JPH06133990A - 歯科用石膏型の製作方法 - Google Patents

歯科用石膏型の製作方法

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JPH06133990A
JPH06133990A JP28908392A JP28908392A JPH06133990A JP H06133990 A JPH06133990 A JP H06133990A JP 28908392 A JP28908392 A JP 28908392A JP 28908392 A JP28908392 A JP 28908392A JP H06133990 A JPH06133990 A JP H06133990A
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Japan
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gypsum
water
paste
emulsion
mold
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JP28908392A
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English (en)
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Hideji Suzuki
秀治 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 歯科用の石膏を水と練和するときにシリコー
ンオイルをノニオン系界面活性剤で乳化した水性エマル
ジョンを適量添加し、原型に注型する。 【効果】 石膏ペーストへの気泡の混入を防ぐことがで
きて、欠陥のない、しかも表面の平滑な石膏型(精密賦
型用)が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、歯科領域において使用
する石膏型を製作する方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】よく知られているとおり、補綴の準備の
ためには、まず印象材とよばれる、硬化性のシリコーン
ゴムまたはアルギン酸塩と石膏などからなる可塑性の材
料で患者の歯型原型をとり、次にそれを用いて石膏の精
密賦形用型をつくる。 賦形用型の製造に使用する石膏
は一般にα型半水石膏であって、30〜40%の混水率
で水と練和したとき、凝結時間が15〜20分間、凝結
線膨脹係数が0.28%程度である。
【0003】精密な賦型にとって重要なことは、石膏の
練和に当ってペースト中に気泡を入れないことである。
歯科用石膏では、混水率が低くペーストの粘度が高い
ために気泡が入りやすく、入ると型に欠陥が生じる。
得られた石膏型は、表面が平滑であることが、後の歯冠
の鋳造に至る工程にとって好ましい。
【0004】しかし、石膏と水の練和に当ってこれまで
適切な気泡混入防止策は見出せず、もっぱら歯科技工士
の熟練に頼るほかなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の問題を解決して、気泡が混入せず欠陥のない、しかも
表面が平滑な歯科用の石膏型を得ることを可能にした製
作方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の歯科用の石膏型
の製作方法は、歯科用の石膏のペーストを用意するに当
ってシリコーンオイルをノニオン系界面活性剤を乳化剤
として水中に分散させてなるエマルジョンを添加して水
と練和し、得られたペーストを原型に注型することから
なる。
【0007】市販されているシリコーンオイルのノニオ
ン系界面活性剤による水エマルジョンであって、本発明
に好適なものの例は、つぎの組成を有し、 シリコーンオイル(シリコン樹脂) 28%(重量) ソルビタン脂肪酸エステル 1.5% ショ糖エステル 1.0% 水 69.5% 製品規格は下記のとおりである。
【0008】 外観(25℃) 乳白色エマルジョン 水分 70±2(%) 蒸留法 pH(1%溶液) 7±1 ガラス電極 比重(20℃) 1.02±0.05 浮秤法
【0009】
【作用】シリコーンオイルを水性エマルジョンにしたも
のは市販されているが、その用途は水に対する消泡剤、
すなわち排水処理のばっ気工程などで、泡立った水に添
加して泡を消すことにあった。
【0010】そのような処理剤が歯科用の石膏の水との
練和に当って気泡が混入するのを防ぐ効果があること
は、本発明者がはじめて見出したところであって、その
作用は、ペーストの流動性を高めることにあると解され
る。
【0011】石膏の凝結時の膨脹は、適度であれば精密
な型をとる上で好都合であるが、大きすぎるとかえって
不都合になる。 前記のように歯科用のα型半水石膏は
他の用途に向けるβ型の半水石膏にくらべて、凝結時の
膨脹の度合が高い。 本発明者の経験によれば、消泡剤
とかコンクリートの流動化剤として知られる薬剤の多く
は、歯科用石膏に添加したとき、凝結時の膨脹を助長す
る傾向がみられる。本発明に従ってシリコーンオイルを
ノニオン系界面活性剤で水エマルジョンにしたものは、
石膏の凝結時の膨脹率を高めない点で好ましい。 ただ
し、その場合でも、後記する例にみるように添加量が過
大になると膨脹率が高まるから、気泡混入防止の効果が
確保できる範囲内で、適切な添加量をえらぶべきであ
る。
【0012】〔試験例〕歯科用石膏50gに水20mlを
加えて練和し、その際、消泡剤として市販されている
「プロナール」(東邦化学工業(株)の商品、シリコーン
オイルをノニオン系界面活性剤で乳化した水性エマルジ
ョン、有効成分30%)を種々の量添加した。 練和は
30秒間行ない、得られたペーストから10mlを正確に
採取した。
【0013】石膏ペーストをポリエチレンのチューブに
充填して凝結硬化させ、硬化体の重量を測定した。(試
験法はJIS−A−1116−75による。) その結
果を、石膏硬化体100g当りの体積に換算した。
【0014】比較のため、歯科用石膏に対する消泡剤と
して市販されているもの(内容はワックス系の界面活性
剤)も同様に使用し、石膏硬化体100gの体積を計算
した。その結果を、あわせて図1に示す。 データは1
0個の試料についての平均値である。
【0015】上の結果から、ある程度の量のエマルジョ
ンを添加することにより気泡の混入を防いで密な凝結体
が得られること、この効果は飽和し、添加量が多量に過
ぎると、かえって密な凝結体が得難くなることがわか
る。 これは消泡剤が凝結時の膨脹を増大させるためと
考えられる。
【0016】エマルジョンの添加は、練和時の作業性を
向上させる。 実施例において、添加量が1%を超える
と作業性が好転し、2%以上になると良好になることが
体験された。 比較例においても1.0〜1.5%の添加
で若干の好転はみられるが、その領域では硬化体の体積
が増大してしまう。 本発明によれば、消泡効果に加え
て、作業性の改善もはかれる。
【0017】
【実施例】ラバー製の歯型原型に石膏ペーストを流し
て、精密賦型用型をつくった。 このとき、 1)単に水と石膏を練和したものを流す、 2)本発明に従う消泡剤を2.5%添加して石膏を練和
したものを流す、および、 3)歯型原型にラバー型用塗布剤を塗布しておいて、水
と練和した石膏を流す、の3種を比較した。 ラバー型
用塗布剤は、石膏ペーストの流動性を高めるとして市販
されているものである。
【0018】硬化後、各石膏硬化体の表面アラサ(中心
線平均アラサRA)を、「サーフコム300B」(東京
精密製)を用いて測定した。 結果はつぎのとおりであ
る。 1)水だけで練和 5.8μm 2)本発明の実施例 3.0μm 3)ラバー型用塗布剤使用 7.7μm これから、本発明に従えば石膏硬化体の表面が平滑に得
られることがわかる。ラバー型用塗布剤は、表面アラサ
に関する限りはマイナスに作用しているようである。
これは、塗布剤中のアルコール系の成分が、石膏の硬化
に悪影響を与えているためと考えられる。
【0019】石膏硬化体に対して、その表面を平滑にす
るために用意された塗布剤が市販されている。 上記の
硬化体にそれを適用して再び表面アラサを測定したとこ
ろ、3)のラバー型用塗布剤を使用して注型した製品に
限り、RAが7.7μmから6.4μmに減少して若干
の改善をみたが、1)および2)の硬化体のRAは実質
上変らず、効果が認められなかった。
【0020】
【発明の効果】本発明により、歯科用の石膏を水と練和
するときに、気泡の混入を効果的に防いで、欠陥のない
精密賦型用型を製作することが可能になった。 得られ
た型は表面が平滑であって、以後の歯冠の鋳造に至る工
程に好都合である。
【0021】使用する添加剤はにおいがなく無害である
から、型取りの作業は安心して快適に行なえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の試験例において、石膏に本発明に従
う消泡剤を添加したときの石膏硬化体100g当りの体
積を、消泡剤の量との関係で示したグラフ。
【手続補正書】
【提出日】平成4年12月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】
【実施例】ラバー製の歯型原型に石膏ペーストを流し
て、精密賦型用型をつくった。 このとき、 1)単に水と石膏を練和したものを流す、 2)本発明に従う消泡剤を2.5%添加して石膏を練和
したものを流す、および、 3)歯型原型にワックスパターンの表面処理剤を塗布し
ておいて、水と練和した石膏を流す、の3種を比較し
た。 ワックスパターンの表面処理剤は、石膏ペースト
の流動性を高めるとして市販されているものである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】硬化後、各石膏硬化体の表面アラサ(中心
線平均アラサRA)を、「サーフコム300B」(東京
精密製)を用いて測定した。 結果はつぎのとおりであ
る。 1)水だけで練和 5.8μm 2)本発明の実施例 3.0μm 3)ワックスパターンの表面処理剤使用 7.7μm これから、本発明に従えば石膏硬化体の表面が平滑に得
られることがわかる。ワックスパターンの表面処理剤
は、表面アラサに関する限りはマイナスに作用している
ようである。 これは、塗布剤中のアルコール系の成分
が、石膏の硬化に悪影響を与えているためと考えられ
る。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】石膏硬化体に対して、その表面を平滑にす
るために用意された塗布剤が市販されている。 上記の
硬化体にそれを適用して再び表面アラサを測定したとこ
ろ、3)のワックスパターンの表面処理剤を使用して注
型した製品に限り、RAが7.7μmから6.4μmに
減少して若干の改善をみたが、1)および2)の硬化体
のRAは実質上変らず、効果が認められなかった。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年1月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】硬化後、各石膏硬化体の表面アラサ(中心
線平均アラサRA)を、「サーフコム300B」(東京
精密製)を用いて測定した。 結果はつぎのとおりであ
る。 1)水だけで練和 0.58μm 2)本発明の実施例 0.30μm 3)ワックスパターンの表面処理剤使用 0.77μm これから、本発明に従えば石膏硬化体の表面が平滑に得
られることがわかる。ワックスパターンの表面処理剤
は、表面アラサに関する限りはマイナスに作用している
ようである。 これは、塗布剤中のアルコール系の成分
が、石膏の硬化に悪影響を与えているためと考えられ
る。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】石膏硬化体に対して、その表面を平滑にす
るために用意された塗布剤が市販されている。 上記の
硬化体にそれを適用して再び表面アラサを測定したとこ
ろ、3)のワックスパターンの表面処理剤を使用して注
型した製品に限り、RAが0.77μmから0.64μ
mに減少して若干の改善をみたが、1)および2)の硬
化体のRAは実質上変らず、効果が認められなかった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 歯科用の石膏のペーストを用意するに当
    ってシリコーンオイルをノニオン系界面活性剤を乳化剤
    として水中に分散させてなるエマルジョンを添加して水
    と練和し、得られたペーストを原型に注型することから
    なる歯科用石膏型の製作方法。
  2. 【請求項2】 上記エマルジョンを、有効成分含有量3
    0重量%のものを基準として、石膏に対し1〜5重量
    %、好ましくは2〜3重量%添加して実施する、請求項
    1に記載の製作方法。
JP28908392A 1992-10-27 1992-10-27 歯科用石膏型の製作方法 Pending JPH06133990A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103551494A (zh) * 2013-10-22 2014-02-05 贵阳新洋诚义齿有限公司 用于磷酸盐包埋材料熔模铸型的脱气剂及铸型制作方法
EP2712604A1 (en) 2012-09-26 2014-04-02 GC Corporation Dental gypsum-bonded investment material powder

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