JPH08213253A - ガス絶縁静止電気機器 - Google Patents

ガス絶縁静止電気機器

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Publication number
JPH08213253A
JPH08213253A JP1695695A JP1695695A JPH08213253A JP H08213253 A JPH08213253 A JP H08213253A JP 1695695 A JP1695695 A JP 1695695A JP 1695695 A JP1695695 A JP 1695695A JP H08213253 A JPH08213253 A JP H08213253A
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JP
Japan
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gas
tank
iron core
winding
cooling
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Application number
JP1695695A
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English (en)
Inventor
Tsuneo Kobayashi
恒夫 小林
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 冷却の必要な過熱部分に必要なガス流量を供
給可能であり、タンク内の局部的な温度上昇(ローカル
ヒート)の発生を確実に防止可能な、冷却能力の高いガ
ス絶縁静止電気機器を提供する。 【構成】 絶縁・冷却媒体となるガス2が充填されたタ
ンク1の内部には、鉄心3と巻線4が収納され、その内
部に冷却ダクト5が設けられる。タンク1の外部には、
ガス2を強制的に循環させるためのガスブロア7と、ガ
ス2を冷却するための冷却器8が設けられる。タンク1
の下部にはガス導入口9が設けられ、タンク1の上部に
はガス導出口10が設けられる。ガス導入口9から鉄心
3および巻線4の下部までガス2を導くガス流通配管2
1が設けられ、このガス流通配管21には、ガス流量を
制御するオリフィス22が取り付けられる。鉄心3の上
下端部は鉄心クランプ11によって支持される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、変圧器やリアクトルな
どの静止電気機器に係り、特に、絶縁媒体と冷却媒体と
してSF6 ガスなどの共通のガスを使用したガス絶縁静
止電気機器に関する。
【0002】
【従来の技術】ガス絶縁静止電気機器において、磁路を
形成する鉄心およびその周囲に形成された巻線では、損
失が発生し、局部的な温度上昇を生じ易いため、これら
の鉄心および巻線内部には冷却ダクトが設けられ、この
冷却ダクト内にタンク内のガスを流すことによって過熱
部分の冷却が行われるようになっている。ここで、冷却
方式としては、過熱部位の自然対流だけで冷却する自然
対流冷却方式とガスを強制的に送り込む強制冷却方式と
が考えられるが、特に、漏れ磁束が大きい場合には、自
然対流だけでの冷却が困難となるため、強制冷却方式が
必要となる。
【0003】図8は、このような強制冷却方式を採用し
たガス絶縁静止電気機器のうち、特に、変圧器の一例を
示す図である。この図8に示すように、タンク1の内部
には、絶縁・冷却媒体としてSF6 ガスなどのガス2が
充填されている。このタンク1内には、磁路を形成する
鉄心3およびその周囲に形成された巻線4が収納されて
おり、これらの鉄心3および巻線4の内部には、ガスを
流す冷却ダクト5が設けられている。また、タンク1内
における鉄心3および巻線4の下部の周囲にはガス仕切
板6が設けられ、このガス仕切板6によって鉄心3およ
び巻線4の冷却ダクトにガスを供給するタンク1内の下
部の空間1aとタンク1内の大半部分を占める上部の空
間1bとが形成されている。
【0004】さらに、タンク1の外部には、タンク1内
でガス2を強制的に循環させるための流動制御手段とし
てガスブロア7と、ガス2を冷却するための冷却器8が
設けられている。また、タンク1の下部には、ガスブロ
ア7からのガス2を導入するためのガス導入口9が設け
られ、タンク1の上部には、タンク1内のガス2を外部
に導出するためのガス導出口10が設けられている。な
お、図中に示す矢印は、ガス2の流れを示している。ま
た、図中11は、鉄心3の上下端部を支持する鉄心クラ
ンプである。
【0005】以上のような構成を有する図8の変圧器に
おいて、鉄心3および巻線4の冷却は次のようにして行
われる。すなわち、まず、冷却器8によって冷却された
ガス2が、ガスブロア7により、ガス導入口9を介して
タンク1内の下部の空間1aに導入される。このガス2
は、鉄心3および巻線4の各冷却ダクト5の下端部から
この冷却ダクト5内に供給され、各冷却ダクト5内を上
昇して鉄心3および巻線4の内部を冷却した後、各冷却
ダクト5の上端部からタンク1内の上部の空間1bに排
出される。上部の空間1bに排出されたガス2は、ガス
導出口10を介してタンク1外部に導出され、冷却器8
に送られて再び冷却される。
【0006】このような強制冷却方式の場合、構造材か
ら熱を奪う能力は、ガス2の種類・圧力・流れの速度に
もよるが、一般的に、自然対流冷却に対して数倍以上の
冷却効果が期待できる。なお、このような強制冷却方式
の効果は、ガス2の流速が約0.1m/sec以上の場
合に得られる。また、このような強制冷却方式による冷
却能力は、ガス2の流量を大きくし、流速を上げること
により向上する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図8に示す
ようなガス絶縁静止電気機器は、その容量が大きくなる
と、鉄心3や巻線4で発生する損失が大きくなり、内部
の巻線4で発生する漏れ磁束が大きくなる。この場合、
機器内部で使用している様々な金属の構造部材で発生す
る損失が大きくなり、周辺の温度が上昇する。しかしな
がら、タンク1内の一部分で局部的な温度上昇(ローカ
ルヒート)を生じるとこのローカルヒート部分でガスが
分解し有毒なガスが発生してしまう。したがって、この
ような事態を回避するために、タンク内の過熱部分を冷
却し、一定の温度以下に維持することが必要となる。
【0008】そして、以上のように、鉄心3や巻線4で
発生する損失が大きくなった場合に、十分な冷却能力を
確保するためには、タンク1内部に流すガスの流量を大
きくするかまたは流速を上げることが考えられる。
【0009】しかしながら、単純にガス2の流量を大き
くした場合には、ガス仕切板6部分で次のような問題を
生じる。すなわち、まず、ガス2の流量が大きくなる
と、ガス仕切板6で受けるガス2の圧力が大きくなり、
ガス仕切板6の取付部における機械的信頼性を確保する
ことが困難になる。また、ガス2の流量が大きくなる
と、ガス仕切板2の下部の空間1aと上部の空間1bと
の間の圧力差が大きくなり易い。このようにガス仕切板
6の上下の空間の圧力差が大きい場合に、ガス仕切板6
とタンク1との間などに製作上生じる孔があると、この
孔から漏れるガス量が大きくなり、過熱部分に対して十
分な流量のガス2を供給できなくなってしまう。この場
合、大きなガス仕切板6から完全に孔をなくすことは困
難であり、この孔からのガスの漏れを完全になくすこと
は困難である。
【0010】一方、ガス2の流速を上げることにより、
流速の0.8乗に比例して、冷却能力を向上することが
できる。しかしながら、ガス2の流速が上がり過ぎる
と、圧力損失が大きくなり、ガス2を循環させるガスブ
ロア7に負担がかかってしまう。このガスブロア7に負
担をかけないための流速の上限は、約10m/sec程
度である。また、強制冷却方式の効果が得られる流速の
下限は、前述した通り約0.1m/secであるため、
実用的な流速の範囲は、約0.1m/sec〜約10m
/secである。
【0011】さらに、図8に示すような従来の強制冷却
方式においては、強制冷却によるガス2の流れは、ガス
仕切板6によって決定される本流のみとなるため、ガス
2をタンク1内の局部的な過熱部分に自由に供給するこ
とができないという問題がある。例えば、図8におい
て、ガス仕切板6によって決定される本流は、鉄心3の
上端部を支持する鉄心クランプ11部分を流れないた
め、この部分の冷却は自然対流のみで行うことになり、
鉄心クランプ11を十分に冷却することはできない。
【0012】また、このようにガス仕切板6によって決
定されるガス2の流れは、図8に示すように、複数の並
列の分流から構成される単純な並列回路となる。そのた
め、部分的な流量制御を行うことは困難であり、局部的
な過熱部分に必要に応じて必要なガス流量を供給するこ
とはできない。すなわち、通常、ガス絶縁静止電気機器
内部の鉄心3および巻線4の各部を通る複数の流路にお
いて、必要なガス流量は異なるが、各流路の分流を制御
することができないため、局部的な過熱部分が生じ易
い。特に、各流路の圧力損失が大きく異なる場合、各流
路のガス流入口または流出口にオリフィスを取り付けて
ガス流量を制御することが必要であるが、図8に示す構
造においては、オリフィスの取り付け自体が困難であ
る。
【0013】本発明は、以上のような従来技術の問題点
を解決するために提案されたものであり、その目的は、
冷却の必要な過熱部分に必要なガス流量を供給可能であ
り、タンク内の局部的な温度上昇(ローカルヒート)の
発生を確実に防止可能な、冷却能力の高いガス絶縁静止
電気機器を提供することである。
【0014】より具体的な目的は、次の通りである。す
なわち、第1の目的は、ガス仕切板を省略しながら鉄心
や巻線を十分に冷却することである。また、第2の目的
は、鉄心や巻線を全体的に冷却しながらその一部を局部
的に冷却することであり、第3の目的は、鉄心や巻線を
全体的に冷却しながら鉄心クランプの一部を局部的に冷
却することである。さらに、第4の目的は、鉄心や巻線
を全体的に冷却しながら鉄心を押さえる当て板の一部を
局部的に冷却することであり、第5の目的は、当て板周
辺の冷却効率を向上するとともにその構成を簡略化する
ことである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明によるガス絶縁静
止電気機器は、タンク内に、絶縁・冷却媒体としてのガ
スが充填され、磁路を形成する鉄心およびその周囲に形
成された巻線と、これらの鉄心および巻線内部にガスを
流す冷却ダクトを備え、前記タンク外に配置された流動
制御手段からこのタンク下部に設けられたガス導入口を
介してタンク内にガスを導入するとともにこのタンク上
部に設けられたガス導出口から前記流動制御手段にガス
を導出することにより、前記タンク内に約0.1m/s
ec〜約10m/secの範囲の流速でガスを循環させ
るように構成されたガス絶縁静止電気機器において、冷
却構造に次のような特徴を有するものである。
【0016】まず、請求項1に記載のガス絶縁静止電気
機器は、タンク内のガス導入口から鉄心または巻線ある
いはその両方の下部までガスを導くガス流通ダクトが設
けられたことを特徴としている。
【0017】次に、請求項2〜5に記載のガス絶縁静止
電気機器においては、タンク内の鉄心および巻線の下部
の周囲にガス仕切板が設けられ、このガス仕切板によっ
て鉄心および巻線の冷却ダクトにガスを供給するタンク
内の下部の空間とタンク内の大半部分を占める上部の空
間とが形成される。そして、このようなガス仕切板が設
けられた上で、タンク内の下部の空間から上部の空間を
通って過熱部分に局部的にガスを導くガス流通ダクトが
設けられることを特徴としている。
【0018】すなわち、請求項2に記載のガス絶縁静止
電気機器において、ガス流通ダクトは、鉄心または巻線
あるいはその両方の一部にガスを導くように構成され
る。また、請求項3に記載のガス絶縁静止電気機器にお
いて、ガス流通ダクトは、鉄心を支持する鉄心クランプ
の一部にガスを導くように構成される。さらに、請求項
4に記載のガス絶縁静止電気機器において、ガス流通ダ
クトは、鉄心を押さえる当て板の一部にガスを導くよう
に構成される。そしてまた、請求項5に記載のガス絶縁
静止電気機器は、請求項4の当て板およびガス流通ダク
トが、次のように構成されることを特徴としている。す
なわち、請求項5に記載のガス絶縁静止電気機器におい
て、当て板は、溝を有する少なくとも一つの板を含む複
数の板を重ねて形成され、ガス流通ダクトは溝によって
形成される。
【0019】
【作用】以上のような構成を有する本発明の作用は次の
通りである。すなわち、請求項1に記載の発明によれ
ば、ガス流通ダクトによってガス導入口から鉄心や巻線
の下部に確実にガスを導くことができるため、鉄心や巻
線の冷却ダクトに確実にガスを供給することができる。
したがって、ガス仕切板を省略しながらしかも鉄心や巻
線を十分に冷却することができる。
【0020】請求項2に記載の発明によれば、ガス仕切
板によって鉄心や巻線の冷却ダクトに確実にガスを供給
するとともに、ガス流通ダクトによって鉄心や巻線の一
部に局部的にガスを供給することができる。したがっ
て、鉄心や巻線を全体的に冷却しながらその過熱部分を
局部的に十分に冷却することができる。
【0021】請求項3に記載の発明によれば、ガス仕切
板によって鉄心や巻線の冷却ダクトに確実にガスを供給
するとともに、ガス流通ダクトによって鉄心クランプの
一部に局部的にガスを供給することができる。したがっ
て、鉄心や巻線を全体的に冷却しながら鉄心クランプの
一部を局部的に十分に冷却することができる。
【0022】請求項4に記載の発明によれば、ガス仕切
板によって鉄心や巻線の冷却ダクトに確実にガスを供給
するとともに、ガス流通ダクトによって当て板の一部に
局部的にガスを供給することができる。したがって、鉄
心や巻線を全体的に冷却しながら当て板の一部を局部的
に十分に冷却することができる。
【0023】請求項5に記載の発明によれば、当て板に
設けられたガス流通ダクトが、当て板に内蔵された冷却
ダクトとして作用するため、当て板周辺の冷却効率を向
上することができる。また、板に設けた溝によってガス
流通ダクトを構成しているため、配管などの別部材によ
って構成する場合に比べて当て板周辺の構成を簡略化で
きる。
【0024】
【実施例】以上説明したような本発明を変圧器に適用し
た場合の複数の実施例について、図1〜図7を参照して
具体的に説明する。
【0025】[1]第1実施例…図1 図1は、請求項1に記載の発明を適用した変圧器の第1
実施例を示す図である。この図1に示すように、タンク
1の内部には、絶縁・冷却媒体としてSF6 ガスなどの
ガス2が充填されている。このタンク1内には、磁路を
形成する鉄心3およびその周囲に形成された巻線4が収
納されており、これらの鉄心3および巻線4の内部に
は、ガスを流す冷却ダクト5が設けられている。
【0026】さらに、タンク1の外部には、タンク1内
でガス2を強制的に循環させるための流動制御手段とし
てガスブロア7と、ガス2を冷却するための冷却器8が
設けられている。また、タンク1の下部には、ガスブロ
ア7からのガス2を導入するためのガス導入口9が設け
られ、タンク1の上部には、タンク1内のガス2を外部
に導出するためのガス導出口10が設けられている。
【0027】そして、本実施例においては、図8の従来
例で設けられていたガス仕切板6は省略されており、そ
の代わりに、ガス導入口9から鉄心3および巻線4の下
部までガス2を導くガス流通配管21が設けられてい
る。さらに、このガス流通配管21には、ガス流量を制
御するオリフィス22が取り付けられている。なお、図
中に示す矢印は、ガス2の流れを示している。また、図
中11は、鉄心3の上下端部を支持する鉄心クランプで
ある。
【0028】以上のような構成を有する本実施例におい
て、タンク1内部の冷却は次のようにして行われる。す
なわち、まず、冷却器8によって冷却されたガス2が、
ガスブロア7により、ガス導入口9を介してタンク1内
に導入される。このガス2は、ガス流通配管21を介し
て鉄心3および巻線4の下部に導入され、各冷却ダクト
5の下端部から冷却ダクト5内に供給される。そして、
ガス2は各冷却ダクト5内を上昇して鉄心3および巻線
4の内部を冷却した後、各冷却ダクト5の上端部からタ
ンク1内の上部に排出される。タンク1内の上部に排出
されたガス2は、ガス導出口10を介してタンク1外部
に導出され、冷却器8に送られて再び冷却される。
【0029】以上のように、本実施例においては、ガス
流通配管21によってガス導入口9から鉄心3や巻線4
の下部に確実にガス2を導くことができるため、鉄心3
や巻線4の各冷却ダクト5に確実にガス2を供給するこ
とができる。この場合、ガス流通配管21にオリフィス
22を容易に取り付けることができるため、このオリフ
ィス22によって鉄心3や巻線4の各冷却ダクト5に供
給するガス流量を容易に制御することができる。その結
果、鉄心3や巻線4の各部分に必要なガス流量を供給す
ることができる。したがって、ガス仕切板6を省略しな
がらしかも鉄心3や巻線4の各部分を十分にかつ効率よ
く冷却することができるため、鉄心3や巻線4周辺にお
けるローカルヒートの発生を確実に防止することができ
る。
【0030】[2]第2実施例…図2 図2は、請求項2に記載の発明を適用した変圧器の第2
実施例を示す図である。この図2に示すように、本実施
例においては、タンク1内における鉄心3および巻線4
の下部の周囲にはガス仕切板6が設けられ、このガス仕
切板6によって鉄心3および巻線4の冷却ダクトにガス
を供給するタンク1内の下部の空間1aとタンク1内の
大半部分を占める上部の空間1bとが形成されている。
そして、本実施例においては、タンク1内の下部の空間
1aからガス仕切板6を貫通し、巻線4の外周の上部の
空間1b内を通って巻線4の上部にガス2を導くガス流
通配管23が設けられている。なお、他の部分について
は、前述した第1実施例と同様に構成されている。
【0031】以上のような構成を有する本実施例におい
て、タンク1内部の冷却は次のようにして行われる。す
なわち、まず、冷却器8によって冷却されたガス2が、
ガスブロア7により、ガス導入口9を介してタンク1内
の下部の空間1aに導入される。この下部の空間1aの
ガス2の大半部分は、鉄心3および巻線4の各冷却ダク
ト5の下端部からこの冷却ダクト5内に供給され、各冷
却ダクト5内を上昇して鉄心3および巻線4の内部を冷
却した後、各冷却ダクト5の上端部からタンク1内の上
部の空間1bに排出される。その一方で、下部の空間1
aのガス2の一部は、ガス流通配管23を介して巻線4
の上部に供給されてこの部分を局部的に冷却した後、タ
ンク1内の上部の空間1bに排出される。上部の空間1
bに排出されたガス2は、ガス導出口10を介してタン
ク1外部に導出され、冷却器8に送られて再び冷却され
る。
【0032】以上のように、本実施例においては、ガス
仕切板6によって決定される本流により、鉄心3や巻線
4を全体的に十分に冷却することができる上、さらに、
ガス流通配管23によって巻線4の上部に必要なガス流
量を局部的に供給することができるため、巻線4の過熱
部分である上部を局部的に十分にかつ効率よく冷却する
ことができる。したがって、巻線4の上部周辺における
ローカルヒートの発生を確実に防止することができる。
【0033】また、このように、巻線4の上部の過熱部
分を局部的に冷却することができることから、巻線4に
供給するガス流量を約1/2に低減することができるた
め、巻線4で発生する圧力損失を約1/4(圧力損失は
流量の二乗に比例する)に低減することができる。した
がって、鉄心3と巻線4の圧力損失差を小さくすること
ができるため、鉄心3や巻線4へのガス分流の制御用と
してオリフィスを取り付ける場合には、このオリフィス
を簡略化することができ、その取り付けが容易になる。
【0034】[3]第3実施例…図3、図4 図3は、請求項3に記載の発明を適用した変圧器の第3
実施例を示す図である。この図3に示すように、本実施
例は、前述した第2実施例の変形例に相当する実施例で
あり、巻線4の上部にガス2を導くガス流通配管23の
代わりに、タンク1内の下部の空間1aからガス仕切板
6を貫通し、巻線4の外周の上部の空間1b内を通って
上部の鉄心クランプ11にガスを導くガス流通配管24
が設けられている。
【0035】図4は、図3の上部の鉄心周辺の拡大図で
ある。この図4に示すように、ガス流通配管24は、上
部の鉄心クランプ11部分においてU字状に配置されて
いる。すなわち、タンク1内の下部の空間1aと連通す
る連通部24aと、閉塞端部を有する閉塞部24bの間
に、複数箇所にガス放出孔25を有する中央直線部24
cが配置されている。そして、このガス流通配管24の
中央直線部24cが鉄心クランプ11に沿って配置され
ている。なお、他の部分については、前述した第2実施
例と同様に構成されている。
【0036】以上のような構成を有する本実施例におい
て、タンク1内部の冷却は次のようにして行われる。す
なわち、まず、冷却器8によって冷却されたガス2が、
ガスブロア7により、ガス導入口9を介してタンク1内
の下部の空間1aに導入される。この下部の空間1aの
ガス2の大半部分は、鉄心3および巻線4の各冷却ダク
ト5の下端部からこの冷却ダクト5内に供給され、各冷
却ダクト5内を上昇して鉄心3および巻線4の内部を冷
却した後、各冷却ダクト5の上端部からタンク1内の上
部の空間1bに排出される。その一方で、下部の空間1
aのガス2の一部は、ガス流通配管24内を導かれ、そ
のU字の中央直線部24cのガス放出孔25から上部の
鉄心クランプ11に吹き付けられてこの部分を局部的に
冷却した後、タンク1内の上部の空間1bに排出され
る。上部の空間1bに排出されたガス2は、ガス導出口
10を介してタンク1外部に導出され、冷却器8に送ら
れて再び冷却される。
【0037】以上のように、本実施例においては、ガス
仕切板6によって決定される本流により、鉄心3や巻線
4を全体的に十分に冷却することができる上、さらに、
ガス流通配管24によって上部の鉄心クランプ11に対
して必要なガス流量を局部的に供給することができるた
め、過熱部分であるこの上部の鉄心クランプ11を局部
的に十分にかつ効率よく冷却することができる。すなわ
ち、鉄心3を支持する鉄心クランプ11には、巻線4で
発生した漏れ磁束が入射し、入射した漏れ磁束が渦電流
損を生じさせて温度が上昇するが、本実施例によれば、
鉄心クランプ11を局部的に十分にかつ効率よく冷却す
ることができるため、鉄心クランプ11周辺におけるロ
ーカルヒートの発生を確実に防止することができる。
【0038】[4]第4実施例…図5、図6 図5は、請求項4に記載の発明を適用した変圧器の第4
実施例を示す図である。この図5に示すように、本実施
例は、前述した第3実施例の変形例に相当する実施例で
あり、上部の鉄心クランプ11にガス2を導くガス流通
配管24の代わりに、鉄心3を両側から押さえる当て板
12にガス2を導くガス流通配管26が設けられてい
る。このガス流通配管26は、巻線4の下部から当て板
12と巻線4の間に挿入される形で配置されている。
【0039】図6は、図5の当て板12周辺の拡大図で
ある。この図6に示すように、ガス流通配管26は、当
て板12の外面に沿ってU字状に配置されている。すな
わち、タンク1内の下部の空間とそれぞれ連通しかつ複
数箇所にガス放出孔27を有する両側の直線部26a,
26bの間に、中央部26cが配置されている。そし
て、このガス流通配管26の中央部26cには閉塞部2
8が設けられており、それによって、両側の直線部26
a,26bが互いに独立した流路を形成している。な
お、他の部分については、前述した第3実施例と同様に
構成されている。
【0040】以上のような構成を有する本実施例におい
て、タンク1内部の冷却は次のようにして行われる。す
なわち、まず、冷却器8によって冷却されたガス2が、
ガスブロア7により、ガス導入口9を介してタンク1内
の下部の空間1aに導入される。この下部の空間1aの
ガス2の大半部分は、鉄心3および巻線4の各冷却ダク
ト5の下端部からこの冷却ダクト5内に供給され、各冷
却ダクト5内を上昇して鉄心3および巻線4の内部を冷
却した後、各冷却ダクト5の上端部からタンク1内の上
部の空間1bに排出される。その一方で、下部の空間1
aのガス2の一部は、ガス流通配管26内を導かれ、そ
の両側の直線部26a,26bのガス放出孔27から当
て板12に吹き付けられてこの部分を局部的に冷却した
後、タンク1内の上部の空間1bに排出される。上部の
空間1bに排出されたガス2は、ガス導出口10を介し
てタンク1外部に導出され、冷却器8に送られて再び冷
却される。
【0041】以上のように、本実施例においては、ガス
仕切板6によって決定される本流により、鉄心3や巻線
4を全体的に十分に冷却することができる上、さらに、
ガス流通配管26によって鉄心3の当て板12に対して
必要なガス流量を局部的に供給することができるため、
過熱部分であるこの当て板12を局部的に十分にかつ効
率よく冷却することができる。すなわち、鉄心3を押さ
える当て板12には、鉄心クランプ11と同様、巻線4
で発生した漏れ磁束が入射し、入射した漏れ磁束が渦電
流損を生じさせて温度が上昇するが、本実施例によれ
ば、当て板12を局部的に十分にかつ効率よく冷却する
ことができるため、当て板12周辺におけるローカルヒ
ートの発生を確実に防止することができる。
【0042】[5]第5実施例…図7 図7は、請求項4および請求項5に記載の発明を適用し
た変圧器の第5実施例を示す図である。この図7に示す
ように、本実施例は、前述した第4実施例の変形例に相
当する実施例であり、当て板12に別部材であるガス流
通配管26を設ける代わりに、当て板12自体にガス流
通ダクトを設けている。すなわち、本実施例において、
当て板12は、3枚の板12a〜12cを重ね合わせて
形成されており、中央の板12bに設けられた溝29に
よってガス流通ダクトが形成されている。
【0043】以上のような構成を有する本実施例におい
ては、第4実施例と同様の作用および効果に加えて、さ
らに次のような作用および効果が得られる。すなわち、
当て板12に設けられたガス流通ダクトが、当て板12
に内蔵された冷却ダクトとして作用するため、当て板1
2周辺の冷却効率を向上できる。また、溝29を有する
板12bを含む板12a〜12cを重ね合わせるだけで
当て板12とそのガス流通ダクトを形成できるため、別
部材であるガス流通配管26を使用した場合に比べて当
て板12周辺の構成が簡略であり、製造も容易である。
【0044】[6]他の実施例 なお、本発明は、前記各実施例に限定されるものではな
く、他にも多種多様な変形例が可能である。例えば、前
述した各実施例のいくつかを選択的に組み合わせて、タ
ンク内の複数の過熱部分にそれぞれガスを導く複数のガ
ス流通ダクトを設ける構成などが考えられる。また、前
述した各実施例においては、変圧器を例にとって説明し
たが、本発明は、リアクトルにも同様に適用可能であ
り、同様に優れた作用および効果を得ることができる。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
タンク内に部分的にガスを供給するためのガス流通ダク
トを設けることにより、冷却の必要な過熱部分に必要な
ガス流量を供給可能であり、タンク内の局部的な温度上
昇(ローカルヒート)の発生を確実に防止可能な、冷却
能力の高いガス絶縁静止電気機器を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した変圧器の第1実施例を示す模
式的断面図。
【図2】本発明を適用した変圧器の第2実施例を示す模
式的断面図。
【図3】本発明を適用した変圧器の第3実施例を示す模
式的断面図。
【図4】図3の上部の鉄心周辺を示す拡大斜視図。
【図5】本発明を適用した変圧器の第4実施例を示す模
式的断面図。
【図6】図5の当て板周辺を示す斜視図。
【図7】本発明を適用した変圧器の第5実施例を示す分
解斜視図。
【図8】従来の変圧器の一例を示す模式的断面図。
【符号の説明】
1…タンク 1a…上部の空間 1b…下部の空間 2…ガス 3…鉄心 4…巻線 5…冷却ダクト 6…ガス仕切板 7…ガスブロア 8…冷却器 9…ガス導入口 10…ガス導出口 11…鉄心クランプ 12…当て板 12a〜12c…板 21,23,24,26…ガス流通配管 22…オリフィス 25,27…ガス放出孔 28…閉塞部 29…溝

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タンク内に、絶縁・冷却媒体としてのガ
    スが充填され、磁路を形成する鉄心およびその周囲に形
    成された巻線と、これらの鉄心および巻線内部にガスを
    流す冷却ダクトを備え、前記タンク外に配置された流動
    制御手段からこのタンク下部に設けられたガス導入口を
    介してタンク内にガスを導入するとともにこのタンク上
    部に設けられたガス導出口から前記流動制御手段にガス
    を導出することにより、前記タンク内に約0.1m/s
    ec〜約10m/secの範囲の流速でガスを循環させ
    るように構成されたガス絶縁静止電気機器において、 前記タンク内の前記ガス導入口から前記鉄心または巻線
    あるいはその両方の下部まで前記ガスを導くガス流通ダ
    クトが設けられたことを特徴とするガス絶縁静止電気機
    器。
  2. 【請求項2】 タンク内に、絶縁・冷却媒体としてのガ
    スが充填され、磁路を形成する鉄心およびその周囲に形
    成された巻線と、これらの鉄心および巻線内部にガスを
    流す冷却ダクトを備え、前記タンク外に配置された流動
    制御手段からこのタンク下部に設けられたガス導入口を
    介してタンク内にガスを導入するとともにこのタンク上
    部に設けられたガス導出口から前記流動制御手段にガス
    を導出することにより、前記タンク内に約0.1m/s
    ec〜約10m/secの範囲の流速でガスを循環させ
    るように構成されたガス絶縁静止電気機器において、 前記タンク内の前記鉄心および巻線の下部の周囲にガス
    仕切板が設けられ、このガス仕切板によって前記鉄心お
    よび巻線の冷却ダクトにガスを供給するタンク内の下部
    の空間とタンク内の大半部分を占める上部の空間とが形
    成され、 前記タンク内の前記下部の空間から前記上部の空間を通
    って前記鉄心または巻線あるいはその両方の一部に前記
    ガスを導くガス流通ダクトが設けられたことを特徴とす
    るガス絶縁静止電気機器。
  3. 【請求項3】 タンク内に、絶縁・冷却媒体としてのガ
    スが充填され、磁路を形成する鉄心およびその周囲に形
    成された巻線と、これらの鉄心および巻線内部にガスを
    流す冷却ダクトと、鉄心を支持する鉄心クランプを備
    え、前記タンク外に配置された流動制御手段からこのタ
    ンク下部に設けられたガス導入口を介してタンク内にガ
    スを導入するとともにこのタンク上部に設けられたガス
    導出口から前記流動制御手段にガスを導出することによ
    り、前記タンク内に約0.1m/sec〜約10m/s
    ecの範囲の流速でガスを循環させるように構成された
    ガス絶縁静止電気機器において、 前記タンク内の前記鉄心および巻線の下部の周囲にガス
    仕切板が設けられ、このガス仕切板によって前記鉄心お
    よび巻線の冷却ダクトにガスを供給するタンク内の下部
    の空間とタンク内の大半部分を占める上部の空間とが形
    成され、 前記タンク内の前記下部の空間から前記上部の空間を通
    って前記鉄心クランプの一部に前記ガスを導くガス流通
    ダクトが設けられたことを特徴とするガス絶縁静止電気
    機器。
  4. 【請求項4】 タンク内に、絶縁・冷却媒体としてのガ
    スが充填され、磁路を形成する鉄心およびその周囲に形
    成された巻線と、これらの鉄心および巻線内部にガスを
    流す冷却ダクトと、鉄心を押さえる当て板を備え、前記
    タンク外に配置された流動制御手段からこのタンク下部
    に設けられたガス導入口を介してタンク内にガスを導入
    するとともにこのタンク上部に設けられたガス導出口か
    ら前記流動制御手段にガスを導出することにより、前記
    タンク内に約0.1m/sec〜約10m/secの範
    囲の流速でガスを循環させるように構成されたガス絶縁
    静止電気機器において、 前記タンク内の前記鉄心および巻線の下部の周囲にガス
    仕切板が設けられ、このガス仕切板によって前記鉄心お
    よび巻線の冷却ダクトにガスを供給するタンク内の下部
    の空間とタンク内の大半部分を占める上部の空間とが形
    成され、 前記タンク内の前記下部の空間から前記上部の空間を通
    って前記当て板の一部に前記ガスを導くガス流通ダクト
    が設けられたことを特徴とするガス絶縁静止電気機器。
  5. 【請求項5】 前記当て板は、溝を有する少なくとも一
    つの板を含む複数の板を重ねて形成され、前記ガス流通
    ダクトは前記溝によって形成されたことを特徴とする請
    求項4記載のガス絶縁静止電気機器。
JP1695695A 1995-02-03 1995-02-03 ガス絶縁静止電気機器 Pending JPH08213253A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109754999A (zh) * 2019-01-22 2019-05-14 东莞市昱懋纳米科技有限公司 一种变压器磁芯及变压器

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