JPH08207095A - 射出成形機の射出制御方法 - Google Patents

射出成形機の射出制御方法

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JPH08207095A
JPH08207095A JP4143295A JP4143295A JPH08207095A JP H08207095 A JPH08207095 A JP H08207095A JP 4143295 A JP4143295 A JP 4143295A JP 4143295 A JP4143295 A JP 4143295A JP H08207095 A JPH08207095 A JP H08207095A
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injection pressure
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賢男 上口
Tetsuaki Neko
哲明 根子
Kaoru Hiraga
薫 平賀
Motohiro Hase
元弘 長谷
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単に最適射出射出条件を得ることができる
射出制御方法を提供すること。 【構成】 射出速度のトローズドループ制御と射出圧力
のトローズドループ制御を重畳して行う射出制御方法で
ある。射出速度指令を設定し射出速度のクローズドルー
プ制御のみにより成形を行いそのときの射出圧力波形を
得る。その後、同一条件で成形を行い各成形間における
射出圧力偏差、及びスクリュ位置偏差を求める。射出圧
力偏差の大きさ、及び位置偏差増大点より射出速度指令
を修正(速度の低下)を行い、射出速度指令パターンを
得る。この射出速度指令Vcパターンと上記得られた射
出圧力波形を射出圧力指令Pcパターンとして、射出速
度と射出圧力のトローズドループ制御を重畳して行う。
射出速度指令Vcパターンと射出圧力指令Pcパターン
が簡単に得られる。制御が不安定になる位置においては
指令射出速度が低下させられるから安定した制御が得ら
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、射出成形機の射出制御
方法に関する。特に、射出速度のクローズドループ制御
を行うと共に射出圧力のクローズドループ制御を重畳し
て行う射出制御における射出速度指令パターン、射出圧
力指令パターンを簡単に得ることができる射出制御方法
を提供することにある。
【0002】
【従来の技術】射出成形機の射出制御は、従来スクリュ
位置に対するスクリュの射出速度(前進速度)を制御す
ることによって行われることが一般的であった。しか
し、成形品の良否は射出速度の影響よりも射出圧力、即
ち樹脂の流動圧力の影響の方が大きい。そこで、射出圧
力を検出し、該射出圧力が設定値と一致するように圧力
のクローズドループ制御を行う射出制御方法が開発され
ている(特開平3−58821号公報参照)。さらに
は、射出中の射出圧力を検出し、この射出圧力パターン
(波形)を編集し、編集された圧力パターンを目標値と
して圧力のクローズドループ制御を行って射出制御を行
う方法も、例えば国際公開公報WO92/11994号
等で公知である。
【0003】また、射出制御を射出速度のクローズドル
ープ制御と圧力のクローズドループ制御を同時に重畳し
て行う制御も本願出願人によって特願平6ー12474
2号によって提案されている。この射出速度制御と圧力
制御を同時に行う方法は、設定圧力パターンと一致する
ように速度指令を修正しながら、設定射出圧力パターン
と実際の射出圧力波形が一致するまで行い繰り返し射出
速度、射出圧力制御を重畳して行い、設定射出圧力パタ
ーンと実際の射出圧力波形が一致した段階で良成形品が
得られなければ、再度設定射出圧力パターンを修正し、
この修正した設定射出圧力パターンに基づいて、前述同
様の射出速度指令を修正しながら射出速度、射出圧力制
御を重畳し行い、良成形品が得られる設定射出圧力パタ
ーン及び速度指令を得るものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した射出圧力のク
ローズドループ制御では、設定された射出圧力とセンサ
で検出した射出圧力よりその圧力偏差を求め、該偏差に
基づいてPID(比例、積分、微分)制御がなされるも
のであるが、最適な設定圧力(圧力パターン)を求め設
定することが難しく、金型が変わる毎にこの難しい最適
圧力パターンを設定する作業が必要になる。さらに、こ
の制御ループのPIDパラメータ(ゲイン)は一度設定
されると変更されるものではなく、制御対象(金型)が
変わっても変更されないことから制御自体はかわらず、
最適な制御が難しいという問題がある。
【0005】また、上述した射出速度と射出圧力のクロ
ーズドループを重畳して行う方法においても、最適な目
標値となる射出圧力パターン、速度指令等の射出条件を
得ることに時間を要するという問題がある。
【0006】そこで、本発明は、射出速度と射出圧力の
クローズドループを重畳して行う方法において、簡単に
最適射出条件を得ることができる射出制御方法を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、射出速度のク
ローズドループ制御を行うと共に同時に重畳して射出圧
力のクローズドループ制御を行う射出成形機の射出制御
方法に適用されるもので、まず、設定された射出速度指
令パターンにより射出速度のクローズドループ制御のみ
の射出制御による成形を行い、全射出区間の射出圧力パ
ターンを取得する。その後1以上の射出速度のクローズ
ドループ制御のみの射出制御による成形を行い、上記射
出圧力パターンとの射出圧力偏差(複数回の成形を行う
時には射出圧力偏差の積算値)を全射出区間求める。該
射出圧力偏差(若しくは射出圧力偏差の積算値)に基づ
いて上記射出速度指令パターンを修正し、該修正した射
出速度指令パターンを上記射出速度のクローズドループ
制御における射出速度指令パターンとし、上記取得した
射出圧力パターンを射出圧力のクローズドループ制御の
射出圧力指令パターンとする。
【0008】さらには、射出圧力パターンとの射出圧力
偏差を求める際に、スクリュの指令位置と実際の位置と
の位置偏差増大点を求める。複数回の成形を行うときに
は複数回の成形によって得られる位置偏差増大点の最小
スクリュ前進位置をこの位置偏差増大点とする。そし
て、上記該射出圧力偏差(若しくは射出圧力偏差の積算
値)と位置偏差増大点に基づいて上記射出速度指令パタ
ーンを修正し、該修正した射出速度指令パターンを上記
射出速度のクローズドループ制御における射出速度指令
パターンとし、上記取得した射出圧力パターンを射出圧
力のクローズドループ制御の射出圧力指令パターンとす
る。
【0009】また、射出速度指令パターンの修正は得ら
れた射出圧力偏差(若しくは射出圧力偏差の積算値)の
最大値で射出圧力偏差(若しくは射出圧力偏差の積算
値)を除した値に基づいて行う。さらに、位置偏差増大
点より以後の所定区間所定比率で増大させた値に基づい
ても射出速度指令パターンを修正して、射出速度のクロ
ーズドループ制御と射出圧力のクローズドループ制御を
重畳して行う射出制御の射出速度指令パターンとする。
【0010】さらに本発明の最適な態様は、設定された
射出速度指令パターンにより射出速度のクローズドルー
プ制御のみの射出制御による成形を行い、全射出区間の
射出圧力パターンを取得する。その後1以上の射出速度
のクローズドループ制御のみの射出制御による成形を行
い、上記射出圧力パターンとの射出圧力偏差(複数回の
成形を行う時には射出圧力偏差の積算値)を全射出区間
求めると共に、スクリュの指令位置と実際の位置との位
置偏差増大点(複数回の成形を行うときには複数回の成
形によって得られる位置偏差増大点の最小スクリュ前進
位置)を求め、得られた射出圧力偏差(複数回の成形を
行う時には射出圧力偏差の積算値)の最大値で全区間に
おける各射出圧力偏差(複数回の成形を行う時には射出
圧力偏差の積算値)を除した値と得られた位置偏差増大
点(位置偏差増大点の最小スクリュ前進位置)より以後
の所定区間で1になるよう所定比率で増大させた値の大
きい方を速度指令補正用の値として全区間に亙って求め
る。そして、該速度指令補正用の値に所定比率を乗じた
値を上記射出速度指令パターンから減じて、修正した射
出速度指令パターンを求め、該修正した射出速度指令パ
ターンを上記射出速度のクローズドループ制御における
射出速度指令パターンとし、上記取得した射出圧力パタ
ーンを射出圧力のクローズドループ制御の射出圧力指令
パターンとする。なお、複数回の成形を行い射出圧力偏
差の積算値を求めるときには、各射出圧力偏差の絶対値
を積算して、この値を射出圧力偏差の積算値としてもよ
い。
【0011】
【作用】射出速度のクローズドループ制御のみで射出制
御を行う成形を行い、そのとき全射出区間の射出圧力パ
ターンを取得する。次に、1以上の射出速度のクローズ
ドループ制御のみの射出制御による成形を行い、上記射
出圧力パターンとの射出圧力偏差(複数回の成形を行う
時には射出圧力偏差の積算値)を全射出区間求める。さ
らには、スクリュの指令位置と実際の位置との位置偏差
増大点(複数回の成形を行うときには複数回の成形によ
って得られる位置偏差増大点の最小スクリュ前進位置)
を求める。射出圧力偏差が生じるということは、その位
置において樹脂の流路が狭くなり樹脂の流動状態が変わ
って、制御系が不安定になっていることを意味する。こ
のような位置においては、制御系のゲインを下げ制御系
の安定化を図る必要があるが、本発明はゲインを低下さ
せる代わりに、射出速度指令を低下させることによって
対応させる。そのために、射出圧力偏差(射出圧力偏差
の積算値)に応じて射出速度指令パターンを修正(指令
射出速度の低下)する。また、位置偏差が増大すること
は、樹脂が金型内に充填され、スクリュの前進が止ま
り、速度指令に対する追従性が悪くなったことを意味す
る。この段階では、速度の応答性はほとんど必要なく、
制御系のゲインを低下させればよいが、本発明は、ゲイ
ンの低下の代わりに、この場合にも射出速度指令を低下
させることによって対応する。その結果、射出圧力偏差
に伴う射出速度指令の低下と、位置偏差増大点以降の射
出速度指令の低下を重畳して行わせることによって、制
御系が不安定となる位置において制御系のゲインを低下
させたことと等しくなる射出速度指令の低下の補正を行
う。そして、この補正された射出速度指令パターンを射
出速度のクローズドループ制御の射出速度指令パターン
とし、最初の成形によって得られた射出圧力パターンを
射出圧力のクローズドループ制御の射出圧力指令のパタ
ーンとすることによって、射出速度のクローズドループ
制御と重畳して同時に射出圧力のクローズドループ制御
を行えば、安定した射出制御が可能となる。
【0012】
【実施例】従来、スクリュ位置に基づいてスクリュの射
出速度を設定し、射出制御をスクリュの射出速度制御に
よって行い、成形された成形品の良否は、その成形時に
得られた射出圧力(樹脂圧力、樹脂の流動圧力)波形に
よって判別し、その判別結果に基づいて射出速度が調整
され、良成形品を得るように成形条件出しが行われてい
るが、これは、スクリュの射出速度と射出圧力が何等か
の相関を有しているということを前提としている。
【0013】しかし、スクリュの射出速度は、せいぜい
溶融樹脂の1次元の流動を示しているものに過ぎず金型
内の3次元の流動を示しているものではなく、そのた
め、スクリュの射出速度が溶融樹脂の流動圧力(射出圧
力)に完全に比例するものではない。図6に示すよう
に、スクリュ35の基部に該スクリュ35の軸方向に作
用する樹脂圧力(射出圧力)を検出するロードセル圧力
センサSe1を取り付け、さらに、シリンダ34のノズ
ル部に該ノズル部の樹脂圧力を検出するノズル圧力セン
サSe2を、金型39のゲート部に該ゲート部の樹脂圧
を検出するゲート圧力センサSe3を、また製品の終端
部にキャビティ内圧センサSe4を取り付けておき、ス
クリュの射出速度をクローズドループで制御した射出を
100ショット行い、その時の射出速度、及び各センサ
で圧力を検出する実験を行った。このとき得られた10
0ショット分の各検出値を重て描画した図が図7であ
る。この図7から明らかのように、クローズドループで
制御されている射出速度は各ショットに変動がなく、正
確に制御されている。しかし、樹脂圧を検出する各セン
サSe1〜Se4からの検出圧力波形はどの観測点にお
いても帯状となりバラツキがあることがわかる。
【0014】このことは、クローズドループ制御により
スクリュの射出速度は正確に設定速度を再現するように
制御されているが、該スクリュの移動によって発生する
溶融樹脂の流動速度に伴って各センサ部で発生する樹脂
圧は直接制御されていないことに起因して検出圧力波形
がばらついているものと判断される。また、スクリュの
先端には逆流防止リングがあり、射出時にこのリングの
動作を直接制御できないことにも起因しているものと想
定できる。さらに、実際に流動する樹脂は可塑化の不安
定さによる温度むらや粘度むらによってその流動抵抗が
変化することから、スクリュ速度が一定でも各センサで
検出される樹脂圧が変動するものと想定できる。
【0015】一方、良成形品が得られたときの圧力波形
を射出圧力指令パターンとして圧力のクローズドループ
制御(ロードセル圧力センサSe1で検出される樹脂圧
が射出圧力指令パターンと一致するように制御)したと
きに検出されるスクリュの射出速度、各センサSe1〜
Se4で検出される樹脂圧を100ショット分重書きし
たものが図8である。各圧力センサSe1〜Se4で検
出される樹脂圧は、ばらつきがなく安定しているが、射
出速度にはばらつきが生じていることがわかる。
【0016】以上のように、射出速度をクローズドルー
プ制御すれば、樹脂圧力にバラツキが生じ、逆に樹脂圧
力をクローズドループ制御すれば、射出速度にばらつき
が生じることがわかる。また、射出開始を起点として、
各センサSe1〜Se4で樹脂圧が感知される時間を測
定しそのばらつきを求めると、図9にグラフで示す結果
が得られた。図9において、Aは射出速度のクローズド
ループ制御を行ったときで、Bは圧力のクローズドルー
プを行ったときのばらつきを示すものである。この図9
からわかるように、射出速度制御では、樹脂が各センサ
の位置に到着するまでの時間のばらつきが最後まで影響
していることに対して、圧力制御では、樹脂が金型内に
流動するにしたがって到着時間のばらつきが少なくなっ
ていることがわかる。このことからは、速度制御より圧
力制御の方が優れていることがわかる。
【0017】また、図10は再生樹脂の混合比率に対す
る成形品の重量のばらつきを測定した実験結果を示す図
である。射出速度のクローズドループ制御により射出制
御を行ったときと、樹脂圧のクローズドループ制御によ
り射出制御を行ったときの実験結果である。速度制御よ
り樹脂圧制御の方が成形品の重量にばらつきが少なく圧
力制御の方が射出制御としては勝っていることがわか
る。
【0018】しかし、スクリュ位置と金型のキャビティ
内の樹脂充填位置の関係が想定しやすいことから、スク
リュ位置による射出速度の設定は比較的容易ではある
が、樹脂圧を決定づける樹脂の流動抵抗を想定すること
が難しくスクリュ位置に基づく樹脂圧を設定することは
難しい。一方、前述したように、射出速度と射出圧(樹
脂圧)の関係は相関を有しており、また、例えば、射出
速度のクローズドループで射出制御を行ったとき図11
に示すような圧力波形(センサSe1、Se4で検出さ
れる圧力波形)が得られ、この圧力波形で(ア)で示さ
れるピーク圧力がなくなるように図12に(ア)で示す
ように圧力波形を編集し、この圧力波形パターンを射出
圧力指令パターンとして圧力のクローズドループ制御を
行ってみると、射出速度は図11で(イ)で示されるピ
ーク圧発生時の射出速度が、図12での(イ)で示され
るように変化したものが得られた。このことは、射出圧
力指令パターンを修正すればそれに伴って射出速度も変
化すること、逆に射出速度を変えれば射出圧力波形も変
化することを示している。
【0019】そこで、射出速度を20mm/sから60
mm/sまでを5mm/sずつ速度を増加して射出速度
一定の速度クローズドループの射出制御を行い、ロード
セル圧力センサSe1で検出される射出圧力をスクリュ
位置に基づいて求めると図13に示されるような結果を
得た。この図13から、射出速度が早いほど射出圧力は
高くなること、また、全ての区間で射出速度が一定でも
圧力の変化が一応ではなく、射出速度と射出圧は非線形
の関係にあることがわかる。
【0020】そこで、射出圧力を射出速度で制御しよう
とすると、上述したことから、次のことを考慮する必要
がある。 (1)充填初期では金型内を樹脂が流動しながら充填す
る流動充填状態なので、この段階での圧力制御には高い
応答性が必要である。 (2)金型内の樹脂流路が狭くなる部分では、樹脂が圧
縮されるため、小さい速度変化でも大きな圧力変化とし
て現れる。このため、余り応答性がよいと逆に発振して
しまい制御系が不安定となる。 (3)充填後期は、樹脂の冷却収縮を補うための圧縮充
填工程となる。この工程では樹脂流動はほぼ止まり収縮
を補うために加えられた力は、圧縮損失がない状態で検
出されることになり、速度の応答性はほとんど必要がな
い。
【0021】以上のような速度と圧力の非線形の関係の
知識を利用して制御系を構築するには、制御系を線形的
に近似できる区間に分類し、各区間で最適な制御ゲイン
を求めて制御するゲインスケジュール方式が適用できる
が、射出成形においては成形する樹脂の要因や、金型の
要因に依存する部分が多く、これらの要因は成形される
製品が異なれば変化することになり、製品毎に上記線形
制御区間及びゲインを見直さねばならなく、ゲインスケ
ジュール方式を適用することは難しい。
【0022】そこで、本発明は、射出速度制御と射出圧
力制御を重畳しておこなうと共に、上述した射出速度と
射出圧の非線形の関係に対してファジィ制御を適用する
ことによって解決した。
【0023】射出工程において最適な圧力制御を行うに
は上述したように、金型内の樹脂流動変換点、金型内の
樹脂充填率を知り、最適な射出速度もしくは射出圧力を
設定する必要がある。そのために、本実施例において
は、まず、当該金型による成形において適当と予想され
る射出速度をスクリュ位置に基づいて設定し、射出速度
のクローズドループで射出制御を行って複数回の試しシ
ョットを行う。そして、時系列にショット間における圧
力偏差を求める。図14は、ロードセル圧力センサSe
1によりこのようにして求めたショット間の圧力偏差
(図14の)と、該ロードセル圧力センサSe1で検
出された射出圧(図14の)の検出例である。
【0024】図14において、圧力偏差の大きなピーク
が3か所に生じばらついているが、この圧力偏差が大き
く現れていることは、この点で速度制御でのフィードバ
ック補償が難しい外乱に弱い部分であり、金型内での流
路が狭く変化している部分に相当するものと推定でき
る。その結果、図15に示すように、スクリュ位置に基
づく、外乱による影響(金型形状による影響)に対する
ファジィ制御におけるメンバーシップ関数の値を得るこ
とができる。
【0025】さらに、上記複数回のショット時に、スク
リュ位置と時間の関係を検出し、ショット間の位置偏差
を求める。図16は求められたスクリュ位置()と各
ショットの位置偏差()をグラフ表示したものであ
る。図16の(ア)の部分から位置偏差が生じ、かつそ
の位置偏差はバラツキが生じていることがわかる。これ
は、充填完了近傍で速度追従が出来なくなったため、も
しくは保圧制御のため速度が変化しばらついたものと判
断される。この図16から、樹脂の充填率即ち速度追従
性のメンバーシップ関数の値を図17に示すように獲得
することができる。
【0026】図15に示すメンバーシップ関数の値は流
動変換点における流動抵抗に起因するものであり、この
点においては前述したように制御系のゲインを落し(ゲ
インを落とせば圧力偏差のばらつきも少なくなる)制御
系を安定にする必要がある。また、図17に示すメンバ
ーシップ関数の値は、樹脂の充填率の影響を示すもので
あり、前述したように速度の応答性は非常に少なくてよ
いものであり、ゲインを低下させることを意味する。そ
の結果、上記2つのメンバーシップ関数より制御対象へ
入力する制御入力量を求める。即ちこの場合、ゲインの
低下量を求める。通常のファジィ制御においては、メン
バーシップ関数の値の小さい方を採用するが、本発明に
おいては、ゲインを低下させる度合いであることから、
メンバーシップ関数の値の大きい方をとる。その結果、
図18に示すようなゲイン関数(金型内圧力応答)を得
る。この図18を用いて、ゲインを調整し、非線形のク
ローズドループを組むことも可能であるが、クローズド
ループの制御パラメータの調整が難しいことから、本発
明においては、圧力のクローズドループ制御と射出速度
のクローズドループ制御を重畳して同時に行い、上記図
18に基づくゲイン関数を速度指令に重畳させることに
よって制御する。即ち、図18に示すゲイン関数に基づ
きこの関数分(メンバーシップ関数の値)に対応する
分、速度指令を減少させる。速度指令を減少させれば、
実質的にゲインを低下させたことと等しくなり、かつ速
度を低下させれば、射出圧力も低下することから、金型
内の樹脂流動変換点や樹脂充填完了近傍における圧力や
位置の変動を防止させることができる。
【0027】図2は上述した方法により補正された速度
指令による速度クローズドループ制御と、射出圧力指令
パターンによる射出圧力のクローズドループを重畳して
実施する射出用サーボモータの駆動制御系のブロック図
である。所定周期毎の補正された速度指令Vcに、その
時点でロードセル圧力センサSe1により検出されてい
る検出射出圧力と射出圧力指令Pcとの間の偏差に所定
の比例ゲインKを乗じた値を加算して速度ループへの速
度指令とし、従来と同様の速度ループ処理を行い、さら
に従来と同様に電流ループ制御を行ってサーボアンプ1
5を介して射出用サーボモータM2を駆動することによ
って、ロードセル圧力センサSe1により検出される射
出圧力が射出圧力指令Pcに一致するように速度制御を
行うものである。
【0028】図1は、上述した方法による本発明の一実
施例を実施する電動式射出成形機30の要部を示すブロ
ック図であり、符号33は固定側金型39が取付けられ
た固定プラテン、符号32は可動側金型39が取付けら
れた可動プラテン、符号34は射出シリンダ、符号35
はスクリューである。可動プラテン32は、型締め用サ
ーボモータM1の軸出力により、ボールナット&スクリ
ューやトグル機構等から成る型締め機構31を介し、射
出成形機30のタイバー(図示せず)に沿って移動され
る。また、スクリュー35は、駆動源の軸回転を射出軸
方向の直線運動に変換するための駆動変換装置37を介
して射出用サーボモータM2により軸方向に駆動され、
また、歯車機構36を介してスクリュー回転用サーボモ
ータM3により計量回転されるようになっている。スク
リュー35の基部にはロードセル圧力センサSe1が設
けられ、スクリュー35の軸方向に作用する樹脂圧力、
即ち、射出工程における射出圧力や計量混練り工程にお
けるスクリュー背圧が検出される。射出用サーボモータ
M2にはスクリュー35の位置や移動速度を検出するた
めのパルスコーダP2が配備され、また、型締め用サー
ボモータM1には、可動プラテン32を駆動する型締め
機構31のトグルヘッドの位置を検出するためのパルス
コーダP1が配備されている。
【0029】射出成形機30を駆動制御する制御装置1
0は、数値制御用のマイクロプロセッサであるCNC用
CPU25、プログラマブルマシンコントローラ用のマ
イクロプロセッサであるPMC用CPU18、サーボ制
御用のマイクロプロセッサであるサーボCPU20、お
よび、ロードセル圧力センサSe1とA/D変換器16
を介して射出圧力やスクリュー背圧のサンプリング処理
を行うための圧力モニタ用CPU17を有し、バス22
を介して相互の入出力を選択することにより各マイクロ
プロセッサ間での情報伝達が行えるようになっている。
【0030】PMC用CPU18には射出成形機のシー
ケンス動作を制御するシーケンスプログラム等を記憶し
たROM13および演算データの一時記憶等に用いられ
るRAM14が接続され、CNC用CPU25には、射
出成形機30を全体的に制御するプログラム等を記憶し
たROM27および演算データの一時記憶等に用いられ
るRAM28が接続されている。
【0031】また、サーボCPU20および圧力モニタ
用CPU17の各々には、サーボ制御専用の制御プログ
ラムを格納したROM21やデータの一時記憶に用いら
れるRAM19、および、成形データのサンプリング処
理等に関する制御プログラムを格納したROM11やデ
ータの一時記憶に用いられるRAM12が接続されてい
る。更に、サーボCPU20には、該CPU20からの
指令に基いてエジェクタ用(図示せず),型締め用,射
出用およびスクリュー回転用等の各軸のサーボモータを
駆動するサーボアンプ15が接続され、型締め用サーボ
モータM1に配備したパルスコーダP1および射出用サ
ーボモータM2に配備したパルスコーダP2からの出力
の各々がサーボCPU20に帰還され、パルスコーダP
1からのフィードバックパルスに基いてサーボCPU2
0により算出された型締め機構31のトグルヘッドの現
在位置や、パルスコーダP2からのフィードバックパル
スに基いてサーボCPU20により算出されたスクリュ
ー35の移動速度およびその現在位置が、RAM19の
現在位置記憶レジスタおよび現在速度記憶レジスタの各
々に逐次更新記憶される。
【0032】インターフェイス23は射出成形機の各部
に配備したリミットスイッチや操作盤からの信号を受信
したり射出成形機の周辺機器等に各種の指令を伝達した
りするための入出力インターフェイスである。ディスプ
レイ付手動データ入力装置29はCRT表示回路26を
介してバス22に接続され、グラフ表示画面や機能メニ
ューの選択および各種データの入力操作等が行えるよう
になっており、数値データ入力用のテンキーおよび各種
のファンクションキー等が設けられている。
【0033】不揮発性メモリ24は射出成形作業に関す
る成形条件(射出条件,計量混練り条件等)と各種設定
値,パラメータ,マクロ変数等を記憶する成形データ保
存用のメモリである。不揮発性メモリ24には、さらに
補正された速度指令パターン及び射出圧力指令パターン
が記憶される。
【0034】上述した構成によって、まず、使用する金
型、樹脂に対して最適と思われる射出速度パターンをス
クリュ位置に対応して設定し、不揮発性メモリ24に記
憶させる。最適と思われる射出速度パターンとは、使用
する金型、樹脂と類似するような金型、樹脂によって良
成形品を得たときの設定射出速度パターン等を参考にし
て適していると思われる修正を加えながら設定する。
【0035】そして、複数回の捨てショットを行った
後、射出速度パターン、射出圧力パターン設定指令を入
力すると、制御装置10は射出速度パターン、射出圧力
パターンを得るための成形動作を開始する。射出工程に
なるとCNC用CPU25は設定された所定周期毎射出
速度パターンを読みだし当該周期の速度指令Vciをサ
ーボCPU20に出力し、サーボCPU20は、図2に
おいて、圧力のクローズドループを除去した処理を開始
する。即ち、上記速度指令VciとパルスコーダP2で
検出されフィードバックされるサーボモータの実速度に
基づいて従来と同様の速度ループ処理を行いトルク指令
を求め、このトルク指令と電流検出器(図示せず)で検
出される駆動電流のフィードバック信号に基づいて従来
と同様の電流ループ制御を行ってサーボアンプ15を介
して射出用サーボモータM2を駆動する。
【0036】一方、圧力モニタ用CPU17は、射出速
度パターン、射出圧力パターン設定指令が入力される
と、図3、図4に示す処理を開始し、まず、カウンタ
C、フラグf1、射出開始から射出、保圧が完了するま
でのサンプリング周期の数mだけ用意されている記憶部
Ai(ΔP)(ただしi=1〜mである)を「0」にセ
ットし、かつ、上記サンプリング周期の数mをレジスタ
Iにセットする(ステップS1)。なお、上記サンプリ
ング周期はCNC用CPU25が速度指令を出力する周
期と同一である。
【0037】次に、指標i、フラグf2、指令スクリュ
位置を求めるレジスタBを「0」にセットし(ステップ
S2)、射出中を示すフラグFが「1」にセットされて
いるか否か判断し、該フラグが「1」にセットされるま
で待機する(ステップS3)。なお、フラグFはPMC
用CPU18がシーケンスプログラムに従ってCNC用
CPU25に射出開始指令を出力したときにセットされ
るフラグであり、CNC用CPU25が射出工程の処理
を完了した時点でリセットされるようになっている。フ
ラグFの初期値はリセット状態の0である。
【0038】上記射出中を示すフラグFが「1」にセッ
トされると、タイマTに上記サンプリング周期をセット
しスタートさせ、該タイマTがタイムアップするのを待
つ(ステップS4、S5)。タイマTタイムアップする
と、再び該タイマTに上記サンプリング周期をセットし
てスタートさせると共に、指標iをインクリメントし、
ロードセル圧力センサSe1からA/D変換器16を介
して検出される射出圧力及び、サーボCPU20のRA
M内の現在値記憶レジスタに記憶されているスクリュの
現在位置を、該指標iで示されるサンプリング周期の検
出圧力P(i)、及びスクリュ位置Pos(i)として
読み取る(ステップS6、S7、S8)。
【0039】そして、フラグf1が「0」か否か判断
し、最初はステップS1で「0」にセットされているか
らステップS10に移行して、RAM12に設けられた
ファイルFL2の基準射出圧力を記憶する記憶部のアド
レスiに対応する位置に上記検出圧力P(i)を基準射
出圧力Pc(i)として格納する。
【0040】なお、図5は、ファイルFL1、FL2の
構成を説明する図であり、FL1は不揮発性メモリ24
に格納されるファイルで、該ファイルには上記サンプリ
ング周期毎の設定射出速度指令Vc(i)が各アドレス
に記憶されると共に、基準射出圧力Pc(i)も各アド
レス毎に記憶される。また、FL2は、RAM12に設
けられたファイルで、該ファイルには、各アドレス毎
に、基準射出圧力Pc(i)、後述する圧力偏差の積算
値Ai(ΔP)、第1、第2メンバーシップ関数の値α
i、βi、第1、第2メンバーシップ関数の値αi、β
iより求められる速度指令補正用の値(ゲイン関数)γ
iが各アドレスに記憶されるようになっている。
【0041】次に、指標iが射出(保圧も含む)工程中
のサンプリング周期毎に行われるサンプリング数mより
小さいか否か判断し(ステップS19)、小さければ、
射出保圧工程が終了していないものであるから、ステッ
プS5に移行し、再びステップS5〜ステップS10、
及びステップS19の処理を指標iがサンプリング数m
になるまで繰り返し実行し、基準射出圧力Pc(i)を
検出しファイルFL2に格納する。
【0042】かくして、射出、保圧工程が終了し指標i
がmに達すると、基準射出圧力Pc(i)のパターン検
出処理である初回の射出工程が終了したことを示すフラ
グf1を「1」にセットし、射出工程(ショット)を計
数するカウンタCをインクリメントし(ステップS2
0、S21)、成形条件変更指令が入力されているか否
か判断する(ステップS22)。ステップS22の処理
は、オペレータがこの射出速度パターン、射出圧力パタ
ーン設定処理を開始させているにも拘らず、再度成形条
件を変更しようとして成形条件変更指令が入力されたと
きに対応するためのものであり、この指令が入力されて
いると、この処理をそのまま終了し、再度射出速度パタ
ーン、射出圧力パターン設定指令が入力されることに基
づいてステップS1からの処理を開始するようになる。
【0043】また、この成形条件変更指令の入力がなけ
れば、ステップS23に移行してカウンタCの値が予め
設定されている設定値C0 に達したか否か判断し、達し
ていなければ、ステップS2に戻り、ステップS2以下
の処理を開始するが、この場合、フラグf1がすでにス
テップS20で「1」にセットされているから、ステッ
プS9からステップS11に移行し、フアイルFL2に
記憶された当該サンプリング周期(指標iで示される周
期)に対応する基準射出圧力Pc(i)からステップS
8で検出された射出圧力P(i)を減じて、当該周期に
おける基準射出圧力Pc(i)と検出圧力P(i)の偏
差ΔP(i)を求め、該偏差ΔP(i)をフアイルFL
2に設けた、当該周期の圧力偏差の積算値を記憶する記
憶部Ai(ΔP)の記憶値に加算し、当該記憶部に記憶
する(ステップS11、S12)。
【0044】次に、位置偏差増大点検知を記憶するフラ
グf2が「0」か否か判断し(ステップS13)、最初
はステップS2で「0」にセットされているから、ステ
ップS14に移行して、当該周期の速度指令Vciにサ
ンプリング周期Tを乗じスクリュ指令位置を求めるレジ
スタBに加算する。図7、図16に示すように射出速度
のクローズドループ制御を行っているときは金型内への
樹脂の充填率が低い初期の段階ではスクリュ位置は指令
に完全に追従するから、各サンプリング周期の速度指令
値Vciにサンプリング周期Tを乗じた値を加算すれ
ば、速度指令により指令されたスクリュ位置が求められ
る。そして、このレジスタBに記憶されるスクリュ指令
位置からステップS8で検出される現在のスクリュ位置
を減じて位置偏差を求め、該位置偏差が設定値ε以上か
否か判断する(ステップS15)。射出開始の初期の状
態では金型内への樹脂の充填率は低く、この状態では図
16に示すようにスクリュは指令どおりに追従するから
位置偏差は設定値εより小さい。このときは、ステップ
S19に移行し、指標iがmに達しているか否か判断し
達していなければステップS5に移行して、ステップS
5〜S9、S11〜15、S19の処理を繰り返し行
い、各記憶部Ai(ΔP)に圧力偏差を積算し、位置偏
差が設定値ε以上か否か判断する。
【0045】樹脂が金型内に充填されその充填率が高ま
り、図16に示すように、指令されたスクリュ位置と実
際のスクリュ位置にずれが生じその位置偏差(B−Po
s(i))が設定値ε以上になると、ステップS15か
らステップS16に移行し、その時の指標iがレジスタ
Iに記憶する値(この初期値はステップS1でmにセッ
トされている)より小さいか否か判断し、小さければ、
該レジスタIに指標iの値を格納し(ステップS1
7)、フラグf2を「1」にセットし(ステップS1
8)、指標iがmより小さければ、再びステップS5に
戻り、前述したステ5以下の処理を実行する。なお、ス
テップS16で、指標iの値がレジスタIに記憶する値
以上であるときには、レジスタIの書き替えを行わずに
ステップS18に進む。
【0046】以下、指標iがmに達するまでステップS
5以下の処理を実行し、ファイルFL2の各アドレスi
の記憶部Ai (ΔP)に基準射出圧力との圧力偏差を積
算するが、すでにフラグf2が「1」にセットされてい
るから、ステップS13からステップS19に移行し
て、位置偏差増大位置の検出処理(ステップS14〜S
18)は実行しない。かくして、指標iがmに達する
と、前述したステップS20〜S23の処理を行い、カ
ウンタCの値が設定値C0 に達してなければ再びステッ
プS2以下の前述した処理を実行する。以下、カウンタ
Cの値が設定値C0に達するまでステップS2〜ステッ
プS23の処理を繰り返し行い圧力偏差ΔPを記憶する
各アドレスiの記憶部Ai (ΔP)に各アドレスiにお
ける圧力偏差を積算する(ステップS12)と共に、位
置偏差(B−Pos(i))がεを越えたときの指標iの
一番小さい値をレジスタIに記憶する(ステップS15
〜S18)。
【0047】カウンタCの値が設定値C0 に達すると、
ファイルFL2の各記憶部Ai (ΔP)に記憶する基準
射出圧力との圧力偏差の積算値の絶対値の最大値Max
Aを求める(ステップS24)。該最大値MaxAで各
アドレスの記憶部Ai (ΔP)に記憶する圧力偏差の積
算値の符合を無視した値を除して、該最大値を「1」と
する圧力偏差によるメンバーシップ関数1の値αi(α
iの符合は常に正)を求め、ファイルFL2に格納する
(ステップS25)。
【0048】同一の速度指令パターンでショット(射
出)を行い、最初のショットで得られた射出圧力波形に
対して以後のショットの射出圧力との圧力偏差の積算値
が大きいということは、その積算値の大きいスクリュ位
置(アドレスiの位置)で射出圧力にばらつきがあるこ
とであり、その位置は樹脂流路が狭い等による樹脂流動
抵抗が大きく制御が不安定な位置であることを示してい
る。その結果、上記メンバーシップ関数1の値αiの大
きさが上記制御不安定の度合いを示すことになり、後述
するように、この位置においては速度指令Vcを減少さ
せて安定した制御を行うようにさせる。
【0049】次に、レジスタIに記憶する位置偏差の増
大位置のアドレス位置より、設定されている比率(1/
q)で1になるまで増加させる位置偏差によるメンバー
シップ関数の値βiを求め、ファイルFL2に記憶する
(ステップS26)。即ち、便宜的にレジスタIに記憶
する値がIであったとすると、アドレスiが1〜(I−
1)までは該メンバーシップ関数の値βiを「0」、ア
ドレスIのメンバーシップ関数の値β(I)を「1/
q」、次のアドレス(I+1)のメンバーシップ関数の
値β(I+1)を「2/q」、以下、β(I+2)=3
/q、…β(I+q−1)=q/q=1とし、以後のβ
(I+q)からβmまでを「1」とする。
【0050】そして、2つのメンバーシップ関数の値α
i、βiの内大きい方の値を射出速度指令を補正するた
めの制御入力量としての値γiとして各アドレス毎に求
め、ファイルFL2に記憶する(ステップS27)。次
に、各アドレス位置に射出速度指令Vciからこうして
求めた制御入力量γiに設定比例定数kを乗じた値を減
じて補正された射出速度指令を求め不揮発性メモリ24
のファイルFL1に記憶された射出速度指令Vciを書
き替え、さらにファイルFL2に記憶する射出圧力Poi
を不揮発性メモリ24のファイルFL1に格納し射出圧
力指令パターンとし(ステップS28、S29)、この
射出速度パターン、射出圧力パターン設定処理を終了す
る。
【0051】以上のようにして、メンバーシップ関数の
値αi、βiに基づく制御入力量γiにより、樹脂の流
路が狭くなる等により樹脂の流動抵抗が変動し制御が不
安定になる位置において、さらに、金型内の樹脂充填率
が増大してスクリュが指令に追従できなくなるような位
置からは、指令速度Vciが減少された速度指令パター
ンを得ることができる。
【0052】こうして射出速度パターン、射出圧力パタ
ーンが設定された後、射出成形機に連続成形指令を入力
すると、制御装置10は、射出工程になると、CNC用
CPU18は各サンプリング周期毎ファイルFL1に記
憶された速度指令VciをサーボCPU20に出力し、
サーボCPU20は図2に示す射出速度のクローズドル
ープ処理と射出圧力クローズドループ処理を実行する。
即ち、サーボCPU20はファイルFL1からサンプリ
ング周期毎射出圧力指令Poiを読み取り、該射出圧力指
令Poiからロードセル圧力センサSe1からフィードバ
ックされてくる実射出圧力を減じて圧力偏差を求め該圧
力偏差に設定比例定数Kを乗じた値を、CNC用CPU
18から送られてくる速度指令Vciに加算し、補正さ
れた速度指令を求め該補正速度指令とパルスコーダP2
によって求められる実速度のフィードバックにより従来
と同様の速度ループ制御を行いトルク指令を求め、該ト
ルク指令と電流検出器からのフィードバック信号により
従来と同様の電流ループ制御を行い射出用サーボモータ
M2を駆動し射出(保圧を含む)を実行することにな
る。
【0053】樹脂の流路が狭くなる等により樹脂の流動
抵抗が変動し制御が不安定になる位置、金型内の樹脂充
填率が増大してスクリュが指令に追従できなくなるよう
な位置においては、指令射出速度が落とされることによ
り制御の不安定さが解消され、安定した射出制御がで
き、簡単に良成形品を得る射出速度指令パターン、射出
圧力指令パターンを得ることができる。
【0054】なお、上記実施例においては、メンバーシ
ップ関数の値αiを求める際に、圧力偏差ΔPが生じる
位置は、その位置で樹脂流路が狭くなる等により制御が
不安定になっている位置として、圧力偏差ΔPを積算し
た値Ai(ΔP)によって該メンバーシップ関数の値α
iを求めた。それは、圧力偏差ΔPが生じる各位置にお
いては、同一符合の圧力偏差が生じるものとして、単に
該圧力偏差ΔPを積算するだけでよいものとした。しか
し、同一スクリュ位置において、圧力偏差にバラツキが
あり、正、負の圧力偏差が生じ、この圧力偏差ΔPを積
算した時、正、負の圧力偏差が打ち消しあい、小さな積
算値、さらには「0」となる場合も考えられる。そのた
め、より正確にするに、図3のステップS11で求めた
圧力偏差ΔPの絶対値を記憶部Ai(ΔP)に積算する
ことによって、圧力偏差ΔPの符合を無視し、圧力偏差
ΔPのバラツキを考慮したステップS24、S25にお
ける圧力偏差ΔPの絶対値の積算値、及び圧力偏差ΔP
の絶対値の積算値によるメンバーシップ関数の値αiを
求めるようにしてもよい。
【0055】さらに、スクリュ位置において、ある位置
では、正の圧力偏差ΔPが各ショット毎生じ、他の場所
では負の圧力偏差ΔPが各ショット毎生じるという現象
が生じる場合もある。この場合でも上記実施例では、圧
力偏差ΔPが生じる位置は制御が不安定な位置として、
指令射出速度を低下させるようにメンバーシップ関数の
値αiを求めるようにした。しかし、圧力偏差ΔPが負
の場合(Pc(i)<P(i))は、基準射出圧力パタ
ーンでは指令射出速度指令が高すぎるものとしてその速
度指令を低下させ、圧力偏差ΔPが正の場合(Pc
(i)>P(i))は、指令射出速度指令が低く増大さ
せることが可能として、圧力偏差ΔPの積算値の符合に
合わせて正負のメンバシープ関数の値αiを求め、指令
射出速度VCiを増減させるようにしてもよい。
【0056】
【発明の効果】本発明は、複数回の射出成形によって簡
単に射出速度指令パターン及び射出圧力指令パターンを
得ることができる。しかも、金型や樹脂の種類によって
異なる制御対象に対して、制御系が不安定となる箇所に
対してゲインを低下させる等の非線形のゲインを設定す
る代わりに、制御系が不安定となる箇所に対して速度指
令を低下させることによって対応したから、制御系のゲ
インを変更させる必要がなく、かつ、この制御系のゲイ
ンも従来の制御系と比較し、大きくすることができ、追
従精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の射出制御方法を実施する一実施例の電
動式射出成形機の要部ブロック図である。
【図2】同実施例におけるサーボモータ制御系のブロッ
ク図である。
【図3】同実施例における射出速度指令パターン及び射
出圧力指令パターンを得る処理のフローチャートの一部
である。
【図4】同フローチャートの続きである。
【図5】同実施例において、メモリに設けられるファイ
ルの説明図である。
【図6】樹脂圧を検出する実験における圧力センサの取
り付け位置を説明する説明図である。
【図7】射出速度のクローズドループ制御を行って得ら
れた射出速度、各圧力センサでの検出圧力を描画した実
験結果を示す図である。
【図8】射出圧力のクローズドループ制御を行って得ら
れた射出速度、各圧力センサでの検出圧力を描画した実
験結果を示す図である。
【図9】射出開始を起点とし各圧力センサが圧力を感知
した時間遅れのばらつきを測定した実験結果を表す図で
ある。
【図10】再生材混合比を変えて成形を行って得られた
成形品の重量のばらつきを測定した実験結果を示す図で
ある。
【図11】射出速度のクローズドループ制御による成形
を行い検出射出圧力にピークが生じている成形の射出速
度波形と射出圧力波形を示す図である。
【図12】図11の射出圧力波形を編集し、ピークをと
った射出圧力波形を射出圧力指令パターンとして射出圧
力のクローズドループ制御を行ったときの射出速度波形
と射出圧力波形を示す図である。
【図13】射出速度一定で、20mm/sから60mm
/sまで5mm/sまで速度を増やし、射出速度のクロ
ーズドループ制御による成形を行ったとき射出圧力を測
定した実験結果を示す図である。
【図14】同一射出条件で射出速度のクローズドループ
制御による成形を数回行って得られた射出圧力波形と各
成形における射出圧力偏差を示す図である。
【図15】図14から得られるメンバーシップ関数の値
を示す図である。
【図16】同一射出条件で射出速度のクローズドループ
制御による成形を数回行って得られたスクリュ位置と各
成形におけるスクリュ位置偏差を示す図である。
【図17】図16から得られるメンバーシップ関数の値
を示す図である。
【図18】図15及び図17から得られる制御入力量と
してのゲイン関数である。
【符号の説明】
10 制御装置 15 サーボアンプ 17 圧力モニタ用CPU 20 サーボCPU 24 不揮発性メモリ 25 CNC用CPU 30 電動式射出成形機 35 スクリュー M2 射出用サーボモータ P2 パルスコーダ Se1 ロードセル圧力センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 根子 哲明 山梨県南都留郡忍野村忍草字古馬場3580番 地 ファナック株式会社内 (72)発明者 平賀 薫 山梨県南都留郡忍野村忍草字古馬場3580番 地 ファナック株式会社内 (72)発明者 長谷 元弘 山梨県南都留郡忍野村忍草字古馬場3580番 地 ファナック株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 射出速度のクローズドループ制御を行う
    と共に同時に重畳して射出圧力のクローズドループ制御
    を行う射出成形機の射出制御方法において、設定された
    射出速度指令パターンにより射出速度のクローズドルー
    プ制御のみの射出制御による成形を行い、全射出区間の
    射出圧力パターンを取得し、その後1以上の射出速度の
    クローズドループ制御のみの射出制御による成形を行
    い、上記射出圧力パターンとの射出圧力偏差を全射出区
    間求め、該射出圧力偏差に基づいて上記射出速度指令パ
    ターンを修正し、該修正した射出速度指令パターンを上
    記射出速度のクローズドループ制御における射出速度指
    令パターンとし、上記取得した射出圧力パターンを射出
    圧力のクローズドループ制御の射出圧力指令パターンと
    することを特徴とする射出成形機の射出制御方法。
  2. 【請求項2】 射出速度のクローズドループ制御を行う
    と共に同時に重畳して射出圧力のクローズドループ制御
    を行う射出成形機の射出制御方法において、設定された
    射出速度指令パターンにより射出速度のクローズドルー
    プ制御のみの射出制御による成形を行い、全射出区間の
    射出圧力パターンを取得し、その後1以上の射出速度の
    クローズドループ制御のみの射出制御による成形を行
    い、上記射出圧力パターンとの射出圧力偏差を全射出区
    間求めると共に、スクリュの指令位置と実際の位置との
    位置偏差増大点を求め、該射出圧力偏差と位置偏差増大
    点に基づいて上記射出速度指令パターンを修正し、該修
    正した射出速度指令パターンを上記射出速度のクローズ
    ドループ制御における射出速度指令パターンとし、上記
    取得した射出圧力パターンを射出圧力のクローズドルー
    プ制御の射出圧力指令パターンとすることを特徴とする
    射出成形機の射出制御方法。
  3. 【請求項3】 上記位置偏差増大点より以後の所定区間
    に亙って所定比率で増大させ、その後一定とした値に基
    づいて射出速度指令パターンを修正する請求項2記載の
    射出成形機の射出制御方法。
  4. 【請求項4】 上記射出圧力偏差による射出速度指令パ
    ターンの修正は得られた射出圧力偏差の最大値で該射出
    圧力偏差を除した値に基づいて行う請求項1、請求項2
    若しくは請求項3記載の射出成形機の射出制御方法。
  5. 【請求項5】 射出速度のクローズドループ制御を行う
    と共に同時に重畳して射出圧力のクローズドループ制御
    を行う射出成形機の射出制御方法において、設定された
    射出速度指令パターンにより射出速度のクローズドルー
    プ制御のみの射出制御による成形を行い、全射出区間の
    射出圧力パターンを取得し、その後1以上の射出速度の
    クローズドループ制御のみの射出制御による成形を行
    い、上記射出圧力パターンとの射出圧力偏差を全射出区
    間求めると共に、スクリュの指令位置と実際の位置との
    位置偏差増大点を求め、得られた射出圧力偏差の最大値
    で全区間における各射出圧力偏差を除した値と上記位置
    偏差増大点より以後の所定区間で1に達するよう所定比
    率で増大させその後1とした値の大きい方を速度指令補
    正用の値として全区間に亙って求め、該速度指令補正用
    の値に所定比率を乗じた値を上記射出速度指令パターン
    から減じて、修正した射出速度指令パターンを求め、該
    修正した射出速度指令パターンを上記射出速度のクロー
    ズドループ制御における射出速度指令パターンとし、上
    記取得した射出圧力パターンを射出圧力のクローズドル
    ープ制御の射出圧力指令パターンとすることを特徴とす
    る射出成形機の射出制御方法。
  6. 【請求項6】 上記射出圧力偏差は、複数回の成形によ
    って得られる射出圧力偏差の積算値である請求項1、請
    求項2、請求項3、請求項4若しくは請求項5記載の射
    出成形機の射出制御方法。
  7. 【請求項7】 上記射出圧力偏差の積算値は、各成形に
    おける射出圧力偏差の絶対値を積算したものである請求
    項6記載の射出成形機の射出制御方法。
  8. 【請求項8】 上記位置偏差増大点は複数回の成形によ
    って得られる位置偏差増大点の最小スクリュ前進位置と
    する請求項2、請求項3若しくは請求項5記載の射出成
    形機の射出制御方法。
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