JPH08207009A

JPH08207009A - 積層板

Info

Publication number: JPH08207009A
Application number: JP32242395A
Authority: JP
Inventors: Tomiyasu Honda; 富泰本多
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1995-11-17
Filing date: 1995-11-17
Publication date: 1996-08-13

Abstract

(57)【要約】【目的】合板の代替品として家屋内装や家具等におけ
る表面材料または化粧材料に使用することができ、表面
性に優れた複合板を提供する。【構成】繊維方向が互いに直交するように単板１、２
を積層して複合板３とし、その表面に針葉樹材による木
質繊維板４を表面板として積層し、一体的に熱厚プレス
して製造される複合板である。その表面に更に化粧シー
ト状物による化粧シート層を設けることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、建築の内装や家具等に
おいて表面材料または化粧材料として使用される積層板
に関する。

【０００２】

【従来の技術】このような用途に用いられる木質材料と
して、一般に、天然木材からなる薄板（以下単板とい
う）をその繊維方向を互いに直交させて積層接着して得
られる合板や、その表面に天然薄単板や化粧紙等の化粧
シートをラミネートして得られる化粧板が広く用いられ
ている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】合板は、天然木材を薄
く剥ぎ取った単板を積層接着して製造するものである
が、天然資源の枯渇問題が世界的に大きく取り上げられ
ている近年において、原材料である原木を伐採すること
が困難になると共に原木の質が低下し、表単板に使用す
る良質の単板を多量に得ることが難しくなっているた
め、品質の優れた合板を多量に市場に供給することが困
難となってきている。

【０００４】また、特に合板表面に良質単板を使用する
ことができないと、その表面に接着する天然薄単板や化
粧紙等の化粧シートを通して、合板表面の欠点が露見し
てしまい、化粧板としての商品価値が低下してしまう等
の問題があった。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、従来技術の有
するこれらの問題点を一挙に解決することのできる新規
な積層板を提供することを目的として鋭意工夫の結果完
成されたものであり、天然木材からなる単板をその繊維
方向を互いに直交して貼合わせてなる複合板の表面に、
針葉樹材より得られる針葉樹繊維板を表面板として積層
接着してなることを特徴とする積層板である。

【０００６】

【発明の実施の形態】表面板をなす針葉樹繊維板として
は、針葉樹の原木を切削した木材チップを解繊して得ら
れる針葉樹木質繊維を圧締成型したハードボード、ＭＤ
Ｆ（中質繊維板）、インシュレーションボード等であっ
て、例えば０．５〜５ｍｍ程度の板厚のものが好適に用
いられる。

【０００７】複合板は、表面板とほぼ同様の厚みを有
し、従来より合板に広く使用されている広葉樹単板、針
葉樹単板を用い、これら単板の繊維方向が、一般に合板
を構成する場合のように、互いに直交するように貼着し
て得られるものである。

【０００８】上記のように、各単板２、３と表面板１と
はいずれも同等の厚みを有するものであり、例えば表面
板の厚さが６ｍｍ未満の場合には該表面板との差が１ｍ
ｍ以内の範囲である厚みの単板を、また表面板の厚さが
６ｍｍ以上の場合には該表面板との差が２ｍｍ以内の範
囲である厚みの単板を用いることができる。単板が表面
板よりも実質的に厚いものとなると、積層した単板の繊
維方向と直交する方向と平行方向との間で大きく異なる
収縮膨張の動きに起因する反りを表面板で拘束する効果
が不十分となる。逆に表面板の方が単板よりも実質的に
厚いものとなると、単板積層体としてのヤング率が相対
的に低下して曲げ強度が損なわれる。

【０００９】本発明の積層板は、３プライ、５プライ、
７プライのような奇数枚を積層枚数として板厚を増すこ
とができるが、表面板には、上記のように針葉樹材より
得られる針葉樹繊維板が用いられることが必須となる。
また、従来一般に用いられる合板のように、３プライ、
５プライ、７プライと奇数枚を積層枚数とする複合板を
用い、その表面に針葉樹繊維板を表面板として貼着し
て、偶数枚の積層枚数とされた複合板としても良い。

【００１０】これら表面板、単板の接着には、熱硬化性
接着剤が広く用いられるが、特に限定されるものではな
い。

【００１１】本発明の積層板は、例えば、接着剤を介し
て各単板をその繊維方向が互いに直交するように積層
し、更にその上に針葉樹繊維板よりなる表面板を積層
し、常法に従い熱圧プレスすることによって製造され
る。

【００１２】このようにして得られる積層板の表面に、
更に天然薄単板、化粧紙等からなる化粧シート層を積層
接着することができる。化粧シート層をなす化粧シート
状物としては、例えば、厚み０．２〜３ｍｍ程度の天然
木材を切削して得られる天然薄単板、２０〜４０ｇ／ｍ
^２の化粧紙、３２〜５００ｇ／ｍ^２の不織布、５０ｇ／
ｍ^２のパーチメント紙等の柄模様印刷や単色の塗装が施
されたものを用いることができる。あるいは、化粧シー
ト状物の接着後、上塗り工程を設けることもできる。

【００１３】化粧シートの接着は、熱可塑性接着剤、例
えば酢酸ビニル樹脂等に耐水性向上のために熱硬化性樹
脂又は尿素粉末等を混入したものを用い、熱圧プレスあ
るいはロールプレスにより行うことができる。

【００１４】表面板として用いられる針葉樹繊維板は工
場製品として均一な材料であるため、常に平滑で均質な
表面が得られる。

【００１５】また、表面に更に化粧シート層が設けられ
る場合、該化粧シート層を通して表面板の欠点が露見さ
れることがない。

【００１６】

【実施例】図１は本発明による積層板の一例を示し、繊
維方向が互いに直交するように単板１、２を積層して得
られる複合板３の表面に、表面板として針葉樹繊維板４
が積層され、これらを一体的に熱厚プレスして得られた
ものである。

【００１７】図２は、図１の積層板の表面に更に化粧シ
ート状物を積層接着して化粧シート層５を形成した例を
示す。

【００１８】

【発明の効果】本発明による積層板は、表面板として工
場製品である木質繊維板が用いられているので、板厚お
よび表面平滑性が共に均質な材料であり、表面性がきわ
めて良好である。

【００１９】表面板として用いられる木質繊維板は、単
板として使用できないような欠点のある原木であって
も、これを解繊して製造することができるので、資源の
有効利用となり自然破壊の防止に役立つことができる。

【００２０】木質繊維板として針葉樹材より得られる針
葉樹繊維板を用いることで、木目が明瞭に表現された表
面板となり、意匠性を向上させることができる。

【００２１】また、表面に化粧シート状物による化粧シ
ート層を設けることにより平滑な化粧面が得られ、表面
板の欠点が化粧シート層を通して外部に露見することが
ない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例による積層板の構成を示す断
面図である。

【図２】本発明の他の実施例による積層板の構成を示す
断面図である。

【符号の説明】

１単板２単板３複合板４表面板（針葉樹繊維板）５化粧シート層

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】天然木材からなる単板をその繊維方向
を互いに直交して貼合わせてなる複合板の表面に、針葉
樹材より得られる針葉樹繊維板を表面板として積層接着
してなることを特徴とする積層板。
【請求項２】上記表面板の表面に、更に天然薄単
板、化粧紙等からなる化粧シート層が設けられることを
特徴とする請求項１の積層板。