JPH08207461A - 熱転写シート - Google Patents

熱転写シート

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JPH08207461A
JPH08207461A JP7041376A JP4137695A JPH08207461A JP H08207461 A JPH08207461 A JP H08207461A JP 7041376 A JP7041376 A JP 7041376A JP 4137695 A JP4137695 A JP 4137695A JP H08207461 A JPH08207461 A JP H08207461A
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JP
Japan
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layer
heat resistant
parts
resistant slipping
resin
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Pending
Application number
JP7041376A
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English (en)
Inventor
Haruo Takeuchi
春夫 竹内
Junichi Hiroi
順一 広井
Nobuyuki Harada
信行 原田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】製造ロットや塗膜の場所による粒子の含有率の
ばらつきがなく、またヘッド磨耗やヘッドカス、スティ
ッキングを防止できる耐熱滑性層を有する熱転写シート
を提供する。 【構成】基材2の一方の面に熱転写層3を設け、基材2
の熱転写層3と反対側の面に耐熱滑性層4を設けた熱転
写シート1において、耐熱滑性層4中に少なくとも粒子
と分散剤を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱転写シートに関し、
更に詳しくは基材上に耐熱滑性層を形成する為の耐熱滑
性層用塗液中における粒子の分散安定性を確保すること
により、滑り性や熱離型性などの性能の製造ロット間の
ばらつきがなく、また、サーマルヘッド磨耗、サーマル
ヘッドカス、スティッキング、印字シワなどが生じない
熱転写シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、サーマルプリンター、ファクシミ
リ等に用いられる熱転写シートとして基材フィルムの一
方の面に熱移行性の染料を含有する染料層を設けた昇華
型の熱転写シート、または加熱により溶融して転写する
ワックスと色材を含有する溶融インク層を用いた溶融型
の熱転写シートが使用されている。このような従来の熱
転写シートは、基材フィルムとして厚さ10〜20μm
程度のコンデンサ紙やパラフィン紙のような紙、あるい
は厚さ3〜10μm程度のポリエステルやセロハンのよ
うなプラスチックフィルムを用い、この基材フィルム上
に染料を結着剤樹脂中に分散もしくは溶解した染料層、
またはカーボンブラック等の黒色顔料を練り込んだワッ
クスを用いた溶融インク層を設け、また必要に応じて基
材フィルムの背面には滑り性を良くする等の意味で耐熱
滑性層を設けたものである。そして、基材フィルムの裏
側からサーマルヘッド等により画像情報に応じて所定箇
所を加熱・加圧し、染料層あるいは溶融インク層のう
ち、印字部に相当する箇所の染料、インクを被転写材に
転移させて印字が行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記熱転写シートによ
りサーマルヘッドで画像形成を行う場合、基材フィルム
がポリエステルフィルム等の熱可塑性樹脂フィルムであ
る場合にはサーマルヘッドが高温に加熱されている為、
サーマルヘッドが基材フィルムに融着してサーマルヘッ
ドの良好な走行性が阻害され、熱転写シートに破損、皺
等が発生するという問題がある。これらの問題点を解決
するため、これまで基材シートの裏面に耐熱滑性層を設
ける試みが提案されている。このような耐熱滑性層とし
て、従来から、バインダー樹脂に、滑剤として燐酸エス
テルなどの界面滑性剤やシリコーン樹脂またはシリコー
ンオイル、ワックスなどを添加したり(特開昭55−7
467、特開昭57−129789等)、更に滑性や離
型性を補助し、かつ巻取で加工する際に巻き崩れや巻き
シワ、またはブロッキングを防ぐためにタルクやシリ
カ、炭酸カルシウム、テフロンなどの粒子を添加する例
が知られている(特開昭58−171992等)。ま
た、バインダー樹脂に耐熱性をもたせるために、架橋剤
を添加して、熱や紫外線、電子線等で架橋させる方法も
ある(特開昭56−155794等)。
【0004】しかし、耐熱滑性層用塗液に粒子が含まれ
る場合、粒子の分散安定性が悪いと、塗液を長期間保管
した後に塗工する際、粒子が沈降することにより、塗膜
中の粒子の含有率が変化することがあった。塗液中の粒
子の沈降により塗膜中の粒子が少なすぎると、ブロッキ
ングや、スティッキング等の問題が生じる。また、多す
ぎると、印字感度の低下や印字面の白抜け、さらに、耐
熱滑性層に含まれる滑剤の塗膜表面へのブリードが粒子
により阻害されることから印字シワ等の問題が生じる。
このように耐熱滑性層中の粒子の含有率が場所やロット
によって異なると、熱転写シートとしての性能がばらつ
くことから、粒子の分散安定性を改善する必要があっ
た。また、プリンターを長期間使用し、印字累積枚数が
多くなると、粒子が耐熱滑性層塗膜中にうまく固定され
ていない場合には、ヘッドカスが蓄積したり、また、サ
ーマルヘッドの保護膜が磨耗し、濃度ムラ等の不具合が
生じることがあった。
【0005】
【課題を解決する為の手段】本発明者は上記の点につい
て鋭意検討した結果、粒子を含む耐熱滑性層形成用塗布
液に分散剤を添加したものを用いて熱転写シートを作成
することにより、前述した製造ロットや塗膜の場所によ
るばらつきがなく、またヘッド磨耗やヘッドカス、ステ
ィッキングを防止できることを見いだした。即ち、請求
項1の発明は、基材の一方の面に熱転写層を設け、基材
の熱転写層と反対側の面に耐熱滑性層を設けた熱転写シ
ートにおいて、該耐熱滑性層中に少なくとも粒子と分散
剤を含有していることを特徴する熱転写シートである。
また請求項2の発明は、前記分散剤が、シランカップリ
ング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウムキ
レート化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種で
あることを特徴とする、請求項1記載の熱転写シートで
ある。
【0006】
【作用】粒子を含む耐熱滑性層中に分散剤を添加したこ
とにより、耐熱滑性層用塗液中における粒子の分散安定
性を確保することができ、従って滑り性や熱離型性等の
性能の製造ロット間のばらつきがなく、かつ、サーマル
ヘッド磨耗、サーマルヘッドカス、スティッキング、印
字シワ等が生じない熱転写シートを得ることができる。
また、そのままでは硬すぎてサーマルヘッドを磨耗する
ような粒子でも、分散剤を使用することにより、粒子が
塗膜表面に剥き出しになるのではなく、粒子が分散剤に
覆われた状態で耐熱滑性層表面に凹凸を形成するため、
磨耗性を軽減できる。
【0007】
【好ましい実施態様】次に好ましい実施態様を挙げて本
発明を更に詳しく説明する。図1は本発明に係る一実施
例を示す熱転写シートの縦断面図である。本発明に係る
熱転写シート1は、少なくとも基材フィルム2と熱転写
層3及び基材フィルムの熱転写層3が設けられた面の反
対面に耐熱滑性層4を設けた構成からなる。耐熱滑性層
4は、サーマルヘッドとの熱融着を防止し、且つ滑り性
を良くするためのものである。
【0008】(基材)本発明に係る熱転写シート1に使
用する基材シートとしては、従来公知の熱転写シートに
使用されるものと同じ素材を使用することが出来る他、
その他のものも使用でき、特に制限されない。好ましい
素材の具体例としては、例えばポリエチレンテレフタレ
ート、ポリエチレンナフタレート、1,4−ポリシクロ
ヘキシレンジメチルテレフタレート等のポリエステルフ
ィルム、セロハン、酢酸セルロース等のセルロース誘導
体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポ
リフェニレンスルフィド、ポリカーボネート、ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン、ポリイミド、
ポリビニルアルコール、フッ素樹脂、塩化ゴム、アイオ
ノマー等の樹脂である。また、これら樹脂とコンデンサ
ー紙、パラフィン紙等の紙類、不織布等との複合体であ
ってもよい。また必要に応じて該フィルムの一方または
両方の面にそれぞれ接着層(プライマー層)を設けるこ
とも好ましい。基材フィルム2の厚さは、その機械的強
度及び熱伝導性等が適切になるように用途、素材に応じ
て適宜選択すれば良く、一般には例えば、1.5〜50
μm程度、好ましくは2〜10μmである。
【0009】(熱転写層)熱転写層3としては、従来公
知の方法による熱転写層であれば特に制限されるもので
はなく、例えば、昇華型の熱転写シートにおける熱転写
層は、結着剤樹脂中に熱移行性の染料を分散あるいは溶
解したものである。結着剤樹脂としては、染料と適度の
親和性があり、且つサーマルヘッドによる加熱により結
着剤樹脂中の染料が昇華(熱移行)して被熱転写材に転
写する移行性がよく、また加熱されても結着剤樹脂その
ものは転写しないものを使用する。このような結着剤樹
脂として使用される樹脂としては、例えばエチルセルロ
ース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシ
エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メ
チルセルロース、硝酸セルロース、酢酸セルロース、酢
酸・酪酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニル
アルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセトアセタ
ール、ポリビニルブチラール、ポリアクリルアミド、ポ
リビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリエステル、
ポリアミド等が挙げられる。熱転写層3中に含まれる染
料の割合は、染料の昇華(溶融)温度、染着性等によっ
て変るが、上記結着剤樹脂100重量部に対して30重
量部以上が好ましく更に好ましくは、30から300重
量部である。染料が30重量部未満であると印字濃度や
熱感度が低く、また300重量部を越えると保存性や熱
転写層3の基材フィルム2への密着性が低下する傾向と
なる。
【0010】熱転写層3に含有させる色材は、熱により
溶融、拡散もしくは昇華して、被熱転写体に移行する染
料であり、特に分散染料が好ましく用いられる。染料は
昇華(溶融)性、色相、耐光性、結着剤樹脂への溶解性
などを考慮して選択する。これらの染料としては、例え
ばジアリールメタン系、トリアリールメタン系、チアゾ
ール系、メロシアニン等のメチン系、インドアニリン、
アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミ
ダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾ
メチンに代表されるアゾメチン系、キサンテン系、オキ
サジン系、ジシアノスチレン、トリシアノスチレンに代
表されるシアノメチレン系、チアジン系、アジン系、ア
クリジン系、ベンゼンアゾ系、ピリドンアゾ、チオフェ
ンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラゾー
ルアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリ
アゾールアゾ、ジスアゾ等のアゾ系、スピロピラン系、
インドリノスピロピラン系、フルオラン系、ローダミン
ラクタム系、ナフトキノン系、アントラキノン系、キノ
フタロン系等のものが挙げられる。具体的には例えば以
下のような染料が用いられる。
【0011】C.I.(Color Index)ディスパースイエロー
51,3,54,79,60,23,7,141,201,231 C.I.ディスパースブルー24,56,14,301,334,165,19,72,8
7,287,154,26,354 C.I.ディスパースレッド135,146,59,1,73,60,167 C.I.ディスパースオレンヂ149 C.I.ディスパースバイオレット4,13,26,36,56、31 C.I.ソルベントイエロー56,14,16,29 C.I.ソルベントブルー70,35,63,36,50,49、111,105,97,1
1 C.I.ソルベントレッド135,81,18,25,19,23,24,143,146,
182 C.I.ソルベントバイオレット13, C.I.ソルベントブラッ
ク3 , C.I.ソルベントグリーン3 ,
【0012】例えば、シアン染料としてカヤセットブル
ー714(日本化薬製、ソルベントブルー63)、フォロ
ンブリリアントブルーS−R(サンド製、ディスパース
ブルー354 )、ワクソリンAP−FW(ICI製、ソル
ベントブルー36)、マゼンタ染料としてMS−REDG
(三井東圧製、ディスパースレッド60)、マクロレック
スレッドバイオレットR(バイエル製、ディスパースバ
イオレット26)、イエロー染料としてフォロンブリリア
ントイエローS−6GL(サンド製、ディスパースイエ
ロー231 )、マクロレックスイエロー6G(バイエル
製、ディスパースイエロー201 )、更に以下に示す骨格
のものが挙げられる。熱転写層3を基材フィルム2上に
設けるには、公知の方法によって行える。例えば、染料
及び結着剤樹脂を溶剤とともに溶解もしくは分散して熱
転写層用インキ組成物を調製し、これを公知の印刷方法
または塗工方法から適宜選択した方法により基材フィル
ム2上に設ければ良い。また、必要に応じて熱転写層用
インキ組成物中に任意の添加剤を加えてもよい。例え
ば、塗工適性の調製及び、巻取り時のブロッキング防
止、受像シートとの融着防止等のために、ポリエチレン
ワックス等の有機微粒子、無機微粒子等を染料層中に含
有させてもよい。染料層の厚みは、0.2〜5.0μ
m、好ましくは0.4〜2.0μm程度の厚さが適当で
ある。
【0013】(耐熱滑性層)本発明において、基材の染
料層が設けられていない方の面に形成される耐熱滑性層
は、粒子と分散剤を含有する他は従来公知の熱転写シー
ト耐熱滑性層と同じ素材やその他のものも使用でき、特
に制限されない。耐熱滑性層に使用する結着剤樹脂とし
ては、公知の樹脂が使用できるが、例えばポリエステル
系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニ
ル樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリウレタン樹
脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ
エチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアクリレート
樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルクロリド樹
脂、ポリビニルブチラール樹脂及びポリビニルアセトア
セタール樹脂等のポリビニルアセタール系樹脂、エチル
セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒド
ロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、メチルセルロース、硝酸セルロース、酢酸セルロー
ス、酢酸・酪酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリ
ビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等のビニル系
樹脂、ポリアミド等の熱可塑性樹脂が挙げられる。
【0014】また、耐熱滑性層の塗膜強度または耐熱性
を挙げるためには、活性水素基を有する熱可塑性樹脂と
イソシアネートの反応硬化物を用いるのが望ましい。そ
の際に用いる樹脂として特に好ましい樹脂は水酸基を含
有している熱可塑性樹脂であり、そのうち特にポリビニ
ルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂等
のポリビニルアセタール系樹脂が好ましい。イソシアネ
ート硬化剤としては、従来公知のものを使用することが
できる。例えば、芳香族系イソシアネート、脂肪族系イ
ソシアネート、脂環族系イソシアネート、などのイソシ
アネートを、トリメチロールプロパンのアダクト体とし
たり、イソシアヌレート環状にしたりすることによりプ
レポリマー化したものなどを使用することができる。ポ
リイソシアネートの使用量は、耐熱滑性層を構成する前
述のバインダー樹脂100重量部に対し、5〜200重
量部の範囲が適当である。−NCO/−OHのモル比で
は0.8〜2.0の範囲が好ましい。ポリイソシアネー
トの使用量が少なすぎると架橋密度が低く、耐熱性が不
十分となるため、印字シワが生じ、充分な効果が得られ
ない。一方、ポリイソシアネートの使用量が多すぎる
と、形成される塗膜の収縮が制御が難しくなる、硬化す
る時間が長くなる、未反応のイソシアネート基が耐熱滑
性層中に残存し、空気中の水分と反応して活性水素を有
する熱可塑性樹脂との架橋点が少なくなる等の問題があ
る。
【0015】ところで、上記耐熱滑性層には滑り性を向
上させる為に滑剤を添加することが出来る。ここで用い
る滑剤としては、各種界面活性剤、シリコーンオイル、
シリコーン変性樹脂、シリコーン樹脂、フッ素変性樹
脂、フッ素樹脂、ワックス、金属石鹸、高級脂肪酸アミ
ドなどが挙げられる。この中で特に燐酸エステル系界面
活性剤を添加することが好ましい。使用する燐酸エステ
ル系界面活性剤としては、 1) 長鎖アルキル燐酸エステル、例えば、炭素数が通常
6〜20、好ましくは炭素数12〜18の飽和又は不飽
和高級アルコール、例えば、セチルアルコール、ステア
リルアルコール、オレイルアルコール等と燐酸とのモノ
及び/又はジエステル等、 2) ポリオキシアルキレンアルキルエーテル又はポリオ
キシアルキレンアルキルアリールエーテル等の燐酸エス
テル、 3) 前記飽和又は不飽和アルコールのアルキレンオキサ
イド付加物(通常付加モル数1〜8)又は炭素数8〜1
2のアルキル基を少なくとも1個、好ましくは1〜2個
有するアルキルフェノールまたはアルキルナフトール
(ノニルフェノール、ドデシルフェノール、ジフェニル
フェノール等)の燐酸モノまたはジエステル塩等の非イ
オン性又は陰イオン性燐酸エステル系界面活性剤が挙げ
られる。
【0016】また、上記燐酸エステル系界面活性剤だけ
を使用しても良いのであるが、燐酸エステル系界面活性
剤は1〜2当量の酸根を有する為、この酸根によりサー
マルヘッドを腐食するという問題がある。また、サーマ
ルヘッドからの熱量が大きくなると燐酸エステルが分解
し、更に耐熱滑性層のpHが低下してサーマルヘッドの
腐食摩耗が激しくなるという問題もある。上記欠点はア
ルカリ性物質を燐酸エステル系界面活性剤と併用して用
いることにより、防止することができる。即ちサーマル
ヘッドからの熱によって燐酸エステル系界面活性剤が分
解して酸根を生じたとしても、併存するアルカリ性物質
によって中和されるので、酸基の発生によるサーマルヘ
ッドの腐食を防止することができる。
【0017】上記アルカリ性物質としては、アルカリ金
属またはアルカリ土類金属の酸化物及び/又は有機アミ
ンが挙げられる。アルカリ金属又はアルカリ土類金属の
酸化物又は水酸化物として好ましいものとしては、例え
ば、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、ハイドロ
タルサイト、水酸化アルミニウム、珪酸アルミニウム、
珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミ
ナ、マグネシウムアルミニウムグリシネート等が挙げら
れ、特に好ましいものは水酸化マグネシウムである。有
機アミンとして好ましいものは、例えば、モノ、ジ又は
トリメチルアミン、モノ、ジ、又はトリエチルアミン、
モノ、ジ又はトリプロピルアミン、モノ、ジ又はトリブ
チルアミン、モノ、ジ又はトリペンチルアミン、トリヘ
キシルアミン、トリオクチルアミン、モノデシルアミ
ン、モノ又はジドデシルアミン、モノトリデシルアミ
ン、モノテトラデシルアミン、モノペンタデシルアミ
ン、モノヘキサデシルアミン、モノヘプタデシルアミ
ン、モノオクタデシルアミン、モノエイコシルアミン、
モノドコシルアミン、モノ、ジ又はトリエタノールアミ
ン、モノ又はジプロパノールアミン、モノイソプロパノ
ールアミン、N−メチル−ノニルアミン、N−メチル−
デシルアミン、N−エチル−パルミチルアミン等が挙げ
られ、特に好ましいアミンは常温で不揮発性であり、沸
点が200℃以上のものである。
【0018】これらのアミンは耐熱滑性層中において安
定に存在し、耐熱滑性層にサーマルヘッドから熱が印加
された場合、流動性となり又表面にブリードアウトし
て、燐酸エステル系界面活性剤またはその分解物に生じ
た酸根を容易に中和してサーマルヘッドの腐食を防ぐと
同時に、燐酸エステル系界面活性剤と共にすぐれた滑性
を発現する。以上の如きアルカリ性物質は、燐酸エステ
ル系界面活性剤1モルに対してアルカリ性物質を0.1
〜10モルの範囲で使用することが望ましい。アルカリ
性物質が少なすぎると中和が不十分の為、十分な効果が
得られず、一方多すぎても特段の効果の向上は見られな
い。
【0019】ところで、本発明では耐熱滑性層が粒子と
分散剤を含有していることを特徴とする。基材上に耐熱
滑性層を形成する為の耐熱滑性層用塗液中における粒子
の分散安定性を確保することにより、滑り性や熱離型性
などの性能の製造ロット間のばらつきがなく、また、サ
ーマルヘッド磨耗、サーマルヘッドカス、スティッキン
グ、印字シワ等が生じない熱転写シートを形成すること
が可能となる。
【0020】耐熱滑性層に含まれる粒子としては、従来
から公知の無機粒子または有機粒子を1種類もしくは2
種類以上混合して使用できる。無機粒子としては、例え
ば、タルク、カオリン、マイカなどの粘土鉱物、炭酸カ
ルシウム、炭酸マグネシウムなどの炭酸塩、水酸化アル
ミニウム、水酸化マグネシウムなどの水酸化物、硫酸カ
ルシウムなどの硫酸塩、シリカなどの酸化物、グラファ
イト、硝石、窒化ホウ素等が挙げられる。又、有機粒子
としては、アクリル樹脂、テフロン樹脂、シリコーン樹
脂、ラウロイル樹脂、フェノール樹脂、アセタール樹脂
等からなる有機樹脂、又は、これらを架橋剤と反応させ
て架橋させた架橋樹脂が挙げられる。上記の如き粒子の
うち、りん片状および/または球状のものが望ましく、
粒径は5μm以下、好ましくは0.5〜2μmが良い。
【0021】またサーマルヘッドへの磨耗性を考慮する
と柔らかい粒子を選択することが望ましいが、逆にステ
ィッキングを発生するという問題がある。しかし本発明
の場合、そのままでは硬すぎてサーマルヘッドを磨耗す
るような粒子を使用した場合でも、分散剤を併用するこ
とにより、粒子が分散剤に覆われた状態で層表面に凹凸
を形成するので、磨耗性をある程度軽減することができ
る。添加量は前記バインダー樹脂100重量部に対し、
粒子5〜40重量部の割合で使用することが望ましく、
添加量が少なすぎると滑り性が不十分であり、一方多す
ぎると形成される耐熱滑性層の可撓性や被膜強度が低下
する。
【0022】本発明において用いる分散剤は、耐熱滑性
層塗液中の粒子が、塗工中に沈降したり、塗液の保存に
より沈降/凝集して再分散できないなどの問題を解決す
るために含有させるものである。上記分散剤として例え
ば、シランカップリング剤; チタネート系カップリング
剤; アルミキレート化合物; ジルコアルミネート,クロ
メート,ボレート, スタネート等のカップリング剤; ラ
ウリル酸, ステアリル酸, オレイン酸, ヤシ油,魚油な
どの有機酸油脂類; ポリスチレンスルホン酸ソーダ, ポ
リアクリル酸ソーダ, ポリアクリルアミド等の高分子界
面活性剤; ポリエチレン; ポリプロピレン; オリゴエス
テルアクリレート; ジイソシアネート; β−ジケトンカ
プラー; リン酸エステル; 界面活性剤; カルボン酸; ア
ミン; ポリエチレンイミン; カルボキシメチルセルロー
ス等を使用することができ、これらは1種、あるいは2
種以上を併用して使用することができる。これらの中で
もシランカップリング剤、チタネート系カップリング
剤、アルミニウムキレート化合物が特に好ましい。
【0023】上記の如き界面活性剤としては、カチオン
系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面
活性剤などを用いることができる。シランカップリング
剤は、一般式 YRSiX3 または YR(R- )SiX2 で表されるものである。ただし、Xは、珪素原子に結合
している加水分解基であり、クロル基、アルコキシ基、
アセトキシ基などがあげられる。また、Yは、有機マト
リックスと反応する有機官能基であり、ビニル基、メタ
クリル基、エポキシ基、メルカプト基、アミノ基などが
あげられる。Rは、H、炭素数1〜4の炭化水素などが
あげられる。
【0024】チタン系化合物としては、イソプロピルト
リイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス−
イソ−ドデシルベンゼン−スルフォニルチタネート、イ
ソプロピルトリス−ノルマル−ドデシルベンゼン−スル
フォニルチタネート、イソプロピル−トリス(ジオクチ
ルピロフォスファイト)チタネート、テトライソプロピ
ル−ビス(ジオクチルフォスファイト)チタネート、テ
トラオクチル−ビス(ジオクチルフォスファイト)チタ
ネート、テトラ(2,2−ジアリロキシメチル−1−ブ
チル)−ビス(ジトリデシルフォスファイト)チタネー
ト、ビス(ジオクチルピロフォスフェート)−オキシア
セテートチタネート、ビス(ジオクチルピロフォスフェ
ート)−エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタ
ノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステ
アロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジ
アクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルフ
ォスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフ
ェニルチタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチ
ル・アミノエチル)チタネート、ジクミルフェニルオキ
シアセテートチタネート、ジイソステアロイルエチレン
チタネートなどがあげられる。
【0025】アルミニウム化合物としては、アルミニウ
ムイソプロピレート、モノsec −ブトキシアルミニウム
ジイソプロピレート、アルミニウムsec −ブチレート、
アルミニウムエチレート、エチルアセトアセテートアル
ミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エ
チルアセトアセテート)、アルキルアセトアセテートア
ルミニウムジイソプロピレート、アルミニウム(イソプ
ロポキサイド)アルキルフォスフェート)(アルキルア
セテート)、アルミニウムモノアセチルアセトネートビ
ス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス
(アセチルアセトネート)、環状アルミニウムオキサイ
ドイソプロピレートなどが挙げられる。
【0026】また、ポリエチレンやポリプロピレンは低
分子量のものが望ましく、具体的には数平均分子量が5
00〜12000のものが好ましい。また酸化ポリエチ
レンも使用できる。
【0027】これら分散剤の使用量は、粒子に対して
0.1〜20重量パーセント、好ましくは0.5〜3重
量パーセントである。また、使用方法としては、耐熱滑
性層用塗液の中に直接加えるか、一旦、粒子、分散剤、
溶媒、樹脂などを必要に応じて組み合わせて分散を行っ
た後、耐熱滑性層用塗液の中に加えるなどの方法を採用
することができる。分散方法は、従来公知の分散機の中
から、必要に応じて選択し、使用することができる。例
えば、始めに予備分散としてハイスピードディスパーサ
ー、ゲートミキサー、ニーダー等を使用し、粒子、分散
剤、溶媒、樹脂などを均一混合してミルベースを作成す
る。次に本分散として、ビーズミル、三本ロール、ニー
ダー等を使用して粒子を分散する。最後にミキサー、ハ
イスピードディスパーサー等を使用して耐熱滑性層に必
要な材料と攪拌混合、および粘度調整を行う、などの方
法を採用することが出来る。
【0028】耐熱滑性層を基材シート上に設けるには、
上記の成分をアセトン、メチルエチルケトン、トルエ
ン、キシレン、酢酸エチル等の適当な溶媒に溶解して耐
熱滑性層形成用インキとして、これをグラビアコータ
ー、ロールコーター、ワイヤーバー等の慣用の適切な印
刷方法、塗布方法により基材シート上に形成する。次い
で30℃〜80℃の温度に加熱することによって乾燥す
るとともに活性水素基を有する樹脂とイソシアネート類
を反応させて耐熱滑性層を形成すればよい。耐熱滑性層
の厚さは0.5〜5μm、好ましくは1〜2μmである
ことが好ましい。この膜厚が0.5μmよりも薄い場合
は、耐熱滑性層としての効果が十分ではなく、また5μ
mよりも厚いと染料層へのサーマルヘッドからの熱伝達
が悪くなり印字濃度が低くなるという欠点を生じる。基
材シート上に耐熱滑性層を設ける場合は、バインダー樹
脂とイソシアネートとの反応を促進するために加熱する
ことが好ましいが、染料層に熱の影響を及ぼさないよう
にするためには耐熱滑性層を基材シート上に設けた後
で、染料層を設けることが好ましい。
【0029】本発明の転写シートは基本的には上記の如
き構成を有するが、更に染料層と基材シートとの間、あ
るいは耐熱滑性層と基材シートの間にそれぞれの層の接
着力を向上させるためにプライマー層を設けてもよい。
プライマー層としては公知のものが使用できるが、基材
シートとしてポリエステルを用いた時には、例えばアク
リル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオールとジイソ
シアネート等のプライマー層を設けることにより接着性
を向上させることができる。
【0030】更に、必要に応じて基材、耐熱滑性層、熱
転写層の少なくとも1層に帯電防止剤を添加することも
出来る。ここで用いる帯電防止剤は、基材フィルム、染
料層または耐熱滑性層に使用する樹脂との相溶性、移行
性、熱安定性、加工性、その他フィルム強度等の基本物
性等により適宜選択するが、中でも界面活性剤が安価で
加工性が優れている等の点で良い。帯電防止剤として使
用する界面活性剤には例えばカチオン系帯電防止剤とし
ては、第一アミン塩、第3アミン、第4級アンモニウム
化合物、ピリジン誘導体等があり、またアニオン系帯電
防止剤としてはリシノレイン酸硫酸エステルソーダ塩等
の硫酸化油、脂肪酸塩等の石鹸、リシルイン酸エステル
硫酸エステルソーダ塩等の硫酸化エステル油、硫酸化オ
レイン酸エチルアニリン等の硫酸化アミド油、オレフィ
ンの硫酸エステル塩類、オレイルアルコール硫酸エステ
ルソーダ塩等の脂肪アルコール硫酸エステル塩、アルキ
ル硫酸エステル塩、脂肪酸エチルスルホン酸塩、アルキ
ルスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸とフォルマリン
の縮合物、コハク酸エステルスルホン酸塩、燐酸エステ
ル塩、ノニオン系帯電防止剤としては、ソルビタンモノ
脂肪酸エステル、脂肪酸ペンタエリスリット等の多価ア
ルコールの部分的脂肪酸エステル、脂肪アルコール、脂
肪酸、脂肪アミノ、脂肪酸アミド、アルキルフェノー
ル、アルキルナフトール、多価アルコールの部分的脂肪
酸エステル等のエチレンオキサイド付加物、ポリエチレ
ングリコール、両性帯電防止剤としては、カルボン酸誘
導体、イミダゾリン誘導体、等が挙げられる。
【0031】また、耐熱滑性層4を反応性のないシリコ
ン樹脂等を主体に形成する場合には帯電防止剤には耐熱
滑性層4との反応による影響を考慮せずに選定すればよ
い。しかし、特に、耐熱滑性層にイソシアネートとイソ
シアネート反応性樹脂とからなる結着剤樹脂を主体に用
いた場合には、活性水素基を含有する帯電防止剤を選定
すると、耐熱滑性層形成におけるイソシアネートの反応
に影響を及ぼすことから、好ましくない。この点におい
ては、アニオン系界面活性剤が好ましい。特にナトリウ
ムアルカンスルホネートは、融点が高いため、これを帯
電防止剤として使用した場合には、表面のべとつきがな
く、基材フィルムの樹脂に練り込んで製膜した後の基材
フィルムの軟化温度を低下することがないことから、特
に好ましい。
【0032】(その他)なお、熱転写シート1は、所要
の寸法に断裁した枚葉シートであっても良く、また連続
状あるいは巻取状であっても良く、さらに幅の狭いテー
プ状であってもよい。以上の如き熱転写シートを用い
て、画像を形成する為に使用する被転写材は、例えば昇
華型の場合には、その記録面が前記染料に対して染料受
容性を有するものであればいかなるものでもよく、又、
染料受容性を有しない紙、金属、ガラス合成樹脂である
場合にはその少なくとも一方の面に染料受容層を形成し
ておけばよい。
【0033】染料受容層を形成しなくてもよい被転写材
としては、従来この方法に用いられてきたものはいずれ
も使用出来、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等
のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニ
リデン等のハロゲン化ポリマー、ポリ酢酸ビニル、ポリ
アクリル酸エステル等のビニルポリマー、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリ
エステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹
脂、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニル
モノマーとの共重合体樹脂、アイオノマー、酢酸セルロ
ース等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート、ポリス
ルホン、ポリイミドなどからなる繊維、織布、フィル
ム、シート、成形物等が挙げられる。特に好ましいもの
はポリエステルからなるシートまたはフィルムあるいは
ポリエステル層を設けた加工紙である。また、紙、金
属、ガラス、その他の非染着性の被転写材であっても、
その記録面に上記の如き染着性の樹脂の溶液または分散
液を塗布及び乾燥させるか、或いはそれらの樹脂フィル
ムをラミネートすることにより、被転写材とすることが
出来る。さらに、上記の染着性のある被転写材であって
も、その表面に更に染着性のよい樹脂から、上記の紙と
同様にして染料受容層を形成してもよい。
【0034】このようにして形成する染料受容層は、単
独の材料からでも、また、複数の材料から形成してもよ
く、更に初期の目的を妨げない範囲で各種の添加剤を含
有してもよい。上記の様な染料受容層は任意の厚さでよ
いが、一般的には3〜50μmの厚さである。また、こ
のような染料受容層は連続被覆であるのが好ましいが、
樹脂エマルションや樹脂分散液を使用して、不連続の被
覆として形成してもよい。又、被転写材は基本的には上
記の如くで、そのままでも十分に使用することが出来る
が、上記被転写材又はその染料受容層中に、粘着防止用
の無機粉末を含有させることが出来、この様にすれば熱
転写時の温度をより高めても熱転写シートと被転写材と
の粘着を防止して、更に優れた熱転写を行うことが出来
る。特に好ましいのは、微粉末のシリカである。又、上
記のシリカの如き無機粉末に代えて、又は併用して、離
型性の良好な樹脂を添加してもよい。特に好ましい離型
性ポリマーは、シリコーン化合物の硬化物、例えば、エ
ポキシ変性シリコーンオイルとアミノ変性シリコーンオ
イルからなる硬化物が挙げられる。この様な離型性ポリ
マーは、染料受容層の重量の約05〜30重量%を占め
る割合がよい。又、使用する被転写材の染料受容層の表
面に、上記の如き無機粉末を付着させて粘着防止効果を
高めてもよいし、又、前述の如き離型性に優れた離型性
ポリマー等の離型剤からなる離型層を設けてもよい。こ
の様な離型層は約0.01〜5μmの厚さで十分な効果
を発揮して、熱転写シートの染料受容層との粘着を防止
しつつ、一層染料受容性を向上させることが出来る。
【0035】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明に係る
熱転写シートを更に具体的に説明する。なお、文中に
て、部または%とあるのは特に断りのない限り重量基準
である。 〔参考例1〕粒子の予備分散(1) ハイスピードディスパーサーに、下記の材料を入れ、均
一になるように攪拌混合した。 タルク(竹原化学製、ハイトロンA) 2Kg チタネート系カップリング剤 20g (味の素製、ブレンアクトKR138S) ポリビニルブチラール (積水化学製、エスレックBX−1) 0.5Kg トルエン 4Kg メチルエチルケトン 4Kg 次に、この攪拌混合した液をサンドミルへ移し、回転数
1500rpmで1時間、本分散を行い、タルクの分散
液を得た。
【0036】〔参考例2〕粒子の予備分散(2) ハイスピードディスパーサーに、下記の材料を入れ、均
一になるように攪拌混合した。 シリカ(龍森製、SO−C3) 2Kg 脂肪族系多価カルボン酸 60g (楠本化成製、ディスパロン#1210) ポリビニルブチラール (積水化学製、エスレックBX−1) 0.5Kg トルエン 4Kg メチルエチルケトン 4Kg 次に、この攪拌混合した液をサンドミルへ移し、回転数
1500rpmで1時間、本分散を行い、シリカの分散
液を得た。
【0037】〔参考例3〕粒子の予備分散(3) ヘンシェルミキサーに、下記の材料を入れ均一になるよ
うに攪拌混合した。 炭酸カルシウム(白石工業製、ブリリアント1500)2Kg アルミニウムモノアセチルアセトネート 25g ビス(エチルアセトアセテート) (川研ファインケミカル製、アルミキレートD) ニトロセルロース (旭化成製、セルノバBTH1/2) 1.7Kg トルエン 4.5Kg メチルエチルケトン 4.5Kg 次に、この攪拌混合した液をサンドミルへ移し、回転数
1500rpmで1時間、本分散を行い、炭酸カルシウ
ムの分散液を得た。
【0038】〔参考例4〕粒子の予備分散(4) ヘンシェルミキサーに、下記の材料を入れ均一になるよ
うに攪拌混合した。 アルミナ(住友化学製、AKP−20) 2Kg 酸化ポリエチレン 30g (楠本化成製、ディスパロン#4200−10) ポリビニルブチラール 0.5Kg (積水化学製、エスレックBX−1) トルエン 4Kg メチルエチルケトン 4Kg 次に、この攪拌混合した液をサンドミルへ移し、回転数
1500rpmで1時間、本分散を行い、アルミナの分
散液を得た。
【0039】〔参考例5〕粒子の予備分散(5) ハイスピードディスパーサーに、下記の材料を入れ、均
一になるように攪拌混合した。 タルク(日本タルク製、ミクロエースP−3) 2Kg アルミニウムモノアセチルアセトネート 25g ビス(エチルアセトアセテート) (川研ファインケミカル製、アルミキレートD) ポリビニルブチラール 0.5Kg (積水化学製、エスレックBX−1) トルエン 4Kg メチルエチルケトン 4Kg 次に、この攪拌混合した液をサンドミルへ移し、回転数
1500rpmで1時間、本分散を行い、タルクの分散
液を得た。
【0040】(実施例1)基材フィルムとしてポリエチ
レンテレフタレート(ダイアホイルヘキスト(株)製、
K203E4.5W 、厚さ4.5 μm)を用い、その片面に下記組
成の耐熱滑性層用塗液をミヤバー#5を用いて乾燥時1
μmの厚さになるように塗布、乾燥し、更に60℃にて
2日間オーブン中で加熱熟成して硬化処理を行って耐熱
滑性層を形成した。耐熱滑性層用塗液 ポリビニルブチラール 3.6部 (積水化学工業(株)製 エスレックBX−1) ポリイソシアネート 8.4部 (大日本インキ化学工業(株)製 バーノックD750) 燐酸エステル系界面活性剤 2.8部 (第一工業製薬(株)製 プライサーフA208S) 〔参考例1〕で作成したタルクの分散液 2.4部 水酸化マグネシウム 0.3部 (協和化学工業(株)製 キスマ5A) トルエン 85部 メチルエチルケトン 85部 次に、基材フィルムの、耐熱滑性層を形成した面と反対
の面に下記の染料層形成用インキを乾燥時厚みが1μm
になるようにミヤバー#10にて塗布、乾燥して本発明
の熱転写シートを得た。染料層用塗液 C.Iソルベントブルー22 5.5部 ポリビニルアセトアセタール樹脂 3.0部 (積水化学工業(株)製、エスレックKS−5) ポリエチレンワックス 0.1部 (BASF製、AF31) トルエン 68.18部 メチルエチルケトン 22.54部
【0041】(実施例2)耐熱滑性層用塗液として下記
組成のものを使用したほかは実施例1と同様にして熱転
写シートを得た。耐熱滑性層用塗液 ポリビニルブチラール樹脂 2.0部 (積水化学工業(株)製、エスレックBX−1) アクリルポリオール 8.0部 (総研化学(株)製、サーモラックSU−100A) ポリイソシアネート 5.0部 (大日本インキ化学工業(株)製 バーノックD750) シリコーンオイル 0.7部 (ダウコーニング(株)製 ペインタッド31) 〔参考例2〕で作成したシリカの分散液 0.4部 トルエン 12部 メチルエチルケトン 12部
【0042】(実施例3)耐熱滑性層用塗液として下記
組成のものを使用したほかは実施例1と同様にして熱転
写シートを得た。耐熱滑性層用塗液 ニトロセルロース樹脂 23部 (旭化成工業(株)製、セルノバBTH1/2) ポリイソシアネート 3.4部 (旭化成工業(株)製、デュラネート22A−75CX) ソルビタン系界面活性剤 2.3部 (日本油脂(株)製 ノニオンOP−85R) 〔参考例3〕で作成した炭酸カルシウムの分散液 2.4部 トルエン 85部 メチルエチルケトン 85部
【0043】(実施例4)耐熱滑性層用塗液として下記
組成のものを使用したほかは実施例1と同様にして熱転
写シートを得た。耐熱滑性層用塗液 ポリビニルブチラール 3.6部 (積水化学工業(株)製 エスレックBX−1) ポリイソシアネート 8.4部 (大日本インキ化学工業(株)製 バーノックD750) 燐酸エステル系界面活性剤 2.8部 (第一工業製薬(株)製 プライサーフA208S) 〔参考例4〕で作成したアルミナの分散液 2.4部 水酸化マグネシウム 0.3部 (協和化学工業(株)製 キスマ5A) トルエン 85部 メチルエチルケトン 85部
【0044】(実施例5)耐熱滑性層用塗液として下記
組成のものを使用したほかは実施例1と同様にして熱転
写シートを得た。耐熱滑性層用塗液 ポリビニルブチラール 3.6部 (積水化学工業(株)製 エスレックBX−1) ポリイソシアネート 8.4部 (大日本インキ化学工業(株)製 バーノックD750) 燐酸エステル系界面活性剤 2.8部 (第一工業製薬(株)製 プライサーフA208S) 〔参考例5〕で作成したタルクの分散液 2.4部 水酸化マグネシウム 0.3部 (協和化学工業(株)製 キスマ5A) トルエン 85部 メチルエチルケトン 85部
【0045】(比較例1)耐熱滑性層用塗液として下記
組成のものを使用したほかは実施例1と同様にして熱転
写シートを得た。耐熱滑性層用塗液 ポリビニルブチラール 3.6部 (積水化学工業(株)製 エスレックBX−1) ポリイソシアネート 8.4部 (大日本インキ化学工業(株)製 バーノックD750) 燐酸エステル系界面活性剤 2.8部 (第一工業製薬(株)製 プライサーフA208S) タルク(竹原化学製 ハイトロンA) 0.6部 水酸化マグネシウム 0.3部 (協和化学工業(株)製 キスマ5A) トルエン 85部 メチルエチルケトン 85部
【0046】(比較例2)耐熱滑性層用塗液として下記
組成のものを使用したほかは実施例1と同様にして熱転
写シートを得た。耐熱滑性層用塗液 ポリビニルブチラール樹脂 2.0部 (積水化学工業(株)製、エスレックBX−1) アクリルポリオール 8.0部 (総研化学(株)製、サーモラックSU−100A) ポリイソシアネート 5.0部 (大日本インキ化学工業(株)製 バーノックD750) シリコーンオイル 0.7部 (ダウコーニング(株)製 ペインタッド31) シリカ(龍森製、SO−C3) 0.1部 トルエン 12部 メチルエチルケトン 12部
【0047】(比較例3)耐熱滑性層用塗液として下記
組成のものを使用したほかは実施例1と同様にして熱転
写シートを得た。耐熱滑性層用塗液 酢酸セルロース樹脂 12部 ポリイソシアネート 8.4部 (大日本インキ化学工業(株)製 バーノックD750) ソルビタン系界面活性剤 3.0部 (日本油脂(株)製 ノニオンOP−85R) 炭酸カルシウム(白石工業製、ブリリアント1500) 0.6部 トルエン 85部 メチルエチルケトン 85部
【0048】(比較例4)耐熱滑性層用塗液として下記
組成のものを使用したほかは実施例1と同様にして熱転
写シートを得た。耐熱滑性層用塗液 ポリビニルブチラール 3.6部 (積水化学工業(株)製 エスレックBX−1) ポリイソシアネート 8.4部 (大日本インキ化学工業(株)製 バーノックD750) 燐酸エステル系界面活性剤 2.8部 (第一工業製薬(株)製 プライサーフA208S) アルミナ(住友化学製、AKP−20)) 0.6部 水酸化マグネシウム 0.3部 (協和化学工業(株)製 キスマ5A) トルエン 85部 メチルエチルケトン 85部
【0049】上記実施例及び比較例の熱転写シートにつ
いて、分散安定性と、プリンターでの走行性能としてヘ
ッドカス、ヘッド摩耗を評価した結果を表1に示す。な
お、評価方法は以下のように行った。 (1)分散安定性 耐熱滑性層塗工液を石油缶に充填/密封したのち、25
℃50%RHの室内で3ヶ月間静置したのち、石油缶の
蓋を空け、粒子が沈降しているかどうかを目視で判定し
た。 (2)ヘッドカス 上記の熱転写シートの染料層側と下記の様に形成した被
転写材を重ね合わせ、市販のビデオプリンター(日立製
作所製、VY−170)を用いてベタ印字し、これを3
000画面繰返した後、サーマルヘッド表面を顕微鏡に
て観察して、ヘッドカスの有無を調べた。尚、プリンタ
ーでの性能を評価するために使用した被転写材は、以下
のようにして作製した。基材として合成紙(王子油化
(株)製 ユポFPG150)を用い、この片面に下記
組成の染料受容層用塗液をミヤバー#14にて、乾燥時
の塗布量が4μmとなるように塗布し、130℃にて3
分間乾燥して、被転写材を作製した。染料受容層用塗液 塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂 20部 (電気化学(株)製 デンカラック#1000A) エポキシ変性シリコーンオイル 3部 (信越化学工業(株)製 X−22−3000E) アミノ変性シリコーンオイル 3部 (信越化学工業(株)製 X−22−3050C) トルエン 40部 メチルエチルケトン 40部
【0050】(3)ヘッド磨耗 (2)ヘッドカスと同機種のプリンターを用いてベタ印
字し、これを3000画面繰返した後、サーマルヘッド
表面を顕微鏡にて観察して、磨耗の有無を調べた。 ヘッド磨耗・・・○:ヘッド磨耗がない △:ヘッド磨耗が少しある ×:ヘッド磨耗がかなりすすんでいる
【0051】
【表1】
【0052】
【発明の効果】以上の如く本発明では、耐熱滑性層に少
なくとも粒子と分散剤を含有していることを特徴とする
ので、耐熱滑性層用塗液中における粒子の分散安定性を
確保でき、滑り性や熱離型性などの性能の製造ロット間
のばらつきがなく、サーマルヘッド磨耗、サーマルヘッ
ドカス、スティッキング、印字シワなどが生じない熱転
写シートが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る熱転写シートの縦断面図であ
る。
【符号の説明】
1:熱転写シート 2:基材フィルム 3:熱転写層 4:耐熱滑性層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の一方の面に熱転写層を設け、基材
    の熱転写層と反対側の面に耐熱滑性層を設けた熱転写シ
    ートにおいて、該耐熱滑性層中に少なくとも粒子と分散
    剤を含有していることを特徴とする熱転写シート。
  2. 【請求項2】前記分散剤が、シランカップリング剤、チ
    タネート系カップリング剤、アルミニウムキレート化合
    物からなる群から選ばれた少なくとも1種であることを
    特徴とした、請求項1記載の熱転写シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1974948A2 (en) 2007-03-29 2008-10-01 FUJIFILM Corporation Image-forming method using heat-sensitive transfer system

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