JPH08209848A - 建築物の屋根の内外にわたって設置し部屋とする缶体 - Google Patents

建築物の屋根の内外にわたって設置し部屋とする缶体

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JPH08209848A
JPH08209848A JP5488295A JP5488295A JPH08209848A JP H08209848 A JPH08209848 A JP H08209848A JP 5488295 A JP5488295 A JP 5488295A JP 5488295 A JP5488295 A JP 5488295A JP H08209848 A JPH08209848 A JP H08209848A
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roof
building
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purlin
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Yoshiaki Imazu
賀昭 今津
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Abstract

(57)【要約】 【目 的】 本発明は、建築物の屋根の内外にわたって
設置し、部屋として使用するあらかじめ工場生産した缶
状の構造物の構造及びその設置方法並びにその周囲の屋
根の施工方法に関するものである。 【構 成】 缶体2を缶体下部3、缶体中部下4、缶体
中部上5及び缶体上部6のそれぞれ工場生産した部品で
ある四つの部分を一つに結合して形成する。その最下部
に支持梁13を付置してクレーンを用いて吊り上げ、建
築物の小屋梁14又は小屋組の下弦材38に固定する。
固定後、缶体中部上5又は缶体中部4の外周部にあらか
じめ付置した母屋フランジ11に缶体上置母屋15b及
び缶体取合母屋15bを固定し、屋根工事の定法に従っ
て屋根工事を進めて屋根1を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建築物の屋根の内外に
わたって設置し、部屋として使用するあらかじめ工場生
産した缶状の構造物に関する。
【0002】
【従来の技術】都市部における住宅は高額な地価のため
敷地が狭小であって、部屋数が不足し、書斎や勉強部屋
がない例が多い。地下室及び屋根裏部屋はこれを補う方
法であるが、地下室の場合は湿気が高いなど衛生上望ま
しくないことが多く、これを改善しようとする場合は多
額の費用を必要とする。一方、屋根裏部屋は断熱と防水
を配慮すれば、日照、採光、通風、眺望などの自然環境
を楽しむことができる。従来、建築物の勾配屋根の内部
を屋根裏部屋として構築し、屋根の一部を通して明かり
取り用の窓、換気用の窓、装飾用の窓などを設けるもの
があった。従来の方法で屋根裏部屋を形成する場合は、
建築物の一部として建築物の構築の段階にそって、その
都度、屋根裏部屋の骨組、周辺部分の母屋及びたる木の
切断や補強、電気配線、建具工事、内部仕上げ、外部仕
上げ、屋根工事及び防水工事を施していたので、作業条
件が悪く、人手がかかり、工期が長くかかり、コストが
高くなるなど生産性が悪いという欠点があった。さら
に、現場施工であるため使用材料が限られ、細密な構造
とすることが困難で、多様な機能を付与することができ
ず、美観に優れたものも少なく、精度が悪く、出来栄え
のばらつきが大きいという欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】住宅の一部をあらかじ
め工場生産する例はユニット・バス、システム・キッチ
ン、洗面化粧台などがある。これらの、工場生産品は、
優れた機能、性能、美観のものを、現場の設置方法がマ
ニュアル化されて生産性の高い方法で、安く供給し、豊
かな住居環境を創設する要因となっており、大きな産業
上の需要を喚起してきた。屋根裏部屋が工場生産品とさ
れた例は少ないが、屋根裏部屋自体については、部品を
標準化することができれば、自動車産業における車体の
製造設備等及び乗用自動車の内装の生産設備等を応用す
ることによって製造することができる。屋根裏部屋を工
場生産品とする場合は、建築物の梁、小屋組、母屋、た
る木、野地板及び屋根葺材などの各部との複雑な取り合
い部があるため、ユニット・バス、システム・キッチ
ン、洗面化粧台などのただ建築物の床に置くだけ又は床
に置いて建築物の壁に軽く止めて転倒するのを防止する
だけでよいものと異なり、取り合い部の構造を解決し、
堅固で耐久性があり、防水性能が高く、現場で施工しや
すいものとする必要があり、この点が最大の課題であ
る。本発明は、工場生産しやすい屋根裏部屋として利用
する缶体の構造及び建築物との取り合い部の構造と施工
方法を創作したものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、本発明においては、屋根裏部屋となる缶体下部
3、缶体中部下4、缶体中部上5、缶体上部6をあらか
じめ工場で生産し、これらを工場又は建築物の施工現場
で一つの缶体2に結合して、建築物の構造部の組み立て
時に合わせて搬入し、クレーン等を用いて吊り上げ、建
築物の小屋梁14又は小屋組の下弦材38に固定する。
缶体2の周囲に屋根1を形成するときは、缶体中部下4
の頂部の外周又は缶体中部上5の下部の外周に付置した
母屋受フランジ11に缶体取り合い母屋15a及び缶体
上置き母屋15bを載せる。缶体に取り合わない一般母
屋15cは小屋組の常法に従い、図示しない小屋束の上
に置く。その後の工程は、屋根工事の常法に従い、缶体
取合たる木17b、一般たる木17aを置き、野地板1
8a及びルーフィング18b、屋根葺材19、雨押え金
物21を施す。このように一つに成型した缶体2の周囲
に屋根1を形成した場合は、缶体2が屋根1から突出す
るため、屋根1としてはその一部が穴として切り取られ
欠損した形となる。地震時や暴風時においては屋根1に
は鉛直方向の圧縮力又は引抜力が加わると同時に屋根1
の面内にせん断力が加わる。屋根の面内せん断力は一般
には野地板18aが堅固な面体となって受け止める役割
を果たすが、一つに成型した缶体2の部分が穴として切
り取られる本発明の場合においては、存在しない野地板
に代わってその役割を担うものが必要である。本発明の
缶体2の缶体中部下4の上部又は缶体中部上5の下部の
周囲を一巡するように付置した母屋受フランジ11は、
周囲の野地板18aから,缶体取合たる木17b及びた
る木17aを経由し、缶体上置母屋15b、缶体取合母
屋15aを介して加わるせん断力によっても微少にしか
変形することのない堅固な枠構造とするので、一体の屋
根の場合と同様に地震時及び暴風時の外力に安全に抵抗
することができる。一方積雪時、地震時及び暴風時に鉛
直方向に加わる力は、一つに形成された缶体2の周囲に
おいては、野地板18a、缶体取合たる木17b及び一
般たる木17a、缶体上置母屋15b及び缶体取合母屋
15a、母屋受フランジ11の順に伝わり、缶体中部下
4、缶体下部3の壁部22a及び缶体下部3の床部分を
経由して、一つに形成された缶体2の全重量とその内部
に積載した重量とともに支持梁13に伝え、建築物の小
屋梁14又は小屋組の下弦材38で受ける。小屋梁14
で受ける場合は、支持梁13から伝わる集中荷重を安全
に受け止めるに必要な大きさの小屋梁断面とすればよ
い。支持梁13を小屋組の下弦材38で受ける場合は、
通常小屋組の下弦材は小屋組の上弦材39の端部が開く
のを止めるための引張力に抵抗するためだけに必要な程
度の小さな断面の材料が使用されるから、支持梁13か
ら加わる大きな集中荷重を受けることができない。下弦
材38と上弦材39を斜材43で連結して、小屋トラス
を形成して、小屋組全体で荷重を受けるようにすれば、
安全に支持梁13から加わる集中荷重を受け止めること
ができる。鉛直方向の荷重はさらに小屋梁14又は小屋
組の下弦材38の両端部から柱に伝わるが、柱の断面が
不足する時は容易に大きくすることができる。柱40の
下部の基礎はその幅を大きくすることによって局部的に
増大した柱の軸圧縮荷重を地盤に安全に支持させること
ができる。
【0005】
【実施例】 図1は本発明の実施例において用いられる
屋根裏部屋として使用する缶体2が建築物の屋根1の内
外にわたって設置された状態を示す部分斜視図である。
缶体2と建築物の屋根1とが相貫する位置における缶体
2の平面形状は、屋根1の勾配の水上側で二つの斜辺を
有する概略の五角形である。缶体2の斜辺が屋根に取り
合う部分には排水谷10を設ける。缶体2の上部には、
側面開口部8、頂部開口部7、換気孔9が設けられる。
缶体2の下部は破線に示すように屋根の下部に位置す
る。
【0006】図2は本発明の実施例において用いられる
缶体2の屋根勾配に沿った方向の中央部分の近傍、すな
わち前述の図1におけるA−Aを切断した断面図であ
る。ここで、缶体下部3、缶体中部下4、缶体中部上
5、缶体上部6は、それぞれ単独に製造された後、図示
しないボルト等の結合金物で一つの缶体2として形成さ
れる。缶体下部3は多くの事例で共通に使用することが
できる、形状一定の標準部品であり、屋根裏部屋として
使用する場合に必要なデスク53、体息のためのベッド
54、チェア54a、進入口12の外、図に示さない電
気配管とその接合端子、スイッチ及びコンセント、図に
示さない電話配線とその接合端子及びアウトレット、図
に示さないテレビアンテナ配線とその接合端子及びアウ
トレット、図に示さないエアコン、換気扇の配線その接
合端子及びスイッチがあらかじめ生産工場で付置されて
いる。缶体下部3の天端3bは、缶体中部下4の下端4
aと図示しないボルトで密着できる形状で、その接合面
は建築物の屋根の勾配として一般に設計されるもののう
ち比較的急な勾配、例えば十分の六とする。缶体下部3
の下部には支持梁13を堅固に付置する。缶体中部下4
は個々の物件の設計屋根勾配及び屋根と支持梁13の高
さの関係に対応してその都度製造される非標準部品であ
る。缶体中部下4の上端4bは個々の物件の設計屋根勾
配に平行に形成し、その外周部には母屋受フランジ11
が堅固に付置されている。非標準部品となる缶体中部下
4は標準部品である缶体下部3に比べて内部にしつらえ
るものはなく、側壁状部分22a内に、図示しない照
明、エアコン、換気扇の配線とこれらの接合端子がある
だけである。缶体中部上5は、個々の建築物件の母屋、
たる木、野地板、ルーフィング、屋根葺材料それぞれの
設計寸法、一つに形成された缶体2の高さの設計寸法及
び設計屋根勾配に応じてその都度製造される非標準部品
である。缶体中部上5の下端5aは、缶体中部下4の上
端4bと図示しないボルトを用いて密着して接合され、
その勾配は個々の建築物の設計屋根勾配に同じである。
缶体中部下4の上端4bの外周に母屋受フランジ11を
付置する代わりに、缶体中部上5の下端5aの外周に母
屋受フランジ11を付置してもよい。缶体中部上5の上
端5bは建築物の屋根勾配として一般に設計されるもの
のうち比較的緩い勾配、例えば十分の二とする。缶体中
部5は、施工完了後においては、その一部が屋根1の上
に、他の部分は屋根1の下に位置することになる。缶体
中部上5は、缶体中部下4と同様に内部にしつらえるも
のはなく、缶体中部下4と同様な配線とその接合端子が
あるだけである。なお、缶体中部上5と缶体中部下4と
は最初から一つの非標準部品として製造してもよい。缶
体上部6は缶体下部3と同様に標準部品であり、その下
端6aは、勾配は十分の三で、缶体中部上5の上端5b
に図示しないボルトで密着して接合される。缶体上部6
はそのすべてが建築物の屋根1の上に位置する。缶体上
部6には、側面開口部8、頂上開口部7、換気孔9が設
けられる外、図示しない換気扇、吊戸棚24、エアコン
配管23、図示しないエアコン、エアコン配線、照明器
具及び電気配線とその接合端子が製造工場で付置する。
3、4、5、6の缶体は主として鉄鋼材料で製造され天
井部分26、壁部分22a、床部分25の内部に断熱材
22を充填する。缶体上部の表装6bは外部に晒される
からセラミックス材など耐久性のよい材料を使用し、美
観と防火に備えるとよい。3、4、5、6の缶体はそれ
ぞれを部品として工場で製造した後、工場で、場合によ
っては現場で、一つに結合し、図示しないクレーン等で
吊り込んで設置する。
【0007】一つに形成された缶体2が現場において、
後述する方法に従って建築物の小屋梁14又は小屋組の
下弦材38に固定された後に、母屋受フランジ11の上
には、飼物16を介して又は直接に缶体上置母屋15b
が図示しないボルトで固定される。缶体上置母屋15b
上には缶体取合たる木17b、野地板18a、ルーフィ
ング18b、屋根葺材19の順で屋根工事の常法に従っ
て施工し、屋根が缶体5の外周にほぼ接するまで形成す
る。このとき、図1で示した缶体2の水上側の斜辺に沿
ってコーナーキャント20を下地としてルーフィング1
8bを貼った上に排水勾配を形成しながら排水谷10を
設ける。缶体上部6の下部の外周には、雨押え金物21
を、立ちあげたルーフィング18cを被せるように付置
する。図3は、缶体、特に母屋受フランジと母屋及びた
る木の取り付け関係を詳述するための斜視図である。一
般母屋15cは缶体に抵触しない位置にあり、図示しな
い小屋束で支持されている。缶体取合母屋15aは缶体
に付置した母屋受フランジ11上にその一端を図示しな
い飼物を介して又は直接に、図示しないボルトで堅固に
緊結し、他は一般母屋と同様に図示しない小屋束で支持
する。缶体上置母屋15bは飼物16を介して又は直接
に母受けフランジ11に図示しないボルトで緊結する。
このようにして、全ての母屋は個々の建築物の設計され
た屋根勾配に平行な一つの面上にあるように設置するこ
とができる。これらの母屋に缶体取合たる木17b及び
缶体に抵触しない一般たる木17aを常法に従って上置
固定することによって野地板18aを張り付ける下地が
用意されたことになる。
【0008】図4は一つに形成された缶体2に堅固に付
置した支持梁13と建築物の小屋梁14との関係を述べ
る図5及び図6を説明するための案内の役割をする斜視
図である。図5は図4のB−B断面である。省略してそ
の存在のみを示した一つに形成した缶体2を小屋梁14
の上部に設置する場合を表わす。工場であるいは現場で
缶体2の低部に堅固に付置した支持梁13は束材27を
介して小屋梁14と結合ボルト28で緊結される。さら
に支持梁13の中央近傍に付置されたガセットプレート
31と小屋梁14とは振止材30でその端部をボルト2
9a及び29bを用いて緊結する。必要に応じて断面に
垂直な方向にも振止材30bを設ける。
【0009】図6は同様に図4のB−B断面であるが、
省略してその存在のみを示した一つに形成された缶体2
に付置した支持梁13の下面を小屋梁14の天端よりも
下に設置する場合の取り付け方法を示す。小屋梁14の
上に高さ調整材32を介して又は直接にL型形状の吊束
36がボルト33で緊結し、その下端は支持梁受材35
とボルト35aで緊結する。缶体2とその支持梁13は
吊束36の内端36bの間を吊り下ろして支持梁受材3
5に上置しボルト35bで堅固に結合する。支持梁13
は振止材34でボルト34a及びボルト34bを用いて
小屋梁14とも結合する。必要に応じて断面に垂直な方
向にも振止材34cを設ける。図5又は図6を用いて述
べたいずれかの方法に従えば、従来の和風木造建築物の
小屋梁14と缶体2を堅固に固定することができる。
【0010】図7は近年盛んになったツーバイフォー工
法場合において、小屋組間に缶体2を設置するときの斜
視図である。缶体2が存在する部分では小屋組を形成す
ることができないから、まず、支持梁13を後で詳述す
る方法で缶体2の両脇の小屋組の下弦材38に固定した
後に、たる木37を付ける。たる木37は、直接に又は
図示しない飼物を介して母屋受フランジ11に図示しな
いL型金物と図示しない釘又はボルトを用いて固定す
る。たる木37が長い場合は相互に転び止め45、46
で連結する。さらに強度が不足するときは、コラービー
ム42で図示しない反対方向のたる木と連結する場合も
ある。支持梁13を受ける小屋組の下弦材38は強度上
の必要がある場合は本図に示す2本組又は図示しない3
本組として合わせて使用する。小屋組の合掌尻41aを
上枠41を介して支持する、ツーバイフォー工法でスタ
ッドと呼ばれる柱40は強度上の必要がある場合は本図
に示す2本組又は図示しない3本組として、合わせて使
用する。図示しない屋根シージングその他の屋根工事の
施工についてはツーバイフォー工法の常法に従い施工す
る外、防水工事の施工方法に関しては前述した和風木造
建築物の場合と同じである。
【0011】図8は図7のC−Cを切断した断面図であ
る。その存在のみを示した缶体2の支持梁13を束材4
8を介して小屋組の下弦材38と羽子板ボルト47で緊
結する。この位置に缶体2を吊り下ろして設置しようと
する場合において、支持梁13が小屋トラスの上弦利3
9に当たってしまうときは、90度程度回転させて下ろ
す。この方法が採用できない場合においては、缶体2と
支持梁13を結合しないでおき、まず、支持梁13だけ
を例えば小屋組の上弦材39と下弦材38の間に一方か
ら差し込むようにして一本づつ取り付けて、これとあと
から全体を帯状の吊り紐で巻くようにして吊り下ろした
缶体2を図示しないボルトを用いて固定すればよい。図
示しない鋼材の取り付けピースで支持梁13の中央近傍
に緊結した木材のガセット51と、図示しないL型金物
で下弦材38と直行する方向に緊結した木材のガセット
50を、木材の筋違い49で釘群52を用いて連結す
る。必要に応じて断面に垂直な方向にも振止材55を設
ける。以上図7及び図8に従って詳述した方法に従え
ば、ツーバイフォー工法の場合にも缶体2をその小屋組
の中に堅固に設置することができる。
【0012】
【発明の効果】 本発明の効果を工場での部品生産の観
点から見れば、実施例に示したように、形状が複雑では
あるが標準部品として形状を一定とすることができる缶
体3及び6と、非標準部品で形状が個々の物件ごとに変
動するがその形状が比較的に単純である缶体4及び5と
の組合せによって多くの設計に対応することができる一
つの缶体2を形成するから、標準部品3及び6は機械化
した量産システムで効率よく製造することができる一
方、非標準部品4及び5は人力による生産方式となるこ
とが多いが、形状が単純であるから工数は多くない。機
械化した生産システムによって製造する缶体3にしつら
うデスク53、ベッド54、チェア54aは乗用自動車
の内装と同等の出来栄えが得られる。同様に缶体6にし
つらう頂上開口部7は自動車のハッチバックと同等の出
来栄えが得られるし、吊戸棚24は旅客機のものと同等
なものが得られる。しかも、工場において集約的に行な
われるので精度よく安価に提供される。これを現場でそ
れぞれに付置しようとすると多くの専門技能工が必要と
なり高額となる。本発明の効果を現場取り付け作業の観
点で見れば、クレーン等を使用すれば、缶体2を容易に
吊り込むことができ、和風建築工法の場合の小屋梁14
やツーバイフォー工法の小屋組の下弦材38について
も、それぞれの工法で慣例的に行なわれている方法に準
じた比較的平易な措置を付加して講ずるだけで堅固に取
り付けることができ、缶体2の取り付けのために特別の
技能工が必要になることはない。屋根工事の施工の観点
で見ると、母屋受フランジ11が有する、缶体2と缶体
上置母屋15b及び缶体取合母屋15aとを結合する機
能が効力を発揮して、従前から慣用的に行なわれてきた
屋根工事の施工の体系によく馴染むから、大工及び屋根
葺職人の技能で容易に缶体2に関連する部分の工事を進
めることができる。もし、本発明で示す屋根裏部屋と同
様のものを、工場製品を用いず現場だけで施工しようと
するときは、工期、コストの上で不利であるだけでな
く、高度な技能が必要となる。本発明の効果を住宅建築
の新しい空間と意匠の創設という観点で見ると、工場生
産される缶体2の内部は、例えばデスクの前面はプラス
チック成型品を使用して乗用自動車のダッシュボードな
みのしつらいを施すことによって、例えば航空機のコク
ピットに似た、かっての住宅には見られなかった斬新な
空間が住宅の部屋として創設できる。書斎や趣味室とし
ての利用のみならず、来たるべき在宅勤務の時代には快
適で効率のよい仕事室としての利用が図れる。本発明の
効果を安全な居住という観点から見ると、缶体2自体が
一種の曲面構造をなすから地震などの外力に対する抵抗
力に優れ、耐火性能の高い材料を併用すれば火災に対す
る抵抗力も生ずる。このため木造建築物に設置した場合
は、地震や火災などの災害の際に最も安全性の高い部分
ということができる。本発明の効果を産業分野の新しい
需要の創設の観点から見ると、従前にあったものの改良
でも代替でもなく、まったく新しい物品の創設であるか
ら、ある産業分野のシェアを奪うものでなく、新規の需
要を創設するものであり、新しい雇用を生み出すもので
ある。上述したような効果を総合すれば、本発明は自動
車関連産業及び住宅関連産業の振興の促進に関係する意
義深い発明といえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の缶体と屋根の斜視図
【図2】本発明の缶体の断面図
【図3】和風建築工法において本発明の缶体の周囲に母
屋とたる木を設置した斜視図
【図4】本発明の缶体を和風建築物の小屋梁上に設置し
た場合の斜視図
【図5】缶体底を建築物の小屋梁の上部に設置するとき
の図4におけるB−B断面図
【図6】缶体底を建築物の小屋梁の下部に設置するとき
の図4におけるB−B断面図
【図7】ツーバイフォー工法の小屋組において本発明の
缶体を実施したときの斜視図
【図8】缶体をツーバイフォー工法の小屋組に設置する
ときの図7におけるC−C断面図
【符号の説明】
1.建築物の屋根 2.3、4、5、6を結合して一つに形成した缶体 3.缶体下部 3b.缶体下部の上端 4.缶体中部下 4a.缶体中部下の下端 4b.缶体中部下の上端 5.缶体中部上 5a.缶体中部上の下端 5b.缶体中部上の上端 6.缶体上部 6a.缶体上部の下端 6b.缶体上部の表装 7.頂上開口部 8.側面開口部 9.換気孔 10.排水谷 11.母屋受フランジ 12.進入口 13.支持梁 14.小屋梁 15a.缶体取合母屋 15b.缶体上置母屋 15c.一般母屋 16.飼物 17a.一般たる木 17b.缶体取合たる木 18a.野地板 18b.ルーフィング 18c.立ち上げたルーフィング 19.屋根葺材 20.コーナーキャント 21.雨押え金物 22.断熱材 22a.壁部分 23.エアコン配管 24.吊戸棚 25.床部分 26.天井部分 27.束材 28.結合ボルト 29a.ボルト 29b.ボルト 30.振止材 30b.振止材 31.ガセットプレート 32.高さ調整材 33.ボルト 34.振止材 34a.ボルト 34b.ボルト 34c.振止材 35.支持梁受材 35a.ボルト 35b.ボルト 36.吊束 36b.吊束36の内端 37.たる木 38.小屋組の下弦材 39.小屋組の上弦材 40.柱 41.上枠 41a.合掌尻 42.コラービーム 43.斜材 44.ガセットプレート 45.転び止め 46.転び止め 47.羽子板ボルト 48.束材 49.筋違い 50.木材のガセット 51.木材のガセット 52.釘群 53.デスク 53a.デスクの前面 54.ベッド 54a.チェア 55.振止材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部を建築物の屋根1の外部に、下部を
    屋根1の内部に位置させ、建築物の内部から出入りする
    ための進入口12、採光のための側面開口部8、換気の
    ための頂上開口部7、並びに換気口9及び母屋受フラン
    ジ11を有し、部屋として使用するもので缶体下部3、
    缶体中部下4、缶体中部上5、缶体上部6を結合して一
    つの缶体に形成した構造物2。
  2. 【請求項2】 請求項1の構造物2の周囲に建築物の屋
    根1を形成する施工方法
  3. 【請求項3】 請求項1の構造物2を建築物の小屋梁1
    4又は建築物の小屋組の下弦材38に固定する施工方
    法。
JP5488295A 1995-02-06 1995-02-06 建築物の屋根の内外にわたって設置し部屋とする缶体 Pending JPH08209848A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002129764A (ja) * 2000-10-23 2002-05-09 Itoki Crebio Corp ワークスペースシステム
JP2008003527A (ja) * 2006-06-20 2008-01-10 Cmet Inc デモ用3次元造形装置

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