JPH08211198A - 中性子反射鏡 - Google Patents

中性子反射鏡

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JPH08211198A
JPH08211198A JP7018254A JP1825495A JPH08211198A JP H08211198 A JPH08211198 A JP H08211198A JP 7018254 A JP7018254 A JP 7018254A JP 1825495 A JP1825495 A JP 1825495A JP H08211198 A JPH08211198 A JP H08211198A
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JP
Japan
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neutron
reflectance
substrate
refractive index
supermirror
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JP7018254A
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Takayuki Akiyama
貴之 秋山
Wakana Wasa
若菜 和佐
Shinichi Hiraki
信一 平木
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Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 中性子スーパーミラーや中性子モノクロメー
ター等の中性子を反射する多層膜で構成される中性子反
射鏡において、再現性の良い中性子反射鏡を得ることを
目的とする。 【構成】 本発明は、基板上に2種類の屈折率が異なっ
た物質を成膜された中性子を反射する中性子反射鏡にお
いて、その基板の表面粗さが0.7nm以下であること
とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、広い波長域の中性子を
反射する中性子スーパーミラーや特定波長の中性子のみ
を反射する中性子モノクロメーター等の中性子反射鏡に
関する。
【0002】
【従来の技術】中性子の波動的性質(λ=0.1〜1n
m)を利用した光学素子として、中性子に対し、高屈折
率物質{例えば、マンガン(Mn)、チタン(Ti)、
バナジウム(V)、ケイ素(Si)}と低屈折率物質
{例えば、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)}を用い、こ
れらの交互層からなる非等厚多層膜が基板上に形成され
た中性子スーパーミラーや、中性子に対する高屈折率物
質と低屈折率物質との交互層からなる等厚多層膜が基板
上に形成された中性子モノクロメーター等の中性子反射
鏡が知られている。これらの中性子反射鏡は、中性子回
折装置や中性子導管に使用されている。
【0003】特に、中性子導管における中性子反射鏡
は、過去にはニッケル(Ni)の薄膜を形成して反射鏡
が製作されていたが、現在においては屈折率の異なる2
種類の物質を用い、これらの非等厚多層膜の中性子スー
パーミラーへと変わってきている。この中性子スーパー
ミラーとして用いる薄膜物質としては、中性子に対する
高屈折率物質としてTi(チタン)、低屈折率物質とし
てNi(ニッケル)を用いたものが代表的である。
【0004】ところで、従来の中性子スーパーミラーの
一例として、高屈折率物質としてチタン(Ti)、低屈
折率物質としてニッケル(Ni)を用い、これらの物質
を交互に合計94層成膜して得られた非等厚多層膜であ
る中性子スーパーミラーの概略図を図4に示した。そし
て、この中性子スーパーミラーの反射率を図5で示し
た。この図5における中性子の入射条件は、成膜された
多層膜から0.01radの角度入射されたときの反射
率を示している。この図5では、縦軸に反射率を、横軸
は中性子の波長を表している。また、細線で示された曲
線はこの中性子スーパーミラーでの理論上の反射率を示
した曲線であり、実線は実際に製作された中性子スーパ
ーミラーの反射率の実測値である。
【0005】この図5が示す様に、理論上の反射率と実
際に製作された中性子スーパーミラーの反射率とは、大
きな隔たりがあり実際製作された中性子スーパーミラー
の反射率が悪いことがわかる。また、実際に製作された
従来の中性子スーパーミラーは、反射率の再現性がわる
いこともこの図5からわかる。ところで、中性子スーパ
ーミラーを利用した製品として中性子導管というものが
ある。これはある中性子源から各種実験機器等へ中性子
をほぼ損失なく導くためのものである。これは平板状の
ガラス基板上に形成された中性子スーパーミラーを内側
にして、それぞれ4枚を張り合わせて四角柱状にしたも
ので、中性子源から取り出された中性子は、中性子導管
内側のスーパーミラーにより全反射を繰り返しながら所
定の機器へと導かれる。完成時の中性子導管の全長は通
常30m以上にも達する。
【0006】よって、中性子導管の低損失化のため、中
性子導管に用いる中性子スーパーミラーに対して、反射
率が高く、そして反射率の再現性の良い中性子スーパー
ミラーが必要となり、これらの改善は中性子導管に使用
する中性子スーパーミラーの作製のために急務であっ
た。ところで、ある波長の中性子のみを反射する中性子
モノクロメーターというものがあるが、これは、中性子
スーパーミラーと同様に高屈折率物質と低屈折率物質を
交互に成膜し、各膜厚は同じものである。この中性子モ
ノクロメーターも、理論上、成膜した膜数を増加するこ
とによって、反射率は向上するが、実際に製作された中
性子モノクロメーターは、ある膜数以上成膜しても、反
射率が向上しない。現在では、高い反射率を有する中性
子モノクロメーターが要求されており、高い反射率を有
する中性子モノクロメーターが必要となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上の様に従来の中性
子スーパーミラーや中性子モノクロメーターでは、同じ
設計で製作したものについてそれぞれ反射率を計測する
と、反射率にかなり大きなばらつきが生じ、再現性が悪
かった。特に、中性子導管等中性子スーパーミラーや中
性子モノクロメーターを多数使う製品には、この再現性
の悪さによって所望の性能を有した製品を効率よく供給
することが難しくなり、また、なかには極端に反射率が
悪い中性子スーパーミラーが混在してしまい、損失の少
ない中性子導管が得られないと言う問題点があった。
【0008】よって、本発明の目的は、中性子スーパー
ミラーや中性子モノクロメーター等の中性子を反射する
多層膜で構成される中性子反射鏡において、再現性の良
い中性子反射鏡を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】課題を解決するために本
発明は、基板上に2種類の屈折率が異なった物質を成膜
された中性子を反射する中性子反射鏡において、基板の
表面粗さが0.7nm以下であることとした(請求項1
の発明)。更に、その2種類の屈折率が異なった物質と
は、高屈折率物質としてチタンまたはチタンと非金属の
化合物、低屈折率物質としてニッケルまたはニッケルと
非金属の化合物を用いたこととした(請求項2の発
明)。以上の手段により、上記問題点を解決できること
を見いだし本発明に至った。
【0010】
【作用】中性子反射の原理に基づき、多層膜を構成する
物質が中性子を吸収しない物質であれば、充分な層数を
積層すれば反射率100%を達成できることを本発明者
らは数値計算により確認している。しかしながら、実際
に製作された中性子スーパーミラーは、中性子の反射率
が計算値より低かった。よって、本発明者等はこの反射
率が低くなる原因を追求していった結果、その原因は形
成した多層膜の不完全性にあるとの結論に至った。理想
的な中性子スーパーミラーは、完全平滑な基板上に、完
全平滑な界面を持つ多層膜が形成されたものであり、か
つ、理想的な結晶構造を有した物質から膜が完成されて
いるということが前提になっている。このことから不完
全性とは、特に非常に微小な多層膜界面粗さと多層膜中
のそれぞれの層の中に存在する欠陥が、中性子スーパー
ミラーの反射率を低下させている原因と考え、よって、
本発明者らは透過電子顕微鏡によって多層膜の断面観察
を行った。
【0011】従来の中性子スーパーミラーにおいて、反
射率の比較的高い中性子スーパーミラーと反射率が低い
中性子スーパーミラーとをサンプルとし、その多層膜の
断面観察を行い、比較した結果、本発明者らは、以下の
事を見出した。反射率が比較的高い中性子スーパーミ
ラーと反射率が低い中性子スーパーミラーのどちらと
も、成膜された層数が多くなればなるほど膜の界面粗さ
が増大する。膜の界面粗さの大きさは、反射率の低い
中性子スーパーミラーの方が大きい。ということであ
る。
【0012】以上のことが発生する原因について、発明
者らは、次に通りに考察した。多層膜における膜の界面
の粗さの大きさは、基板表面の粗さの大きさより小さく
なることはないと言う現象がある。よって、基板の粗さ
が大きいと、それに成膜された膜の界面は必然的に大き
くなり、成膜する膜数が多くなるにつれて更に段々と膜
の界面粗さが増大してしまう。よって、基板の粗さが大
きいか、小さいかによって膜の界面粗さが大きくなった
り、小さくなったりする。よって以上のことから、膜の
界面の粗さを小さくすることは、基板の表面粗さを小さ
くすることによって解消されることを見いだした。
【0013】以上の考察より、本発明者等は、中性子ス
ーパーミラーに基板として用いられるフロート基板の表
面粗さの大きさを測定した。測定の結果、表面粗さの値
は0.2〜1.2nmの間でばらついていることがわか
った。また、次に表面粗さが、0.5nm、0.7n
m、1nmの表面粗さを持つフロート基板を選択し、こ
れらの基板に中性子スーパーミラーを形成して反射率を
測定したところ、同一の表面粗さを有する基板に成膜し
た中性子スーパーミラーは、ほぼ同一の反射率特性を示
した。また、基板の表面粗さが小さい基板ほど高い反射
率を示した。また、1nmの表面粗さを持つ基板を用い
た中性子スーパーミラーは、0.7nmの表面粗さを持
つ基板を用いた中性子スーパーミラーや0.5nmの表
面粗さを持つ基板を用いた中性子スーパーミラーと比べ
て、短波長域の反射率が極端におちてしまう。また、
0.5nmの表面粗さを持つ基板を用いた中性子スーパ
ーミラーや0.7nmの表面粗さを持つ基板を用いた中
性子スーパーミラーの反射率を見ると、さほど反射率が
低下していなかった。この様に0.7nm以下の表面粗
さを有した基板に中性子スーパーミラーを製作したもの
であったら、良好な反射率を得ることができる。
【0014】以上のことは、特定の波長の中性子のみを
反射する中性子モノクロメーターにとっても、再現性の
良い中性子モノクロメーターを製作することに利用でき
る。また、0.7nm以下の表面粗さを有した基板に中
性子モノクロメーターを製作することで飽和反射率を上
げられることは飽和反射率が低い理由と中性子スーパー
ミラーの反射率が低下する原因とは同様なので自明であ
る。
【0015】また、本発明者らは、高屈折率物質と低屈
折率物質とを成膜する際に、反応性物理成膜法を用いて
成膜した。これらは特に、反応性真空蒸着法、反応性ス
パッタ法、反応性イオンプレーティング法がある。これ
らの方法は、高屈折率物質や低屈折率物質を抵抗加熱や
電子ビーム、プラズマによって溶融・蒸発させるか、ま
たは、スパッタリング法により蒸発させる。そして、蒸
発した高屈折率物質や低屈折率物質を真空容器内中に飛
ばして、それぞれの物質を成膜する方法である。本発明
は、この方法を用いて、中性子スーパーミラー用の高屈
折率物質と低屈折率物質とを成膜し、所望の膜数になる
まで、繰り返し成膜した。
【0016】以下、実施例により、本発明をより具体的
に説明する。しかしながら、本発明は、これに限られる
ものではない。
【0017】
【実施例】図1は、本発明の一実施例である中性子スー
パーミラーの概略断面図である。基板1に表面粗さが
0.7nm以下であるフロートガラスを用い、多層膜2
には高屈折率物質としてチタン(Ti)、低屈折率物質
としてニッケル(Ni)を用い、TiとNiとの交互層
からなる非等厚多層膜を成膜した。
【0018】これらTiとNiの膜構成は、基板/Ti
/Ni/・・・/Ti/Ni/空気、である。多層膜の
膜厚分布tj は、
【0019】
【数1】
【0020】に従って算出した。ちなみに数1の式に示
されたj とは、空気から基板へと膜の順番を数えた場合
の膜の配列順番を示している。この数1の式からわかる
ように、Ti層の膜厚は、最小の約7nmから最大25
nmの膜厚を形成させており、空気に近い層から、基板
に向かって順番に膜厚が減少して行く。また、Ni層の
膜厚については、最小の約8nmから最大70nmの膜
厚を形成させており、Tiと同様に順番に膜厚が減少し
て行く。これらのTi膜とNi膜の膜層数は、両層あわ
せて94層設けた。
【0021】以上の様に設計された中性子スーパーミラ
ーの全反射の臨界波長は、中性子の入射角が0.01ラ
ジアンの場合、0.3nmである。ところで、Ni単層
膜で製作された中性子ミラーの全反射の臨界波長は、同
条件では、0.6nmなので、本実施例の中性子スーパ
ーミラーは、格段に広い波長範囲の中性子を反射するこ
とができることがわかる。
【0022】また、入射する中性子の波長を0.6nm
とした場合は、本実施例の中性子スーパーミラーの全反
射の臨界角は、0.03ラジアンである。比較例とし
て、Ni単層膜で作成された中性子ミラーの全反射臨界
角は0.01ラジアンとなるので、高角度で中性子を入
射することができるがわかる。次に本実施例における中
性子スーパーミラーの成膜法について説明する。
【0023】最初に、真空蒸着用真空チャンバー内にフ
ロートガラス基板を載置し、また、蒸着物質のTiおよ
びNiを載置する。次に、真空チャンバー内を高真空に
するため、各種真空ポンプを駆動して到達真空度まで気
圧を下げる。十分に到達真空度まで気圧を下げた後は、
電子銃を駆動して、蒸着物質のTiを溶融・蒸発させ、
所望の膜厚になるまでフロートガラス基板に蒸着させ
る。Tiが所望の膜厚まで蒸着されたら、蒸着物質のT
iの溶融を止めて、次に、もう一方の蒸着物質のNiの
溶融を開始する。そして、所望の膜厚になるまで蒸着さ
せる。そして、Niが所望の膜厚まで蒸着されたら、N
iの溶融を止める。そして、再びTiの溶融を開始す
る。この様に蒸着物質のTiまたはNiの溶融を繰り返
し行うことによって、所望の膜数まで蒸着し、中性子ス
ーパーミラーを製造する。
【0024】ところで、本実施例の中性子スーパーミラ
ーを製造する際の成膜条件は、以下のようであった。 到達真空度 3×10-7Torr 成膜真空度 3×10-7Torr 基板 研磨したフロートガラス(表面粗さ0.7nm以下) 基板加熱 無加熱(蒸発源からの輻射熱による温度上昇あり) 蒸着材料 金属Ti(純度99.9%以上) 金属Ni(純度99.9%以上) 蒸発源方式 電子衝撃加熱法 図2は、本実施例の中性子スーパーミラーの設計値によ
る反射率と本実施例に基づいて製作したと中性子スーパ
ーミラーを複数個について反射率の実測値を示した。従
来の中性子スーパーミラーとの反射率を示している図5
と比較すると、問題となっていた反射率のばらつきが改
善され、なおかつ、反射率の低下が著しく改善されてい
ることがわかる。このことから、基板の表面粗さを0.
7nm以下にすることによって、中性子スーパーミラー
の反射率を十分に高めることが出来、そして、反射率が
ほぼ均一な中性子スーパーミラーを無駄なく製造でき
る。次に、中性子スーパーミラーに対する中性子の入射
角は、ミラー表面から計って0.01ラジアンに固定し
た場合の臨界波長を測定した。
【0025】この角度で中性子を入射させると、Ni膜
のみで形成された中性子ミラーの場合の臨界波長は、
0.6nmとなるが、本実施例での中性子スーパーミラ
ーは、0.6nmより短い波長域においても中性子を反
射することができ、本実施例での中性子スーパーミラー
の反射の臨界波長は0.3nmにもなった。また、以上
のことから、本実施例での中性子スーパーミラーの反射
の臨界角は、Ni単層膜で形成された中性子ミラーの臨
界角の2倍であるを有していることがわかる。
【0026】この様に本実施例では、臨界波長より長い
波長域において、反射率が低下することがない中性子ス
ーパーミラーを作成することが出来た。この中性子スー
パーミラーを用いて、中性子導管を製造すれば、中性子
の損失が少ない中性子導管が得られることが出来る。 (比較例)次に、基板して使用したフロートガラス基板
の表面粗さが0.5nmの基板と、0.7nmの基板
と、1.0nmの基板とを用いて、それぞれの基板上に
上記実施例と同じ構成で成膜して中性子スーパーミラー
を製作した。そして、これら製作した中性子スーパーミ
ラーの反射率を計測した。その結果を図3に示した。こ
の図3で使用された線は次の意味を有している。一点鎖
線で示した線は、表面粗さが0.5nmの基板で製作し
た中性子スーパーミラーの反射率を示した線である。そ
して太線で示した線は、表面粗さが0.7nmの基板で
作成した中性子スーパーミラーの反射率を示した線であ
る。そして、点線で示した線は、表面粗さが1.0nm
の基板で製作した中性子スーパーミラーの反射率を示し
た線である。ちなみに、細線で示した線は、上記実施例
と同じ構成で成膜した中性子スーパーミラーの反射率の
設計値である。
【0027】この図3から解るように、表面粗さが1.
0nmの場合、反射率が明らかに低いことがわかる。そ
して、表面粗さが0.7nmの場合や表面粗さが0.5
nmの場合では、表面粗さが1.0nmの場合と比べ
て、高い反射率を示していることがわかる。そして、表
面粗さが0.7nmのものと0.5nmのものとでは、
反射率があまり変わっていないことがわかる。
【0028】以上のことから、基板の表面粗さが粗くと
も0.7nm以下の基板を使用して中性子スーパーミラ
ーを製作すれば、十分に高い反射率を有した中性子スー
パーミラーを得ることが出来ることがわかる。また、表
面粗さが0.7nm以下のものを選択して中性子スーパ
ーミラーを製作すれば、中性子反射率の再現性が良いこ
とがわかる。
【0029】ところで、本実施例では、高屈折率物質と
してチタン、低屈折率物質としてニッケルを用いたが、
他には、高屈折率物質として酸化チタンや窒化チタンを
用いても構わず、また、低屈折率物質して酸化ニッケル
や窒化ニッケルを用いてもいっこうに構わない。チタン
やニッケルの化合物は、その結晶粒が比較的小さいた
め、膜の界面粗さが大きくならない。よって、これらの
物質を中性子スーパーミラーや中性子モノクロメーター
の膜物質として使用すると、更に反射率が向上する。
【0030】
【発明の効果】以上より、0.7nm以下の表面粗さを
持つ基板を用いることにより、高反射波長帯域での反射
率の再現性が良い中性子スーパーミラーや、飽和反射率
の再現性が良い中性子モノクロメーターが提供できる。
特に、この中性子スーパーミラーは、中性子導管等の応
用に最適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】:本実施例における中性子スーパーミラーの断
面図である。
【図2】:本実施例における中性子スーパーミラーの中
性子反射率再現特性を表した図である。
【図3】:基板の粗さを変えた場合の中性子反射率を比
較した図である。
【図4】:従来の中性子スーパーミラーの断面図であ
る。
【図5】:従来の中性子スーパーミラーの中性子反射率
再現特性を表した図である。
【符号の説明】
1 0.7nm以下の表面粗さを有したフロートガラス
基板 2 従来のフロートガラス基板 3 TiとNiを成膜した合計94層を有した中性子ス
ーパーミラー

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に2種類の屈折率が異なった物質
    を成膜された中性子を反射する中性子反射鏡において、 前記基板の表面粗さが0.7nm以下であることを特徴
    とする中性子反射鏡。
  2. 【請求項2】 前記2種類の屈折率が異なった物質と
    は、高屈折率物質としてチタンまたはチタンと非金属の
    化合物、低屈折率物質としてニッケルまたはニッケルと
    非金属の化合物を用いたことを特徴とする請求項1記載
    の中性子反射鏡。
JP7018254A 1995-02-06 1995-02-06 中性子反射鏡 Pending JPH08211198A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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