JPH08210474A - ディファレンシャル装置 - Google Patents

ディファレンシャル装置

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Publication number
JPH08210474A
JPH08210474A JP7241935A JP24193595A JPH08210474A JP H08210474 A JPH08210474 A JP H08210474A JP 7241935 A JP7241935 A JP 7241935A JP 24193595 A JP24193595 A JP 24193595A JP H08210474 A JPH08210474 A JP H08210474A
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JP
Japan
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oil
oil groove
pinion gear
gear
center hole
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Pending
Application number
JP7241935A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiko Asahi
雅彦 朝日
Masao Teraoka
正夫 寺岡
Kenji Hiraishi
賢司 平石
Haruo Ogiwara
治夫 荻原
Yoshiyuki Yamazaki
禎之 山崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
GKN Driveline Japan Ltd
Original Assignee
Tochigi Fuji Sangyo KK
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Publication date
Application filed by Tochigi Fuji Sangyo KK filed Critical Tochigi Fuji Sangyo KK
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Publication of JPH08210474A publication Critical patent/JPH08210474A/ja
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H57/00General details of gearing
    • F16H57/04Features relating to lubrication or cooling or heating
    • F16H57/048Type of gearings to be lubricated, cooled or heated
    • F16H57/0482Gearings with gears having orbital motion
    • F16H57/0483Axle or inter-axle differentials

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Details Of Gearings (AREA)
  • Retarders (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピニオンギヤの端面、ギヤの噛み合い部、お
よび摺動部を充分に潤滑する。 【解決手段】 エンジンにより回転駆動されるデフケー
ス21と、デフケース21の内部に回転自在に支承され
た車輪側サイドギヤ39、41と、互いに噛み合ってギ
ヤ39、41を連結するピニオンギヤ61、63と、デ
フケース21に形成されギヤ61、63を摺動回転自在
に収納する収納孔57、59と、ギヤ61、63の端面
に形成されたセンター孔75及びこのセンター孔75か
ら歯先まで形成されたオイル溝77とを備えたことを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両に用いられる
ディファレンシャル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】特公昭63−14218号公報に、図1
8に示すようなディファレンシャル装置201が記載さ
れている。このディファレンシャル装置201におい
て、デフケース203を回転させるエンジンの駆動力
は、ヘリカルピニオンギヤ205、207からへリカル
サイドギヤ209、211を介して車輪に伝達される。
ピニオンギヤ205、207は、デフケース203の収
納孔213、215に摺動回転自在に収納されており、
ピニオンギヤ205、207の端面には、オイルを収容
する油凹部217、219、221、223が設けられ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のディファレンシ
ャル装置では、ピニオンギヤ205、207の端面が、
ヘリカルギヤの噛み合いスラスト力により、デフケース
203の壁面に押し付けられて密着状態で摺動する。従
って、この摺動部では、オイルがピニオンギヤ205、
207の径方向外側に押し出されると共に、密着状態と
なった油凹部217、219、221、223からのオ
イル出口が遮断されるため、オイル補給効果が悪く、潤
滑不足によって焼き付きやカジリを起こしやすい。又、
収納孔213、215の壁面やピニオンギヤ205、2
07の噛み合い部なども潤滑不足が生じやすい。特に、
発進時などは、高トルク、極低速で回転するので、デフ
ケース全体にオイルが回っていない状態での高摩擦の発
生により、一層潤滑不足の問題を起こしやすく、異音や
カジリを発生するおそれがある。
【0004】本発明は、ピニオンギヤの端面とデフケー
スとの間の密着状態となる摺動部、ギヤの噛み合い部、
及びピニオンギヤ収納孔とピニオンギヤ外周の摺動部等
における潤滑効果を高めることのできるディファレンシ
ャル装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明によるデ
ィファレンシャル装置は、エンジンの駆動力により回転
駆動される入力側のデフケースと、デフケースの内部に
回転自在に支承された一対の出力側のサイドギヤと、こ
れらのサイドギヤを連結するピニオンギヤと、デフケー
スに形成されピニオンギヤを摺動回転自在に収納する収
納孔と、ピニオンギヤの端面及びこれと摺動するデフケ
ース側壁面の少なくとも一方に形成されたオイル溝とを
備えたことを特徴とする。
【0006】このディファレンシャル装置では、前記オ
イル溝と摺動面との間にオイルが流入し、密着状態でも
潤滑作用をもたらす。よって、ピニオンギヤ端面での焼
き付きが防止されると共に、このオイルはピニオンギヤ
の収納孔や各ギヤの噛み合い部などを潤滑する。
【0007】請求項2の発明によるディファレンシャル
装置は、請求項1において、前記ピニオンギヤの端面及
びこれと摺動するデフケース側壁面の少なくとも一方
に、オイルを保持し前記オイル溝と連通するセンター孔
が設けられ、オイル溝がピニオンギヤの歯先まで形成さ
れていることを特徴とする。
【0008】このディファレンシャル装置では、センタ
ー孔が保持するオイルによってオイル溝のオイル供給効
果が更に高くなる。特にオイル溝がセンター孔から歯先
まで形成されているから、ピニオンギヤの歯先までの端
面全摺動面に潤滑油が行き渡ると共に、ピニオンギヤの
収納孔へのオイル補給効果が高まる。
【0009】請求項3の発明によるディファレンシャル
装置は、請求項1において、前記ピニオンギヤの端面及
びこれと摺動するデフケース側壁面の少なくとも一方
に、オイルを保持し前記オイル溝と連通するセンター孔
が設けられ、オイル溝がピニオンギヤの歯底まで形成さ
れていることを特徴とする。
【0010】このディファレンシャル装置では、センタ
ー孔が保持するオイルによってオイル溝のオイル供給効
果が更に高くなる。特に、オイル溝がセンター孔から歯
底まで形成されているから、ピニオンギヤ間の噛み合い
部やピニオンギヤとサイドギヤとの噛み合い部へのオイ
ル補給効果が高まる。
【0011】請求項4の発明によるディファレンシャル
装置は、請求項1〜3のいずれかにおいて、前記オイル
溝の深さに高低差が設けられていることを特徴とする。
【0012】このディファレンシャル装置では、オイル
溝の深さに高低差を設けたから、オイル溝を形成するこ
とでの強度低下を最小限に抑えながら、深い部分により
オイル保持力を高めることができる。よって、特に発進
時のような潤滑要求が高いのにオイル供給能力に難があ
る場合に有効性を発揮でき、異音やカジリの発生を防止
することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1、図2により本発明の一実施
形態を説明する。
【0014】図1は本発明を適用したディファレンシャ
ル装置7を示し、左右の方向はこの車両及び図1での左
右の方向である。
【0015】図1のように、ディファレンシャル装置7
の入力側のデフケース21は、ケーシング本体31とカ
バー33とを2本のボルト35で固定し、更にケーシン
グ本体31に抜け止めプレート37を4本のボルトで固
定して形成されている。デフケース21の内部には、左
右の出力側ヘリカルサイドギヤ39、41が配置されて
いる。
【0016】各サイドギヤ39、41は中空のボス部4
3、45でデフケース21の軸支部47、49に支承さ
れている。左サイドギヤ39はボス部43を介して図示
外の左の出力軸にスプライン連結され、右サイドギヤ4
1はボス部45を介して図示外の右の出力軸にスプライ
ン連結されている。サイドギヤ39、41とデフケース
21との間には、それぞれワッシャ51、53が配置さ
れ、サイドギヤ39、41の間にもワッシャ55が配置
されている。
【0017】デフケース21には長短の収納孔57、5
9が周方向等間隔に4組形成されている。収納孔57、
59にはそれぞれ長短のヘリカルピニオンギヤ61、6
3が摺動回転自在に収納されている。
【0018】長いピニオンギヤ61は、第1、第2ギヤ
部65、67と、これらを連結する小径の軸部69とか
らなり、第1ギヤ部65は左のサイドギヤ39と噛み合
っている。又、短いピニオンギヤ63の第1ギヤ部71
は右のサイドギヤ41と噛み合い、第2ギヤ部73はピ
ニオンギヤ61の第2ギヤ部67と噛み合っている。
【0019】長いピニオンギヤ61の両端面(第1ギヤ
部65の左端と第2ギヤ部67の右端)及び短いピニオ
ンギヤ63の両端面には、図2に示すように、センター
孔75と、6本のスパイラル状のオイル溝77が形成さ
れている。各オイル溝77の一端はセンター孔75と連
通し、他端は各ギヤ部65、67、71、73の歯先ま
で延びている(請求項3の発明の特徴)。
【0020】図2はギヤ部65の端面を示している。セ
ンター孔75はピニオンギヤ61、63を旋盤加工する
際のチャック穴であり、各オイル溝77の一端はセンタ
ー孔75の接線方向に形成されている。
【0021】デフケース21には、ピニオンギヤ61の
収納孔57と連通する4個の開口79と、ケーシング本
体31と抜け止めプレート37との間の開口81が設け
られている。ディファレンシャル装置7が回転すると、
図示しないリングギヤによって図示しないデフキャリヤ
のオイル溜まりから撥ね上げられたオイルが、これらの
開口79、81からデフケース21に流出入する。
【0022】流入したオイルは、各ギヤの噛み合い部
と、収納孔57、59やワッシャ51、53、55等の
各摺動部を潤滑する。又、このオイルはピニオンギヤ6
1、63のセンター孔75に保持され、ピニオンギヤ6
1、63の回転に伴ってオイル溝77によリセンター孔
75から導き出される。ピニオンギヤ61、63の遠心
力はセンター孔75付近では大きくないが、オイル溝7
7がセンター孔75の接線方向に形成されているから、
オイルがセンター孔75から効率的に導出され、各潤滑
箇所へのオイル供給量が増える。
【0023】オイル溝77から供給されるオイルによっ
て、ピニオンギヤ61の両端面とデフケース21側の壁
面(ワッシャ51)及びカバー33と抜け止めプレート
37との間、及びピニオンギヤ63の両端面とデフケー
ス21側の壁面及びケーシング本体31と抜け止めプレ
ート37との間の摺動部が充分に潤滑され、焼き付きや
カジリが防止される。
【0024】又、ピニオンギヤ61、63の端面のオイ
ル溝77か歯先まで形成されているから、オイルはピニ
オンギヤ61、63とデフケース21の壁面及び抜け止
めプレート37との摺動部全面に供給されると共に、収
納孔57、59の内周壁面にも効果的に供給される。更
に、オイル溝77によって歯先まで運ばれたオイルは相
手側ギヤの歯底に供給されるから、ピニオンギヤ61、
63間の噛み合い部及びピニオンギヤ61、63とサイ
ドギヤ39、41の噛み合い部も充分に潤滑され、焼き
付きが防止される。
【0025】又、ワッシャ51(サイドギヤ39とデフ
ケース21間の摺動部)には、ピニオンギヤ61(ギヤ
部65)のオイル溝77からオイルが供給されて潤滑さ
れ、ワッシャ55(サイドギヤ39、41間の摺動部)
にはピニオンギヤ63(ギヤ部71)のオイル溝77か
らオイルが直接供給されて潤滑される。又、ワッシャ5
3(サイドギヤ41とデフケース21間の摺動部)には
収納孔57、59を介してオイルが供給されて潤滑され
る一方、ピニオンギヤ61、63の自転によリピニオン
ギヤ61、63の外周部のオイルを摺動部外側から中心
方向に引き込むことにより潤滑作用が高められる。
【0026】デフケース21を回転させるエンジンの駆
動力は、ピニオンギヤ61。63からサイドギヤ39、
41を介して左右の出力側に分配され、出力側間に駆動
抵抗差が生じると、ピニオンギヤ61、63の自転によ
ってエンジンの駆動力は左右各個に差動分配される。
【0027】トルクを伝達している間、ピニオンギヤ6
1、63はサイドギヤ39、41との噛み合い反力によ
り収納孔57、59の壁面に押しつけられて摩擦抵抗が
発生すると共に、ヘリカルギヤの噛み合いスラスト力に
より、ピニオンギヤ61、63やサイドギヤ39、41
とデフケース21との間及びサイドギヤ39、41間で
摩擦抵抗が発生する。そして、伝達トルクに比例して増
大するこれらの摩擦抵抗によってトルク感応型の差動制
限機能が得られる。
【0028】このようなディファレンシャル装置7を車
両に適用した場合、トルク感応型差動制限機能によっ
て、発進時や加速時のように大きなトルクを掛けた時の
車体の挙動が安定し操縦性が向上する。
【0029】そして、このディファレンシャル装置7で
は、上記のように、ピニオンギヤ61、63に設けたオ
イル溝77のオイル供給効果によってギヤの噛み合い部
や各摺動部が潤滑されるから、焼き付きが防止されると
共に、差動機能と差動制限機能の両方が安定する。
【0030】ピニオンギヤの端面に設けられるオイル溝
は図2のような形状に限らない。以下、図3ないし図9
により他の例を説明する。
【0031】図3はピニオンギヤ85の端面にオイル溝
83をセンター孔75からピニオンギヤ85の歯底まで
形成した例である(請求項3の発明の構成)。センター
孔75とオイル溝83から供給されるオイルによってピ
ニオンギヤ85の端面とデフケースの壁面との摺動部が
潤滑される。又、オイル溝83の一端はセンター孔75
の接線方向に形成されている。
【0032】従って、ピニオンギヤ85が回転すると、
接線方向に形成されたオイル溝83によリセンター孔7
5からオイルが効率がよく導き出され、歯底まで形成さ
れたオイル溝83により、オイルはピニオンギヤ間の噛
み合い部、及びピニオンギヤとサイドギヤとの噛み合い
部に効果的に供給される。噛み合い部に供給されたオイ
ルは、遠心力によりピニオンギヤの収納孔内にも供給さ
れる。一方、ピニオンギヤ61、63の自転によりピニ
オンギヤ61、63の外周部のオイルを摺動部外側から
中心方向にかき込むことにより潤滑作用が高められる。
【0033】こうして、各噛み合い部や各摺動部が充分
に潤滑され、焼き付きやカジリが防止されると共に、差
動機能と差動制限機能とが安定する。
【0034】図4は、図2と図3のオイル溝77、83
とを複合してピニオンギヤ87の端面に設けた例であ
る。センター孔75とオイル溝77、83から供給され
るオイルによって、ピニオンギヤ87の端面とデフケー
スの壁面との摺動部が潤滑される。又、ピニオンギヤ8
7の歯先まで形成されたオイル溝77と歯底まで形成さ
れたオイル溝83とによりピニオンギヤの収納孔とギヤ
の噛み合い部にオイルが直接供給され、焼き付きやカジ
リが防止されると共に、差動機能と差動制限機能とが安
定する。
【0035】図5はピニオンギヤ93の端面に、歯先ま
で形成されたオイル溝89と歯底まで形成されたオイル
溝91を設けた例である。ただし、各オイル溝89、9
1はセンター孔75とほぼ直角に交わっている。センタ
ー孔75とオイル溝89、91から供給されるオイルに
よって、ピニオンギヤ93の端面とデフケースの壁面と
の摺動部が潤滑される。又、各オイル溝89、91はセ
ンター孔75とほぼ直角に交わっているから、ピニオン
ギヤ93の遠心力によるセンター孔75からのオイル引
き出し効率がよい。
【0036】図4と図5の例は、いずれもオイル溝の本
数が多いから、潤滑を必要とする全摺動部、及び焼き付
きの問題を生じる潤滑必要箇所に、効率良くオイルを供
給できる。又、オイルの供給量とオイル溝自身のオイル
保持量を大きでき、十分な潤滑効果を得ることができ
る。
【0037】図6は一本の螺旋状のオイル溝95を、中
央のセンター孔75から端面外周方向に設けたヘリカル
ピニオンギヤ97の例である。これを用いた場合、セン
ター孔75とオイル溝95から供給されるオイルによっ
て、ピニオンギヤ97の端面とデフケースの壁面との摺
動部を潤滑することができる。又、オイル溝95はセン
ター孔75の接線方向に形成されており、矢印99の箇
所で噛み合い部にオイルを供給し、矢印101の箇所で
収納孔にオイルを供給する。
【0038】図7は同心円のオイル溝103を端面に設
けたヘリカルピニオンギヤ105の例である。センター
孔75と各オイル溝103とに保持されたオイルは、遠
心力により径方向外側に移動して、ピニオンギヤ105
の端面とデフケースの壁面との摺動部を潤滑する。ま
た、噛み合い部や収納孔などにオイルが行き渡る。この
例における同心円のオイル溝103は、上記の各例より
も加工が容易である。
【0039】図8はセンター孔75を中心に放射状に設
けられた直線のオイル溝107、109を端面に設けた
ヘリカルピニオンギヤ111の例である。これを用いた
場合、オイル溝107はピニオンギヤ111の歯先まで
形成され、オイル溝109はピニオンギヤ111の歯底
まで形成されている。センター孔75とオイル溝10
7、109から供給されるオイルによって、ピニオンギ
ヤ111の端面とデフケースの壁面との摺動部が潤滑さ
れ、オイル溝107、109により収納孔と噛み合い部
にそれぞれオイルが直接供給される。この例における直
線のオイル溝107、109は、図2ないし図6の各例
より加工が容易である。
【0040】図9はオイル溝113と平行なオイル溝1
15、117とを端面に設けたヘリカルピニオンギヤ1
19の例である。これを用いた場合、センター孔75と
オイル溝113、115、117から供給されるオイル
によって、ピニオンギヤ119の端面とデフケースの壁
面との摺動部が潤滑される。又、オイル溝113から収
納孔に、オイル溝115、117から噛み合い部にオイ
ルが供給される。この例における直線のオイル溝11
3、115、117は、図2ないし図6の各例より加工
が容易である。
【0041】上記各実施形態のように、センター孔はピ
ニオンギヤを旋盤加工する際のチャック穴を利用しても
よいが、専用のセンター孔を加工してもよい。又、ピニ
オンギヤの両端に異なった形状のオイル溝を設けてもよ
い。図10、11はこのような例を示す。
【0042】以下、左右の方向はこれらの図面での左右
の方向である。
【0043】図10のように、長いヘリカルピニオンギ
ヤ121は、第1と第2のギヤ部123、125と、こ
れらを連結する小径の軸部127とからなり、第1ギヤ
部123は一方のサイドギヤと噛み合っている。又、図
11のように、短いヘリカルピニオンギヤ129の第1
ギヤ部131は他方のサイドギヤと噛み合い、第2ギヤ
部133はピニオンギヤ121の第2ギヤ部125と噛
み合っている。
【0044】各ピニオンギヤ121、129には中心軸
を貫通するセンター孔135、137が加工されてお
り、各ピニオンギヤ121、129の左端には各センタ
ー孔135、137から歯底までのオイル溝139か設
けられ、右端には各センター孔135、137から歯先
までのオイル溝141が設けられている。
【0045】歯底までのオイル溝139により噛み合い
部にオイルが供給され、歯先までのオイル溝141によ
り収納孔にオイルが供給される。又、センター孔13
5、137が貫通孔であり、オイル保持量が多いから、
それだけ潤滑効率がよい。
【0046】又、オイル溝はデフケース側に設けてもよ
く、デフケース側にセンター孔を形成し、オイル溝と合
わせ潤滑作用をさらに向上させてもよい。又、センター
孔を設けずとも、ピニオンギヤ端面のオイル溝に潤滑油
が導入されればセンター孔の加工を省いても良い。
【0047】図12はこのような例である。このケーシ
ング本体143には、図1のケーシング本体31のよう
に、カバー33と抜け止めプレート37とがボルトで固
定されてデフケースを構成している。ケーシング本体1
43には長短のピニオンギヤを収納する収納孔145、
147が設けられ、短いピニオンギヤの端面が接触する
収納孔147の壁部には、センター孔149と6本のオ
イル溝151とが設けられている。
【0048】このオイル溝151により、短いピニオン
ギヤの端面と収納孔147の壁部との摺動部が潤滑され
て焼き付きか防止される。センター孔149はオイル溝
151にオイルを補充する機能を果たす。
【0049】なお、オイル溝やセンター孔は、ピニオン
ギヤとデフケースの両方に設けてもよいし、ピニオンギ
ヤとデフケースのいずれか一方にセンター孔を設け、他
方にオイル溝を設け、これらが互いに連通するように構
成してもよい。又、全部のピニオンギヤ(又はそれに対
応するデフケースの壁面)にではなく、一部のピニオン
ギヤ(又はそれに対応するデフケースの壁面)にだけ設
けてもよい。
【0050】図13は本発明の他の実施形態を示す。
【0051】この実施形態のディファレンシャル装置2
00のデフケース221は、側壁部232を有するケー
シング本体231と、カバー233からなる。カバー2
33は側壁部232と反対側の開口面を塞ぐように、ケ
ーシング本体231にボルト結合されている。デフケー
ス221の内部には、左右の出力側サイドギヤ239、
241が配置されている。
【0052】図中左のサイドギヤ239はボス部243
を介して図示外の左の出力軸にスプライン連結され、右
のサイドギヤ241はボス部245を介して図示外の右
の出力軸にスプライン連結されている。サイドギヤ23
9、241のボス部243、245とデフケース221
又はカバー233との間には、ワッシャ251、253
が介在され、両サイドギヤ239、241間にはワッシ
ャ255が介在されている。
【0053】デフケース221には2つ一組の収納孔2
57、259が、周方向等間隔に複数組形成されてい
る。収納孔257、259にはそれぞれピニオンギヤ2
61、263が摺動回転自在に収納されている。この場
合のピニオンギヤ261、263は同じ形状のものであ
り、収納孔257、259内に単に逆向きに挿入されて
いる。なお、サイドギヤ239、241、ピニオンギヤ
261、263のギヤ部はヘリカルギヤで構成されてい
る。
【0054】ピニオンギヤ261、263は、第1ギヤ
部265、264と第2ギヤ部267、266と、これ
らを連結する小径の軸部269、268とからなる。一
方のピニオンギヤ261の第1ギヤ部265は、左のサ
イドギヤ239と噛み合っている。又、反対向きに収容
された他方のピニオンギヤ263の第1ギヤ部264
は、右のサイドギヤ241と噛み合っている。そして、
両方のピニオンギヤ261、263の第2ギヤ部26
7、266が相互に噛み合っている。その相互噛み合い
部は、ピニオンギヤ261、263の両端であり、その
相互噛み合い部の間に、ピニオンギヤ261、263と
サイドギヤ239、241の噛み合い部が位置してい
る。
【0055】ピニオンギヤ261、263の両端面に
は、旋盤加工時のチャック穴としてのセンター孔275
が設けられ、これらピニオンギヤ261、263を収納
するデフケース221の収納孔257、259の端面
(一方の端面はケーシング本体231の側壁部232の
内面、他方の端面はカバー233の内面であり、ピニオ
ンギヤ261、263との摺動面)には、オイル溝27
7が形成されている。これらのオイル溝277の一端は
センター孔275と連通し、他端はピニオンギヤ26
1、263とサイドギヤ239、241の噛み合い部に
対応する位置まで延びている。
【0056】特に、これらのオイル溝277は、その幅
が、図13(b)に示すように、収納孔257、259
の中心位置に近付くほど広く形成され、収納孔257、
259の外周位置に近付くほど狭く形成されている。つ
まり、図中寸法h1>h2となっている。又、オイル溝
277は、図13(a)にて分かるように、その深さに
高低差が与えられており、収納孔257、259の外周
側から中心側に行くほど、深くなるような斜面によっ
て、その底面が形成されている。
【0057】又、デフケース221には、ピニオンギヤ
261の収納孔257と連通する複数個の開口279
と、ピニオンギヤ263の収納孔259と連通する複数
個の開口281とが形成され、ディファレンシャル装置
200が回転した際に、図示しないリングギヤによって
図示しないデフキャリヤのオイル溜まりから撥ね上げら
れたオイルが、これらの開口279、281からデフケ
ース221に流出入するようになっている。
【0058】この実施形態のディファレンシャル装置2
00では、前記実施形態と同様に、流入したオイルが、
オイル溝277の働きによって、各ギヤの噛み合い部や
収納孔やワッシャ等の各摺動部に行き渡るようになり、
それらの部分を潤滑する。又、このオイルはピニオンギ
ヤ261、263のセンター孔275に保持され、ピニ
オンギヤ261、263の回転に伴ってオイル溝277
によリセンター孔275から導き出される。ピニオンギ
ヤ261、263の遠心力はセンター孔275付近では
大きくないが、オイル溝277がセンター孔275の接
線方向に形成されているから、オイルがセンター孔27
5から効率的に導出され、各潤滑箇所へのオイル供給量
が増える。又、オイル溝277の深さに高低差があるか
ら、オイル溝277を形成することでの強度低下を最小
限に抑えながら、深い部分によりオイルの保持力を高め
ることができる。よって、センタ−孔275とオイル溝
277でのオイル保持量の増大により、発進時のような
潤滑要求が高いのにオイル供給能力に難がある場合に、
特に有効性を発揮することができ、異音やカジリの発生
を効果的に防ぐことができる。
【0059】なお、図13(c)に示すように、オイル
溝277の底面に、傾斜による高低差以外に、凹凸によ
る高低差を設ければ、さらにオイル保持力を高めること
ができる。又、凹凸を連続させて底面を波状に形成して
もよい。
【0060】この場合のオイル溝の形状は、図13に示
すもの以外に、例えば図14〜図17に示すようにする
こともできる。
【0061】図14の例では、オイル溝301を十字型
に穿設し、その十字型のオイル溝301の深さを、中心
部で浅く、外周方向へ行くほど徐々に深くなるように形
成している。
【0062】又、図15の例では、オイル溝302を十
字型に穿設し、その十字型のオイル溝302の深さを、
中心部で深く、外周方向へ行くほど徐々に浅くなるよう
に形成している。
【0063】又、図16に示す例では、オイル溝303
を同心円状に複数形成しており、図16(b)に示すよ
うに、中心のオイル溝303を深くし、外側のオイル溝
303に行くほど、オイル溝303の深さを浅くしてい
る。あるいは、その逆に、中心のオイル溝303を浅く
し、外側のオイル溝303に行くほど、オイル溝303
の深さを深くしてもよい。
【0064】又、図17に示す例では、オイル溝303
を連続した1本の螺旋状に形成し、その中心部を深く
し、外周側に行くほど浅く形成している。
【0065】いずれの例も、オイル溝301〜304に
高低差を設け、強度の低下を最小限に抑えながら、内容
積の拡大を図って、オイル保持能力を高めている。
【0066】なお、オイル溝の深さに高低差を設ける点
については、図1〜図12までの例においても適用可能
である。
【0067】又、以上のディファレンシャル装置は、後
輪側の車軸上に配置されるリヤデフや、前輪側の車軸上
に配置されるフロントデフや、前輪と後輪にエンジンの
駆動力を分配するセンターデフに適用することができ
る。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明の
ディファレンシャル装置は、ピニオンギヤの端面及びこ
れと摺動するデフケース側壁面の少なくとも―方にオイ
ル溝を設けてオイルを供給するから、ピニオンギヤ端面
での焼き付きやカジリを防止することができる。又、こ
のオイルは、ピニオンギヤの収納孔や各ギヤの噛み合い
部を潤滑し、差動機能と差動制限機能の両方を安定させ
る。
【0069】請求項2および請求項3の発明によれ
ば、、センター孔が保持するオイルによってオイル溝の
オイル供給効果を更に高めることができる。特に、オイ
ル溝がセンター孔から歯先まで形成されている請求項2
の発明では、ピニオンギヤの収納孔へのオイル補給効果
が高く、オイル溝がセンター孔から歯底まで形成されて
いる請求項3の発明では、ピニオンギヤ間の噛み合い部
や、ピニオンギヤとサイドギヤとの噛み合い部へのオイ
ル補給効果が高い。
【0070】又、請求項4の発明のように、オイル溝の
深さに高低差を持たせると、オイル溝を形成することで
の強度低下を最小限に抑えながら、深い部分によりオイ
ルの保持力を高めることができる。よって、オイル保持
量の増大により、発進時のような潤滑要求が高いにも拘
らずオイル供給能力に難がある場合に、特に有効性を発
揮することができ、異音やカジリの発生を効果的に防ぐ
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の断面図である。
【図2】ピニオンギヤの端面に設けられたセンター孔と
オイル溝の第1の例を示す側面図である。
【図3】ピニオンギヤの端面に設けられたセンター孔と
オイル溝の第2の例を示す側面図である。
【図4】ピニオンギヤの端面に設けられたセンター孔と
オイル溝の第3の例を示す側面図である。
【図5】ピニオンギヤの端面に設けられたセンター孔と
オイル溝の第4の例を示す側面図である。
【図6】ピニオンギヤの端面に設けられたセンター孔と
オイル溝の第5の例を示す側面図である。
【図7】ピニオンギヤの端面に設けられたセンター孔と
オイル溝の第6の例を示す側面図である。
【図8】ピニオンギヤの端面に設けられたセンター孔と
オイル溝の第7の例を示す側面図である。
【図9】ピニオンギヤの端面に設けられたセンター孔と
オイル溝の第8の例を示す側面図である。
【図10】貫通するセンター孔を設けた短いピニオンギ
ヤの断面図である。
【図11】貫通するセンター孔を設けた長いピニオンギ
ヤの断面図である。
【図12】センター孔とオイル溝とを設けたケーシング
本体の側面図である。
【図13】本発明の他の実施形態の構成を示し、(a)
はディファレンシャル装置全体の側断面図、(b)は
(a)図のXIIIb−XIIIb矢視断面図、(c)
はオイル溝の変形例を示す断面図である。
【図14】ピニオンギヤの収納孔の端面に設けたオイル
溝の形状例を示し、(a)は正面図、(b)は(a)図
のB−B矢視断面図である。
【図15】ピニオンギヤの収納孔の端面に設けたオイル
溝の他の形状例を示し、(a)は正面図、(b)は
(a)図のB−B矢視断面図である。
【図16】ピニオンギヤの収納孔の端面に設けたオイル
溝のさらに他の形状例を示し、(a)は正面図、(b)
は(a)図のB−B矢視断面図、(c)はその変形例を
示す断面図である。
【図17】ピニオンギヤの収納孔の端面に設けたオイル
溝のさらに他の形状例を示し、(a)は正面図、(b)
は(a)図のB−B矢視断面図である。
【図18】従来例の断面図である。
【符号の説明】
7,200 ディファレンシャル装置 21,221 デフケース 39,41,239,241 サイドギヤ 57,59,257,259 収納孔 61,63,85,87,93,97,105,11
1,119,121,129,261,263 ピニオ
ンギヤ 75,149,275 センター孔 77,89,107,113 オイル溝(歯先までの) 83,91,95,109 オイル溝(歯底までの) 103,115,117 オイル溝 277,301,302,303,304 オイル溝
(深さに高低差あり)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荻原 治夫 栃木県栃木市大宮町2388番地 栃木富士産 業株式会社内 (72)発明者 山崎 禎之 栃木県栃木市大宮町2388番地 栃木富士産 業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの駆動力により回転駆動される
    入力側のデフケースと、デフケースの内部に回転自在に
    支承された一対の出力側のサイドギヤと、これらのサイ
    ドギヤを連結するピニオンギヤと、デフケースに形成さ
    れピニオンギヤを摺動回転自在に収納する収納孔と、ピ
    ニオンギヤの端面及びこれと摺動するデフケース側壁面
    の少なくとも一方に形成されたオイル溝とを備えたこと
    を特徴とするディファレンシャル装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のディファレンシャル装置
    であって、 前記ピニオンギヤの端面及びこれと摺動するデフケース
    側壁面の少なくとも一方に、オイルを保持し前記オイル
    溝と連通するセンター孔が設けられ、オイル溝がピニオ
    ンギヤの歯先まで形成されていることを特徴とするディ
    ファレンシャル装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のディファレンシャル装置
    であって、 前記ピニオンギヤの端面及びこれと摺動するデフケース
    側壁面の少なくとも一方に、オイルを保持し前記オイル
    溝と連通するセンター孔が設けられ、オイル溝がピニオ
    ンギヤの歯底まで形成されていることを特徴とするディ
    ファレンシャル装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のディフ
    ァレンシャル装置であって、 前記オイル溝の深さに高低差が設けられていることを特
    徴とするディファレンシャル装置。
JP7241935A 1994-11-29 1995-09-20 ディファレンシャル装置 Pending JPH08210474A (ja)

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JP6-294636 1994-11-29
JP29463694 1994-11-29
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