JPH11154613A - 誘導電器巻線 - Google Patents

誘導電器巻線

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JPH11154613A
JPH11154613A JP9320788A JP32078897A JPH11154613A JP H11154613 A JPH11154613 A JP H11154613A JP 9320788 A JP9320788 A JP 9320788A JP 32078897 A JP32078897 A JP 32078897A JP H11154613 A JPH11154613 A JP H11154613A
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JP
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winding
lead wire
insulating fluid
induction
insulating
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JP9320788A
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English (en)
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Yoshiyuki Azebiru
義行 畔蒜
Katsuji Horiuchi
勝治 堀内
Akinaga Anpo
亮永 安保
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】巻線より導出される口出し線の温度を軽減して
絶縁被覆の劣化を防止し、長期に亘り安定して運転継続
可能な誘導電器巻線を提供すること。 【解決手段】絶縁被覆した導体を巻回した巻線と、巻線
の口出し線と、巻線の周囲に配した絶縁バリヤを備えた
誘導電器巻線において、巻線外の電気絶縁流体を絶縁バ
リヤで形成された流路を介して巻線の口出し線の周囲に
導くガイドを設けているので、巻線より導出される口出
し線の放熱条件が悪くても、口出し線は、巻線外の温度
の低い電気絶縁流体中におかれることとなり、口出し線
が過大な温度に至ることはない。したがって、口出し線
の温度が許容値を越えて上昇することはなくなり、絶縁
被覆の劣化から進展する内部短絡を発生することはな
く、長期に渡り安定して運転継続が可能な誘導電器を得
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は誘導電器巻線に係わ
り、特に変圧器やリアクトル等の誘導電器巻線の絶縁被
覆の熱劣化を防止する誘導電器巻線に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、誘導電器は、鉄心やコイル等に
よって構成される誘導電器本体と、この誘導電器本体を
収納するタンクと、誘導電器本体の電気絶縁及び冷却の
ための絶縁流体等から成り、その寿命は、通常絶縁流体
の温度に左右されので、規格等でその上限値が定められ
ている。従って、誘導電器内部で発生する熱を外部へ導
いて誘導電器自体の温度を高めないようにする放熱手段
が必要となる。例えば、変圧器やリアクトルのような静
止誘導電器を図を参照して説明する。
【0003】図5は自然対流冷却方式の変圧器であっ
て、巻線1及び鉄心2から成る誘導電器本体は、絶縁流
体3とともにタンク4の内部に収納されている。巻線1
からは複数本の口出し線5が導出され、タンク4を貫通
して装着される貫通端子6a,6bに接続される。一
方、タンク4の側面には絶縁流体3の流通が可能な複数
個の開口部7が設けられ、この開口部7に連通して複数
台の放熱器8が配設されている。
【0004】このように構成される変圧器では、巻線1
や鉄心2で発生する熱が絶縁流体3を誘導電器本体内部
及び放熱器8の内部を循環させる起動力となっている。
この循環の過程において、絶縁流体3は誘導電器本体の
内部で巻線1や鉄心2から発生する熱を吸収し、放熱器
8の内部で放熱し、誘導電器本体の温度を所定の値に維
持している。
【0005】また、図6は強制対流式の変圧器であっ
て、図5に示した自然対流式との違いは、絶縁流体3が
ポンプ9により管10を通して強制的に誘導電器本体下
部のダクト11に導入され、誘導電器本体の内部及び放
熱器8の内部を循環するように構成されていることであ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な構成の静止誘導電器において、放熱器8の内部を流通
して温度の低下した絶縁流体3は、巻線1や鉄心2より
成る誘導電器本体の下部側より流入し、上部側から流出
するように構成されている。このように構成すると、自
然対流式あるいは強制対流式のいずれの場合でも共通し
て絶縁流体3の流動方向が一致し、機器の設計製作上都
合がよい。
【0007】上述したような絶縁流体3の流動方向の場
合、巻線1の下部から流入した絶縁流体3は、巻線1で
発生した熱を徐々に吸収しながら巻線1の上部まで達す
る。ここで最大温度に達した絶縁流体3は、巻線1の上
端部から導出されている口出し線5の周囲を流動して巻
線1の外部に流出する。この絶縁流体3はタンク4の側
面に設けられ開口部7に向かい、この開口部7に連通し
て配設された放熱器8に流入し、巻線1から吸収した熱
を放熱器8の内部を流通する過程で放熱する。この一連
の絶縁流体の流通過程は、自然対流式または強制対流式
においても同じである。
【0008】図7は図6の強制対流式の誘導電器本体の
要部の断面図である。図に示すように、巻線1はその上
端部に口出し線5を有し、両端部にシールド14a,1
4b、スペーサ13a,13bをそれぞれ配し、流路1
6a,16bを設けて締付板12a,12bにより締め
付けられている。また、巻線1の内側には巻線絶縁バリ
ヤ17a,17bが設けられ、また外側には巻線絶縁バ
リヤ18a,18bが設けられている。
【0009】このように構成された巻線1の内部に、管
10により強制的に導かれる絶縁流体3は、電器本体下
部に設けられたダクト11を経由して締付板12aに設
けられた流入口15に導かれる。この流入口15を通過
した絶縁流体3は、巻線1の流入口19と他の巻線の流
入口(図示せず)に分流する。流入口19aに達した絶
縁流体3は、巻線1の内部を流れ、巻線1で発生した熱
を徐々に吸収しながら巻線1の上部まで達し、流出口1
9bより誘導電器本体外部へ流出する。
【0010】しかしながら、巻線1の絶縁流体3の流出
側に位置する口出し線5の根元部分が、巻線1の内部を
流動して最高の温度に達した絶縁流体3に曝されること
になる。また、口出し線5はタンク4を貫通して装着さ
れる貫通端子6まで延びて接続されるため、鉄心2やタ
ンク4の壁面に対して十分な電気絶縁強度を確保する必
要があり、このため巻線1の導体の絶縁被覆よりも口出
し線5の絶縁被覆は厚く形成される。この結果として、
必然的に口出し線5の導体の放熱条件が巻線1の導体の
放熱条件より悪くなる。
【0011】以上述べたように、口出し線5は、温度の
高い絶縁流体3にさらされ、かつ悪い放熱条件下に置か
れることとなり、これらの悪条件の重畳により過大な温
度に至ることがある。図7は、強制対流式の場合につい
て示しているが、自然対流式の場合でも共通して言える
ことである。そして、万一、口出し線5の温度が許容値
を越えて上昇した場合、絶縁被覆が劣化して内部短絡を
発生すると、誘導電器の運転継続を不可能にするという
問題がある。
【0012】本発明(請求項1乃至請求項15)は、上
記問題を解決するためになされたものであり、その目的
は巻線より導出される口出し線の温度を軽減することで
絶縁被覆の劣化を防止し、長期に亘り安定して運転継続
可能な誘導電器巻線を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の請求項1は、絶縁被覆した導体を巻回し
た巻線と、前記巻線の口出し線と、前記巻線の周囲に配
した絶縁バリヤを備えた誘導電器巻線において、前記巻
線外の電気絶縁流体を前記絶縁バリヤで形成された流路
を介して前記巻線の口出し線の周囲に導くガイドを設け
たことを特徴とする。
【0014】この請求項1は、巻線より導出される口出
し線の導体の放熱条件が悪くても、該口出し線は、巻線
外の温度の低い電気絶縁流体中におかれることとなり、
従来のように悪条件の重畳した状態を避けることがで
き、口出し線が過大な温度に至ることはない。したがっ
て、口出し線の温度が許容値を越えて上昇することはな
くなり、絶縁被覆の劣化から進展する内部短絡を発生す
ることはなく、長期に渡り安定して運転継続が可能な誘
導電器巻線を得ることができる。
【0015】本発明の請求項2は、絶縁被覆した導体を
巻回した巻線と、前記巻線の口出し線と、前記巻線及び
前記巻線の口出し線の周囲にそれぞれ配した巻線絶縁バ
リヤ及び口出し線絶縁バリヤを備えた誘導電器巻線にお
いて、前記巻線外の電気絶縁流体を前記巻線絶縁バリヤ
で形成された流路及び前記口出し線絶縁バリヤの流入口
を介して前記巻線の口出し線の周囲に導くようにしたこ
とを特徴とする。
【0016】この請求項2は、口出し線の周囲に配した
絶縁バリヤの内部に巻線外の温度の低い電気絶縁流体を
導くようにしているので請求項1記載の発明と同様の作
用を得ることができる。
【0017】本発明の請求項3は、請求項1乃至請求項
2記載の誘導電器巻線において、前記巻線の口出し線の
周囲に導く絶縁流体は自然対流であることを特徴とす
る。この請求項3は、巻線外の温度の低い絶縁流体を口
出し線の周囲に滞留することなく、連続して流動するこ
とが重要でり、この流動の起動力を口出し線自体から発
生する熱に求めるものである。このようにして得た絶縁
流体の流動により、口出し線が過大な温度に至ることは
ない。したがって、口出し線の温度が許容値を越えて上
昇することはなくなり、絶縁被覆の劣化から進展する内
部短絡を発生することはなく、長期に亘り安定して運転
継続が可能な誘導電器巻線を得ることができる。
【0018】本発明の請求項4は、請求項1乃至請求項
2記載の誘導電器巻線において、前記巻線の口出し線の
周囲に導く電気絶縁流体は強制対流であることを特徴と
する。
【0019】この請求項4は、請求項3と同様の理由か
ら、流動の起動力を、例えば放熱器に付属している強制
循環系に求めるものであり、請求項3と同様の作用を得
ることができる。
【0020】本発明の請求項5は、請求項2記載の誘導
電器巻線において、前記巻線の口出し線の根元部に巻線
内と巻線外の電気絶縁流体を遮断する手段を設けたこと
を特徴とする。
【0021】この請求項5は、巻線の内部を流動して最
高の温度に達した電気絶縁流体が口出し線の周囲に導か
れることはなく、巻線外の温度の低い電気絶縁流体のみ
が口出し線の周囲に導かれるので、口出し線の温度を低
く保つことができる。
【0022】本発明の請求項6は、請求項2記載の誘導
電器巻線において、前記巻線の口出し線の周囲の電気絶
縁流体は専用流路により導くようにしたことを特徴とす
る。この請求項6は、巻線外の温度の低い電気絶縁流体
を口出し線の周囲に導くため、専用流路を形成し、巻線
外の温度の低い電気絶縁流体を強制対流によりこの専用
流路を通して、口出し線の周囲に送り込むことにより、
確実に口出し線の温度を低く保つことができる。
【0023】本発明の請求項7は、請求項6記載の誘導
電器巻線において、前記電気絶縁流体を通す専用流路は
前記巻線の周囲に配する巻線絶縁バリヤを多層配置し、
この多層の巻線絶縁バリヤ間に形成された空間を流路と
し、この流路に電気絶縁流体を分岐し、前記巻線の口出
し線の周囲に導くようにしたことを。
【0024】この請求項7は、電気絶縁強度の向上のた
め、巻線の周囲に絶縁バリヤを間隔片を介して多層配置
する場合があるが、通常、このように多層配置した絶縁
バリヤ間には電気絶縁流体を流動することはない。これ
らの絶縁バリヤ間を専用流路として利用すれば、特別な
専用流路をわざわざ設けることをしなくても、巻線の口
出し線の周囲に容易に巻線外の温度の低い電気絶縁流体
を導くことができる。
【0025】本発明の請求項8は、請求項1乃至請求項
2記載の誘導電器巻線において、前記巻線の口出し線は
複数本に分離され、この分離された口出し線間に電気絶
縁流体が流動することを特徴とする。
【0026】この請求項8は、鉄心やタンクの壁面に対
して十分な電気絶縁強度を確保する必要があり、このた
め巻線の導体の絶縁被覆よりも口出し線の絶縁被覆は厚
く形成されるが、口出し線を複数本のほぐし、それぞれ
に絶縁被覆する。このように構成した口出し線は、表面
積が増大するので放熱量も増加し、巻線外の温度の低い
電気絶縁流体を、周囲に導けば飛躍的に該口出し線の温
度を低減できる。
【0027】本発明の請求項9は、請求項1乃至請求項
2記載の誘導電器巻線において、前記複数本に分離され
た口出し線は隔壁片を介装して固着されたことを特徴と
する。
【0028】この請求項9は、複数本に分離される口出
し線は、この口出し線束の中に絶縁流体が流動できる隙
間を保つように間隔片を介装する。雇用に構成した口出
し線束は、内部に巻線外の温度の低い電気絶縁流体を通
すことができるので、確実に温度を低減できる。
【0029】本発明の請求項10は、請求項1乃至請求
項2記載の誘導電器巻線において、前記絶縁流体は電気
絶縁油であることを特徴とする。本発明の請求項11
は、請求項1乃至請求項2記載の誘導電器巻線におい
て、前記絶縁流体は電気絶縁ガスであることを特徴とす
る。
【0030】この請求項10あるいは請求項11は、電
気絶縁流体として、液体である電気絶縁油あるいは気体
である電気絶縁ガスを使用した場合であるが、巻線構造
が基本的に同じであること、放熱現象が無次元化された
表式で一般化されており、巻線の口出し線の温度の予測
は可能であって、いずれの電気絶縁流体でも適用でき
る。
【0031】本発明の請求項12は、請求項2記載の誘
導電器巻線において、前記電気絶縁流体は前記巻線の口
出し線の周囲に配した絶縁バリヤに設けられたオリフィ
スを通して流動することを特徴とする。
【0032】この請求項12は、口出し線の絶縁強度を
損なわない程度の開口部を口出し線の周囲に配した絶縁
バリヤに設け、電気絶縁流体の流入と流出を可能にする
オリフィスを形成している。このオリフィスを通して、
自然対流,強制対流のいずれの場合でも、口出し線の周
囲に電気絶縁流体の供給と排出が成され、口出し線の温
度を低減することができる。
【0033】本発明の請求項13は、請求項3記載の誘
導電器巻線において、前記オリフィスは、このオリフィ
スの設けられる絶縁バリヤのほぼ上部と下部に位置して
いることを特徴とする。
【0034】この請求項13は、口出し線から発生する
熱を利用して自然対流による電気絶縁流体の流動の起動
力を得ている。自然対流は電気絶縁流体の温度差に起因
する密度変化により、温度が上昇して密度の小さくなっ
た電気絶縁流体が重力方向と逆方向に浮力で移動する流
動現象であるから、電気絶縁流体の流入側オリフィスを
ほぼ最下部側に、流出側オリフィスをほぼ最上部側に設
けることにより、電気絶縁流体の流れは円滑になり流動
抵抗を小さくすることができ、電気絶縁流体のより大き
な流量を得ることができる。これにより、口出し線の温
度を低減することができる。
【0035】本発明の請求項14は、請求項2記載の誘
導電器巻線において、前記巻線の口出し線の周囲に配さ
れる複数個の絶縁バリヤは、隣接する絶縁バリヤに設け
るオリフィスの位置が対向しないようにしたことを特徴
とする。
【0036】この請求項14は、口出し線の電気絶縁強
度を大きくするために、口出し線の周囲に複数層の絶縁
バリヤを形成する場合、電気絶縁流体の流動を可能にす
るため、該複数層の絶縁バリヤのすべてに電気絶縁流体
の流入側オリフィスと流出側オリフィスを設けることに
なる。このとき、隣接する絶縁バリヤに設ける流入側及
び流出側オリフィスはそれぞれ、例えば、千鳥状に配置
して、一直線的な配置を避ける。このように構成すれ
ば、口出し線の電気絶縁強度を損なうことなく、口出し
線の周囲に電気絶縁流体の供給と排出ができ、口出し線
の温度を低減することができる。
【0037】本発明の請求項15は、請求項4記載の誘
導電器巻線において、前記巻線の口出し線の周囲に導く
電気絶縁流体は巻線内に流入する電気絶縁流体の一部を
巻線内に流入する前に分岐して導くようにしたことを特
徴とする。
【0038】この請求項15は、巻線の周囲に多層配置
した絶縁バリヤは、巻線の下部から上部まで延びて、巻
線を覆うように形成される。したがって、電気絶縁流体
を巻線下部から巻線内に導入する通常の構成では、容易
に複数層の絶縁バリヤ間に絶縁流体を分岐して、導き入
れることができる。このようにすれば、口出し線の周囲
に巻線外の温度の低い電気絶縁流体を導くことができ、
口出し線の温度を低減することができる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明による誘導電気巻線
の実施の形態を、図を参照して説明する。図1は本発明
の第1実施例(請求項1,請求項3,請求項4,請求項
10,請求項11及び請求項15対応)である誘導電器
巻線の要部の断面図であり、既に説明した従来技術と同
一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0040】図において、巻線1に流入口19aより分
岐する電気絶縁流体3の一部を、流路16aと連通して
設けた分岐口20aに分岐させる。この分岐口20aに
分岐した電気絶縁流体3は、巻線絶縁バリヤ18a及び
18bで形成された空間を流路として、この流路に分岐
口20aより電気絶縁流体3が流れ込んで流出口20b
に向かう上昇過程で、口出し線5の根元部分の周囲に導
かれる。すなわち、巻線外部を流動した温度の低い電気
絶縁流体3が口出し線5の根元部分に接することとな
り、口出し線5の冷却条件を大幅に改善することができ
る。
【0041】また、本実施例では、巻線絶縁バリヤ18
a,18bの二層構成としているが、更に巻線絶縁バリ
ヤの層数を増加して各絶縁バリヤ間に形成される複数の
空間を流路と成し、これらの流路に巻線外の温度の低い
電気絶縁流体3を流動させれば、口出し線5の冷却条件
改善部分が長くなり、より大きい効果を得ることができ
る。
【0042】さらに、本実施例では電気絶縁流体3とし
て、液体である電気絶縁油あるいは気体である電気絶縁
ガスを使用した場合でも、巻線構造が基本的に同じであ
ること、放熱現象が無次元化された表式で一般化されて
おり、巻線の口出し線5の温度の予測は可能であるの
で、いずれの電気絶縁流体でも本発明の誘導電器巻線の
構造を変えることなく適用できる。
【0043】上述したように、本実施例によると、巻線
1より導出される口出し線5の温度は軽減され、許容値
を越えて上昇することはなくなるので、口出し線5の絶
縁被覆の熱劣化から進展する内部短絡は発生することな
く、長期に亘り安定して運転継続が可能な誘導電器巻線
を得ることができる。
【0044】図2は本発明の第2実施例(請求項2乃至
請求項7及び請求項10,請求項11,請求項15対
応)の要部の断面図であり、本実施例が図1の第1実施
例と異なる構成は、以下の構成であり、その他の構成は
同一であるので、同一構成部分には同一符号を付してそ
の説明を省略する。
【0045】図に示すように、高電圧巻線1の口出し線
5は、その周囲に幾層かの絶縁バリヤを配して電気絶縁
強度を強化している。すなわち、口出し線の絶縁バリヤ
として21a,21bの二層を配している。内側の口出
し線絶縁バリヤ21aの上部と底部には、電気絶縁流体
3の出入り可能な流入口22a及び流出口22bが設け
られている。また、巻線絶縁バリヤ18aの貫通部に
は、電気絶縁流体3を遮断する仕切り板24が取り付け
られている構成が第1実施例とは異なる。
【0046】本実施例では、口出し線5の根元部分は、
巻線1内を流動して温度の高くなった絶縁流体3に曝さ
れているが、巻線絶縁バリヤ18a及び18bで形成さ
れた空間の流路には、分岐口20aより電気絶縁流体3
が流れ込んで流出口20bに向かう上昇過程で、口出し
線5の周囲に設けられた口出し線絶縁バリヤ21aの流
入口22aから流入し、口出し線5に接触して流出口2
2bより流出し、更に上昇して流出口20bより巻線外
に流出する。
【0047】このようにして、巻線外部を流動した温度
の低い電気絶縁流体3が口出し線5の根元部分とその隣
接部分の周囲に導かれることになり、口出し線5の冷却
条件を大幅に改善することができる。また、巻線1内を
流動した温度の高い電気絶縁流体3は仕切り板24によ
って完全に遮蔽されているので、口出し線絶縁バリヤ内
に浸入して温度の低い電気絶縁流体3の温度を上昇させ
ることはなく、口出し線5の良好な冷却効果を維持でき
る。
【0048】また、本実施例では、巻線絶縁バリヤ18
a,18bの二層構成としているが、更に巻線絶縁バリ
ヤの層数を増加して各バリヤ間に形成される複数の空間
を流路と成し、これらの流路に巻線外部の温度の低い絶
縁流体3を流動させれば、多量の絶縁流体3を送り込む
ことも可能であり、より大きい冷却効果を得ることがで
きる。
【0049】上述したように、本実施例によると巻線1
より導出される口出し線5の温度は軽減されるので、許
容値を越えて上昇することはなくなり、口出し線5の絶
縁被覆の熱劣化から進展する内部短絡は発生することは
なく、長期に亘り安定して運転継続が可能な誘導電器巻
線を得ることができる。
【0050】図3は本発明の第3実施例(請求項5及び
請求項12乃至請求項14対応)の要部の断面図であ
り、本実施例が図1の第1実施例と異なる構成は、以下
の構成であり、その他の構成は同一であるので、同一構
成部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0051】図に示すように、本実施例は、巻線1の内
部を流動する電気絶縁流体3は、巻線1の放熱を起動力
とする自然対流式の誘導電器巻線である。巻線1の下部
に設けられた流入口15より流入する電気絶縁流体3は
巻線1の流入口19aに流入すると共に、他巻線(図示
せず)へ分流する。流入口19aに流入した絶縁流体3
は、巻線1より発生する熱を吸収しながら巻線1の内部
を上昇し流出口19bから流出する。一方、巻線1から
引き出される口出し線5の周囲には、巻線絶縁バリヤ1
8a及び18bと口出し線絶縁バリヤ21a及び21b
が設けられている。口出し線絶縁バリヤ21aの上部と
底部には、それぞれ電気絶縁流体3の出入り可能な流入
口22a及び流出口22bが設けられている。口出し線
絶縁バリヤ21bにも同様、電気絶縁流体3の出入り可
能な流入口23a及び流出口23bが設けられている。
また、口出し線5の巻線絶縁バリヤ18aの貫通部に
は、絶縁流体3を遮断する仕切り板24が取り付けられ
ている。以上の構成が第1実施例とは異なり、その他の
構成は同一である。
【0052】本実施例は上記の如く構成されているの
で、口出し線5より発生する熱により絶縁流体3の自然
対流を引き起こす起動力が生ずる。この起動力により巻
線外部の電気絶縁流体3は口出し線絶縁バリヤ21bに
設けた流入口(オリフィス)23aより流入し、口出し
線絶縁バリヤ21aに設けた流入口(オリフィス)22
aに向かう。次いで、流入口22aに流入し、口出し線
5に接触して口出し線絶縁バリヤ21aに設けた流出口
(オリフィス)22bより流出し、線絶縁バリヤ21b
に設けた流出口(オリフィス)23bに向かい流出す
る。
【0053】このようにして、巻線1の外部を流動する
温度の低い電気絶縁流体3が口出し線5の根元部分に隣
接する部分の口出し線5の周囲に導かれることとなり、
口出し線5の冷却条件を大幅に改善することができる。
更に、巻線1内を流動した温度の高い電気絶縁流体3は
仕切り板24によって完全に遮蔽されているので、口出
し線絶縁バリヤ内に侵入して温度の低い電気絶縁流体3
の温度を上昇させることはなく、良好な冷却効果を維持
できる。
【0054】また、口出し線の電気絶縁強度を大きくす
るために、口出し線の周囲に複数層の絶縁バリヤを形成
する場合、電気絶縁流体の流動を可能にするため、複数
層の絶縁バリヤの全てに電気絶縁流体の流入側オリフィ
スと流出側オリフィスを設けることになる。このとき、
隣接する絶縁バリヤに設ける流入側及び流出側オリフィ
スはそれぞれ、例えば、千鳥状に配置して、一直線的な
配置を避ける。このように構成すれば、口出し線の電気
絶縁強度を損なうことなく、口出し線の周囲に電気絶縁
流体の供給と排出ができ、口出し線の温度を低減するこ
とができる。
【0055】本実施例では、オリフィスを千鳥状に配置
する場合について述べたが、オリフィスの一直線的な配
置を避けることが電気絶縁上重要であり、規則的な配置
にする必要性はなく、任意的な配置でも何等問題はな
い。
【0056】上述したように、巻線1より導出される口
出し線5の温度は軽減され、許容値を越えて上昇するこ
とはなくなり、口出し線5の絶縁被覆の熱劣化から進展
する内部短絡を発生することはなく、長期に亘り安定し
て運転継続が可能な誘導電器巻線を得ることができる。
【0057】図4は本発明の第4実施例(請求項5,請
求項6,請求項8,請求項9対応)の要部の断面図であ
り、本実施例が図2の第2実施例と異なる構成は、口出
し線5を二分割し、その分割部分に間隔片25が介装さ
れている構成であり、その他の構成は同一であるので、
同一構成部分には同一符号を付してその説明を省略す
る。
【0058】図に示すように、本実施例は、温度の低い
電気絶縁流体3が口出し線絶縁バリヤ21a内を流動す
る際、間隔片25による隔離部分を流動することができ
ることにより、口出し線5の放熱面積が増大するように
構成したものである。
【0059】このように、本実施例によると、巻線1よ
り導出される口出し線5を温度の低い電気絶縁流体3に
よる冷却効果が大きく向上し、口出し線5の温度は軽減
される。したがって、第2実施例で得られる効果と同等
以上の効果を得ることができる。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明(請求項1
乃至請求項15対応)によると、誘導電器巻線は口出し
線の絶縁被覆の熱劣化から進展する内部短絡を防止し、
長期に亘り安定して運転継続が可能な誘導電器巻線を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例である誘導電器巻線の要部
の断面図。
【図2】本発明の第2実施例である誘導電器巻線の要部
の断面図。
【図3】本発明の第3実施例である誘導電器巻線の要部
の断面図。
【図4】本発明の第4実施例である誘導電器巻線の要部
の断面図。
【図5】従来の自然対流式誘導電器の一部断面で示す側
面図。
【図6】従来の強制対流式誘導電器の一部断面で示す側
面図。
【図7】従来の誘導電器巻線の要部を示す断面図。
【符号の説明】
1…巻線、2…鉄心、3…絶縁流体、4…タンク、5…
口出し線、6a,6b…貫通端子、7…開口部、8…放
熱器、9…ポンプ、10…管、11…ダクト、12a,
12b…締付板、13a,13b…スペーサ、14a,
14b…シールド、15…流入口、16a,16b…流
路、17a,17b,18a,18b…巻線絶縁バリ
ヤ、19a,20a…流入口、19b,20b…流出
口、21a,21b…口出し線絶縁バリヤ、22a,2
3a…流入口、22b,23b…流出口、24…仕切
板、25…間隔片。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁被覆した導体を巻回した巻線と、前
    記巻線の口出し線と、前記巻線の周囲に配した絶縁バリ
    ヤを備えた誘導電器巻線において、前記巻線外の電気絶
    縁流体を前記絶縁バリヤで形成された流路を介して前記
    巻線の口出し線の周囲に導くようにしたことを特徴とす
    る誘導電器巻線。
  2. 【請求項2】 絶縁被覆した導体を巻回した巻線と、前
    記巻線の口出し線と、前記巻線及び前記巻線の口出し線
    の周囲にそれぞれ配した巻線絶縁バリヤ及び口出し線絶
    縁バリヤを備えた誘導電器巻線において、前記巻線外の
    電気絶縁流体を前記巻線絶縁バリヤで形成された流路及
    び前記口出し線絶縁バリヤの流入口を介して前記巻線の
    口出し線の周囲に導くようにしたことを特徴とする誘導
    電器巻線。
  3. 【請求項3】 請求項1乃至請求項2記載の誘導電器巻
    線において、前記巻線の口出し線の周囲に導く電気絶縁
    流体は自然対流であることを特徴とする誘導電器巻線。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項2記載の誘導電器巻
    線において、前記巻線の口出し線の周囲に導く電気絶縁
    流体は強制対流であることを特徴とする誘導電器巻線。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の誘導電器巻線において、
    前記巻線の口出し線の根元部に巻線内と巻線外の電気絶
    縁流体を遮断する手段を設けたことを特徴とする誘導電
    器巻線。
  6. 【請求項6】 請求項2記載の誘導電器巻線において、
    前記巻線の口出し線の周囲の電気絶縁流体は専用流路に
    より導くようにしたことを特徴とする誘導電器巻線。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の誘導電器巻線において、
    前記電気絶縁流体を通す専用流路は前記巻線の周囲に配
    する巻線絶縁バリヤを多層配置し、この多層の巻線絶縁
    バリヤ間に形成された空間を流路とし、この流路に電気
    絶縁流体を分岐し、前記巻線の口出し線の周囲に導くよ
    うにしたことを特徴とする誘導電器巻線。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至請求項2記載の誘導電器巻
    線において、前記巻線の口出し線は複数本に分離され、
    この分離された口出し線間に絶縁流体が流動することを
    特徴とする誘導電器巻線。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至請求項2記載の誘導電器巻
    線において、前記複数本に分離された口出し線は隔壁片
    を介装して固着されたことを特徴とする誘導電器巻線。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至請求項2記載の誘導電器
    巻線において、前記絶縁流体は電気絶縁油であることを
    特徴とする誘導電器巻線。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至請求項2記載の誘導電器
    巻線において、前記絶縁流体は電気絶縁ガスであること
    を特徴とする誘導電器巻線。
  12. 【請求項12】 請求項2記載の誘導電器巻線におい
    て、前記電気絶縁流体は前記巻線の口出し線の周囲に配
    した絶縁バリヤに設けられたオリフィスを通して流動す
    ることを特徴とする誘導電器巻線。
  13. 【請求項13】 請求項3記載の誘導電器巻線におい
    て、前記オリフィスは、このオリフィスの設けられる絶
    縁バリヤのほぼ上部と下部に位置していることを特徴と
    する誘導電器巻線。
  14. 【請求項14】 請求項2記載の誘導電器巻線におい
    て、前記巻線の口出し線の周囲に配される複数個の絶縁
    バリヤは、隣接する絶縁バリヤに設けるオリフィスの位
    置が対向しないようにしたことを特徴とする誘導電器巻
    線。
  15. 【請求項15】 請求項4記載の誘導電器巻線におい
    て、前記巻線の口出し線の周囲に導く電気絶縁流体は巻
    線内に流入する電気絶縁流体の一部を巻線内に流入する
    前に分岐して導くようにしたことを特徴とする誘導電器
    巻線。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021081977A1 (en) * 2019-11-01 2021-05-06 Abb Power Grids Switzerland Ag Insulation assembly, transformer assembly, and dry type transformer
CN113436844A (zh) * 2021-06-24 2021-09-24 上海辰光医疗科技股份有限公司 一种油冷常导磁体及其制备方法
US11967447B2 (en) 2018-11-19 2024-04-23 Mitsubishi Electric Corporation Stationary induction apparatus

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