JPH08207789A - ラックアンドピニオン式ステアリング装置 - Google Patents
ラックアンドピニオン式ステアリング装置Info
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- JPH08207789A JPH08207789A JP2144695A JP2144695A JPH08207789A JP H08207789 A JPH08207789 A JP H08207789A JP 2144695 A JP2144695 A JP 2144695A JP 2144695 A JP2144695 A JP 2144695A JP H08207789 A JPH08207789 A JP H08207789A
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- pinion
- rack bar
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- gear
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B62—LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
- B62D—MOTOR VEHICLES; TRAILERS
- B62D3/00—Steering gears
- B62D3/02—Steering gears mechanical
- B62D3/12—Steering gears mechanical of rack-and-pinion type
- B62D3/123—Steering gears mechanical of rack-and-pinion type characterised by pressure yokes
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16H—GEARING
- F16H55/00—Elements with teeth or friction surfaces for conveying motion; Worms, pulleys or sheaves for gearing mechanisms
- F16H55/02—Toothed members; Worms
- F16H55/26—Racks
- F16H55/28—Special devices for taking up backlash
- F16H55/283—Special devices for taking up backlash using pressure yokes
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Combustion & Propulsion (AREA)
- Transportation (AREA)
- Transmission Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】本発明はラックガイドを用いてピニオンとラッ
クガイドとの安定した噛合を行う構成とされたラックア
ンドピニオン式ステアリング装置に関し、ラックガイド
の円滑な移動と異音の低減を共に実現することを目的と
する。 【構成】ギヤハウジング20と、ピニオンギヤ18が形成さ
れたピニオン12と、ピニオンギヤ18と噛合するラックギ
ヤ19が形成されておりピニオン12の回転がピニオンギヤ
19を介してラックギヤ19に伝達されることにより直線移
動を行うラックバー14とを具備してなるラックアンドピ
ニオン式ステアリング装置において、ラックバー14の軸
回り方向の回転を阻止する回転阻止手段として、ラック
バー14とギヤハウジング20との間に形成された可撓性を
有するラック支持部材15を設け、かつこのラック支持部
材15の内部に流体を封止すると共に通路27,28 により連
通された流体室23〜25を形成する。
クガイドとの安定した噛合を行う構成とされたラックア
ンドピニオン式ステアリング装置に関し、ラックガイド
の円滑な移動と異音の低減を共に実現することを目的と
する。 【構成】ギヤハウジング20と、ピニオンギヤ18が形成さ
れたピニオン12と、ピニオンギヤ18と噛合するラックギ
ヤ19が形成されておりピニオン12の回転がピニオンギヤ
19を介してラックギヤ19に伝達されることにより直線移
動を行うラックバー14とを具備してなるラックアンドピ
ニオン式ステアリング装置において、ラックバー14の軸
回り方向の回転を阻止する回転阻止手段として、ラック
バー14とギヤハウジング20との間に形成された可撓性を
有するラック支持部材15を設け、かつこのラック支持部
材15の内部に流体を封止すると共に通路27,28 により連
通された流体室23〜25を形成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はラックアンドピニオン式
ステアリング装置に係り、特にラックガイドを用いてピ
ニオンとラックガイドとの安定した噛合を行う構成とさ
れたラックアンドピニオン式ステアリング装置に関す
る。
ステアリング装置に係り、特にラックガイドを用いてピ
ニオンとラックガイドとの安定した噛合を行う構成とさ
れたラックアンドピニオン式ステアリング装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、自動車等の車両に使用されるス
テアリング装置(車両用操舵装置)は、ステアリングホ
イールの操作力(回転力)をステアリングコラムを介し
てステアリングギヤボックスに伝達させ、ステアリング
ギヤボックスにおいてステアリングホイールの回転力を
タイロッドの直線移動力に変換し、これによりタイロッ
ドに接続されたタイヤの向きを変化させる構成とされて
いる。
テアリング装置(車両用操舵装置)は、ステアリングホ
イールの操作力(回転力)をステアリングコラムを介し
てステアリングギヤボックスに伝達させ、ステアリング
ギヤボックスにおいてステアリングホイールの回転力を
タイロッドの直線移動力に変換し、これによりタイロッ
ドに接続されたタイヤの向きを変化させる構成とされて
いる。
【0003】この種の車両用操舵装置に採用されるステ
アリングギヤボックスの方式としては、一般にラックア
ンドピニオン式,ボールナット式,ウォーム・セクター
式,ウォーム・ピン式等が知られている。この各種方式
の内、近年では構造が簡単でかつハンドルの切れ味がシ
ャープであるラックアンドピニオン式のステアリングギ
ヤボックスが主流となっている。
アリングギヤボックスの方式としては、一般にラックア
ンドピニオン式,ボールナット式,ウォーム・セクター
式,ウォーム・ピン式等が知られている。この各種方式
の内、近年では構造が簡単でかつハンドルの切れ味がシ
ャープであるラックアンドピニオン式のステアリングギ
ヤボックスが主流となっている。
【0004】このラックアンドピニオン式のステアリン
グ装置として、例えば特開平5−238397号公報に
開示されたものがある。同公報に開示されたラックアン
ドピニオン式ステアリング装置は、大略するとハウジン
グと、ピニオンギヤが形成されると共にステアリングホ
イールの操作力が伝達されるピニオンと、このピニオン
ギヤと噛合するラックギヤが形成されたラックバーと、
このラックバーの移動方向を案内しかつラックバーをラ
ックガイドスプリングの弾性力によりピニオンに向け付
勢するラックガイド等により構成されている。
グ装置として、例えば特開平5−238397号公報に
開示されたものがある。同公報に開示されたラックアン
ドピニオン式ステアリング装置は、大略するとハウジン
グと、ピニオンギヤが形成されると共にステアリングホ
イールの操作力が伝達されるピニオンと、このピニオン
ギヤと噛合するラックギヤが形成されたラックバーと、
このラックバーの移動方向を案内しかつラックバーをラ
ックガイドスプリングの弾性力によりピニオンに向け付
勢するラックガイド等により構成されている。
【0005】従って、運転者によりステアリングホイー
ルが回動操作されると、この操作力によりピニオンは回
動し、またピニオンに形成されたピニオンギヤはラック
バーに形成されているラックギヤと噛合しているため、
ピニオンの回動方向に応じてラックバーは移動する。こ
のラックバーの両側部にはタイロッドを介してタイヤが
接続されており、よってラックバーが移動することによ
りタイロッドに接続されたタイヤは向きを変化させる。
ルが回動操作されると、この操作力によりピニオンは回
動し、またピニオンに形成されたピニオンギヤはラック
バーに形成されているラックギヤと噛合しているため、
ピニオンの回動方向に応じてラックバーは移動する。こ
のラックバーの両側部にはタイロッドを介してタイヤが
接続されており、よってラックバーが移動することによ
りタイロッドに接続されたタイヤは向きを変化させる。
【0006】また、ラックガイドはハウジング内にラッ
クバーと対向する方向に移動可能に装着されている。ま
た、ラックガイドとハウジングに螺着されたスプリング
キャップとの間にはラックガイドスプリングが介装され
ている。ラックガイドはラックガイドスプリングの弾性
力により常にラックバーに向け弾性付勢されており、よ
ってラックバーはラックガイドスプリングの弾性力によ
りラックガイドを介してピニオンに押圧付勢される。こ
のように、ラックバーがピニオンに押圧付勢されること
により、ピニオンギヤとラックギヤとの間のバックラッ
シュを小さくすることができ、ステアリングホイールの
操作力を確実にラックバーに伝達することができる。
クバーと対向する方向に移動可能に装着されている。ま
た、ラックガイドとハウジングに螺着されたスプリング
キャップとの間にはラックガイドスプリングが介装され
ている。ラックガイドはラックガイドスプリングの弾性
力により常にラックバーに向け弾性付勢されており、よ
ってラックバーはラックガイドスプリングの弾性力によ
りラックガイドを介してピニオンに押圧付勢される。こ
のように、ラックバーがピニオンに押圧付勢されること
により、ピニオンギヤとラックギヤとの間のバックラッ
シュを小さくすることができ、ステアリングホイールの
操作力を確実にラックバーに伝達することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来構
成のラックアンドピニオン式ステアリング装置では、車
両が不整路等を走行した等により強い力(衝撃)が車両
に作用した場合、この衝撃がタイヤから逆入力してラッ
クバーが軸回りに回転してしまい、ラックギヤとピニオ
ンギヤとの間に噛み合いの外れが発生する。
成のラックアンドピニオン式ステアリング装置では、車
両が不整路等を走行した等により強い力(衝撃)が車両
に作用した場合、この衝撃がタイヤから逆入力してラッ
クバーが軸回りに回転してしまい、ラックギヤとピニオ
ンギヤとの間に噛み合いの外れが発生する。
【0008】また、上記のようにラックギヤとピニオン
ギヤとの間に噛み合いの外れが発生すると、瞬間的にラ
ックギヤとピニオンギヤは相対的に離間するような挙動
をとる。しかるに、前記したようにラックバーはラック
ガイドスプリングによりピニオンに向け付勢されている
ため、このラックガイドスプリングの弾性力によりラッ
クギヤとピニオンギヤとは即座に両者が噛合する元の状
態に戻る。この元の状態に復元する際、ラックギヤの歯
面とピニオンギヤの歯面は衝突し、この衝突により歯打
ち音が発生する。
ギヤとの間に噛み合いの外れが発生すると、瞬間的にラ
ックギヤとピニオンギヤは相対的に離間するような挙動
をとる。しかるに、前記したようにラックバーはラック
ガイドスプリングによりピニオンに向け付勢されている
ため、このラックガイドスプリングの弾性力によりラッ
クギヤとピニオンギヤとは即座に両者が噛合する元の状
態に戻る。この元の状態に復元する際、ラックギヤの歯
面とピニオンギヤの歯面は衝突し、この衝突により歯打
ち音が発生する。
【0009】上記の各歯打ち音(異音)は、車両のフレ
ームを介して車内に伝わり、よって車室内における異音
が増大してしまうという問題点があった。また、上記歯
受け音による異音を低下させるためには、ラックガイド
スプリングの弾性力を大きく設定し、ラックギヤとピニ
オンギヤとが離間しない構成とすることが考えられる。
しかるに、ラックギヤをピニオンギヤに向け強く付勢す
る構成では、ラックギヤとピニオンギヤとの間に発生す
る摩擦力が大きくなり、またバックラッシュを低減する
ことができなくなり、良好なステアリング操作が行えな
くなってしまうという問題点がある。
ームを介して車内に伝わり、よって車室内における異音
が増大してしまうという問題点があった。また、上記歯
受け音による異音を低下させるためには、ラックガイド
スプリングの弾性力を大きく設定し、ラックギヤとピニ
オンギヤとが離間しない構成とすることが考えられる。
しかるに、ラックギヤをピニオンギヤに向け強く付勢す
る構成では、ラックギヤとピニオンギヤとの間に発生す
る摩擦力が大きくなり、またバックラッシュを低減する
ことができなくなり、良好なステアリング操作が行えな
くなってしまうという問題点がある。
【0010】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、ラックバーの軸回り方向の回転を阻止する回転阻
止手段を設けることにより、ラックガイドの円滑な移動
と異音の低減を共に実現したラックアンドピニオン式ス
テアリング装置を提供することを目的とする。
あり、ラックバーの軸回り方向の回転を阻止する回転阻
止手段を設けることにより、ラックガイドの円滑な移動
と異音の低減を共に実現したラックアンドピニオン式ス
テアリング装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題は下記の手段を
講じることにより解決することができる。請求項1記載
の発明では、車体の所定位置に配設されるギヤハウジン
グと、前記ハウジング内に配設されており、ピニオンギ
ヤが形成されると共にステアリングホイールの操作力が
伝達される構成とされたピニオンと、前記ピニオンギヤ
と噛合するラックギヤが形成されており、前記ピニオン
の回転が前記ピニオンギヤを介して前記ラックギヤに伝
達されることにより、前記ハウジングに対して直線移動
を行うラックバーとを具備してなるラックアンドピニオ
ン式ステアリング装置において、前記ギヤハウジング
に、前記ラックバーの軸回り方向の回転を阻止する回転
阻止手段を設けたことを特徴とするものである。
講じることにより解決することができる。請求項1記載
の発明では、車体の所定位置に配設されるギヤハウジン
グと、前記ハウジング内に配設されており、ピニオンギ
ヤが形成されると共にステアリングホイールの操作力が
伝達される構成とされたピニオンと、前記ピニオンギヤ
と噛合するラックギヤが形成されており、前記ピニオン
の回転が前記ピニオンギヤを介して前記ラックギヤに伝
達されることにより、前記ハウジングに対して直線移動
を行うラックバーとを具備してなるラックアンドピニオ
ン式ステアリング装置において、前記ギヤハウジング
に、前記ラックバーの軸回り方向の回転を阻止する回転
阻止手段を設けたことを特徴とするものである。
【0012】また、請求項2記載の発明では、前記請求
項1記載のラックアンドピニオン式ステアリング装置に
おいて、前記回転阻止手段を、前記ラックバーと前記ギ
ヤハウジングとの間に形成された可撓性を有するラック
支持手段により構成し、かつ、前記ラック支持手段に流
体を封止した流体室を形成したことを特徴とするもので
ある。
項1記載のラックアンドピニオン式ステアリング装置に
おいて、前記回転阻止手段を、前記ラックバーと前記ギ
ヤハウジングとの間に形成された可撓性を有するラック
支持手段により構成し、かつ、前記ラック支持手段に流
体を封止した流体室を形成したことを特徴とするもので
ある。
【0013】また、請求項3記載の発明では、前記請求
項2記載のラックアンドピニオン式ステアリング装置に
おいて、前記ラック支持手段を、前記ラックバーを支持
するブッシュにより構成したことを特徴とするものであ
る。
項2記載のラックアンドピニオン式ステアリング装置に
おいて、前記ラック支持手段を、前記ラックバーを支持
するブッシュにより構成したことを特徴とするものであ
る。
【0014】また、請求項4記載の発明では、前記請求
項1記載のラックアンドピニオン式ステアリング装置に
おいて、前記回転阻止手段を、前記ピニオンの軸方向の
移動を阻止する可撓性を有するピニオン移動阻止手段に
より構成し、かつ、前記ピニオン移動阻止手段に液体を
封入した流体室を形成したことを特徴とするものであ
る。
項1記載のラックアンドピニオン式ステアリング装置に
おいて、前記回転阻止手段を、前記ピニオンの軸方向の
移動を阻止する可撓性を有するピニオン移動阻止手段に
より構成し、かつ、前記ピニオン移動阻止手段に液体を
封入した流体室を形成したことを特徴とするものであ
る。
【0015】また、請求項5記載の発明では、前記請求
項2または4記載のラックアンドピニオン式ステアリン
グ装置において、前記流体室を複数個形成すると共に、
各流体室を連通させる所定の流体抵抗を有した連通手段
を設けたことを特徴とするものである。
項2または4記載のラックアンドピニオン式ステアリン
グ装置において、前記流体室を複数個形成すると共に、
各流体室を連通させる所定の流体抵抗を有した連通手段
を設けたことを特徴とするものである。
【0016】また、請求項6記載の発明では、前記請求
項2記載のラックアンドピニオン式ステアリング装置に
おいて、前記ラック支持手段または前記ラックバーの少
なくとも一方に、前記ラック支持手段または前記ラック
バーのラック軸回り方向の回転を阻止するよう摩擦抵抗
を付与する抵抗付与手段を設けたことを特徴とするもの
である。
項2記載のラックアンドピニオン式ステアリング装置に
おいて、前記ラック支持手段または前記ラックバーの少
なくとも一方に、前記ラック支持手段または前記ラック
バーのラック軸回り方向の回転を阻止するよう摩擦抵抗
を付与する抵抗付与手段を設けたことを特徴とするもの
である。
【0017】更に、請求項7記載の発明では、前記請求
項1記載のラックアンドピニオン式ステアリング装置に
おいて、前記回転阻止手段を、前記ラックバーとハウジ
ングとの間に配置され、前記ラックバーの軸回り方向の
回転を弾性付勢力により阻止する弾性回転阻止手段によ
り構成したことを特徴とするものである。
項1記載のラックアンドピニオン式ステアリング装置に
おいて、前記回転阻止手段を、前記ラックバーとハウジ
ングとの間に配置され、前記ラックバーの軸回り方向の
回転を弾性付勢力により阻止する弾性回転阻止手段によ
り構成したことを特徴とするものである。
【0018】
【作用】上記の各手段は下記のように作用する。請求項
1記載の発明によれば、ラックバーの軸回り方向の回転
を阻止する回転阻止手段をギヤハウジングに設けること
により、車両が不整路等を走行した際に発生するタイヤ
からの逆入力によるラックバーの回転を回転阻止手段に
より阻止することができる。
1記載の発明によれば、ラックバーの軸回り方向の回転
を阻止する回転阻止手段をギヤハウジングに設けること
により、車両が不整路等を走行した際に発生するタイヤ
からの逆入力によるラックバーの回転を回転阻止手段に
より阻止することができる。
【0019】このため、路面から逆入力があってもラッ
クギヤとピニオンギヤの噛み合いの外れは抑制され、安
定した噛合状態を維持できると共に歯打ち音の発生を抑
制することができる。また、請求項2記載の発明によれ
ば、ラックバーの軸回り方向の回転を阻止する回転阻止
手段を、可撓性を有すると共に流体室が形成されたラッ
ク支持手段により構成することにより、路面からの逆入
力によりラックバーが回転し、また車両前後或いは上下
方向に移動すると、この回転或いは移動に伴いラックバ
ーはラック支持手段を付勢する。
クギヤとピニオンギヤの噛み合いの外れは抑制され、安
定した噛合状態を維持できると共に歯打ち音の発生を抑
制することができる。また、請求項2記載の発明によれ
ば、ラックバーの軸回り方向の回転を阻止する回転阻止
手段を、可撓性を有すると共に流体室が形成されたラッ
ク支持手段により構成することにより、路面からの逆入
力によりラックバーが回転し、また車両前後或いは上下
方向に移動すると、この回転或いは移動に伴いラックバ
ーはラック支持手段を付勢する。
【0020】ラック支持手段は、内部に流体室が形成さ
れかつ可撓性を有するため、ラックバーによりラック支
持手段が付勢されることにより、ラック支持手段とラッ
クバーとの接触点において流体室は収縮変形され、流体
室内の流体は他の部位に移動して他の部位はを膨張変形
する。また、逆入力がなくなるとラック支持手段は有す
る可撓性により弾性復元し、再び逆入力前の元の状態に
戻る動作を行い、これによりラックバーも元の位置に戻
る。
れかつ可撓性を有するため、ラックバーによりラック支
持手段が付勢されることにより、ラック支持手段とラッ
クバーとの接触点において流体室は収縮変形され、流体
室内の流体は他の部位に移動して他の部位はを膨張変形
する。また、逆入力がなくなるとラック支持手段は有す
る可撓性により弾性復元し、再び逆入力前の元の状態に
戻る動作を行い、これによりラックバーも元の位置に戻
る。
【0021】従って、ラックバーとラック支持体は常に
密着した状態を維持するため、ラックバーが回転,移動
した後に元の位置に戻る時の運動エネルギーはラック支
持体により緩和される。よって、逆入力がなくなった
後、ラックバーはラック支持体によりゆっくりと元の位
置に戻るため、ラックギヤとピニオンギヤとの噛み合わ
せもゆっくり行われ、歯打ち音の発生を低減することが
できる。
密着した状態を維持するため、ラックバーが回転,移動
した後に元の位置に戻る時の運動エネルギーはラック支
持体により緩和される。よって、逆入力がなくなった
後、ラックバーはラック支持体によりゆっくりと元の位
置に戻るため、ラックギヤとピニオンギヤとの噛み合わ
せもゆっくり行われ、歯打ち音の発生を低減することが
できる。
【0022】また、請求項3記載の発明によれば、ラッ
ク支持手段をラックバーを支持するブッシュにより構成
したことにより、簡易な構成で歯打ち音の発生を防止す
ることができる。また、請求項4記載の発明によれば、
可撓性を有しかつ流体室を備えピニオンの軸方向の移動
を阻止するピニオン移動阻止手段を設けたことにより、
逆入力時において、ラックバーの回転による分力でラッ
クバーに歯合するピニオンが軸方向に移動することを抑
制することができる。従って、ピニオンの移動を抑える
ことによって、ラックバーの回転を防止することがで
き、これにより歯打ち音の発生を防止することができ
る。
ク支持手段をラックバーを支持するブッシュにより構成
したことにより、簡易な構成で歯打ち音の発生を防止す
ることができる。また、請求項4記載の発明によれば、
可撓性を有しかつ流体室を備えピニオンの軸方向の移動
を阻止するピニオン移動阻止手段を設けたことにより、
逆入力時において、ラックバーの回転による分力でラッ
クバーに歯合するピニオンが軸方向に移動することを抑
制することができる。従って、ピニオンの移動を抑える
ことによって、ラックバーの回転を防止することがで
き、これにより歯打ち音の発生を防止することができ
る。
【0023】また、請求項5記載の発明によれば、流体
室を複数個形成すると共に各流体室を連通させる所定の
流体抵抗を有した連通手段を設けたことにより、逆入力
によりラックバーまたはピニオンが移動すると、ラック
支持手段またはピニオン移動阻止手段に設けられた流体
室は付勢され、この付勢された流体室から付勢されない
流体室に向けて連通手段を介して流体は移動する。
室を複数個形成すると共に各流体室を連通させる所定の
流体抵抗を有した連通手段を設けたことにより、逆入力
によりラックバーまたはピニオンが移動すると、ラック
支持手段またはピニオン移動阻止手段に設けられた流体
室は付勢され、この付勢された流体室から付勢されない
流体室に向けて連通手段を介して流体は移動する。
【0024】また、逆入力がなくなると、ラック支持手
段またはピニオン移動阻止手段は可撓性を有しているた
めに、各流体室は元の状態に戻ろうとし、この時におい
ても連通手段を介して流体は移動する。この逆入力時及
び逆入力停止時において連通手段内を流体が流れる際、
流体は連通手段の流体抵抗によりその流れを抑制される
(オリフィス効果が発生する)。これにより、逆入力時
にはラックバーまたはピニオンが移動することを防止す
ることができ、また逆入力がなくなった時にはラックバ
ーの戻りを遅くすることができるため、歯打ち音の発生
を防止することができる。
段またはピニオン移動阻止手段は可撓性を有しているた
めに、各流体室は元の状態に戻ろうとし、この時におい
ても連通手段を介して流体は移動する。この逆入力時及
び逆入力停止時において連通手段内を流体が流れる際、
流体は連通手段の流体抵抗によりその流れを抑制される
(オリフィス効果が発生する)。これにより、逆入力時
にはラックバーまたはピニオンが移動することを防止す
ることができ、また逆入力がなくなった時にはラックバ
ーの戻りを遅くすることができるため、歯打ち音の発生
を防止することができる。
【0025】また、請求項6記載の発明によれば、ラッ
ク支持手段またはラックバーの少なくとも一方に、ラッ
ク支持手段またはラックバーのラック軸回り方向の回転
を阻止するよう摩擦抵抗を付与する抵抗付与手段を設け
たことにより、逆入力時には摩擦抵抗によりラックバー
の回転を抑制することができ、また逆入力がなくなった
時には摩擦抵抗によりラックバーの戻りを遅くすること
ができるため、歯打ち音の発生を防止することができ
る。
ク支持手段またはラックバーの少なくとも一方に、ラッ
ク支持手段またはラックバーのラック軸回り方向の回転
を阻止するよう摩擦抵抗を付与する抵抗付与手段を設け
たことにより、逆入力時には摩擦抵抗によりラックバー
の回転を抑制することができ、また逆入力がなくなった
時には摩擦抵抗によりラックバーの戻りを遅くすること
ができるため、歯打ち音の発生を防止することができ
る。
【0026】更に、請求項7記載の発明によれば、ラッ
クバーの軸回り方向の回転を弾性付勢力により阻止する
弾性回転阻止手段により、ラックバーは回転方向の動き
が規制されるため、歯打ち音を低減することができる。
また、弾性付勢力の分力により、ラックバーはピニオン
に向け押圧されるため、ラックガイドを不要にすること
ができる。
クバーの軸回り方向の回転を弾性付勢力により阻止する
弾性回転阻止手段により、ラックバーは回転方向の動き
が規制されるため、歯打ち音を低減することができる。
また、弾性付勢力の分力により、ラックバーはピニオン
に向け押圧されるため、ラックガイドを不要にすること
ができる。
【0027】
【実施例】次に本発明の実施例について図面と共に説明
する。図1及び図2は本発明の第1実施例であるラック
アンドピニオン式ステアリング装置30(以下、単にス
テアリング装置という)を示す断面図であり、図3はス
テアリング装置30を適用した車両用操舵装置1を示し
ている。先ず、図3を用いて車両用操舵装置1の概略構
成について説明する。
する。図1及び図2は本発明の第1実施例であるラック
アンドピニオン式ステアリング装置30(以下、単にス
テアリング装置という)を示す断面図であり、図3はス
テアリング装置30を適用した車両用操舵装置1を示し
ている。先ず、図3を用いて車両用操舵装置1の概略構
成について説明する。
【0028】車両用操舵装置1は、大略するとステアリ
ングホイール2,チルト機構3,回転伝達機構13,及
び本発明の要部となるステアリング装置30等により構
成されている。また、図3に示す例ではパワーステアリ
ングを採用した例を示しており、図中22はパワーステ
アリングを構成するパワーシリンダを示している。
ングホイール2,チルト機構3,回転伝達機構13,及
び本発明の要部となるステアリング装置30等により構
成されている。また、図3に示す例ではパワーステアリ
ングを採用した例を示しており、図中22はパワーステ
アリングを構成するパワーシリンダを示している。
【0029】ステアリングホイール2はステアリングコ
ラム4に挿入された第1のステアリングシャフト5と接
続されており、よって運転者がステアリングホイール2
を回動操作すると、第1のステアリングシャフト5もス
テアリングホイール2と一体的に回動する。尚、本実施
例においてはチルト機構3が設けられているため、ステ
アリングホイール2の高さ位置をチルト機構3により調
整できる構成とされている。
ラム4に挿入された第1のステアリングシャフト5と接
続されており、よって運転者がステアリングホイール2
を回動操作すると、第1のステアリングシャフト5もス
テアリングホイール2と一体的に回動する。尚、本実施
例においてはチルト機構3が設けられているため、ステ
アリングホイール2の高さ位置をチルト機構3により調
整できる構成とされている。
【0030】上記第1のステアリングシャフト5は、回
転伝達機構13に接続されている。回転伝達機構13
は、第1のフック自在継手6,第2のフック自在継手
7,及びステアリングシャフト11等を具備した構成と
されている。このフック自在継手6,7は共に同一構成
とされており、入力側の中空軸8と出力側の中空軸9と
の間には図示しない十字軸が介在することにより、中空
軸8の軸方向と異なる方向に延出した中空軸9に回動力
を伝達しうる構成とされている。
転伝達機構13に接続されている。回転伝達機構13
は、第1のフック自在継手6,第2のフック自在継手
7,及びステアリングシャフト11等を具備した構成と
されている。このフック自在継手6,7は共に同一構成
とされており、入力側の中空軸8と出力側の中空軸9と
の間には図示しない十字軸が介在することにより、中空
軸8の軸方向と異なる方向に延出した中空軸9に回動力
を伝達しうる構成とされている。
【0031】第1のフック自在継手6の中空軸8には、
上記第1のステアリングシャフト5の端部が挿入されボ
ルト(図示せず)等の締め付けにより固定される。ま
た、出力側の中空軸9には第2のステアリングシャフト
11の上端部が同様の固定方法により固定される。ま
た、第2のステアリングシャフト11の下端部は第2の
フック自在継手7の入力側の中空軸8と固定され、出力
側の中空軸9はステアリング装置30に設けられた第3
のステアリングシャフト12(以下、このステアリング
シャフトを特にピニオンという)に固定される。
上記第1のステアリングシャフト5の端部が挿入されボ
ルト(図示せず)等の締め付けにより固定される。ま
た、出力側の中空軸9には第2のステアリングシャフト
11の上端部が同様の固定方法により固定される。ま
た、第2のステアリングシャフト11の下端部は第2の
フック自在継手7の入力側の中空軸8と固定され、出力
側の中空軸9はステアリング装置30に設けられた第3
のステアリングシャフト12(以下、このステアリング
シャフトを特にピニオンという)に固定される。
【0032】ステアリング装置30は、大略するとギヤ
ハウジング20、前記したパワーシリンダ22、及びタ
イロッド33,34等により構成されている。ギヤハウ
ジング20は、その内部にピニオン12,ラックバー1
4,ラック支持部材15等(図1及び図2参照)が配設
されている。尚、ステアリング装置30の具体的構成に
ついては、説明の便宜上後述する。
ハウジング20、前記したパワーシリンダ22、及びタ
イロッド33,34等により構成されている。ギヤハウ
ジング20は、その内部にピニオン12,ラックバー1
4,ラック支持部材15等(図1及び図2参照)が配設
されている。尚、ステアリング装置30の具体的構成に
ついては、説明の便宜上後述する。
【0033】ギヤハウジング20に配設されたラックバ
ー14の両側部にはタイロッド33,34が接続されて
おり、ラックバー14の図中矢印E1,E2方向の移動
に伴い同方向に直線移動しうる構成とされている。この
各タイロッド33,34にはタイヤ(図示せず)が接続
されており、よって各タイロッド33,34が図中矢印
E1,E2方向の移動することによりタイヤの向きが変
更され、これにより車両の操舵を行いうる構成とされて
いる。
ー14の両側部にはタイロッド33,34が接続されて
おり、ラックバー14の図中矢印E1,E2方向の移動
に伴い同方向に直線移動しうる構成とされている。この
各タイロッド33,34にはタイヤ(図示せず)が接続
されており、よって各タイロッド33,34が図中矢印
E1,E2方向の移動することによりタイヤの向きが変
更され、これにより車両の操舵を行いうる構成とされて
いる。
【0034】上記構成の車両用操舵装置1において、運
転者がステアリングホイール2を回動操作すると、その
回動操作力は第1のステアリングシャフト5を介して回
転伝達機構13に伝達され、更に回転伝達機構13を介
してステアリング装置30に伝達される。ステアリング
装置30は、伝達された回動操作力をラックバー14の
直線移動力に変換し、よってタイロッド33,34が図
中E1,E2方向に移動することによりタイヤ(図示せ
ず)の向きが変更される。
転者がステアリングホイール2を回動操作すると、その
回動操作力は第1のステアリングシャフト5を介して回
転伝達機構13に伝達され、更に回転伝達機構13を介
してステアリング装置30に伝達される。ステアリング
装置30は、伝達された回動操作力をラックバー14の
直線移動力に変換し、よってタイロッド33,34が図
中E1,E2方向に移動することによりタイヤ(図示せ
ず)の向きが変更される。
【0035】続いて、本発明の第1実施例に係るステア
リング装置30について以下詳述する。図1及び図2は
ステアリング装置30の部分拡大した断面図である。ス
テアリング装置30は、大略するとギヤハウジング2
0,ピニオン12,ラックバー14,及びラック支持部
材15等により構成された極めて簡単な構成とされてい
る。
リング装置30について以下詳述する。図1及び図2は
ステアリング装置30の部分拡大した断面図である。ス
テアリング装置30は、大略するとギヤハウジング2
0,ピニオン12,ラックバー14,及びラック支持部
材15等により構成された極めて簡単な構成とされてい
る。
【0036】ギヤハウジング20は車両のフレーム等に
固設されるものであり、ピニオン12を軸承するピニオ
ン軸承部20aとラック支持部材15を収納する収納部
20bとよりなる断面略L字形状を有している。このギ
ヤハウジング20の縦方向に延在するピニオン軸承部2
0aにはピニオン12が装着されている。
固設されるものであり、ピニオン12を軸承するピニオ
ン軸承部20aとラック支持部材15を収納する収納部
20bとよりなる断面略L字形状を有している。このギ
ヤハウジング20の縦方向に延在するピニオン軸承部2
0aにはピニオン12が装着されている。
【0037】具体的には、ギヤハウジング20の内部に
は、離間して一対のボールベアリング16,17が配設
されており、このボールベアリング16,17にピニオ
ン12は軸承された構成とされている。このピニオン1
2は、その下部にピニオンギヤ18が一体的に形成され
ると共に、上端部はギヤハウジング20の上部に突出
し、前記した回転伝達機構13と接続される構成とされ
ている。
は、離間して一対のボールベアリング16,17が配設
されており、このボールベアリング16,17にピニオ
ン12は軸承された構成とされている。このピニオン1
2は、その下部にピニオンギヤ18が一体的に形成され
ると共に、上端部はギヤハウジング20の上部に突出
し、前記した回転伝達機構13と接続される構成とされ
ている。
【0038】一方、ラックバー14はギヤハウジング2
0に対し直線移動しうるよう配設されており、具体的に
は図1及び図2の紙面に対して鉛直上下方向(図3にお
けるE1,E2方向)に移動するよう構成されている。
このラックバー14の所定位置にはラックギヤ19が形
成されており、このラックギヤ19はピニオン12に形
成されているピニオンギヤ18と噛合するよう構成され
ている。
0に対し直線移動しうるよう配設されており、具体的に
は図1及び図2の紙面に対して鉛直上下方向(図3にお
けるE1,E2方向)に移動するよう構成されている。
このラックバー14の所定位置にはラックギヤ19が形
成されており、このラックギヤ19はピニオン12に形
成されているピニオンギヤ18と噛合するよう構成され
ている。
【0039】従って、ピニオン12が回動すると、ピニ
オンギヤ18とラックギヤ27との噛合によりピニオン
12の回動力はラックバー14の直線移動力に変換さ
れ、これによりラックバー14は図1及び図2の紙面に
対して鉛直上下方向(図3におけるE1,E2方向)に
直線移動する。
オンギヤ18とラックギヤ27との噛合によりピニオン
12の回動力はラックバー14の直線移動力に変換さ
れ、これによりラックバー14は図1及び図2の紙面に
対して鉛直上下方向(図3におけるE1,E2方向)に
直線移動する。
【0040】前記したようにラックバー14の両側部に
はタイロッド33,34を介してタイヤ(図示せず)が
接続されており、よってラックバー14が直線移動する
ことによりタイロッド33,34に接続されたタイヤは
向きを変化させる。また、ラックバー14のラックギヤ
19の形成位置に対して反対側の位置にはラック支持部
材15が配設されている。このラック支持部材15は、
ラックバー14の軸回り方向の回転を阻止する回転阻止
手段として機能するものであり、ギヤハウジング20に
形成された収納部20b内に収納されている。
はタイロッド33,34を介してタイヤ(図示せず)が
接続されており、よってラックバー14が直線移動する
ことによりタイロッド33,34に接続されたタイヤは
向きを変化させる。また、ラックバー14のラックギヤ
19の形成位置に対して反対側の位置にはラック支持部
材15が配設されている。このラック支持部材15は、
ラックバー14の軸回り方向の回転を阻止する回転阻止
手段として機能するものであり、ギヤハウジング20に
形成された収納部20b内に収納されている。
【0041】このラック支持部材15は、例えばゴム等
の可撓性を有する材料により形成されたブッシュであ
り、その内部には流体としての液体が封入された複数
(本実施例では3個)の流体室23〜25が形成されて
いる。また、ラック支持部材15のラックバー14と対
向する部分は半球状の凹部26が形成されており、ラッ
ク支持部材15とラックバー14との密着性を向上しう
る構成とされている。尚、流体としては、前記の液体の
他に気体(ガス),磁性流体,ゲル状物質等の粘性のあ
る粘性流体を封入してもよい。
の可撓性を有する材料により形成されたブッシュであ
り、その内部には流体としての液体が封入された複数
(本実施例では3個)の流体室23〜25が形成されて
いる。また、ラック支持部材15のラックバー14と対
向する部分は半球状の凹部26が形成されており、ラッ
ク支持部材15とラックバー14との密着性を向上しう
る構成とされている。尚、流体としては、前記の液体の
他に気体(ガス),磁性流体,ゲル状物質等の粘性のあ
る粘性流体を封入してもよい。
【0042】上記各流体室23〜25の内、第1の流体
室23はラックバー14の上方位置(図中、右上方位
置)に形成されており、第2の流体室24はラックバー
14の後方位置(図中、右方位置)に形成されており、
第3の流体室25はラックバー14の下方位置(図中、
右下方位置)に形成されている。
室23はラックバー14の上方位置(図中、右上方位
置)に形成されており、第2の流体室24はラックバー
14の後方位置(図中、右方位置)に形成されており、
第3の流体室25はラックバー14の下方位置(図中、
右下方位置)に形成されている。
【0043】また、第1の流体室23と第2の流体室2
4は連通手段となる第1の連通路27により連通されて
おり、同様に第2の流体室24と第3の流体室25は連
通手段となる第2の連通路28により連通されている。
従って、第1乃至第3の流体室23〜25内に封入され
た液体は、この第1及び第2の連通路27,28を通り
各流体室23〜25間を行き来しうる構成となってい
る。
4は連通手段となる第1の連通路27により連通されて
おり、同様に第2の流体室24と第3の流体室25は連
通手段となる第2の連通路28により連通されている。
従って、第1乃至第3の流体室23〜25内に封入され
た液体は、この第1及び第2の連通路27,28を通り
各流体室23〜25間を行き来しうる構成となってい
る。
【0044】更に、第1及び第2の連通路27,28は
その径寸法が小さく絞られた構成とされており、よって
第1乃至第3の流体室23〜25内に封入された液体が
第1及び第2の連通路27,28を通る際には流体抵抗
が発生し、よって第1及び第2の連通路27,28はオ
リフィスとして機能する。
その径寸法が小さく絞られた構成とされており、よって
第1乃至第3の流体室23〜25内に封入された液体が
第1及び第2の連通路27,28を通る際には流体抵抗
が発生し、よって第1及び第2の連通路27,28はオ
リフィスとして機能する。
【0045】続いて、上記構成とされたステアリング装
置30の動作について説明する。図1に示す状態は、ス
テアリング装置30に路面からの逆入力が印加されてい
ない状態(以下、通常状態という)を示している。この
通常状態においては、ラックバー14は回転しておら
ず、ラックギヤ19はピニオンギヤ18に良好な状態で
噛合している。また、この通常状態において、ラック支
持部材15はラックバー14を所定の押圧力によりピニ
オン12に押圧付勢する構成とされている。よって、本
実施例に係るステアリング装置30は、従来構成のステ
アリング装置では必要とされたラックガイド及びラック
ガイドスプリングを不要とすることができ、装置構成の
簡単化を図ることができる。
置30の動作について説明する。図1に示す状態は、ス
テアリング装置30に路面からの逆入力が印加されてい
ない状態(以下、通常状態という)を示している。この
通常状態においては、ラックバー14は回転しておら
ず、ラックギヤ19はピニオンギヤ18に良好な状態で
噛合している。また、この通常状態において、ラック支
持部材15はラックバー14を所定の押圧力によりピニ
オン12に押圧付勢する構成とされている。よって、本
実施例に係るステアリング装置30は、従来構成のステ
アリング装置では必要とされたラックガイド及びラック
ガイドスプリングを不要とすることができ、装置構成の
簡単化を図ることができる。
【0046】一方、車両が不整路等を走行した等により
強い力(衝撃)がステアリング装置30に作用し、この
衝撃がタイヤから逆入力してラックバー14が軸回りに
回転した状態(以下、逆入力状態という)を図2に示
す。同図では、衝撃が逆入力することにより、ラックバ
ー14が時計方向(図中、矢印で示す)に回転した例を
示している。
強い力(衝撃)がステアリング装置30に作用し、この
衝撃がタイヤから逆入力してラックバー14が軸回りに
回転した状態(以下、逆入力状態という)を図2に示
す。同図では、衝撃が逆入力することにより、ラックバ
ー14が時計方向(図中、矢印で示す)に回転した例を
示している。
【0047】上記のようにラックバー14が時計方向に
回転すると、ラックバー14はラック支持部材15の右
下部に形成されている第3の流体室25を主に押圧す
る。前記したように、ラック支持部材15はゴム等の可
撓性を有する材料により形成されており、かつ第3の流
体室25は第1及び第2の連通路27,28を介して第
1及び第2の流体室23,24に連通している。このた
め、第3の流体室25内の液体は第1及び第2の連通路
27,28を介して第1及び第2の流体室23,24に
流入する(液体の流れを図2に矢印で示す)。これによ
り、第3の流体室25は収縮し、第1及び第2の流体室
23,24は膨張する。
回転すると、ラックバー14はラック支持部材15の右
下部に形成されている第3の流体室25を主に押圧す
る。前記したように、ラック支持部材15はゴム等の可
撓性を有する材料により形成されており、かつ第3の流
体室25は第1及び第2の連通路27,28を介して第
1及び第2の流体室23,24に連通している。このた
め、第3の流体室25内の液体は第1及び第2の連通路
27,28を介して第1及び第2の流体室23,24に
流入する(液体の流れを図2に矢印で示す)。これによ
り、第3の流体室25は収縮し、第1及び第2の流体室
23,24は膨張する。
【0048】上記のようにラックバー14の回転に伴い
第1乃至第3の流体室23〜25が収縮動作して変形す
ることにより、ラック支持部材15の凹部26は常にラ
ックバー14と密着した状態を維持する。また、第3の
流体室25内の液体が第1及び第2の連通路27,28
を通って第1及び第2の流体室23,24に流入する
際、上記のように各連通路27,28はオリフィスとし
て機能するため、各連通路27,28には流体抵抗が発
生し第3の流体室25の急激な収縮及び第1及び第2の
流体室23,24の急激な膨張は抑制される構成となっ
ている。
第1乃至第3の流体室23〜25が収縮動作して変形す
ることにより、ラック支持部材15の凹部26は常にラ
ックバー14と密着した状態を維持する。また、第3の
流体室25内の液体が第1及び第2の連通路27,28
を通って第1及び第2の流体室23,24に流入する
際、上記のように各連通路27,28はオリフィスとし
て機能するため、各連通路27,28には流体抵抗が発
生し第3の流体室25の急激な収縮及び第1及び第2の
流体室23,24の急激な膨張は抑制される構成となっ
ている。
【0049】尚、各連通路27,28の内、連通路28
はラック支持部材15がラックバー14により押圧され
ることにより、更にその径寸法が小さくなり、更なる液
体抵抗の増大を図ることができ、上記の各流体室23〜
25の急激な膨張,収縮をより効果的に抑制することが
できる。
はラック支持部材15がラックバー14により押圧され
ることにより、更にその径寸法が小さくなり、更なる液
体抵抗の増大を図ることができ、上記の各流体室23〜
25の急激な膨張,収縮をより効果的に抑制することが
できる。
【0050】従って、逆入力状態では、上記のようにラ
ック支持部材15がラックバー14と密着し、かつ第3
の流体室25は急激な収縮が抑制される構成とされてい
るため、逆入力によるラックバー14の回転はラック支
持部材15により抑制され、ラックバー14の回転量を
小さくすることができる。
ック支持部材15がラックバー14と密着し、かつ第3
の流体室25は急激な収縮が抑制される構成とされてい
るため、逆入力によるラックバー14の回転はラック支
持部材15により抑制され、ラックバー14の回転量を
小さくすることができる。
【0051】一方、路面からの逆入力がなくなると、ゴ
ム等の可撓性材料よりなるラック支持部材15は通常時
の形状(図1に示す形状)に弾性復元しようとする動作
を行う。この復元動作により、逆入力状態時に第1及び
第2の流体室23,24に流入した液体は第3の流体室
25に逆流する。この際、逆流する液体はオリフィスと
して機能する各連通路27,28を通り第3の流体室2
5に流入するため、各連通路27,28において流体抵
抗が発生し、第3の流体室25の急激な膨張及び第1及
び第2の流体室23,24の急激な収縮は抑制される構
成となっている。
ム等の可撓性材料よりなるラック支持部材15は通常時
の形状(図1に示す形状)に弾性復元しようとする動作
を行う。この復元動作により、逆入力状態時に第1及び
第2の流体室23,24に流入した液体は第3の流体室
25に逆流する。この際、逆流する液体はオリフィスと
して機能する各連通路27,28を通り第3の流体室2
5に流入するため、各連通路27,28において流体抵
抗が発生し、第3の流体室25の急激な膨張及び第1及
び第2の流体室23,24の急激な収縮は抑制される構
成となっている。
【0052】従って、ラックバー14が回転位置より元
の位置に戻る時の運動エネルギーはラック支持体15に
より緩和され、よってラックバー14はラック支持体1
5によりゆっくりと元の位置に戻る。このため、ラック
ギヤ19とピニオンギヤ18との噛み合わせもゆっくり
行われることとなり、歯打ち音の発生を低減することが
でき、この歯打ち音に起因した車内の異音を低減するこ
とができる。
の位置に戻る時の運動エネルギーはラック支持体15に
より緩和され、よってラックバー14はラック支持体1
5によりゆっくりと元の位置に戻る。このため、ラック
ギヤ19とピニオンギヤ18との噛み合わせもゆっくり
行われることとなり、歯打ち音の発生を低減することが
でき、この歯打ち音に起因した車内の異音を低減するこ
とができる。
【0053】尚、上記した説明においては、逆入力によ
りラックバー14が時計方向に回転する例を示したが、
逆入力によりラックバー14が反時計方向に回転した場
合、またラックバー14が車両の前後方向(図1及び図
2における左右方向)に移動した場合においても、上記
したようにラック支持部材15はラックバー14と密着
した状態を維持し、また各流体室23〜25の急激な収
縮が抑制されるため、歯打ち音の発生を低減することが
できる。
りラックバー14が時計方向に回転する例を示したが、
逆入力によりラックバー14が反時計方向に回転した場
合、またラックバー14が車両の前後方向(図1及び図
2における左右方向)に移動した場合においても、上記
したようにラック支持部材15はラックバー14と密着
した状態を維持し、また各流体室23〜25の急激な収
縮が抑制されるため、歯打ち音の発生を低減することが
できる。
【0054】続いて、本発明の第2実施例について説明
する。図4乃至図6は、本発明の第2実施例であるステ
アリング装置40を示している。図4及び図5はステア
リング装置40の断面図であり、図6はステアリング装
置40の外観図である。また、図4乃至図6において、
前記した第1実施例に係るステアリング装置30と同一
構成については同一符号を付してその説明を省略する。
尚、本実施例においては、説明の便宜上、パワーステア
リングを搭載していないステアリング装置を示してい
る。
する。図4乃至図6は、本発明の第2実施例であるステ
アリング装置40を示している。図4及び図5はステア
リング装置40の断面図であり、図6はステアリング装
置40の外観図である。また、図4乃至図6において、
前記した第1実施例に係るステアリング装置30と同一
構成については同一符号を付してその説明を省略する。
尚、本実施例においては、説明の便宜上、パワーステア
リングを搭載していないステアリング装置を示してい
る。
【0055】本実施例に係るステアリング装置40は、
ラックバー14の軸回り方向の回転を阻止する回転阻止
手段としてピニオン移動阻止部材42,43及び抵抗付
与部材44,45を設けたことを特徴とするものであ
る。ピニオン移動阻止部材42,43は、例えばゴム等
の可撓性を有する材料により形成され環状のチューブ状
ブッシュであり、内部に形成された流体室42a,43
a内には液体が封入されている。また、このピニオン移
動阻止部材42,43は、ギヤハウジング41のピニオ
ン軸承部41a内に配設されている。
ラックバー14の軸回り方向の回転を阻止する回転阻止
手段としてピニオン移動阻止部材42,43及び抵抗付
与部材44,45を設けたことを特徴とするものであ
る。ピニオン移動阻止部材42,43は、例えばゴム等
の可撓性を有する材料により形成され環状のチューブ状
ブッシュであり、内部に形成された流体室42a,43
a内には液体が封入されている。また、このピニオン移
動阻止部材42,43は、ギヤハウジング41のピニオ
ン軸承部41a内に配設されている。
【0056】具体的には、ピニオン移動阻止部材42,
43の内、上部に位置する第1のピニオン移動阻止部材
42は、ピニオンギヤ18の上端部とベアリング16と
の間に配設されると共に、下部に位置する第2のピニオ
ン移動阻止部材43は、ピニオンギヤ18の下端部とベ
アリング17との間に配設されている。
43の内、上部に位置する第1のピニオン移動阻止部材
42は、ピニオンギヤ18の上端部とベアリング16と
の間に配設されると共に、下部に位置する第2のピニオ
ン移動阻止部材43は、ピニオンギヤ18の下端部とベ
アリング17との間に配設されている。
【0057】また、第1のピニオン移動阻止部材42は
連通手段として機能する上部配管46に接続されてお
り、第2のピニオン移動阻止部材43は同じく連通手段
として機能する下部配管47に接続されている。抵抗付
与部材44,45もピニオン移動阻止部材42,43と
同様に、例えばゴム等の可撓性を有する材料により形成
され環状のチューブ状ブッシュであり、内部に形成され
た流体室44a,45a内には液体が封入されている。
この抵抗付与部材44,45は、ギヤハウジング41を
構成するラックバーハウジング部41c内に配設されて
いる。
連通手段として機能する上部配管46に接続されてお
り、第2のピニオン移動阻止部材43は同じく連通手段
として機能する下部配管47に接続されている。抵抗付
与部材44,45もピニオン移動阻止部材42,43と
同様に、例えばゴム等の可撓性を有する材料により形成
され環状のチューブ状ブッシュであり、内部に形成され
た流体室44a,45a内には液体が封入されている。
この抵抗付与部材44,45は、ギヤハウジング41を
構成するラックバーハウジング部41c内に配設されて
いる。
【0058】具体的には、各抵抗付与部材44,45は
ラックバーハウジング部41cの所定位置に並列して配
設されている。ラックバーハウジング部41cは、図6
に矢印E1,E2方向に示す方向に直線移動するラック
バー14の移動を案内するものであり、このラックバー
ハウジング部41c内部において各抵抗付与部材44,
45はその内周部がラックバー14と対向するよう配設
されている。
ラックバーハウジング部41cの所定位置に並列して配
設されている。ラックバーハウジング部41cは、図6
に矢印E1,E2方向に示す方向に直線移動するラック
バー14の移動を案内するものであり、このラックバー
ハウジング部41c内部において各抵抗付与部材44,
45はその内周部がラックバー14と対向するよう配設
されている。
【0059】また、図5において右に位置する第1の抵
抗付与部材44は上部配管46と接続されており、左に
位置する第2の抵抗付与部材45は下部配管47に接続
されている。従って、第1のピニオン移動阻止部材42
と第1の抵抗付与部材44とは上部配管46を介して連
通し、また第2のピニオン移動阻止部材43と第2の抵
抗付与部材45とは下部配管47を介して連通した構成
とされている。
抗付与部材44は上部配管46と接続されており、左に
位置する第2の抵抗付与部材45は下部配管47に接続
されている。従って、第1のピニオン移動阻止部材42
と第1の抵抗付与部材44とは上部配管46を介して連
通し、また第2のピニオン移動阻止部材43と第2の抵
抗付与部材45とは下部配管47を介して連通した構成
とされている。
【0060】この上部配管46及び下部配管47は、共
にその径寸法が小さく設定されており、よって第1のピ
ニオン移動阻止部材42と第1の抵抗付与部材44との
間、及び第2のピニオン移動阻止部材43と第2の抵抗
付与部材45との間で流体が移動する際、上部配管46
及び下部配管47には流体抵抗が発生する。
にその径寸法が小さく設定されており、よって第1のピ
ニオン移動阻止部材42と第1の抵抗付与部材44との
間、及び第2のピニオン移動阻止部材43と第2の抵抗
付与部材45との間で流体が移動する際、上部配管46
及び下部配管47には流体抵抗が発生する。
【0061】尚、本実施例に係るステアリング装置40
では、ギヤハウジング41を構成するラックハウジング
部41b内に、ラックバー14をピニオン12に押圧す
る手段としてラックガイド48及びラックガイドスプリ
ング49が配設されている。次に、上記構成とされた第
2実施例に係るステアリング装置40の動作について説
明する。
では、ギヤハウジング41を構成するラックハウジング
部41b内に、ラックバー14をピニオン12に押圧す
る手段としてラックガイド48及びラックガイドスプリ
ング49が配設されている。次に、上記構成とされた第
2実施例に係るステアリング装置40の動作について説
明する。
【0062】いま、図4に示す通常状態から、車両が不
整路等を走行した等により強い力(衝撃)がステアリン
グ装置40に作用し、この衝撃がタイヤから逆入力して
ラックバー14に時計方向(図4に矢印Aで示す方向)
に軸回りの回転力が付勢された状態を想定する。
整路等を走行した等により強い力(衝撃)がステアリン
グ装置40に作用し、この衝撃がタイヤから逆入力して
ラックバー14に時計方向(図4に矢印Aで示す方向)
に軸回りの回転力が付勢された状態を想定する。
【0063】上記のようにラックバー14が時計方向に
回転しようとすると、ラックギヤ19はピニオンギヤ1
8と噛合しているため上記回転力の分力がピニオン12
に作用し、ピニオン12は上方向(図4に矢印B1で示
す方向)に移動付勢される。ピニオン12が上方向に移
動しようとすると、ピニオンギヤ18は第1のピニオン
移動阻止部材42と当接しこれを押圧する。
回転しようとすると、ラックギヤ19はピニオンギヤ1
8と噛合しているため上記回転力の分力がピニオン12
に作用し、ピニオン12は上方向(図4に矢印B1で示
す方向)に移動付勢される。ピニオン12が上方向に移
動しようとすると、ピニオンギヤ18は第1のピニオン
移動阻止部材42と当接しこれを押圧する。
【0064】しかるに、第1のピニオン移動阻止部材4
2に接続されている上部配管46はその径寸法が小さく
流体抵抗を発生させる構成とされているため、第1のピ
ニオン移動阻止部材42の内部に封止された液体は上部
配管46を介して直ちに第1の抵抗付与部材44に流入
することはない。
2に接続されている上部配管46はその径寸法が小さく
流体抵抗を発生させる構成とされているため、第1のピ
ニオン移動阻止部材42の内部に封止された液体は上部
配管46を介して直ちに第1の抵抗付与部材44に流入
することはない。
【0065】このため、ピニオン12の上方向に向けた
移動は第1のピニオン移動阻止部材42により阻止さ
れ、よってラックバー14の回転もこれにより阻止され
る。このように、ピニオン12の移動を第1のピニオン
移動阻止部材42により抑えることによって、ラックバ
ー14の回転を防止することができ、これにより歯打ち
音の発生を防止することができる。
移動は第1のピニオン移動阻止部材42により阻止さ
れ、よってラックバー14の回転もこれにより阻止され
る。このように、ピニオン12の移動を第1のピニオン
移動阻止部材42により抑えることによって、ラックバ
ー14の回転を防止することができ、これにより歯打ち
音の発生を防止することができる。
【0066】尚、ラックバー14が路面からの逆入力に
より反時計方向に回転しようとした場合には、ピニオン
12は下方向(図4に矢印B2で示す方向)に移動付勢
されるが、この場合には第2のピニオン移動阻止部材4
3がピニオン12の移動を阻止し、ラックバー14の回
転を抑制することができるため、よってラックバー14
が反時計方向に回転した場合においても歯打ち音の発生
を防止することができる。
より反時計方向に回転しようとした場合には、ピニオン
12は下方向(図4に矢印B2で示す方向)に移動付勢
されるが、この場合には第2のピニオン移動阻止部材4
3がピニオン12の移動を阻止し、ラックバー14の回
転を抑制することができるため、よってラックバー14
が反時計方向に回転した場合においても歯打ち音の発生
を防止することができる。
【0067】一方、路面からの逆入力が強い場合及び継
続的に続く場合には、ラックバー14の回転も強くまた
継続的に行われるため、これにより第1或いは第2のピ
ニオン移動阻止部材42,43の内部に封入された液体
は、上部或いは下部配管46,47を通り第1或いは第
2の抵抗付与部材44,45に流入する。
続的に続く場合には、ラックバー14の回転も強くまた
継続的に行われるため、これにより第1或いは第2のピ
ニオン移動阻止部材42,43の内部に封入された液体
は、上部或いは下部配管46,47を通り第1或いは第
2の抵抗付与部材44,45に流入する。
【0068】前記したように、第1及び第2の抵抗付与
部材44,45は、可撓性を有するゴム等により形成さ
れており、かつラックバー14と対向するよう構成され
ている。従って、第1或いは第2のピニオン移動阻止部
材42,43から液体が流入することにより、第1及び
第2の抵抗付与部材44,45は膨張し、これによりラ
ックバー14を押圧する。この押圧力はラックバー14
の回転を阻止する力として作用し、これによってもラッ
クバー14の回転変位量を小さくすることができる。
部材44,45は、可撓性を有するゴム等により形成さ
れており、かつラックバー14と対向するよう構成され
ている。従って、第1或いは第2のピニオン移動阻止部
材42,43から液体が流入することにより、第1及び
第2の抵抗付与部材44,45は膨張し、これによりラ
ックバー14を押圧する。この押圧力はラックバー14
の回転を阻止する力として作用し、これによってもラッ
クバー14の回転変位量を小さくすることができる。
【0069】また、路面からの逆入力がなくなった場合
には、第1及び第2の抵抗付与部材44,45には弾性
復元力が発生し、第1及び第2の抵抗付与部材44,4
5内に流入した液体は第1或いは第2のピニオン移動阻
止部材42,43に向け逆流しようとする。
には、第1及び第2の抵抗付与部材44,45には弾性
復元力が発生し、第1及び第2の抵抗付与部材44,4
5内に流入した液体は第1或いは第2のピニオン移動阻
止部材42,43に向け逆流しようとする。
【0070】しかるに、前記したように上部及び下部配
管46,47はその径寸法が小さく流体抵抗を発生させ
る構成とされているため、第1或いは第2の抵抗付与部
材44,45の内部に封止された液体は上部或いは下部
配管46,47を介して直ちに第1或いは第2のピニオ
ン移動阻止部材42,43に逆流することはない。
管46,47はその径寸法が小さく流体抵抗を発生させ
る構成とされているため、第1或いは第2の抵抗付与部
材44,45の内部に封止された液体は上部或いは下部
配管46,47を介して直ちに第1或いは第2のピニオ
ン移動阻止部材42,43に逆流することはない。
【0071】このため、路面からの逆入力がなくなった
後においても、ラックバー14の戻り回転は第1或いは
第2の抵抗付与部材44,45により抑制されるため、
ラックギヤ19とピニオンギヤ18との噛み合わせはゆ
っくり行われることとなり、歯打ち音の発生を低減する
ことができる。
後においても、ラックバー14の戻り回転は第1或いは
第2の抵抗付与部材44,45により抑制されるため、
ラックギヤ19とピニオンギヤ18との噛み合わせはゆ
っくり行われることとなり、歯打ち音の発生を低減する
ことができる。
【0072】続いて、本発明の第3実施例について説明
する。図7乃至図9は、本発明の第3実施例であるステ
アリング装置50を示している。図7及び図8はステア
リング装置50の断面図であり、図9はステアリング装
置50の外観図である。また、図7乃至図9において、
前記した第2実施例に係るステアリング装置40と同一
構成については同一符号を付してその説明を省略する。
する。図7乃至図9は、本発明の第3実施例であるステ
アリング装置50を示している。図7及び図8はステア
リング装置50の断面図であり、図9はステアリング装
置50の外観図である。また、図7乃至図9において、
前記した第2実施例に係るステアリング装置40と同一
構成については同一符号を付してその説明を省略する。
【0073】本実施例に係るステアリング装置50は、
ラックバー14の軸回り方向の回転を阻止する回転阻止
手段としてラック移動阻止部材51及び抵抗付与部材5
2,53を設けたことを特徴とするものである。ラック
移動阻止部材51は、例えばゴム等の可撓性を有する材
料により形成され環状のチューブ状ブッシュであり、内
部に形成された流体室51a内には液体が封入されてい
る。このラック移動阻止部材51は、ギヤハウジング4
1のピニオン軸承部41a内に、具体的にはラックガイ
ド48とキャップ54との間に介装されている。また、
ラック移動阻止部材51は連通手段として機能する連通
配管55に接続されている。
ラックバー14の軸回り方向の回転を阻止する回転阻止
手段としてラック移動阻止部材51及び抵抗付与部材5
2,53を設けたことを特徴とするものである。ラック
移動阻止部材51は、例えばゴム等の可撓性を有する材
料により形成され環状のチューブ状ブッシュであり、内
部に形成された流体室51a内には液体が封入されてい
る。このラック移動阻止部材51は、ギヤハウジング4
1のピニオン軸承部41a内に、具体的にはラックガイ
ド48とキャップ54との間に介装されている。また、
ラック移動阻止部材51は連通手段として機能する連通
配管55に接続されている。
【0074】抵抗付与部材52,53も例えばゴム等の
可撓性を有する材料により形成され環状のチューブ状ブ
ッシュであり、内部に形成された流体室52a,53a
には液体が封入されている。この抵抗付与部材52,5
3は、ギヤハウジング41を構成するラックバーハウジ
ング部41c内に配設されている。
可撓性を有する材料により形成され環状のチューブ状ブ
ッシュであり、内部に形成された流体室52a,53a
には液体が封入されている。この抵抗付与部材52,5
3は、ギヤハウジング41を構成するラックバーハウジ
ング部41c内に配設されている。
【0075】具体的には、各抵抗付与部材52,53は
ラックバーハウジング部41cの所定位置に離間して配
設されている。ラックバーハウジング部41cは、図9
に矢印E1,E2方向に示す方向に直線移動するラック
バー14の移動を案内するものであり、このラックバー
ハウジング部41c内部において各抵抗付与部材52,
53はその内周部がラックバー14と対向するよう配設
されている。
ラックバーハウジング部41cの所定位置に離間して配
設されている。ラックバーハウジング部41cは、図9
に矢印E1,E2方向に示す方向に直線移動するラック
バー14の移動を案内するものであり、このラックバー
ハウジング部41c内部において各抵抗付与部材52,
53はその内周部がラックバー14と対向するよう配設
されている。
【0076】また、各抵抗付与部材52,53は共に連
通配管55と接続されており、従ってラック移動阻止部
材51と各抵抗付与部材52,53とは連通配管55を
介して連通した構成とされている(図10は、この連通
状態を示している)。この連通配管55はその径寸法が
小さく設定されており、よってラック移動阻止部材51
と抵抗付与部材52,53との間で流体が移動する際、
連通配管55には流体抵抗が発生する。
通配管55と接続されており、従ってラック移動阻止部
材51と各抵抗付与部材52,53とは連通配管55を
介して連通した構成とされている(図10は、この連通
状態を示している)。この連通配管55はその径寸法が
小さく設定されており、よってラック移動阻止部材51
と抵抗付与部材52,53との間で流体が移動する際、
連通配管55には流体抵抗が発生する。
【0077】次に、上記構成とされた第3実施例に係る
ステアリング装置50の動作について説明する。いま、
車両が不整路等を走行した等により強い力(衝撃)がス
テアリング装置50に作用し、この衝撃がタイヤから逆
入力してラックバー14に軸回りの回転力が付勢された
状態を想定する。
ステアリング装置50の動作について説明する。いま、
車両が不整路等を走行した等により強い力(衝撃)がス
テアリング装置50に作用し、この衝撃がタイヤから逆
入力してラックバー14に軸回りの回転力が付勢された
状態を想定する。
【0078】上記のようにラックバー14が回転付勢さ
れようとすると、この回転力の分力によりラックギヤ1
9はピニオンギヤ18からその噛み合いが外れる方向、
即ちラックギヤ19がピニオンギヤ18から離間する方
向(図7に矢印Cで示す方向)に移動しようとする。こ
のようにラックバー14がC方向に移動することによ
り、ラックバー14はラックガイド48を介してラック
移動阻止部材51を押圧する。
れようとすると、この回転力の分力によりラックギヤ1
9はピニオンギヤ18からその噛み合いが外れる方向、
即ちラックギヤ19がピニオンギヤ18から離間する方
向(図7に矢印Cで示す方向)に移動しようとする。こ
のようにラックバー14がC方向に移動することによ
り、ラックバー14はラックガイド48を介してラック
移動阻止部材51を押圧する。
【0079】しかるに、ラック移動阻止部材51に接続
されている連通配管55はその径寸法が小さく流体抵抗
を発生させる構成とされているため、ラック移動阻止部
材51の内部に封止された液体は連通配管55を介して
直ちに各抵抗付与部材52,53に流入することはな
い。
されている連通配管55はその径寸法が小さく流体抵抗
を発生させる構成とされているため、ラック移動阻止部
材51の内部に封止された液体は連通配管55を介して
直ちに各抵抗付与部材52,53に流入することはな
い。
【0080】このため、ラックバー14の矢印C方向に
向けた移動はラック移動阻止部材51により阻止され、
よってラックバー14の回転は阻止される。このよう
に、ラックバー14の移動をラック移動阻止部材51に
より抑えることにより、ラックバー14の回転を防止す
ることができ、これにより歯打ち音の発生を防止するこ
とができる。
向けた移動はラック移動阻止部材51により阻止され、
よってラックバー14の回転は阻止される。このよう
に、ラックバー14の移動をラック移動阻止部材51に
より抑えることにより、ラックバー14の回転を防止す
ることができ、これにより歯打ち音の発生を防止するこ
とができる。
【0081】一方、路面からの逆入力が強い場合及び継
続的に続く場合には、ラックバー14の回転も強くまた
継続的に行われるため、これによりラック移動阻止部材
51の内部に封入された液体は、連通配管55を通り各
抵抗付与部材52,53に流入する。前記したように、
各抵抗付与部材52,53は、可撓性を有するゴム等に
より形成されており、かつラックバー14と対向するよ
う構成されている。
続的に続く場合には、ラックバー14の回転も強くまた
継続的に行われるため、これによりラック移動阻止部材
51の内部に封入された液体は、連通配管55を通り各
抵抗付与部材52,53に流入する。前記したように、
各抵抗付与部材52,53は、可撓性を有するゴム等に
より形成されており、かつラックバー14と対向するよ
う構成されている。
【0082】従って、ラック移動阻止部材51から流体
が流入することにより、各抵抗付与部材52,53は膨
張してラックバー14を押圧する。この押圧力はラック
バー14の回転を阻止する力として作用し、これによっ
てラックバー14の回転変位量を小さくすることができ
る。
が流入することにより、各抵抗付与部材52,53は膨
張してラックバー14を押圧する。この押圧力はラック
バー14の回転を阻止する力として作用し、これによっ
てラックバー14の回転変位量を小さくすることができ
る。
【0083】また、路面からの逆入力がなくなった場合
には、各抵抗付与部材52,53には弾性復元力が発生
し、各抵抗付与部材52,53内に流入した液体はラッ
ク移動阻止部材51に向け逆流しようとする。しかる
に、前記したように連通配管55はその径寸法が小さく
流体抵抗を発生させる構成とされているため、各抵抗付
与部材52,53の内部に封止された液体は連通配管5
5を介して直ちにラック移動阻止部材51に逆流するこ
とはない。
には、各抵抗付与部材52,53には弾性復元力が発生
し、各抵抗付与部材52,53内に流入した液体はラッ
ク移動阻止部材51に向け逆流しようとする。しかる
に、前記したように連通配管55はその径寸法が小さく
流体抵抗を発生させる構成とされているため、各抵抗付
与部材52,53の内部に封止された液体は連通配管5
5を介して直ちにラック移動阻止部材51に逆流するこ
とはない。
【0084】このため、路面からの逆入力がなくなった
後においても、ラックバー14の戻り回転は各抵抗付与
部材52,53により抑制されるため、ラックギヤ19
とピニオンギヤ18との噛み合わせはゆっくり行われる
こととなり、歯打ち音の発生を低減することができる。
後においても、ラックバー14の戻り回転は各抵抗付与
部材52,53により抑制されるため、ラックギヤ19
とピニオンギヤ18との噛み合わせはゆっくり行われる
こととなり、歯打ち音の発生を低減することができる。
【0085】続いて、本発明の第4実施例について説明
する。図11乃至図13は、本発明の第4実施例である
ステアリング装置60を示している。図11はステアリ
ング装置60の部分切截した断面図であり、図12及び
図13は図11におけるX−X線に沿う断面図である。
また、図7乃至図9において、前記した第2実施例に係
るステアリング装置40と同一構成については同一符号
を付してその説明を省略する。
する。図11乃至図13は、本発明の第4実施例である
ステアリング装置60を示している。図11はステアリ
ング装置60の部分切截した断面図であり、図12及び
図13は図11におけるX−X線に沿う断面図である。
また、図7乃至図9において、前記した第2実施例に係
るステアリング装置40と同一構成については同一符号
を付してその説明を省略する。
【0086】本実施例に係るステアリング装置60は、
ラックバー14の軸回り方向の回転を阻止する回転阻止
手段として、ギヤハウジング41のピニオン軸承部41
a内に複数(本実施例では2個)のラック支持部材6
1,62を配設したことを特徴とするものである。
ラックバー14の軸回り方向の回転を阻止する回転阻止
手段として、ギヤハウジング41のピニオン軸承部41
a内に複数(本実施例では2個)のラック支持部材6
1,62を配設したことを特徴とするものである。
【0087】このラック支持部材61,62は、例えば
ゴム等の可撓性を有する材料により形成されたブッシュ
である。尚、各ラック支持部材61,62は同一構成で
あるため、以下の説明においてはラック支持部材61の
みを図12に示して説明し、ラック支持部材62に対す
る説明は省略するものとする。
ゴム等の可撓性を有する材料により形成されたブッシュ
である。尚、各ラック支持部材61,62は同一構成で
あるため、以下の説明においてはラック支持部材61の
みを図12に示して説明し、ラック支持部材62に対す
る説明は省略するものとする。
【0088】ラック支持部材61は環状(ドーナッツ
状)の部材であり、その中央にはラックバー14が挿通
された構成とされている。また、ラック支持部材61の
内部には液体が封入された複数(本実施例では4個)の
流体室63〜66が形成されている。
状)の部材であり、その中央にはラックバー14が挿通
された構成とされている。また、ラック支持部材61の
内部には液体が封入された複数(本実施例では4個)の
流体室63〜66が形成されている。
【0089】また、各流体室63〜66は連通手段とな
る連通路67〜70により連通された構成とされてい
る。具体的には、第1の流体室63と第2の流体室64
は第1の連通路67により連通されており、第2の流体
室64と第3の流体室65は第2の連通路68により連
通されており、第3の流体室65と第4の流体室66は
第3の連通路69により連通されており、更に第4の流
体室66と第1の流体室63は第4の連通路70により
連通されている。従って、第1乃至第4の流体室63〜
66内に封入された液体は、第1乃至第4の連通路67
〜70を通り各流体室63〜66間を行き来しうる構成
となっている。
る連通路67〜70により連通された構成とされてい
る。具体的には、第1の流体室63と第2の流体室64
は第1の連通路67により連通されており、第2の流体
室64と第3の流体室65は第2の連通路68により連
通されており、第3の流体室65と第4の流体室66は
第3の連通路69により連通されており、更に第4の流
体室66と第1の流体室63は第4の連通路70により
連通されている。従って、第1乃至第4の流体室63〜
66内に封入された液体は、第1乃至第4の連通路67
〜70を通り各流体室63〜66間を行き来しうる構成
となっている。
【0090】更に、第1乃至第4の連通路67〜70は
その径寸法が小さく絞られた構成とされており、よって
第1乃至第4の流体室63〜66内に封入された液体が
第1乃至第4の連通路67〜70を通る際には流体抵抗
が発生し、よって第1乃至第4の連通路67〜70はオ
リフィスとして機能する。
その径寸法が小さく絞られた構成とされており、よって
第1乃至第4の流体室63〜66内に封入された液体が
第1乃至第4の連通路67〜70を通る際には流体抵抗
が発生し、よって第1乃至第4の連通路67〜70はオ
リフィスとして機能する。
【0091】尚、図示されないが、本実施例に係るステ
アリング装置60は、ラックハウジング部41b内にラ
ックバー14をピニオン12に押圧する手段としてラッ
クガイド48及びラックガイドスプリング49が配設さ
れた構成とされている(図4と同様の構成とされてい
る)。
アリング装置60は、ラックハウジング部41b内にラ
ックバー14をピニオン12に押圧する手段としてラッ
クガイド48及びラックガイドスプリング49が配設さ
れた構成とされている(図4と同様の構成とされてい
る)。
【0092】続いて、上記構成とされたステアリング装
置60の動作について説明する。図12に示す状態は、
ステアリング装置60に路面からの逆入力が印加されて
いない通常状態を示している。この通常状態において
は、ラックバー14は回転しておらず、ラックギヤ19
はピニオンギヤ18に良好な状態で噛合している。
置60の動作について説明する。図12に示す状態は、
ステアリング装置60に路面からの逆入力が印加されて
いない通常状態を示している。この通常状態において
は、ラックバー14は回転しておらず、ラックギヤ19
はピニオンギヤ18に良好な状態で噛合している。
【0093】一方、車両が不整路等を走行した等により
強い力(衝撃)がステアリング装置60に作用し、この
衝撃がタイヤから逆入力してラックバー14が軸回りに
回転した逆入力状態を図13に示す。図13では、衝撃
が逆入力することにより、ラックバー14が回転し、こ
の回転力の分力により通常状態位置(破線で示す位置)
から図中矢印Dで示す方向に移動した状態を示してい
る。
強い力(衝撃)がステアリング装置60に作用し、この
衝撃がタイヤから逆入力してラックバー14が軸回りに
回転した逆入力状態を図13に示す。図13では、衝撃
が逆入力することにより、ラックバー14が回転し、こ
の回転力の分力により通常状態位置(破線で示す位置)
から図中矢印Dで示す方向に移動した状態を示してい
る。
【0094】上記のようにラックバー14がその回転に
伴い矢印D方向に移動すると、ラックバー14はラック
支持部材61の右下方に形成されている第2及び第3の
流体室64,65を押圧する。前記したように、ラック
支持部材61はゴム等の可撓性を有する材料により形成
されており、かつ各流体室63〜66は第1乃至第4の
連通路67〜70を介し連通した構成とされている。
伴い矢印D方向に移動すると、ラックバー14はラック
支持部材61の右下方に形成されている第2及び第3の
流体室64,65を押圧する。前記したように、ラック
支持部材61はゴム等の可撓性を有する材料により形成
されており、かつ各流体室63〜66は第1乃至第4の
連通路67〜70を介し連通した構成とされている。
【0095】このため、第2及び第3の流体室64,6
5内の液体は各連通路67〜70を介して第1及び第4
の流体室63,66に流入する。これにより、第2及び
第3の流体室64,65は収縮し、第1及び第4の流体
室63,66は膨張する。上記のようにラックバー14
の回転に伴い、第2及び第3の流体室64,65が収縮
すると共に第1及び第4の流体室63,66が膨張する
ことにより、ラック支持部材61は常にラックバー14
と密着した状態を維持する。また、第2及び第3の流体
室64,65内の液体が各連通路67〜70を通って第
1及び第4の流体室63,66に流入する際、上記のよ
うに各連通路67〜70はオリフィスとして機能するた
め、各連通路67〜70には流体抵抗が発生し第2及び
第3の流体室64,65の急激な収縮及び第1及び第4
の流体室63,66の急激な膨張は抑制される構成とな
っている。
5内の液体は各連通路67〜70を介して第1及び第4
の流体室63,66に流入する。これにより、第2及び
第3の流体室64,65は収縮し、第1及び第4の流体
室63,66は膨張する。上記のようにラックバー14
の回転に伴い、第2及び第3の流体室64,65が収縮
すると共に第1及び第4の流体室63,66が膨張する
ことにより、ラック支持部材61は常にラックバー14
と密着した状態を維持する。また、第2及び第3の流体
室64,65内の液体が各連通路67〜70を通って第
1及び第4の流体室63,66に流入する際、上記のよ
うに各連通路67〜70はオリフィスとして機能するた
め、各連通路67〜70には流体抵抗が発生し第2及び
第3の流体室64,65の急激な収縮及び第1及び第4
の流体室63,66の急激な膨張は抑制される構成とな
っている。
【0096】尚、上記各連通路67〜70の内、連通路
68はラック支持部材61がラックバー14により押圧
されることにより更にその径寸法が小さくなり、その液
体抵抗は更に増大する。従って、上記の各流体室63〜
66の急激な膨張,収縮をより効果的に抑制することが
できる。
68はラック支持部材61がラックバー14により押圧
されることにより更にその径寸法が小さくなり、その液
体抵抗は更に増大する。従って、上記の各流体室63〜
66の急激な膨張,収縮をより効果的に抑制することが
できる。
【0097】上記のように逆入力状態では、ラック支持
部材61がラックバー14と密着し、かつ第2及び第3
の流体室64,65は急激な収縮が抑制される構成とさ
れているため、逆入力によるラックバー14の回転はラ
ック支持部材61により抑制されラックバー14の回転
量を小さくすることができる。
部材61がラックバー14と密着し、かつ第2及び第3
の流体室64,65は急激な収縮が抑制される構成とさ
れているため、逆入力によるラックバー14の回転はラ
ック支持部材61により抑制されラックバー14の回転
量を小さくすることができる。
【0098】一方、路面からの逆入力がなくなると、ゴ
ム等の可撓性材料よりなるラック支持部材61は通常時
の形状(図12に示す形状)に弾性復元しようとする動
作を行う。この復元動作により、逆入力状態時に第1及
び第4の流体室63,66に流入した液体は第2及び第
3の流体室64,65に逆流する。この際、逆流する液
体はオリフィスとして機能する各連通路67〜70を通
り第1及び第4の流体室63,66第3に流入するた
め、各連通路67〜70において流体抵抗が発生し、第
2及び第3の流体室64,65の急激な膨張及び第1及
び第4の流体室63,66の急激な収縮は抑制される構
成となっている。
ム等の可撓性材料よりなるラック支持部材61は通常時
の形状(図12に示す形状)に弾性復元しようとする動
作を行う。この復元動作により、逆入力状態時に第1及
び第4の流体室63,66に流入した液体は第2及び第
3の流体室64,65に逆流する。この際、逆流する液
体はオリフィスとして機能する各連通路67〜70を通
り第1及び第4の流体室63,66第3に流入するた
め、各連通路67〜70において流体抵抗が発生し、第
2及び第3の流体室64,65の急激な膨張及び第1及
び第4の流体室63,66の急激な収縮は抑制される構
成となっている。
【0099】従って、ラックバー14が移動位置より元
の位置に戻る時の運動エネルギーはラック支持部材61
により緩和され、よってラックバー14はラック支持部
材61によりゆっくりと元の位置に戻る。このため、ラ
ックギヤ19とピニオンギヤ18との噛み合わせもゆっ
くり行われることとなり、歯打ち音の発生を低減するこ
とができる。
の位置に戻る時の運動エネルギーはラック支持部材61
により緩和され、よってラックバー14はラック支持部
材61によりゆっくりと元の位置に戻る。このため、ラ
ックギヤ19とピニオンギヤ18との噛み合わせもゆっ
くり行われることとなり、歯打ち音の発生を低減するこ
とができる。
【0100】尚、上記した説明においては、逆入力によ
りラックバー14が図13に矢印Dで示す方向に移動す
る例を示したが、逆入力によりラックバー14が他の方
向に移動した場合においても、上記したようにラック支
持部材61はラックバー14と密着した状態を維持し、
また各流体室63〜66の急激な収縮が抑制されるた
め、歯打ち音の発生を低減することができる。
りラックバー14が図13に矢印Dで示す方向に移動す
る例を示したが、逆入力によりラックバー14が他の方
向に移動した場合においても、上記したようにラック支
持部材61はラックバー14と密着した状態を維持し、
また各流体室63〜66の急激な収縮が抑制されるた
め、歯打ち音の発生を低減することができる。
【0101】続いて、本発明の第5実施例について説明
する。図14は、本発明の第5実施例であるステアリン
グ装置に組み込まれるラック支持部材80を示してい
る。尚、図14において、前記した第4実施例に係るス
テアリング装置60と同一構成については同一符号を付
してその説明を省略する。
する。図14は、本発明の第5実施例であるステアリン
グ装置に組み込まれるラック支持部材80を示してい
る。尚、図14において、前記した第4実施例に係るス
テアリング装置60と同一構成については同一符号を付
してその説明を省略する。
【0102】本実施例に係るステアリング装置は、ラッ
クバー14の軸回り方向の回転を阻止する回転阻止手段
としてラック支持部材80を設けると共に、ラックバー
14のラック支持部材80と対向する位置に複数(本実
施例では4個)の突起81〜84を設けたことを特徴と
するものである。
クバー14の軸回り方向の回転を阻止する回転阻止手段
としてラック支持部材80を設けると共に、ラックバー
14のラック支持部材80と対向する位置に複数(本実
施例では4個)の突起81〜84を設けたことを特徴と
するものである。
【0103】このラック支持部材80は、例えばゴム等
の可撓性を有する材料により形成されたブッシュであ
る。このラック支持部材80は環状(ドーナッツ状)の
形状を有した部材であり、その中央にラックバー14が
密接した状態で挿通される構成とされている。また、ラ
ック支持部材80の内部には液体が封入される流体室8
5が形成されている。
の可撓性を有する材料により形成されたブッシュであ
る。このラック支持部材80は環状(ドーナッツ状)の
形状を有した部材であり、その中央にラックバー14が
密接した状態で挿通される構成とされている。また、ラ
ック支持部材80の内部には液体が封入される流体室8
5が形成されている。
【0104】また上記構成とされたラック支持部材80
は、ラックバーハウジング部41c内に配設されてお
り、例えば前記した第4実施例で示したステアリング装
置60に設けられたラック支持部材61,62の配設位
置と同じ位置に配設位置が選定されている。
は、ラックバーハウジング部41c内に配設されてお
り、例えば前記した第4実施例で示したステアリング装
置60に設けられたラック支持部材61,62の配設位
置と同じ位置に配設位置が選定されている。
【0105】続いて、上記構成とされたステアリング装
置の動作について説明する。図14に示す状態は、ステ
アリング装置に路面からの逆入力が印加されていない通
常状態を示している。この通常状態においては、ラック
バー14は回転しておらず、ラックバー14に形成され
た突起81〜84はラック支持部材80の内壁を押圧し
ている。このように、突起81〜84がラック支持部材
80を押圧することにより、図示されるようにラック支
持部材80の内壁は可撓して凹部を形成した状態となっ
ている。
置の動作について説明する。図14に示す状態は、ステ
アリング装置に路面からの逆入力が印加されていない通
常状態を示している。この通常状態においては、ラック
バー14は回転しておらず、ラックバー14に形成され
た突起81〜84はラック支持部材80の内壁を押圧し
ている。このように、突起81〜84がラック支持部材
80を押圧することにより、図示されるようにラック支
持部材80の内壁は可撓して凹部を形成した状態となっ
ている。
【0106】ここで、車両が不整路等を走行した等によ
り衝撃がタイヤから逆入力した場合を想定する。衝撃が
タイヤから逆入力すると、ラックバー14は軸回りに回
転しようとする。このようにラックバー14が軸回りに
回転しようとすると、ラックバー14に形成されている
突起81〜84はラック支持部材80の内壁を押圧した
状態を維持しつつ周方向に回動し、よってラック支持部
材80の内壁を押圧することにより流体室85内の流体
を押し退けようとする。
り衝撃がタイヤから逆入力した場合を想定する。衝撃が
タイヤから逆入力すると、ラックバー14は軸回りに回
転しようとする。このようにラックバー14が軸回りに
回転しようとすると、ラックバー14に形成されている
突起81〜84はラック支持部材80の内壁を押圧した
状態を維持しつつ周方向に回動し、よってラック支持部
材80の内壁を押圧することにより流体室85内の流体
を押し退けようとする。
【0107】この流体室85内の流体を押し退けようと
する力がラックバー14の回転を抑制する力として作用
し、よってラックバー14の回転は阻止される。このよ
うに、逆入力によるラックバー14の回転はラック支持
部材80により抑制され、ラックバー14の回転量を小
さくすることができるため、歯打ち音の発生を低減する
ことができる。
する力がラックバー14の回転を抑制する力として作用
し、よってラックバー14の回転は阻止される。このよ
うに、逆入力によるラックバー14の回転はラック支持
部材80により抑制され、ラックバー14の回転量を小
さくすることができるため、歯打ち音の発生を低減する
ことができる。
【0108】尚、操舵操作に従いラックバー14が直線
移動(この移動は、図14において紙面に対し上下方向
の移動となる)しても、突起81〜84も直線移動をす
るのみであり、上記の逆入力時のような流体室85内の
流体を押し退けようとする動作は発生しない。このた
め、溝部86〜89がラックバー14の直線移動の妨げ
となるようなことはなく、操舵操作時に操舵フィーリン
グが悪化するようなことはない。
移動(この移動は、図14において紙面に対し上下方向
の移動となる)しても、突起81〜84も直線移動をす
るのみであり、上記の逆入力時のような流体室85内の
流体を押し退けようとする動作は発生しない。このた
め、溝部86〜89がラックバー14の直線移動の妨げ
となるようなことはなく、操舵操作時に操舵フィーリン
グが悪化するようなことはない。
【0109】続いて、本発明の第6実施例について説明
する。図15乃至図17は、本発明の第6実施例である
ステアリング装置90を示している。図11はステアリ
ング装置90の要部分解斜視図であり、図16はステア
リング装置90の外観図であり、図17はステアリング
装置90の要部断面図である。尚、図15乃至図17に
おいて、前記した第2実施例に係るステアリング装置4
0と同一構成については同一符号を付してその説明を省
略する。
する。図15乃至図17は、本発明の第6実施例である
ステアリング装置90を示している。図11はステアリ
ング装置90の要部分解斜視図であり、図16はステア
リング装置90の外観図であり、図17はステアリング
装置90の要部断面図である。尚、図15乃至図17に
おいて、前記した第2実施例に係るステアリング装置4
0と同一構成については同一符号を付してその説明を省
略する。
【0110】本実施例に係るステアリング装置90は、
ラックバー14の軸回り方向の回転を阻止する回転阻止
手段として、弾性回転阻止部材91を設けたことを特徴
とするものである。弾性回転阻止部材91はコイルスプ
リングにより構成されており、その一端部91aは図1
5に示されるようにラックバーハウジング部41cに固
定された固定端とされており、また他端は弾性変位可能
な自由端91bとされている。また、自由端91bには
一対の係合ピン92が形成されている。この弾性回転阻
止部材91は、ラックバーハウジング部41cの両端部
に夫々配設されている。
ラックバー14の軸回り方向の回転を阻止する回転阻止
手段として、弾性回転阻止部材91を設けたことを特徴
とするものである。弾性回転阻止部材91はコイルスプ
リングにより構成されており、その一端部91aは図1
5に示されるようにラックバーハウジング部41cに固
定された固定端とされており、また他端は弾性変位可能
な自由端91bとされている。また、自由端91bには
一対の係合ピン92が形成されている。この弾性回転阻
止部材91は、ラックバーハウジング部41cの両端部
に夫々配設されている。
【0111】この弾性回転阻止部材91に形成された一
対の係合ピン92は、ラックバー14に向け突出してお
り、またラックバー14の外周には軸線方向に形成され
た一対の溝部93が形成されている。上記の係合ピン9
2は溝部93に係合するよう構成されており、従ってラ
ックバー14は弾性回転阻止部材91によりその回転が
規制された構成となる。しかるに、溝部93はラックバ
ー14の軸線方向に延出するよう形成されているため、
ラックバー14は弾性回転阻止部材91により回転は規
制されるが、軸線方向の移動(図中、矢印E1,E2方
向の移動)は規制されることなく自由に行うことができ
る。尚、図中94で示すのは、弾性回転阻止部材91を
保護するためのキャップである。
対の係合ピン92は、ラックバー14に向け突出してお
り、またラックバー14の外周には軸線方向に形成され
た一対の溝部93が形成されている。上記の係合ピン9
2は溝部93に係合するよう構成されており、従ってラ
ックバー14は弾性回転阻止部材91によりその回転が
規制された構成となる。しかるに、溝部93はラックバ
ー14の軸線方向に延出するよう形成されているため、
ラックバー14は弾性回転阻止部材91により回転は規
制されるが、軸線方向の移動(図中、矢印E1,E2方
向の移動)は規制されることなく自由に行うことができ
る。尚、図中94で示すのは、弾性回転阻止部材91を
保護するためのキャップである。
【0112】次に、上記構成とされたステアリング装置
90の動作について説明する。図17に示す状態は、ス
テアリング装置に路面からの逆入力が印加されていない
通常状態を示している。この通常状態においては、ラッ
クバー14は回転しておらず、弾性回転阻止部材91に
も弾性力は発生していない。また、この通常状態におい
て弾性回転阻止部材91に形成された係合ピン92はラ
ックバー14に形成された溝部93に遊嵌状態で係合し
ている。
90の動作について説明する。図17に示す状態は、ス
テアリング装置に路面からの逆入力が印加されていない
通常状態を示している。この通常状態においては、ラッ
クバー14は回転しておらず、弾性回転阻止部材91に
も弾性力は発生していない。また、この通常状態におい
て弾性回転阻止部材91に形成された係合ピン92はラ
ックバー14に形成された溝部93に遊嵌状態で係合し
ている。
【0113】従って、操舵操作に従いラックバー14が
E1,E2方向に直線移動しても、係合ピン92及び溝
部93がラックバー14の直線移動の妨げとなるような
ことはなく、操舵フィーリングが悪化するようなことは
ない。また、上記通常状態において、弾性回転阻止部材
91は回転方向に作用する弾性力の分力によりラックバ
ー14をピニオン12(図17に破線で示す)に押圧す
るよう構成されている。このため、本実施例に係るステ
アリング装置90では、ラックガイド及びラックガイド
スプリングを不要とすることができる。
E1,E2方向に直線移動しても、係合ピン92及び溝
部93がラックバー14の直線移動の妨げとなるような
ことはなく、操舵フィーリングが悪化するようなことは
ない。また、上記通常状態において、弾性回転阻止部材
91は回転方向に作用する弾性力の分力によりラックバ
ー14をピニオン12(図17に破線で示す)に押圧す
るよう構成されている。このため、本実施例に係るステ
アリング装置90では、ラックガイド及びラックガイド
スプリングを不要とすることができる。
【0114】一方、車両が不整路等を走行した等により
衝撃がタイヤから逆入力した状態では、ラックバー14
は軸回りに図17に矢印F1或いはF2で示す方向に回
転しようとする。このようにラックバー14が軸回りに
回転しようとすると、係合ピン92と溝部93とが係合
していることにより、ラックバー14の回転に伴いコイ
ルスプリングである弾性回転阻止部材91も矢印F1或
いはF2で示す方向に付勢される。この付勢力により弾
性回転阻止部材91の自由端91bが変位すると、これ
により弾性回転阻止部材91にはラックバー14の回転
を阻止する方向に弾性回転力が発生する。
衝撃がタイヤから逆入力した状態では、ラックバー14
は軸回りに図17に矢印F1或いはF2で示す方向に回
転しようとする。このようにラックバー14が軸回りに
回転しようとすると、係合ピン92と溝部93とが係合
していることにより、ラックバー14の回転に伴いコイ
ルスプリングである弾性回転阻止部材91も矢印F1或
いはF2で示す方向に付勢される。この付勢力により弾
性回転阻止部材91の自由端91bが変位すると、これ
により弾性回転阻止部材91にはラックバー14の回転
を阻止する方向に弾性回転力が発生する。
【0115】このように、弾性回転阻止部材91が発生
させる弾性回転力によりラックバー14の回転は抑制さ
れるため、ラックバー14の回転量を小さくすることが
でき、よって本実施例に係るステアリング装置90にお
いても歯打ち音の発生を低減することができる。
させる弾性回転力によりラックバー14の回転は抑制さ
れるため、ラックバー14の回転量を小さくすることが
でき、よって本実施例に係るステアリング装置90にお
いても歯打ち音の発生を低減することができる。
【0116】
【発明の効果】上述の如く本発明によれば、下記の種々
の効果を実現することができる。請求項1記載の発明に
よれば、車両が不整路等を走行した際に発生するタイヤ
からの逆入力によるラックバーの回転を回転阻止手段に
より阻止することができ、路面から逆入力があってもラ
ックギヤとピニオンギヤの噛み合いの外れは抑制され安
定した噛合状態を維持できると共に歯打ち音の発生を抑
制することができる。
の効果を実現することができる。請求項1記載の発明に
よれば、車両が不整路等を走行した際に発生するタイヤ
からの逆入力によるラックバーの回転を回転阻止手段に
より阻止することができ、路面から逆入力があってもラ
ックギヤとピニオンギヤの噛み合いの外れは抑制され安
定した噛合状態を維持できると共に歯打ち音の発生を抑
制することができる。
【0117】また、請求項2記載の発明によれば、ラッ
クバーとラック支持手段は常に密着した状態を維持する
ため、ラックバーが回転,移動した後に元の位置に戻る
時の運動エネルギーはラック支持手段により緩和され、
よって逆入力がなくなった後はラックバーはラック支持
手段によりゆっくりと元の位置に戻るため、ラックギヤ
とピニオンギヤとの噛み合わせもゆっくり行われ、歯打
ち音の発生を低減することができる。
クバーとラック支持手段は常に密着した状態を維持する
ため、ラックバーが回転,移動した後に元の位置に戻る
時の運動エネルギーはラック支持手段により緩和され、
よって逆入力がなくなった後はラックバーはラック支持
手段によりゆっくりと元の位置に戻るため、ラックギヤ
とピニオンギヤとの噛み合わせもゆっくり行われ、歯打
ち音の発生を低減することができる。
【0118】また、請求項3記載の発明によれば、ラッ
ク支持手段をラックバーを支持するブッシュにより構成
したことにより、簡易な構成で歯打ち音の発生を防止す
ることができる。また、請求項4記載の発明によれば、
逆入力時において、ラックバーの回転による分力でラッ
クバーに歯合するピニオンが軸方向に移動することを抑
制することができ、従ってピニオンの移動を抑えること
によってラックバーの回転を防止することができ、これ
により歯打ち音の発生を防止することができる。
ク支持手段をラックバーを支持するブッシュにより構成
したことにより、簡易な構成で歯打ち音の発生を防止す
ることができる。また、請求項4記載の発明によれば、
逆入力時において、ラックバーの回転による分力でラッ
クバーに歯合するピニオンが軸方向に移動することを抑
制することができ、従ってピニオンの移動を抑えること
によってラックバーの回転を防止することができ、これ
により歯打ち音の発生を防止することができる。
【0119】また、請求項5記載の発明によれば、逆入
力時及び逆入力停止時において連通手段内を流体が流れ
る際、流体は連通手段の流体抵抗によりその流れを抑制
されるため、逆入力時にはラックバーまたはピニオンが
移動することを防止することができ、また逆入力がなく
なった時にはラックバーの戻りを遅くすることができる
ため、歯打ち音の発生を防止することができる。
力時及び逆入力停止時において連通手段内を流体が流れ
る際、流体は連通手段の流体抵抗によりその流れを抑制
されるため、逆入力時にはラックバーまたはピニオンが
移動することを防止することができ、また逆入力がなく
なった時にはラックバーの戻りを遅くすることができる
ため、歯打ち音の発生を防止することができる。
【0120】また、請求項6記載の発明によれば、逆入
力時には摩擦抵抗によりラックバーの回転を抑制するこ
とができ、また逆入力がなくなった時には摩擦抵抗によ
りラックバーの戻りを遅くすることができるため、歯打
ち音の発生を防止することができる。
力時には摩擦抵抗によりラックバーの回転を抑制するこ
とができ、また逆入力がなくなった時には摩擦抵抗によ
りラックバーの戻りを遅くすることができるため、歯打
ち音の発生を防止することができる。
【0121】更に、請求項7記載の発明によれば、ラッ
クバーは弾性回転阻止手段によって弾性的に回転方向の
動きが規制されるため歯打ち音を低減することができ、
また弾性付勢力の分力によりラックバーはピニオンに向
け押圧されるため、ラックガイドを不要にすることがで
きる。
クバーは弾性回転阻止手段によって弾性的に回転方向の
動きが規制されるため歯打ち音を低減することができ、
また弾性付勢力の分力によりラックバーはピニオンに向
け押圧されるため、ラックガイドを不要にすることがで
きる。
【図1】本発明の第1実施例であるラックアンドピニオ
ン式ステアリング装置(ステアリング装置)を示す断面
図である。
ン式ステアリング装置(ステアリング装置)を示す断面
図である。
【図2】本発明の第1実施例であるステアリング装置を
示す断面図である。
示す断面図である。
【図3】ステアリング装置を適用した車両用操舵装置を
示す分解斜視図である。
示す分解斜視図である。
【図4】本発明の第2実施例であるステアリング装置の
断面図である。
断面図である。
【図5】本発明の第2実施例であるステアリング装置の
断面図である。
断面図である。
【図6】本発明の第2実施例であるステアリング装置の
外観図である。
外観図である。
【図7】本発明の第3実施例であるステアリング装置の
断面図である。
断面図である。
【図8】本発明の第3実施例であるステアリング装置の
断面図である。
断面図である。
【図9】本発明の第3実施例であるステアリング装置の
外観図である。
外観図である。
【図10】ラック移動阻止部材と抵抗付与部材とを連通
配管を介して連通した構成を示す図である。
配管を介して連通した構成を示す図である。
【図11】本発明の第4実施例であるステアリング装置
60を部分切截した断面図である。
60を部分切截した断面図である。
【図12】図11におけるX−X線に沿う断面図である
(通常状態)。
(通常状態)。
【図13】図11におけるX−X線に沿う断面図である
(逆入力状態)。
(逆入力状態)。
【図14】本発明の第5実施例であるステアリング装置
に組み込まれるラック支持部材を示す断面図である。
に組み込まれるラック支持部材を示す断面図である。
【図15】本発明の第6実施例であるステアリング装置
の要部分解斜視図である。
の要部分解斜視図である。
【図16】本発明の第6実施例であるステアリング装置
の外観図である。
の外観図である。
【図17】本発明の第6実施例であるステアリング装置
の要部断面図である。
の要部断面図である。
1 車両用操舵装置 2 ステアリングホイール 11 ステアリングシャフト 12 ピニオン 14 ラックバー 15,61,62,80 ラック支持部材 16,17 ボールベアリング 18 ピニオンギヤ 19 ラックギヤ 20,41 ギヤハウジング 23 第1の流体室 24 第2の流体室 25 第3の流体室 27 第1の連通路 28 第2の連通路 30,40,50,60,90 ステアリング装置 42 第1のピニオン移動阻止部材 42a,43a,52a,53,63〜66,85 流
体室 43 第2のピニオン移動阻止部材 44,52 第1の抵抗付与部材 45,53 第2の抵抗付与部材 46 上部配管 47 下部配管 48 ラックガイド 49 ラックガイドスプリング 51 ラック移動阻止部材 55 連通配管 67〜70 連通路 81〜84 突起 86〜89,93 溝部 91 弾性回転阻止部材 92 係合ピン
体室 43 第2のピニオン移動阻止部材 44,52 第1の抵抗付与部材 45,53 第2の抵抗付与部材 46 上部配管 47 下部配管 48 ラックガイド 49 ラックガイドスプリング 51 ラック移動阻止部材 55 連通配管 67〜70 連通路 81〜84 突起 86〜89,93 溝部 91 弾性回転阻止部材 92 係合ピン
Claims (7)
- 【請求項1】 車体の所定位置に配設されるギヤハウジ
ングと、 前記ハウジング内に配設されており、ピニオンギヤが形
成されると共にステアリングホイールの操作力が伝達さ
れる構成とされたピニオンと、 前記ピニオンギヤと噛合するラックギヤが形成されてお
り、前記ピニオンの回転が前記ピニオンギヤを介して前
記ラックギヤに伝達されることにより、前記ハウジング
に対して直線移動を行うラックバーとを具備してなるラ
ックアンドピニオン式ステアリング装置において、 前記ギヤハウジングに、前記ラックバーの軸回り方向の
回転を阻止する回転阻止手段を設けたことを特徴とする
ラックピニオン式ステアリング装置。 - 【請求項2】 請求項1記載のラックアンドピニオン式
ステアリング装置において、 前記回転阻止手段を、前記ラックバーと前記ギヤハウジ
ングとの間に形成された可撓性を有するラック支持手段
により構成し、 かつ、前記ラック支持手段に流体を封止した流体室を形
成したことを特徴とするラックアンドピニオン式ステア
リング装置。 - 【請求項3】 請求項2記載のラックアンドピニオン式
ステアリング装置において、 前記ラック支持手段を、前記ラックバーを支持するブッ
シュにより構成したことを特徴とするラックアンドピニ
オン式ステアリング装置。 - 【請求項4】 請求項1記載のラックアンドピニオン式
ステアリング装置において、 前記回転阻止手段を、前記ピニオンの軸方向の移動を阻
止する可撓性を有するピニオン移動阻止手段により構成
し、 かつ、前記ピニオン移動阻止手段に液体を封入した流体
室を形成したことを特徴とするラックアンドピニオン式
ステアリング装置。 - 【請求項5】 請求項2または4記載のラックアンドピ
ニオン式ステアリング装置において、 前記流体室を複数個形成すると共に、各流体室を連通さ
せる所定の流体抵抗を有する連通手段を設けたことを特
徴とするラックアンドピニオン式ステアリング装置。 - 【請求項6】 請求項2記載のラックアンドピニオン式
ステアリング装置において、 前記ラック支持手段または前記ラックバーの少なくとも
一方に、前記ラック支持手段または前記ラックバーのラ
ック軸回り方向の回転を阻止するよう摩擦抵抗を付与す
る抵抗付与手段を設けたことを特徴とするラックアンド
ピニオン式ステアリング装置。 - 【請求項7】 請求項1記載のラックアンドピニオン式
ステアリング装置において、 前記回転阻止手段を、前記ラックバーとハウジングとの
間に配置され、前記ラックバーの軸回り方向の回転を弾
性付勢力により阻止する弾性回転阻止手段により構成し
たことを特徴とするラックアンドピニオン式ステアリン
グ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2144695A JPH08207789A (ja) | 1995-02-09 | 1995-02-09 | ラックアンドピニオン式ステアリング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2144695A JPH08207789A (ja) | 1995-02-09 | 1995-02-09 | ラックアンドピニオン式ステアリング装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08207789A true JPH08207789A (ja) | 1996-08-13 |
Family
ID=12055195
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2144695A Pending JPH08207789A (ja) | 1995-02-09 | 1995-02-09 | ラックアンドピニオン式ステアリング装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08207789A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009298366A (ja) * | 2008-06-17 | 2009-12-24 | Kayaba Ind Co Ltd | 操舵装置 |
FR2939094A1 (fr) * | 2008-12-03 | 2010-06-04 | Jtekt Europe Sas | Dispositif de poussoir pour direction de vehicule automobile |
KR101405698B1 (ko) * | 2010-05-13 | 2014-06-10 | 주식회사 만도 | 자동차 조향장치의 랙바 지지장치 및 이를 구비한 자동차 조향장치 |
KR101427449B1 (ko) * | 2011-06-21 | 2014-08-08 | 주식회사 만도 | 랙바 지지 장치 |
-
1995
- 1995-02-09 JP JP2144695A patent/JPH08207789A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009298366A (ja) * | 2008-06-17 | 2009-12-24 | Kayaba Ind Co Ltd | 操舵装置 |
FR2939094A1 (fr) * | 2008-12-03 | 2010-06-04 | Jtekt Europe Sas | Dispositif de poussoir pour direction de vehicule automobile |
KR101405698B1 (ko) * | 2010-05-13 | 2014-06-10 | 주식회사 만도 | 자동차 조향장치의 랙바 지지장치 및 이를 구비한 자동차 조향장치 |
KR101427449B1 (ko) * | 2011-06-21 | 2014-08-08 | 주식회사 만도 | 랙바 지지 장치 |
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