JP2003166465A - 車両用回転機械 - Google Patents

車両用回転機械

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剛史 川田
Kazuhiko Minami
和彦 南
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亮人 山ノ内
Masahiro Kawaguchi
真広 川口
Hiroto Hayashi
裕人 林
Jiro Iwasa
次郎 岩佐
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    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C2240/00Components
    • F04C2240/45Hybrid prime mover

Abstract

(57)【要約】 【課題】 外部駆動源からの動力による機構部の駆動時
において電動モータ部を従動回転させないようにするこ
とでエネルギーロスを抑制することが可能であるととも
に、回転軸の軸線方向についての小型化が容易な車両用
回転機械を提供する。 【解決手段】 回転軸16には、車両エンジンEとの間
で動力伝達を行なうための動力伝達部17Cを外周部に
備えたプーリ17が作動連結されている。プーリ17と
回転軸16との間の動力伝達経路上、及び、電動モータ
部77と回転軸16との間の動力伝達経路上には、それ
ぞれ、ワンウェイクラッチ66,83が配設されてい
る。電動モータ部77は、その一部が動力伝達部17C
の内側に配設されている。これによれば、電動モータ部
が動力伝達部の内側には配設されない構成に比較して、
車両用回転機械を回転軸の軸線方向に小型化することが
容易になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機構部を駆動する
回転軸に作動連結されるとともに外部駆動源との間で動
力伝達を行なう回転体と、前記回転軸を駆動可能な電動
モータ部とを備えた車両用回転機械に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、外部駆動源からの動力と、自
身の備えた電動モータ部の動力とを選択的に利用するこ
とで、冷媒を圧縮するための圧縮機構(機構部)を駆動
する構成の圧縮機(車両用回転機械)が知られている。
この構成としては、例えば、特開平11−30182号
公報に開示されたものが挙げられる。
【0003】この構成では、前記外部駆動源からの動力
を受けるためのプーリ(回転体)と、前記圧縮機構を駆
動するためのシャフト(回転軸)との間の動力伝達経路
上に第1ワンウェイクラッチ(第1の動力断接手段)が
配設されている。また、前記圧縮機構を駆動するための
電動モータ部と前記シャフトとの間の動力伝達経路上に
は、第2ワンウェイクラッチ(第2の動力断接手段)が
配設されている。
【0004】これにより、前記電動モータ部(具体的に
は前記電動モータ部のロータ)を回転させることなく、
前記外部駆動源からの動力により前記圧縮機構を駆動す
ることができるようになる。この結果、前記外部駆動源
から前記回転軸側に伝達された動力が、前記圧縮機構を
稼動させるため以外の不必要な仕事に消費されることが
抑止され得るようになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記構
成においては、電磁クラッチに代えてワンウェイクラッ
チを用いることによる前記圧縮機の小型化に関しては記
載されているが、前記電動モータ部等の配置の仕方によ
る小型化に関してはその配慮がなされていない。
【0006】本発明の目的は、外部駆動源からの動力に
よる機構部の駆動時において電動モータ部を従動回転さ
せないようにすることでエネルギーロスを抑制すること
が可能であるとともに、回転軸の軸線方向についての小
型化が容易な車両用回転機械を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決する
ために、請求項1に記載の発明では、車両用回転機械
は、車両用回転機械本体のハウジングに回転可能に支持
されるとともに前記車両用回転機械本体の機構部を駆動
する回転軸を備えている。前記回転軸には、外部駆動源
との間で動力伝達を行なうための動力伝達部を外周部に
備えた回転体が作動連結されている。また、車両用回転
機械は、少なくとも一部が前記動力伝達部の内側に配設
されるとともに永久磁石の磁力を利用して得た回転力に
よって前記回転軸を駆動する電動モータ部を備えてい
る。さらに、前記車両用回転機械は、前記回転体と前記
回転軸との間の動力伝達経路上に配設された第1の動力
断接手段と、前記電動モータ部と前記回転軸との間の動
力伝達経路上に配設された第2の動力断接手段とを備え
ている。
【0008】この発明によれば、電動モータ部の少なく
とも一部が回転体の動力伝達部の内側に配設されるた
め、電動モータ部が動力伝達部の内側には配設されない
構成に比較して、車両用回転機械を回転軸の軸線方向に
小型化することが容易になる。
【0009】また、前記回転体と前記回転軸との間の動
力伝達経路上と、前記電動モータ部と前記回転軸との間
の動力伝達経路上とに、それぞれ第1及び第2の動力断
接手段を設けたため、前記二つの動力伝達経路の一方を
接続状態とするとともに他方を遮断状態とすることが可
能になる。これによれば、例えば、前記電動モータ部の
ロータを従動回転させることなく外部駆動源からの動力
によって前記回転軸を駆動することができるようにな
る。
【0010】永久磁石の磁力を利用して回転力を得るタ
イプの電動モータ部は、永久磁石の磁力を利用すること
なく回転力を得るタイプの電動モータ部に比較して、効
率よく回転力を得ることが可能であるとともに、その小
型化が容易である。しかし、その反面、前記回転軸の回
転によって前記ロータを従動回転させる場合には、前記
永久磁石の影響によるコギングトルクに対応した大きさ
のトルクで前記回転軸を回転させる必要があるため、こ
れが前記回転軸の回転負荷となる。本発明では、第1の
動力断接手段を接続状態とするとともに第2の動力断接
手段を遮断状態とすることで、前記回転負荷を極力抑え
ることが可能になる。
【0011】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記外部駆動源は車両に搭載された
内燃機関であり、前記電動モータ部は、前記内燃機関の
アイドルストップ時にのみ前記回転軸を駆動する。
【0012】この発明によれば、電動モータ部により、
内燃機関のアイドルストップ時における駆動部の駆動
(圧縮機構を有する機構部の場合は冷房)が可能にな
る。また、電動モータ部がアイドルストップ時以外にも
前記回転軸を駆動する構成に比較して、電動モータ部の
駆動時間が短くなるため、電動モータ部の小型化が容易
になる。
【0013】請求項3に記載の発明では、請求項1また
は2に記載の発明において、前記第1及び第2の動力断
接手段の少なくとも一方を、ワンウェイクラッチとし
た。この発明によれば、例えば、前記第1及び第2の動
力断接手段を、ともに電磁クラッチとした構成に比較し
て、車両用回転機械の構造が簡単になる。
【0014】請求項4に記載の発明では、請求項3に記
載の発明において、前記ワンウエイクラッチは、互いに
前記回転軸の軸線方向に並ぶように配設されるとともに
互いに一体化された軸受部及びクラッチ機構部によって
構成されている。また、前記軸受部は、前記回転体及び
前記電動モータ部を構成する部品のうち、前記ワンウェ
イクラッチを介して前記回転軸に連結されるとともに前
記ワンウェイクラッチに対して一体回転可能に設けられ
た部品の重心側に配置されている。
【0015】この発明によれば、ワンウェイクラッチ
は、互いに一体化された軸受部及びクラッチ機構部によ
って構成されている。したがって、ワンウェイクラッチ
が、互いに別体とされた軸受部及びクラッチ機構部によ
って構成された場合に比較して、ワンウェイクラッチの
構成部品点数を減らすことが可能になる。
【0016】また、前記軸受部を、前記回転体及び前記
電動モータ部を構成する部品のうち、前記ワンウェイク
ラッチを介して前記回転軸に連結されるとともに前記ワ
ンウェイクラッチに対して一体回転可能に設けられた部
品の重心側に配置したため、前記クラッチ機構部を前記
重心側に配置した場合に比較して、前述の部品の回転が
安定する。これによれば、例えば、前記電動モータ部の
ロータが前記回転軸に対して前記ワンウェイクラッチを
介して連結されている構成では、前記ロータとステータ
とのギャップを一定に保つことが容易になる。また、前
記ワンウェイクラッチの噛合い不良を防止することがで
きる。
【0017】請求項5に記載の発明では、請求項3また
は4に記載の発明において、前記第1及び第2の動力断
接手段は、ともにワンウェイクラッチであるとともに、
前記第1の動力断接手段は、第2の動力断接手段に対し
て、前記回転軸の径方向における外側に配設されてい
る。
【0018】この発明によれば、例えば、前記第1及び
第2の動力断接手段の少なくとも一方を電磁クラッチと
した構成に比較して、車両用回転機械の構造が簡単にな
る。また、前記第1の動力断接手段は、前記第2の動力
断接手段に比較して、前記径方向において大きく形成さ
れる。この結果、前記第1の動力断接手段を、前記第2
の動力断接手段に比較して、大きな伝達トルクを受容可
能な構造とすることが容易になる。
【0019】請求項6に記載の発明では、請求項1〜5
のいずれか一項に記載の発明において、前記回転体と前
記回転軸との間の動力伝達経路上に、前記回転体と前記
回転軸との間の伝達トルク量が過大となった場合に前記
動力伝達経路を遮断するための動力伝達遮断手段を設け
た。
【0020】この発明によれば、動力伝達遮断手段によ
り、回転体と回転軸との間の伝達トルクが過大となった
場合に、前記動力伝達経路が遮断される。この結果、前
記伝達トルク量が過大となることによる外部駆動源側の
破損等の悪影響が防止される。
【0021】請求項7に記載の発明では、請求項1〜6
のいずれか一項に記載の発明において、前記回転体と前
記回転軸との間の動力伝達経路上に、緩衝部材を設け
た。この発明によれば、前記回転体と前記回転軸との間
の伝達トルク変動が減衰される。この結果、前記伝達ト
ルク変動に起因する前記両者間の共振が抑制される。な
お、ここで言う前記回転体と前記回転軸との間の動力伝
達経路上とは、前記回転体及び前記回転軸を含む両者間
の動力伝達経路上を意味している。
【0022】請求項8に記載の発明では、請求項1〜7
のいずれか一項に記載の発明において、前記機構部は、
冷媒の圧縮を行う圧縮機構を有している。この発明によ
れば、圧縮機構を有する車両用回転機械において、請求
項1〜7のいずれか一項に記載の発明の効果を得ること
ができる。
【0023】請求項9に記載の発明では、請求項8に記
載の発明において、前記電動モータ部は、前記圧縮機構
の駆動状態が最大要求冷房能力未満の状態において使用
される。
【0024】この発明によれば、電動モータ部が、圧縮
機構の駆動状態が最大要求冷房能力を満たす状態におい
て使用され得るものである場合に比較して、電動モータ
部の小型化が可能になる。
【0025】請求項10に記載の発明では、請求項8ま
たは9に記載の発明において、前記圧縮機構は、前記回
転軸の一回転あたりの冷媒吐出容量を変更可能で、か
つ、前記冷媒吐出容量をほぼゼロとすることが可能な構
成とされている。
【0026】この発明によれば、例えば、前記回転軸が
回転駆動された状態であっても、前記冷媒吐出容量をほ
ぼゼロとすることが可能となる。この結果、冷房が不要
な場合などに、前記回転軸を駆動するための負荷を極力
ゼロに近づけることが可能になる。
【0027】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)以下、本発明
の第1の実施形態を図1〜3に従って説明する。なお、
図1では、図面左方を圧縮機の前方、右方を後方として
いる。
【0028】図1に示すように、車両用空調装置を構成
する車両用回転機械本体としての圧縮機本体Cは、シリ
ンダブロック11と、その前端に接合固定されたフロン
トハウジング12と、シリンダブロック11の後端に弁
形成体13を介して接合固定されたリヤハウジング14
とを備えている。シリンダブロック11、フロントハウ
ジング12、弁形成体13及びリヤハウジング14は、
圧縮機本体Cのハウジングを構成している。
【0029】シリンダブロック11とフロントハウジン
グ12とで囲まれた領域には、制御圧領域としてのクラ
ンク室15が区画されている。前記ハウジングには、ク
ランク室15を貫通するように配設された回転軸16が
回転可能に支持されている。回転軸16の前端部側は、
フロントハウジング12の前壁に固定されたラジアルベ
アリング12Aによって支持されている。また、回転軸
16の後端部側は、シリンダブロック11に固定された
ラジアルベアリング11Aによって支持されている。
【0030】回転軸16の前端部はフロントハウジング
12の前壁を貫通して外部に突出するように配置されて
いる。この回転軸16の前端部は、動力伝達機構PT及
び該動力伝達機構PTを構成する回転体としてのプーリ
17に掛装されたベルト18を介して外部駆動源として
の車両エンジンE(車両に搭載された内燃機関)に作動
連結されている。
【0031】なお、回転軸16の前端部とフロントハウ
ジング12の前壁との間には、ラジアルベアリング12
Aよりも外寄りの部分に、シール部材12Bが設けられ
ている。シール部材12Bは、該シール部材12Bを挟
んで前記ハウジングの内部と外部とを圧力的に隔絶す
る。
【0032】本実施形態では、動力伝達機構PT及び圧
縮機本体Cによって、車両用回転機械(本実施形態では
圧縮機)が構成されている。回転軸16には、クランク
室15においてラグプレート19が一体回転可能に固定
されている。クランク室15には、カムプレートとして
の斜板20が収容されている。斜板20は、回転軸16
に対してスライド移動可能かつ傾動可能に支持されてい
る。斜板20は、ヒンジ機構21を介してラグプレート
19に作動連結されている。斜板20は、ヒンジ機構2
1を介したラグプレート19との前記作動連結、及び回
転軸16の支持により、ラグプレート19及び回転軸1
6と同期回転可能であるとともに、回転軸16の回転中
心軸線方向へのスライド移動を伴いながら該回転軸16
に対して傾動可能となっている。
【0033】斜板20は、回転軸16に固定された係止
リング22、及び、該係止リング22と斜板20との間
に配設されたバネ23によって、該斜板20の最小傾斜
角度が規定されるようになっている。なお、斜板20の
最小傾斜角度とは、該斜板20の、回転軸16の軸線方
向との角度が90°に最も近づいた状態における傾斜角
度を意味している。
【0034】シリンダブロック11には、複数(図1で
は一つのみ図示)のシリンダボア24が回転軸16の回
転中心軸線方向に沿うようにして貫通形成されている。
シリンダボア24には、片頭型のピストン25が往復動
可能に収容されている。シリンダボア24の前後開口
は、弁形成体13及びピストン25によって閉塞されて
おり、このシリンダボア24内にはピストン25の往復
動に応じて体積変化する圧縮室が区画形成されている。
各ピストン25は、シュー26を介して斜板20の外周
部に係留されている。これにより、回転軸16の回転に
伴う斜板20の回転運動が、シュー26を介してピスト
ン25の往復直線運動に変換されるようになっている。
【0035】なお、シリンダブロック11(シリンダボ
ア24)、回転軸16、ラグプレート19、斜板20、
ヒンジ機構21、ピストン25及びシュー26によっ
て、機構部としての容量可変型ピストン式圧縮機構が構
成されている。
【0036】リヤハウジング14には、吸入圧領域とし
ての吸入室27及び吐出圧領域としての吐出室28がそ
れぞれ区画形成されている。吸入室27及び吐出室28
の前方側は、弁形成体13によって閉塞されている。吸
入室27の冷媒ガスは、各ピストン25の上死点側から
下死点側への移動により、弁形成体13に形成された吸
入ポート29及び吸入弁30を介してシリンダボア24
(圧縮室)に導入される。シリンダボア24に導入され
た低圧な冷媒ガスは、ピストン25の下死点側から上死
点側への移動により所定の圧力にまで圧縮され、弁形成
体13に形成された吐出ポート31及び吐出弁32を介
して吐出室28に導入される。
【0037】吸入室27と吐出室28とは、外部冷媒回
路33で接続されている。外部冷媒回路33は、凝縮器
(コンデンサ)34、減圧装置としての温度式膨張弁3
5及び蒸発器(エバポレータ)36を備えている。膨張
弁35の開度は、蒸発器36の出口側又は下流側に設け
られた図示しない感温筒の検知温度および蒸発圧力(蒸
発器36の出口圧力)に基づいてフィードバック制御さ
れる。膨張弁35は、熱負荷に見合った液冷媒を蒸発器
36に供給して外部冷媒回路33における冷媒流量を調
節する。
【0038】外部冷媒回路33の下流域には、蒸発器3
6の出口と圧縮機本体Cの吸入室27とをつなぐ冷媒ガ
スの流通管37が設けられている。外部冷媒回路33の
上流域には、圧縮機本体Cの吐出室28と凝縮器34の
入口とをつなぐ冷媒の流通管38が設けられている。圧
縮機本体Cは外部冷媒回路33の下流域から吸入室27
に導かれた冷媒ガスを吸入して圧縮し、圧縮したガスを
外部冷媒回路33の上流域と繋がる吐出室28に吐出す
る。
【0039】圧縮機本体C及び外部冷媒回路33によっ
て、車輌用空調装置の冷房回路(即ち冷媒循環回路)が
構成されている。シリンダブロック11には、回転軸1
6の後端部を収容する収容孔39が形成されている。回
転軸16には、クランク室15の前域と収容孔39とを
連通する軸内孔40が形成されている。また、弁形成体
13には、吸入室27と収容孔39とを連通する連通孔
41が形成されている。収容孔39、軸内孔40及び連
通孔41によって、クランク室15と吸入室27とを連
通する抽気通路が構成されている。
【0040】また、前記ハウジングには、吐出室28と
クランク室15とを連通する給気通路42が設けられて
いる。給気通路42は、該給気通路42上(給気通路4
2の途中)に配設された制御弁43によってその開度が
調節され得るようになっている。
【0041】制御弁43の開度を調節することで給気通
路42を介したクランク室15への高圧冷媒ガスの導入
量と前記抽気通路を介したクランク室15からのガス排
出量とのバランスが制御され、クランク圧(クランク室
15の内圧)Pcが決定される。クランク圧Pcの変更
に応じて、ピストン25を介してのクランク圧Pcと前
記圧縮室の内圧との差が変更され、斜板20の傾斜角度
が変更される結果、ピストン25のストロークすなわち
回転軸16の一回転あたりの冷媒吐出容量が調節され
る。
【0042】なお、本実施形態の圧縮機本体Cにおいて
は、斜板20の前記傾斜角度が前記最小傾斜角度となっ
た状態では、回転軸16の一回転あたりの前記冷媒吐出
容量がほぼゼロとなるように構成されている。
【0043】さて、冷媒循環回路を流れる冷媒の流量
(冷媒流量Q)が大きくなるほど、回路又は配管の単位
長さ当りの圧力損失も大きくなる。つまり、冷媒循環回
路に設定された二つの圧力監視点P1,P2間の圧力損
失(差圧)は該回路における冷媒流量Qと正の相関を示
す。故に、二つの圧力監視点P1,P2間の差圧(Pd
H−PdL=二点間差圧ΔPX)を把握することは、冷
媒循環回路における冷媒流量Qを間接的に検出すること
に他ならない。
【0044】本実施形態では、流通管38の最上流域に
当たる吐出室28内に上流側の高圧監視点としての圧力
監視点P1を定めると共に、そこから所定距離だけ離れ
た流通管38の途中に下流側の低圧監視点としての圧力
監視点P2を定めている。圧力監視点P1でのガス圧P
dHを第1検圧通路44(図2参照)を介して、また、
圧力監視点P2でのガス圧PdLを第2検圧通路45
(図2参照)を介してそれぞれ制御弁43に導いてい
る。
【0045】流通管38において両圧力監視点P1,P
2間には、二点間圧力差拡大手段としての固定絞り46
が配設されている。固定絞り46は、両圧力監視点P
1,P2間の距離をそれ程離して設定しなくとも、両者
P1,P2間での二点間差圧ΔPXを明確化(拡大)す
る役目をなしている。このように、固定絞り46を両圧
力監視点P1,P2間に備えることで、特に圧力監視点
P2を圧縮機本体C寄りに設定することができ、ひいて
はこの圧力監視点P2と制御弁43との間の第2検圧通
路45を短くすることができる。なお、圧力監視点P2
における圧力PdLは、固定絞り46の作用によりPd
Hに比較して低下された状態にあっても、クランク圧P
cに比較して充分に高い圧力に設定されている。
【0046】図2に示すように、制御弁43のバルブハ
ウジング47内には、弁室48、連通路49及び感圧室
50が区画されている。弁室48及び連通路49内に
は、作動ロッド51が軸線方向(図面では上下方向)に
移動可能に配設されている。
【0047】連通路49と感圧室50とは、連通路49
に挿入された作動ロッド51の上端部によって遮断され
ている。弁室48は、給気通路42の上流部を介して吐
出室28と連通されている。連通路49は、給気通路4
2の下流部を介してクランク室15と連通されている。
弁室48及び連通路49は給気通路42の一部を構成す
る。
【0048】弁室48内には、作動ロッド51の中間部
に形成された弁体部52が配置されている。弁室48と
連通路49との境界に位置する段差は弁座53をなして
おり、連通路49は一種の弁孔をなしている。そして、
作動ロッド51が図2の位置(最下動位置)から弁体部
52が弁座53に着座する最上動位置へ上動すると、連
通路49が遮断される。つまり作動ロッド51の弁体部
52は、給気通路42の開度を調節可能な弁体として機
能する。
【0049】感圧室50内には、ベローズよりなる感圧
部材54が収容配置されている。感圧部材54の上端部
はバルブハウジング47に固定されている。感圧部材5
4の下端部には作動ロッド51の上端部が嵌入されてい
る。感圧室50内は、略有底円筒状をなす感圧部材54
によって、感圧部材54の内空間である第1圧力室55
と、感圧部材54の外空間である第2圧力室56とに区
画されている。第1圧力室55内には、第1検圧通路4
4を介して圧力監視点P1の圧力PdHが導かれ、第2
圧力室56内には、第2検圧通路45を介して圧力監視
点P2の圧力PdLが導かれている。感圧部材54や感
圧室50等が感圧機構をなしている。
【0050】バルブハウジング47の下方側には、設定
差圧変更手段としての電磁アクチュエータ部57が設け
られている。電磁アクチュエータ部57は、バルブハウ
ジング47内の中心部に有底円筒状の収容筒58を備え
ている。収容筒58において上方側の開口には、センタ
ポスト59が嵌入固定されている。このセンタポスト5
9の嵌入により、収容筒58内の最下部にはプランジャ
室60が区画されている。
【0051】プランジャ室60内には、プランジャ61
が作動ロッド51の軸線方向に移動可能に収容されてい
る。センタポスト59の中心には前記軸線方向に延びる
ガイド孔62が貫通形成され、ガイド孔62内には、作
動ロッド51の下端側が前記軸線方向に移動可能に配置
されている。作動ロッド51の下端は、プランジャ室6
0内においてプランジャ61の上端面に当接されてい
る。
【0052】プランジャ室60において収容筒58の内
底面とプランジャ61との間には、コイルバネよりなる
プランジャ付勢バネ63が収容されている。このプラン
ジャ付勢バネ63は、プランジャ61を作動ロッド51
側に向けて付勢する。また、作動ロッド51は、感圧部
材54自身が有するバネ性に基づいて、プランジャ61
側に向けて付勢されている。従って、プランジャ61と
作動ロッド51とは常時一体となって上下動する。以
下、前述の感圧部材54のバネ性に基づく付勢力を、ベ
ローズバネ力と呼ぶ。なお、ベローズバネ力は、プラン
ジャ付勢バネ63のバネ力よりも大きい。
【0053】収容筒58の外周側には、センタポスト5
9及びプランジャ61を跨ぐ範囲にコイル64が配設さ
れている。このコイル64には、図示しない制御装置の
指令に基づき、駆動回路(図示なし)を介してバッテリ
から電力が供給される。
【0054】前述のコイル64への電力供給により、こ
の電力供給量に応じた大きさの電磁力(電磁吸引力)が
プランジャ61とセンタポスト59との間に発生する。
この電磁力に基づいて、作動ロッド51にはプランジャ
61を介して図面上方への力が作用する。なお、コイル
64への通電制御は印加電圧を調整することでなされ、
この印加電圧の調整にはPWM(パルス幅変調)制御す
なわちデューティ制御が採用されている。
【0055】制御弁43においては、次のようにして作
動ロッド51(弁体部52)の配置位置つまり弁開度が
決まる。まず、コイル64への通電がない場合(デュー
ティ比=0%)は、作動ロッド51の配置には、前記ベ
ローズバネ力による図面下向きの付勢力の作用が支配的
となる。従って、作動ロッド51は最下動位置に配置さ
れ、弁体部52は連通路49を全開とする。このため、
クランク圧Pcは、その時おかれた状況下において取り
得る最大値となり、このクランク圧Pcと前記圧縮室の
内圧とのピストン25を介した差が大きくなる。その結
果、斜板20はその傾斜角度が最小となり、圧縮機本体
Cにおける回転軸16の一回転あたりの冷媒吐出容量が
最小となる。
【0056】次に、制御弁43において、コイル64に
対しデューティ比可変範囲の最小デューティ比(>0
%)の通電がなされると、プランジャ付勢バネ63によ
って加勢された図面上向きの電磁力が、前記ベローズバ
ネ力による下向き付勢力を上回り、作動ロッド51が上
動を開始する。この状態では、プランジャ付勢バネ63
の上向きの付勢力によって加勢された上向き電磁力が、
前記ベローズバネ力(下向き付勢力)によって加勢され
た二点間差圧ΔPXに基づく下向き押圧力に対抗する。
そして、これら上下付勢力が均衡する位置に、作動ロッ
ド51の弁体部52が弁座53に対して位置決めされ
る。
【0057】例えば、前記冷媒循環回路の冷媒流量が減
少すると、作動ロッド51に作用する下向きの二点間差
圧ΔPXに基づく力が減少する。従って、作動ロッド5
1(弁体部52)が上動して連通路49の開度が減少
し、クランク圧Pcが低下傾向となる。このため、斜板
20が傾斜角度増大方向に傾動し、圧縮機本体Cの前記
冷媒吐出容量は増大される。前記冷媒吐出容量が増大す
れば、前記冷媒循環回路における冷媒流量も増大し、二
点間差圧ΔPXは増加する。
【0058】逆に、前記冷媒循環回路の冷媒流量が増大
すると、下向きの二点間差圧ΔPXに基づく力が増大す
る。従って、作動ロッド51(弁体部52)が下動して
連通路49の開度が増加し、クランク圧Pcが増大傾向
となる。このため、斜板20が傾斜角度減少方向に傾動
し、前記冷媒吐出容量は減少される。前記冷媒吐出容量
が減少すれば、前記冷媒循環回路における冷媒流量も減
少し、二点間差圧ΔPXは減少する。
【0059】また、例えば、コイル64への通電デュー
ティ比を大きくして上向きの電磁力を大きくすると、作
動ロッド51(弁体部52)が上動して連通路49の開
度が減少し前記冷媒吐出容量が増大される。従って、前
記冷媒循環回路における冷媒流量が増大し、二点間差圧
ΔPXも増大する。
【0060】逆に、コイル64への通電デューティ比を
小さくして上向きの電磁力を小さくすると、作動ロッド
51(弁体部52)が下動して連通路49の開度が増加
し、前記冷媒吐出容量が減少する。従って、前記冷媒循
環回路における冷媒流量が減少し、二点間差圧ΔPXも
減少する。
【0061】つまり、制御弁43は、コイル64への通
電デューティ比によって決定された二点間差圧ΔPXの
制御目標(設定差圧)を維持するように、この二点間差
圧ΔPXの変動に応じて内部自律的に作動ロッド51
(弁体部52)を位置決めする構成となっている。ま
た、この設定差圧は、コイル64への通電デューティ比
を調節することで外部から変更可能となっている。
【0062】図1に示すように、プーリ17は、上流側
プーリ部材17Aと、下流側プーリ部材17Bとを備え
ている。上流側プーリ部材17Aは、ベルト18が巻回
される動力伝達部17Cを有する外筒部17Dと、内筒
部17Eと、外筒部17Dと内筒部17Eとを連結する
ようにそれぞれに対して一体形成された円板状部17F
とからなっている。動力伝達部17Cは、外筒部17D
の外周部に形成されている。
【0063】外筒部17Dの前面側には、動力伝達遮断
手段(可破断部材)としての略円柱状の動力伝達ピン1
7Gが、外筒部17Dの周方向に均等に複数(図では2
つのみ図示)固定されている。動力伝達ピン17Gは、
外筒部17Dの前面側に形成された凹部に嵌入されると
ともに、回転軸16の軸線方向に対してほぼ平行に前方
に突出した状態で固定されている。
【0064】本実施形態では、動力伝達ピン17Gが焼
結金属により形成されている。この焼結金属は、疲労限
度比σW/σBの値が0.5程度確保されるように設定さ
れている。なお、ここで言うσWは疲労強度であり、σB
は引っ張り強度である。
【0065】下流側プーリ部材17Bは、内筒部17H
と、該内筒部17Hの前端部において径方向の外側に延
在するように一体形成された円板状部17Jと、該円板
状部17Jの外周部において後方に延在するように一体
形成された外筒部17Kとからなっている。
【0066】下流側プーリ部材17Bの外筒部17Kの
後面側には、各動力伝達ピン17Gに対応する位置に緩
衝部材としてのゴムダンパ17Lがそれぞれ固定されて
いる。各ゴムダンパ17Lは、外筒部17Kの後面側に
複数形成された凹部にそれぞれ収容されている。各ゴム
ダンパ17Lは、それぞれ凹部を有する有底円筒状に形
成されており、これら各凹部には、それぞれに対応する
動力伝達ピン17Gが嵌入されている。
【0067】したがって、本実施形態のプーリ17にお
いては、ベルト18を介して上流側プーリ部材17Aに
伝達された動力が、動力伝達ピン17G及びゴムダンパ
17Lを介して下流側プーリ部材17Bに伝達されるよ
うになっている。つまり、動力伝達ピン17G及びゴム
ダンパ17Lは、上流側プーリ部材17Aと下流側プー
リ部材17Bとの間の動力伝達経路上に設けられてい
る。
【0068】本実施形態では、上流側プーリ部材17
A、下流側プーリ部材17B、動力伝達ピン17G及び
ゴムダンパ17Lによってプーリ17が構成されてい
る。なお、プーリ17は、上流側プーリ部材17A及び
下流側プーリ部材17B等によって囲まれた内部空間を
有するように構成されている。
【0069】回転軸16の前端部には、略円筒状のハブ
部65が螺合によって固定されている。ハブ部65と下
流側プーリ部材17Bの内筒部17Hとの間には、第1
の動力断接手段としてのワンウェイクラッチ66が配設
されている。すなわち、ワンウェイクラッチ66は、プ
ーリ17と回転軸16との間の動力伝達経路上に配設さ
れている。
【0070】ワンウェイクラッチ66は、互いに回転軸
16の軸線方向に並ぶように配設されるとともに互いに
一体化されたクラッチ機構部としてのワンウェイクラッ
チ機構部67及び軸受部68によって構成されている。
【0071】ワンウェイクラッチ66は、内筒部17H
の内周面上に固定された外輪部69と、ハブ部65の外
周面上に固定されるとともに外輪部69に取り囲まれる
ように配設された内輪部70とを有している。外輪部6
9と内輪部70とは、軸受部68において前記外輪部6
9と前記内輪部70との間で周方向に並ぶように一列に
配設された複数の転動体としてのボール71の転動によ
って互いに相対回転可能になっている。
【0072】下流側プーリ部材17Bとハブ部65との
間に配設されたワンウェイクラッチ66においては、軸
受部68が、ワンウェイクラッチ機構部67に対して、
下流側プーリ部材17B及びゴムダンパ17Lによって
構成される部品の重心側すなわち後側に配置されてい
る。すなわち、下流側プーリ部材17B及びゴムダンパ
17Lは、ワンウェイクラッチ66を介して回転軸16
に連結されるとともにワンウェイクラッチ66に対して
一体回転可能に設けられた部品を構成している。
【0073】図3に示すように、ワンウェイクラッチ機
構部67において、外輪部69の内周部分には、回転軸
16周りに等間隔に複数の収容凹部72が形成されてい
る。各収容凹部72の図面時計周り方向側の端部には、
動力伝達面73が形成されている。収容凹部72内には
回転軸16と平行にコロ74が収容されている。コロ7
4は動力伝達面73との噛み合い位置(図3(a)にお
けるコロ74の位置)と同位置から外れた位置(図3
(b)におけるコロ74の位置)との間で移動可能とな
っている。
【0074】収容凹部72の動力伝達面73と反対側の
端部には、バネ座部材75が配設されている。バネ座部
材75とコロ74との間には、該コロ74を動力伝達面
73の噛み合い位置に向けて付勢するコロ付勢バネ76
が介在されている。
【0075】図3(a)に示すように、プーリ17を介
した車両エンジンEからの動力伝達によって外輪部69
が矢印方向に回転すると、コロ付勢バネ76の付勢力に
よってコロ74が動力伝達面73の噛み合い位置に移動
される。すると、動力伝達面73と内輪部70の外周面
との間のクサビ作用によって、内輪部70は外輪部69
と同方向に回転される。
【0076】したがって、車両エンジンEの稼動時にお
いては、該車両エンジンEの動力がプーリ17、ワンウ
ェイクラッチ機構部67及びハブ部65を介して回転軸
16に伝達されて、該回転軸16が常時回転駆動される
こととなる。
【0077】一方、例えば、図3(b)に示すように、
車両エンジンE(プーリ17)の停止状態において内輪
部70が矢印方向に回転しようとした場合には、コロ7
4はコロ付勢バネ76の付勢力に抗して動力伝達面73
の噛み合い位置から離間され、よって内輪部70は外輪
部69に対して空転されることとなる。
【0078】図1に示すように、プーリ17の前記内部
空間には、電動モータ部77が配設されている。電動モ
ータ部77を構成するステータ78を前記ハウジング側
に固定するためのステータ固定部材79の円筒状の支持
部79Aは、フロントハウジング12の前壁部において
回転軸16の前端部を取り囲むように突設された支持筒
部12Cの外周面上に外嵌固定されている。支持部79
Aと上流側プーリ部材17Aの内筒部17Eとの間に
は、ベアリング80が配設されている。つまり、プーリ
17は、互いに離間して配設されたワンウェイクラッチ
66(軸受部68)とベアリング80とによって支持さ
れている。
【0079】ステータ固定部材79は、ステータ78を
取着するための円筒状の取着部79Bと、該取着部79
Bと支持部79Aとを連結する連結部79Cとを有して
いる。取着部79Bの後側の一部、連結部79C及び支
持部79Aは動力伝達部17Cの内側に配設されてい
る。取着部79Bの内周面上には、前述のステータ78
が取着されている。ステータ78は、永久磁石によって
構成されている。
【0080】取着部79Bの内側(具体的にはステータ
78の内側)には、ステータ78と対向するように、電
動モータ部77を構成するロータ81が配設されてい
る。ロータ81は、ロータ鉄心81Aと、これに巻回さ
れたコイル81Bとを備えている。コイル81Bへの給
電は、連結部79Cに装着されたブラシ82を介して行
われる。電動モータ部77は、ステータ78の発生する
磁力と、前記給電に起因してロータ81側に発生する磁
力との相互作用によってロータ81の回転力を得る構造
となっている。
【0081】ステータ78及びロータ81の後側の一部
は、動力伝達部17Cの内側に配設されている。ブラシ
82は、図示しない駆動回路を介してバッテリ(図示な
し)に接続されている。前記駆動回路は、図示しない制
御装置からの指令に基づいて、前記バッテリからブラシ
82への電力供給をON/OFF制御する。
【0082】ステータ78、ステータ固定部材79、ロ
ータ81及びブラシ82等によって、電動モータ部77
が構成されている。ロータ81と回転軸16との間の動
力伝達経路上には、第2の動力断接手段としてのワンウ
ェイクラッチ83が配設されている。ワンウェイクラッ
チ83は、前述のワンウェイクラッチ66と同様の構造
をなすものである。したがって、その各構造部材につい
ては、図面においてワンウェイクラッチ66のものと同
一の符号を付し、詳細な説明を省略する。なお、ワンウ
ェイクラッチ83においては、外輪部69はロータ鉄心
81Aの内周面上に固定され、内輪部70は回転軸16
の外周面上に固定されている。また、ワンウェイクラッ
チ83においては、軸受部68がワンウェイクラッチ機
構部67の前方に配設されている。
【0083】プーリ17側に設けられたワンウェイクラ
ッチ66は、電動モータ部77側に設けられたワンウェ
イクラッチ83に対して、回転軸16の径方向の外側に
配設されている。
【0084】プーリ17、ベアリング80、ハブ部6
5、ワンウェイクラッチ66,83及び電動モータ部7
7によって、動力伝達機構PTが構成されている。本実
施形態では、車両エンジンEの稼動時にはその動力がプ
ーリ17及びワンウェイクラッチ66を介して回転軸1
6に常時伝達されるようになっている。また、車両エン
ジンEの停止時(具体的にはアイドルストップ時)にお
いて空調が必要とされた場合には、電動モータ部77が
駆動されてその動力がワンウェイクラッチ83を介して
回転軸16に伝達されるようになっている。
【0085】前記アイドルストップ時とは、車両エンジ
ンE等の状態(車両エンジンEの回転速度やその経時変
化状態、車両速度、車両のアクセルペダル踏量やシフト
レバーの位置状態など)に基づいて、車両エンジンEが
一時的に停止するように制御された状態にある時を意味
する。
【0086】前記駆動回路は、車両エンジンEの稼動時
において、ブラシ82に対する給電を行わないように前
記制御装置によって制御される。車両エンジンEの稼動
時には、ワンウェイクラッチ66の外輪部69から内輪
部70への動力伝達が行われることで、車両エンジンE
の動力が回転軸16に伝達される(第1の動力断接手段
の接続状態)。また、このとき、ワンウェイクラッチ8
3の内輪部70は回転軸16とともに一体回転するが、
ワンウェイクラッチ83の外輪部69と内輪部70とが
互いに空転することで、車両エンジンEの動力がロータ
81の回転のためにはほとんど消費されないようになっ
ている(第2の動力断接手段の遮断状態)。
【0087】例えば、回転軸16側からの回転動力によ
ってロータ81を従動回転させるためには、ステータ7
8の発生する磁力の影響によるコギングトルクに対応し
た大きさのトルクが必要とされる。本実施形態では、ワ
ンウェイクラッチ83の前記空転時において内輪部70
から外輪部69に伝達されるトルクが前記コギングトル
クよりも小さく設定されている。つまり、ブラシ82に
対する前記給電が行われていない状態では、回転軸16
が回転状態にあっても、ロータ81はほとんど回転しな
いようになっている。
【0088】また、前記駆動回路は、車両の空調(冷
房)が必要とされた状態において、車両エンジンEの前
記アイドルストップ時にのみ電動モータ部77を駆動す
るように、前記制御装置による制御に基づきブラシ82
に対して給電を行う。前記給電により発生したロータ8
1の回転力は、ワンウェイクラッチ83の外輪部69か
ら内輪部70に伝達される。これにより、電動モータ部
77の動力が回転軸16に伝達される(第2の動力断接
手段の接続状態)。この結果、車両エンジンEの前記ア
イドリングストップ時における車室の空調が可能とな
る。
【0089】また、このとき、ワンウェイクラッチ66
の内輪部70はハブ部65及び回転軸16とともに一体
回転するが、ワンウェイクラッチ66の外輪部69と内
輪部70とが互いに空転することで、電動モータ部77
の動力はプーリ17側にはほとんど伝達されないように
なっている(第1の動力断接手段の遮断状態)。
【0090】本実施形態において、電動モータ部77
は、前記圧縮機構の駆動状態が最大要求冷房能力未満の
状態において使用されるようになっている。すなわち、
電動モータ部77は、制御弁43を制御する前記制御装
置が前記冷媒循環回路において必要とする冷媒流量を満
足し得ない状態において使用される。
【0091】本実施形態では、車両エンジンEから上流
側プーリ部材17Aに伝達された駆動力はゴムダンパ1
7L及び動力伝達ピン17Gを介して下流側プーリ部材
17B側に伝えられる。
【0092】上流側プーリ部材17Aと下流側プーリ部
材17Bとの間の動力伝達経路上にゴムダンパ17Lが
介在されていることによって、上流側プーリ部材17A
と下流側プーリ部材17Bとの回転中心軸線のずれが吸
収される。すなわち、ゴムダンパ17Lの変形によっ
て、前記回転中心軸線のずれに起因してラジアルベアリ
ング12A、軸受部68及びベアリング80等の軸受部
材などに発生する応力が低減される。また、ゴムダンパ
17Lは、前記圧縮機構における圧縮反力などによる回
転軸16の回転振動(トルク変動)の、下流側プーリ部
材17B側から上流側プーリ部材17A側への伝達を、
自身の減衰作用によって抑制する。
【0093】なお、本構成においては、一方の回転方向
のみに動力を伝達することが可能なワンウェイクラッチ
66のワンウェイクラッチ機構部67の作用によって、
前記回転振動のうち他方の回転方向成分はハブ部65か
らプーリ17に伝達されなくなる。
【0094】本実施形態では、上流側プーリ部材17A
と下流側プーリ部材17Bとの間の伝達トルク量が、車
両エンジンEに対して悪影響を及ぼさない程度の大きさ
(通常の動力伝達状態における伝達トルク量)であると
き、車両エンジンEから回転軸16への動力伝達は継続
される。
【0095】ところが、圧縮機本体Cに何らかの異常
(例えばデッドロック)が生じて、前記伝達トルク量が
前述の大きさを超えた(過大な)状態になると、動力伝
達ピン17Gが過負荷により折損(破断)する。すなわ
ち、上流側プーリ部材17Aから下流側プーリ部材17
Bへの動力伝達が遮断される。これにより、前記伝達ト
ルク量が過大になることに起因する車両エンジンEへの
悪影響が防止される。
【0096】本実施形態では、以下のような効果を得る
ことができる。 (1) 電動モータ部77を、上流側プーリ部材17A
及び下流側プーリ部材17B等で囲まれたプーリ17の
内部空間に配設した。これによれば、前記内部空間の有
効利用により、動力伝達機構PTの小型化を図ることが
できる。
【0097】(2) 電動モータ部77の一部が動力伝
達部17Cの内側に配設されている。このため、電動モ
ータ部が動力伝達部の内側には配設されない構成に比較
して、車両用回転機械を回転軸の軸線方向に小型化する
ことが容易になる。
【0098】(3) 電動モータ部77は、車両エンジ
ンEのアイドルストップ時にのみ回転軸16を駆動す
る。これによれば、電動モータ部がアイドルストップ時
以外にも回転軸を駆動する構成に比較して、電動モータ
部の駆動時間が短くなるため、電動モータ部の小型化が
容易になる。一般に、前記アイドルストップは、車両エ
ンジンEが稼動状態にある時間に比較して時間的に相当
に短いものであるため、前記電動モータ部の小型化は相
当に容易になる。
【0099】(4) 電動モータ部77は、前記圧縮機
構の駆動状態が最大要求冷房能力未満の状態において使
用される。これによれば、電動モータ部が、圧縮機構の
駆動状態が前記最大要求冷房能力を満たす状態において
使用され得るものである場合に比較して、電動モータ部
の小型化が可能になる。
【0100】(5) プーリ17と回転軸16との間の
動力伝達経路上と、電動モータ部77と回転軸16との
間の動力伝達経路上とに、それぞれ第1及び第2の動力
断接手段(ワンウェイクラッチ66,83)を設けた。
このため、前記二つの動力伝達経路の一方を接続状態と
するとともに他方を遮断状態とすることが可能になる。
これによれば、電動モータ部77のロータ81を従動回
転させることなく車両エンジンEからの動力によって回
転軸16を駆動することができるようになる。回転軸1
6の回転によってロータ81を従動回転させる場合に
は、ステータ78(永久磁石)の影響によるコギングト
ルクに対応した大きさのトルクで回転軸16を回転させ
る必要があるため、これが回転軸16の回転負荷とな
る。本構成では、前記第1の動力断接手段(ワンウェイ
クラッチ66)を接続状態とするとともに前記第2の動
力断接手段(ワンウェイクラッチ83)を遮断状態とす
ることで、前記回転負荷を極力抑えることが可能にな
る。
【0101】また、本実施形態のように、電動モータ部
77を、前記圧縮機構の駆動状態が最大要求冷房能力未
満の状態において使用されるようなものとしたとき、例
えば、電動モータ部77を比較的低い回転速度において
回転軸16を駆動するように設定して、電動モータ部7
7の小型化を図る場合がある。この場合においても、前
記第2の動力断接手段が遮断状態であれば、プーリ17
によって回転軸16が高速に回転されても、ロータ81
を従動回転させないようにすることが可能である。つま
り、前記従動回転によるコイル81Bにおける過大な誘
導起電力の発生を防止することが可能になり、この過大
な誘導起電力に起因する過熱等の電動モータ部77の不
具合の発生が防止され得るようになる。したがって、プ
ーリ17と回転軸16との間、及び、電動モータ部77
と回転軸16との間の動力伝達経路上に、それぞれ動力
断接手段を設けるという本実施形態の構成は、比較的低
い回転速度域において使用される電動モータ部77に対
して、特に有用なものといえる。
【0102】(6) 前記第1及び第2の動力断接手段
を、ともにワンウェイクラッチとした。これによれば、
例えば、第1及び第2の動力断接手段の少なくとも一方
を電磁クラッチとした構成に比較して、前記電磁クラッ
チを制御するための装置等を設ける必要がないため、車
両用回転機械の構造が簡単になる。
【0103】(7) 互いに一体化された軸受部68及
びワンウェイクラッチ機構部67によって、各ワンウェ
イクラッチ66,83が構成されている。したがって、
互いに別体とされた軸受部及びクラッチ機構部によって
ワンウェイクラッチが構成された場合に比較して、ワン
ウェイクラッチの構成部品点数を減らすことが可能にな
る。
【0104】(8) ワンウェイクラッチ66の軸受部
68を、プーリ17を構成する部品のうち、ワンウェイ
クラッチ66を介して回転軸16に連結されるとともに
ワンウェイクラッチ66に対して一体回転可能に設けら
れた部品(下流側プーリ部材17B及びゴムダンパ17
Lによって構成される部品)の重心側に配置した。この
ため、クラッチ機構部を前記重心側に配置した場合に比
較して、前記重心と軸受部68との距離が短くなるた
め、前述の部品(下流側プーリ部材17B及びプーリ1
7によって構成される部品)の回転が安定する。これに
よれば、ワンウェイクラッチ66のワンウェイクラッチ
機構部67の噛合い不良を防止することができる。
【0105】(9) ワンウェイクラッチ66は、ワン
ウェイクラッチ83に対して、回転軸16の径方向にお
ける外側に配設されている。これによれば、ワンウェイ
クラッチ66は、ワンウェイクラッチ83に比較して、
前記径方向において大きく形成される。この結果、ワン
ウェイクラッチ66を、ワンウェイクラッチ83に比較
して、大きな伝達トルクを受容可能な構造とすることが
容易になるとともに、ワンウェイクラッチ機構部67の
前記接続状態(動力伝達時の状態)における耐久性を向
上させることが容易になる。本実施形態において、車両
エンジンE側からの動力を回転軸16側に伝達するワン
ウェイクラッチ66は、ワンウェイクラッチ83に比較
して、前記接続状態にある時間が長いため、特に有用で
ある。
【0106】また、ワンウェイクラッチ83を、ワンウ
ェイクラッチ66に比較して、前記空転時(前記遮断状
態)における外輪部69と内輪部70との相対周速が小
さい構造とすることが容易になる。これによれば、軸受
部68の耐久性を向上させることが容易になる。本実施
形態において、ワンウェイクラッチ83は、ワンウェイ
クラッチ66に比較して、前記遮断状態にある時間が長
いため、特に有用である。
【0107】(10) プーリ17は、互いに離間して
配設されたワンウェイクラッチ66(軸受部68)とベ
アリング80とによって支持されている。したがって、
プーリ17に対して外力が作用した際に、該プーリ17
が回転軸16の回転中心軸線に対して傾き難くなる。こ
れによれば、プーリ17が傾くことによる該プーリ17
の各部の偏磨耗や、ワンウェイクラッチ66のワンウェ
イクラッチ機構部67の噛合い不良等を抑止することが
できる。
【0108】(11) 前記動力伝達遮断手段(動力伝
達ピン17G)を設けたことにより、例えば、圧縮機本
体Cにデッドロック等の異常が発生した場合にも、これ
による過大な負荷が車両エンジンE側にかかることがな
くなる。
【0109】(12) 前記動力伝達遮断手段(可破断
部材(動力伝達ピン17G))は焼結金属により形成さ
れている。前記焼結金属は比較的延性が低いため、動力
伝達ピン17Gに過大な前記伝達トルクが作用した場合
に動力伝達ピン17Gを破断させるための伝達トルク量
の設定が容易になる。また、焼結金属はその疲労限度比
σW/σBの値を或る程度高く確保することが比較的容易
である。そのため、通常の動力伝達状態において動力伝
達ピン17Gに作用する繰返し応力に対しての耐久性を
比較的高く確保するとともに、この耐久性と動力伝達ピ
ン17Gを破断させるための伝達トルク量とのバランス
を好適なものとすることが容易になる。したがって、動
力伝達ピン17Gが通常の動力伝達状態における伝達ト
ルク量では良好な耐久性を示して動力伝達を遮断(破
断)せず、過大な伝達トルク量となった場合に遮断する
ようにするための設定が容易になる。
【0110】(13) 上流側プーリ部材17Aと下流
側プーリ部材17Bとの間の動力伝達経路上には、ゴム
ダンパ17Lが設けられている。これによれば、誤差な
どによる上流側プーリ部材17Aと下流側プーリ部材1
7Bとの回転中心軸線のずれが吸収される。したがっ
て、前記回転中心軸線のずれに起因してラジアルベアリ
ング12A、軸受部68及びベアリング80等の軸受部
材などに発生する応力を、ゴムダンパ17Lの変形によ
って低減することができる。この結果、前記車両用回転
機械の耐久性を向上させることが可能になる。
【0111】(14) ゴムダンパ17Lにより、下流
側プーリ部材17B側から上流側プーリ部材17A側に
伝達される前記回転振動(伝達トルク変動)の減衰が可
能になる。この結果、前記伝達トルク変動に起因する車
両エンジンEと回転軸16との間の共振が抑制される。
【0112】(15) 前記圧縮機構は、回転軸16の
一回転あたりの冷媒吐出容量をほぼゼロとすることが可
能な構成とされている。これによれば、回転軸16が回
転駆動された状態であっても、前記冷媒吐出容量をほぼ
ゼロにすることが可能になる。この結果、冷房が不要な
場合などに、回転軸16を駆動するための負荷を極力ゼ
ロに近づけることが可能になる。
【0113】(16) 本実施形態の制御弁43によれ
ば、圧縮機本体Cの負荷トルクに大きな影響を与える、
圧縮機本体Cの単位時間当たりの冷媒吐出量(冷媒流
量)が、直接的に外部から制御され得るようになる。ま
た、例えば、前記冷媒流量を所定量以下に保つ制御を、
冷媒流量センサ等を用いなくとも高精度でかつ応答性良
く行うことができるようになる。
【0114】(第2の実施形態)この第2の実施形態
は、前記第1の実施形態において動力伝達機構PTの構
成を変更したものであり、その他の点では第1の実施形
態と同様の構成になっている。従って、第1の実施形態
と共通する構成部分については図面上に同一符号を付し
て重複した説明を省略する。
【0115】図4(a)は、本実施形態の動力伝達機構
PTを前方より見た状態を示す正面図である。また、図
4(b)は、図4(a)のb−b線における断面を示す
断面図であり、この図には圧縮機本体Cの一部分も示さ
れている。
【0116】本実施形態においては、フロントハウジン
グ12の前端部に、モータハウジング84が固定されて
いる。すなわち、モータハウジング84、シリンダブロ
ック11、フロントハウジング12、弁形成体13及び
リヤハウジング14によって、圧縮機本体Cのハウジン
グが構成されている。
【0117】モータハウジング84の前壁部において回
転軸16の前端部を取り囲むように突設された支持筒部
84Aの外周面上には、本実施形態のプーリ17を構成
する上流側プーリ部材17Aがベアリング85を介して
回転可能に支持されている。なお、図4(a)において
は、ベアリング85の図示が省略されている。
【0118】本実施形態の上流側プーリ部材17Aは、
ベアリング85の外輪部に外嵌された環状の部材本体部
17Mと、該部材本体部17Mの外周部に設けられた動
力伝達部17Cとからなっている。
【0119】ワンウェイクラッチ66の外輪部69に
は、本実施形態のプーリ17を構成する下流側プーリ部
材17Bが固定されている。下流側プーリ部材17B
は、外輪部69に外嵌された筒状部17Nと、該筒状部
17Nの外周面から外側に向けて径方向に突設された複
数(本実施形態では三つ)のアーム部17P(動力伝達
遮断手段)と、該アーム部17Pの先端部から後方に突
出するように設けられた動力伝達片17Qとからなって
いる。本実施形態の下流側プーリ部材17Bは、前記第
1の実施形態の動力伝達ピン17Gと同様の焼結金属に
よって一体形成されている。
【0120】下流側プーリ部材17Bにおいて、各アー
ム部17Pはプーリ17の周方向に対して互いに等間隔
に設けられている。各動力伝達片17Qの後端側の部分
は、部材本体部17Mにおいて動力伝達片17Qと対向
する位置に設けられた収容凹部17Rに挿入されてい
る。
【0121】図4(a)及び図5に示すように、収容凹
部17Rにおいて、動力伝達片17Qの両側(プーリ1
7の周方向における両側)には、緩衝部材としてのブロ
ック状のゴムダンパ17Sが一つずつ圧入されている。
この構成では、車両エンジンEから上流側プーリ部材1
7Aに伝達された動力が、ゴムダンパ17Sを介して下
流側プーリ部材17Bに伝達される。また、ゴムダンパ
17Sの減衰作用によって、下流側プーリ部材17B側
から上流側プーリ部材17A側に伝達される前記トルク
変動が抑制される。さらに、両プーリ部材17A,17
Bの回転中心軸線が互いにずれていることに起因してラ
ジアルベアリング12A、軸受部68及びベアリング8
5等の軸受部材などに発生する応力を、ゴムダンパ17
Sの変形によって低減することができる。
【0122】本実施形態では、圧縮機本体Cの異常等に
より、両プーリ部材17A,17B間の前記伝達トルク
量が過大な状態になると、アーム部17Pが過負荷によ
り折損(破断)する。すなわち、上流側プーリ部材17
Aから下流側プーリ部材17Bへの動力伝達が遮断さ
れ、前記伝達トルク量が過大になることに起因する車両
エンジンEへの悪影響が防止される。
【0123】図4(b)に示すように、フロントハウジ
ング12の前壁部とモータハウジング84とで囲まれた
領域には、モータ室84Bが形成されている。本実施形
態においては、電動モータ部77がこのモータ室84B
に配設されている。
【0124】本実施形態の電動モータ部77のロータ鉄
心81Aは、ワンウェイクラッチ83の外輪部69に外
嵌された筒状部81Cと、該筒状部81Cの後部におい
て外側に径方向に延在するように設けられるとともにコ
イル81Bが巻回されたコイル巻回部81Dとからなっ
ている。このロータ鉄心81A及びコイル81Bによっ
て構成されたロータ81の重心は、筒状部81Cの後寄
りの部分に位置している。本実施形態では、ワンウェイ
クラッチ83において、軸受部68が、ワンウェイクラ
ッチ機構部67に対してロータ81の重心側すなわち後
側に配置されている。すなわち、ロータ81は、ワンウ
ェイクラッチ83を介して回転軸16に連結されるとと
もにワンウェイクラッチ83に対して一体回転可能に設
けられた部品を構成している。
【0125】本実施形態では、ステータ78はモータハ
ウジング84の内周面上において、コイル81B及びコ
イル巻回部81Dと対向するこれらの外側(径方向の外
側)の位置に固定されている。また、ブラシ82は、支
持筒部84Aの内周面上において、筒状部81Cの前部
と対向するこの外側(径方向の外側)の位置に装着され
ている。
【0126】また、本実施形態では、ロータ81及びス
テータ78の前側の一部、及び、ブラシ82が動力伝達
部17Cの内側に配設されている。本実施形態では、上
記の(2)〜(9)及び(11)〜(16)と同様の効
果の他に、以下のような効果を得ることができる。
【0127】(17) 電動モータ部77を、圧縮機本
体Cの前記ハウジング側に収容した。これによれば、例
えば、前記第1の実施形態のように、プーリの前記内部
空間に電動モータ部を配設した構成に比較して、プーリ
自体の体格を小さくするとともに、その慣性モーメント
を小さくすることが容易になる。この結果、プーリ17
の回転レスポンスの向上を図ることが容易に可能にな
る。
【0128】(第3の実施形態)この第3の実施形態
は、前記第2の実施形態において電動モータ部77の構
成を変更したものであり、その他の点では第2の実施形
態と同一の構成になっている。従って、第2の実施形態
と共通する構成部分については図面上に同一符号を付し
て重複した説明を省略する。
【0129】図6に示すように、本実施形態の電動モー
タ部77においては、ステータ78が、ロータ81のコ
イル巻回部81Dの前後両側に配設された永久磁石によ
って構成されている。すなわち、コイル81B及びコイ
ル巻回部81Dは、それらの前後側がそれぞれステータ
78(永久磁石)に対向するようになっている。前記永
久磁石のうち前側に配置されたものは、モータハウジン
グ84の内面に固定され、後側に配置されたものは、フ
ロントハウジング12の前壁部の前面に支持部材12D
を介して固定されている。
【0130】本実施形態では、上記の(2)〜(9)及
び(11)〜(17)と同様の効果の他に、以下のよう
な効果を得ることができる。 (18) コイル81B及びコイル巻回部81Dは、そ
れらの前後側がそれぞれステータ78(永久磁石)に対
向するようになっている。これによれば、ステータ78
の磁力によって形成されるコイル81B及びコイル巻回
部81D周辺の磁界を強くすることが容易になる。した
がって、電動モータ部77において、より大きな出力を
確保することが容易になる。
【0131】実施の形態は前記に限定されるものではな
く、例えば、以下の様態としてもよい。 ○ 前記実施形態では、プーリ17側に設けられたワン
ウェイクラッチ66は、電動モータ部77側に設けられ
たワンウェイクラッチ83に対して回転軸16の径方向
における外側に配設されたが、これに限定されない。ワ
ンウェイクラッチ66がワンウェイクラッチ83に対し
て前記径方向における内側に設けられてもよく、前記両
者が前記径方向において同じ位置に設けられてもよい。
【0132】○ ワンウェイクラッチ(66,83)に
おいて、軸受部68は、プーリ17及び電動モータ部7
7を構成する部品のうち、前記ワンウェイクラッチを介
して回転軸16に連結されるとともに前記ワンウェイク
ラッチに対して一体回転可能に設けられた部品の反重心
側に配置されていてもよい。
【0133】○ 前記実施形態では、ワンウェイクラッ
チ(66,83)を、互いに一体化されたワンウェイク
ラッチ機構部67と軸受部68とで構成したが、互いに
別体のワンウェイクラッチ機構部と軸受部とで構成して
もよい。
【0134】○ 前記実施形態では、前記両動力断接手
段を、ともにワンウェイクラッチとしたが、これに限定
されない。例えば、前記両動力断接手段の一方をワンウ
ェイクラッチとするとともに他方を電磁クラッチとして
もよく、両方を電磁クラッチとしてもよい。
【0135】○ 前記実施形態では、電動モータ部77
が、前記圧縮機構の駆動状態が最大要求冷房能力未満の
状態において使用されるようになっているが、これに限
定されない。電動モータ部を、前記駆動状態が最大要求
冷房能力を満たす状態において使用可能な構成としても
よい。
【0136】○ 前記実施形態では、電動モータ部77
が、車両エンジンEのアイドルストップ時にのみ回転軸
16を駆動するように構成されているが、前記アイドル
ストップ時以外にも回転軸16を駆動するように構成さ
れていてもよい。
【0137】○ 前記実施形態では、ブラシを介してロ
ータに給電を行うタイプの電動モータ部を使用したが、
ブラシを用いることなくステータに給電を行う、所謂ブ
ラシレスタイプの電動モータ部を使用してもよい。この
場合においても、永久磁石の磁力を利用することなく回
転力を得るタイプの電動モータ部に比較して、効率よく
回転力を得ることが可能であるとともに、その小型化が
容易である。このブラシレスタイプの電動モータ部とし
て、例えば、リラクタンスモータやステッピングモータ
等を使用してもよい。
【0138】○ 前記実施形態では、可破断部材を構成
する焼結金属の疲労限度比σW/σBの値が0.5程度確
保されるように設定されているが、これに限定されな
い。この場合、前記可破断部材に過大な前記伝達トルク
が作用した場合に該可破断部材を破断させるための伝達
トルク量の設定が可能な範囲であればよい。
【0139】○ 前記実施形態では、可破断部材を焼結
金属によって形成したが、これに限定されない。例え
ば、低炭素鋼によって形成してもよい。低炭素鋼はその
疲労限度比σW/σBの値を或る程度高く(0.5程度)
確保することが比較的容易である。そのため、通常の動
力伝達状態において前記可破断部材に作用する繰返し応
力に対しての耐久性を比較的高く確保するとともに、こ
の耐久性と前記可破断部材を破断させるための伝達トル
ク量とのバランスを好適なものとすることが容易にな
る。したがって、前記可破断部材が通常の動力伝達状態
における伝達トルク量では良好な耐久性を示して動力伝
達を遮断(破断)せず、過大な伝達トルク量となった場
合に遮断するようにするための設定が容易になる。
【0140】○ 前記実施形態では、可破断部材を金属
によって形成したが、これに限定されない。この場合、
自身に過大な前記伝達トルクが作用した場合に所定の伝
達トルク量において破断可能な素材であれば、例えば、
樹脂やセラミックなど、どのような素材を用いてもよ
い。
【0141】○ 前記実施形態では、動力伝達遮断手段
を、可破断部材の破断により前記動力伝達を遮断する構
成としたが、これに限定しなくてもよい。例えば、動力
伝達経路における上流側の回転体と下流側の回転体との
間の前記動力伝達経路上に、前記両回転体の少なくとも
一方と係脱可能な状態で前記両回転体を作動連結する連
結部材(動力伝達遮断手段)が設けられた構成としても
よい。
【0142】○ 前記実施形態において、プーリ17と
回転軸16との間の伝達トルク量が過大となった場合に
前記両者間の動力伝達経路を遮断可能な動力伝達遮断手
段(動力伝達ピン17G、アーム部17P)を設けた
が、前記手段は設けられていなくてもよい。
【0143】○ 前記実施形態では、ゴム製の緩衝部材
(ゴムダンパ)を利用したが、たとえば、エラストマ等
を用いて形成したダンパを利用してもよい。 ○ 前記実施形態において、プーリ17と回転軸16と
の間の動力伝達経路上には、緩衝部材(ゴムダンパな
ど)は、設けられていなくてもよい。
【0144】○ 前記実施形態において、ワンウェイク
ラッチを、外輪部69と内輪部70とをコロ74を利用
したクサビ作用によって動力伝達的に断接する構成とし
たが、この構成に限定する必要はない。たとえば、プー
リ17側及び電動モータ部77側から回転軸16側への
動力伝達を許容するとともに回転軸16側からプーリ1
7側及び電動モータ部77側への動力伝達を抑止するこ
とが可能な構成であればどのような構成であってもよ
い。
【0145】○ 前記実施形態において、軸受部68
は、互いに回転軸16の軸線方向に並ぶ複数列のボール
71を有していてもよい。 ○ 前記実施形態では、前記制御弁は、前記冷媒循環回
路に設定された二つの圧力監視点間の圧力差を検出する
とともに前記圧力差の変動を打ち消す側に前記冷媒吐出
容量が変更されるように弁体の位置変更を自律的に行う
構成とされたが、これに限定されない。例えば、前記冷
媒循環回路に設定された一つの圧力監視点の圧力に基づ
いて弁体の位置変更を行う構成とされていてもよい。ま
た、例えば、外部からの指令によってのみ弁体の位置変
更を行う構成とされていてもよい。
【0146】○ 前記実施形態では、前記制御弁は、外
部からの制御によって、弁体の位置決め動作の基準が変
更され得る構成とされたが、これに限定されない。例え
ば、外部からの制御が行われることなく自律的な弁体の
位置決め動作のみを行う構成とされていてもよい。
【0147】○ 動力伝達機構PTは、圧縮機本体Cの
ような、片頭型のピストンに圧縮動作を行なわせる片側
式の圧縮機にではなく、クランク室を挟んで前後両側に
設けられたシリンダボアにおいて両頭型のピストンに圧
縮動作を行なわせる両側式の圧縮機に設けられていても
よい。
【0148】○ 圧縮機本体Cを、カムプレート(斜板
20)が回転軸16と一体回転する構成に代えて、カム
プレートが回転軸に対して相対回転可能に支持されて揺
動するタイプ、例えば、揺動(ワッブル)式圧縮機とし
てもよい。
【0149】○ 圧縮機本体Cは、回転軸16の一回転
あたりの冷媒吐出容量をほぼゼロに変更可能な構成とさ
れているが、ほぼゼロまでには変更できない構成であっ
てもよい。
【0150】○ 圧縮機本体Cは、ピストン25のスト
ロークが一定とされた固定容量タイプであってもよい。 ○ 前記実施形態において、ピストンが往復動を行うピ
ストン式圧縮機の適用例を示したが、スクロール型圧縮
機等の回転型圧縮機に適用してもよい。
【0151】○ 前記実施形態において、前記回転体と
して、プーリ以外にも、スプロケットやギヤ等を適用し
てもよい。 ○ 前記実施形態において、圧縮機の適用例を示した
が、外部駆動源からの動力と、自身の備えた電動モータ
部の動力とによって回転軸を駆動させる構成の回転機械
であれば、どのようなものに適用してもよい。たとえ
ば、パワーステアリング用の油圧ポンプに適用してもよ
い。
【0152】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1〜10に
記載の発明によれば、車両用回転機械において、外部駆
動源からの動力による機構部の駆動時において電動モー
タ部を従動回転させないようにすることでエネルギーロ
スを抑制することが可能になるとともに、回転軸の軸線
方向についての小型化が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の圧縮機の概要を示す模式断面
図。
【図2】同じく制御弁の概要を示す模式断面図。
【図3】同じくワンウェイクラッチ機構部を示す模式部
分拡大断面図。
【図4】(a)は、第2の実施形態の動力伝達機構を示
す模式正面図、(b)は、図4(a)のb−b線におけ
る模式断面図。
【図5】同じくゴムダンパ及び動力伝達片を示す模式拡
大一部断面図。
【図6】第3の実施形態の動力伝達機構を示す模式断面
図。
【符号の説明】
11…シリンダブロック、12…フロントハウジング、
13…弁形成体、14…リヤハウジング(11,12,
13及び14は第1の実施形態において圧縮機本体のハ
ウジングを構成する)、16…回転軸、17…回転体と
してのプーリ、17C…動力伝達部、17G…動力伝達
遮断手段としての動力伝達ピン、17L…緩衝部材とし
てのゴムダンパ、17P…動力伝達遮断手段としてのア
ーム部、17S…緩衝部材としてのゴムダンパ、19…
ラグプレート、20…斜板、21…ヒンジ機構、24…
シリンダボア、25…ピストン、26…シュー(16,
19,20,21,24,25及び26は、機構部とし
ての圧縮機構を構成する)、66…第1の動力断接手段
としてのワンウェイクラッチ、67…クラッチ機構部と
してのワンウェイクラッチ機構部、68…軸受部、77
…電動モータ部、83…第2の動力断接手段としてのワ
ンウェイクラッチ、84…モータハウジング(11,1
2,13,14及び84は第2及び第3の実施形態にお
いて圧縮機本体のハウジングを構成する)、C…車両用
回転機械本体としての圧縮機本体、E…外部駆動源(内
燃機関)としての車両エンジン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16D 9/08 F04B 27/08 H 41/06 F16D 9/00 A (72)発明者 安谷屋 拓 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機内 (72)発明者 川田 剛史 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機内 (72)発明者 南 和彦 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機内 (72)発明者 山ノ内 亮人 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機内 (72)発明者 川口 真広 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機内 (72)発明者 林 裕人 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機内 (72)発明者 岩佐 次郎 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機内 Fターム(参考) 3H075 AA19 BB03 BB13 BB16 CC25 CC34 CC35 DB03 DB04 DB25 DB33 DB37 3H076 AA06 BB21 BB38 CC07 CC12 CC16 CC17 CC20

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両用回転機械本体と、 前記車両用回転機械本体のハウジングに回転可能に支持
    されるとともに前記車両用回転機械本体の機構部を駆動
    する回転軸と、 前記回転軸に作動連結されるとともに、外部駆動源との
    間で動力伝達を行なうための動力伝達部を外周部に備え
    た回転体と、 少なくとも一部が前記動力伝達部の内側に配設されると
    ともに永久磁石の磁力を利用して得た回転力によって前
    記回転軸を駆動する電動モータ部と、 前記回転体と前記回転軸との間の動力伝達経路上に配設
    された第1の動力断接手段と、 前記電動モータ部と前記回転軸との間の動力伝達経路上
    に配設された第2の動力断接手段とを備えた車両用回転
    機械。
  2. 【請求項2】 前記外部駆動源は車両に搭載された内燃
    機関であり、前記電動モータ部は、前記内燃機関のアイ
    ドルストップ時にのみ前記回転軸を駆動する請求項1に
    記載の車両用回転機械。
  3. 【請求項3】 前記第1及び第2の動力断接手段の少な
    くとも一方を、ワンウェイクラッチとした請求項1また
    は2に記載の車両用回転機械。
  4. 【請求項4】 前記ワンウエイクラッチは、互いに前記
    回転軸の軸線方向に並ぶように配設されるとともに互い
    に一体化された軸受部及びクラッチ機構部によって構成
    され、前記軸受部は、前記回転体及び前記電動モータ部
    を構成する部品のうち、前記ワンウェイクラッチを介し
    て前記回転軸に連結されるとともに前記ワンウェイクラ
    ッチに対して一体回転可能に設けられた部品の重心側に
    配置されている請求項3に記載の車両用回転機械。
  5. 【請求項5】 前記第1及び第2の動力断接手段は、と
    もにワンウェイクラッチであるとともに、前記第1の動
    力断接手段は、第2の動力断接手段に対して、前記回転
    軸の径方向における外側に配設されている請求項3また
    は4に記載の車両用回転機械。
  6. 【請求項6】 前記回転体と前記回転軸との間の動力伝
    達経路上に、前記回転体と前記回転軸との間の伝達トル
    ク量が過大となった場合に前記動力伝達経路を遮断する
    ための動力伝達遮断手段を設けた請求項1〜5のいずれ
    か一項に記載の車両用回転機械。
  7. 【請求項7】 前記回転体と前記回転軸との間の動力伝
    達経路上に、緩衝部材を設けた請求項1〜6のいずれか
    一項に記載の車両用回転機械。
  8. 【請求項8】 前記機構部は、冷媒の圧縮を行う圧縮機
    構を有している請求項1〜7のいずれか一項に記載の車
    両用回転機械。
  9. 【請求項9】 前記電動モータ部は、前記圧縮機構の駆
    動状態が最大要求冷房能力未満の状態において使用され
    る請求項8に記載の車両用回転機械。
  10. 【請求項10】 前記圧縮機構は、前記回転軸の一回転
    あたりの冷媒吐出容量を変更可能で、かつ、前記冷媒吐
    出容量をほぼゼロとすることが可能な構成とされている
    請求項8または9に記載の車両用回転機械。
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