成形物の長手方向における改質程度を示す
グラフである。
【図7】一実験結果を示す図であって、時間に対するオ
ゾン水溶液のpHの関係を示すグラフである。
【図8】時間に対するオゾン水溶液のpHの関係を示す
グラフである。
【図9】時間に対するオゾン水溶液のpHの関係を示す
グラフである。
【図10】従来技術における表面改質装置を示す構成図
である。
【符号の説明】
2…樹脂成形物、4…表面改質装置、9…移送手段とし
てのコンベア、11…前洗浄手段を構成するパワーウォ
ッシュ配管、13…後洗浄手段を構成するリンス用配
管、100,200,300,400…シャワー手段、
111〜115,121〜125,211〜215,2
21〜225…ノズル。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィンを主成分とする樹脂成形
    物(2)に対し、所定間隔を隔てて形成された複数のノ
    ズル(111〜115,121〜125,211〜21
    5,221〜225)を有するシャワー手段(100,
    200,300,400)を用い、前記ノズル(111
    〜115,121〜125,211〜215,221〜
    225)からオゾン水溶液をそれぞれ放射状に噴射して
    接触せしめることにより、前記樹脂成形物(2)の表面
    を酸化させるべく構成されてなる表面改質装置(4)で
    あって、 相互に隣接しあう前記ノズル(111〜115,121
    〜125,211〜215,221〜225)から噴射
    されるオゾン水溶液の当接領域が重なるよう前記ノズル
    (111〜115,121〜125,211〜215,
    221〜225)を配置構成することにより、前記樹脂
    成形物(2)の表面酸化を均質化ならしめるようにした
    ことを特徴とするポリオレフィン樹脂成形物の表面改質
    装置。
  2. 【請求項2】 ポリオレフィンを主成分とする樹脂成形
    物(2)に対し、所定間隔を隔てて形成された複数のノ
    ズル(111〜115,121〜125,211〜21
    5,221〜225)を有するシャワー手段(100,
    200,300,400)を用い、前記ノズル(111
    〜115,121〜125,211〜215,221〜
    225)からオゾン水溶液をそれぞれ放射状に噴射して
    接触せしめることにより、前記樹脂成形物(2)の表面
    を酸化させるべく構成されてなる表面改質装置(4)で
    あって、 シャワー手段(100,200,300,400)を複
    数配列させるとともに、前記各シャワー手段(100,
    200,300,400)の前記ノズル(111〜11
    5,121〜125,211〜215,221〜22
    5)の位置を、各シャワー手段(100,200,30
    0,400)毎にずらしたことを特徴とするポリオレフ
    ィン樹脂成形物の表面改質装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のポリオレフィン
    樹脂成形物の表面改質装置において、当該表面改質装置
    (4)は、さらに、 前記樹脂成形物(2)を搭載し、移送する移送手段
    (9)と、 前記シャワー手段(100,200,300,400)
    の前段階に設けられた前洗浄手段(11)と、 前記シャワー手段(100,200,300,400)
    の後段階に設けられた後洗浄手段(13)とを備えると
    ともに、少なくとも前記各手段(100,200,30
    0,400,11,13)を、1つのユニット内に配設
    したことを特徴とするポリオレフィン樹脂成形物の表面
    改質装置。
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