JPH08210250A - クラッチレス圧縮機における動力遮断機構 - Google Patents

クラッチレス圧縮機における動力遮断機構

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JPH08210250A
JPH08210250A JP7018157A JP1815795A JPH08210250A JP H08210250 A JPH08210250 A JP H08210250A JP 7018157 A JP7018157 A JP 7018157A JP 1815795 A JP1815795 A JP 1815795A JP H08210250 A JPH08210250 A JP H08210250A
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pulley
rolling element
recess
driving force
groove
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Masahiko Okada
昌彦 岡田
Masahiro Kawaguchi
真広 川口
Takeshi Mizufuji
健 水藤
Shinichi Ogura
進一 小倉
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Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04BPOSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS
    • F04B27/00Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders
    • F04B27/08Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders having cylinders coaxial with, or parallel or inclined to, main shaft axis
    • F04B27/0873Component parts, e.g. sealings; Manufacturing or assembly thereof
    • F04B27/0895Component parts, e.g. sealings; Manufacturing or assembly thereof driving means

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡素な構成にも係わらず圧縮機側の設定値以
上の負荷の伝達を適正に遮断できると共に、遮断後の騒
音及び摩耗を抑制し、再利用することができるクラッチ
レス圧縮機における動力遮断機構を提供する。 【構成】 回転軸4に止着された駆動力受承体8とプー
リ6との間には転動ボール10が挟み込まれている。転
動ボール10は、駆動力受承体8上の保持凹部8-2及び
プーリ6上の収容凹部6-4に常には嵌まり込んでいる。
駆動力受承体8は皿ばね型の予荷重付与ばね11によっ
てプーリ6側へ付勢されている。プーリ6の回転は転動
ボール10及び駆動力受承体8を介して回転軸4に伝達
される。圧縮機側の負荷トルクが過大になった場合には
転動ボール10が保持凹部8-2から離脱する。離脱後の
ボール10は案内溝6-4から周回溝8-3に導かれ、プー
リ6の空転が円滑に行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、外部駆動源の駆動力を
プーリを介して回転軸に伝達するクラッチレス圧縮機に
おける動力遮断機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】クラッチレス圧縮機は、外部駆動源の駆
動力により回転されるプーリをハウジングに装着し、該
ハウジングに支持した回転軸の突出端部と前記プーリと
の間に動力の連結及び遮断を繰り返し行なう電磁クラッ
チを使用していない。この圧縮機は、特に車両搭載形態
ではそのON−OFFのショックによる体感フィーリン
グの悪さの欠点を解消できる。又、圧縮機全体の重量
減、コスト減が可能となる。しかし、このようなクラッ
チレス圧縮機では圧縮機側の負荷トルクの変動が緩和さ
れずに車両エンジンに波及するため、車両エンジンの回
転数が変動する。
【0003】実開昭63−142460号公報に開示さ
れるクラッチレス圧縮機では、プーリに形成された環状
の突状壁に係合凹部が設けられていると共に、回転軸に
固定したハブの周面に係合凹部が設けられている。突状
壁側の係合凹部にはドライブレバーの一端が挿入されて
おり、ハブ側の係合凹部にはドライブレバーの他端が環
状の板ばねを介して挿入されている。プーリの回転はド
ライブレバー、板ばね及びハブを介して回転軸に伝達さ
れる。圧縮機側の負荷トルクが過大になったときには、
ドライブレバーの他端が板ばねの凹部から外れ、過大な
負荷トルクが車両エンジン側に波及しないようになって
いる。
【0004】実開昭63−19083号公報に開示され
るクラッチレス圧縮機では、プーリと回転軸とを過負荷
可破断材によって結合している。圧縮機側の負荷トルク
が過大になったときには、前記過負荷可破断材が破断
し、過大な負荷トルクが車両エンジン側に波及しないよ
うになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、実開昭63−
142460号公報におけるような複数本のドライブレ
バーを揺動可能に支持し、かつドライブレバーの揺動変
位を板ばねで受け止める構成は複雑である。このような
複雑な構成では部品点数、組み付け工数が増え、クラッ
チレス圧縮機のコストが高くなる。
【0006】実開昭63−142460号公報における
過負荷可破断材の構成では、過負荷可破断材の破断トル
クと疲労強度との両立が困難である。即ち、過負荷可破
断材が負荷によって破断するときの破断トルクを適正に
設定しておいたとしても、設定された破断トルク以下の
負荷トルクの繰り返し作用によって過負荷可破断材が疲
労し、過負荷可破断材が破断トルク以下の負荷トルクに
よって破断してしまうおそれがある。
【0007】本発明は、簡素な構成にも関わらず圧縮機
側の過負荷の伝達を適正に遮断し得ると共に、遮断後の
騒音及び摩耗を抑制し、再利用することができるクラッ
チレス圧縮機における動力遮断機構を提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】そのために請求項1の発
明では、クラッチレス圧縮機において、回転軸の突出端
部に駆動力受承体を設けると共に、プーリと駆動力受承
体との対向面間に転動子を介在し、前記両対向面上のい
ずれか一方に前記転動子を収容するための収容凹部を設
け、他方に前記転動子を保持するための保持凹部を設
け、前記両対向面の間隔を常には前記転動子が保持凹部
から離脱しない間隔に保持するように弾性付勢手段によ
り駆動力受承体とプーリとの一方を他方に向けて付勢
し、前記回転軸の突出端部と前記プーリとの間に設定値
以上の負荷トルクが作用した場合に前記弾性付勢手段の
付勢力に抗して前記間隔が拡大されて保持凹部から転動
子が離脱できるようにし、さらに、保持凹部から離脱さ
れた転動子を収容する溝を前記両対向面上の少なくとも
いずれか一方に形成した。
【0009】請求項2の発明では、前記溝は前記収容凹
部を形成した対向面側に形成され、転動子を保持凹部に
干渉しない位置に案内する案内溝と、該案内溝により案
内された転動子を前記保持凹部側の対向面に形成され、
かつ転動子を周回させる周回溝とにより形成されてい
る。
【0010】請求項3の発明では、前記溝は前記保持凹
部を形成した対向面側に形成され、保持凹部から離脱し
た転動子を該保持凹部又は他の保持凹部に案内する緩衝
溝である。
【0011】請求項4の発明では、前記溝は前記保持凹
部を形成した対向面側に形成され、保持凹部から離脱さ
れた転動子を収容凹部から離脱させる凹溝である。請求
項5の発明では、前記駆動力受承体と回転軸との間には
プーリの空転時に駆動力受承体が連結基板に接触するの
を阻止するストッパが設けられている。
【0012】請求項6の発明では、前記弾性付勢手段
は、駆動力受承体とプーリとのいずれか一方を回転軸の
軸線方向へ付勢する皿ばねである。請求項7の発明で
は、圧縮機は、回転軸に止着された回転支持体に斜板を
傾動可能に支持し、クランク室内の圧力とボア内の圧力
との片頭ピストンを介した差に応じて斜板の傾角を制御
し、吐出圧領域の圧力をクランク室に供給すると共に、
クランク室の圧力を吸入圧領域に放出してクランク室内
の調圧を行なう可変容量型圧縮機であり、ハウジングに
軸受け部材を介してプーリを所定位置で回転可能に支持
し、前記回転軸の突出端部に押圧板を設け、回転軸に予
荷重を付与するための予荷重付与ばねを弾性付勢手段と
して前記押圧板と駆動力受承体との間に介在した。
【0013】請求項8の発明では、クラッチレス圧縮機
において、回転軸の突出端部に駆動力受承体を不動状態
に設けると共に、プーリと駆動力受承体との対向面間に
転動子を介在し、前記両対向面上のいずれか一方に前記
転動子を収容するための収容凹部を設け、他方に前記転
動子を保持するための保持凹部を設け、収容凹部内で離
脱不能位置と離脱可能位置とに切換可能に弾性付勢手段
によって転動子を保持凹部側の対向面に向けて付勢し、
前記回転軸の突出端部と前記プーリとの間に設定値以上
の負荷トルクが作用した場合に前記弾性付勢手段の付勢
力に抗して保持凹部から転動子が離脱できるようにし、
さらに、保持凹部から離脱された転動子を収容する溝を
前記保持凹部側の対向面上に形成した。
【0014】請求項9の発明では、前記溝は転動子を他
の保持凹部に案内する緩衝溝である。請求項10の発明
では、前記溝は転動子を前記収容凹部から離脱させる凹
溝である。
【0015】
【作用】請求項1の発明では、プーリ側の回転駆動力が
収容凹部及び保持凹部内に入っている転動子を介して駆
動力受承体側へ伝達される。圧縮機側の負荷トルクが過
大になると、収容凹部及び保持凹部内に入っている転動
子が弾性付勢手段の弾性付勢作用に抗してプーリと駆動
力受承体との対向面の間隔を拡げ、転動子が保持凹部か
ら離脱し、プーリと駆動力受承体との間の動力伝達が遮
断される。この動力伝達遮断により圧縮機側から外部駆
動源側への過負荷伝達による悪影響が回避される。
【0016】転動子が保持凹部から離脱された後、該転
動子は溝に案内され、転動子の他部材への衝突が緩和も
しくは阻止される。このため、動力遮断時の騒音及び動
力遮断機構の摩耗が抑制され、圧縮機の点検修理後に該
機構の再利用が可能となる。
【0017】回転軸に設けられた駆動力受承体とプーリ
との間に弾性付勢手段の付勢作用によって転動子を挟み
込む構成及び動力遮断後に転動子を収容する構成は簡素
である。
【0018】請求項2の発明では、転動子が保持凹部か
ら離脱された後、該転動子は案内溝により案内され、次
に周回溝に案内されて該溝を周回するので、転動子が収
容凹部を設けた他部材に衝突することはない。又、動力
遮断時の騒音及び遮断機構の摩耗が殆ど抑制され、圧縮
機の点検修理後に遮断機構の再利用が可能となる。
【0019】請求項3の発明では、転動子が保持凹部か
ら離脱された後、該転動子は緩衝溝に案内されて他の保
持凹部又は該保持凹部に移動され、転動子が緩衝溝から
保持凹部に入る際の衝撃が緩和される。そして、動力遮
断時の騒音及び遮断機構の摩耗が抑制され、圧縮機の点
検修理後に遮断機構の再利用が可能となる。
【0020】請求項4の発明では、転動子が保持凹部か
ら離脱された後、該転動子は収容凹部から出て凹溝に落
ち込む。このとき、転動子は保持凹部を設けた他部材と
の衝突が緩和もしくは防止され、動力遮断時の騒音及び
遮断機構の摩耗が抑制され、圧縮機の点検修理後に遮断
機構の再利用が可能となる。
【0021】請求項5の発明では、プーリの空転時に駆
動力受承体が連結基板に接触しないので、接触による摩
耗が阻止され、耐久性が向上する。請求項6の発明で
は、皿ばねが駆動力受承体とプーリとのいずれか一方を
回転軸の軸線方向へ付勢して駆動力受承体とプーリとの
間に転動子を挟み込む。皿ばねのばね特性はある弾性変
形領域ではばね力が略一定である。この略一定のばね力
となる弾性変形領域内でプーリと駆動力受承体との対向
面の間隔が離脱不能間隔から離脱可能間隔に移行するよ
うにすれば、設定された過負荷トルクに対する弾性付勢
手段の付勢力の大きさ設定が容易となる。
【0022】請求項7の発明では、予荷重付与ばねが回
転軸の軸線方向のがたつきを防止すると共に、弾性付勢
手段も兼ねるので、部品点数が低減する。請求項8の発
明では、圧縮機側の負荷トルクが過負荷になると、収容
凹部及び保持凹部内に入っている転動子が弾性付勢手段
の弾性付勢作用に抗して収容凹部内で没入方向に移行す
る。これにより転動子が保持凹部から離脱し、プーリと
駆動力受承体との間の動力伝達が遮断される。この動力
遮断により圧縮機側から外部駆動源側への過負荷伝達に
よる悪影響が回避される。
【0023】転動子が保持凹部から離脱された後、該転
動子は溝に案内され、転動子の他部材への衝突が緩和も
しくは防止される。このため、動力遮断時の騒音及び遮
断機構の摩耗が抑制され、圧縮機の点検修理後に遮断機
構の再利用が可能となる。
【0024】駆動力受承体又はプーリの収容凹部内で弾
性付勢手段によって転動子を付勢する構成及び動力遮断
後に転動子を収容する構成は簡素である。請求項9の発
明では、転動子が保持凹部から離脱された後、該転動子
は緩衝溝に案内されて該溝を周回する。このとき、転動
子が緩衝溝から保持凹部に入る際の衝撃が緩和され、動
力遮断時の騒音及び遮断機構の摩耗が抑制され、圧縮機
の点検修理後に遮断機構の再利用が可能となる。
【0025】請求項10の発明では、転動子が保持凹部
から離脱された後、該転動子は収容凹部から離れて該保
持凹部を形成した側の対向面の凹溝に落ち込む。このと
き、転動子は収容凹部を設けた他部材とは衝突が緩和も
しくは防止され、動力遮断時の騒音及び遮断機構の摩耗
が抑制され、圧縮機の点検修理後に遮断機構の再利用が
可能となる。
【0026】
【実施例】以下、本発明を具体化した第1実施例を図1
〜図8に基づいて説明する。図1に示すようにシリンダ
ブロック1の前端にはフロントハウジング2が接合され
ており、シリンダブロック1の後端にはリヤハウジング
3が接合されている。クランク室2-1を形成するフロン
トハウジング2とシリンダブロック1との間には回転軸
4が回転可能に架設支持されている。回転軸4の前端は
クランク室2-1から外部へ突出している。
【0027】フロントハウジング2には支持筒2-2が一
体形成されており、支持筒2-2にはアキシャル方向の荷
重及びラジアル方向の荷重の両方を受け止める軸受け部
材であるアンギュラベアリング5がサークリップ5-1に
よって回転軸4の軸線方向へスライド不能に支持されて
いる。アンギュラベアリング5の外輪にはプーリ6が止
着されている。プーリ6は、アンギュラベアリング5の
外輪に固着されたプーリ本体6-1と、プーリ本体6-1に
ボルト6-2により固着された連結基板6-3とからなる。
プーリ本体6-1はベルト7を介して外部駆動源である車
両エンジン(図示略)に連結されている。
【0028】次に、動力遮断機構Kについて説明する。
クランク室2-1から外部へ突出する回転軸4の突出端部
4-1には環状の駆動力受承体8がスプライン4-2及び8
-1により軸線方向のスライド可能に、かつ同期回転可能
に支持されている。回転軸4の先端面には押圧板4-3が
ロックボルト9により固定され、該押圧板4-3と駆動力
受承体8との間には皿ばね型の予荷重付与ばね11が介
在されている。予荷重付与ばね11は駆動力受承体8を
連結基板6-3側へ付勢する。
【0029】図1及び図6に示すように駆動力受承体8
と連結基板6-3との対向面間には複数個(本実施例では
3個)の転動ボール10が介在されている。連結基板6
-3に面する駆動力受承体8の対向面上には同じく複数個
の保持凹部8-2が形成されており、駆動力受承体8に面
する連結基板6-3の対向面上には同じく複数個の収容凹
部6-4が形成されている。保持凹部8-2及び収容凹部6
-4はいずれも回転軸4の回転中心から半径方向に同一の
仮想円上にある。転動ボール10は、常には収容凹部6
-4及び保持凹部8-2に嵌まり込んでいる。保持凹部8-2
は底に近づくほど小径となる円錐台形状の凹部であり、
収容凹部6-4は断面四角形状の凹部である。連結基板6
-3には前記各収容凹部6-4に連なる案内溝6-5が半径方
向にかつ外側方に形成され、各案内溝6-5の外方部と対
応するように駆動力受承体8の対向面には転動ボール1
0を周回させる周回溝8-3が形成されている。
【0030】転動ボール10は予荷重付与ばね11のば
ね力によって常には保持凹部8-2と収容凹部6-4との間
に挟み込まれている。車両エンジンの回転はベルト7を
介してプーリ6に伝えられ、プーリ6の回転は保持凹部
8-2及び収容凹部6-4に嵌まり込んでいる転動ボール1
0、駆動力受承体8を介して回転軸4に伝達される。
又、予荷重付与ばね11のばね力は、駆動力受承体8、
転動ボール10及びプーリ6を介してアンギュラベアリ
ング5に伝えられ、この反力が押圧板4-3及びボルト9
を介して回転軸4に伝えられる。
【0031】次に、圧縮機本体の構造について説明する
と、回転軸4には回転支持体14が止着されている。回
転軸4には斜板15が回転軸4の軸線方向へスライド可
能かつ傾動可能に支持されている。図7に示すように斜
板15は回転支持体14上の支持アーム14-1と一端が
斜板15に止着された一対のガイドピン16,17との
連係により回転軸4の軸線方向へ傾動可能かつ回転軸4
と一体的に回転可能である。斜板15の傾動は、支持ア
ーム14-1とガイドピン16,17とのスライドガイド
関係、回転軸4とのスライド支持作用により案内され
る。
【0032】回転軸4の後端部は深溝玉軸受け部材18
及び遮断体19を介してシリンダブロック1内の収容孔
20の内周面で支持される。リヤハウジング3の中心部
には吸入通路21が形成されている。吸入通路21は収
容孔20に連通しており、遮断体19の先端は吸入通路
21の開口の周囲に位置決め面22に当接可能である。
遮断体19の先端が位置決め面22に当接することによ
り遮断体19が斜板15から離間する方向への移動を規
制されると共に、吸入通路21と収容孔20との連通が
遮断される。
【0033】斜板傾角の減少により斜板15が遮断体1
9側へ移動するに伴い、斜板15が伝達筒23に当接
し、伝達筒23及び深溝玉軸受け部材18を位置決め面
22側へ押す。深溝玉軸受け部材18は回転軸4のラジ
アル方向のみならずアキシャル方向の荷重も受け止め
る。そのため、遮断体19は吸入通路開放ばね24のば
ね力に抗して位置決め面22側へ付勢され、遮断体19
の先端が位置決め面22に当接する。
【0034】斜板15の最小傾角は0°よりも僅かに大
きい。この最小傾角状態は遮断体19が吸入通路21と
収容孔20との連通を遮断する閉位置に配置されたとき
にもたらされる。斜板15の最大傾角は回転支持体14
の傾角規制突部14-2と斜板15との当接によって規制
される。
【0035】斜板15の回転運動はシュー25を介して
シリンダボア1-1内の片頭ピストン26の前後往復運動
に変換される。図1及び図8に示すようにリヤハウジン
グ3内には吸入室3-1及び吐出室3-2が区画形成されて
いる。吸入室3-1内の冷媒ガスは片頭ピストン26の復
動動作により吸入ポート27から吸入弁28を押し退け
てシリンダボア1-1内へ流入する。シリンダボア1-1内
へ流入した冷媒ガスは片頭ピストン26の往動動作によ
り吐出ポート29から吐出弁30を押し退けて吐出室3
-2へ吐出される。
【0036】回転支持体14とフロントハウジング2と
の間にはスラストベアリング31が介在されている。シ
リンダボア1-1からの圧縮反力は、片頭ピストン26、
シュー25、斜板15、ガイドピン16,17、回転支
持体14及びスラストベアリング31を介してフロント
ハウジング2で受け止められる。
【0037】吸入室3-1は通口32を介して収容孔20
に連通している。遮断体19が前記閉位置に配置される
と、通口32は吸入通路21から遮断される。回転軸4
内には通路33が形成されている。通路33はクランク
室2-1と遮断体19の筒内とを連通している。遮断体1
9の先端には放圧通口19-1が貫設されている。放圧通
口19-1は収容孔20と遮断体19の筒内とを連通す
る。
【0038】クランク室2-1と吐出室3-2とは圧力供給
通路34で接続されている。圧力供給通路34上には電
磁開閉弁35が介在されている。電磁開閉弁35のソレ
ノイド35-1の励磁により弁体35-2が弁孔35-3を閉
鎖する。ソレノイド35-1が消磁すれば弁体35-2が弁
孔35-3を開放する。
【0039】吸入室3-1へ冷媒ガスを導入する吸入通路
21と、吐出室3-2から冷媒ガスを排出する排出口1-2
とは外部冷媒回路36で接続されている。外部冷媒回路
36上には凝縮器37、膨張弁38及び蒸発器39が介
在されている。膨張弁38は蒸発器39の出口側のガス
圧の変動に応じて冷媒流量を制御する。蒸発器39の近
傍には温度センサ40が設置されている。制御コンピュ
ータCは温度センサ40から得られる検出温度情報に基
づいてソレノイド35-1を励消磁制御する。制御コンピ
ュータCは空調装置作動スイッチ41のON状態のもと
に検出温度が設定温度以下になるとソレノイド35-1の
消磁を指令する。この設定温度以下の温度は蒸発器39
においてフロストが発生しそうな状況を反映する。又、
制御コンピュータCは空調装置作動スイッチ41のON
状態のもとに車両エンジンの回転数検出器42からの特
定の回転数変動検出情報によってソレノイド35-1を消
磁する。さらに制御コンピュータCは空調装置作動スイ
ッチ41のOFFによってソレノイド35-1を消磁す
る。ソレノイド35-1が消磁されると圧力供給通路34
が開き、吐出室3-2とクランク室2-1とが連通する。従
って、吐出室3-2の冷媒ガスがクランク室2-1へ流入
し、クランク室2-1内の圧力が高くなる。クランク室2
-1内の圧力上昇により斜板15の傾角が最小傾角側へ移
行する。遮断体19の先端が位置決め面22に当接する
と、斜板傾角は最小となり、外部冷媒回路36から吸入
室3-1への冷媒ガス流入が阻止される。
【0040】斜板最小傾角は0°ではないため、斜板傾
角が最小の状態においてもシリンダボア1-1から吐出室
3-2への吐出は行われている。吸入室3-1内の冷媒ガス
はシリンダボア1-1内へ吸入されて吐出室3-2へ吐出さ
れる。即ち、斜板傾角が最小状態では、吐出室3-2、圧
力供給通路34、クランク室2-1、通路33、放圧通口
19-1、吸入室3-1、シリンダボア1-1を経由する循環
通路が圧縮機内にできている。冷媒ガスと共に流動する
潤滑油は前記循環通路を経由して圧縮機内を潤滑する。
吐出室3-2、クランク室2-1及びシリンダボア1-1の間
では圧力差が生じている。この圧力差及び放圧通口19
-1における通過断面積が斜板15を最小傾角に安定的に
保持する。
【0041】ソレノイド35-1が励磁すると圧力供給通
路34が閉じる。クランク室2-1内とボア1-1内との間
では圧力差があるため、クランク室2-1の圧力が通路3
3及び放圧通口19-1を介した放圧に基づいて減圧して
ゆく。この減圧により斜板15の傾角が最小傾角から最
大傾角へ移行する。
【0042】このような動作を行なうクラッチレス圧縮
機では、圧縮機側の負荷トルクが回転軸4から駆動力受
承体8、保持凹部8-2及び収容凹部6-4に嵌まり込んで
いる転動ボール10を介してプーリ6に伝達される。保
持凹部8-2の側壁面は傾斜しているため、転動ボール1
0を介してプーリ6に伝達する負荷トルクの一部はプー
リ6から駆動力受承体8を離間する方向へ該受承体8を
付勢するスラスト荷重として作用する。しかし、収容凹
部6-4の側壁面は垂直であり、転動ボール10の中心が
側壁面に支持されているため、該転動ボール10は収容
凹部6-4から飛び出ることはない。
【0043】圧縮機側の負荷トルクが過大になった場
合、この過大な負荷トルクが車両エンジン側に波及すれ
ば車両エンジンがエンジンストールを起こしたり、ベル
ト7が破断するおそれがある。第1実施例では過大な負
荷トルクが生じた場合には、この過負荷トルクの回転軸
4の軸線方向の成分、即ち前記スラスト荷重が予荷重付
与ばね11のばね力に抗して回転軸4の軸線方向へプー
リ6から駆動力受承体8を離間する。駆動力受承体8は
図6(a)に示す位置から図6(b)に示す位置よりも
さらに左側へ位置変位可能にしてあり、駆動力受承体8
が図6(b)に示す位置まで移動すると転動ボール10
が保持凹部8-2から離脱できる。即ち、圧縮機側の負荷
トルクが所定値以上になった場合には連結基板6-3と駆
動力受承体8との対向面の間隔が図6(a)に示す離脱
不能間隔から図6(b)に示す離脱可能間隔まで移行す
る。プーリ6は回転しているため、転動ボール10は保
持凹部8-2から離脱する。転動ボール10が保持凹部8
-2から離脱すると、プーリ6は空転し、転動ボール10
は遠心力により図3に示すように連結基板6-3に設けた
案内溝6-5に案内されて該溝6-5の外方部に移行する。
すると、転動ボール10は図4及び図6(c)に示すよ
うに案内溝6-5に嵌まり込んだまま周回溝8-3に導か
れ、プーリ6の回転と同期して該溝8-3内を転動しつつ
周回する。従って、過大な負荷トルクが車両エンジン側
に波及することはなく、エンジンストールは起きない。
又、転動ボール10は保持凹部8-2から離脱した後、再
び該凹部に落ち込む動作を繰り返すことはないので、衝
突による騒音及び摩耗が抑制され、動力遮断機構Kの再
利用が可能である。特に、転動ボール10が周回溝8-3
に導かれた状態では、連結基板6-3と駆動力受承体8と
の対向面の間隔が図6(c)に示すように小さくなり、
転動ボール10を挟圧する力が低減されて、プーリ6の
空転が円滑に行われる。
【0044】皿ばね型の予荷重付与ばね11は、駆動力
受承体8を転動ボール10を介してプーリ6側へ付勢す
る弾性付勢手段となる。実開昭63−19083号公報
に開示されるような過負荷可破断材とは異なり、予荷重
付与ばね11が設定された過負荷トルク以下の負荷トル
クの繰り返し作用によって疲労することはない。
【0045】図5の曲線Tは皿ばねのばね特性を表す。
横軸Lは弾性変形量を表し、縦軸Pは力を表す。皿ばね
11のばね特性はある弾性変形領域(図示の場合にはL
1 とL2 との間)ではばね力が略一定である。この略一
定のばね力となる弾性変形領域〔L1 ,L2 〕内で連結
基板6-3と駆動力受承体8との間隔を離脱不能間隔から
離脱可能間隔に移行するようにすれば、設定された過負
荷トルクに対する予荷重付与ばね11のばね力の大きさ
設定が容易となる。即ち、弾性変形領域〔L1,L2
内のばね力を設定過負荷トルクによるプーリ6に対する
スラスト荷重よりも僅かに小さくすればよい。このよう
にすれば負荷トルクが設定過負荷トルクになると連結基
板6-3と駆動力受承体8との間隔が必ず離脱可能間隔と
なる。
【0046】回転軸4はスラスト方向へ変位してがたつ
く可能性があるため、回転軸4に対してスラスト方向へ
の予荷重を付与してがたつきを防止する必要がある。第
1実施例の圧縮機では回転軸4をフロントハウジング2
から突出させる方向へ予荷重を付与すれば、この予荷重
がスラストベアリング31を介してフロントハウジング
2によって受け止められる。予荷重付与ばね11は前述
したように押圧板4-3を介して回転軸4に予荷重を付与
している。予荷重付与ばね11の予荷重の大きさはロッ
クボルト9の螺合位置、つまり回転軸4の先端面と押圧
板4-3との間に介在した図示しないスペーサによって調
整される。
【0047】前記回転軸4及び回転支持体14は予荷重
付与ばね11によりフロントハウジング2に押圧されて
いるため、圧縮反力に起因する振動が抑制される。この
実施例では駆動力受承体8に保持凹部8-2及び周回溝8
-3が形成され、連結基板6-3に収容凹部6-4及び案内溝
が形成されているが、保持凹部及び周回溝を連結基板6
-3に形成し、収容凹部及び案内溝を駆動力受承体8に形
成してもよい。
【0048】次に、図9の第2実施例を説明する。この
実施例では駆動力受承体12は、回転軸4の突出端部4
-1にスプライン嵌合されたナット部12-1と、収容リン
グ12-2と、ナット部12-1と収容リング12-2とを弾
性結合する緩衝ゴム12-3とから構成されている。収容
リング12-2には保持凹部12-4及び周回溝12-5が形
成されている。その他の構成は第1実施例と同じであ
る。圧縮機側の負荷トルクは変動し、この変動が車両エ
ンジン側にそのまま伝達すれば車両エンジンが望ましく
ない回転数変動を起こす。緩衝ゴム12-3は圧縮機側の
負荷トルクの変動を緩和してプーリ6側に伝達し、車両
エンジンの回転数変動が抑制される。ナット部12-1と
収容リング12-2とを緩衝ゴム12-3で弾性結合した構
成は簡素である。
【0049】次に、図10及び図11の第3実施例を説
明する。この実施例では回転軸4の突出端部4-1に螺着
された駆動力受承体43は、ナット部43-1と、ナット
部43-1にねじ44により締め付け固定された弾性付勢
手段としての一対の板ばね43-2とからなる。プーリ6
の連結基板6-3は支持筒2-2にベアリング5を介して支
持されており、連結基板6-3と各板ばね43-2との間に
は転動ボール10が挟み込まれている。板ばね43-2に
は収容凹部43-3が形成されている。図10(a),
(b)に示すように転動ボール10は収容凹部43-3に
常時嵌まり込んでいる。図10(a)に示すように転動
ボール10は連結基板6-3上の保持凹部6-6に常には嵌
まり込んでいる。図11に示すように連結基板6-3の前
端面には二つの保持凹部6-6から離脱した転動ボール1
0を他の保持凹部6-6にそれぞれ案内する機能を有する
緩衝溝6-7が形成されている。
【0050】前記緩衝溝6-7は収容凹部43−3に対応す
る軌跡上に形成されており、その一端は保持凹部6-6に
対して反回転方向に離隔し、他端は保持凹部6-6に連通
している。
【0051】圧縮機側の負荷トルクが過大になると、板
ばね43-2が図10(b)に示すように撓み変形し、転
動ボール10が保持凹部6-6から離脱する。離脱した転
動ボール10は緩衝溝6-7に案内されて次の保持凹部6
-6に進入する。このときボール10は滑らかに凹部6-6
に進入し、再び保持凹部6-6を出て緩衝溝6-7に導かれ
る。
【0052】この第3実施例においても過負荷トルクが
プーリ6側に波及することはなく、プーリの空転時の転
動ボール10の衝突が緩和され、騒音や摩耗が抑制さ
れ、動力遮断機構Kの再利用が可能となる。又、ナット
部43-1にねじ44により一対の板ばね43-2を締め付
け固定した構成は簡素である。なお、図10(a)の状
態において板ばね43-2を撓み変形しておけば、板ばね
43-2が回転軸4に対して予荷重を付与する。
【0053】又、第3実施例において緩衝溝6-7をプー
リ6の反回転方向に向かうに従い深く形成し、保持凹部
6-6に連通させることにより、転動ボール10が緩衝溝
に案内されてより滑らかに保持凹部6-6に進入し、プー
リ6の空転時の転動ボール10の衝突が一層緩和され、
騒音及び磨耗が抑制される。
【0054】次に、図12及び図13の第4実施例を説
明する。この実施例では連結基板6-3に保持リング45
が緩衝ゴム46によって弾性結合されている。保持リン
グ45には保持凹部45-1が形成されており、転動ボー
ル10が常には保持凹部45-1に嵌まり込んでいる。
又、図13に示すように前記緩衝溝6-7と同様の機能を
有する緩衝溝45-2が形成されている。その他の構成は
図10及び図11に示す第3実施例と同じである。この
実施例においても過負荷トルクがプーリ6側に波及する
ことはなく、プーリの空転時の転動ボール10の衝突が
緩和され、騒音や摩耗が抑制され、動力遮断機構Kの再
利用が可能となる。又、緩衝ゴム46が圧縮機側の負荷
トルクの変動を緩和してプーリ6側に伝達し、車両エン
ジンの回転数変動が抑制される。連結基板6-3に保持リ
ング45を弾性結合した構成は簡素である。
【0055】次に、図14及び図15の第5実施例を説
明する。この実施例では連結基板6-3に緩衝ゴム47を
介して弾性結合された保持リング48と駆動力受承体4
9との間に転動ボール10が挟み込まれている。駆動力
受承体49は回転軸4の突出端部4-1に軸線方向へスラ
イド可能かつ相対回転不能に支持されている。ロックボ
ルト9の頭部と駆動力受承体49との間には弾性付勢手
段としての皿ばね50が介在されている。駆動力受承体
49には収容凹部49-1が形成されており、保持リング
48には保持凹部48-1及び緩衝溝48-2が形成されて
いる。その他の構成は第1実施例と同様である。
【0056】図14に示すように転動ボール10は保持
凹部48-1及び収容凹部49-1に常には嵌まり込んでい
る。圧縮機側の負荷トルクが過大になると、皿ばね50
が撓み変形し、転動ボール10が保持凹部48-1から離
脱する。離脱されたボール10は図15に示す緩衝溝4
8-2に案内されて、次の保持凹部48-1に円滑に導か
れ、該凹部48-1を出てさらに次の緩衝溝48-2に導か
れる。
【0057】この実施例においても過負荷トルクがプー
リ6側に波及することはなく、プーリの空転時の転動ボ
ール10の衝突が緩和され、騒音や摩耗が抑制され、動
力遮断機構Kの再利用が可能となる。又、緩衝ゴム47
が圧縮機側の負荷トルクの変動を緩和してプーリ6側に
伝達し、車両エンジンの回転数変動が抑制される。回転
軸4上に駆動力受承体49をスライド可能かつ回転不能
に支持すると共に、ロックボルト9と駆動力受承体49
との間に皿ばね50を介在する構成は簡素である。
【0058】次に、図16及び図17の第6実施例を説
明する。この実施例では皿ばね51に収容凹部51-1が
形成されており、図16に示すように転動ボール10が
収容凹部51-1に常時嵌まり込んでいる。皿ばね51は
回転軸4の突出端部4-1にスライド可能かつ相対回転不
能に支持されている。この実施例のその他の構成は第5
実施例と同様であり、第5実施例と同様の作用効果が得
られる。又、この実施例では皿ばね51が図14の駆動
力受承体49の役割も果たし、図14の実施例に比して
構成が一層簡素になる。
【0059】次に、図18及び図19の第7実施例を説
明する。この実施例では回転軸4に止着された駆動力受
承体52に対する連結基板6-3の対向面上に収容凹部6
-4が形成されている。連結基板6-3に対する駆動力受承
体52の対向面上には保持凹部52-1が形成されてい
る。駆動力受承体52と連結基板6-3との間には転動ボ
ール10が挟み込まれている。収容凹部6-4内には玉受
け部材53及び弾性付勢手段としての圧縮ばね54が収
容されている。駆動力受承体52には緩衝溝52-2が形
成されている。その他の構成は第1実施例と同様であ
る。
【0060】図18に示すように転動ボール10は収容
凹部6-4に常時嵌まり込んでいる。図18に示すように
転動ボール10は保持凹部52-1に常には嵌まり込んで
いる。圧縮機側の負荷トルクが過大になると、圧縮ばね
54が縮小変形し、転動ボール10が保持凹部52-1か
ら離脱する。離脱したボール10は図19に示す駆動力
受承体52に形成した緩衝溝52-2に案内されて次の凹
部52-1に円滑に導かれ、該凹部を出て次の緩衝溝52
-2に導かれ、元の凹部へと転動される。
【0061】この実施例においても過負荷トルクがプー
リ6側に波及することはなく、プーリの空転時の転動ボ
ール10の衝突が緩和され、騒音や摩耗が抑制され、動
力遮断機構Kの再利用が可能となる。又、連結基板6-3
に収容凹部6-4を形成すると共に、玉受け部材53及び
圧縮ばね54を収容する構成は簡素である。
【0062】次に、図20及び図21の第8実施例を説
明する。この実施例では回転軸4に止着された駆動力受
承体55の周面に収容凹部55-1が形成されている。連
結基板6-3の内周面には保持凹部6-6及び緩衝溝6-8が
形成されている。駆動力受承体55の周面と連結基板6
-3の内周面との間には転動ボール10が挟み込まれてい
る。収容凹部55-1内には玉受け部材56及び弾性付勢
手段としての圧縮ばね57が収容されている。その他の
構成は図10及び図11と同じである。
【0063】図20に示すように転動ボール10は収容
凹部55-1に常時嵌まり込んでいる。転動ボール10は
収容凹部6-6に常には嵌まり込んでいる。圧縮機側の負
荷トルクが過大になると、圧縮ばね57が縮小変形し、
転動ボール10が収容凹部6-6から離脱する。離脱した
ボール10は図21に示す連結基板6-3に形成した緩衝
溝6-8に案内されて次の凹部6-6に円滑に導かれ、該凹
部を出て次の緩衝溝6-8に導かれ、元の凹部へと転動さ
れる。第8実施例においても過負荷トルクがプーリ6側
に波及することはない。又、駆動力受承体55の周面に
収容凹部55-1を形成すると共に、玉受け部材56及び
圧縮ばね57を収容する構成は簡素である。
【0064】次に、図22〜図24の第9実施例を説明
する。この実施例では第1実施例において、案内溝6-5
及び周回溝8-3を省略するとともに、プーリ6に過大な
トルクが作用した場合に、図24(a)〜(c)に示す
ように駆動力受承体8に対し保持凹部8-2から離脱され
た転動ボール10を落とし込んでしまう凹部8-4が形成
されている。又、図22に示すように回転軸4の突出端
部4-1には前記駆動力受承体8のボス部内(右)端面の
位置規制をするストッパ4-4が形成され、駆動力受承体
8が連結基板6-3に接触しないようにしている。
【0065】従って、この実施例では図24(a)に示
す動力伝達可能な状態において、設定値以上の負荷が作
用して保持凹部8-2からボール10が図24(b)に示
すように抜け出した後、同図(c)に示すように、凹部
8-4に落ち込む。このプーリ6の空転時に連結基板6-3
に駆動力受承体8のボス部内端面が前記ストッパ4-4に
当たって連結基板6-3及び駆動力受承体8が同図(c)
に示すように非接触状態で保持される。このため、両部
材の摩耗が阻止されるとともに、過負荷トルクがプーリ
6側に波及することはなく、転動ボール10の衝突が阻
止され、騒音や摩耗が抑制され、動力遮断機構Kの再利
用が可能となる。さらに、凹部8-4の構成が簡素で製造
を容易に行うことができる。
【0066】第9実施例の構成を前述した第2〜第8実
施例に適用することも可能である。これらの場合には、
前述した作用効果においてさらに動力遮断機構Kの構造
が簡素となる。
【0067】なお、この発明はさらに次のように具体化
することもできる。 (1)図25に示すように前記案内溝6-5を外方部ほど
深く形成し、周回溝8-3を省略すること。この場合には
プーリの空転時にボール10が駆動力受承体8の対向面
を転動する。 (2)前記ハウジング2とベアリング5との間に予荷重
付与機能を兼用するばね(図示略)を介在するととも
に、プーリ6をスラスト方向前方に付勢し、さらにばね
11を省略し、ばね機能を有する駆動力受承体を剛体に
すること。 (3)前記ボール10及びその収容凹部、保持凹部を一
箇所又は三箇所以上にすること。 (4)前記駆動力受承体8,12,43,49,52,
55を回転軸に一体形成すること。 (5)前記第1,2実施例及び図25に示す別例におい
て、プーリ6の空転状態で前記ストッパ4-4により駆動
力受承体8と連結基板6-3と接触を阻止し、かつ転動ボ
ール10がばね11による押圧力を受けないように、前
記案内溝6-5の深さを設定するのが望ましい。この場合
には、ボール10等の摩耗を防止することができる。 (6)前記実施例では弾性付勢手段を皿ばね、コイルば
ねにより形成したが、これをゴムにより形成すること。
【0068】上記実施例から把握できる請求項以外の技
術思想について、以下にその効果とともに記載する。請
求項2において、収容凹部6-4に半径方向外側へ指向す
る案内溝6-5を形成し、その深さを先端程深くするこ
と。この場合には、第1実施例と比較して簡素な構成に
より、動力遮断後の騒音及び摩耗を抑制し、動力遮断機
構を再利用することができる。
【0069】
【発明の効果】以上詳述したようにこの発明は特許請求
の範囲の欄に記載されたように構成されているので、次
のような効果がある。
【0070】請求項1〜4記載の発明では、簡素な構成
にも関わらず圧縮機側の過負荷がプーリ側に伝達しない
ようにでき、動力遮断後の騒音及び摩耗を抑制し、再利
用することができる。
【0071】請求項5の発明では、請求項4記載の発明
の効果に加えて、プーリの空転時に駆動力受承体が連結
基板に接触しないので、接触による摩耗が阻止され、耐
久性が向上する。
【0072】請求項6の発明では、請求項1〜5記載の
発明の効果に加えて、設定された過負荷トルクに対する
弾性付勢手段の付勢力の大きさ設定が容易となる。請求
項7の発明では、機構が簡素にも関わらず圧縮機側の過
負荷がプーリ側に伝達しないようにできると共に、回転
軸のがたつきを防止できる。
【0073】請求項8〜10の発明では、機構が簡素に
も関わらず圧縮機側の過負荷がプーリ側に伝達しないよ
うにできると共に、回転軸のがたつきを防止でき、動力
遮断後の騒音及び摩耗を抑制し、再利用することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を具体化した第1実施例の圧縮機全体
の側断面図。
【図2】 図1のA−A線断面図。
【図3】 動力遮断機構の部分断面図。
【図4】 動力遮断機構の部分断面図。
【図5】 皿ばねのばね特性を示すグラフ。
【図6】 (a)は駆動力伝達可能状態を示す要部拡大
側断面図、(b)及び(c)は過負荷遮断状態を示す要
部拡大側断面図。
【図7】 図1のB−B線断面図。
【図8】 図1のC−C線断面図。
【図9】 第2実施例を示す要部拡大側断面図。
【図10】 (a)は第3実施例を示す駆動力伝達可能
状態の要部拡大側断面図、(b)は過負荷遮断状態を示
す要部拡大側断面図。
【図11】 図10(a)の左側面図。
【図12】 第4実施例を示す要部拡大側断面図。
【図13】 図12のD−D線断面図。
【図14】 第5実施例を示す要部拡大側断面図。
【図15】 図14のE−E線断面図。
【図16】 第6実施例の要部拡大側断面図。
【図17】 図16のF−F線断面図。
【図18】 第7実施例の要部拡大側断面図。
【図19】 図18のG−G線断面図。
【図20】 第8実施例の要部拡大側断面図。
【図21】 図20のH−H線断面図。
【図22】 第9実施例の要部側断面図。
【図23】 第9実施例の要部横断面図。
【図24】 (a)〜(c)は動力遮断行程を示す部分
断面図。
【図25】 この発明の別例の部分断面図。
【符号の説明】
2…フロントハウジング、4…回転軸、4-1…突出端
部、5…軸受け部材としてのアンギュラベアリング、6
…プーリ、6-4,43-3,48-1,51-1…収容凹部、
6-3…連結基板、6-5…案内溝、6-7,6-8…緩衝溝、
8-2,12-4,45-1,52-1…保持凹部、8,12,
43,49,52,55…駆動力受承体、8-3…周回
溝、8-4…凹部、10…転動子としての転動ボール、1
1…弾性付勢手段としての予荷重付与ばね、43-2…弾
性付勢手段としての板ばね、50…弾性付勢手段として
の皿ばね、54,57…弾性付勢手段としての圧縮ば
ね、K…動力遮断機構。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小倉 進一 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部駆動源の駆動力により回転されるプ
    ーリをハウジングに装着し、該ハウジングに支持した回
    転軸の突出端部と前記プーリとの間に設定値以上のトル
    クが作用した場合に動力を遮断する動力遮断機構を介装
    したクラッチレス圧縮機において、 前記回転軸の突出端部に駆動力受承体を設けると共に、
    前記プーリと駆動力受承体との対向面間に転動子を介在
    し、前記両対向面上のいずれか一方に前記転動子を収容
    するための収容凹部を設け、他方に前記転動子を保持す
    るための保持凹部を設け、前記両対向面の間隔を常には
    前記転動子が保持凹部から離脱しない間隔に保持するよ
    うに弾性付勢手段により駆動力受承体とプーリとの一方
    を他方に向けて付勢し、前記回転軸の突出端部と前記プ
    ーリとの間に設定値以上の負荷トルクが作用した場合に
    前記弾性付勢手段の付勢力に抗して前記間隔が拡大され
    て保持凹部から転動子が離脱できるようにし、さらに、
    保持凹部から離脱された転動子を収容する溝を前記両対
    向面上の少なくともいずれか一方に形成したクラッチレ
    ス圧縮機における動力遮断機構。
  2. 【請求項2】 前記溝は前記収容凹部を形成した対向面
    側に形成され、転動子を保持凹部に干渉しない位置に案
    内する案内溝と、該案内溝により案内された転動子を前
    記保持凹部側の対向面に形成され、かつ転動子を周回さ
    せる周回溝とにより形成されている請求項1記載のクラ
    ッチレス圧縮機における動力遮断機構。
  3. 【請求項3】 前記溝は前記保持凹部を形成した対向面
    側に形成され、保持凹部から離脱した転動子を該保持凹
    部又は他の保持凹部に案内する緩衝溝である請求項1記
    載のクラッチレス圧縮機における動力遮断機構。
  4. 【請求項4】 前記溝は前記保持凹部を形成した対向面
    側に形成され、保持凹部から離脱された転動子を収容凹
    部から離脱させる凹溝である請求項1記載のクラッチレ
    ス圧縮機における動力遮断機構。
  5. 【請求項5】 前記駆動力受承体と回転軸との間にはプ
    ーリの空転時に駆動力受承体が連結基板に接触するのを
    阻止するストッパが設けられている請求項4に記載のク
    ラッチレス圧縮機における動力遮断機構。
  6. 【請求項6】 前記弾性付勢手段は、駆動力受承体とプ
    ーリとのいずれか一方を回転軸の軸線方向へ付勢する皿
    ばねである請求項1〜5のいずれか1項に記載のクラッ
    チレス圧縮機における動力遮断機構。
  7. 【請求項7】 圧縮機は、回転軸に止着された回転支持
    体に斜板を傾動可能に支持し、クランク室内の圧力とボ
    ア内の圧力との片頭ピストンを介した差に応じて斜板の
    傾角を制御し、吐出圧領域の圧力をクランク室に供給す
    ると共に、クランク室の圧力を吸入圧領域に放出してク
    ランク室内の調圧を行なう可変容量型圧縮機であり、ハ
    ウジングに軸受け部材を介してプーリを所定位置で回転
    可能に支持し、前記回転軸の突出端部に押圧板を設け、
    回転軸に予荷重を付与するための予荷重付与ばねを弾性
    付勢手段として前記押圧板と駆動力受承体との間に介在
    した請求項1〜6のいずれか1項に記載のクラッチレス
    圧縮機における動力遮断機構。
  8. 【請求項8】 外部駆動源の駆動力により回転されるプ
    ーリをハウジングに装着し、該ハウジングに支持した回
    転軸の突出端部と前記プーリとの間に設定値以上の負荷
    トルクが作用した場合に駆動力を遮断する動力遮断機構
    を介装したクラッチレス圧縮機において、 前記回転軸の突出端部に駆動力受承体を不動状態に設け
    ると共に、前記プーリと駆動力受承体との対向面間に転
    動子を介在し、前記両対向面上のいずれか一方に前記転
    動子を収容するための収容凹部を設け、他方に前記転動
    子を保持するための保持凹部を設け、収容凹部内で離脱
    不能位置と離脱可能位置とに切換可能に弾性付勢手段に
    よって転動子を保持凹部側の対向面に向けて付勢し、前
    記回転軸の突出端部と前記プーリとの間に設定値以上の
    負荷トルクが作用した場合に前記弾性付勢手段の付勢力
    に抗して保持凹部から転動子が離脱できるようにし、さ
    らに、保持凹部から離脱された転動子を収容する溝を前
    記保持凹部側の対向面上に形成したクラッチレス圧縮機
    における動力遮断機構。
  9. 【請求項9】 前記溝は転動子を他の保持凹部に案内す
    る緩衝溝である請求項8記載のクラッチレス圧縮機にお
    ける動力遮断機構。
  10. 【請求項10】 前記溝は転動子を前記収容凹部から離
    脱させる凹溝である請求項8記載のクラッチレス圧縮機
    における動力遮断機構。
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