JPH08206490A - ガス処理装置 - Google Patents

ガス処理装置

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JPH08206490A
JPH08206490A JP7051675A JP5167595A JPH08206490A JP H08206490 A JPH08206490 A JP H08206490A JP 7051675 A JP7051675 A JP 7051675A JP 5167595 A JP5167595 A JP 5167595A JP H08206490 A JPH08206490 A JP H08206490A
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JP
Japan
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gas
box
discharge
electrode
electrodes
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Pending
Application number
JP7051675A
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English (en)
Inventor
Kenta Naito
健太 内藤
Shigeru Kato
茂 加藤
Kouichi Naeshiro
晃一 苗代
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Nissin Electric Co Ltd
Original Assignee
Nissin Electric Co Ltd
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  • Treating Waste Gases (AREA)
  • Oxygen, Ozone, And Oxides In General (AREA)
  • Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 原料ガスの通過するパルスストリーマコロナ
放電領域を増大することにより原料ガスの高速、大量の
処理を可能にすること。 【構成】 空気や排煙等の原料ガスを導入するためのガ
ス入口2とオゾン化ガス等の処理ガスを外部に供給する
ためのガス出口3とを有する函体26と、函体26内に
おいて函体26内に置ける原料ガスの流れ方向に沿って
装備されるパルスストリーマコロナ放電を形成する放電
管5とからなり、放電管5の一対の電極30、31の内
少なくとも一方の電極に、コロナ放電と原料ガスの冷却
を兼用するフィン32を設け、原料ガスの冷却能力を高
めて放電電力密度を高め、あるいはコロナ放電領域を増
大したガス処理装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オゾンの発生やNO
x、SOxの除去等のガス処理をパルスストリーマコロ
ナ放電により行なうガス処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】乾燥した空気又は酸素を放電電界中に置
き、放電化学作用で酸素をオゾンに転化せしめることに
よってオゾンを発生させたり、排煙にアンモニアガスを
共存させて放電電界中に置き、化学反応を起こしやすい
活性種を生成させ、この活性種とNOx、SOx等とを
化学反応させ、更にアンモニアと反応させて硫安、硝安
に転化させ、これにより排煙の脱硫、脱硝を行なうこと
が良く知られている(以下この明細書において、乾燥し
た空気又は酸素や排煙など処理すべき基になるガスを
「原料ガス」という。また、放電電界に曝された後のガ
スを「処理ガス」という。)。
【0003】また、原料ガス例えば乾燥した空気に放電
化学作用を生じさせる放電電界を形成する手段として、
平行板状電極ないし平行同軸円筒電極間にガラス板を介
在せしめて交流高電圧を印加して、これらの電極間に無
声放電を発生せしめつつ、これらの電極間に乾燥した空
気を流通せしめ、無声放電に固有の放電化学作用で酸素
をオゾンに転化せしめることによってオゾンを発生させ
る、いわゆる、無声放電方式のものが良く知られてい
る。
【0004】しかし、この方式の場合は、原料ガスをオ
ゾン等に転化する電力効率が極めて低く、理論値の数%
以下に留まるものであった。そこで、パルス幅の著しく
短い極短のパルス高電圧を用いた沿面コロナ放電を利用
することで、例えばオゾン発生の電力効率を向上させる
方式が研究され、最近では、更に、この方式を改善し
て、パルスストリーマコロナ放電によりオゾンを発生さ
せる技術が開発されるに至っている。
【0005】図7は、このようなパルスストリーマコロ
ナ放電による放電管を用いた従来のガス処理装置を示し
たものである。このガス処理装置1は、原料ガス例えば
乾燥した空気を導入するためのガス入口2と放電化学作
用により処理されたガス例えばオゾンを含むガス(処理
ガス)を外部に供給するためのガス出口3とを有する函
体4と、この函体4内においてこの函体4内における前
記原料ガスの流れ方向(図中矢印A方向)に沿って装備
される複数本(この例では、3本)のパルスストリーマ
コロナ放電による放電管5と、この放電管5に極短のパ
ルス高電圧を印加するパルス高圧電源6とを具備してい
る。
【0006】また、函体4には、放電管5に投入された
放電電力の内、80%以上がガス中で熱に変わり、この
熱による放電化学作用効率の低下を防ぐため、外壁部7
に設けた冷却媒体入口8と冷却媒体出口9、および函体
4内に配設した仕切壁10、11によって、函体4内に
装備された放電管5を冷却する水等の冷却媒体を流す冷
却媒体通路13が区画形成され、これにより放電管5を
通過するガスを冷却するようにされている。図中矢印B
は、冷却媒体の流れを示している。
【0007】放電管5は、函体4内における原料ガスの
流れ方向に沿って張られたワイヤ電極15をコロナ放電
電極とし、かつ、このワイヤ電極15が挿通する円筒電
極16を非コロナ放電電極とする同軸円筒型のパルスス
トリーマコロナ放電管である。放電管5におけるワイヤ
電極15は、ガス入口2側に位置した基端部が、碍管1
8を介して函体4の外壁部7を挿通したパルス高圧電源
6の一方の電極19に電気接続されている。また、ガス
出口3側に位置した各ワイヤ電極15の終端部は、函体
4の外壁部7に碍子20を介して絶縁支持されたワイヤ
終端支持絶縁具21に固定されている。
【0008】また、函体4における外壁部7や仕切壁1
0、11等はいずれも、導電性に優れた金属製であり、
前述した各オゾン発生放電管5の円筒電極16は、仕切
壁10、11や外壁部7を介して、パルス高圧電源6の
他方の電極23に接続されている。なお、図7に示す放
電管5の非コロナ放電電極は、円筒に形成されている
が、平行板で形成されているものもある。
【0009】以上の構造をなすガス処理装置1は、各放
電管5内における原料ガスの平均流速が所定値、例えば
オゾン発生の場合では数cm/s〜数10cm/s程度
になるように、ガス入口2へのガス供給量を制御しつ
つ、パルス高圧電源により放電管5に極短パルス高電圧
を印加して、放電管5におけるパルスストリーマコロナ
放電により放電化学作用を生じさせ、これによりガス処
理が行われている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このようなパルススト
リーマコロナ放電による放電管を用いたガス処理装置で
は、旧来の無声放電によるものと比較して、原理上で
は、オゾン生成やNOx、SOx処理等のガス処理の電
力効率が向上し、ガス処理能力が改善されるものである
が、図7に示す前述のガス処理装置1では期待するほど
の十分なガス処理能力の向上が得られていない。
【0011】その理由は、次のように考えることができ
る。前記放電管5におけるガス処理能力を高めるために
は、前記放電管5における放電電力密度をできるだけ高
めることが好ましく、できれば、パルスストリーマコロ
ナ放電における許容放電電力密度の限界値(数100k
W/m)まで、放電管5における放電電力密度を高め
たい。しかし、その一方、特にオゾン発生目的では放電
によるオゾンの生成効率は、オゾン化する原料ガスの温
度に依存し、温度が上昇するとともに著しく低下するこ
とが知られており、このためオゾン発生放電管内での原
料ガスの温度上昇は10〜20℃程度に抑える必要があ
る。
【0012】換言すれば、ガス処理能力の向上を図るた
めに放電電力密度を高めると、その分放電管を流れる原
料ガスの温度上昇度合いが高まる。したがって、放電電
力密度を高める場合には、同時に冷却媒体等による原料
ガスの冷却効率を高めてやることが、不可欠になる。と
ころが、原料ガスの大部分はOやN等で熱伝導が悪
く、図7に示す従来のガス処理装置1の場合は、冷却媒
体通路13に流す冷却媒体による冷却効果が低く、例え
ば、放電電力密度を数100kW/m程度まで高める
と、原料ガスの温度上昇が100℃以上にも達してしま
うという不都合が発生する。そのため、前述の従来のガ
ス処理装置1では、放電管5における放電電力密度を、
数kW/m程度以下に抑えて運用しなければならず、
その結果、ガス処理能力の向上を達成できないという問
題がある。
【0013】本発明は、上記問題に鑑みなされたもの
で、パルスストリーマコロナ放電領域を通流する原料ガ
スの冷却やコロナ放電領域密度の増大を効果的にするこ
とにより、原料ガスの高速、大量の処理を可能にするガ
ス処理装置を得ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、原
料ガスを導入するためのガス入口と処理ガスを外部に供
給するためのガス出口とを有した函体と、前記函体内に
おいて前記函体内における前記原料ガスの流れ方向に沿
って装備されるパルスストリーマコロナ放電を形成する
ための一対の電極を有する放電管とを備え、前記一対の
電極の内少なくとも一方の電極にコロナ放電を形成する
と共に、前記放電管を通流するガスを冷却するフィンを
設けたことを特徴とするガス処理装置により達成され
る。
【0015】また、本発明の上記目的は、原料ガスを導
入するためのガス入口と処理ガスを外部に供給するため
のガス出口とを有した函体と、前記函体内において前記
函体内における前記原料ガスの流れ方向に沿って装備さ
れるパルスストリーマコロナ放電を形成するための一対
の電極を有する放電管と、前記放電管を通流するガスを
循環させる流路とを備え、前記流路にガスを循環させる
ためのブロワとガスの熱を除去するための熱交換器を設
けたことを特徴とするガス処理装置により達成される。
【0016】さらに、本発明の上記目的は、原料ガスを
導入するためのガス入口と処理ガスを外部に供給するた
めのガス出口とを有した函体と、前記函体内において前
記函体内における前記原料ガスの流れ方向に沿って装備
されるパルスストリーマコロナ放電を形成するためのワ
イヤ状の複数の電極と、前記複数の電極は互いに平行し
かつ前記函体内に一様に配置されると共に、互いに隣接
する電極間でコロナ放電が形成されるようにしたをこと
を特徴とするガス処理装置により達成される。
【0017】
【作用】本発明の上記構成によれば、パルスストリーマ
コロナ放電を形成するための電極構造として平行同軸円
筒型を使用する場合には、パルスストリーマコロナ放電
を形成するための電極の少なくとも一方を冷却能力を高
めるフィン構造とし、かつその電極をコロナ電極とした
り(請求項1)、放電管を通流するガスをガスの熱を除
去するための熱交換器を介して循環させたりすることに
より(請求項2)、その電極間を通過する原料ガスの温
度上昇を抑制し、したがって、高い放電電力密とするこ
とができる。また、パルスストリーマコロナ放電を形成
するための電極構造として両極共ワイヤ状の電極を採用
することにより(請求項3)、空間に対するコロナ放電
領域の高密度化を図ることができ、従来と同じ容積とす
ればコロナ放電領域の増大が期待できる。これにより、
原料ガスの高速、大量の処理を可能にしている。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を図を参照して説明す
る。なお、全図を通じて共通する部分には同一の符号を
付している。
【0019】(第1実施例)図1は、本発明に係るガス
処理装置の第1実施例を示したものであり、図1(a)
はガス処理装置の断面概略、図1(b)は放電管の拡大
断面をそれぞれ示している。この第1実施例のガス処理
装置25は、原料ガスを導入するためのガス入口2と処
理されたガス(処理ガス)を外部に供給するためのガス
出口3とを有した函体26と、該函体26内において該
函体26内における前記原料ガスの流れ方向(図中の矢
印C方向)に沿って装備される複数本(この例では、3
本)のパルスストリーマコロナ放電を形成するための放
電管5と、この放電管5に極短パルス高電圧を印加する
パルス高圧電源6とを具備している。
【0020】函体26内は、放電管5に投入された放電
電力の一部がガス中で熱に変わり、この熱によるガス処
理効率の低下を防ぐため、外壁部28に設けた冷却媒体
入口8と冷却媒体出口9、および函体26内に配設した
仕切壁10、11等によって、該函体26内に装備され
た放電管5を冷却するための水等の冷却媒体を流す冷却
媒体通路13が区画形成されている。図中の矢印Dは、
冷却媒体の流れを示している。
【0021】パルスストリーマコロナ放電を形成するた
めの放電管5は、函体26内における原料ガスの流れ方
向に沿って張られた中央電極31と、該中央電極31が
挿通する円筒電極30とで平行同軸円筒型に形成されて
いる。中央電極31は、円筒型に形成されていて、その
外周に周方向に適宜間隔を設けて外方に突出し原料ガス
の流れ方向に延びるフイン32が形成され、円筒の内側
は冷却媒体通路とされている。
【0022】そして、中央電極31の両端部は冷却媒体
を流す管路33と連結されると共に、前記ガス入口2側
に位置した基端部が、外壁部28を貫通する碍管18を
挿通した前記パルス高圧電源6の一方の電極19に電気
接続されている。また、前記ガス出口3側に位置した終
端部は、前記函体26の外壁部28に立設された碍子2
0に固定されている。この実施例の場合は、外周にフィ
ン32が形成された中央電極31がコロナ放電電極とな
る。図中の矢印Eは、中央電極31内を流れる冷却媒体
の流れを示している。
【0023】また、前記函体26における外壁部28や
仕切壁10、11等はいずれも、導電性に優れた金属性
であり、前述した放電管5の円筒電極30は、前記仕切
壁10、11や外壁部を介して、前記パルス高圧電源6
の他方の電極23に接続され、非コロナ放電電極とされ
ている。
【0024】以上の構成をなすガス処理装置25では、
円筒電極30からの放熱のみでなく、中央電極31に形
成されているフィン32からの放熱が加わり、放電管5
内を流れる原料ガスの放熱が盛んになり、この放熱によ
って放電管5内を流れる原料ガスの温度上昇を抑制する
ことができ、これにより放電電力密度を高めることがで
きる。また、フィン32はその先端部分に高電界が得ら
れコロナ放電領域の増大が期待できる。
【0025】なお、この実施例では、コロナ放電電極を
兼ねる冷却フィン32を中央電極31のみに形成されて
あるが、コロナ放電電極を兼ねる冷却フィン32を図2
の(a)および(b)に放電管の拡大断面をもって示す
ように、円筒電極30の内周に形成しても良く(図2
(a))、円筒電極30および中央電極31の両者に形
成しても良い(図2(b))。円筒電極30の内周のみ
に形成する(図2(a))場合、円筒電極30がコロナ
放電電極となり、中央電極31は非コロナ電極となり円
柱電極とすることもでき、また、円筒電極30および中
央電極31の両者に形成する(図2(b))場合、両電
極のいずれもコロナ放電電極となる。
【0026】また、フィン電極の材質は、熱伝導の良い
銅やアルミが望ましいが、オゾン等反応性の高いガスを
扱う場合には、腐食に強いステンレス鋼等でも良い。更
に、フィンの高さHとフィン間隔Lは、フィン先端電界
がコロナ発生に必要とする高電界が得られるようL/H
が1より大きくすることが望ましい。更にまた、フィン
を原料ガスの流れ方向に向かって、螺旋状に形成すると
より一層原料ガスの温度上昇を抑制する効果が期待でき
る。
【0027】(第2実施例)図3は、本発明に係るガス
処理装置の第2実施例を示したものである。この実施例
のガス処理装置45は、原料ガスを導入するためのガス
入口となる合流管47と処理ガスを外部に供給するため
のガス出口となる分岐管48とを有した函体46と、該
函体46内において該函体46内における前記原料ガス
の流れ方向(図中の矢印G方向)に沿って装備される複
数本(この例では、3本)のパルスストリーマコロナ放
電を形成するための放電管5と、この放電管5に極短パ
ルス高電圧を印加するパルス高圧電源6とを具備してい
る。
【0028】函体46内は、放電管5を通過する原料ガ
スを循環させるため、壁49により流路50が区画形成
され、また、仕切壁10、11によって放電管5が支持
されている。流路50には、原料ガスを循環させるため
のブロワ51と循環する原料ガスの熱を除去するための
熱交換器52が装備されている。図中の矢印Kは、熱交
換器52を流れる冷却媒体の流れを示している。
【0029】パルスストリーマコロナ放電を形成するた
めの放電管5は、この実施例の場合は、函体46内にお
ける原料ガスの流れ方向に沿って張られたワイヤ電極1
5をコロナ放電電極とし、かつ、該ワイヤ電極15が挿
通する円筒電極16を非コロナ放電電極とする平行同軸
円筒型に形成され、各放電管5におけるワイヤ電極15
は、前記分岐管48側に位置した基端部が、碍管18を
挿通した前記パルス高圧電源6の一方の電極19に電気
接続されている。前記碍管18は、函体46の外壁部を
貫通しており、また、前記合流管47側に位置した各ワ
イヤ電極15の終端部は、前記函体46の外壁部に立設
された碍子20上の終端支持絶縁具21に固定されてい
る。
【0030】また、前記函体46における外壁部や仕切
壁10、11等はいずれも、導電性に優れた金属性であ
り、前述した各オゾン発生放電管5の円筒電極16は、
前記仕切壁10、11や外壁部を介して、前記パルス高
圧電源6の他方の電極23に接続されている。
【0031】以上の構成をなすガス処理装置45では、
放電管5とブロワ51と熱交換器52とによりーつの循
環路が形成され、合流管47から導入された原料ガス
は、ブロワ51によって強制的にこの循環路内を循環
し、所定の回数循環した後の処理ガスは分岐管48から
外部に供給される。図中の矢印Fは、循環路への原料ガ
スの合流と循環路から外部への取り出すガスの流れを示
している。この循環で原料ガスが放電管5を通過すると
き、放電管5に投入された放電電力の一部により発熱す
るが、その熱は循環路内にある熱交換器5により一回放
電管5を通過する毎に除去される。また、熱除去効果す
なわち冷却効果は熱交換器5によるために放電管5の冷
却によるガス冷却よりも高い冷却効率が得られる。
【0032】そのため、放電管5における放電電力密度
を数10kW/m〜数100kW/m程度という高
放電電力密度まで高めた場合にも、最終的なガスの温度
上昇を、オゾン発生を目的とするときは10〜20℃程
度以下の許容範囲に抑えることができ、また、NOx、
SOx処理目的においても65℃〜70℃の適温を確保
することが簡単にでき、ガス処理効率を向上させること
ができる。
【0033】特に、オゾン発生においては、従来のパル
スストリーマコロナ放電方式と同じオゾン生成量、オゾ
ン生成効率でよいならば、必要な放電体積は従来方式の
場合と比較して10分の1から100分の1程度に低減
することができ、逆に、従来方式の場合と同じ放電体積
で運用するなら、従来の10倍から100倍程度にオゾ
ン生成量を増大させることも可能で、放電電力密度の増
大によって高効率のオゾン生成を実現でき、容易にオゾ
ンの生成能力や生成効率を向上させることが可能とな
る。
【0034】また、原料ガスを繰り返し放電管5を通過
させるので、例えば高濃度のオゾンが得られる等ガス処
理能力が高められる。この繰り返し通過は、コロナ放電
領域の増大と等価であり、放電電力密度が低い場合であ
っても高いガス処理能力が期待できる。
【0035】なお、函体46内の循環路への原料ガスの
合流と処理ガスの外部への分岐については、この実施例
では連続的に行なっているが弁もしくはコック等を設
け、これを制御することで原料ガスの循環路への取込、
処理ガスの循環路から外部への取り出しを時間的に間欠
的に行なっても良い。また、ブロワ51と熱交換器52
を装備する流路を函体46の外部に設けても良い。更
に、放電管5の構造も、実施例に示した平行同軸円筒型
のパルスストリーマコロナ放電管に限定するものではな
く、公知の種々の構造のものを採用することが可能であ
る。
【0036】(第3実施例)図4は、本発明に係るガス
処理装置の第3実施例を示したものであり、図4(a)
はガス処理装置の断面概略、図4(b)および(c)は
放電電極の配列をそれぞれ示している(図中黒丸と白丸
とは極性が異なることを表している)。この第3実施例
のガス処理装置55は、原料ガスを導入するためのガス
入口2と処理ガスを外部に供給するためのガス出口3と
を有した函体56と、該函体56内において該函体56
内における前記原料ガスの流れ方向(図中の矢印J方
向)に沿って装備されるパルスストリーマコロナ放電を
形成するための複数のワイヤ電極57と、この電極に極
短パルス高電圧を印加するパルス高圧電源6とを具備し
ている。
【0037】パルスストリーマコロナ放電を形成するた
めの複数のワイヤ電極57は、函体56内における原料
ガスの流れ方向に沿って互いに所定の間隔を設けて平行
して張られ、かつ函体56内に一様に配置されている
(図4(b)および(c))。そして、隣接する2本の
電極の内一方の電極57の両端は、前記ガス入口2側に
位置した基端部が、函体56の外壁部を貫通する碍管1
8を挿通して前記パルス高圧電源6の一方の電極19に
電気接続され、また、前記ガス出口3側に位置した終端
部は、前記函体56の外壁部に立設された碍子20上の
終端支持絶縁具21に固定されている。
【0038】また、他方の電極57の両端は、前記ガス
入口2側に位置した基端部が、函体56の外壁部を貫通
する碍管58を挿通して前記パルス高圧電源6の他方の
電極23に電気接続され、また、前記ガス出口3側に位
置した終端部は、前記函体56の外壁部に立設された碍
子20上の終端支持絶縁具21に固定されている(な
お、碍子20や終端支持絶縁具21は、一方の電極を固
定するものと別個に形成されていても良く、その固定手
段は適宜である)。これにより互いに隣接する電極57
間でコロナ放電が形成され、この場合両電極ともコロナ
放電電極となる。
【0039】なお、一方の電極と他方の電極は、図4
(b)で示す放電電極の配列の例にあっては、函体56
内における原料ガスの流れ方向に対して略水平で直角方
向に列をなす列毎にされ、図4(c)で示す放電電極の
配列の例にあっては、函体56内における原料ガスの流
れ方向に対して略水平で直角方向に列をなす電極毎にさ
れている。
【0040】以上の構成をなすガス処理装置55では、
パルスストリーマコロナ放電を形成するための電極をワ
イヤ状のみで形成している。このように形成すると、一
方の電極を円筒状や平板状に形成された従来のパルスス
トリーマコロナ放電管に比し、空間の利用効率が極めて
高くなる。
【0041】その理由は、両方の電極を、例えば半径1
mmのワイヤで相対向する電極表面間の距離20mmに
して形成すると、両ワイヤ電極の表面間の電界強度(V
/m)の分布は、縦軸を電界強度(V/m)、横軸を相
対向する電極表面間距離(mm)とした図5の曲線Pで
示されるように中央部が最小で、両電極近傍が最大とな
るような形となる。このような分布であると、平等の電
界と異なり最小部分が全路破壊を起こす電圧以下となる
場合にはコロナ放電が発生する。
【0042】一方、図5の原点側に位置するワイヤ電極
を平板電極にすると、図5の曲線Qで示されるようにワ
イヤ電極近傍が最大となり急激に減少して略水平を維持
して平板電極に到るような形となる。すなわち、ワイヤ
対ワイヤで形成した電極とワイヤ対平板で形成した電極
とに同じ電圧を同じ電極表面間距離に印加した場合、コ
ロナ開始電界以上となる領域は、片方の電極だけを見る
と約半分になるが、ワイヤ対ワイヤで形成した電極では
電極の両方に高電界となる領域ができるため、略等しい
領域となる。
【0043】ところが、この場合ワイヤ対ワイヤで形成
した電極では最大電界強度がワイヤ対平板で形成した電
極に比して低くなるため、電極間距離を小さくすること
ができ、同一空間に多数のワイヤ電極を設けることが可
能となる。その結果同一空間内にコロナ開始電界以上の
高電界領域が増大する。
【0044】すなわち、ワイヤが電極間距離に対して充
分に細い場合、ワイヤ対ワイヤで形成した電極の電極間
距離D1、ワイヤ対平板で形成した電極の電極間距離D
2、ワイヤ電極の半径rとすると、D1/D2が2をD
2/rで除した平方根に略等しいときに、同じ電圧を印
加した場合の最大電界強度が等しくなることから、rを
1mm、D2を40mmの時の例をあげると等しい最大
電界強度が得られるD1は9mmとなり、ワイヤ対ワイ
ヤで形成した電極では電極間距離を小さくすることがで
きる。図6はこの例の電界強度の分布を示している。
【0045】なお、この実施例では、電極に印加する電
圧は両極にそれぞれ正負の電圧であるが、一方の電極に
正または負の電圧を印加し、他方の電極を接地するよう
にしても良い。また、この実施例では、両電極とも同径
としているが、一般にパルスストリーマコロナ放電は正
コロナの方が負コロナに対してコロナが伸び易く、電流
も流れ易いため、エネルギー効率が悪くなるので、正極
のワイヤ径を負極のワイヤ径よりも大きくし、正極での
電界強度を小さくしても良い。
【0046】
【発明の効果】以上詳述したように本発明のガス処理装
置によれば、パルスストリーマコロナ放電を形成するた
めの電極構造として、平行同軸円筒型を使用する場合に
は、その電極間を通過する原料ガスの温度上昇が抑制さ
れ、高い放電電力密度とすることができる。また、パル
スストリーマコロナ放電を形成するための電極構造とし
て両極共ワイヤ状の電極を採用することにより、空間に
対するコロナ放電領域の高密度を図ることができ、従来
と同じ容積とすればコロナ放電領域の増大が期待でき
る。したがって、原料ガスの高速、大量の処理を可能に
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガス処理装置の第1実施例の概略
構成図である。
【図2】図1の第一実施例に適用する他の例の放電管の
拡大断面図である。
【図3】本発明に係るガス処理装置の第2実施例の概略
構成図である。
【図4】本発明に係るガス処理装置の第3実施例の概略
構成図である。
【図5】電極間の電界強度の分布図を示す図である。
【図6】図4の第3実施例の効果を説明するための図で
ある。
【図7】従来のガス処理装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1,25,45,55 ガス処理装置 2 ガス入口 3 ガス出口 5 放電管 6 パルス高圧電源 8 冷却媒体入口 9 冷却媒体出口 10,11,49 仕切壁 15,57 ワイヤ電極 16,30 円筒電極 18,58 碍管 18,33 碍管 20 碍子 21 ワイヤ終端支持絶縁具 25,45,55 ガス処理装置 26,46,56 函体 31 中央電極 32 フィン 50 流路 51 ブロワ 52 熱交換器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01D 53/56 53/74 C01B 13/11 E M

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料ガスを導入するためのガス入口と処
    理ガスを外部に供給するためのガス出口とを有した函体
    と、前記函体内において前記函体内における前記原料ガ
    スの流れ方向に沿って装備されるパルスストリーマコロ
    ナ放電を形成するための一対の電極を有する放電管とを
    備え、前記一対の電極の内少なくとも一方の電極にコロ
    ナ放電を形成すると共に、前記放電管を通流するガスを
    冷却するフィンを設けたことを特徴とするガス処理装
    置。
  2. 【請求項2】 原料ガスを導入するためのガス入口と処
    理ガスを外部に供給するためのガス出口とを有した函体
    と、前記函体内において前記函体内における前記原料ガ
    スの流れ方向に沿って装備されるパルスストリーマコロ
    ナ放電を形成するための一対の電極を有する放電管と、
    前記放電管を通流するガスを循環させる流路とを備え、
    前記流路にガスを循環させるためのブロワとガスの熱を
    除去するための熱交換器を設けたことを特徴とするガス
    処理装置。
  3. 【請求項3】 原料ガスを導入するためのガス入口と処
    理ガスを外部に供給するためのガス出口とを有した函体
    と、前記函体内において前記函体内における前記原料ガ
    スの流れ方向に沿って装備されるパルスストリーマコロ
    ナ放電を形成するためのワイヤ状の複数の電極と、前記
    複数の電極は互いに平行しかつ前記函体内に一様に配置
    されると共に、互いに隣接する電極間でコロナ放電が形
    成されるようにしたをことを特徴とするガス処理装置。
JP7051675A 1995-02-01 1995-02-01 ガス処理装置 Pending JPH08206490A (ja)

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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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