JPH08207255A - インキ装置およびこのインキ装置を備えた印刷機械 - Google Patents

インキ装置およびこのインキ装置を備えた印刷機械

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JPH08207255A
JPH08207255A JP8972695A JP8972695A JPH08207255A JP H08207255 A JPH08207255 A JP H08207255A JP 8972695 A JP8972695 A JP 8972695A JP 8972695 A JP8972695 A JP 8972695A JP H08207255 A JPH08207255 A JP H08207255A
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JP
Japan
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roller
ink
printing
inking
doctor
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JP8972695A
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English (en)
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Manabu Fukuda
學 福田
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M M NIICHI KK
Original Assignee
M M NIICHI KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】この発明は、ゴースト対策を施してインキむら
の発生を確実かつ未然に防止し、印刷面を一定の濃度で
鮮明に印刷できるようにしたインキ装置およびこのイン
キ装置を備えた印刷機械を提供するにある。 【構成】このインキ装置20は、インキつぼ23に貯溜
された印刷インキ18を取り出すインキ出しローラ24
と、このインキ出しローラ24で取り出された印刷イン
キ18が移されるインキ着けローラ21と、このインキ
着けローラ21のインキ移し位置より下流側に設けら
れ、上記インキ着けローラ21に移された印刷インキ1
8を掻き取りつつ均すドクタローラ装置28と、このド
クタローラ装置28より下流側に設けられ、ドクタロー
ラ装置28で均されたインキ着けローラ21上の印刷イ
ンキ18を練る練りローラ手段36と、この練りローラ
手段36の下流側で前記インキ着けローラ21に転接し
て印刷インキ18が供給される版胴11とを備えたもの
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は版胴に印刷インキを供
給するインキ装置およびこのインキ装置を備えた印刷機
械に係り、特にゴースト対策を施して印刷面を一定の濃
度で印刷することが可能なインキ装置およびこのインキ
装置を備えた印刷機械に関する。
【0002】
【従来の技術】印刷機械に用いられるインキ装置(Inki
ng Arrangement)は、インキつぼに溜められた印刷イン
キをインキ出しローラから取り出してインキローラで練
った後、インキ着けローラから版胴の印刷版に供給する
ようになっている。
【0003】従来のインキ装置は、特開平4−1935
36号公報に記載されたように構成され、図9に示すよ
うに、インキつぼ1に貯えられた印刷インキ2をインキ
出しローラ3から取り出して多数のインキローラを組み
合せたインキ練りローラ列4に案内し、このインキ練り
ローラ列4から軸方向に往復動するインキ揺動ローラ5
を経てインキ着けローラ6に供給し、このインキ着けロ
ーラ6から版胴7の印刷版7aに練られた印刷インキ2
を一様に転着させるようになっている。
【0004】また、インキ着けローラ6には版胴7への
転着位置より下流側にドクタブレード8を備えたドクタ
装置9が設けられ、このドクタ装置9でインキ着けロー
ラ6に残される印刷インキ2を掻き取りつつ均して一様
化させている。この結果、インキ着けローラ6にインキ
汚れやインキむらのないローラ面を形成し、印刷汚れの
ない印刷ができるように最大限の注意を払っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のインキ装置で
は、インキ着けローラ6の版胴7への転着装置より下流
側にインキブレード8を備えたインキ装置9を設けてイ
ンキ着けローラ6に残された印刷インキ2を掻き取りつ
つ均して一様化させているが、版胴7の印刷版7aに形
成される絵柄(画線)如何によっては、インキ着けロー
ラ6に残される印刷インキ2に残像による大きなインキ
むらが生じている。このため、このドクタ装置9で一度
に完全かつ確実に均して印刷インキを一様化させること
ができず、ドクタ装置9を経たインキ着けローラ6のロ
ーラ面に新しい印刷インキを転着しても、全体の印刷イ
ンキが一様化されず、インキむらとなって残るおそれが
ある。
【0006】インキ着けローラ6の残留インキがドクタ
装置9で完全に一様化されず、インキむらが残ると、ド
クタ装置9の下流側でインキ着けローラ6に新しい印刷
インキを供給して転着させても残留インキのインキむら
がそのまま残り、このインキむらが版胴7に印刷インキ
の濃度むらとなって表われ、印刷むらやインキ汚れを発
生させるおそれがあった。
【0007】特に従来の印刷機械では、インキ着けロー
ラ6上の印刷インキが版胴7の印刷版7aに取られた部
分と取られなかった部分による残像陰影がドクタ装置9
で一度に完全に取り除かれたり、一様化されることがな
いため、インキ着けローラ6に残された印刷インキに濃
淡が複雑に生じ、印刷される紙面に先の印刷版の版面の
影響がそのままゴーストとして残り、印刷むらやインキ
汚れを発生させ、印刷が綺麗にできないおそれがあっ
た。
【0008】この発明は上述した事情を考慮してなされ
たもので、ゴースト対策を施してインキむらの発生を確
実かつ未然に防止し、印刷面を一定の濃度で鮮明な印刷
ができるようにしたインキ装置およびこのインキ装置を
備えた印刷機械を提供することを目的とする。
【0009】この発明の他の目的は、版胴に印刷インキ
のインキむらによる濃度むらが生じるのを未然にかつ確
実に防止し、印刷むらやインキ汚れを発生させることの
ないインキ装置およびこのインキ装置を備えた印刷機械
を提供するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明に係るインキ装
置は、上述した課題を解決するために、請求項1に記載
したように、インキつぼに貯溜された印刷インキを取り
出すインキ出しローラと、このインキ出しローラで取り
出された印刷インキが移されるインキ着けローラと、こ
のインキ着けローラのインキ移し位置より下流側に設け
られ、上記インキ着けローラに移された印刷インキを掻
き取りつつ均すドクタローラ装置と、このドクタローラ
装置より下流側に設けられ、ドクタローラ装置で均され
たインキ着けローラ上の印刷インキを練る練りローラ手
段と、この練りローラ手段の下流側で前記インキ着けロ
ーラに転接して印刷インキが供給される版胴とを備えた
ものである。
【0011】また、上述した課題を解決するために、こ
の発明に係るインキ装置は、請求項2に記載したよう
に、ドクタローラ装置は、1段のドクタローラを備え、
このドクタローラはインキ着けローラに外接可能でイン
キ着けローラ回転を異にして対向させたり、請求項3に
記載したように、ドクタローラ装置は、ドクタローラに
掻き取りブレードが備えられ、掻き取りブレードで掻き
取られた印刷インキはインキつぼに還流させるようにし
たものである。
【0012】また、上述した課題を解決するために、こ
の発明に係るインキ装置は、請求項4に記載したよう
に、ドクタローラ装置は、インキ着けローラに外接可能
な上流段ドクタローラと下流段ドクタローラとをそれぞ
れ備え、上流段ドクタローラはインキ着けローラにロー
ラ回転を異にして対向し、下流段インキローラはインキ
着けローラにローラ回転を同じくし、かつ周速を異にし
て対向させたり、さらに、請求項5に記載したように、
ドクタローラ装置の下流段ドクタローラはインキ着けロ
ーラの周速より高速回転せしめられたり、また、請求項
6に記載したように、ドクタローラ装置は、上流段ドク
タローラおよび下流段ドクタローラに掻き取りブレード
がそれぞれ備えられ、掻き取りブレードで掻き取られた
印刷インキはインキつぼに還流させるようにしたもので
ある。
【0013】さらに、上述した課題を解決するために、
この発明に係るインキ装置は、請求項7に記載したよう
に、ドクタローラ装置の下流段ドクタローラにインキ取
出ローラが転接して備えられ、このインキ取出ローラに
無端帯状のインキ着けベルトを備えたインキ着けベルト
手段を接触させる一方、上記インキ着けベルト手段はイ
ンキ着けベルトが複数の練りローラ手段を通されて版胴
に転接されるようにしたものである。
【0014】一方、この発明に係る印刷機械は、上述し
た課題を解決するために、請求項8に記載したように、
インキ着けローラのインキ移し位置より下流側にドクタ
ローラ装置を備え、このドクタローラ装置で均されたイ
ンキ着けローラ上の印刷インキを練る練りローラ手段を
設け、この練りローラ手段で練られた印刷インキが供給
される版胴をインキ着けローラに転接して備え、上記版
胴に圧胴が圧接され、この圧胴と版胴の間に印刷される
連続フォームが案内される一方、前記版胴はシリンダに
可撓性を有する無端帯状の印刷版が架け渡されたもので
ある。
【0015】また、この発明に係る印刷機械は、上述し
た課題を解決するために、請求項9に記載したように、
インキ着けローラのインキ移し位置より下流側にドクタ
ローラ装置を備え、このドクタローラ装置で均されたイ
ンキ着けローラ上の印刷インキを練る練りローラ手段を
設け、この練りローラ手段で練られた印刷インキが供給
される版胴をインキ着けローラに転接して備え、上記版
胴に圧胴が圧接され、この圧胴と版胴の間に印刷される
連続フォームあるいは枚葉紙が案内される一方、前記版
胴はシリンダに印刷版が巻き付けられて固定されたもの
である。
【0016】さらに、この発明に係る印刷機械は、上述
した課題を解決するために、請求項10に記載したよう
に、インキ着けローラのインキ移し位置より下流側にド
クタローラ装置を備え、このドクタローラ装置で均され
たインキ着けローラ上の印刷インキを練る練りローラ手
段を設け、この練りローラ手段で練られた印刷インキが
供給される版胴をインキ着けローラに転接して備え、上
記版胴にゴム胴が対向する一方、このゴム胴に圧胴が対
向して設けられ、上記圧胴とゴム胴の間に印刷される連
続フォームあるいは枚葉紙が案内されるようにものであ
る。
【0017】さらにまた、上述した課題を解決するため
に、この発明に係る印刷機械は、請求項11に記載した
ように、印刷インキを版胴に供給するインキ着けローラ
にドクタローラ装置を対向させて備えた印刷機械を複数
台シリーズに設置し、カラー印刷を可能としたものであ
る。
【0018】
【作用】請求項1に記載のインキ装置においては、イン
キ着けローラにインキ出しローラとの転着位置より下流
側にドクタローラ装置を設け、このドクタローラ装置で
掻き取られ、均されて一様化された印刷インキをさらに
練りローラ手段で練り、練りローラ手段で練った後、イ
ンキ着けローラから版胴に練られた印刷インキを転着さ
せたから、印刷インキはインキ着けローラに新しく供給
され、供給された印刷インキがインキ着けローラ上でド
クタローラ装置により均されて一様化され、さらに練り
ローラ手段により練られた後に版胴に供給されるので、
インキむらや濃度むらを生じさせることがなく、ゴース
ト対策を確実に施すことができ、版胴の印刷面に一定濃
度の印刷インキを供給し転着させることができ、印刷む
らやインキ汚れのない綺麗で鮮明な印刷面を得ることが
できる。
【0019】また、請求項2に記載のインキ装置では、
ドクタローラ装置を1段のドクタローラを備え、このド
クタローラはインキ着けローラに外接可能でインキ着け
ローラ回転を異にして対向させたことにより、ドクタロ
ーラはインキ着けローラに着着いた印刷インキを掻き取
って均すクレーパローラとして機能し、インキ着けロー
ラに残された残像陰影の影響を十分に排除してゴースト
対策を施すことができる。
【0020】請求項3に記載のインキ装置では、ドクタ
ローラ装置は、ドクタローラに掻き取りブレードが備え
られ、掻き取りブレードで掻き取られた印刷インキはイ
ンキつぼに還流させるようにしたので、掻き取られた印
刷インキを効率よく再利用でき、印刷インキを有効的に
使用することができる。
【0021】また、請求項4に記載のインキ装置では、
ドクタローラ装置を上流段ドクタローラと下流段ドクタ
ローラとから構成し、上流段ドクタローラはインキ着け
ローラに逆回転可能に対向し、下流段ドクタローラは同
方向に回転し、周速を異にして対向させたので、上流段
ドクタローラはインキ着けローラに着いた印刷インキを
掻き取って均すスクレーパローラとして主に機能し、上
流段ドクタローラは上流段ドクタローラで一様化された
印刷インキをさらに掻き取りつつ均す均しローラとして
主に機能させることができ、上流段ドクタローラと下流
段ドクタローラでインキ着けローラに付着した印刷イン
キを掻き取って一様化させつつ均すことができ、インキ
着けローラに残された残像陰影の影響を確実に排除して
ゴースト対策を施すことができる。
【0022】請求項5に記載のインキ装置では、ドクタ
ローラ装置の下流段ドクタローラはインキ着けローラの
周速より高速で回転させたから、印刷インキを掻き取り
つつ練って一様化させ、均すスクレーパおよび均し機能
を効率よく行なうことができる。
【0023】請求項6に記載のインキ装置では、上流段
ドクタローラおよび下流段ドクタローラに付着した印刷
インキを掻き取りブレードで掻き取り、掻き取られた印
刷インキをインキつぼに還流させたから、掻き取られた
印刷インキを効率よく再利用でき、印刷インキを有効的
に使用することができる。
【0024】請求項7に記載のインキ装置では、練りロ
ーラ手段と別にインキ取出ローラを備えた無端帯状のイ
ンキ着けベルト手段を設け、このインキ着けベルトにも
複数の練りローラ手段を設けたので、ドクタローラ装置
の下流側に2系統のインキ練りローラ手段を並列に備え
ることとなり、この2系統のインキ練りローラ手段を経
て版胴に印刷インキを個別に供給できるので、より一層
印刷むらや濃度むらの発生を防止し、印刷面を一定の濃
度で綺麗な印刷を保証することができる。
【0025】請求項8に記載の印刷機械では、インキ着
けローラにドクタローラ装置とこのドクタローラ装置で
均された印刷インキを練る練りローラ手段を設ける一
方、版胴のシリンダに無端帯状で可撓性を有する印刷版
を架け渡したので、版胴に転着される印刷インキは均さ
れて一様化され、練られたものとなって、凸版印刷に適
したものとなり、インキむらや濃度むらのない一定濃度
の印刷インキが印刷版に供給される。印刷版は無端帯状
に形成されているので、多数の版面を備えており、連続
フォームに多数の版面を順次連続して印刷することがで
き、しかも、インキ着けローラにゴースト対策が取られ
ているので印刷むらやゴーストの無い綺麗な印刷面を得
ることができる。
【0026】請求項9に記載の印刷機械でも、インキ着
けローラにゴースト対策を施したので、印刷むらやゴー
ストの無い綺麗な印刷面を得ることができ、凸版印刷に
適したものとなる。
【0027】請求項10に記載の印刷機械でも、インキ
着けローラにゴースト対策を施したので、印刷むらやゴ
ーストの無い綺麗な印刷面を得ることができ、オフセッ
ト印刷に適したものとなる。
【0028】請求項11に記載の印刷機械では、ゴース
ト対策を施したインキ着けローラを備えた印刷機械を複
数台シリーズに設置したので、印刷むらやゴーストのな
い綺麗なカラー印刷が得られ、また、インキ装置にゴー
スト対策がとられており、スタート時から、インキ濃度
が徹底でインキムラが無く印刷ができるためヤレ率を大
幅に減少させることができる。
【0029】
【実施例】以下、この発明の一実施例について添付図面
を参照して説明する。
【0030】図1はこの発明の第1実施例に係るインキ
装置を備えた印刷機械を簡略的に示す原理図である。こ
の印刷機械10は凸版印刷に適したもので、版胴11と
圧胴12が対向して備えられている。版胴11は例えば
直径20インチの硬質クロムメッキを施したシリンダ1
3を備え、このシリンダ13に無端帯状で可撓性を有す
る印刷版14が架け渡される。印刷版14はこの版胴1
1とガイドシリンダ15との間に架け渡され、表面に多
数の版面が列状に形成されている。印刷版14の両側に
ガイド孔としてのマージナルパンチホールが形成され、
このマージナルパンチホールに図示しないカム機構によ
り版胴11から周面上に突出自在のガイドピン(図示せ
ず)が係合して、印刷版14がずれないように送りが正
確に案内される。印刷版14は本出願人の出願に係る特
願昭57−57281号の明細書および図面に記載され
た樹脂製プレートと同様にして形成される。
【0031】版胴11に対設された圧胴12も例えば2
0インチの直径を有し、表面に硬質クロムメッキが施さ
れており、この圧胴12と版胴11の間に印刷される連
続フォーム16が案内される。圧胴12は連続フォーム
16に印圧を加えることにより、版胴11の版面が連続
フォーム16に印刷されるようになっている。
【0032】版胴11に印刷インキ18を供給するイン
キ装置20は回転自在なインキ着けローラ21を備えて
いる。インキ着けローラ21は例えば直径24インチの
シリンダゴムローラ25m/min 〜120m/min の範
囲、好ましくは、80m/min程度の周速で回転駆動さ
れ、表面にNBR等の硬質ゴムが一体に装着されてい
る。インキ着けローラ21はローラ表面が熱膨張しない
ように水冷装置(図示せず)により例えば30℃程度の
一定温度に保たれる。水冷装置はインキ着けローラ21
内に冷却水を供給することにより、ローラ表面温度を一
定に保持している。
【0033】また、インキ着けローラ21にはインキつ
ぼ装置22から印刷インキ18が供給されるようになっ
ている。インキつぼ装置22は印刷インキ18を貯溜し
たインキつぼ23と、このインキつぼ23に貯溜された
印刷インキ18をインキ着けローラ21に取り出すイン
キ出しローラとしてのインキファンテンローラ24と、
インキファンテンローラ24からのインキ取出量を調整
するインキ取出調整ブレード25とを備える。
【0034】インキ取出調整ブレード25は、例えば1
0mm程度の肉厚を有する剛性の大きな焼き鋼板製のブレ
ードでインキつぼ23の底部にスライド調整自在に固定
される一方、調整ブレード25の先端とインキファンテ
ンローラ24との間隙が複数本、例えば2本の調整ねじ
26で微調整され、止めねじ27でインキつぼ23の底
部に固定される。
【0035】調整ブレード25の先端とインキファンテ
ンローラ24との間隙調整によりインキつぼ23からの
印刷インキ18の供給量が調整され、インキファンテン
ローラ24から取り出される印刷インキのインキ膜厚が
ローラ軸方向全体に亘って例えば200μm程度で一様
化される。調整ねじ26はインキつぼ23の固定取付枠
23aに固定されてインキ取出調整ブレード25の背側
にねじ結合され、調整ブレード25をインキファンテン
ローラ24に進退自在に調整している。符号26aはイ
ンキ取出調整ブレード25をインキファンテンローラ2
4側にばね付勢するスプリングである。
【0036】その際、インキ取出調整ブレード25は肉
厚が10mm程度の剛性の大きな鋼板で形成されるので、
調整ブレード25の歪み変形がなく、インキファンテン
ローラ24との間隙がそのローラ軸方向全体に亘って均
一に調整される。
【0037】また、インキつぼ23内に貯溜される印刷
インキは冷え過ぎると流動性が劣化し、インキつぼ23
内での印刷インキ18の流れが悪くなるので、インキつ
ぼ23内に温度調整装置29が設けられ、この温度調整
装置29により、インキ取出調整ブレード25を介して
印刷インキ18の温度を一定に保持している。この温度
調整装置29はインキ着けローラを冷却する温度一定の
冷却水を熱交換パイプ29a内に循環させることによ
り、温度一定に保持している。
【0038】また、インキファンテンローラ24は、例
えば外径120mmφの鉄(S55C)あるいはゴムロー
ラであり、インキファンテンローラ24の周速はインキ
着けローラ21の周速より遅くなるように設置される一
方、インキファンテンローラ24にもインキ着けローラ
21と同様にローラ表面が熱を持たないように水冷装置
(図示せず)により所定温度例えば30℃に冷却され、
印刷インキ18の温度が一定に保たれる。
【0039】インキつぼ装置22からインキ着けローラ
21に転着されるインキ着け位置(インキ取出位置)よ
り下流側にドクタローラ装置28が設けられる。このド
クタローラ装置28はインキ着けローラ21に供給され
た印刷インキ18のインキ量(膜厚)を調整する機能を
有するとともに、インキ着けローラ21に転着された印
刷インキ18を掻き取って一様化させ、擦り付けて均す
ようになっている。
【0040】ドクタローラ装置28はインキ着けローラ
21とは回転を異にする(回転方向は同じ)一段のドク
タローラ30を有する。このドクタローラ30は図示し
ない水冷装置によりローラ表面が均一温度、例えば30
℃になるように調整される一方、例えばローラ外径60
mmφの鉄(S45C)ローラで、ローラ表面にクロムメ
ッキが施されている。このドクタローラ30はインキ着
けローラ21のインキ膜厚が例えば20μm以上、好ま
しくは25μm程度にローラ面圧(棒圧)が調整され、
インキ着けローラ21に転着された印刷インキ18を掻
き取るスクレーパローラとして機能する。
【0041】なお、ドクタローラ30をインキ着けロー
ラ21と回転を同じくし、周速を異にするように、例え
ば小さな周速で回転させてもよい。
【0042】ドクタローラ装置28のドクタローラ30
には印刷インキ18を掻き取る掻き取りブレード32が
備えられており、この掻き取りブレード32で掻き取ら
れた印刷インキ18はインキつぼ23に還流するように
滴下され、再使用に供される。インキつぼ23に還流さ
れる印刷インキ18は温度調整装置29により一定温度
に保持され、一定の流動性が確保される。
【0043】また、ドクタローラ装置28はインキつぼ
装置22とともにインキ着けローラ21に転着された印
刷インキ18のインキ量(膜厚)を調整するインキ量調
整装置35として機能している。
【0044】ドクタローラ装置28の下流側にインキ着
けローラ21に着けられた印刷インキ18を練る練りロ
ーラ手段36が設けられており、この練りローラ手段3
6は多数のローラを組み合せて印刷インキ18を軸方向
および周方向に均一に練っており、練られた印刷インキ
18は版胴11に転着されるようになっている。
【0045】練りローラ手段36は基本的にはインキ揺
動ローラ37とインキ練りローラ38,39とを有す
る。インキ揺動ローラ37はインキ着けローラ21の周
方向に沿って偶数個、例えば4本配設され、2本ずつが
対をなしてローラ軸方向に所要ストローク分、例えば1
0mm程度交互に往復動するようになっている。また、イ
ンキ練りローラ38,39はゴムローラ38と金ローラ
39を交互に組み合せてローラ列を構成している。符号
40は異物除去ローラである。
【0046】また、練りローラ手段36のうち初段のイ
ンキ揺動ローラ37には図示しないインキ洗浄装置が備
えられる。このインキ洗浄装置は鉄板の先端にゴム等の
洗浄材を溶着させたインキ洗浄ドクタを備え、このイン
キ洗浄ドクタを印刷インキ18の洗浄時にインキ揺動ロ
ーラ37に接触させて、ローラ表面を洗浄させている。
【0047】次に、印刷機械の作用を説明する。
【0048】この印刷機械10においては、ゴースト対
策が施されたインキ装置20が設けられ、このインキ装
置20にはインキ着けローラ21が備えられる。このイ
ンキ着けローラ21は例えば25m/min 〜120m/
min 、好ましくは80m/min程度の周速で回転駆動され
る一方、ローラ下方にインキつぼ装置22が設けられ
る。このインキつぼ装置22のインキファンテンローラ
24により印刷インキ18を取り出し、インキ着けロー
ラ21に転着させるようになっている。インキ着けロー
ラ21に転着されるインキ量(インキ膜厚)は、一定
量、例えば30〜70μm程度に調整される。インキ着
けローラ21に転着されるインキ量(インキ膜厚)は、
インキファンテンローラ24とインキ取出調整ブレード
25との間隙,インキファンテンローラ24とインキ着
けローラ21の回転比ならびにローラ面圧(棒圧)によ
り決定される。
【0049】インキつぼ装置22よりインキ着けローラ
21に転着された印刷インキ18はインキ着け(取出)
位置より下流側に設けられたドクタローラ装置28によ
り掻き取られて一様化され、均される。ドクタローラ装
置28はインキ着けローラ21と逆回転する(回転方向
は同じ)上流段ドクタローラ30と、同回転し(回転方
向を異にする)、周速を異にする下流段ドクタローラ3
1とを備え、ドクタローラ30でインキ着けローラ21
に付着された印刷インキ18を掻き取って所定のインキ
量、例えば20〜25μm程度の膜厚に一様化される。
【0050】ドクタローラ30で掻き取られた印刷イン
キ18は掻き取りブレード32で掻き取られる。掻き取
りブレード32で掻き取られた印刷インキはインキつぼ
23に滴下され、戻される。
【0051】このとき、ドクタローラ30とインキ着け
ローラ21とのローラ面圧(棒圧)は十分大きいので、
インキ着けローラ21に付着された印刷インキ18は付
着インキ量(インキ膜厚)が段階的に掻き取られ、一様
化されて均される。ドクタローラ30は複数本設けても
よい。
【0052】インキ着けローラ21に付着された印刷イ
ンキ18がドクタローラ装置22で均されて一様化され
た後、多数のローラを組み合せた練りローラ手段36に
案内され、この練りローラ手段36で軸方向および周方
向に一様に練られ、均されて流動性を保ち、光沢のある
印刷インキがインキむらのない状態で版胴11に転着さ
れる。
【0053】練りローラ手段36は印刷インキのタック
値(粘着力)が考慮されてインキ練りローラ列が決定さ
れる一方、印刷インキ18の練りや転移性を考慮してゴ
ムローラ38と金ローラ39とが交互に配置される。ゴ
ムローラ38は鉄芯(コア)に合成ゴムや天然ゴム等が
被覆されたものである。
【0054】練りローラ手段36で練られて一様化され
た印刷インキ18は例えば10μm程度のインキ量(膜
厚)に調整されて版胴11に転着される。インキ着けロ
ーラ23のインキ量が10μm程度であると、版胴11
には2〜6μm程度が転着される。
【0055】版胴11の印刷版14に転着された印刷イ
ンキ18は版胴11と圧胴12との間に連続フォーム1
6が案内されることにより、連続フォーム16上に印刷
される。このとき、圧胴12は連続フォーム16の紙面
に印圧を加えるようになっている。
【0056】一方、インキ着けローラ21から版胴11
に転着されなかった印刷インキ18はそのまま下方のイ
ンキ着け位置に案内され、このインキ着け位置でインキ
つぼ装置22から供給される新しい印刷インキ18と混
合され、所要のインキ量(例えば30μm程度の膜厚)
に調節され、インキ着けローラ21に残された版銅11
の画線部(絵柄)の影響が取り除かれ、ゴーストに対策
が施される。版胴11の転着位置より下流側にドクタ装
置を設け、そのドクタブレードにより残留され印刷イン
キを掻き取るようにしてもよい。この場合、掻き取られ
た印刷インキはインキつぼ23に戻される。
【0057】このように、この印刷機械には、ゴースト
対策が施されたインキ装置20を備え、このインキ装置
20はインキ着けローラ21にインキつぼ装置22から
新しい印刷インキ18を直接連続的に供給するととも
に、このインキ着け位置より下流側にドクタローラ装置
28と練りローラ手段36を設け、ドクタローラ装置2
8で掻き取られて一様化され、均された印刷インキを、
さらに、練りローラ手段36で周方向および軸方向に一
様に練って所要のタッグ値、流動性、転位性を持たせる
ことができる。
【0058】一様に練られた印刷インキ18を版胴11
に転着させるようにしたから、版胴11にインキむらや
濃度むらの全くない一定濃度の印刷インキ18を供給
し、転着させることができる。
【0059】その際、版胴11に転着されないでインキ
着けローラ21に残される残留インキには版胴11の画
線部(絵柄)の影響が及ぶが、残留インキが残されたイ
ンキ着けローラ21にインキつぼ装置22から常に新し
い印刷インキ18か直接かつ連続的に相当量供給され
る。相当量の新しい印刷インキ18の直接供給により、
インキ着けローラ21上に残された残像陰影の影響を解
消することができる。常に新しい印刷インキ18の供給
によりインキ着けローラ21のローラ表面上で印刷イン
キが乾燥して固まるのを防止することもできる。
【0060】また、インキつぼ装置22によりインキ着
けローラ21に転着された新しい印刷インキ18はドク
タローラ装置28の上流段および下流段ドクタローラ3
0,31によるスクレーパ作用および均し作用により掻
き取られつつ一様化され、均される一方、この一様化さ
れ、均された印刷インキ18が練りローラ手段36の多
数のインキ揺動ローラ37およびインキ練りローラ3
8,39で軸方向および周方向に練られ、光沢が増大
し、均一な流動性が得られる。
【0061】このため、版胴11の画線部の影響はイン
キつぼ装置22からの新しい印刷インキ18の直接供給
と、ドクタローラ装置28のスクレーパ作用・均し作用
による均一化、練りローラ手段36によるインキ練り作
用により完全に解消させることができ、版胴11へはゴ
ーストがなく、一定膜厚の印刷インキがスムーズに供給
され、インキむらや濃度むらのないものとなる。
【0062】従来のインキ装置は、インキ着けローラ上
の印刷インキが版胴の印刷版に取られた部分と取られな
かった部分による残像陰影が残り、この残像陰影がイン
キ練りローラ上を次々と転位し、インキむらや濃淡むら
が複雑に生じるため、印刷面にインキむら等によるゴー
ストが生じているが、図1に示すインキ装置20はイン
キ着けローラ21にインキつぼ装置22から常に新しい
印刷インキ18が連続的にかつ直接的に相当量供給され
るため、版胴11に一定の膜厚の印刷インキが供給さ
れ、版胴11の画線部(絵柄)に関係なく、一定の濃度
で印刷することができる。
【0063】このインキ装置20は、版胴11に常にイ
ンキむらや濃度むらのない一定濃度の印刷インキ18を
供給できるので、印刷初期の一枚目から安定した綺麗な
印刷を施すことができ、ヤレ率(損紙率)を大幅に減少
させることができる。このヤレ率は多色印刷になればな
るほど極端に減少し、効果を発揮する。
【0064】このインキ装置20を備えた印刷機械10
では、版胴11に常に一定濃度の印刷インキを供給する
ことが容易にできるため、校正や刷り出しが速く、セッ
ト時間を大幅に短縮でき、作業性の向上とヤレ率を減少
させることができる。
【0065】また、このインキ装置20では、インキつ
ぼ23からインキファンテンローラ24によりインキ着
けローラ21に新しい印刷インキ18を直接供給し、連
続的に転着させ、インキ着けローラ21に転着された印
刷インキ18をドクタローラ装置28のドクタローラ3
0としての逆転ドクタローラ30により25μmから1
μm程度までの均一なインキ薄膜をつくることができる
ため、従来のインキ装置のように、インキつぼの歪み変
形可能な取出調整ブレードをコンピュータでコントロー
ル制御するような複雑かつ面倒な調整やこの調整を行な
う装置が不要となる。
【0066】さらに、ドクタローラ装置28のドクタロ
ーラ30の回転速度はボタン操作により駆動モータを介
してコントロールさせることができ、印刷インキの種類
や硬度,粘性を考慮して、回転速度を調整することによ
り、印刷インキの濃度調整を容易に行なうことができ
る。このインキ濃度調整により、微妙な色合いを簡単か
つ容易に調整可能となり、オペレータの作業が軽減され
る。
【0067】さらにまた、インキ着けローラ21やイン
キファンテンローラ24,ドクタローラ装置28,イン
キつぼ23には冷却装置であるインキ温度コントロール
装置が備えられて、ローラ表面を理想的なインキ温度に
保っているので、ドクタローラ装置28による熱の発生
や長時間停止時の過冷却等を有効に防止でき、安定した
印刷を施すことができる。
【0068】インキ装置20にゴースト対策を施したイ
ンキ着けローラ21を設け、このインキ装置20を備え
た印刷機械10を複数台、例えば2台以上シリーズに配
設することにより、ゴーストのないカラー印刷を施すこ
とができる。印刷機械10にゴースト対策を施したイン
キ装置20を備えさせ、上記印刷機械10を図2に示す
ように4台シリーズに設置した場合には、フルーカラー
印刷を行なうカラー印刷機を提供することができる。
【0069】なお、図2において符号43は印刷前の連
続フォーム16の繰出しローラ(ドラム)であり、符号
44は印刷された連続フォーム16の巻取りローラであ
る。繰出しローラ43から繰り出される連続フォーム1
6は各印刷機械10の版胴11と圧胴12の間を通され
ることにより印刷される一方、各印刷機械10間はガイ
ドローラ34により連続フォーム16の送りが案内され
る。
【0070】図3はこの発明に係るインキ装置を備えた
印刷機械の第2実施例を簡略的に示す原理図である。こ
の印刷機械10は凸版印刷に適したもので、版胴11と
圧胴12が対向して備えられている。版胴11は例えば
直径20インチの硬質クロムメッキを施したシリンダ1
3を備え、このシリンダ13に無端帯状で可撓性を有す
る印刷版14が架け渡される。印刷版14はこの版胴1
1とガイドシリンダ15との間に架け渡され、表面に多
数の版面が列状に形成されている。印刷版14の両側に
ガイド孔としてのマージナルパンチホールが形成され、
このマージナルパンチホールに図示しないカム機構によ
り版胴11から周面上に突出自在のガイドピン(図示せ
ず)が係合して、印刷版14がずれないように送りが正
確に案内される。印刷版14は本出願人の出願に係る特
願昭57−57281号の明細書および図面に記載され
た樹脂製プレートと同様にして形成される。
【0071】版胴11に対設された圧胴12も例えば2
0インチの直径を有し、表面に硬質クロムメッキが施さ
れており、この圧胴12と版胴11の間に印刷される連
続フォーム16が案内される。圧胴12は連続フォーム
16に印圧を加えることにより、版胴11の版面が連続
フォーム16に印刷されるようになっている。
【0072】版胴11に印刷インキ18を供給するイン
キ装置20は回転自在なインキ着けローラ21を備えて
いる。インキ着けローラ21は例えば直径24インチの
シリンダゴムローラ25m/min 〜120m/min の範
囲、好ましくは、80m/min程度の周速で回転駆動さ
れ、表面にNBR等の硬質ゴムが一体に装着されてい
る。インキ着けローラ21はローラ表面が熱膨張しない
ように水冷装置(図示せず)により例えば30℃程度の
一定温度に保たれる。水冷装置はインキ着けローラ21
内に冷却水を供給することにより、ローラ表面温度を一
定に保持している。
【0073】また、インキ着けローラ21にはインキつ
ぼ装置22から印刷インキ18が供給されるようになっ
ている。インキつぼ装置22は印刷インキ18を貯溜し
たインキつぼ23と、このインキつぼ23に貯溜された
印刷インキ18をインキ着けローラ21に取り出すイン
キ出しローラとしてのインキファンテンローラ24と、
インキファンテンローラ24からのインキ取出量を調整
するインキ取出調整ブレード25とを備える。
【0074】インキ取出調整ブレード25は、例えば1
0mm程度の肉厚を有する剛性の大きな焼き鋼板製のブレ
ードでインキつぼ23の底部にスライド調整自在に固定
される一方、調整ブレード25の先端とインキファンテ
ンローラ24との間隙が複数本、例えば2本の調整ねじ
26で微調整され、止めねじ27でインキつぼ23の底
部に固定される。
【0075】調整ブレード25の先端とインキファンテ
ンローラ24との間隙調整によりインキつぼ23からの
印刷インキ18の供給量が調整され、インキファンテン
ローラ24から取り出される印刷インキのインキ膜厚が
ローラ軸方向全体に亘って例えば200μm程度で一様
化される。調整ねじ26はインキつぼ23の固定取付枠
23aに固定されてインキ取出調整ブレード25の背側
にねじ結合され、調整ブレード25をインキファンテン
ローラ24に進退自在に調整している。符号26aはイ
ンキ取出調整ブレード25をインキファンテンローラ2
4側にばね付勢するスプリングである。
【0076】その際、インキ取出調整ブレード25は肉
厚が10mm程度の剛性の大きな鋼板で形成されるので、
調整ブレード25の歪み変形がなく、インキファンテン
ローラ24との間隙がそのローラ軸方向全体に亘って均
一に調整される。
【0077】また、インキつぼ23内に貯溜される印刷
インキは冷え過ぎると流動性が劣化し、インキつぼ23
内での印刷インキ18の流れが悪くなるので、インキつ
ぼ23内に温度調整装置29が設けられ、この温度調整
装置29により、インキ取出調整ブレード25を介して
印刷インキ18の温度を一定に保持している。この温度
調整装置29はインキ着けローラを冷却する温度一定の
冷却水を熱交換パイプ29a内に循環させることによ
り、温度一定に保持している。
【0078】また、インキファンテンローラ24は、例
えば外径120mmφの鉄(S55C)あるいはゴムロー
ラであり、インキファンテンローラ24の周速はインキ
着けローラ21の周速より遅くなるように設置される一
方、インキファンテンローラ24にもインキ着けローラ
21と同様にローラ表面が熱を持たないように水冷装置
(図示せず)により所定温度例えば30℃に冷却され、
印刷インキ18の温度が一定に保たれる。
【0079】インキつぼ装置22からインキ着けローラ
21に転着されるインキ着け位置(インキ取出位置)よ
り下流側にドクタローラ装置28が設けられる。このド
クタローラ装置28はインキ着けローラ21に供給され
た印刷インキ18のインキ量(膜厚)を調整する機能を
有するとともに、インキ着けローラ21に転着された印
刷インキ18を掻き取って一様化させ、擦り付けて均す
ようになっている。
【0080】ドクタローラ装置28はインキ着けローラ
21とは回転を異にする(回転方向は同じ)上流段ドク
タローラ30と、回転を同じくする(回転方向は逆)下
流段ドクタローラ31とを有する。両ドクタローラ3
0,31は図示しない水冷装置によりローラ表面が均一
温度、例えば30℃になるように調整される一方、例え
ばローラ外径60mmφの鉄(S45C)ローラで、ロー
ラ表面にクロムメッキが施されており、上流段ドクタロ
ーラ30はインキ着けローラ21のインキ膜厚が例えば
20μm以上、好ましくは25μm程度にローラ面圧
(棒圧)が調整され、インキ着けローラ21に転着され
た印刷インキ18を掻き取るスクレーパローラとして機
能する。また、下流段ドクタローラ31はインキ着けロ
ーラ21のインキ膜厚が15μm以下、好ましくは6〜
10μm程度に調整される一方、インキ着けローラ21
の周速とは異なる周速、好ましくは大きな周速を有する
ようにセットされる。なお、上流段ドクタローラ30を
インキ着けローラ21と回転を同じくし、周速を異にす
るように、例えば小さな周速で回転させてもよい。
【0081】ドクタローラ装置28の上流段および下流
段ドクタローラ30,31には印刷インキ18を掻き取
る掻き取りブレード32,33が備えられており、これ
らの掻き取りブレード32,33で掻き取られた印刷イ
ンキ18はインキつぼ23に還流するように滴下され、
再使用に供される。インキつぼ23に還流される印刷イ
ンキ18は温度調整装置29により一定温度に保持さ
れ、一定の流動性が確保される。
【0082】また、ドクタローラ装置28はインキつぼ
装置22とともにインキ着けローラ21に転着された印
刷インキ18のインキ量(膜厚)を調整するインキ量調
整装置35として機能している。
【0083】ドクタローラ装置28の下流側にインキ着
けローラ21に着けられた印刷インキ18を練る練りロ
ーラ手段36が設けられており、この練りローラ手段3
6は多数のローラを組み合せて印刷インキ18を軸方向
および周方向に均一に練っており、練られた印刷インキ
18は版胴11に転着されるようになっている。
【0084】練りローラ手段36は基本的にはインキ揺
動ローラ37とインキ練りローラ38,39とを有す
る。インキ揺動ローラ37はインキ着けローラ21の周
方向に沿って偶数個、例えば4本配設され、2本ずつが
対をなしてローラ軸方向に所要ストローク分、例えば1
0mm程度交互に往復動するようになっている。また、イ
ンキ練りローラ38,39はゴムローラ38と金ローラ
39を交互に組み合せてローラ列を構成している。符号
40は異物除去ローラである。
【0085】また、練りローラ手段36のうち初段のイ
ンキ揺動ローラ37には図示しないインキ洗浄装置が備
えられる。このインキ洗浄装置は鉄板の先端にゴム等の
洗浄材を溶着させたインキ洗浄ドクタを備え、このイン
キ洗浄ドクタを印刷インキ18の洗浄時にインキ揺動ロ
ーラ37に接触させて、ローラ表面を洗浄させている。
【0086】次に、印刷機械の作用を説明する。
【0087】この印刷機械10においては、ゴースト対
策が施されたインキ装置20が設けられ、このインキ装
置20にはインキ着けローラ21が備えられる。このイ
ンキ着けローラ21は例えば25m/min 〜120m/
min 、好ましくは80m/min程度の周速で回転駆動され
る一方、ローラ下方にインキつぼ装置22が設けられ
る。このインキつぼ装置22のインキファンテンローラ
24により印刷インキ18を取り出し、インキ着けロー
ラ21に転着させるようになっている。インキ着けロー
ラ21に転着されるインキ量(インキ膜厚)は、一定
量、例えば30〜70μm程度に調整される。インキ着
けローラ21に転着されるインキ量(インキ膜厚)は、
インキファンテンローラ24とインキ取出調整ブレード
25との間隙,インキファンテンローラ24とインキ着
けローラ21の回転比ならびにローラ面圧(棒圧)によ
り決定される。
【0088】インキつぼ装置22よりインキ着けローラ
21に転着された印刷インキ18はインキ着け(取出)
位置より下流側に設けられたドクタローラ装置28によ
り掻き取られて一様化され、均される。ドクタローラ装
置28はインキ着けローラ21と逆回転する(回転方向
は同じ)上流段ドクタローラ30と、同回転し(回転方
向を異にする)、周速を異にする下流段ドクタローラ3
1とを備え、上流段ドクタローラ30でインキ着けロー
ラ21に付着された印刷インキ18を掻き取って所定の
インキ量、例えば20〜25μm程度の膜厚に一様化さ
れる。上流段ドクタローラ30で掻き取られ、一様化さ
れたインキ着けローラ21の印刷インキ18は続いて下
流段ドクタローラ31に案内される。下流段ドクタロー
ラ31はインキ着けローラ21とのローラ面圧(棒圧)
が上流段ドクタローラ30より大きいので、印刷インキ
18は同方向に回転する下流段ドクタローラ31により
インキ着けローラ21側に押し付けられつつ周速の相違
により掻き取られ、練られて均される。
【0089】上流段ドクタローラ30および下流段ドク
タローラ31で掻き取られた印刷インキ18は掻き取り
ブレード32,33で掻き取られる。掻き取りブレード
32,33で掻き取られた印刷インキはインキつぼ23
に滴下され、戻される。
【0090】このとき、上流段ドクタローラ30および
下流段ドクタローラ31とインキ着けローラ21とのロ
ーラ面圧(棒圧)はそれぞれ異なり、下流段側が上流段
側より大きいので、インキ着けローラ21に付着された
印刷インキ18は付着インキ量(インキ膜厚)が段階的
に掻き取られ、一様化されて均される。上流段ドクタロ
ーラ30あるいは下流段ドクタローラ31は複数本ずつ
それぞれ設けてもよい。
【0091】インキ着けローラ21に付着された印刷イ
ンキ18がドクタローラ装置22で均されて一様化され
た後、多数のローラを組み合せた練りローラ手段36に
案内され、この練りローラ手段36で軸方向および周方
向に一様に練られ、均されて流動性を保ち、光沢のある
印刷インキがインキむらのない状態で版胴11に転着さ
れる。
【0092】練りローラ手段36は印刷インキのタック
値(粘着力)が考慮されてインキ練りローラ列が決定さ
れる一方、印刷インキ18の練りや転移性を考慮してゴ
ムローラ38と金ローラ39とが交互に配置される。ゴ
ムローラ38は鉄芯(コア)に合成ゴムや天然ゴム等が
被覆されたものである。
【0093】練りローラ手段36で練られて一様化され
た印刷インキ18は例えば10μm程度のインキ量(膜
厚)に調整されて版胴11に転着される。インキ着けロ
ーラ23のインキ量が10μm程度であると、版胴11
には2〜6μm程度が転着される。
【0094】版胴11の印刷版14に転着された印刷イ
ンキ18は版胴11と圧胴12との間に連続フォーム1
6が案内されることにより、連続フォーム16上に印刷
される。このとき、圧胴12は連続フォーム16の紙面
に印圧を加えるようになっている。
【0095】一方、インキ着けローラ21から版胴11
に転着されなかった印刷インキ18はそのまま下方のイ
ンキ着け位置に案内され、このインキ着け位置でインキ
つぼ装置22から供給される新しい印刷インキ18と混
合され、所要のインキ量(例えば30μm程度の膜厚)
に調節され、インキ着けローラ21に残された版銅11
の画線部(絵柄)の影響が取り除かれ、ゴーストに対策
が施される。版胴11の転着位置より下流側にドクタ装
置を設け、そのドクタブレードにより残留され印刷イン
キを掻き取るようにしてもよい。この場合、掻き取られ
た印刷インキはインキつぼ23に戻される。
【0096】このように、この印刷機械には、ゴースト
対策が施されたインキ装置20を備え、このインキ装置
20はインキ着けローラ21にインキつぼ装置22から
新しい印刷インキ18を直接連続的に供給するととも
に、このインキ着け位置より下流側にドクタローラ装置
28と練りローラ手段36を設け、ドクタローラ装置2
8で掻き取られて一様化され、均された印刷インキを、
さらに、練りローラ手段36で周方向および軸方向に一
様に練って所要のタッグ値、流動性、転位性を持たせる
ことができる。
【0097】一様に練られた印刷インキ18を版胴11
に転着させるようにしたから、版胴11にインキむらや
濃度むらの全くない一定濃度の印刷インキ18を供給
し、転着させることができる。
【0098】その際、版胴11に転着されないでインキ
着けローラ21に残される残留インキには版胴11の画
線部(絵柄)の影響が及ぶが、残留インキが残されたイ
ンキ着けローラ21にインキつぼ装置22から常に新し
い印刷インキ18か直接かつ連続的に相当量供給され
る。相当量の新しい印刷インキ18の直接供給により、
インキ着けローラ21上に残された残像陰影の影響を解
消することができる。常に新しい印刷インキ18の供給
によりインキ着けローラ21のローラ表面上で印刷イン
キが乾燥して固まるのを防止することもできる。
【0099】また、インキつぼ装置22によりインキ着
けローラ21に転着された新しい印刷インキ18はドク
タローラ装置28の上流段および下流段ドクタローラ3
0,31によるスクレーパ作用および均し作用により掻
き取られつつ一様化され、均される一方、この一様化さ
れ、均された印刷インキ18が練りローラ手段36の多
数のインキ揺動ローラ37およびインキ練りローラ3
8,39で軸方向および周方向に練られ、光沢が増大
し、均一な流動性が得られる。
【0100】このため、版胴11の画線部の影響はイン
キつぼ装置22からの新しい印刷インキ18の直接供給
と、ドクタローラ装置28のスクレーパ作用・均し作用
による均一化、練りローラ手段36によるインキ練り作
用により完全に解消させることができ、版胴11へはゴ
ーストがなく、一定膜厚の印刷インキがスムーズに供給
され、インキむらや濃度むらのないものとなる。
【0101】従来のインキ装置は、インキ着けローラ上
の印刷インキが版胴の印刷版に取られた部分と取られな
かった部分による残像陰影が残り、この残像陰影がイン
キ練りローラ上を次々と転位し、インキむらや濃淡むら
が複雑に生じるため、印刷面にインキむら等によるゴー
ストが生じているが、図1に示すインキ装置20はイン
キ着けローラ21にインキつぼ装置22から常に新しい
印刷インキ18が連続的にかつ直接的に相当量供給され
るため、版胴11に一定の膜厚の印刷インキが供給さ
れ、版胴11の画線部(絵柄)に関係なく、一定の濃度
で印刷することができる。
【0102】このインキ装置20は、版胴11に常にイ
ンキむらや濃度むらのない一定濃度の印刷インキ18を
供給できるので、印刷初期の一枚目から安定した綺麗な
印刷を施すことができ、ヤレ率(損紙率)を大幅に減少
させることができる。このヤレ率は多色印刷になればな
るほど極端に減少し、効果を発揮する。
【0103】このインキ装置20を備えた印刷機械10
では、版胴11に常に一定濃度の印刷インキを供給する
ことが容易にできるため、校正や刷り出しが速く、セッ
ト時間を大幅に短縮でき、作業性の向上とヤレ率を減少
させることができる。
【0104】また、このインキ装置20では、インキつ
ぼ23からインキファンテンローラ24によりインキ着
けローラ21に新しい印刷インキ18を直接供給し、連
続的に転着させ、インキ着けローラ21に転着された印
刷インキ18をドクタローラ装置28の上流段ドクタロ
ーラ30としての逆転ドクタローラ30により25μm
程度に均し、下流段ドクタローラ31としての正転ドク
タローラにより25μmから1μm程度までの均一なイ
ンキ薄膜をつくることができるため、従来のインキ装置
のように、インキつぼの歪み変形可能な取出調整ブレー
ドをコンピュータでコントロール制御するような複雑か
つ面倒な調整やこの調整を行なう装置が不要となる。
【0105】さらに、ドクタローラ装置28の上流段ド
クタローラ30や下流段ドクタローラ31の回転速度は
ボタン操作により駆動モータを介してコントロールさせ
ることができ、印刷インキの種類や硬度,粘性を考慮し
て、例えば下流段ドクタローラ31の回転速度を単独調
整することにより、印刷インキの濃度調整を容易に行な
うことができる。このインキ濃度調整により、微妙な色
合いを簡単かつ容易に調整可能となり、オペレータの作
業が軽減される。
【0106】さらにまた、インキ着けローラ21やイン
キファンテンローラ24,ドクタローラ装置28,イン
キつぼ23には冷却装置であるインキ温度コントロール
装置が備えられて、ローラ表面を理想的なインキ温度に
保っているので、ドクタローラ装置28による熱の発生
や長時間停止時の過冷却等を有効に防止でき、安定した
印刷を施すことができる。
【0107】インキ装置20にゴースト対策を施したイ
ンキ着けローラ21を設け、このインキ装置20を備え
た印刷機械10を複数台、例えば2台以上シリーズに配
設することにより、ゴーストのないカラー印刷を施すこ
とができる。印刷機械10にゴースト対策を施したイン
キ装置20を備えさせ、上記印刷機械10を図4に示す
ように4台シリーズに設置した場合には、フルーカラー
印刷を行なうカラー印刷機を提供することができる。
【0108】なお、図4において符号43は印刷前の連
続フォーム16の繰出しローラ(ドラム)であり、符号
44は印刷された連続フォーム16の巻取りローラであ
る。繰出しローラ43から繰り出される連続フォーム1
6は各印刷機械10の版胴11と圧胴12の間を通され
ることにより印刷される一方、各印刷機械10間はガイ
ドローラ34により連続フォーム16の送りが案内され
る。
【0109】図5はこの発明に係る印刷機械の第3実施
例を示すものである。
【0110】この印刷機械10Aは凸版印刷に適用され
るようにしたものであり、インキ装置20Aにインキ着
けベルト手段48を備えた点が図1に示す印刷機械10
と基本的に相違し、他の構成は実質的に異ならないの
で、同一符号を付して説明を省略する。
【0111】この印刷機械10Aは凸版印刷に適用され
るために、版胴11に圧胴12が対向する構成となって
おり、連続フォーム16は版胴11と圧胴12との間に
案内される。この印刷機械10Aは連続フォーム16に
圧胴12から印圧を加えることにより版胴11に掛け渡
される無端帯状の印刷版14の版面の画線(絵柄)が連
続フォーム16に印刷されるようになっている。
【0112】また、インキ装置20Aにはドクタローラ
装置28の下流段ドクタローラ31にインキ取出ローラ
50が対向して設けられ、このインキ取出ローラ50に
無端帯状のインキ着けベルト51が巻き掛けられてい
る。インキ着けベルト51は複数のガイドローラ52に
て案内され、インキ取出ローラ50と版胴11との間を
走行自在に架け渡され、インキ着けベルト手段48を構
成している。インキ着けベルト51は下流段ドクタロー
ラ31や版胴11に押圧ローラ53により押圧される。
【0113】インキ着けベルト手段48を構成するイン
キ着けベルト51の途中にはインキ練りローラ54を備
えた練りローラ手段55がベルト走行方向に沿って複数
配列され、インキ着けベルト51上を移送される印刷イ
ンキ18を練って一様化させている。符号56はインキ
練りローラ54に転接する異物取出ローラである。
【0114】インキ着けベルト51は版胴11に、イン
キ着けローラ21の転着位置より上流側で転接し、この
インキ着けベルト51上を移送され、練りローラ手段5
4で練られて一様化された印刷インキ18を版胴11の
無端帯状の印刷版14に転着させるようになっている。
【0115】この印刷機械10Aにおいて、版胴11に
転着される印刷インキ18はインキ着けローラ21とイ
ンキ着けベルト手段48の並行な2系統を介してそれぞ
れ供給されるので、インキむらや濃淡むらのない印刷イ
ンキを版胴11に安定して転着させることができる。
【0116】版胴11に転着された印刷インキ81は印
刷版14の版面からゴム胴49上に一旦移された後、こ
のゴム胴49を介して連続フォーム16に印刷される。
その際、版胴11に巻き付けられる印刷版14は無端帯
状である必要がなく、通常のプレート状の印刷版を版胴
11のシリンダ13に巻き付けたものでもよい。
【0117】図6は図5に示す印刷機械10Aを2台シ
リーズに設置して2色刷りの印刷を連続フォーム16に
施すことができるようにしたものである。
【0118】この場合、連続フォーム16は繰出ローラ
43から繰り出されて初段の印刷機械10Aの版胴11
と圧胴12との間を通され、その間に連続フォーム16
に圧胴12から印圧が加えられて印刷される。
【0119】初段の印刷機械10Aで印刷された連続フ
ォーム16はガイドローラ45を経て次段の印刷機械1
0Aに案内され、この印刷機械10Aの版胴119と圧
胴12との間を通させることにより、別色で印刷され
る。2色印刷された連続フォーム16は巻取りローラ4
4に巻き取られて印刷が終了する。
【0120】図6に示す印刷機械においては、凸版印刷
に適用した例を示したが、この印刷機械をオフセット印
刷に適用してもよい。この場合には、版胴11はゴム胴
を介して圧胴12に圧接される構成をとる。
【0121】図7はこの発明に係る印刷機械10Bの第
4実施例を示すものである。
【0122】この実施例に示された印刷機械10Bは版
胴11Aが図1に示す印刷機械と異なり、他の構成は実
質的に異ならないので同一符号を付して説明を省略す
る。
【0123】この印刷機械10Bでもゴースト対策が施
されたインキ装置20が使用され、インキ着けローラ2
1から版胴11Aに一様に均されて練られた印刷インキ
18が供給されるが、この版胴11Aには無端帯状の印
刷版が使用されず、通常のプレート状印刷版57がシリ
ンダに巻き付けられて固定される。
【0124】この印刷機械10Bは凸版印刷に適用した
例を示したが、オフセット印刷に用いることもできる。
この印刷機械10Bでは連続フォーム16に印刷する例
を示したが、枚葉紙に印刷をするようにしてもよい。枚
葉紙印刷機として用いた場合には、枚葉紙を取扱う公知
の紙くわえ装置が備えられる。
【0125】図8は図7に示す印刷機械10Bを2台シ
リーズに縦置設置し、設置スペースの節約ならびに有効
利用を図ったものである。
【0126】この印刷機械では繰出ローラ43から繰り
出される連続フォーム16を初段の印刷機械10Bに案
内し、版胴11Aと圧胴12との間を通すことにより印
刷される。印刷された連続フォーム16はガイドローラ
45に導かれて次段の印刷機械10Bに案内され、この
印刷機械10Bの版胴11Aと圧胴12との間を通され
ることにより初段とは別色の印刷が施され、2色刷りさ
れる。2色刷りされた連続フォーム16はガイドローラ
45に案内され、巻取ローラ44に巻き取られて、印刷
が終了する。
【0127】図9はこの発明に係る印刷機械の第5実施
例を示すものである。
【0128】この実施例に示された印刷機械10Bは、
ゴースト対策を施したインキ装置20を使用し、オフセ
ット印刷に適用したものであり、具体的構成は図5に示
す印刷機械10Bとオフセット印刷に適用した点を除い
て異ならないので、同一符号を付して説明を省略する。
【0129】図9に示す印刷機械10Bはゴースト対策
が施されたインキ装置20が備えられ、このインキ装置
20により版胴11Aに印刷インキ18が供給される一
方、版胴11Aに供給された印刷インキ18はゴム胴4
9を介して連続フォーム16あるいは枚葉紙に供給さ
れ、圧胴12から印圧が加えられた状態で印刷されるよ
うになっている。
【0130】図10は、図9に示す印刷機械10Cを2
台シリーズに接続したものであり、この印刷機械におい
ても2色刷の印刷を連続フォーム16に施すことができ
る。
【0131】
【発明の効果】以上に述べたように、この発明に係る請
求項1に記載のインキ装置においては、インキ着けロー
ラにインキ出しローラとの転着位置より下流側にドクタ
ローラ装置を設け、このドクタローラ装置で掻き取ら
れ、均されて一様化された印刷インキをさらに練りロー
ラ手段で練り、この練りローラ手段で練った後、インキ
着けローラから版胴に練られた印刷インキを転着させた
から、印刷インキはインキ出しローラからインキ着けロ
ーラに連続的に転着され、転着された新しい印刷インキ
がインキ着けローラ上で均されて一様化され、練られた
後に版胴に供給されるので、インキむらや濃度むらを生
じさせることがなく、ゴースト対策を確実に施すことが
でき、版胴の印刷面に一定濃度の印刷インキを供給し転
着させることができ、印刷むらやインキ汚れのない綺麗
で鮮明な印刷面を得ることができる。
【0132】また、このインキ装置は版胴に一定濃度の
印刷インキをスムーズに安定的に供給することができる
ので、安定した綺麗な印刷を印刷初期の段階からでき、
ヤレ率を減少させることができる一方、校正や刷り出し
が速く、作業性の向上を図ることができる。
【0133】また、請求項4に記載のインキ装置では、
ドクタローラ装置を上流段ドクタローラと下流段ドクタ
ローラとから構成し、上流段ドクタローラはインキ着け
ローラに逆回転可能に対向し、下流段ドクタローラは同
方向に回転し、周速を異にして対向させたので、上流段
ドクタローラはインキ着けローラに着いた印刷インキを
掻き取って均すスクレーパローラとして主に機能し、下
流段ドクタローラは上流段ドクタローラで一様化された
印刷インキをさらに掻き取りつつ均す均しローラとして
主に機能させることができ、上流段ドクタローラと下流
段ドクタローラでインキ着けローラに付着した印刷イン
キを掻き取って一様化させつつ均すことができ、インキ
着けローラに残された残像陰影の影響を確実に排除して
ゴースト対策を施すことができる。
【0134】請求項5に記載のインキ装置では、ドクタ
ローラ装置の下流段ドクタローラをインキ着けローラの
周速より大きくとったから、印刷インキを掻き取りつつ
練りつけて一様化させ、均すスクレーパおよび均し機能
を効率よく行なうことができる。
【0135】請求項6に記載のインキ装置では、上流段
ドクタローラおよび下流段ドクタローラに付着した印刷
インキを掻き取りブレードで掻き取り、掻き取られた印
刷インキをインキつぼに還流させたから、掻き取られた
印刷インキを効率よく再利用でき、印刷インキを有効的
に使用することができる。
【0136】請求項7に記載のインキ装置では、練りロ
ーラ手段と別にインキ取出ローラを備えた無端帯状のイ
ンキ着けベルト手段を設け、このインキ着けベルトにも
複数の練りローラ手段を設けたので、ドクタローラ装置
の下流側に2系統のインキ練りローラ手段を並列に備え
ることとなり、この2系統のインキ練りローラ手段を経
て版胴に印刷インキを個別に供給できるので、より一層
印刷むらや濃度むらの発生を防止し、印刷面を一定の濃
度で綺麗な印刷を保証することができる。
【0137】請求項8に記載の印刷機械では、インキ着
けローラにドクタローラ装置とこのドクタローラ装置で
均された印刷インキを練る練りローラ手段を設ける一
方、版胴のシリンダに無端帯状で可撓性を有する印刷版
を架け渡したので、版胴に転着される印刷インキは均さ
れて一様化され、練られたものとなり、凸版印刷に適し
たものとなり、インキむらや濃度むらのない一定濃度の
印刷インキが印刷版に供給される。印刷版は無端帯状に
形成されているので、多数の版面を備えており、連続フ
ォームに多数の版面を順次連続して印刷することがで
き、しかも、インキ着けローラにゴースト対策が取られ
ているので印刷むらやゴーストの無い綺麗な印刷面を得
ることができる。
【0138】請求項9に記載の印刷機械でも、インキ着
けローラにゴースト対策を施したので、印刷むらやゴー
ストの無い綺麗な印刷面を得ることができ、凸版印刷に
適したものとなる。
【0139】請求項10に記載の印刷機械でも、インキ
着けローラにゴースト対策を施したので、印刷むらやゴ
ーストの無い綺麗な印刷面を得ることができ、オフセッ
ト印刷に適したものとなる。
【0140】請求項11に記載の印刷機械では、ゴース
ト対策を施したインキ着けローラを備えた印刷機械を複
数台シリーズに設置したので、印刷むらやゴーストのな
い綺麗なカラー印刷が得られ、また、インキ装置にゴー
スト対策がとられているのでヤレ率を大幅に減少させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るインキ装置を備えた印刷機械の
第1実施例を原理的に示す構成図。
【図2】図1に示す印刷機械を複数台シリーズに接続し
て構成されるカラー印刷機を示す図。
【図3】この発明に係るインキ装置を備えた印刷機械の
第2実施例を原理的に示す構成図。
【図4】図2に示す印刷機械を複数台シリーズに接続し
て構成されるカラー印刷機を示す図。
【図5】この発明に係るインキ装置を備えた印刷機械の
第3実施例を原理的に示す構成図。
【図6】図5に示す印刷機械を複数台シリーズに接続し
て構成されるカラー印刷機を示す図。
【図7】この発明に係るインキ装置を備えた印刷機械の
第4実施例を示す図。
【図8】図7に示す印刷機械を複数台シリーズに接続し
て構成されるカラー印刷機を示す図。
【図9】この発明に係るインキ装置を備えた印刷機械の
第5実施例を示す図。
【図10】図9に示す印刷機械を複数台シリーズに接続
して構成されるカラー印刷機を示す図。
【図11】従来のインキ装置を示す図。
【符号の説明】
10,10A,10B,10C 印刷機械 11,11A 版胴 12 圧胴 13 シリンダ 14 印刷版 15 ガイドシリンダ 16 連続フォーム 18 印刷インキ 20 インキ装置 21 インキ着けローラ 22 インキつぼ装置 23 インキつぼ 24 インキファンテンローラ(インキ出しローラ) 25 インキ取出調整ブレード 26 調整ねじ 27 止めねじ 28 ドクタローラ装置 29 温度調整装置(水冷装置) 30 上流段ドクタローラ 31 下流段ドクタローラ 32,22, 掻き取りブレード 35 インキ量調整装置 36 練りローラ手段 37 インキ揺動ローラ 38 ゴムローラ(インキ練りローラ) 39 金ローラ(インキ練りローラ) 48 インキ着けベルト手段 49 ゴム胴 50 インキ取出ローラ 51 インキ着けベルト 53 押圧ローラ 54 インキ練りローラ 55 練りローラ手段

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インキつぼに貯溜された印刷インキを取
    り出すインキ出しローラと、このインキ出しローラで取
    り出された印刷インキが移されるインキ着けローラと、
    このインキ着けローラのインキ移し位置より下流側に設
    けられ、上記インキ着けローラに移された印刷インキを
    掻き取りつつ均すドクタローラ装置と、このドクタロー
    ラ装置より下流側に設けられ、ドクタローラ装置で均さ
    れたインキ着けローラ上の印刷インキを練る練りローラ
    手段と、この練りローラ手段の下流側で前記インキ着け
    ローラに転接して印刷インキが供給される版胴とを備え
    たことを特徴とするインキ装置。
  2. 【請求項2】 ドクタローラ装置は、1段のドクタロー
    ラを備え、このドクタローラはインキ着けローラに外接
    可能でインキ着けローラ回転を異にして対向させた請求
    項1に記載のインキ装置。
  3. 【請求項3】 ドクタローラ装置は、ドクタローラに掻
    き取りブレードが備えられ、掻き取りブレードで掻き取
    られた印刷インキはインキつぼに還流させるようにした
    請求項2記載のインキ装置。
  4. 【請求項4】 ドクタローラ装置は、インキ着けローラ
    に外接可能な上流段ドクタローラと下流段ドクタローラ
    とをそれぞれ備え、上流段ドクタローラはインキ着けロ
    ーラにローラ回転を異にして対向し、下流段インキロー
    ラはインキ着けローラにローラ回転を同じくし、かつ周
    速を異にして対向させた請求項1に記載のインキ装置。
  5. 【請求項5】 ドクタローラ装置の下流段ドクタローラ
    はインキ着けローラの周速より高速回転せしめられる請
    求項1または4に記載のインキ装置。
  6. 【請求項6】 ドクタローラ装置は、上流段ドクタロー
    ラおよび下流段ドクタローラに掻き取りブレードがそれ
    ぞれ備えられ、掻き取りブレードで掻き取られた印刷イ
    ンキはインキつぼに還流させるようにした請求項2また
    は3のいずれかに記載のインキ装置。
  7. 【請求項7】 ドクタローラ装置の下流段ドクタローラ
    にインキ取出ローラが転接して備えられ、このインキ取
    出ローラに無端帯状のインキ着けベルトを備えたインキ
    着けベルト手段を接触させる一方、上記インキ着けベル
    ト手段はインキ着けベルトが複数の練りローラ手段を通
    されて版胴に転接される請求項1に記載のインキ装置。
  8. 【請求項8】 インキ着けローラのインキ移し位置より
    下流側にドクタローラ装置を備え、このドクタローラ装
    置で均されたインキ着けローラ上の印刷インキを練る練
    りローラ手段を設け、この練りローラ手段で練られた印
    刷インキが供給される版胴をインキ着けローラに転接し
    て備え、上記版胴に圧胴が圧接され、この圧胴と版胴の
    間に印刷される連続フォームが案内される一方、前記版
    胴はシリンダに可撓性を有する無端帯状の印刷版が架け
    渡されて構成されたことを特徴とする印刷機械。
  9. 【請求項9】 インキ着けローラのインキ移し位置より
    下流側にドクタローラ装置を備え、このドクタローラ装
    置で均されたインキ着けローラ上の印刷インキを練る練
    りローラ手段を設け、この練りローラ手段で練られた印
    刷インキが供給される版胴をインキ着けローラに転接し
    て備え、上記版胴に圧胴が圧接され、この圧胴と版胴の
    間に印刷される連続フォームあるいは枚葉紙が案内され
    る一方、前記版胴はシリンダに印刷版が巻き付けられて
    固定されたことを特徴とする印刷機械。
  10. 【請求項10】 インキ着けローラのインキ移し位置よ
    り下流側にドクタローラ装置を備え、このドクタローラ
    装置で均されたインキ着けローラ上の印刷インキを練る
    練りローラ手段を設け、この練りローラ手段で練られた
    印刷インキが供給される版胴をインキ着けローラに転接
    して備え、上記版胴にゴム胴が対向する一方、このゴム
    胴に圧胴が対向して設けられ、上記圧胴とゴム胴の間に
    印刷される連続フォームあるいは枚葉紙が案内されるよ
    うに構成したことを特徴とする印刷機械。
  11. 【請求項11】 印刷インキを版胴に供給するインキ着
    けローラにドクタローラ装置を対向させて備えた印刷機
    械を複数台シリーズに設置し、カラー印刷を可能とした
    請求項8ないし10のいずれかに記載の印刷機械。
JP8972695A 1994-11-28 1995-04-14 インキ装置およびこのインキ装置を備えた印刷機械 Pending JPH08207255A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011062964A (ja) * 2009-09-18 2011-03-31 Iwasaki Tekko Corp 輪転式凸版印刷機のインキ供給装置

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011062964A (ja) * 2009-09-18 2011-03-31 Iwasaki Tekko Corp 輪転式凸版印刷機のインキ供給装置

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