JPH08206597A - ウレタン樹脂成形品の塗装方法 - Google Patents

ウレタン樹脂成形品の塗装方法

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JPH08206597A
JPH08206597A JP7044826A JP4482695A JPH08206597A JP H08206597 A JPH08206597 A JP H08206597A JP 7044826 A JP7044826 A JP 7044826A JP 4482695 A JP4482695 A JP 4482695A JP H08206597 A JPH08206597 A JP H08206597A
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JP
Japan
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coating
paint
urethane resin
polyurethane resin
examples
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JP7044826A
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English (en)
Inventor
Keiji Anpo
啓司 安保
Shizuo Miyazaki
静夫 宮崎
Yasuo Sumitomo
靖夫 住友
Fumitaka Nakayama
文孝 中山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shinto Paint Co Ltd
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Shinto Paint Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来困難であった各種内部離型剤、外部離型
剤を用いて成形されたウレタン樹脂成形品に対し良好な
付着性を有する塗膜の塗装方法を提供する。 【構成】 (A)1分子中に2個以上のアマイド基を有
するポリウレタン樹脂、および(B)イソシアネート基
がブロックされているポリイソシアネート化合物を含有
してなる下塗り塗料を塗装する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ウレタン樹脂成形品の
塗装方法に関する。さらに詳しくは本発明は、各種内部
離型剤、外部離型剤を用い成形された成形品表面の表面
張力が低いが故に塗膜の付着強度確保が困難な被塗装体
に対しても良好なる付着性を維持することが可能なる新
規塗装方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ウレタン樹脂成形品は、その優れた強
度、可撓性、ならびに成形時の形状設計が自由である等
の点から主として自動車部品の分野において有用な樹脂
成形品である。
【0003】自動車部品分野におけるウレタン樹脂成形
品の用途としては、バンパー、マットガード、エアスポ
イラーなどが代表例として挙げられるが、かかる適用例
において、ウレタン樹脂成形品は主としてRIM( Rea
ction Injection Molding)工法により成形されてい
る。
【0004】RIMとは、熱硬化性樹脂を成形用金型内
部において硬化および成形を同時に実施する成形方法で
あり、ウレタン樹脂を用いるウレタンRIMにおいて
は、ポリイソシアネートに鎖延長剤としてエチレングリ
コール等の多官能アルコール類を用いる方法が従来より
実用化されている。また最近では、反応性を向上さ
せ、成形サイクルを短縮し、生産性を向上させる、初
期剛性を向上させ、成形物の厚みを減少させても強度を
維持しつつ、もって軽量化を図る、成形物中のピンホ
ールを低減させ、塗装時の不具合を低減させるなどの目
的から、鎖延長剤としてDETDA( Diethyl Toluen
e Diamine)のような芳香族アミンを使用し、かつ金属
石鹸の如き内部離型剤(IMR;Internal Mold Rele
ase )を配合した、IMR−RIMが主流になりつつあ
る(米国特許第4519965号公報参照)。
【0005】かかるIMR−RIMの塗装においては、
塗装に先立ち1,1,1−トリクロロエタンを用いる蒸
気洗浄、温水シャワーを応用したパワーウォッシュ法な
どにより表面の離型剤、異物等を洗浄し、続いて下塗り
塗料、その後上塗り塗料を塗装する方法が一般に行われ
ている。
【0006】ここで使用する塗料としては、下塗用とし
てポリウレタンラッカー系樹脂を用い、溶剤を揮散させ
ることにより乾燥塗膜を得る1液型ポリウレタン樹脂塗
料、主剤としてポリエステルポリオール等のポリオール
を用い、硬化剤にポリイソシアネートを使用し、塗装直
前に主剤、硬化剤を所定の割合にて混合して使用する2
液型ポリウレタン樹脂塗料等が提案されている。
【0007】一方、上塗り塗料用として、前述の2液型
ポリウレタン樹脂塗料、あるいはメラミン樹脂等アミノ
樹脂を硬化剤として含有する1液焼付型塗料等が実用化
されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、IMR
−RIMの塗装工程においては、上述の洗浄工程にてし
ばしば離型剤の除去が完全でなかったり、さらには成形
サイクルを短縮する目的で、内部離型剤を有するIMR
−RIMにおいてさらにパラフィンワックスの如き外部
離型剤(EMR)を金型内部に塗布した上で成形する場
合も見受けられ、かかるケースにおいてはIMR(内部
離型剤)とEMR(外部離型剤)が成形物表面に共存す
るため、洗浄、除去はさらに不完全となりやすい。
【0009】かかる洗浄が不完全な状態の被塗装物に塗
装を行った場合、乾燥塗膜の付着性が低下し、塗装物品
として自動車用バンパー等に用いた場合、塗膜の剥離が
生じ商品価値を著しく損なうことになる。
【0010】たとえば、上述の1液型ポリウレタン樹脂
塗料を下塗り塗料として用いた場合、洗浄不十分な部位
において塗膜の付着強度が低下し、たとえばASTM
D3359に記載の付着性試験を行うと、100個のご
ばん目クロスハッチの大半は剥離し、実用性に耐えない
ものとなる。かかる不具合が生ずる原因は、該洗浄不良
部の表面張力が離型剤の残留により低下し、塗料の「ぬ
れ性」が悪くなると共に、表面活性度が低い低エネルギ
ーレベルの状態となるためと考えられている。
【0011】このような不具合を改良するため、従来よ
り、改良法が種々提案されてきた。たとえば、塗料の
「ぬれ性」を改良するために、塗料中に表面張力を低下
させる機能を有する添加剤を含有させる方法などが提案
されているが、何れも十分な効果を有するものとはいえ
ない。
【0012】
【課題を解決するための手段】かかる状況に鑑み、本発
明者らは上述の問題点を改良するため鋭意研究を重ね、
特定の下塗り塗料を用いることにより、各種の離型剤の
洗浄、除去が不完全なる状態でウレタン樹脂成形品を塗
装した場合でも、付着性低下を生じない塗装方法を見出
し、遂に本発明を完成するに至った。
【0013】すなわち本発明は、ウレタン樹脂成形品に
下塗り塗料を塗装し、次いで上塗り塗料を塗重ねる塗装
方法において、該下塗り塗料が、(A)1分子中に2個
以上のアマイド基を有するポリウレタン樹脂、および
(B)イソシアネート基がブロックされているポリイソ
シアネート化合物を含有してなることを特徴とするウレ
タン樹脂成形品の塗装方法である。
【0014】本発明において用いられる下塗り塗料につ
いて説明する。本発明にて使用する下塗り塗料に含まれ
る、(A)1分子中に2個以上のアマイド基を有するポ
リウレタン樹脂とは、多価アルコールまたはポリオール
類に化学量論的に過剰のジイソシアネートを反応させて
鎖延長する事により得られ、遊離イソシアネート基を有
するポリウレタン樹脂に、さらにポリアミドアミン類を
反応させることによって得られる樹脂の1種または2種
以上の混合物である。
【0015】前記多価アルコールの例として、たとえば
エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,
3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,
4−ブタンジオール、異性体ペンタンジオール類、異性
体ヘキサンジオール類またはオクタンジオール類例えば
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,2−、
1,3−および1,4−ビス(ヒドロキシメチル)−シ
クロヘキサノン、トリメチロールプロパン、グリセリン
などをあげることができる。
【0016】前記ポリオールの例としては、ポリエーテ
ルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカプロラ
クトンポリオール、ポリカーボネートポリオール等を挙
げることができる。
【0017】前記ポリエーテルポリオールの例として
は、例えばテトラヒドロフランの開環重合により得られ
るポリテトラメチレングリコール、多価アルコールのア
ルキレンオキサイド付加物が挙げられる。ここで用いる
多価アルコールの例として、たとえばエチレングリコー
ル、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオ
ール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、異性体ペンタンジオール類、異性体ヘキサンジオー
ル類またはオクタンジオール類例えば2−エチル−1,
3−ヘキサンジオール、1,2−、1,3−および1,
4−ビス(ヒドロキシメチル)−シクロヘキサノン、ト
リメチロールプロパン、グリセリンなどをあげることが
でき、アルキレンオキサイドの例として、エチレンオキ
サイド、プロピレンオキサイド、1,2−、1,3−ま
たは2,3−ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラ
ン、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン等が挙げ
られ、これらは2種以上混合して使用することも可能で
ある。
【0018】前記ポリエステルポリオールの例として
は、たとえば多価アルコールと化学量論的量より少ない
量の多価カルボン酸および/またはそれらの無水物との
反応生成物の1種または2種以上の混合物である。ここ
で用いる多価アルコールの例として例えばエチレングリ
コール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパン
ジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジ
オール、異性体ペンタンジオール類、異性体ヘキサンジ
オール類またはオクタンジオール類例えば2−エチル−
1,3−ヘキサンジオール、1,2−、1,3−および
1,4−ビス(ヒドロキシメチル)−シクロヘキサノ
ン、トリメチロールプロパン、グリセリンなどをあげる
ことができる。前記多価カルボン酸および多価カルボン
酸無水物の例として、シュウ酸、コハク酸、アジピン
酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル
酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸などの二価カル
ボン酸、トリメリット酸などの三価カルボン酸、無水フ
タル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水マレイン酸、
無水トリメリット酸などの多価カルボン酸無水物、二量
体又は三量体の脂肪酸たとえばひまし油脂肪酸の三量体
をあげることができる。
【0019】前記ポリカプロラクトンポリオールの例と
しては、ε−カプロラクトン、γ−バレロラクトン等の
ラクトン類を、前述のエチレングリコールなど多価アル
コールの存在下、開環重合して得られる化合物である。
【0020】さらに、前記ポリカーボネートポリオール
の例としては、前述のエチレングリコールなど多価アル
コールと、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネー
ト等の炭酸エステル類より生成される化合物である。
【0021】次に、前記ジイソシアネートの例として
は、2,4−および/または2,6−ジイソシアネート
トルエン、2,4−ジイソシアネート−ジシクロヘキシ
ルメタン、4,4−ジイソシアネート−ジシクロヘキシ
ルメタン、ヘキサメチレンジイソシアネート、1−イソ
シアネート−3,3,5−トリメチル−5−イソシアネ
ートメチルシクロヘキサンなどを挙げることができる。
これらは、1種単独、または2種以上混合しても使用す
ることができる。
【0022】本発明において、遊離イソシアネート基を
有するポリウレタン樹脂の合成においては、上述の多価
アルコールないしポリオール類と、ジイソシアネートと
を触媒の存在または非存在下、加熱混合して得る。触媒
の例としては、有機金属類たとえばジブチルスズジラウ
レートの如き有機スズ化合物、トリエチルアミンの如き
3級アミン類、カルボン酸塩たとえばナフテン酸カルシ
ウム、ナフテン酸スズの如きナフテン酸塩、オクチル酸
コバルト、オクチル酸鉛の如きオクチル酸塩を挙げるこ
とができる。
【0023】多価アルコールないしポリオール類と、ジ
イソシアネートの混合比は、多価アルコールないしポリ
オール類が有する総水酸基価と、ジイソシアネートの有
するイソシアネート価の比率が、それらのモル比で表し
たとき、1:1.05〜1.20の範囲である。かかる
比率とすることにより、生成したポリウレタン樹脂は遊
離のイソシアネート基を有することが可能となるが、
1.20よりイソシアネート価が多い比率とすると、未
反応のジイソシアネートが生成物中に残留し好ましくな
い。
【0024】反応工程は通常有機溶媒の如き希釈剤の存
在下、60℃〜140℃、2時間ないし4時間で終結す
る。また、多価アルコールないしポリオールとして、1
分子中に3個以上の水酸基を含む3官能性化合物を一部
または全量使用すると、得られたポリウレタン樹脂は1
分子中に3個の遊離イソシアネート基を含有することが
できる。2官能性化合物のみを用いた場合は、得られた
ポリウレタン樹脂中の遊離イソシアネート基は2個であ
る。
【0025】次に、上述の遊離イソシアネート基を有す
るポリウレタン樹脂に、1分子中に2個以上のアマイド
基を導入するには、上述のポリウレタン樹脂にポリアミ
ドアミン類を反応させて得ることができる。
【0026】かかるポリアミドアミンとしては、たとえ
ば一般にエポキシ樹脂用硬化剤として公知の化合物、す
なわち重合脂肪酸、1塩基酸および2塩基酸からなる少
なくとも1種の化合物と、ポリアミン類を反応させて得
られる化合物である。上記重合脂肪酸、1塩基酸および
2塩基酸およびポリアミン類はたとえば特公昭53−4
1121号公報および特公昭53−41122号公報に
記載の化合物が使用できる。
【0027】かかるポリアミドアミン類と、上述の遊離
イソシアネート基を含むポリウレタン樹脂との反応は、
イソシアネート基とポリアミドアミン類が有するアミン
価とがそれらのモル比で1:1.0〜1.1となる様調
整した上で、加熱撹拌することにより得られる。当該反
応工程においては、一般に触媒は不要であり、反応は通
常20〜60℃、0.5時間〜2時間で終結する。ま
た、1分子中の遊離イソシアネート基が3個以上含まれ
るポリウレタン樹脂を原料に用いた場合、得られたアマ
イド基含有樹脂は、1分子中に3個以上のアマイド基を
含有することができ、遊離イソシアネート基が1分子中
2個の場合は、得られるアマイド基も1分子中2個であ
る。但し、いずれの場合も本発明の目的を達成するのに
有効である。アマイド基がポリウレタン樹脂1分子中1
個またはゼロであると、いずれの場合も付着性が低下し
好ましくない。
【0028】このようにして得られた1分子中に2個以
上のアマイド基を有するポリウレタン樹脂の分子量は、
重量平均分子量で5000〜40000の範囲、好まし
くは10000〜20000の範囲である。重量平均分
子量が5000より小さいと、付着性が低下し、400
00より大きいと、以下に説明するブロックイソシアネ
ートとの相溶性が不良となり、塗料の経時安定性を著し
く損なうばかりでなく、塗装したとき樹脂成分が相分離
する事による付着性低下も発生するため、好ましくな
い。
【0029】次に、本発明に用いる下塗り塗料に含有す
る、(B)イソシアネート基がブロックされているポリ
イソシアネート化合物とは、ポリイソシアネート化合物
のイソシアネート基を、通常用いるブロック剤にてブロ
ックした化合物の1種または2種以上の混合物であり、
ポリイソシアネート化合物の例としては、2,4−およ
び/または2,6−ジイソシアネートトルエン、2,4
−ジイソシアネート−ジシクロヘキシルメタン、4,4
−ジイソシアネート−ジシクロヘキシルメタン、ヘキサ
メチレンジイソシアネート、1−イソシアネート−3,
3,5−トリメチル−5−イソシアネートメチルシクロ
ヘキサンなどのジイソシアネート、これらジイソシアネ
ートと、当量未満の多価アルコールたとえばエチレング
リコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパ
ンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタン
ジオール、トリメチロールプロパン、グリセリンなどと
の反応によって生成したアダクト体、あるいは上記ジイ
ソシアネートのビウレット三量体、上記ジイソシアネー
トのイソシアヌレート三量体などがあげられ、これらポ
リイソシアネート化合物に当量乃至当量以上のブロック
化剤を反応させたものである。かかるブロック化剤の例
としては、フェノール、p−置換フェノール、アルコー
ル類、ε−カプロラクタム、ケトオキシム類、アセトン
オキシム類などが知られており、種々選択が可能であ
る。
【0030】上述の(A)1分子中に2個以上のアマイ
ド基を有するポリウレタン樹脂と、(B)イソシアネー
ト基がブロックされているポリイソシアネート化合物の
配合比率は、ポリウレタン樹脂のアマイド基1当量に対
し、ブロックイソシアネート成分のイソシアネート基が
0.9〜2.0当量となる割合で両成分を配合したもの
であり、イソシアネート基が0.9当量より少なくて
も、また、2.0当量より多くても、付着性が低下す
る。特に、0.9当量より少ない場合は、耐水性、耐湿
性等過酷な条件下、劣化試験を行ったときの付着性低下
が著しい。
【0031】本発明に用いる下塗り塗料は、上述の成分
の他に、所望により、着色剤たとえばカーボンブラッ
ク、二酸化チタンなどの顔料類、三級アミン、有機錫化
合物などの硬化触媒、流動性調整剤、消泡剤など各種添
加剤およびトルエン、キシレン、ソルベントナフサなど
の炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミルな
どのエステル類、メチルエチルケトン、メチルブチルケ
トン、ホロン、イソホロンなどのケトン類などの有機溶
剤を含有することができる。
【0032】これら、顔料、添加剤、溶剤等の含有量
は、特に限定するものではないが、顔料の含有量は、通
常樹脂成分の総計量100重量部に対し120重量部以
下とすることが望ましい。これより多量の顔料を用いる
と、付着性が低下することがあるためである。
【0033】本発明に用いる上塗り塗料は、特に限定す
るものではなく、従来使用されているウレタン樹脂成形
品用上塗り塗料が使用できる。かかる例としては、たと
えば2液型ポリウレタン樹脂塗料、あるいはメラミン樹
脂、ベンゾグアナミン樹脂等アミノ樹脂を硬化剤として
含有する1液焼付型塗料等が挙げられる。
【0034】本発明方法においては、被塗装体たるウレ
タン樹脂成形品を、1,1,1−トリクロロエタン蒸気
洗浄、またはパワーウォッシュ法の如き水系洗浄法によ
り洗浄後、上述の下塗り塗料を通常の塗装方法、たとえ
ば、エアースプレー、エアレススプレー、静電塗装、回
転霧化塗装、浸漬塗装などの手段によりウレタン樹脂成
形品に塗装する。
【0035】洗浄法は特に限定するものではなく、また
前述の如く本発明の方法においては、付着性の観点から
は必ずしも被塗装体表面に付着している離型剤等が完全
に除去されていることを条件としないが、仕上がり外観
たとえば塗膜の平滑性、わき、ピンホール等の欠陥を生
じさせないためにも、離型剤その他異物を可能な限り除
去することが望ましい。
【0036】洗浄度の判断基準として、被塗装体表面の
表面張力を測定することは有用であり、一般に塗料が良
好な付着性を発揮できる被塗装体の表面張力は、概ね3
0dyne/cm以上必要であると言われている。これ
に対し本発明の塗装方法を実施すると、被塗装体の表面
張力が、30dyne/cm以下、25dyne/cm
まで低下していても、良好なる付着性を発揮することが
確認されている。
【0037】下塗り塗料の塗装膜厚は、乾燥膜厚で10
μm〜80μm、好ましくは20〜40μmである。1
0μmより薄いと初期付着性は問題ないものの、耐水性
等劣化試験後の2次付着性が低下する。また80μmよ
り厚いと劣化試験後塗膜の凝集破壊を起こす可能性があ
りまた、たれ、わきなど外観上の欠陥が生じやすく好ま
しくない。
【0038】塗料は、上述の手段にて塗装後、加熱乾燥
する。加熱乾燥の条件の一例としては、100〜140
℃にて3分ないし30分である。
【0039】次いで前述の上塗り塗料を塗装、乾燥して
所望する塗装物品を得ることができるが、上塗り塗料の
塗装条件は使用する塗料の塗装条件として定めるところ
により、特に限定するものではない。また、下塗り塗料
と上塗り塗料の間、または上塗り塗料塗装後に、所望に
よりさらに他の塗料を塗り重ねても差し支えない。
【0040】以下、実施例をもって本発明をさらに詳し
く説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。なお、説明中、部及び%と表記したものは、特に断
わりのない限り重量である。
【0041】
【実施例】
【0042】製造例 1:下塗り塗料用ポリウレタン樹
脂の製造 撹拌機、温度計を備えた4ツ口フラスコにポリカプロラ
クトンポリオール(商品名:プラクセル305、ダイセ
ル化学工業(株)製、水酸基価310)200部、トル
エン250部を投入し、加熱溶解し、さらに還流して含
有する水分を除去した。この溶液を80℃に保ち、ヘキ
サメチレンジイソシアネート102部と、メチルイソブ
チルケトン200部の混合物を30分かけて滴下した
後、触媒としてジブチルスズジラウレートを0.02部
混合し2時間撹拌した。続いてポリアミドアミン(商品
名:バーサミド250、ヘンケル白水(株)製、アミン
価225)24部を30分かけて滴下し、50℃にて1
時間撹拌後、下塗り塗料用ウレタン樹脂を得た。得ら
れたウレタン樹脂は、重量平均分子量18000であ
り、構造上アマイド結合を1分子中に3個有するもので
ある。
【0043】製造例 2:下塗り塗料用ポリウレタン樹
脂の製造 撹拌機、温度計を備えた4ツ口フラスコにポリプロピレ
ングリコール(分子量400、水酸基価280)200
部、キシレン200部を投入し、加熱溶解し、さらに還
流して含有する水分を除去した。この溶液を80℃に保
ち、イソホロンジイソシアネート120部と、メチルイ
ソブチルケトン200部の混合物を30分かけて滴下し
た後、触媒としてジブチルスズジラウレートを0.04
部混合し2時間撹拌した。続いてポリアミドアミン(商
品名:トーマイド410、富士化成工業(株)製、アミ
ン価120)45部を30分かけて滴下し、60℃にて
1時間撹拌後、下塗り塗料用ウレタン樹脂を得た。得
られたウレタン樹脂は、重量平均分子量12000であ
り、構造上アマイド結合を1分子中に2個有するもので
ある。
【0044】製造例 3:下塗り塗料Aの製造 前述のポリウレタン樹脂240部に、ブロックイソシ
アネートとして、バーノックDB−980K(理論イソ
シアネート含有量10.5%、固形分75%、大日本イ
ンキ化学工業株式会社製)25部、キシレン35.3
部、二酸化チタン25部、カーボンブラック0.2部を
サンドミルを用いて混練し、下塗り塗料Aを製造した。
【0045】製造例 4〜8:下塗り塗料B〜Fの製造 表1に示す配合にて下塗り塗料Aと同様にして下塗り塗
料B〜Fを製造した。
【0046】実施例 1 RIM用高圧発泡機を用い、活性水素含有成分(分子量
6000のポリエーテルポリオール79部、1−メチル
−3,5−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼンおよび
1−メチル−3,5−ジエチル−2,6−ジアミノベン
ゼンの混合物21部、トリエチレンジアミンのジプロピ
レングリコール溶液0.1部およびステアリン酸亜鉛5
部の混合物)と変性MDI成分(イソシアネート含有量
23%のウレタン変性ジフェニルメタンジイソシアネー
ト54部)をイソシアネート当量が107となるように
混合し、加圧下に撹拌して空気を溶解させた状態で、7
0℃に加熱された自動車バンパー形状の金型に注入し
た。30秒後型を開け、成形されたバンパーを取り出し
た。このバンパーを1,1,1−トリクロロエタン蒸気
に2分間さらして洗浄した。洗浄後のバンパー表面の表
面張力は27dyne/cmであった。次に下塗り塗料
Aを乾燥膜厚30μになるようスプレー塗装し、120
℃で15分乾燥した。次いで、ポリエステル・メラミン
樹脂系白色上塗り塗料を乾燥膜厚30μになるようスプ
レー塗装し、120℃で20分焼付けた。
【0047】得られた試験板を、各種塗膜性能試験に供
したところ、表2に記載する如く結果は良好であり、実
用上極めて有用な塗装方法であることが確認された。
【0048】実施例 2〜6 本実施例2〜6においてはそれぞれ前記下塗り塗料B〜
Fを用いて、実施例1と同様に試験板を作成し、塗膜性
能試験を実施した。結果は表2に記載する如くいずれも
良好であった。
【0049】比較例 1 比較例1として、下塗り塗料G(ポリウレタン樹脂か
らポリアミドアミンの付加工程を省いた、アマイド基非
含有ポリウレタン樹脂を使用)を用いた他は、実施例1
と同様に塗装して試験板を作成し、塗膜性能試験を実施
したが、表3に示す如く付着性は不良であり、実用に耐
えないものであった。
【0050】比較例 2〜4 表3の比較例2〜4は、本発明の範囲外の下塗り塗料を
用いて、実施例1と同様に塗装して試験板を作成したも
のである。いずれも付着性に問題があり、実用に耐えな
いものであった。
【0051】なお、各種試験は次に記載する試験条件に
基づき実施した。
【0052】(1)外観 上塗後の塗膜を目視にて観察し、タレ、わき、ピンホー
ル、光沢むらなどの欠陥の有無をチェックする。
【0053】(2)付着性 塗装面に、カッターナイフで幅2mmのクロスハッチを
100個切り込み、粘着テープを用いて剥離試験を実施
する。剥離が無く、100個の碁盤目が全て残留してい
る場合を合格とする。
【0054】(3)耐水性 試験板を40℃の温イオン交換水に240時間浸漬し、
取り出した後、直ちに水滴をぬぐい取り、外観の異常の
有無を確認し、さらにカッターナイフで幅2mmのクロ
スハッチを100個切り込み、粘着テープを用いて剥離
試験を実施する。剥離が無く、100個の碁盤目が全て
残留している場合を合格とする。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
【表3】
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、ウレタン樹脂成形品の
塗装において、従来困難であった、各種内部離型剤、外
部離型剤を用い成形され、成形品表面の表面張力が低い
が故に塗膜の付着強度確保が困難な被塗装体に対しても
良好なる付着性を維持することが可能となる新規塗装方
法が実現するものである。
フロントページの続き (72)発明者 住友 靖夫 兵庫県尼崎市南塚口町6丁目10番73号 神 東塗料株式会社内 (72)発明者 中山 文孝 兵庫県尼崎市南塚口町6丁目10番73号 神 東塗料株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウレタン樹脂成形品に下塗り塗料を塗装
    し、次いで上塗り塗料を塗重ねる塗装方法において、該
    下塗り塗料が、(A)1分子中に2個以上のアマイド基
    を有するポリウレタン樹脂、および(B)イソシアネー
    ト基がブロックされているポリイソシアネート化合物を
    含有してなることを特徴とするウレタン樹脂成形品の塗
    装方法。
JP7044826A 1995-02-08 1995-02-08 ウレタン樹脂成形品の塗装方法 Pending JPH08206597A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2020075669A1 (ja) * 2018-10-09 2020-04-16 株式会社ネオス 積層体およびその製造方法

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WO2020075669A1 (ja) * 2018-10-09 2020-04-16 株式会社ネオス 積層体およびその製造方法
CN112789171A (zh) * 2018-10-09 2021-05-11 株式会社尼欧斯 层叠体及其制造方法
JPWO2020075669A1 (ja) * 2018-10-09 2021-09-02 株式会社ネオス 積層体およびその製造方法

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