JPH0820612A - ポリビニルアセタール樹脂及びその製造方法 - Google Patents
ポリビニルアセタール樹脂及びその製造方法Info
- Publication number
- JPH0820612A JPH0820612A JP15488094A JP15488094A JPH0820612A JP H0820612 A JPH0820612 A JP H0820612A JP 15488094 A JP15488094 A JP 15488094A JP 15488094 A JP15488094 A JP 15488094A JP H0820612 A JPH0820612 A JP H0820612A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- acetal resin
- polyvinyl acetal
- polyvinyl alcohol
- resin
- vinyl
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Paints Or Removers (AREA)
- Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】優れた加工性を有するアイソタクティックトリ
アッド水酸基の割合が高い、新規なポリビニルアセター
ル樹脂及びその製造方法を提供する。 【構成】プロトン核磁気共鳴スペクトル測定において、
主鎖の全エチレン基に対するアイソタクティックトリア
ッド水酸基が結合するエチレン基の割合が、2〜21モ
ル%であるポリビニルアセタール樹脂。主鎖の全エチレ
ン基に対するアイソタクティックダイアッド水酸基が結
合するエチレン基の割合が49〜91モル%であるポリ
ビニルアルコールに、触媒の存在下、アルデヒドを縮合
させることによって得られる。
アッド水酸基の割合が高い、新規なポリビニルアセター
ル樹脂及びその製造方法を提供する。 【構成】プロトン核磁気共鳴スペクトル測定において、
主鎖の全エチレン基に対するアイソタクティックトリア
ッド水酸基が結合するエチレン基の割合が、2〜21モ
ル%であるポリビニルアセタール樹脂。主鎖の全エチレ
ン基に対するアイソタクティックダイアッド水酸基が結
合するエチレン基の割合が49〜91モル%であるポリ
ビニルアルコールに、触媒の存在下、アルデヒドを縮合
させることによって得られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、安全ガラス用中間膜、
塗料、接着剤等に用いられるポリビニルアセタール樹脂
及びその製造方法に関する。
塗料、接着剤等に用いられるポリビニルアセタール樹脂
及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からポリビニルアセタール樹脂は、
塗料、安全ガラス用中間膜、接着剤、バインダー、改質
剤、保護コロイド等の広汎な用途に用いられている。ポ
リビニルアセタール樹脂はポリビニルアルコールをアセ
タール化することによって得られるが、従来からこのポ
リビニルアルコールはすべて酢酸ビニルをラジカル重合
して合成された、ポリ酢酸ビニルをケン化して得られた
ものであった。上記のようなポリビニルアルコールを原
料としたポリビニルアセタール樹脂の製造方法として
は、例えば製造時の反応温度を規定したもの(特開昭4
9−90792号公報)、ポリビニルアルコール中の残
存酢酸ビニル量を限定したもの(特開昭55−9491
1号公報)等が開示されている。
塗料、安全ガラス用中間膜、接着剤、バインダー、改質
剤、保護コロイド等の広汎な用途に用いられている。ポ
リビニルアセタール樹脂はポリビニルアルコールをアセ
タール化することによって得られるが、従来からこのポ
リビニルアルコールはすべて酢酸ビニルをラジカル重合
して合成された、ポリ酢酸ビニルをケン化して得られた
ものであった。上記のようなポリビニルアルコールを原
料としたポリビニルアセタール樹脂の製造方法として
は、例えば製造時の反応温度を規定したもの(特開昭4
9−90792号公報)、ポリビニルアルコール中の残
存酢酸ビニル量を限定したもの(特開昭55−9491
1号公報)等が開示されている。
【0003】しかしながら、酢酸ビニルのラジカル重合
により得られるポリビニルアルコールは、樹脂の重合度
・ケン化度を変えることは可能であるが、その分子構造
が、アイソタクティックダイアッド水酸基の割合が47
モル%前後とほぼ一定であり、構造比を大きく変えるこ
とは出来ない。従って、上記のようなポリビニルアルコ
ールとアルデヒドを縮合させてポリビニルアセタール樹
脂を合成した場合も、樹脂中のアセタール環と水酸基の
構造比を大きく変えることは出来なかった。
により得られるポリビニルアルコールは、樹脂の重合度
・ケン化度を変えることは可能であるが、その分子構造
が、アイソタクティックダイアッド水酸基の割合が47
モル%前後とほぼ一定であり、構造比を大きく変えるこ
とは出来ない。従って、上記のようなポリビニルアルコ
ールとアルデヒドを縮合させてポリビニルアセタール樹
脂を合成した場合も、樹脂中のアセタール環と水酸基の
構造比を大きく変えることは出来なかった。
【0004】また従来、原料となるポリビニルアルコー
ルの構造を変えることによってポリビニルアセタール樹
脂の構造を変えることについては開示されていなかっ
た。
ルの構造を変えることによってポリビニルアセタール樹
脂の構造を変えることについては開示されていなかっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記課題に鑑
みてなされたものであり、その目的は優れた加工性を有
するアイソタクティックトリアッド水酸基の割合が高
い、新規なポリビニルアセタール樹脂及びその製造方法
を提供することである。
みてなされたものであり、その目的は優れた加工性を有
するアイソタクティックトリアッド水酸基の割合が高
い、新規なポリビニルアセタール樹脂及びその製造方法
を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のポリビニルアセ
タール樹脂は、主鎖の全エチレン基に対して、アイソタ
クティックトリアッド水酸基が結合するエチレン基の割
合が、少なくなると酢酸ビニルを原料としたポリビニル
アルコールから合成された樹脂と同様の構造となり、多
くなるとアイソタクティックトリアッド水酸基の反応性
が高まり樹脂の製造が困難となるので、2〜21モル%
である。
タール樹脂は、主鎖の全エチレン基に対して、アイソタ
クティックトリアッド水酸基が結合するエチレン基の割
合が、少なくなると酢酸ビニルを原料としたポリビニル
アルコールから合成された樹脂と同様の構造となり、多
くなるとアイソタクティックトリアッド水酸基の反応性
が高まり樹脂の製造が困難となるので、2〜21モル%
である。
【0007】本発明2はポリビニルアセタール樹脂の製
造方法に関し、本発明のポリビニルアセタール樹脂は、
主鎖の全エチレン基に対して、アイソタクティックダイ
アッド水酸基が結合するエチレン基の割合が49〜91
モル%であるポリビニルアルコールに、触媒の存在下、
アルデヒドを縮合させることによって得られる。本発明
及び本発明2において、エチレン基の割合を示す値は、
プロトン核磁気共鳴スペクトル測定によって得られる値
である。
造方法に関し、本発明のポリビニルアセタール樹脂は、
主鎖の全エチレン基に対して、アイソタクティックダイ
アッド水酸基が結合するエチレン基の割合が49〜91
モル%であるポリビニルアルコールに、触媒の存在下、
アルデヒドを縮合させることによって得られる。本発明
及び本発明2において、エチレン基の割合を示す値は、
プロトン核磁気共鳴スペクトル測定によって得られる値
である。
【0008】上記ポリビニルアルコールは、安息香酸ビ
ニル及び置換安息香酸ビニル類等のラジカル重合、ビニ
ルエーテル等のカチオン重合などにより得られる重合体
を、塩酸、水酸化ナトリウム等でケン化することによっ
て得られる。
ニル及び置換安息香酸ビニル類等のラジカル重合、ビニ
ルエーテル等のカチオン重合などにより得られる重合体
を、塩酸、水酸化ナトリウム等でケン化することによっ
て得られる。
【0009】上記置換安息香酸ビニルとしては、例え
ば、メチル安息香酸ビニル、メチルエーテル安息香酸ビ
ニル、クロル安息香酸ビニル、フルオロ安息香酸ビニ
ル、ブロモ安息香酸ビニル、シアノ安息香酸ビニル、フ
ェニル安息香酸ビニル、ジクロル安息香酸ビニル等が挙
げられる。上記ビニルエーテルとしては、例えば、ベン
ジルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、トリ
メチルシリルビニルエーテル等が挙げられる。
ば、メチル安息香酸ビニル、メチルエーテル安息香酸ビ
ニル、クロル安息香酸ビニル、フルオロ安息香酸ビニ
ル、ブロモ安息香酸ビニル、シアノ安息香酸ビニル、フ
ェニル安息香酸ビニル、ジクロル安息香酸ビニル等が挙
げられる。上記ビニルエーテルとしては、例えば、ベン
ジルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、トリ
メチルシリルビニルエーテル等が挙げられる。
【0010】また重合の際、必要に応じて開始剤、乳化
剤等を添加することができる。上記開始剤としては、ラ
ジカル重合においては、例えば、2,2’−アゾビスイ
ソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4’−ジ
メチルバレロニトリル等が挙げられ、カチオン重合にお
いては、例えば、エチルアルミニウムダイクロライド、
テトラクロロスズ、テトラクロロチタン、三フッ化ホウ
素エーテルコンプレックス等が挙げられる。また、上記
乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンノニルフ
ェニルエーテルソディウムサルフェート等のが挙げられ
る。
剤等を添加することができる。上記開始剤としては、ラ
ジカル重合においては、例えば、2,2’−アゾビスイ
ソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4’−ジ
メチルバレロニトリル等が挙げられ、カチオン重合にお
いては、例えば、エチルアルミニウムダイクロライド、
テトラクロロスズ、テトラクロロチタン、三フッ化ホウ
素エーテルコンプレックス等が挙げられる。また、上記
乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンノニルフ
ェニルエーテルソディウムサルフェート等のが挙げられ
る。
【0011】前記触媒としては、例えば、塩酸、硫酸、
トリフルオロ酢酸、パラトルエンスルホン酸、酢酸等の
酸触媒が挙げられる。上記触媒の添加量は、少なくなる
と触媒としてのプロトン供与効果が低下し、多くなると
触媒としての追加効果がなく不経済であるので、溶媒に
対して0.02〜10重量%が好ましい。
トリフルオロ酢酸、パラトルエンスルホン酸、酢酸等の
酸触媒が挙げられる。上記触媒の添加量は、少なくなる
と触媒としてのプロトン供与効果が低下し、多くなると
触媒としての追加効果がなく不経済であるので、溶媒に
対して0.02〜10重量%が好ましい。
【0012】前記アルデヒドの炭素数は、特に限定され
るものではないが、大きくなると溶媒への溶解性が悪く
なるので1〜10が好ましい。上記アルデヒドとして
は、通常アセタール化に使用されるものを用いることが
でき、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、
プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブ
チルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、n−ヘ
キシルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、2−エチ
ルヘキシルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、n−デ
シルアルデヒド、シンナムアルデヒド、バレルアルデヒ
ド等が挙げられ、なかでもアセトアルデヒド、プロピオ
ンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアル
デヒド、2−エチルブチルアルデヒド、n−ヘキシルア
ルデヒド、バレルアルデヒドがより好ましい。
るものではないが、大きくなると溶媒への溶解性が悪く
なるので1〜10が好ましい。上記アルデヒドとして
は、通常アセタール化に使用されるものを用いることが
でき、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、
プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブ
チルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、n−ヘ
キシルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、2−エチ
ルヘキシルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、n−デ
シルアルデヒド、シンナムアルデヒド、バレルアルデヒ
ド等が挙げられ、なかでもアセトアルデヒド、プロピオ
ンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアル
デヒド、2−エチルブチルアルデヒド、n−ヘキシルア
ルデヒド、バレルアルデヒドがより好ましい。
【0013】また添加するアルデヒドの量は、特に限定
されるものではないが、少なくなるとアセタール化によ
る効果が十分でなく、多くなると分子間でアセタール化
が起こって得られる樹脂が硬くなり、また溶媒への溶解
性が悪くなるので、ポリビニルアルコールの残存水酸基
に対して5〜180モル%が好ましい。
されるものではないが、少なくなるとアセタール化によ
る効果が十分でなく、多くなると分子間でアセタール化
が起こって得られる樹脂が硬くなり、また溶媒への溶解
性が悪くなるので、ポリビニルアルコールの残存水酸基
に対して5〜180モル%が好ましい。
【0014】
【実施例】以下に本発明を実施例につき説明する。 (実施例1)トリメチルシリルビニルエーテル500m
lをカルシウムハイドライドにて常圧蒸留し、トルエン
2900mlに入れ窒素置換後−95℃に冷却した。開
始剤として0.1Mエチルアルミニウムダイクロライド
のトルエン溶液1670mlを添加し、3時間重合し
た。これを35重量%塩酸水溶液を数滴添加した大量の
メタノール中に注ぎ入れ、加水分解させてポリビニルア
ルコールを合成した。このポリビニルアルコールにつ
き、プロトン核磁気共鳴スペクトル測定により、主鎖の
全エチレン基に対するアイソタクティックダイアッド水
酸基が結合するエチレン基の割合を測定した。上記合成
したポリビニルアルコール33gを純水344gに添加
し、90℃で加熱溶解しポリビニルアルコール水溶液を
調製した。これに35重量%塩酸水溶液3gを加え、2
0℃に冷却した状態で攪拌しながらn−ブチルアルデヒ
ド5gを滴下した。さらにこの溶液を10℃に冷却し、
n−ブチルアルデヒド13gを添加した。次第に白色の
樹脂が析出し、その後35重量%塩酸水溶液20gを徐
々に滴下し、50℃で2時間反応させた。得られた樹脂
を重曹で中和し、水洗、乾燥して白色粉末状の樹脂を合
成した。この樹脂につき、プロトン核磁気共鳴スペクト
ル測定により、アセタール化度及び主鎖の全エチレン基
に対するアイソタクティックトリアッド水酸基が結合す
るエチレン基の割合を測定した。
lをカルシウムハイドライドにて常圧蒸留し、トルエン
2900mlに入れ窒素置換後−95℃に冷却した。開
始剤として0.1Mエチルアルミニウムダイクロライド
のトルエン溶液1670mlを添加し、3時間重合し
た。これを35重量%塩酸水溶液を数滴添加した大量の
メタノール中に注ぎ入れ、加水分解させてポリビニルア
ルコールを合成した。このポリビニルアルコールにつ
き、プロトン核磁気共鳴スペクトル測定により、主鎖の
全エチレン基に対するアイソタクティックダイアッド水
酸基が結合するエチレン基の割合を測定した。上記合成
したポリビニルアルコール33gを純水344gに添加
し、90℃で加熱溶解しポリビニルアルコール水溶液を
調製した。これに35重量%塩酸水溶液3gを加え、2
0℃に冷却した状態で攪拌しながらn−ブチルアルデヒ
ド5gを滴下した。さらにこの溶液を10℃に冷却し、
n−ブチルアルデヒド13gを添加した。次第に白色の
樹脂が析出し、その後35重量%塩酸水溶液20gを徐
々に滴下し、50℃で2時間反応させた。得られた樹脂
を重曹で中和し、水洗、乾燥して白色粉末状の樹脂を合
成した。この樹脂につき、プロトン核磁気共鳴スペクト
ル測定により、アセタール化度及び主鎖の全エチレン基
に対するアイソタクティックトリアッド水酸基が結合す
るエチレン基の割合を測定した。
【0015】(実施例2)t−ブチルビニルエーテル5
00mlをカルシウムハイドライドにて常圧蒸留し、ト
ルエン2900mlに入れ窒素置換後−78℃に冷却し
た。開始剤として0.1Mテトラクロロスズのトルエン
溶液1670mlを添加したこと以外は実施例1と同様
にしてポリビニルアルコール及び樹脂を合成し、各々に
ついてプロトン核磁気共鳴スペクトル測定を行った。
00mlをカルシウムハイドライドにて常圧蒸留し、ト
ルエン2900mlに入れ窒素置換後−78℃に冷却し
た。開始剤として0.1Mテトラクロロスズのトルエン
溶液1670mlを添加したこと以外は実施例1と同様
にしてポリビニルアルコール及び樹脂を合成し、各々に
ついてプロトン核磁気共鳴スペクトル測定を行った。
【0016】(実施例3)ベンジルビニルエーテル50
0mlをカルシウムハイドライドにて常圧蒸留し、トル
エン2900mlに入れ窒素置換後−78℃に冷却し
た。開始剤としてテトラクロロチタンのトルエン溶液1
670mlを添加したこと以外は実施例1と同様にして
ポリビニルアルコール及び樹脂を合成し、各々について
プロトン核磁気共鳴スペクトル測定を行った。
0mlをカルシウムハイドライドにて常圧蒸留し、トル
エン2900mlに入れ窒素置換後−78℃に冷却し
た。開始剤としてテトラクロロチタンのトルエン溶液1
670mlを添加したこと以外は実施例1と同様にして
ポリビニルアルコール及び樹脂を合成し、各々について
プロトン核磁気共鳴スペクトル測定を行った。
【0017】(実施例4)安息香酸ビニル100g、開
始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1g
を容器に入れ、窒素置換後50℃の恒温水槽に浸漬して
重合した後、石油エーテル中に注ぎ入れて単離した。こ
れをベンゼン/メタノール(10/1)混合溶媒で溶解
し、1N水酸化ナトリウム−メタノール溶液を滴下し、
加水分解させてポリビニルアルコールを合成したこと以
外は実施例1と同様にして樹脂を合成し、各々について
プロトン核磁気共鳴スペクトル測定を行った。
始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1g
を容器に入れ、窒素置換後50℃の恒温水槽に浸漬して
重合した後、石油エーテル中に注ぎ入れて単離した。こ
れをベンゼン/メタノール(10/1)混合溶媒で溶解
し、1N水酸化ナトリウム−メタノール溶液を滴下し、
加水分解させてポリビニルアルコールを合成したこと以
外は実施例1と同様にして樹脂を合成し、各々について
プロトン核磁気共鳴スペクトル測定を行った。
【0018】(実施例5)p−ブロモ安息香酸ビニル1
00g、開始剤として2,2’−アゾビス−2,4’−
ジメチルバレロニトリル1gを容器に入れ、窒素置換後
30℃の恒温水槽に浸漬して重合した後、石油エーテル
中に注ぎ入れて単離した。これをベンゼン/メタノール
(10/1)混合溶媒で溶解し、1N水酸化ナトリウム
−メタノール溶液を滴下し、加水分解させてポリビニル
アルコールを合成したこと以外は実施例1と同様にして
樹脂を合成し、各々についてプロトン核磁気共鳴スペク
トル測定を行った。
00g、開始剤として2,2’−アゾビス−2,4’−
ジメチルバレロニトリル1gを容器に入れ、窒素置換後
30℃の恒温水槽に浸漬して重合した後、石油エーテル
中に注ぎ入れて単離した。これをベンゼン/メタノール
(10/1)混合溶媒で溶解し、1N水酸化ナトリウム
−メタノール溶液を滴下し、加水分解させてポリビニル
アルコールを合成したこと以外は実施例1と同様にして
樹脂を合成し、各々についてプロトン核磁気共鳴スペク
トル測定を行った。
【0019】(実施例6)実施例4において安息香酸ビ
ニルにかえてp−メチル安息香酸ビニルを用いたこと以
外は同様にしてポリビニルアルコール及び樹脂を合成
し、各々についてプロトン核磁気共鳴スペクトル測定を
行った。
ニルにかえてp−メチル安息香酸ビニルを用いたこと以
外は同様にしてポリビニルアルコール及び樹脂を合成
し、各々についてプロトン核磁気共鳴スペクトル測定を
行った。
【0020】(実施例7)実施例4において安息香酸ビ
ニルにかえてm−クロル安息香酸ビニルを用いたこと以
外は同様にしてポリビニルアルコール及び樹脂を合成
し、各々についてプロトン核磁気共鳴スペクトル測定を
行った。
ニルにかえてm−クロル安息香酸ビニルを用いたこと以
外は同様にしてポリビニルアルコール及び樹脂を合成
し、各々についてプロトン核磁気共鳴スペクトル測定を
行った。
【0021】(実施例8)実施例4において安息香酸ビ
ニルにかえてp−フルオロ安息香酸ビニルを用いたこと
以外は同様にしてポリビニルアルコール及び樹脂を合成
し、各々についてプロトン核磁気共鳴スペクトル測定を
行った。
ニルにかえてp−フルオロ安息香酸ビニルを用いたこと
以外は同様にしてポリビニルアルコール及び樹脂を合成
し、各々についてプロトン核磁気共鳴スペクトル測定を
行った。
【0022】(実施例9)実施例4において安息香酸ビ
ニルにかえてp−シアノ安息香酸ビニルを用いたこと以
外は同様にしてポリビニルアルコール及び樹脂を合成
し、各々についてプロトン核磁気共鳴スペクトル測定を
行った。
ニルにかえてp−シアノ安息香酸ビニルを用いたこと以
外は同様にしてポリビニルアルコール及び樹脂を合成
し、各々についてプロトン核磁気共鳴スペクトル測定を
行った。
【0023】(実施例10)実施例4において安息香酸
ビニルにかえて3,4−ジクロル安息香酸ビニルを用い
たこと以外は同様にしてポリビニルアルコール及び樹脂
を合成し、各々についてプロトン核磁気共鳴スペクトル
測定を行った。
ビニルにかえて3,4−ジクロル安息香酸ビニルを用い
たこと以外は同様にしてポリビニルアルコール及び樹脂
を合成し、各々についてプロトン核磁気共鳴スペクトル
測定を行った。
【0024】(実施例11)実施例4において安息香酸
ビニルにかえてp−フェニル安息香酸ビニルを用いたこ
と以外は同様にしてポリビニルアルコール及び樹脂を合
成し、各々についてプロトン核磁気共鳴スペクトル測定
を行った。
ビニルにかえてp−フェニル安息香酸ビニルを用いたこ
と以外は同様にしてポリビニルアルコール及び樹脂を合
成し、各々についてプロトン核磁気共鳴スペクトル測定
を行った。
【0025】(比較例1)酢酸ビニルより合成された市
販のポリビニルアルコールを用いたこと以外は実施例1
と同様にして樹脂を合成し、各々についてプロトン核磁
気共鳴スペクトル測定を行った。
販のポリビニルアルコールを用いたこと以外は実施例1
と同様にして樹脂を合成し、各々についてプロトン核磁
気共鳴スペクトル測定を行った。
【0026】(比較例2)酢酸ビニルより合成された市
販のポリビニルアルコール33gを純粋344gに添加
し、90℃で加熱溶解しポリビニルアルコール水溶液を
調製した。これに35重量%濃塩酸20gを加え、35
℃で攪拌しながらn−ブチルアルデヒド18gを滴下
し、その後50℃で2時間反応させた。得られた樹脂を
重曹で中和し、水洗、乾燥して白色粉末状の樹脂を合成
した。上記ポリビニルアルコール及び上記合成した樹脂
につき実施例1と同様にしてプロトン核磁気共鳴スペク
トル測定を行った。
販のポリビニルアルコール33gを純粋344gに添加
し、90℃で加熱溶解しポリビニルアルコール水溶液を
調製した。これに35重量%濃塩酸20gを加え、35
℃で攪拌しながらn−ブチルアルデヒド18gを滴下
し、その後50℃で2時間反応させた。得られた樹脂を
重曹で中和し、水洗、乾燥して白色粉末状の樹脂を合成
した。上記ポリビニルアルコール及び上記合成した樹脂
につき実施例1と同様にしてプロトン核磁気共鳴スペク
トル測定を行った。
【0027】(比較例3)実施例4において安息香酸ビ
ニルにかえてフェニル酢酸ビニルを用いたこと以外は同
様にしてポリビニルアルコール及び樹脂を合成し、各々
についてプロトン核磁気共鳴スペクトル測定を行った。
ニルにかえてフェニル酢酸ビニルを用いたこと以外は同
様にしてポリビニルアルコール及び樹脂を合成し、各々
についてプロトン核磁気共鳴スペクトル測定を行った。
【0028】〔プロトン核磁気共鳴スペクトル測定〕ポ
リビニルアルコールにおいては0.5重量%ジメチルス
ルホキシド溶液に、標準物質として少量のテトラメチル
シランを添加し30℃にて測定を行った。各吸収ピーク
はテトラメチルシランの共鳴周波数を基準とした化学シ
フト(ppm)により各構造に帰属し、共鳴吸収強度は
プロトン(水素)の量に対応する。 吸収ピークは4.
65ppmがアイソタクティック水酸基(IA )、4.
41ppmがヘテロタクティック水酸基(IB )、4.
19ppmがシンジオタクティックダイアッド水酸基
(IC )に帰属し、各ピークの積分強度から下記の計算
式により、実施例1〜11及び比較例1〜3で合成した
ポリビニルアルコールの、主鎖の全エチレン基に対する
アイソタクティックダイアッド水酸基が結合するエチレ
ン基の割合を算出し、結果を表2に示した。
リビニルアルコールにおいては0.5重量%ジメチルス
ルホキシド溶液に、標準物質として少量のテトラメチル
シランを添加し30℃にて測定を行った。各吸収ピーク
はテトラメチルシランの共鳴周波数を基準とした化学シ
フト(ppm)により各構造に帰属し、共鳴吸収強度は
プロトン(水素)の量に対応する。 吸収ピークは4.
65ppmがアイソタクティック水酸基(IA )、4.
41ppmがヘテロタクティック水酸基(IB )、4.
19ppmがシンジオタクティックダイアッド水酸基
(IC )に帰属し、各ピークの積分強度から下記の計算
式により、実施例1〜11及び比較例1〜3で合成した
ポリビニルアルコールの、主鎖の全エチレン基に対する
アイソタクティックダイアッド水酸基が結合するエチレ
ン基の割合を算出し、結果を表2に示した。
【0029】ポリビニルアセタール樹脂においては、一
例としてポリビニルブチラールの1重量%ジメチルスル
ホキシド溶液に、標準物質として少量のテトラメチルシ
ランを添加し28℃にて測定を行い、他のポリビニルア
セタール樹脂においてはこれに準ずる方法で測定を行っ
た。表1に示した各吸収ピークの帰属と積分強度を参考
にして、下記の計算式により実施例1〜11及び比較例
1〜3で合成したポリビニルアセタール樹脂のアセター
ル化度、及び樹脂の、主鎖の全エチレン基に対するアイ
ソタクティックトリアッド水酸基が結合するエチレン基
の割合を算出し、結果を表2に示した。
例としてポリビニルブチラールの1重量%ジメチルスル
ホキシド溶液に、標準物質として少量のテトラメチルシ
ランを添加し28℃にて測定を行い、他のポリビニルア
セタール樹脂においてはこれに準ずる方法で測定を行っ
た。表1に示した各吸収ピークの帰属と積分強度を参考
にして、下記の計算式により実施例1〜11及び比較例
1〜3で合成したポリビニルアセタール樹脂のアセター
ル化度、及び樹脂の、主鎖の全エチレン基に対するアイ
ソタクティックトリアッド水酸基が結合するエチレン基
の割合を算出し、結果を表2に示した。
【0030】
【表1】
【0031】〔計算式〕 ・ポリビニルアルコール アイソタクティックダイアッド水酸基={IA /(IA
+IB +IC )}×100 (モル%) ・ポリビニルブチラール ブチラール化度(DB )={2ID /(3IE −4
ID )}×100 (モル%) アイソタクティックトリアッド水酸基=IF ×(3DB
/2ID )(モル%)
+IB +IC )}×100 (モル%) ・ポリビニルブチラール ブチラール化度(DB )={2ID /(3IE −4
ID )}×100 (モル%) アイソタクティックトリアッド水酸基=IF ×(3DB
/2ID )(モル%)
【0032】
【表2】
【0033】
【発明の効果】本発明のポリビニルアセタール樹脂は、
上述のとおりであり、アイソタクティック比が高く、そ
の結果、同じアセタール化度の樹脂と比べ分子間水素結
合が極端に低減され、流動性及び加工性に優れる。従っ
て樹脂の改質剤としての利用価値が広がり、特にブチル
アルデヒドによりアセタール化したポリビニルブチラー
ルは、合わせ加工性が優れることから通常のガラスだけ
でなく、高曲率ガラスの安全ガラス用中間膜としての利
用価値が高い。
上述のとおりであり、アイソタクティック比が高く、そ
の結果、同じアセタール化度の樹脂と比べ分子間水素結
合が極端に低減され、流動性及び加工性に優れる。従っ
て樹脂の改質剤としての利用価値が広がり、特にブチル
アルデヒドによりアセタール化したポリビニルブチラー
ルは、合わせ加工性が優れることから通常のガラスだけ
でなく、高曲率ガラスの安全ガラス用中間膜としての利
用価値が高い。
Claims (2)
- 【請求項1】主鎖の全エチレン基に対して、アイソタク
ティックトリアッド水酸基が結合するエチレン基の割合
が2〜21モル%であることを特徴とするポリビニルア
セタール樹脂。 - 【請求項2】主鎖の全エチレン基に対して、アイソタク
ティックダイアッド水酸基が結合するエチレン基の割合
が49〜91モル%であるポリビニルアルコールに、触
媒の存在下、アルデヒドを縮合させて、請求項1記載の
ポリビニルアセタール樹脂を得ることを特徴とするポリ
ビニルアセタール樹脂の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15488094A JPH0820612A (ja) | 1994-07-06 | 1994-07-06 | ポリビニルアセタール樹脂及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15488094A JPH0820612A (ja) | 1994-07-06 | 1994-07-06 | ポリビニルアセタール樹脂及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0820612A true JPH0820612A (ja) | 1996-01-23 |
Family
ID=15593975
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15488094A Pending JPH0820612A (ja) | 1994-07-06 | 1994-07-06 | ポリビニルアセタール樹脂及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0820612A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109565052A (zh) * | 2017-03-28 | 2019-04-02 | 积水化学工业株式会社 | 蓄电设备电极用粘合剂 |
-
1994
- 1994-07-06 JP JP15488094A patent/JPH0820612A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109565052A (zh) * | 2017-03-28 | 2019-04-02 | 积水化学工业株式会社 | 蓄电设备电极用粘合剂 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5686854B2 (ja) | ビニルアルコール系重合体 | |
EP2006308B1 (en) | Polyvinyl acetal-based resin | |
US7754901B2 (en) | Method for producing fluorinated compounds and polymers | |
JP5926609B2 (ja) | 水溶性ポリビニルアセタールの製造方法及び水溶性ポリビニルアセタール | |
CN113416208B (zh) | 丁香酚生物基含硅氧杂环丁烷单体及其制备方法 | |
US6107401A (en) | Process for producing amine functional derivatives of poly (vinyl alcohol) | |
JPH0820612A (ja) | ポリビニルアセタール樹脂及びその製造方法 | |
JPH0820613A (ja) | ポリビニルアセタール樹脂及びその製造方法 | |
JP5196829B2 (ja) | ポリビニルアセタール系樹脂 | |
JP2011102341A (ja) | ポリビニルアセタールの製造方法 | |
EP2626342B1 (en) | Novel vinyl-ether compound and manufacturing method therefor | |
JP2005002285A (ja) | ポリビニルアセタール樹脂の製造方法及びポリビニルブチラール樹脂 | |
JPH0150690B2 (ja) | ||
JPH03402B2 (ja) | ||
US2396209A (en) | Polymeric acetals | |
JP5956816B2 (ja) | ポリビニルアセタール系樹脂の製造方法 | |
JPH01306408A (ja) | 熱硬化性樹脂組成物 | |
JP2717587B2 (ja) | ポリクロトン酸sec―ブチルエステルおよびその製法 | |
JP2013047302A (ja) | ポリビニルアセタール樹脂及びポリビニルアセタール樹脂の製造方法 | |
JPH05230129A (ja) | ポリビニルアセタール樹脂の製造方法 | |
JPH0559115A (ja) | 高シンジオタクテイツクポリビニルアルコール系重合体の製造方法 | |
JPH06228227A (ja) | ポリビニルアセタール樹脂の製造方法 | |
JPH0665311A (ja) | ポリビニルアセタール樹脂の製造方法 | |
JPS6099104A (ja) | 架橋性基を含む変性ポリビニルアルコ−ルおよびその製法 | |
JP2008231253A (ja) | ノルボルネン系重合体の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20040414 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040825 |