JPH08208411A - 農園芸用殺菌剤 - Google Patents

農園芸用殺菌剤

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JPH08208411A
JPH08208411A JP3763095A JP3763095A JPH08208411A JP H08208411 A JPH08208411 A JP H08208411A JP 3763095 A JP3763095 A JP 3763095A JP 3763095 A JP3763095 A JP 3763095A JP H08208411 A JPH08208411 A JP H08208411A
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JP
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compound
agricultural
culture
sclerodin
powdery mildew
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JP3763095A
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Tsuneo Watanabe
恒雄 渡邊
Mitsugi Futagawa
貢 二川
Michito Tagawa
道人 田川
Hiroshi Oya
博司 大宅
Tadashi Shibata
忠 柴田
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NORIN SUISANSYO SHINRIN SOGO K
NORIN SUISANSYO SHINRIN SOGO KENKYUSHO
Nissan Chemical Corp
Original Assignee
NORIN SUISANSYO SHINRIN SOGO K
NORIN SUISANSYO SHINRIN SOGO KENKYUSHO
Nissan Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 農園芸用殺菌剤の提供。 【構成】 式(I) 【化1】 で表される化合物を有効成分として含有する農園芸用殺
菌剤。 【効果】この農園芸用殺菌剤は、特にうどんこ病防除に
有効である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、下記の式(I)の化合
物を有効成分とする農園芸用殺菌剤ならびにその化合物
の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、農園芸用殺菌剤を目的として多くの種類の天然物や
化学合成品の殺菌効果について検討がなされて、それら
のうちかなりの物質が農園芸用殺菌剤としてすでに上市
されている。しかしながら、各々の薬剤に対して植物病
原菌の感受性が異なる等の理由により、現在用いられて
いる農園芸用殺菌剤のみでは、全ての植物病原菌に対し
て十分な対応が出来ているとは言いがたい。従って、農
園芸用殺菌剤の分野では、さらに安全性、有効性に優れ
た農園芸用殺菌剤の開発が望まれている。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは従来より上
記の如き農園芸用殺菌剤として有用な代謝産物の探索を
目的として多数の微生物を分離し、その殺菌活性のある
代謝産物について精製、構造解析及び用途の開発を行っ
てきた。
【0004】その結果、殺菌活性のある代謝産物を生
産、蓄積する菌株を得、その単離菌株の培養物から、上
記殺菌活性のある代謝産物として下記式(I)の構造式
を持つと下記の通り確認された化合物(以下、化合物
(I)という)の単離、精製に成功した。
【0005】
【化2】
【0006】化合物(I)の物理化学的性質は次の通り
である。 (1)外観:白色粉末 (2)分子量測定値:m/z328(M+)(EI/M
S法) (3)分子式:C18166 (4)水素核磁気共鳴スペクトル(CDCl3)δ(p
pm):1.29(3H),1.48(3H),1.5
3(3H),2.79(3H),4.70(1H),
6.81(1H),11.39(1H),11.61
(1H)。 (5)炭素核磁気共鳴スペクトル(CDCl3)δ(p
pm):14.5,20.7,23.7,25.6,4
3.5,92.1,93.5,97.2,108.5,
117.3,119.1,135.3,149.8,1
64.2,164.8,165.4,165.9,16
6.1。
【0007】以上の物理化学的性質を示した化合物
(I)は、公知の化合物であるスクレロディン(scl
erodin、Can.J.Chem.64.1585
(1986)、Can.J.Chem.67.2089
(1989))とスペクトルデータが一致することか
ら、スクレロディンであると確認された。
【0008】スクレロディンは、マツ属等に寄生する子
のう菌類であるGremmeniella abiet
ina(=Scleroderris lagerbe
rgii)が産生する化合物として公知であるが、その
生理活性についてはレタス種子発芽阻害が報告されてい
るのみであり、農園芸用殺菌剤として有効な抗菌活性に
ついては何ら知られていない。
【0009】本発明者らは、化合物(I)の生理活性に
ついて検討したところ、化合物(I)が幅広い殺菌スペ
クトルを有し、特にキュウリうどんこ病菌に対し極めて
優れた殺菌活性を有するとともに、且つ植物体になんら
薬害を及ぼさず、その施用にあたり人体に何らの影響を
与えない優れた農園芸用殺菌剤であることを見いだし本
発明を完成した。
【0010】以下に、本発明を詳細に説明する。
【0011】(使用する微生物)本発明に係る化合物
(I)の製造に使用する微生物は、化合物(I)を生産
するものならばいずれの菌株でも良いが、例えば以下の
菌学的性状を有する未同定菌株 No.75−381を
挙げることができる。この未同定菌株 No.75−3
81を通産省工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託
した(受託番号 FERM P−14453)。
【0012】(菌学的性状)本未同定菌株 No.75
−381は神奈川県海老名市のモロコシ葉から分離され
た不完全菌の一種で、下記の少なくとも5種の培地上で
は全く胞子を形成しない。菌糸は無色またはやや着色、
隔膜を有し、しばしば特異的に節くれており、厚膜胞子
様(通常原形質を欠く)球状細胞をもつ。その菌糸幅
は、通常約2−3μm、球状細胞部は直径10−17.
5μmで単生または連鎖。菌糸状またはその周辺に針状
結晶群を形成、その直径は25−75μm。
【0013】1)コーンミール寒天(Difco co
rn meal agar、CMA)培地上では、菌そ
うは無色、均一、気中菌糸を欠き、接種源周辺は、やや
緑色をおびる。裏面も同じ。25℃で20日間培養のコ
ロニー半径は、45mm。
【0014】2)オートミール寒天(Difco oa
tmeal agar、OMA)培地上の菌そうは、均
一で、気中菌糸を欠き、ときに暗緑色の線が入る。裏面
もほぼ同じである。25℃で20日間培養のコロニー半
径は、45mm以上。
【0015】3)モルト寒天(Difco malt
agar、MA)培地上では、コロニーはやや厚くもり
あがり、かすかに生育環紋(Zonation)を形
成、暗緑色の菌そうは白い菌糸でおおわれ全体は白い。
裏面は暗緑色で、生育環紋がはっきりしている。25℃
20日間培養のコロニー半径は、約25mm。
【0016】4)ポテト・デキストロース寒天(Pot
ato dextrose agar、PDA)培地上
の菌そうは、ややもりあがり白く、菌糸は密集、暗黄色
の色素を生産、裏面はオレンジ色。25℃で20日間培
養のコロニーの半径は20mm以下。自家製でも市販の
培地(日水製薬社製)でも菌そうはほぼ同じである。
【0017】5)素寒天培地(Water Agar、
WA)培地上の菌そうは無色、菌糸はまばらで生育はわ
るい。
【0018】また、化合物(I)の生産菌としてGre
mmeniella abietina(=Scler
oderris lagerbergii)及びSir
ococcus sp.が、既に報告されている(Ca
n.J.Chem.64.1585(1986)、Ca
n.J.Chem.67.2089(1989))。
【0019】しかし、Gremmeniella ab
ietina(=Scleroderris lage
rbergii)は、生態的に樹木(マツ)につく子の
う菌類であること、また生理的には培養温度が16−1
7℃と低温性である。
【0020】また、Sirococcus sp.は、
生態的に針葉樹につく菌株であり、生理的には培養温度
が15−17℃と低温性である。
【0021】これに対し本未同定菌株 No.75−3
81は草(モロコシ)につく不完全菌である。また、生
育温度は15−30℃であり、25℃の培養において生
育は良好であった。
【0022】これらの生態的、生理的相違より未同定菌
株 No.75−381はGremmeniella
abietina(=Scleroderris la
gerbergii)及びSirococcus
.とは異なる菌株と判断される。
【0023】(培養法及び精製法)化合物(I)を製造
するにあたり、化合物(I)の生産菌株を富栄養源含有
培地に接種して好気的に発育させることにより化合物
(I)を含む培養物が得られる。栄養源としては、糸状
菌の栄養源として公知のものが使用できる。例えば、炭
素源としては、市販されているブドウ糖、グリセリン、
麦芽糖、デンプン、蔗糖、糖蜜またはデキストリンなど
が単独または混合物として用いられる。窒素源として
は、市販されている大豆粉、コーンスティープリカー、
肉エキス、酵母エキス、綿実粉、ペプトン、小麦麦芽、
魚粉、無機アンモニウム塩または硝酸ナトリウムなどを
単独または混合物として用いる。無機塩としては、市販
されている炭酸カルシウム、塩化ナトリウム、塩化カリ
ウム、硫酸マグネシウムまたは各種リン酸塩などを使用
することができる。その他必要に応じて、鉄、マンガン
または亜鉛等の重金属を微量添加することもできる。ま
た、発砲の著しいときには、消泡剤として、例えば大豆
油または亜麻仁油等の植物油、オクタデカノール等の高
級アルコール類、各種シリコン化合物等を適宜添加して
も良い。これらのもの以外でも、該生産菌が利用し、化
合物(I)の生産に役立つものであれば、いずれも使用
することができる。
【0024】培養方法としては、一般の微生物代謝産物
の生産方法と同様に行えばよく、固体培養でも液体培養
でもよい。液体培養の場合は、静置培養、攪拌培養、振
盪培養または通気培養などいずれを実施してもよいが、
特に振盪培養または深部通気攪拌培養が好ましい。培養
温度は20℃〜37℃が適当であるが、好ましくは25
℃〜30℃である。好ましい培地のpHは4〜8の範囲
で、培養時間は48時間〜360時間、好ましくは24
0時間〜288時間である。
【0025】培養物から目的とする化合物(I)を採取
するには、微生物の生産する代謝物を培養物から採取す
るのに通常使用される分離手段が適宜利用される。
【0026】培養液より通常の分離手段、例えば溶媒抽
出法、イオン交換樹脂法または吸着もしくは分配クロマ
トグラフィー法およびゲル濾過法等を単独または組合わ
せて行うことにより精製できる。また高速液体クロマト
グラフィーなども抽出精製に利用可能である。
【0027】具体的には、培養液をメタノール、エタノ
ール、アセトンで処理し、適する吸着剤、例えばシリカ
ゲル、活性炭、ダイヤイオンHP−20(三菱化成社
製)などに化合物(I)を吸着せしめた後、適する溶媒
で溶離して、これを減圧濃縮することにより、化合物
(I)粗標品が得られる。
【0028】かくして得られた化合物(I)粗標品をさ
らに精製するには、上記の吸着操作に必要に応じゲル濾
過法、高速液体クロマトグラフィーなどを必要回数組み
合わせる。具体的には、シリカゲルなどの吸着剤、セフ
ァデックスLH−20(ファルマシア社製)などのゲル
濾過剤によるカラムクロマトグラフィー、順相あるいは
逆相カラムを用いた分取用高速液体クロマトグラフィー
などを用いることができ、これらの方法を単独または適
宜組み合わせて、場合によっては反復使用することによ
り、分離、精製することができる。
【0029】化合物(I)を農園芸用殺菌剤として使用
する際に、化合物(I)は薬学的に許容しうる塩として
も使用される。薬学的に許容しうる塩の典型例として
は、ナトリウム、カルシウム等のアルカリ金属またはア
ルカリ土類金属等を挙げることができる。
【0030】かくして得られた化合物(I)は、各種糸
状菌及び細菌などの植物病原菌に対して殺菌活性を示
し、農園芸用殺菌剤として有用である。
【0031】具体的には、例えば、化合物(I)は、苗
立枯病菌(ピシウム、Pythium debarya
num)、トマト疫病菌(Phytophthora
infestans)、菌核病菌(Sclerotin
ia sclerotiorum)、モモ灰星病菌(
clerotinia cinerea)、リンゴ黒星
病菌(Venturia inaequalis)、キ
ュウリうどんこ病菌(Sphaerotheca fu
liginea)、ムギうどんこ病菌(Erysiph
graminis)、ムギふ枯病菌(Septor
ia nodorum)、カンキツ黒点病菌(Diap
orthe citri)、オオムギ網斑病菌(Pyr
enophora teres)、灰色かび病菌(Bo
trytis cinerea)、イネいもち病菌(
yricularia oryzae)、イネ白葉枯病
菌(Xanthomonas oryzae)、キュウ
リ炭そ病菌(Colletorichum lagen
arium)、ムギ眼紋病菌(Pseudocerco
sporella herpotrichoide
)、オオムギ雲形病菌(Rhynchosporiu
secalis)、トマト萎凋病菌(Fusari
um oxysporum)、イネ紋枯病菌(Rhiz
octonia solani)、苗立枯病菌(リゾク
トニア、Rhizoctonia solani)、ト
ウモロコシ褐条病菌(Pseudomonas ave
nae)等の農業上重要な害を及ぼす植物病原菌に活性
を示す。化合物(I)は特にキュウリうどんこ病菌に対
し、著しい生育阻害作用を示す。
【0032】化合物(I)を農園芸用殺菌剤として使用
する場合は、通常、当該技術分野において知られている
農薬製剤と同様に適当な固体担体、液体担体、乳化分散
剤等を用いて粒剤、粉剤、乳剤、水和剤、錠剤、油剤、
噴霧剤、煙霧剤等の任意の剤型に製剤化して適用するこ
とが出来る。これらの担体としてはクレー、カオリン、
ベントナイト、酸性白土、硅藻土、炭酸カルシウム、固
体担体として、ニトロセルロース、デンプン、アラビア
ゴム等が、また液体担体として水、メタノール、エタノ
ール、アセトン、ジメチルホルムアルデヒド、エチレン
グリコール等が挙げられる。また、製剤上、一般に使用
される補助剤、例えば、高級アルコールの硫酸エステ
ル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルおよ
びそのスルホン酸塩、アルキルアリールソルビタンモノ
ラウレート、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキル
アリールポリエチレングリコールエーテル、ジナフチル
メタンジスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物、ア
ルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリド等を適宜
配合することが出来る。
【0033】また、本発明の薬剤は、他の殺菌剤、除草
剤、殺虫剤、肥料、土壌改良剤と適宜混合して使用する
ことが出来る。
【0034】
【実施例】
【0035】実施例1 製造例 本発明に供する化合物(I)の具体的な製造法を以下に
示すが、本発明の製造法はこれらのみに限定されるもの
ではない。
【0036】未同定菌株 No.75−381の斜面培
地(ポテト・デキストロース寒天培地)から1白菌耳ず
つを100mlの種培地(ポテト・デキストロース(デ
ィフコ社製)2.4%、ポリペプトン(ディフコ社製)
0.1%、イーストエキストラクト(ディフコ社製)
0.1%、トマトジュース(カゴメ(株)製)10%
(V/V))、pH7.0)を入れた500ml容の三
角フラスコに接種し、28℃で3日間振盪培養して前培
養液を得た。
【0037】この種培養液100mlを上記と同じ組成
の培地1lを含む5l容の三角フラスコに接種して、2
8℃で288時間振盪培養を行った。培養終了後、培養
液を濾過により菌体と上清に分離し培養上清を回収し
た。こうして得た培養上清1lにアセトン1lを添加し
50%アセトン溶液とする。この50%アセトン溶液を
500mlのダイヤイオンHP−20樹脂(バッチ処
理)に吸着させた後、1lのアセトン:水(1:1)お
よび1lのアセトン:水(7:3)で洗浄処理後、活性
画分を1lの100%アセトンで溶出した。得られた溶
出液を減圧下で溶媒を除去、濃縮乾固した。この濃縮物
を、あらかじめクロロホルムで充填したシリカゲルカラ
ム(和光純薬、2φ×35cm)に吸着させ、クロロホ
ルム:石油エーテル:酢酸(10:5:1)900ml
で展開し、溶出液を約8mlずつ分取した。化合物
(I)の検出は、各フラクションのクロロホルム:石油
エーテル:酢酸(10:5:1)を展開溶媒とするシリ
カゲル薄層クロマトグラフィー(メルク社製、UV検
出、Rf=約0.6)で行い、活性を示す画分を集め、
減圧濃縮する。この活性画分を含む濃縮物を、あらかじ
めクロロホルムで充填したシリカゲルカラム(和光純
薬、2φ×35cm)に吸着させ、クロロホルムで展開
する。さらに得られた活性画分を高速液体クロマトグラ
フィー(InertsilODS−2、溶媒:アセトニ
トリル:水(4:1))に付し、活性画分を集めて減圧
下、濃縮乾固すると純粋な化合物(I)約10mgが得
られる。
【0038】実施例2 配合例 具体的な農園芸用殺菌剤の配合例を以下に示すが、本発
明の農園芸用殺菌剤はこれらのみに限定されるものでは
ない。なお、以下の配合例において「部」は重量部を意
味する。
【0039】配合例1 水和剤 化合物(I) 25部 ジークライトA 69部 (カオリン系クレ−:ジークライト工業(株)商品名) ソルボール5039 3部 (非イオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤との混
合物:東邦化学工業(株)商品名) カーブレックス(固結防止剤) 3部 (ホワイトカーボン:塩野義製薬(株)商品名) 以上を均一に混合粉砕して水和剤とする。使用に際して
は上記。水和剤を250−25000倍に希釈して使用
する。
【0040】配合例2 乳剤 化合物(I) 50部 キシレン 25部 ジメチルホルムアミド 20部 ソルボール2680 5部 (非イオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤との混
合物:東邦化学工業(株)商品名) 以上を均一に混合して乳剤とする。使用に際しては上記
乳剤を500−50000倍に希釈して使用する。
【0041】配合例3 粉剤 化合物(I) 10部 クレー 90部 以上を均一に混合して、有効成分10%の粉剤を得る。
【0042】 配合例4 フロアブル剤 化合物(I) 25部 ソルポール3353 10部 (非イオン性界面活性剤:東邦化学工業(株)商品名)ルノックス1000C 0.5部 (陰イオン界面活性剤:東邦化学工業(株)商品名) 1%ザンサンガム水溶液 20部 (天然高分子) 水 44.5部 化合物(I)を除く上記の成分を均一に溶解し、次いで
化合物(I)を加えてよく攪拌した後、サンドミルにて
湿式粉砕してフロアブル剤を得る。使用に際しては、上
記フロアブル剤を50−20000倍に希釈して有効成
分量がヘクタール当たり5g−50kgになるように散
布する。
【0043】実施例3 生物試験例 次に化合物(I)の生物試験による効果について具体的
に説明する。
【0044】試験例1.植物病原糸状菌および細菌に対
する菌糸生育阻害活性および細胞増殖阻害活性試験 当該試験はペーパーディスク法で行った。
【0045】(1)糸状菌菌糸生育阻害試験 ポテト・デキストロース寒天(PDA、Difco社
製)平板培地あるいはV8平板培地(疫病菌にのみ)上
にペーパーディスク(直径10mm)を置き、これに1
000ppm濃度の供試サンプルを50μlを含ませ
た。このペーパーディスクに対し一定の間隔をとって、
各被検菌を対峙培養した。数日後、菌糸生育の抑制度を
観察した。
【0046】(2)細菌細胞増殖阻害試験 1日間NB(Nutrient Broth、Difc
o社製)液体培地で培養した各細菌をNA(Nutri
ent Agar 、Difco社製)寒天培地に懸濁
させ平板を作製した。この平板上にペーパーディスク
(直径10mm)を置き、1000ppm濃度の供試サ
ンプルを50μl含ませた。25℃で培養し、その後の
阻止円の形成の有無を観察した。
【0047】以下に試験結果を示す。
【0048】
【表1】 供試菌 阻害活性 ────────────────────────── 苗立枯病菌 (Pythium debaryanum) + 灰色かび病菌 (Botrytis cinerea) + トウモロコシ褐条病菌 (Pseudomonas avenae) + イネ白葉枯病菌 (Xanthomonas oryzae) + ──────────────────────────
【0049】試験例2.キュウリうどんこ病防除効果試
験 直径9cmのポットで育成した1.5葉期のキュウリ
(品種:相模半白)に、化合物(I)の乳剤を水で希釈
して500ppmに調製した薬液を、スプレーガンを用
いポット当たり20ml散布した。散布翌日キュウリう
どんこ病菌(Sphaerotheca fuligi
nea)の胞子懸濁液(3×105 個/ml)を噴霧、
接種した。その後、温室におき、接種10日後に形成さ
れた病斑面積の接種葉に占める割合を測定し、下記の式
に従い、防除価を算出した。
【0050】防除価=〔1−(処理区病斑面積率/無処
理区病斑面積率)〕×100
【0051】化合物(I)について次表に示す試験結果
が得られた。
【表2】 供試化合物 散布濃度(ppm) 阻止率(%) 薬害 ──────────────────────────── 化合物(I) 50 100 なし 25 100 なし 10 100 なし 5 95 なし ────────────────────────────
【0052】
【発明の効果】本発明の化合物(I)を有効成分とする
農園芸用殺菌剤は、植物病害に対して、広く効果を示
し、且つ薬害が全く認められず、安全性の高い農薬を提
供しうることが明らかにされた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田川 道人 埼玉県南埼玉郡白岡町大字白岡1470 日産 化学工業株式会社生物科学研究所内 (72)発明者 大宅 博司 埼玉県南埼玉郡白岡町大字白岡1470 日産 化学工業株式会社生物科学研究所内 (72)発明者 柴田 忠 千葉県船橋市坪井町722番地1 日産化学 工業株式会社中央研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I): 【化1】 の化合物(以下、化合物(I)という)を有効成分とす
    る農園芸用殺菌剤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の化合物(I)を有効成分
    とするうどんこ病防除剤。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の化合物(I)を生産する
    能力を有する未同定菌株 No.75−381(FER
    M P−14453)。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の化合物(I)を生産する
    能力を有する未同定菌株 No.75−381(FER
    M P−14453)を培地に培養し、得られる培養物
    から化合物(I)を分離採取することを特徴とする化合
    物(I)の製造法。
JP3763095A 1995-02-02 1995-02-02 農園芸用殺菌剤 Pending JPH08208411A (ja)

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