JPH08215220A - 歯科用鋳型の製作方法 - Google Patents

歯科用鋳型の製作方法

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JPH08215220A
JPH08215220A JP2362995A JP2362995A JPH08215220A JP H08215220 A JPH08215220 A JP H08215220A JP 2362995 A JP2362995 A JP 2362995A JP 2362995 A JP2362995 A JP 2362995A JP H08215220 A JPH08215220 A JP H08215220A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ワックス原型を用いて歯科用鋳型を製作する
に当り、埋没材を水と練和するときにシリコーンオイル
をノニオン系界面活性剤で乳化した水性エマルジョンを
適量添加し、鋳造リングに注型する。 【効果】 内面の平滑な鋳型が製作でき、それを用いる
ことにより表面平滑な鋳造体が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、歯科領域において補綴
用の金属鋳造体を鋳造する鋳型の製作方法の改良に関す
る。
【0002】
【従来の技術】歯科の補綴に使用する金属鋳造体の鋳造
は、よく知られているように、つぎの手順に従う。すな
わち、印象材で歯列印象採得したところへ石膏を流し込
み精密賦型用型(作業模型を意味する。)をつくり、こ
れにもとづいてインレーワックスの原型を用意し、スプ
ルーをとりつけたワックス原型を鋳造リング(フラス
コ)内で埋没材とよばれる鋳型形成材料中に埋没して埋
没材を硬化させ、硬化後に加熱してワックス原型を除去
するとともに埋没材を乾燥することにより鋳型を製作
し、この鋳型の空洞部へ溶融した合金を遠心鋳造などの
方法で注型し、凝固ののち鋳型をこわして鋳造体をとり
出すことである。
【0003】所望どおりの鋳造体を得るためには、鋳型
が寸法どおり精密でなければならないことはいうまでも
ないが、鋳造体の表面が平滑であることもまた要求され
る。表面の平滑な鋳造体を与えるためには、鋳型の表面
が平滑であるべきことはいうまでもない。
【0004】鋳型の表面を平滑にする目的で従来試みら
れて来た対策は、まずワックス原型を用意するための石
膏の作業用模型に遡って、その表面を平滑にすることで
あり、次に(ワックス原型はほぼ忠実に賦型用型に従う
と考えてよいので)、ワックス原型を埋没して鋳型を製
作するときにその表面がワックス原型の表面をできるだ
け忠実に反映させることである。
【0005】作業用模型の表面を平滑にする目的でこれ
まで実施されて来た方策のひとつは、型取りした印象材
の表面に石膏ペーストの流動性を高める薬液を塗布して
石膏ペーストを注型することであり、いまひとつは石膏
型の表面に硬化性樹脂を塗布して硬化させ、凸凹を緩和
することである。しかし、どちらもあまり効果があると
はいえない。
【0006】本発明者は、作業用模型の製作に当って、
石膏ペーストに気泡が混入して欠陥を招来する危険を低
減する方策として、ノニオン系界面活性剤を乳化剤とし
てシリコーンオイルを水中に分散させてなるエマルジョ
ンを添加して石膏を水と練和すると効果的であること、
すなわちコロイダルエアーを除去する効果があることま
たそれとともに、得られる石膏型の表面の平滑度も向上
することを見出して、別途提案した。
【0007】さらに研究を進めた結果、上記のエマルジ
ョンの添加は、ワックス原型を埋没材に埋没し鋳型をつ
くる際にも有効であることを確認した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
の新しい知見を活用して、歯科用鋳型の製作において表
面が平滑で欠陥のない鋳型を与える製作方法を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の歯科用鋳型の製
作方法は、埋没材スラリー中にワックス原型を埋没して
埋没材を硬化させ、硬化後に加熱(通常は電気炉で約6
00℃〜700℃に加熱する)してワックス原型を除去
するとともに埋没材を乾燥することからなる歯科用鋳型
の製作方法において、埋没材スラリーを用意するに当っ
てノニオン系界面活性剤を乳化剤としてシリコーンオイ
ルを水中に分散させてなるエマルジョンを添加して水と
練和することを特徴とする。
【0010】埋没材として代表的なのはクリストバライ
ト系のものおよびリン酸塩系のものであって、これらを
使用した場合、上記エマルジョンを、有効成分含有量3
0重量%のものを基準として、埋没材の乾燥重量あたり
1〜5重量%、好ましくは2〜3重量%添加して上記の
方法を実施するとよい。
【0011】市販されているシリコーンオイルのノニオ
ン系界面活性剤による水エマルジョンであって、本発明
に好適なものの例は、次の組成を有し、 シリコーンオイル(シリコン樹脂) 10.5%(重量) プロピレングリコールステアレート 1.29% ソルビトールパルミテート 0.67% ポリオキシエチレンセチルエーテル 0.67% ポリオキシエチレンオレイルエーテル 0.49% 水 86.0% 製品規格は下記のとおりである。
【0012】 外観(25℃) 乳白色エマルジョン 水分 86(%) 蒸留法 pH(1%溶液) 7±1 ガラス電極 比重(20℃) 1.02±0.05 浮秤法 この水エマルジョンは、スプレー容器に入れて使用する
と便利である。
【0013】本発明の実施に当っては、上記したところ
から理解されるように、ワックス原型をつくるための精
密賦型用石膏型の製作に当って前述の本発明者の発明、
すなわちノニオン系界面活性剤を乳化剤としてシリコー
ンオイルを水中に分散させてなるエマルジョンを添加し
て石膏を水と練和する石膏型の製作方法を前提として採
用することが好ましい。また、埋没に先立ってワックス
原型とくに窩の部分に、上記エマルジョンをスプレーな
どにより塗布しておくと、ワックスの濡れ性を高め気泡
の付着を防いで、原型の形状に忠実な鋳造体が得られ
る。
【0014】
【作用】シリコーンオイルを水性エマルジョンにしたも
のは市販されているが、その用途は水に対する消泡剤、
すなわち排水処理のばっ気工程などで、泡立った水に添
加して泡を消すことにあった。
【0015】そのような処理剤が歯科用の埋没材の使用
に当って表面を平滑にする効果があることは、本発明者
がはじめて見出したところであって、その作用は埋没材
ペーストの流動性を高めることにあると解される。
【0016】上記エマルジョンの添加により、埋没材の
硬化に要する時間が硬化体の強度が影響を受けないこと
が確認された。また、ワックス除去のために加熱(前記
したように600℃〜700℃に加熱する)したときに
も、エマルジョンの添加が膨脹の傾向に影響を与えない
ことも確認された。すなわち、エマルジョンを添加した
場合もしない場合も、300℃程度までは熱膨脹が進む
が、それ以上の温度領域では膨脹曲線は平坦になる。
【0017】〔試験例〕JIS A−1116(75)
に準拠 クリストバライト系埋没材100gに水33mlを加え
て、前記エマルジョンを0.25%(重量)、0.50
%、0.75%または1.00%添加して、45秒間、
卓上ミキサーで混合した。
【0018】混合後10秒間放置し、その後、100g
を正確に秤り取ってポリエチレンチューブに入れ、体積
を測定した。
【0019】結果を、無添加のものと比較して下の表お
よび図1に示す。適量のエマルジョンの添加が、埋没材
スラリー表面の添加内部のコロイダルエアーの除去に有
効なことがわかる。
【0020】 比較例 本発明 本発明 本発明 本発明 エマルジョン添加量(%) 0 0.25 0.50 0.75 1.00 体積(ml/100g) 58.4 57.3 57.0 57.5 58.9 (5回の平均値)
【0021】エマルジョン添加量0.50%のものと0
%のものについて、硬化体の表面アラサを測定した。そ
の結果を図2(本発明)および図3(比較例)に示す。
【0022】〔参考例〕ラバー印象材製の歯型原型に石
膏ペーストを注型して、精密賦型用石膏型を製作した。
このとき、別の発明に従って、前記のエマルジョンを石
膏に対して2.5%添加して水と練和した。
【0023】比較のため、エマルジョンを添加せず市販
のラバー型用塗布剤を塗布して注型したものも用意し
た。
【0024】硬化後、各硬化体の表面アラサ(中心線平
均アラサRA)を測定したところ、エマルジョンを添加
したものは0.3μm、ラバー型用塗布剤を使用したも
のは0.77μmであった。
【0025】後者に対しては、さらに市販の表面硬化剤
を塗布して硬化させた。再度表面アラサを測定したとこ
ろ、RAは0.64μmに減少していた。
【0026】
【実施例】参考例1と同じラバー印象材に対して10m
m×10mm角の金属棒を押し込み、型とした。そこ
に、参考例と同様に前記エマルジョン添加石膏ペースト
を流し込むか、またはラバー型用塗布剤を塗布してエマ
ルジョン無添加石膏ペーストを流し込んで硬化させた。
後者の硬化体には、参考例と同様に表面硬化剤を塗布し
た。
【0027】これらの石膏型を用いて、それぞれに対応
するワックス原型を用意した。ワックス原型をつくるパ
ラフィンシートの寸法は、一辺10mmの正方形で厚さ
1.5mmである。
【0028】ワックス原型にワックスのスプルーを付
け、鋳造リング中でクリストバライト系埋没材中に埋没
させた。埋没材のクリストバライト粉末と水との練和は
真空下に行なった。エマルジョン添加石膏から出発した
ものは、埋没材にも2.5%の前記エマルジョンを添加
した。
【0029】埋没材の硬化後、加熱してワックスを除去
して鋳型を得た。この鋳型を使用して、12%金銀パラ
ジウム合金を遠心鋳造により鋳造した。
【0030】鋳造体の表面アラサを測定したところ、本
発明によるものは0.84μm、従来技術によったもの
は0.93μmであった。
【0031】実施例および例の比較鋳造体表面の顕微鏡
写真を、それぞれ図4および図5に示す(倍率200
倍)。本発明に従えば、従来技術によるものと比較し
て、鋳型表面に大きな凹凸がないこと(図4の左下方に
見える黒点は、気泡の存在を示す)、またそれに対応し
て鋳造体表面の凹凸も微細であることがわかる。
【0032】
【発明の効果】本発明に従って製作した鋳型は、表面が
平滑な鋳造体を与え歯科の補綴材の製作技術とを前進さ
せる。鋳型の製作に当って行なうことはエマルジョンを
少量添加するだけで、従来行なっていた、型に薬液を塗
布したり、さらに石膏硬化体に塗料を塗布して硬化させ
たりする面倒な手順は一切不要であり、手数を省くだけ
でなく製作時間を短縮できるという利益をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の試験例のデータであって、クリストバ
ライト系埋没材スラリーに種々の量でエマルジョンを加
えたときの、硬化体の体積を示すグラフである。
【図2】クリストバライト系埋没材を用い、本発明に従
ってエマルジョンを添加した硬化体の表面アラサを示す
グラフである。
【図3】クリストバライト系埋没材を用いたが、エマル
ジョンを添加しなかった硬化体の表面アラサを示すグラ
フである。
【図4】クリストバライト系埋没材を用い、本発明の方
法で製作した鋳型による12%金銀パラジウム合金鋳造
体の表面の顕微鏡写真である。
【図5】従来技術により製作した鋳型による、図1と同
じ合金の鋳造体の表面の顕微鏡写真である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 埋没材スラリー中にワックス原型を埋没
    して埋没材を硬化させ、硬化後に加熱してワックス原型
    を除去するとともに埋没材を乾燥することからなる歯科
    用鋳型の製作方法において、埋没材スラリーを用意する
    に当ってノニオン系界面活性剤を乳化剤としてシリコー
    ンオイルを水中に分散させてなるエマルジョンを添加し
    て水と練和することを特徴とする製作方法。
  2. 【請求項2】 埋没材としてクリストバライト系または
    リン酸塩系のものを使用し、上記エマルジョンを有効成
    分含有量30重量%のものを基準として、埋没材の乾燥
    重量あたり1〜5重量%、好ましくは2〜3重量%添加
    して実施する請求項1記載の製作方法。
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