JPH0820613A - ポリビニルアセタール樹脂及びその製造方法 - Google Patents

ポリビニルアセタール樹脂及びその製造方法

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JPH0820613A
JPH0820613A JP15488194A JP15488194A JPH0820613A JP H0820613 A JPH0820613 A JP H0820613A JP 15488194 A JP15488194 A JP 15488194A JP 15488194 A JP15488194 A JP 15488194A JP H0820613 A JPH0820613 A JP H0820613A
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JP
Japan
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acetal resin
polyvinyl acetal
resin
polyvinyl alcohol
ethylene groups
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JP15488194A
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English (en)
Inventor
Hiroko Minamino
裕子 南野
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】優れた耐貫通性を有するシンジオタクティック
トリアッド水酸基の割合が高い、新規なポリビニルアセ
タール樹脂及びその製造方法を提供する。 【構成】プロトン核磁気共鳴スペクトル測定において、
主鎖の全エチレン基に対するシンジオタクティックトリ
アッド水酸基が結合するエチレン基の割合が、4〜25
モル%であるポリビニルアセタール樹脂。主鎖の全エチ
レン基に対するシンジオタクティックダイアッド水酸基
が結合するエチレン基の割合が53.5〜76モル%で
あるポリビニルアルコールに、触媒の存在下、アルデヒ
ドを縮合させることによって得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、安全ガラス用中間膜、
塗料、接着剤等に用いられるポリビニルアセタール樹脂
及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からポリビニルアセタール樹脂は、
塗料、安全ガラス用中間膜、接着剤、バインダー、改質
剤、保護コロイド等の広汎な用途に用いられているが、
樹脂のクリープ弾性率、フロー性、安全ガラス用中間膜
とした時の耐貫通性等の物性は、樹脂中のプロトン核磁
気共鳴スペクトル測定におけるシンジオタクティックト
リアッド水酸基構造に極度に依存することが報告されて
いる。従って分子鎖中のシンジオタクティックトリアッ
ド水酸基の割合が1〜2モル%異なることにより、安全
ガラス用中間膜とした時の耐貫通性等の樹脂物性は飛躍
的に変化する。
【0003】ポリビニルアセタール樹脂はポリビニルア
ルコールをアセタール化することによって得られるが、
従来からこのポリビニルアルコールはすべて酢酸ビニル
をラジカル重合して合成された、ポリ酢酸ビニルをケン
化して得られたものであった。上記のようなポリビニル
アルコールを原料としたポリビニルアセタール樹脂の製
造方法としては、例えば製造時の反応温度を規定したも
の(特開昭49−90792号公報)、ポリビニルアル
コール中の残存酢酸ビニル量を限定したもの(特開昭5
5−94911号公報)等が開示されている。
【0004】しかしながら、酢酸ビニルのラジカル重合
により得られるポリビニルアルコールは、重合度・ケン
化度を変えることは可能であるが、その分子構造が、ア
イソタクティックダイアッド水酸基の割合が47モル%
前後とほぼ一定であり、構造比を大きく変えることは出
来ない。従って、上記のようなポリビニルアルコールと
アルデヒドを縮合させてポリビニルアセタール樹脂を合
成した場合も、樹脂中のアセタール環と水酸基の構造比
を大きく変えることは出来なかった。
【0005】また従来、原料となるポリビニルアルコー
ルの構造を変えることによってポリビニルアセタール樹
脂の構造を変えることについては開示されていなかっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記課題に鑑
みてなされたものであり、その目的は優れた耐貫通性を
有するシンジオタクティックトリアッド水酸基の割合が
高い、新規なポリビニルアセタール樹脂及びその製造方
法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のポリビニルアセ
タール樹脂は、主鎖の全エチレン基に対して、シンジオ
タクティックトリアッド水酸基が結合するエチレン基の
割合が、少なくなると酢酸ビニルを原料としたポリビニ
ルアルコールから合成された樹脂と同様の構造となり、
多くなると樹脂自体の製造が困難となるので、4〜25
モル%である。
【0008】本発明2はポリビニルアセタール樹脂の製
造方法に関し、本発明のポリビニルアセタール樹脂は、
主鎖の全エチレン基に対して、シンジオタクティックダ
イアッド水酸基が結合するエチレン基の割合が53.5
〜76モル%であるポリビニルアルコールに、触媒の存
在下、アルデヒドを縮合させることによって得られる。
本発明及び本発明2において、エチレン基の割合を示す
値は、プロトン核磁気共鳴スペクトル測定によって得ら
れる値である。
【0009】上記ポリビニルアルコールは、トリフルオ
ロ酢酸ビニル、ギ酸ビニル、トリメチル酢酸ビニル、ピ
バリン酸ビニル等によるラジカル重合、ビニルエーテ
ル、t−ブチルビニルエーテル、トリメチルシリルビニ
ルエーテル等のカチオン重合などにより得られる重合体
を、塩酸、水酸化ナトリウム等でケン化することによっ
て得られる。
【0010】また重合の際、必要に応じて開始剤、乳化
剤等を添加することができる。上記開始剤としてはラジ
カル重合においては、例えば、2,2’−アゾビスイソ
ブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4’−ジメ
チルバレロニトリル等が挙げられ、カチオン重合におい
ては、エチルアルミニウムダイクロライド、テトラクロ
ロスズ、テトラクロロチタン、三フッ化ホウ素エーテル
コンプレックス等が挙げられる。また上記乳化剤として
は、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ルソディウムサルフェート等が挙げられる。
【0011】前記触媒としては、例えば、塩酸、硫酸、
トリフルオロ酢酸、パラトルエンスルホン酸、酢酸等の
酸触媒が挙げられる。上記触媒の添加量は、少なくなる
と触媒としてのプロトン供与効果が低下し、多くなると
触媒としての追加効果がなく不経済であるので、溶媒に
対して0.02〜10重量%が好ましい。
【0012】前記アルデヒドの炭素数は、特に限定され
るものではないが、大きくなると溶媒への溶解性が悪く
なるので1〜10が好ましい。上記アルデヒドとして
は、通常アセタール化に使用されるものを用いることが
でき、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、
プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブ
チルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、n−ヘ
キシルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、2−エチ
ルヘキシルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、n−デ
シルアルデヒド、シンナムアルデヒド、バレルアルデヒ
ド等が挙げられ、なかでもアセトアルデヒド、プロピオ
ンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアル
デヒド、2−エチルブチルアルデヒド、n−ヘキシルア
ルデヒド、バレルアルデヒドがより好ましい。
【0013】また添加するアルデヒドの量は、特に限定
されるものではないが、少なくなるとアセタール化によ
る効果が十分でなく、多くなると分子間でアセタール化
が起こって得られる樹脂が硬くなり、また溶媒への溶解
性が悪くなるので、ポリビニルアルコールの残存水酸基
に対して5〜180モル%が好ましい。
【0014】
【実施例】以下に本発明を実施例につき説明する。 (実施例1)トリメチルシリルビニルエーテル500m
lをカルシウムハイドライドにて常圧蒸留し、ニトロエ
タン2900mlに入れ窒素置換後−40℃に冷却し
た。開始剤として0.1Mエチルアルミニウムダイクロ
ライドのニトロエタン溶液1670mlを添加し、3時
間重合した。これを35重量%塩酸水溶液を数滴添加し
た大量のメタノール中に注ぎ入れ、加水分解させてポリ
ビニルアルコールを合成した。このポリビニルアルコー
ルにつき、プロトン核磁気共鳴スペクトル測定により、
主鎖の全エチレン基に対するシンジオタクティックダイ
アッド水酸基が結合するエチレン基の割合を測定した。
上記合成したポリビニルアルコール33gを純水344
gに添加し、90℃で加熱溶解しポリビニルアルコール
水溶液を調製した。これに35重量%塩酸水溶液3gを
加え、20℃に冷却した状態で攪拌しながらn−ブチル
アルデヒド5gを滴下した。さらにこの溶液を10℃に
冷却し、n−ブチルアルデヒド13gを添加した。次第
に白色の樹脂が析出し、その後35重量%塩酸水溶液2
0gを徐々に滴下し、50℃で2時間反応させた。得ら
れた樹脂を重曹で中和し、水洗、乾燥して白色粉末状の
樹脂を合成した。この樹脂につき、プロトン核磁気共鳴
スペクトル測定により、アセタール化度及び主鎖の全エ
チレン基に対するシンジオタクティックトリアッド水酸
基が結合するエチレン基の割合を測定した。
【0015】(実施例2)トリメチルシリルビニルエー
テル500mlをカルシウムハイドライドにて常圧蒸留
し、ニトロエタン2900mlに入れ窒素置換後−78
℃に冷却した。開始剤として0.1Mテトラクロロスズ
のニトロエタン溶液1670mlを添加したこと以外は
実施例1と同様にしてポリビニルアルコール及び樹脂を
合成し、各々についてプロトン核磁気共鳴スペクトル測
定を行った。
【0016】(実施例3)t−ブチルビニルエーテル5
00mlをカルシウムハイドライドにて常圧蒸留し、ト
ルエン2900mlに入れ窒素置換後−78℃に冷却し
た。開始剤として三フッ化ホウ素エーテルコンプレック
ス1.7mlを添加したこと以外は実施例1と同様にし
てポリビニルアルコール及び樹脂を合成し、各々につい
てプロトン核磁気共鳴スペクトル測定を行った。
【0017】(実施例4)トリフルオロ酢酸ビニル10
0g、開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニト
リル1gを容器に入れ、窒素置換後50℃の恒温水槽に
浸漬して重合した後、石油エーテル中に注ぎ入れて単離
した。これをベンゼン/メタノール(10/1)混合溶
媒で溶解し、1N水酸化ナトリウム−メタノール溶液を
滴下し、加水分解させてポリビニルアルコールを合成し
たこと以外は実施例1と同様にして樹脂を合成し、各々
についてプロトン核磁気共鳴スペクトル測定を行った。
【0018】(実施例5)ギ酸ビニル100g、開始剤
として2,2’−アゾビス−2,4’−ジメチルバレロ
ニトリル1gを容器に入れ、窒素置換後30℃の恒温水
槽に浸漬して重合した後、石油エーテル中に注ぎ入れて
単離した。これをベンゼン/メタノール(10/1)混
合溶媒で溶解し、1N水酸化ナトリウム−メタノール溶
液を滴下し、加水分解させてポリビニルアルコールを合
成したこと以外は実施例1と同様にして樹脂を合成し、
各々についてプロトン核磁気共鳴スペクトル測定を行っ
た。
【0019】(実施例6)実施例4においてトリフルオ
ロ酢酸ビニルにかえてトリメチル酢酸ビニルを用いたこ
と以外は同様にしてポリビニルアルコール及び樹脂を合
成し、各々についてプロトン核磁気共鳴スペクトル測定
を行った。
【0020】(実施例7)ピバリン酸ビニル100m
l、乳化剤としてポリオキシエチレンノニルフェニルエ
ーテルソディウムサルフェート10ml及び純水100
mlを仕込み、脱気後減圧封管し、0℃の恒温槽中で高
圧水銀ランプにより光照射して重合を行った。これをテ
トラヒドロフランに溶解し、30重量%水酸化カリウム
−メタノール溶液を添加して窒素雰囲気化で環流するこ
とにより加水分解させてポリビニルアルコールを合成し
たこと以外は実施例1と同様にして樹脂を合成し、各々
についてプロトン核磁気共鳴スペクトル測定を行った。
【0021】(比較例1)酢酸ビニルより合成された市
販のポリビニルアルコールを用いたこと以外は実施例1
と同様にして樹脂を合成し、各々についてプロトン核磁
気共鳴スペクトル測定を行った。
【0022】(比較例2)酢酸ビニルより合成された市
販のポリビニルアルコール33gを純水344gに添加
し、90℃で加熱溶解しポリビニルアルコール水溶液を
調製した。これに35重量%濃塩酸3gを加え、20℃
で攪拌しながらn−ブチルアルデヒド5gを滴下した。
さらにこの溶液を10℃に冷却し、n−ブチルアルデヒ
ド13gを添加した。次第に白色の樹脂が析出し、その
後35重量%塩酸水溶液20gを徐々に滴下し、70℃
で12時間反応させた。得られた樹脂を重曹で中和し、
水洗、乾燥して白色粉末状の樹脂を合成した。上記ポリ
ビニルアルコール及び上記合成した樹脂につき実施例1
と同様にしてプロトン核磁気共鳴スペクトル測定を行っ
た。
【0023】〔プロトン核磁気共鳴スペクトル測定〕ポ
リビニルアルコールにおいては0.5重量%ジメチルス
ルホキシド溶液に、標準物質として少量のテトラメチル
シランを添加し30℃にて測定を行った。各吸収ピーク
はテトラメチルシランの共鳴周波数を基準とした化学シ
フト(ppm)により各構造に帰属し、共鳴吸収強度は
プロトン(水素)の量に対応する。 吸収ピークは4.
65ppmがアイソタクティック水酸基(IA )、4.
41ppmがヘテロタクティック水酸基(IB )、4.
19ppmがシンジオタクティックダイアッド水酸基
(IC )に帰属し、各ピークの積分強度から下記の計算
式により、実施例1〜7及び比較例1〜2で合成したポ
リビニルアルコールの、主鎖の全エチレン基に対するシ
ンジオタクティックダイアッド水酸基が結合するエチレ
ン基の割合を算出し、結果を表2に示した。
【0024】ポリビニルアセタール樹脂においては、一
例としてポリビニルブチラールの1重量%ジメチルスル
ホキシド溶液に、標準物質として少量のテトラメチルシ
ランを添加し28℃にて測定を行い、他のポリビニルア
セタール樹脂においてはこれに準ずる方法で測定を行っ
た。表1に示した各吸収ピークの帰属と積分強度を参考
にして、下記の計算式により実施例1〜7及び比較例1
〜2で合成したポリビニルアセタール樹脂のアセタール
化度、及び樹脂の、主鎖の全エチレン基に対するシンジ
オタクティックトリアッド水酸基が結合するエチレン基
の割合を算出し、結果を表2に示した。
【0025】
【表1】
【0026】〔計算式〕 ・ポリビニルアルコール シンジオタクティックダイアッド水酸基={IC /(I
A +IB +IC )}×100 (モル%) ・ポリビニルブチラール ブチラール化度(DB )={2ID /(3IE −4
D )}×100 (モル%) シンジオタクティックトリアッド水酸基=(IF
G )×(3DB /2ID ) (モル%)
【0027】
【表2】
【0028】
【発明の効果】本発明のポリビニルアセタール樹脂は、
上述のとおりであり、シンジオタクティック比が高く、
分子内の水酸基の連鎖長が長くなり、同じアセタール化
度の樹脂と比べ膜にした場合の耐貫通性が高い。従って
塗料、接着剤、バインダー、改質剤としての利用価値が
高く、特にブチルアルデヒドによりアセタール化したポ
リビニルブチラールは、丈夫であり、安全ガラス用中間
膜として使用できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主鎖の全エチレン基に対して、シンジオタ
    クティックトリアッド水酸基が結合するエチレン基の割
    合が4〜25モル%であることを特徴とするポリビニル
    アセタール樹脂。
  2. 【請求項2】主鎖の全エチレン基に対して、シンジオタ
    クティックダイアッド水酸基が結合するエチレン基の割
    合が53.5〜76モル%であるポリビニルアルコール
    に、触媒の存在下、アルデヒドを縮合させて、請求項1
    記載のポリビニルアセタール樹脂を得ることを特徴とす
    るポリビニルアセタール樹脂の製造方法。
JP15488194A 1994-07-06 1994-07-06 ポリビニルアセタール樹脂及びその製造方法 Pending JPH0820613A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109565052A (zh) * 2017-03-28 2019-04-02 积水化学工业株式会社 蓄电设备电极用粘合剂

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109565052A (zh) * 2017-03-28 2019-04-02 积水化学工业株式会社 蓄电设备电极用粘合剂

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