JPH0820674A - 大型タイヤトレッド用ゴム組成物 - Google Patents
大型タイヤトレッド用ゴム組成物Info
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- JPH0820674A JPH0820674A JP6180719A JP18071994A JPH0820674A JP H0820674 A JPH0820674 A JP H0820674A JP 6180719 A JP6180719 A JP 6180719A JP 18071994 A JP18071994 A JP 18071994A JP H0820674 A JPH0820674 A JP H0820674A
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Abstract
に好適な高水準の耐摩耗性能と低発熱性(高反発弾性)
を兼備する大型タイヤトレッド用ゴム組成物。 【構成】 下記 (1)〜(5) の選択的特性を備えるファー
ネスカーボンブラックをゴム成分 100重量部に対し35〜
100 重量ぶの割合で配合した大型タイヤトレッド用ゴム
組成物。 (1)窒素吸着比表面積(N2SA):135〜150m2/g (2)CTAB吸着比表面積:130〜140m2/g (3)圧縮DBP吸油量:85〜95ml/100g (4)DstとΔDstの関係: 0.519×Dst+8.0 ≦ΔDst
≦0.519 ×Dst+32.6 (5)Dp とΔDp の関係: 0.776×Dp +1.5 ≦ΔDst
≦0.776 ×Dp +40.5
Description
型車に装着して優れた耐摩耗性ならびに低発熱性(高反
発弾性)を兼備する低燃費タイヤに有効な大型タイヤト
レッド用ゴム組成物に関する。
備特性に応じた多様の品種があり、これらの品種特性が
配合したゴム組成物の諸性能を決定付ける主要な因子と
なる。このため、通常、ゴムへの配合に当たっては、部
材用途に適合する品種特性のカーボンブラックを選定使
用する手段が慣用されている。
に対応するため低燃費タイヤの開発が盛んにおこなわれ
てきたが、このような低燃費タイヤに対しては比較的粒
子径が大きな品種のカーボンブラックを相対的に少ない
量でゴム成分に配合した低発熱性で高反発弾性を備える
ゴム組成物が有効とされている。ところが、粒子径が大
きく比表面積の小さなカーボンブラックを配合したゴム
組成物は、低燃費性能を改善する目的には有効である
が、湿潤路面での制動性および耐摩耗性といった面の特
性減退が避けられない。したがって、粒子径が小さい
(高比面積)カーボンブラックを用いて配合ゴムに高耐
摩耗性と低発熱性(高反発弾性)とを同時に付与するこ
とができれば、低燃費化を対象とするタイヤトレッド用
ゴム部材として理想的なものとなる。
あるゴム性能を、配合するカーボンブラックの特性面、
とくに粒子径、比表面積、ストラクチャー等の基本特性
に加えてよりミクロな選択的特性を付加することによっ
て両立させる研究を系統的に継続しており、既に以下の
ような開発提案をおこなっている。 (1) BET比表面積(N2SA)が60m2/g以上のハード系領
域に属し、かつDstモード径≧4.35×〔電子顕微鏡粒子
径(dn)〕+26.8、ΔDst≧0.6118×Dstモード径+30.
6、圧縮DBP吸油量≧112ml/100g の選択的特性を
有し、配合ゴムに高補強性能と高反発弾性を同時に付与
することができる高弾性ゴム用カーボンブラック(特開
昭59−184231号公報) 。 (2) 窒素吸着比表面積(N2SA)60m2/g以上でDBP吸油
量が108ml/100g 以上のハード系領域に属し、かつ真
比重≦−0.0006(N2SA )+1.8379、着色力(%) ≧0.6979
(N2SA)−0.4278(DBP) +203.3 、凝集体分布巾(ΔDst)
≧0.6118(Dstモード径) +30.6の選択的特性を備える
ファーネスカーボンブラックをゴム成分100重量部に
対し25〜250重量部の割合で配合した高耐摩耗性と
高反発弾性を兼備するゴム組成物(特開昭59−140241号
公報) 。 (3) 窒素吸着比表面積(N2SA)が100〜200m2/gのハ
ード系領域に属し、かつ〔T=ΔDst50×ΔDst75×
R〕式で定義されるアグリゲートサイズ分布指数(T)
の値が〔4100−18.1(N2SA)<T<7700−25.5(N2SA)〕式
の関係(ΔDst50は遠心沈降法による凝集体ストークス
モード径分布の半値巾(nm)、ΔDst75は前記凝集体スト
ークスモード径分布の3/4 値巾(nm)、Rは前記凝集体ス
トークスモード径分布の最大吸光度を示す。)を満たす
カーボンブラックをゴム成分100重量部に対し35〜
100重量部の割合で配合した大型タイヤトレッド用に
好適なゴム組成物(特開昭63−112638号公報) 。 (4) 窒素吸着比表面積(N2SA)が70〜185m2/gの範囲
にあり、かつ2点の極大値をもつ凝集体ストークスモー
ド径分布であって〔L(nm)=Dstモード径2 −Dstモー
ド径1 〕式(Dstモード径1 は遠心沈降法による凝集体
ストークスモード径分布における第1極大点のモード径
(nm)、Dstモード径2 は前記凝集体ストークスモード径
における第2極大点のモード径(nm)を指す。) で算出さ
れる距離差(L)が〔20≦L≦110 −0.3(N2SA) 〕式を
満足するアグリゲート特性範囲のカーボンブラックをゴ
ム成分100重量部に対し35〜100重量部の割合で
配合してなる大型タイヤトレッド用として好適なゴム組
成物(特開昭63−179941号公報) 。 (5) 窒素吸着比表面積(N2SA)が110〜155m2/gのハ
ード領域に属し、かつ〔D=[DBP(ml/100g)]−[24M4DBP
(ml/100g)]〕式で定義されるD値及び〔K=[ΔDst/
Dstストークスモード径(nm)] ×[N2SA(m2/g) /IA(mg/
g)]2×[ B(%)]〕式で定義されるK値が、1<D<20、
80<K<165 、[0.667(N2SA)−13.37 <K−1.96D<(N
2SA)+10] (但し、Bはブラックス、Dstストークスモ
ード径は遠心沈降法による凝集体ストークス相当径分布
における最大頻度のストークス相当径、ΔDstは前記分
布における最大頻度の50%の頻度が得られる大小2点の
ストークス相当径の差を指す。)を満足するカーボンブ
ラックをゴム成分100重量部に対し35〜100重量
部の割合で配合した大型タイヤトレッドに好適なゴム組
成物(特開昭63−297439号公報) 。 (6) 窒素吸着比表面積(N2SA)が60〜160m2/g、DB
P吸油量90〜150ml/100g のハード系領域に属し、
かつ凝集体空隙容積Vp(ml/g) が[0.00976×DBP吸油
量−0.0358] 式の算出値以上の選択的特性を有するタイ
ヤトレッド用カーボンブラック(特開平2−32136 号公
報) 。
タイヤに対する材質要求はますます厳しくなっており、
前記の先願発明によるカーボンブラックやゴム組成物で
も最近の要求性能に応えることが難しくなっているのが
現状である。
く開発研究において、窒素吸着比表面積(N2SA)が135
〜150m2/gの範囲にあり、CTAB吸着比表面積およ
び圧縮DBP吸油量が一定範囲にあるハード系領域のフ
ァーネスカーボンブラックであって、アグリゲートのス
トークス径の半値幅(ΔDst) がストークスモード径
(Dst) との関係で一定関係式値の範囲にあり、さらに
アグリゲート粒間のポア径分布の半値幅 (ΔDp)がポア
径分布のモード径(Dp)との関係で一定関係式値の範囲
内にあるカーボンブラックを配合したゴム組成物は、バ
スやトラック等の大型タイヤのトレッド部材として好適
なゴム物性が得られる事実を解明した。
されたもので、その目的とするところは、バスやトラッ
ク等の大型車を対象とする低燃費タイヤに好適な高水準
の耐摩耗性とならびに低発熱性(高反発弾性)を兼備す
る大型タイヤトレッド用ゴム組成物を提供することにあ
る。
めの本発明による大型タイヤトレッド用ゴム組成物は、
下記 (1)〜(5) の選択的特性を備えるファーネスカーボ
ンブラックを、ゴム成分100重量部に対し35〜10
0重量部の割合で配合してなることを構成上の特徴とす
るものである。 (1) 窒素吸着比表面積(N2SA);135〜150m2/g (2) CTAB吸着比表面積;130〜140m2/g (3) 圧縮DBP吸油量;85〜95ml/100g (4) Dstモード径とΔDstの関係; 0.519 ×Dst+8.0 ≦ΔDst≦0.519 ×Dst+32.6 (5) Dp モード径とΔDp の関係; 0.776 ×Dp +1.5 ≦ΔDp ≦0.776 ×Dp +40.5
には、以下の測定方法によって得られる値が用いられ
る。 窒素吸着比表面積(以下「N2 SA」という);AST
M D3037−88“Standard Test Method for Car
bon Black-Surf-ace Area by Nitrogen Absorption”Me
thodBによる。この方法によるIRB#6の測定値は、7
6m2/gである。 CTAB吸着比表面積(以下「CTAB」という);A
STM D3765−89“Standard Test Method for
Carbon Black-CTAB(Cetyltrimethyl ammonium bromid
e)Surface Area ”による。 圧縮DBP吸油量(以下「24M4DBP」という);AS
TM D3493−91“Standard Test Method for C
arbon Black- DibutylPhthalate Absorption Number of
Compressed Sample”による。
びΔDst;JIS K6221(1982)5「乾燥試料の作
り方」に基づいて乾燥したカーボンブラック試料を少量
の界面活性剤を含む20容量%エタノール水溶液と混合
してカーボンブラック濃度50mg/lの分散液を作製し、
これを超音波で十分に分散させて試料とする。ディスク
・セントリフュージ装置(英国Joyes Lobel 社製)を8
000rpm の回転数に設定し、スピン液(温度25℃の2
重量%グリセリン水溶液)を10ml加えたのち、1mlの
バッファー液(温度25℃の20容量%エタノール水溶液)
を注入する。ついで温度25℃のカーボンブラック分散
液0.5mlを注射器で加えた後、遠心沈降を開始し、同
時に記録計を作動させて図1に示す分布曲線(横軸はカ
ーボンブラック分散液を注射器で加えてからの経過時
間、縦軸はカーボンブラックの遠心沈降に伴い変化した
特定点での吸光度)を作成する。この分布曲線より各時
間Tを読み取り、次式(数1)に代入して各時間に対応
するストークス相当径を算出する。
cp) 、Nはディスク回転スピード(8000rpm) 、r1 はカ
ーボンブラック分散液注入点の半径(4.56cm)、r2 は吸
光度測定点までの半径(4.82cm)、ρCBはカーボンブラッ
クの密度(g/cm3) 、ρ1 はスピン液の密度(1.00178g/cm
3)である。
と吸光度の分布曲線(図2)における最大頻度のストー
クス相当径をDst(nm)とし、最大頻度に対し50%の頻
度が得られる大小2点のストークス相当径の差(半値
巾)をΔDstとする。この測定方法によるASTM D
−24 Standard Reference Black C-3(N234) のDstは
80nm、ΔDstは60nmである。
びΔDp ;JIS K6221(1982)5「乾燥試料の作
り方」に基づいて乾燥したのち、精秤採取したカーボン
ブラック試料を蒸留水と混合してカーボンブラック濃度
が0.250g/cm3 のペーストを作成し、超音波で十分
に分散させる。超音波分散後10分以内に示差走査熱量
計(DSC Mettler 社製 DSC30) でアグリゲート粒間
ポアの分布測定を開始する。この場合のペースト採取量
は約3〜5mgの範囲内とし、アルミ製のサンプル容器に
入れてシールしたのち、ペーストの質量を確認して前記
DSC装置にセットする。ついで、次のステップで測定
する。 室温から−80℃まで急冷する。 −80℃から−5℃まで10℃/min. の速度で加熱す
る。 −5℃から−0.1℃まで1℃/min. の速度で加熱し
たのち、−0.1℃ (蒸留水の凝固点より0.1 ℃低い温
度) に10分間保持する。 −0.1℃から−8℃まで0.1℃/min. の速度で徐
々に冷却し、補償エネルギーを記録する。 そして、の段階で得られた補償エネルギーのチャート
から各温度(0.1℃刻み) の山の高さ(y) を読み取り、下
記(1) 、(2) 式からアグリゲート粒間のポア径(Dp)お
よびポア径分布(δV/δDp)を得る。なお、これらの
式はBrunらによって導かれたもので、Thermochimica Ac
ta,21(1977) 59〜88“A NEW METHOD FORTHE SIMULTANEO
US DETERMINATION OF THE SIZE AND THE SHAPE OF PORE
S : THETHERMOPOROMETRY ”に詳説されている。 Dp = (135.34/ΔT)+1.14 ……(1) δV/δDp =K・(ΔT)2/(Wa ×y)…(2) (1) 及び(2) 式において、ΔTは蒸留水の凝固点降下
幅、Wa は蒸留水の凝固熱、KはDSC装置の感度やサ
ンプルの質量を考慮に入れたファクターである。以上の
方法で得られた分布曲線における最大頻度のポア径をD
p とし、最大頻度の50%が得られる大小2点のポア径
の差をΔDp とする。
クは、炉頭部に燃焼バーナーおよび原料油噴射ノズルを
装着した燃焼室とこれに連続する熱分解導管とから構成
された発生部を2系列設け、各発生部の熱分解導管を円
筒状の主反応ゾーンに収斂会合したY字型構造のオイル
ファーネス炉を用い、別発生系列で生成したカーボンブ
ラック中間生成ガス流を主反応ゾーンに同時に高速導入
して相互衝突させる方法(特開昭59−49267 号公報) に
よって製造され、この際、各発生系列における原料油、
燃料油、空気等の供給量、酸素ガスの添加量などの条件
を制御することによって本発明で特定した特性範囲のカ
ーボンブラックを得ることができる。
して高水準の耐摩耗性ならびに低発熱性(高反発弾性)
をバランス良く同時付与することができるゴム成分とし
ては、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ポリブタジ
エンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、クロロプレン
ゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、エチレンプ
ロピレンゴム、その他カーボンブラックにより補強可能
な各種ゴム、混合ゴムなどを挙げることができる。カー
ボンブラックの配合比率は、ゴム成分100重量部に対
し35〜100重量部とし、加硫剤、加硫促進剤、老化
防止剤、加硫助剤、軟化剤、可塑剤など常用の配合成分
とともに混練して本発明の大型タイヤトレッド用ゴム組
成物を得る。
の特性項目のうち、N2 SAが135〜150m2/g、C
TABが130〜140m2/gおよび24M4DBPが85〜
95ml/100g の範囲は、配合ゴムに高度の耐摩耗性と適
度の低発熱性を保有させると共に優れた加工性を付与す
るための前提条件となる。窒素吸着比表面積およびCT
ABが前記下限値を下回ると十分な耐摩耗性が得られ
ず、他方、前記範囲の上限を越えると発熱性が増大し、
低燃費タイヤ用のトレッド部材を得ることができなくな
る。また、24M4DBPも同様に前記範囲を下方に外れる
と配合ゴムの耐摩耗性が不十分となり、前記範囲を越え
るとゴム配合混練物の粘度が高くなって加工性が減退す
る。
グリゲートの大きさとその分布に関係するコロイダル特
性である。このうち、ΔDstはアグリゲートのストーク
ス相当径の分布を示す指標となるもので、分布巾が広い
と配合ゴムの耐摩耗性など補強性が低下し、分布巾が狭
いと反発弾性が低くなって低発熱性のものが得られな
い。発明者の検討によると、ΔDstとDstには一定の相
関性があり、上市されているハード系カーボンブラック
は、概ね〔ΔDst=0.519 ×Dst+16.6〕の関係にある
ことが確認されている。本発明のファーネスカーボンブ
ラックは、ΔDstがDstとの関係において〔0.519 ×D
st+8.0 ≦ΔDst≦0.519 ×Dst+32.6〕式の範囲を満
たすことが重要な特性項目で、ΔDstが〔0.519 ×Dst
+32.6〕値を越えて相対的に分布巾が広くなると配合ゴ
ムの耐摩耗性が後退し、また〔0.519 ×Dst+8.0 〕値
を下回るような狭い分布巾になると反発弾性が低下し、
発熱性が増大する。
グリゲートの形態に関連するコロイダル特性であり、カ
ーボンブラック粒子の凝集体であるアグリゲートの凝集
体構造において凝集体粒子間の空隙および細孔、すなわ
ちアグリゲート粒間のポアの大きさ、ならびにその分布
を示す指標となるものである。発明者の検討によるとア
グリゲート粒間ポアにおけるDp とΔDp との間には一
定の相関があり、上市されているハード系カーボンブラ
ックのΔDp は概ね〔0.776 ×Dp −16.4] ±14の関係
にある。
ΔDp ≦0.776 ×Dp +40.5〕式を満たすΔDp の範囲
は、粒間ポアの分布巾がDp との関係において広いこと
により特徴付けられるが、ΔDp が〔0.776 ×Dp +1.
5 〕値を下回ると発熱性の抑制が不十分となり、一方、
〔0.776 ×Dp +40.5〕値を越えると耐摩耗性が後退す
る。
合するファーネスカーボンブラックの上記特性が総合的
に作用して、低燃費性の大型タイヤトレッドに要求され
る高度の耐摩耗性ならびに低発熱性(高反発弾性)を同
時にバランスよく付与することが可能となる。したがっ
て、特定した全ての特性項目を備えるファーネスカーボ
ンブラックをゴム成分に配合することが必須の要件とな
る。
体的に説明する。
3 頭部にウインドボックスを介して燃焼バーナーおよび原
料油噴射ノズルを同軸的に装着した燃焼室(内径450mm
、長さ800mm 、このうち円錐部分200mm)と熱分解導管
(内径65mm、長さ500mm)とを備えた2系列の発生部を、
内径150mm、長さ2000mmの後段広径部位と内径9
5mm、長さ700mmの前段狭径部位を連設した主反応ゾ
ーンの前面に交角60°の角度で収斂結合させ、収斂結
合点の50mm下流位置に当たる主反応ゾーンに絞り比
0.65のリング部材を介設したY字型構造のオイルフ
ァーネス炉を設置した。原料油には、比重(15/4 ℃)
1.073、粘度(エングラー40/20 ℃) 2.10、ト
ルエン不溶分0.03%、相関係数(BMCI)140の芳香
族炭化水素油を、また燃料油としては、比重(15/4 ℃)
0.903、粘度(Cst/50 ℃) 16.1、残炭分5.4
%、引火点96℃の炭化水素油を用いた。
い、各発生系列における原料油供給量、燃料油量、空気
供給量、酸素ガスの添加量等の生成条件を変動させて1
0種類(実施例1〜5、比較例1〜5)のファーネスカ
ーボンブラックを製造した。表1〜3にカーボンブラッ
クの生成条件と得られたカーボンブラックの特性を対応
させて示した。また、表4には参考例1〜3として大型
タイヤトレッド用として好適な市販のハード系カーボン
ブラック品種の特性を示した。なお、参考例1は東海カ
ーボン(株)製、“シースト6”(N220)、参考例2は東
海カーボン(株)製、“シースト9”(N110)、参考例3
は東海カーボン(株)製、“シースト9H”である。
5に示す配合比により天然ゴムに配合した。
加硫して得られた各ゴム組成物につき各種ゴム試験をお
こない、測定された結果を表8〜9(参考例は表11)
に示した。なお、各測定試験のうち耐摩耗量および損失
係数(tanδ) は下記の方法で行い、その他は全てJIS
K6301「加硫ゴム物理試験法」によった。 耐摩耗量;ランボーン摩耗試験機(機械式スリップ機
構)を用い、次の条件で測定した。耐摩耗量の表示数値
は参考例2を100とした場合の指数であり、指数値が
大きいほど高い耐摩耗性を示す。 試験片:厚さ10mm、外径44mm エメリーホイール:GCタイプ、粒度 #80、硬度H 添加カーボランダム粉:粒度 #80、添加量 約9g/mi
n. エメリーホイール面と試験片の相対スリップ率:24
%、60% 試験片回転数:535rpm 試験荷重:4kg 損失係数(tanδ) ;Visco Elastic Spectrometer(岩本
製作所製)を用い、次の条件で測定した。表示の数値が
小さいほど発熱性が低いことを示す。 試験片:厚さ2mm、長さ30mm、幅5mm 周波数:50Hz 動的歪率:1.2% 温 度:60℃
バーナーを有する燃焼室(直径800mm 、長さ800mm)、該
燃焼室と同軸的に連結し炉壁を貫通する原料油噴射ノズ
ルを備える第1段狭径反応域(直径200mm 、長さ500m
m)、第2段狭径反応域(直径160mm 、長さ700mm)および
広径反応室(直径400mm)を順次に連設したオイルファー
ネス炉を設置した。原料油の供給は、第1段狭径反応域
と第2段狭径反応域の炉壁を貫通して設置した原料噴射
ノズルから分割導入した。原料油および燃料油の組成
は、実施例と同一とし、第一段目と第2段目の原料供給
量、燃料油量、空気供給量、酸素ガス添加量等を変動さ
せてファーネスカーボンブラックを製造した。得られた
カーボンブラックの特性を生成条件と対比して表6〜7
に示し、これらカーボンブラックを実施例と同一条件で
天然ゴムに配合したゴム組成物のゴム物性を表9〜11
に併載した。
耗量(24%slip) と損失係数(tanδ)の関係グラフを図3
に、また耐摩耗量(24%slip) と反発弾性の関係グラフを
図4に示した。これら散布図から、図3では実施例のゴ
ム組成物が比較例や参考例に比べて右下方向(矢印)に
分散し、相対的に耐摩耗性と低発熱性がバランスよく付
与されていることが判る。同様に、図4では実施例が右
上方向(矢印)に分散しており、耐摩耗性と高反発弾性
を同時に具備していることが認められる。
なとおり本発明で特定したカーボンブラック特性要件を
満足する実施例のゴム組成物は、同一水準の比表面積を
備える比較例に比べて耐摩耗性が向上し、同時に損失係
数(tanδ) の低下と反発弾性の増大が認められる。これ
に対し、N2 SAおよびCTABが特定範囲より低い比
較例1では十分な耐摩耗性が得られず、他方、これら比
表面積が特定範囲より高い比較例5では損失係数が高
く、発熱性が増大している。24M4DBPが特定範囲より
低い比較例2は60%slipの耐摩耗性が大きく後退し、
逆に特定範囲を上回る比較例3は加工性が低下し、発熱
性が同水準の比表面積をもつ実施例3に比べて高くな
る。ΔDstが関係式を高い方に外れる比較例6、7、1
4は同水準の粒子径を有する実施例3に比べて耐摩耗性
が劣り、逆に低位に外れる比較例8、9、15は同等N
2 SA水準の実施例4より発熱性および反発弾性が低下
する。ΔDp が関係式を低く外れる比較例10、11、
15は同水準の比表面積をもつ実施例3や4に比べて発
熱性、反発弾性が共に劣り、逆に高位に外れる比較例1
2、13、14は耐摩耗性が低下する。
とは異なるファーネスカーボンブラックのミクロなコロ
イダル特性を選択規制することにより、相対的に優れた
耐摩耗性能と低発熱性および高反発弾性を同時にバラン
スよく併有するゴム組成物を提供することが可能にな
る。したがって、トラック、バスなどの大型タイヤトレ
ッド部材に適用して効果的な低燃費化を図ることができ
る。
を加えてからの経過時間とカーボンブラックの遠心沈降
による吸光度の変化を示した分布曲線である。
示した分布曲線である。
slip) と損失係数(tanδ) の関係を示した分散図であ
る。
slip) と反発弾性の関係を示した分散図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 下記 (1)〜(5) の選択的特性を備えるフ
ァーネスカーボンブラックを、ゴム成分100重量部に
対し35〜100重量部の割合で配合してなることを特
徴とする大型タイヤトレッド用ゴム組成物。 (1) 窒素吸着比表面積(N2SA);135〜150m2/g (2) CTAB吸着比表面積;130〜140m2/g (3) 圧縮DBP吸油量;85〜95ml/100g (4) Dstモード径とΔDstの関係; 0.519 ×Dst+8.0 ≦ΔDst≦0.519 ×Dst+32.6 (5) Dp モード径とΔDp の関係; 0.776 ×Dp +1.5 ≦ΔDp ≦0.776 ×Dp +40.5
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP18071994A JP3434353B2 (ja) | 1994-07-08 | 1994-07-08 | 大型タイヤトレッド用ゴム組成物 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18071994A JP3434353B2 (ja) | 1994-07-08 | 1994-07-08 | 大型タイヤトレッド用ゴム組成物 |
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---|---|
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