JP3121222B2 - 歯科用鋳型の製作方法 - Google Patents
歯科用鋳型の製作方法Info
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Description
用の金属鋳造体を鋳造する鋳型の製作方法の改良に関す
る。
は、よく知られているように、つぎの手順に従う。すな
わち、印象材で歯列印象採得したところへ石膏を流し込
み精密賦型用型(作業模型を意味する。)をつくり、こ
れにもとづいてインレーワックスの原型を用意し、スプ
ルーをとりつけたワックス原型を鋳造リング(フラス
コ)内で埋没材とよばれる鋳型形成材料中に埋没して埋
没材を硬化させ、硬化後に加熱してワックス原型を除去
するとともに埋没材を乾燥することにより鋳型を製作
し、この鋳型の空洞部へ溶融した合金を遠心鋳造などの
方法で注型し、凝固ののち鋳型をこわして鋳造体をとり
出すことである。
が寸法どおり精密でなければならないことはいうまでも
ないが、鋳造体の表面が平滑であることもまた要求され
る。表面の平滑な鋳造体を与えるためには、鋳型の表面
が平滑であるべきことはいうまでもない。
れて来た対策は、まずワックス原型を用意するための石
膏の作業用模型に遡って、その表面を平滑にすることで
あり、次に(ワックス原型はほぼ忠実に賦型用型に従う
と考えてよいので)、ワックス原型を埋没して鋳型を製
作するときにその表面がワックス原型の表面をできるだ
け忠実に反映させることである。
まで実施されて来た方策のひとつは、型取りした印象材
の表面に石膏ペーストの流動性を高める薬液を塗布して
石膏ペーストを注型することであり、いまひとつは石膏
型の表面に硬化性樹脂を塗布して硬化させ、凸凹を緩和
することである。しかし、どちらもあまり効果があると
はいえない。
石膏ペーストに気泡が混入して欠陥を招来する危険を低
減する方策として、乳化剤としてノニオン系界面活性剤
を用いてシリコーンオイルを水中に分散させてなるエマ
ルジョンを添加して石膏を水と練和すると効果的である
こと、すなわちコロイダルエアーを除去する効果がある
こと、またそれとともに、得られる石膏型の表面の平滑
度も向上することを見出して、別途提案した。即ち、歯
科領域において使用する印象材または石膏を水と練和す
るに当たり、乳化剤としてノニオン系界面活性剤を用い
てシリコーンオイルを水中に分散させてなるエマルジョ
ンを添加することを特徴とする練和方法、並びに石膏の
ペーストを原型に注型することからなる歯科用石膏型の
製作方法において、前記石膏を用意するにあたって乳化
剤としてノニオン系界面活性剤を用いてシリコーンオイ
ルを水中に分散させてなるエマルジョンを添加して水と
練和することを特徴とする歯科用石膏型の製作方法であ
る。
ョンの添加は、ワックス原型を埋没材に埋没し鋳型をつ
くる際にも有効であることを確認した。
の新しい知見を活用して、歯科用鋳型の製作において表
面が平滑で欠陥のない鋳型を与える歯科用鋳型の製作方
法を提供することにある。
作方法は、埋没材スラリー中にワックス原型を埋没して
埋没材を硬化させ、硬化後に加熱してワックス原型を除
去するとともに埋没材を乾燥することからなる歯科用鋳
型の製作方法において、埋没材スラリーを用意するに当
って乳化剤としてノニオン系界面活性剤を用いてシリコ
ーンオイルを水中に分散させてエマルジョンを作成し、
これを石膏ペーストに添加して水と練和し、埋没材とし
てクリストバライト系またはリン酸塩系のものを使用
し、上記エマルジョンを埋没材の乾燥重量あたり1〜5
重量%、好ましくは2〜3重量%添加することを特徴と
する。
ト系のものおよびリン酸塩系のものであって、これらを
使用した場合、上記エマルジョンを、有効成分含有量3
0重量%のものを基準として、埋没材の乾燥重量あたり
1〜5重量%、好ましくは2〜3重量%添加して上記の
方法を実施するとよい。
ン系界面活性剤による水エマルジョンであって、本発明
に好適なものの例は、次の組成を有し、 シリコーンオイル(シリコン樹脂) 10.5%(重量) プロピレングリコールステアレート 1.29% ソルビトールパルミテート 0.67% ポリオキシエチレンセチルエーテル 0.67% ポリオキシエチレンオレイルエーテル 0.49% 水 86.0%従来技術に従って、これに更に防腐剤を添加することも
できる。 製品規格は下記のとおりである。
と便利である。
から理解されるように、ワックス原型をつくるための精
密賦型用石膏型の製作に当って本発明、すなわち乳化剤
としてノニオン系界面活性剤を用いてシリコーンオイル
を水中に分散させてなるエマルジョンを添加して石膏を
水と練和する石膏型の製作方法を基礎として採用するこ
とが好ましい。また、埋没に先立ってワックス原型とく
に窩の部分に、前記エマルジョンをスプレーなどにより
塗布しておくと、ワックスの濡れ性を高め気泡の付着を
防いで、原型の形状に忠実な鋳造体が得られる。
のは市販されているが、その用途は水に対する消泡剤、
すなわち排水処理のばっ気工程などで、泡立った水に添
加して泡を消すことにあった。
に当って表面を平滑にする効果があることは、本発明者
がはじめて見出したところであって、その作用は埋没材
ペーストの流動性を高めることにあると解される。
硬化に要する時間が硬化体の強度が影響を受けないこと
が確認された。また、ワックス除去のために加熱(前記
したように600℃〜700℃に加熱する)したときに
も、エマルジョンの添加が膨脹の傾向に影響を与えない
ことも確認された。すなわち、エマルジョンを添加した
場合もしない場合も、300℃程度までは熱膨脹が進む
が、それ以上の温度領域では膨脹曲線は平坦になる。
準拠 クリストバライト系埋没材100gに水33mlを加え
て、前記エマルジョンを0.25%(重量)、0.50
%、0.75%または1.00%添加して、45秒間、
卓上ミキサーで混合した。
を正確に秤り取ってポリエチレンチューブに入れ、体積
を測定した。
よび図1に示す。適量のエマルジョンの添加が、埋没材
スラリー表面の添加内部のコロイダルエアーの除去に有
効なことがわかる。
%のものについて、硬化体の表面アラサを測定した。そ
の結果を図2(本発明)および図3(比較例)に示す。
精密賦型用石膏型を製作した。このとき、本発明に従っ
て、前記のエマルジョンを石膏に対して2.5%添加し
て水と練和した。
塗布剤を塗布して注型したものも用意した。
均アラサRA)を測定したところ、エマルジョンを添加
したものは0.3μm、ラバー型用塗布剤を使用したも
のは0.77μmであった。
を塗布して硬化させた。再度表面アラサを測定したとこ
ろ、RAは0.64μmに減少していた。
mm×10mm角の金属棒を押し込み、型とした。そこ
に、実施例1と同様に前記エマルジョン添加石膏ペース
トを流し込むか、またはラバー型用塗布剤を塗布してエ
マルジョン無添加石膏ペーストを流し込んで硬化させ
た。後者の硬化体には、比較例と同様に表面硬化剤を塗
布した。
するワックス原型を用意した。ワックス原型をつくるパ
ラフィンシートの寸法は、一辺10mmの正方形で厚さ
1.5mmである。
け、鋳造リング中でクリストバライト系埋没材中に埋没
させた。埋没材のクリストバライト粉末と水との練和は
真空下に行なった。エマルジョン添加石膏から出発した
ものは、埋没材にも2.5%の前記エマルジョンを添加
した。
して鋳型を得た。この鋳型を使用して、12%金銀パラ
ジウム合金を遠心鋳造により鋳造した。
発明によるものは0.84μm、従来技術によったもの
は0.93μmであった。
写真を、それぞれ図4および図5に示す(倍率200
倍)。本発明に従えば、従来技術によるものと比較し
て、鋳型表面に大きな凹凸がないこと(図4の左下方に
見える黒点は、気泡の存在を示す)、またそれに対応し
て鋳造体表面の凹凸も微細であることがわかる。
平滑な鋳造体を与え歯科の補綴材の製作技術とを前進さ
せる。鋳型の製作に当って行なうことはエマルジョンを
少量添加するだけで、従来行なっていた、型に薬液を塗
布したり、さらに石膏硬化体に塗料を塗布して硬化させ
たりする面倒な手順は一切不要であり、手数を省くだけ
でなく製作時間を短縮できるという利益をもたらす。
ライト系埋没材スラリーに種々の量でエマルジョンを加
えたときの、硬化体の体積を示すグラフである。
ってエマルジョンを添加した硬化体の表面アラサを示す
グラフである。
ジョンを添加しなかった硬化体の表面アラサを示すグラ
フである。
法で製作した鋳型による12%金銀パラジウム合金鋳造
体の表面の顕微鏡写真である。
じ合金の鋳造体の表面の顕微鏡写真である。
Claims (1)
- 【請求項1】 埋没材スラリー中にワックス原型を埋没
して埋没材を硬化させ、硬化後に加熱してワックス原型
を除去するとともに埋没材を乾燥することからなる歯科
用鋳型の製作方法において、埋没材スラリーを用意する
に当って乳化剤としてノニオン系界面活性剤を用いてシ
リコーンオイルを水中に分散させてエマルジョンを作成
し、これを石膏ペーストに添加して水と練和し、埋没材
としてクリストバライト系またはリン酸塩系のものを使
用し、上記エマルジョンを埋没材の乾燥重量あたり1〜
5重量%、好ましくは2〜3重量%添加する歯科用鋳型
の製作方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2362995A JP3121222B2 (ja) | 1995-02-13 | 1995-02-13 | 歯科用鋳型の製作方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2362995A JP3121222B2 (ja) | 1995-02-13 | 1995-02-13 | 歯科用鋳型の製作方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08215220A JPH08215220A (ja) | 1996-08-27 |
JP3121222B2 true JP3121222B2 (ja) | 2000-12-25 |
Family
ID=12115887
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2362995A Expired - Fee Related JP3121222B2 (ja) | 1995-02-13 | 1995-02-13 | 歯科用鋳型の製作方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3121222B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101773358B1 (ko) | 2016-03-04 | 2017-09-01 | 스타일치과기공 주식회사 | Rfid 및 진단센서를 구비한 고정성 보철물 제조 방법 |
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---|---|---|---|---|
US6283403B1 (en) | 1997-08-15 | 2001-09-04 | Sms Schloemann-Siemag Aktiengesellschaft | Strip winder |
-
1995
- 1995-02-13 JP JP2362995A patent/JP3121222B2/ja not_active Expired - Fee Related
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KR101773358B1 (ko) | 2016-03-04 | 2017-09-01 | 스타일치과기공 주식회사 | Rfid 및 진단센서를 구비한 고정성 보철물 제조 방법 |
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JPH08215220A (ja) | 1996-08-27 |
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