JPH08211344A - 光機能デバイス及びその駆動方法 - Google Patents

光機能デバイス及びその駆動方法

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JPH08211344A
JPH08211344A JP2007595A JP2007595A JPH08211344A JP H08211344 A JPH08211344 A JP H08211344A JP 2007595 A JP2007595 A JP 2007595A JP 2007595 A JP2007595 A JP 2007595A JP H08211344 A JPH08211344 A JP H08211344A
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electrode
optical
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Shinji Taniguchi
眞司 谷口
Minoru Kiyono
實 清野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】簡単な構成によって熱光学効果を利用し、低い
電圧によって大きい波長可変幅を得るとともに、波長選
択性の向上を図ることを目的とする。 【構成】光導波路12が形成された電気光学材料からな
る基板11の上に、光導波路12内に周期的な電界分布
を生じさせるための電極13が配置されてなる光機能デ
バイス1であって、光導波路12を加熱するための発熱
体14を有しており、発熱体14による加熱時の光導波
路12内で、光伝播方向Yに沿って温度の変化する温度
分布が生じるように構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気光学材料からなる
光機能デバイス及びその駆動方法に関する。光伝送によ
るマルチメディア情報網の構築が進む中で、モード変換
器、波長フィルタ、光変調器などといった光機能デバイ
スの実用性の向上が望まれている。特にモード変換器に
ついては、選択波長の可変範囲の拡大、及びクロストー
クの低減が望まれている。
【0002】
【従来の技術】電気光学材料の基板内に形成した光導波
路に、櫛形電極を用いて周期的に電界を加えることによ
って、光導波路を伝播する光の偏光モードを、TEモー
ドからTMモードに、又はTMモードからTEモードに
変換することができる。そして、櫛形電極の電極指の配
列周期Λを適当に選定することにより、(1)式で表さ
れる波長λiの光を選択的にモード変換することができ
る。光導波路の後端に、入射光の偏光モードと直交関係
の偏光モードを透過させる検光子を設け、モード変換後
の光を検光子を介して後段へ送り出すようにした構成の
デバイスは波長フィルタとして機能する。
【0003】λi=Λ|NTE−NTM| …(1) NTE:TEモード光の実効屈折率 NTM:TMモード光の実効屈折率 例えば、ニオブ酸リチウム(LiNbO3 )では、屈折
率差|NTE−NTM|が約0.072であり、波長1.5
μmの光を選択する場合には、電極指の配列周期Λを約
20.8μmにすればよい。
【0004】図7は従来のモード変換器80の構成を示
す図である。なお、図7(b)は図7(a)のB−B矢
視断面図である。モード変換器80は、表層部に光導波
路82が形成された電気光学材料からなる基板81、モ
ード変換用の2つの櫛形電極84,85、チューニング
用の電極86、及び櫛形電極84,85による光吸収を
防止するための絶縁膜層83などから構成されている。
図示の基板81は、XカットのLiNbO3 からなり、
光導波路82はY軸に沿った方向に設けられている。
【0005】2つの櫛形電極84,85間には一定の電
圧VMCの電源87を接続し、櫛形電極84,85間の電
圧を一定とする。チューニング用の電極86には電圧可
変の電源88を接続し、電極86に印加する電圧VT
変化させて光導波路82内の屈折率を変化させる。すな
わち、モード変換の選択波長λiを変化させるチューニ
ングを行う。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のモード変換器8
0では、電気光学効果によって選択波長のチューニング
を行う構成であるので、屈折率差|NTE−NTM|の変化
量が小さく、電圧VT の変化幅に比べて選択波長の変化
幅が小さいという問題があった。
【0007】通常、光機能デバイスとして要望される波
長可変幅Δλは、10〜100nm程度である。例えば
10nmの波長可変幅Δλを得るには、電圧VT の可変
幅として200V程度が必要である。しかし、このよう
な高い電圧を印加した場合には、基板81又は絶縁膜層
83に絶縁破壊が生じて過電流が流れ、それによる熱で
電極85,86が融けてしまう。したがって、電圧VT
の可変幅としては数十Vが限度であり、得られる波長可
変幅Δλは極めて不充分である。
【0008】また、従来のモード変換器80では、波長
フィルタ特性における選択波長λiのメインピーク出力
レベルとサイドピーク出力レベルとの差が小さい、すな
わちサイドピーク出力レベルの抑圧が不十分である、と
いう問題もあった。そのため、モード変換器80を光通
信に用いた場合には、クロストークの低減が困難であっ
た。
【0009】ところで、熱光学効果によっても屈折率の
変化することが知られている。例えば、LiNbO3
場合では、常光に対する屈折率n0 の温度依存性は無視
できるが、異常光に対する屈折率ne の温度係数dne
/dtは、波長1.5μm帯で約4×10-5/℃であっ
て、温度を僅かに変化させるだけで屈折率ne を大きく
変化させることができる。
【0010】そこで、従来において、このような熱光学
効果を利用してチューニングを行うために、モード変換
器の全体を恒温槽に入れて光導波路の温度を調整する手
法が提案されている。しかし、この手法は、モード変換
器とその駆動系とからなる装置が膨大となるため実用的
でない。
【0011】本発明は、上述の問題に鑑みてなされたも
ので、簡単な構成によって熱光学効果を利用し、低い電
圧によって大きい波長可変幅を得るとともに、波長選択
性の向上を図ることを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係るデ
バイスは、光導波路が形成された電気光学材料からなる
基板の上に、前記光導波路内に周期的な電界分布を生じ
させるための電極が配置されてなる光機能デバイスであ
って、前記光導波路を加熱するための発熱体を有してお
り、前記発熱体による加熱時の前記光導波路内で、光伝
播方向に沿って温度の変化する温度分布が生じるように
構成されてなる。
【0013】請求項2の発明に係るデバイスは、前記発
熱体による加熱時の前記光導波路内で、光伝播方向に沿
って窓関数に則した割合で温度の変化する温度分布が生
じるように構成されてなる。
【0014】請求項3の発明に係るデバイスは、前記光
導波路を加熱するための熱源として、光伝播方向に沿っ
て発熱量の変化する発熱体が前記基板の上に配置されて
なる。
【0015】請求項4の発明に係るデバイスは、前記基
板の表面に前記光導波路に沿って延び且つ幅の変化する
溝が設けられ、前記溝と前記光導波路との間に発熱体が
配置されてなる。
【0016】請求項5の発明に係るデバイスは、前記光
導波路を加熱するための発熱体を有しており、前記基板
の表面に前記光導波路に沿って延び且つ幅の変化する帯
状の絶縁層が設けられてなる。
【0017】請求項6の発明に係るデバイスは、前記光
導波路及び前記発熱体が絶縁層によって被覆されてな
る。請求項7の発明に係る光機能デバイスの駆動方法
は、前記発熱体に電流を流して前記光導波路を加熱し、
光導波路内に光伝播方向に沿って温度の変化する温度分
布を生じさせた状態で、前記発熱体と前記電極との間に
電圧を印加して前記電界分布を生じさせる方法である。
【0018】
【作用】電流を流すことによって発熱体が発熱し、それ
によって光導波路が加熱される。発熱体に流す電流を調
整することにより、光導波路の温度を制御することがで
きる。温度の変化に応じて熱光学効果によって光導波路
の屈折率が変わるので、光導波路の温度制御によって選
択波長λiのチューニングを行うことができる。光導波
路及び発熱体が絶縁層によって被覆されている場合は、
蓄熱効果によって光導波路の加熱効率が高まる。
【0019】このとき、光導波路内に光伝播方向に沿っ
て温度が変化する温度分布を生じさせると、光導波路の
温度が場所によらずほぼ均一である場合に比べて、電気
光学効果によるモード変換における波長選択特性を改善
することができる。
【0020】すなわち、モード変換の変換効率ηは、例
えば(2)〜(4)式で表される。
【0021】
【数1】
【0022】なお、(2)〜(4)式において、Lは電
極長(光導波路に電界を印加するための電極の光伝播方
向の長さ)、λは任意波長、Γは印加電界の分布と光の
界分布(電界強度分布)との重なり積分の値(0≦Γ≦
1)、r51は電気光学定数である。
【0023】屈折率NTE,NTMは温度に依存するので、
温度分布があれば、(4)式から明らかなように結合係
数κが光伝播方向の位置によって異なる。したがって、
光伝播方向の温度を、例えば方向性結合器の形状の最適
化に用いられている窓関数(ハミング関数、ハニング関
数、ブラックマン関数、シンク関数など)に則した割合
で変化させることにより、波長選択特性を最適化するこ
とができる。
【0024】
【実施例】図1は第1実施例のモード変換器1の構成を
示す模式図であり、図1(b)は図1(a)のB−B矢
視断面図(端面図)である。
【0025】モード変換器1は、電気光学材料からなる
基板11、光導波路12、光導波路12に電界を印加す
るための櫛形電極13、光導波路12を加熱するための
チューニング電極14、及び絶縁層15から構成されて
いる。
【0026】モード変換器1では、基板11として、Z
カットのLiNbO3 (ニオブ酸リチウム)結晶が用い
られている。基板11の外形寸法は、例えば5mm
(X)×30mm(Y)×1mm(Z)である。
【0027】光導波路12は、基板11の結晶構造にお
けるY方向に延びる単一モード直線導波路であり、基板
11の表層部(−Z方向の表面)に形成されている。櫛
形電極13は、光導波路12の光伝播方向(Y方向)に
沿って一定のピッチΛで配列された多数の電極指(櫛歯
部)13aと、各電極指13aの一端を繋ぐ連結導体部
13bとからなる。この櫛形電極13は、光導波路12
と重ならないように配置されている。
【0028】また、チューニング電極14は、光伝播方
向に等間隔に配列された電極片14aと、光導波路12
に沿って延びる一対の連結導体部14bとから構成され
た2層構造の導電性薄膜である。平面視において、チュ
ーニング電極14は、例えば梯子をその各段の中間部を
折り目として二つ折りしたような形状にパターニングさ
れている。
【0029】各電極片14aは、L字状の下層片141
と直線状の上層片142とからなり、光導波路12を挟
んで櫛形電極13の各電極指13aと対向するように配
置されている。下層片141と上層片142とは、光導
波路側の先端部どうしの重ね合わせによって一体化され
ている。
【0030】一方の連結導体部14bは電極片14aの
下層片141の一端どうしを繋ぎ、他方の連結導体部1
4bは電極片14aの上層片142の一端どうしを繋
ぐ。絶縁層15は、チューニング電極14の下層側と上
層側とを絶縁するために設けられている。
【0031】ここで、注目すべき点は、チューニング電
極14の平面視形状が、光導波路12内で光伝播方向に
沿って温度の変化する温度分布が生じるように選定され
ている点である。
【0032】すなわち、チューニング電極14の各連結
導体部14bは、光導波路12と平行ではなく、光伝播
方向の中央部が端部に比べて光導波路12に近づくよう
に湾曲している。それに伴って、チューニング電極14
の各電極片14aの長さは均等ではなく、光伝播方向の
中央部で最も短く且つ両端に近づくにつれて徐々に長く
なる。
【0033】本実施例においては、各電極片14aの長
さの変化は、(5)式で表されるハミング関数に則して
いる。ただし、この場合の(5)式の変数pは光伝播方
向の位置を示し、原点(p=0の位置)は櫛形電極13
における光伝播方向の中央位置である。
【0034】
【数2】
【0035】以上の構成のモード変換器1は、次の手順
で作製される。基板11の表面に蒸着によって厚さ10
00Åのチタン(Ti)膜を設け、その薄膜を幅が約7
μmの帯状にパターニングする。そして、湿潤酸素雰囲
気中で基板11を1050℃に加熱し、その状態を10
時間にわたって保持する熱拡散処理によって、光導波路
12を形成する。
【0036】導電材料からなる薄膜の成膜及びパターニ
ングによって、チューニング電極14の一部(下層片1
41及び一方の連結導体部14b)を形成する。導電材
料としては、各種の金属、又はモリブデンシリサイドな
どの非金属の発熱体材料を用いることができる。
【0037】続いて、例えばリフトオフ法によって、各
下層片141の先端部と連結導体部14bの一端とが露
出するように、二酸化珪素からなる厚さが0.5〜1μ
m程度の絶縁層15を形成し、必要に応じてアニール処
理を行う。
【0038】そして、再び導電材料からなる薄膜を成膜
してパターニングし、チューニング電極14の残りの部
分(上層片142及び他方の連結導体部14b)と櫛形
電極13とを同時に形成する。
【0039】このようにして作製されたモード変換器1
は、図示しない適当な金属製のハウジングに収納され
る。次に、モード変換器1の駆動方法及び動作について
説明する。
【0040】チューニング電極14の一対の連結導体部
14bは、電圧可変の電源52に接続される。これによ
って、チューニング電極14の電極片14aの両端間に
共通の電圧VH が印加され、電極片14aに電流が流れ
て電極片14aが発熱する。そして、熱伝導によって光
導波路12の温度が上昇する。つまり、チューニング電
極14によって光導波路12が加熱される。
【0041】このとき、上述したようにハミング関数に
則して各電極片14aの長さが設定されていることか
ら、各電極片14aにおける両端間の抵抗値は、光伝播
方向の端部から中央部へ向かうにつれて小さくなる。そ
の結果、光伝播方向の中央部の発熱量が端部に比べて大
きく、図2に示すように光伝播方向の中央部から端部へ
向かうにつれて温度が徐々に低くなる温度分布が光導波
路12内に生じる。
【0042】電源52は、電圧VH の中点電位が接地電
位となるように構成されている。したがって、各電極片
14aにおける中央位置の電位、すなわち一端からの距
離が全長の半分である位置の電位は、ほぼ接地電位とな
る。
【0043】電圧VH を変化させて光導波路12の温度
を制御することによって、光導波路12の屈折率を変化
させてモード変換の選択波長λiを調整することができ
る。熱光学効果によると、僅かな温度変化で大きな屈折
率変化を得ることができるので、電圧VH の最大値が1
0〜20V程度であっても、実用に充分な波長可変幅Δ
λを得ることができる。
【0044】一方、櫛形電極13の連結導体部13b
は、一定の電圧VMCを出力する電源51と接続される。
これによって、各電極指13aは、接地電位との電位差
が電圧VMCに等しい状態に保たれる。
【0045】チューニング電極14の電極片14aの中
央位置の電位が接地電位であることから、光導波路12
を挟んで対向する電極指13aと電極片14aとの間
に、電圧VMCに対応したx方向の電界が発生する。つま
り、光導波路12内に、光伝播方向の周期的な電界分布
が生じる。
【0046】光導波路12内を伝播する光は、電界を通
過する毎に偏光方向が電界強度に応じた角度だけ回転す
る。したがって、櫛形電極13の電極長Lに応じて電圧
MCを設定すれば、選択波長λiの光に対するTEモー
ドとTMモードとの間のモード変換を実現することがで
きる。
【0047】図3はモード変換器1の波長選択特性を示
す図である。図3の特性は、アルファーネスらによって
提唱された計算法(R.C.ALFERNESSand PETER S.CROSS,
"FILTER CHARACTERISTICS OF CODIRECTIONALLY COUPLED
WAVEGUIDES WITH WEIGHTED COUPLING",IEEE J.Quantum
Electron.,vol.QE-14,No.11,pp843-847,1978 参照)に
よるシュミレーションの結果を示している。図3の実線
は光導波路12にハミング関数に則した温度分布がある
場合の特性を示し、破線は光導波路12の温度(屈折
率)が一様な場合の特性を示している。シュミレーショ
ンのパラメータの値は表1のとおりであり、選択波長λ
iは1.55μmに選定されている。
【0048】
【表1】
【0049】図3において、温度分布がある場合には、
波長1.55μmのメインピークの出力レベルに対し
て、波長1.5525μmのサイドピークの出力レベル
は−29dBである。しかし、温度が一様である場合に
は、波長1.5517μmのサイドピークの出力レベル
は−9dBである。つまり、光導波路12の温度を光伝
播方向に沿って変化させることにより、波長選択性を大
幅に改善できることが判る。
【0050】図4は第2実施例のモード変換器2の構成
を示す模式図であり、図4(b)は図4(a)のB−B
矢視断面図(端面図)である。モード変換器2は、Zカ
ットのLiNbO3 結晶からなる基板21、基板21の
表層部に形成された光導波路22、光導波路22に電界
を印加するための櫛形電極23、光導波路22を加熱す
るためのチューニング電極24、及び絶縁層25から構
成されている。
【0051】モード変換器2においては、基板21の上
に櫛形電極23及びチューニング電極24を形成する以
前の段階で、基板21の表面に光伝播方向に延びる2つ
の溝28,29がエッチングによって形成されており、
これら溝28,29の間に光導波路22が配置されてい
る。
【0052】溝28,29の幅は一定ではなく、光伝播
方向に沿って変化する。すなわち、基板21における溝
28,29で挟まれた表層部分21aの幅(X方向の長
さ)wが、光伝播方向の中央付近で狭く且つ両端に近づ
くにつれて徐々に広くなるように、溝28,29の幅が
選定されている。
【0053】櫛形電極23は、光導波路22の光伝播方
向(本例ではY方向)に沿って一定のピッチΛで配列さ
れた多数の電極指23aと、各電極指23aの一端を繋
ぐ連結導体部23bとからなる。
【0054】チューニング電極24は、梯子状の下層部
24aと櫛形の上層部24bとからなり、上層部24b
の櫛歯の先端が下層部24aに接合した2層構造の導電
性薄膜である。このチューニング電極24は、直線部分
241が溝28と光導波路22との間を通るように配置
されている。直線部分241は、下層部24aの内の光
伝播方向に延び且つ上層部24bと接する部分である。
なお、絶縁層25は、下層部24aと上層部24bとを
絶縁するために設けられている。
【0055】モード変換器2の使用に際しては、チュー
ニング電極24に対して電源62によって電圧VH を印
加する。電源62は電圧可変であり、電圧VH の中点電
位が接地電位となるように構成されている。
【0056】電圧VH の印加によって、チューニング電
極24が発熱し、光導波路12が加熱される。このと
き、チューニング電極24の直線部分241の発熱量は
光伝播方向の位置に係わらずほぼ均一であるが、光導波
路22の周辺の熱容量が基板21の表層部分21aの幅
wに応じて変化することから、光導波路22内におい
て、光伝播方向の中央部から端部へ向かうにつれて温度
が徐々に低くなる温度分布が生じる。
【0057】一方、櫛形電極23に対して電源61によ
って電圧VMCを印加すると、チューニング電極24の直
線部分241の電位がほぼ接地電位であることから、光
導波路22を挟んで対向する櫛形電極23と電極片24
aとの間にx方向の電界が効果的に発生し、光導波路2
2に光伝播方向に沿った周期的な電界分布が生じる。
【0058】このような電界の印加によって選択波長λ
iの光に対するモード変換が行われる。選択波長λi
は、電圧VH を変化させて光導波路22の温度を調整す
ることによって所望値に設定される。
【0059】モード変換器2においては、溝28,29
によって上述の例と同様の適切な温度分布が得られ、そ
れによって波長選択特性の良好なモード変換を実現する
ことができる。
【0060】図5は第3実施例のモード変換器3の構成
を示す模式図である。図5(b)は図5(a)のB−B
矢視断面図(端面図)であり、図5(c)は図5(b)
のC−C矢視断面図(端面図)である。
【0061】モード変換器3は、XカットのLiNbO
3 結晶からなる基板31、基板31の表層部に形成され
た光導波路32、金属薄膜からなる2つの梯子形電極3
3,34、絶縁層35、及びバッファ層36から構成さ
れている。
【0062】各梯子形電極33,34は、それぞれの電
極片33a,34aが光伝播方向(Y方向)に交互に並
ぶように、且つ電極片33a,34aの中央部が光導波
路32と重なるように配置されている。
【0063】絶縁層35は、梯子形電極33,34を絶
縁するために設けられている。また、バッファ層36
は、光導波路32と梯子形電極33,34との接触によ
る光吸収を防止するために設けられている。
【0064】モード変換器3の作製に際しては、チタン
の熱拡散によって光導波路32を形成し、バッファ層3
6と梯子形電極34とを順に設ける。そして、光導波路
32を覆わないように、光導波路32の両側に絶縁層3
5を設け、その後に梯子形電極33を形成する。
【0065】モード変換器3においては、光導波路32
内に所定の温度分布が生じるように、絶縁層35がパタ
ーニングされている。すなわち、絶縁層35の幅(Z方
向の長さ)が、光伝播方向の中央付近で狭く且つ両端に
近づくにつれて徐々に広くなるように、絶縁層35の平
面形状が選定されている。絶縁層35の幅が狭い部分
は、絶縁層35の幅が広い部分に比べて、断面積が小さ
く単位体積当たりの熱容量が小さいので、温度が上昇し
やすい。
【0066】梯子形電極34を電圧可変の電源72に接
続し、梯子形電極34の各電極片34aの両端間に共通
の電圧VH1を印加すると、各電極片34aが均等に発熱
する。電源72は、電圧VH1の中点電位が接地電位とな
るように構成されているので、各電極片34aにおける
中央位置の電位が、ほぼ接地電位となる。電圧VH1を変
化させて光導波路32の温度を制御することによって、
光導波路32の屈折率を変化させることができる。
【0067】また、梯子形電極33を電圧可変の電源7
3に接続し、梯子形電極33の各電極片33aの両端間
に共通の電圧VH2を印加すると、各電極片33aが均等
に発熱する。このとき、各電極片33aにおける中央位
置の電位が、ほぼ電圧VH2の中点電位となる。電圧VH2
を変化させて光導波路32の温度を制御することによっ
て、光導波路32の屈折率を変化させることができる。
【0068】つまり、モード変換器3では、梯子形電極
33と梯子形電極34との両方によって光導波路32を
加熱し、光導波路32の屈折率を効率的に変化させてモ
ード変換の選択波長λiを調整することができる。
【0069】一方、一定の電圧VMCを出力する電源71
によって、電圧VH1の中点電位を接地電位からシフトさ
せると、光導波路32の近傍において、梯子形電極33
の電極片33aと梯子形電極34の電極片34aとの間
に電圧VMCが加わる。これにより、図5(C)に破線で
示すようにX方向(基板31の厚さ方向)の電界が発生
し、光導波路32において光伝播方向に沿った周期的な
電界分布が生じる。そして、このような電界の印加によ
って選択波長λiの光に対するモード変換が行われる。
【0070】モード変換器3においては、絶縁層35の
幅の設定によって上述の例と同様の適切な温度分布が得
られ、それによって波長選択特性の良好なモード変換を
実現することができる。
【0071】なお、梯子形電極33の電極片33aに加
熱用の電流を流すことなく、梯子形電極33を電界印加
のみに用いてもよい。また、梯子形電極33を光導波路
32の加熱に用い、梯子形電極34を電界印加に用いて
もよい。
【0072】図6は第4実施例のモード変換器4の断面
図である。図6においては、図1(b)に対応した構成
要素には同一の符号を付してある。モード変換器4の構
成は、図1のモード変換器1と基本的には同一である。
ただし、モード変換器4では、最上層として、SiO2
などの熱伝導率の小さい約1μmの厚さの絶縁膜層17
が設けられている。この絶縁膜層17によって蓄熱効果
が発揮され、光導波路12の加熱が効果的に行われるの
で、電源52の消費電力の低減を図ることができる。
【0073】上述の実施例によれば、チューニング電極
14の形状、溝28,29の形状、又は絶縁層35の形
状といった平面形状の設定によって、光導波路12,2
2,32に適切な温度分布を生じさせるようにしたの
で、膜厚や材質を変化させて温度分布を生じさせる場合
に比べて、滑らかに変化する温度分布の実現が容易であ
る。
【0074】上述の図4及び図5の実施例において、図
6の例と同様に蓄熱のための被覆を施し、光導波路2
2,32の加熱の効率化を図ることができる。図1の実
施例において、チューニング電極14の膜厚又は材質を
変化させることによって、チューニング電極14の発熱
量を光伝播方向に沿って変化させてもよい。
【0075】上述の実施例においては、ハミング関数に
則した温度分布を生じさせるものとして説明したが、ハ
ミング関数以外の窓関数(ハニング関数、ブラックマン
関数、シンク関数など)及び他の適切な関数に則した温
度分布を生じさせて、波長選択特性を最適化してもよ
い。
【0076】上述の実施例において、基板材料として、
LiNbO3 以外の種々の電気光学材料を用いることが
できる。電極構造は、用途及び基板の材質などに応じて
適宜選定すればよい。その他、モード変換器1〜4の構
成(形状、寸法、材質)、電源との接続形態などは、本
発明の主旨に沿って種々変更することができる。
【0077】
【発明の効果】請求項1乃至請求項7の発明によれば、
簡単な構成によって熱光学効果を利用し、低い電圧によ
って大きい波長可変幅を得ることができ、しかも波長選
択性の向上を図ることができる。
【0078】請求項6の発明によれば、光導波路の加熱
を効果的に行い、消費電力の低減を図ることができる。
請求項7の発明によれば、発熱体を光導波路に対する加
熱と電界印加とに兼用するので、電極構造の簡単化を図
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例のモード変換器の構成を示す模式図
である。
【図2】光導波路の温度分布の一例を示す図である。
【図3】モード変換器の波長選択特性を示す図である。
【図4】第2実施例のモード変換器の構成を示す模式図
である。
【図5】第3実施例のモード変換器の構成を示す模式図
である。
【図6】第4実施例のモード変換器の断面図である。
【図7】従来のモード変換器の構成を示す図である。
【符号の説明】
1,2,3,4 モード変換器(光機能デバイス) 11,21,31 基板 12,22,32 光導波路 13,23 櫛形電極(電界分布を生じさせるための電
極) 14,24 チューニング電極(発熱体) 17 絶縁層(発熱体を被覆する絶縁層) 28,29 溝 33 梯子形電極(電界分布を生じさせるための電極) 34 梯子形電極(発熱体) 241 直線部分(溝と光導波路との間の発熱体) 35 絶縁層

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光導波路が形成された電気光学材料からな
    る基板の上に、前記光導波路内に周期的な電界分布を生
    じさせるための電極が配置されてなる光機能デバイスで
    あって、 前記光導波路を加熱するための発熱体を有しており、 前記発熱体による加熱時の前記光導波路内で、光伝播方
    向に沿って温度の変化する温度分布が生じるように構成
    されてなることを特徴とする光機能デバイス。
  2. 【請求項2】前記発熱体による加熱時の前記光導波路内
    で、光伝播方向に沿って窓関数に則した割合で温度の変
    化する温度分布が生じるように構成されてなることを特
    徴とする請求項1記載の光機能デバイス。
  3. 【請求項3】光導波路が形成された電気光学材料からな
    る基板の上に、前記光導波路内に周期的な電界分布を生
    じさせるための電極が配置されてなる光機能デバイスで
    あって、 前記光導波路を加熱するための熱源として、光伝播方向
    に沿って発熱量の変化する発熱体が前記基板の上に配置
    されてなることを特徴とする光機能デバイス。
  4. 【請求項4】光導波路が形成された電気光学材料からな
    る基板の上に、前記光導波路内に周期的な電界分布を生
    じさせるための電極が配置されてなる光機能デバイスで
    あって、 前記基板の表面に前記光導波路に沿って延び且つ幅の変
    化する溝が設けられ、 前記溝と前記光導波路との間に発熱体が配置されてなる
    ことを特徴とする光機能デバイス。
  5. 【請求項5】光導波路が形成された電気光学材料からな
    る基板の上に、前記光導波路内に周期的な電界分布を生
    じさせるための電極が配置されてなる光機能デバイスで
    あって、 前記光導波路を加熱するための発熱体を有しており、 前記基板の表面に前記光導波路に沿って延び且つ幅の変
    化する帯状の絶縁層が設けられてなることを特徴とする
    光機能デバイス。
  6. 【請求項6】前記光導波路及び発熱体が、絶縁層によっ
    て被覆されてなることを特徴とする請求項1乃至請求項
    5のいずれかに記載の光機能デバイス。
  7. 【請求項7】請求項1又は請求項2記載の光機能デバイ
    スの駆動方法であって、 前記発熱体に電流を流して前記光導波路を加熱し、光導
    波路内に光伝播方向に沿って温度の変化する温度分布を
    生じさせた状態で、前記発熱体と前記電極との間に電圧
    を印加して前記電界分布を生じさせることを特徴とする
    光機能デバイスの駆動方法。
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