JPH0820575A - ピペラジン及びピペリジン化合物、並びにそれを含むアレルギー疾患予防又は治療剤 - Google Patents
ピペラジン及びピペリジン化合物、並びにそれを含むアレルギー疾患予防又は治療剤Info
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- JPH0820575A JPH0820575A JP6156183A JP15618394A JPH0820575A JP H0820575 A JPH0820575 A JP H0820575A JP 6156183 A JP6156183 A JP 6156183A JP 15618394 A JP15618394 A JP 15618394A JP H0820575 A JPH0820575 A JP H0820575A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 一般式 Y-(CH2)a-S-(CH2)bCOO-R [I]〔式
中、Yは 【化1】 (式中、R1はH、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、
ハロゲン又は−CF3 :Aは置換又は無置換のフェニル
又はピリジル:nは1〜3の整数)で示される基:Rは
H又はC1〜C6アルキル:aは2〜6の整数、bは1〜5
の整数を示す〕で示される化合物、又はその薬理学的に
許容可能な塩、並びにそれを含むアレルギー疾患の予防
又は治療剤。 【効果】 この化合物は、抗ヒタミン作用が弱いにもか
かわらず、優れた抗アレルギー作用を有し、種々のアレ
ルギー性疾患、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アトピ
ー性皮膚疾患、じん麻疹等の予防又は治療剤として有用
である
中、Yは 【化1】 (式中、R1はH、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、
ハロゲン又は−CF3 :Aは置換又は無置換のフェニル
又はピリジル:nは1〜3の整数)で示される基:Rは
H又はC1〜C6アルキル:aは2〜6の整数、bは1〜5
の整数を示す〕で示される化合物、又はその薬理学的に
許容可能な塩、並びにそれを含むアレルギー疾患の予防
又は治療剤。 【効果】 この化合物は、抗ヒタミン作用が弱いにもか
かわらず、優れた抗アレルギー作用を有し、種々のアレ
ルギー性疾患、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アトピ
ー性皮膚疾患、じん麻疹等の予防又は治療剤として有用
である
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗ヒスタミン作用が弱
いにもかかわらず優れた抗アレルギー作用を有し、気管
支喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚疾患、じん
麻疹等の予防又は治療剤として有用である新規なピペラ
ジン及びピペリジン化合物及びその薬理学的に許容可能
な塩に関するものである。
いにもかかわらず優れた抗アレルギー作用を有し、気管
支喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚疾患、じん
麻疹等の予防又は治療剤として有用である新規なピペラ
ジン及びピペリジン化合物及びその薬理学的に許容可能
な塩に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来抗アレルギー作用、抗喘息作用等を
有する化合物は、数多く知られている。例えば、既存の
抗アレルギー剤としては縮合三環式構造を有するケトチ
フェンが市販されおり、強い抗アレルギー作用と抗ヒス
タミン作用を有することが知られている。特開昭57−
149282号公報(代表例:化合物A;同公報7頁、
実施例2に記載の化合物)、及び特開平3−26456
2号公報(代表例:化合物B;同公報27頁、実施例1
01に記載の化合物)にそれぞれ抗ヒスタミン作用及び
抗アレルギー作用を有する化合物が記載されている。特
開昭57−149282号公報及び特開平3−2645
62号公報に記載の化合物は、側鎖にエーテル結合を有
する点で後記一般式[I]で示される本発明の化合物と
相違する。
有する化合物は、数多く知られている。例えば、既存の
抗アレルギー剤としては縮合三環式構造を有するケトチ
フェンが市販されおり、強い抗アレルギー作用と抗ヒス
タミン作用を有することが知られている。特開昭57−
149282号公報(代表例:化合物A;同公報7頁、
実施例2に記載の化合物)、及び特開平3−26456
2号公報(代表例:化合物B;同公報27頁、実施例1
01に記載の化合物)にそれぞれ抗ヒスタミン作用及び
抗アレルギー作用を有する化合物が記載されている。特
開昭57−149282号公報及び特開平3−2645
62号公報に記載の化合物は、側鎖にエーテル結合を有
する点で後記一般式[I]で示される本発明の化合物と
相違する。
【0003】
【化9】
【0004】
【化10】
【0005】また、側鎖にスルフィド基を有するピペラ
ジン及びピペリジン化合物であって、抗ヒスタミン作用
及び抗アレルギー作用を有する化合物が知られている
(特開平1−242574号公報)。特開平1−242
574号公報に記載の化合物は、アルキル末端に芳香
環、すなわちベンゾキサゾール、ベンゾチアゾール又は
ベンズイミダゾール環を有する点で後記一般式[I]で
示される本発明の化合物と相違する。
ジン及びピペリジン化合物であって、抗ヒスタミン作用
及び抗アレルギー作用を有する化合物が知られている
(特開平1−242574号公報)。特開平1−242
574号公報に記載の化合物は、アルキル末端に芳香
環、すなわちベンゾキサゾール、ベンゾチアゾール又は
ベンズイミダゾール環を有する点で後記一般式[I]で
示される本発明の化合物と相違する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これまでに数多くの抗
ヒスタミン剤が開発され、アレルギー性疾患の治療薬に
用いられているが、強い抗ヒスタミン作用の副作用とし
て、中枢抑制作用由来の眠気や鎮静等の症状を有する欠
点を持っていた。これらの欠点を無くする方向で、これ
まで種々の研究がなされてきているが、未だ充分とは言
えないのが現状である。
ヒスタミン剤が開発され、アレルギー性疾患の治療薬に
用いられているが、強い抗ヒスタミン作用の副作用とし
て、中枢抑制作用由来の眠気や鎮静等の症状を有する欠
点を持っていた。これらの欠点を無くする方向で、これ
まで種々の研究がなされてきているが、未だ充分とは言
えないのが現状である。
【0007】本発明者らは、前述の事情を鑑み鋭意研究
を重ねた結果、本発明に係わるピペラジン及びピペリジ
ン化合物は抗ヒスタミン作用が弱いにもかかわらず、優
れた抗アレルギー作用を有し、且つ既存の抗アレルギー
剤に比し低毒性であること又、合成が極めて容易である
ことを見出し、本発明を完成した。
を重ねた結果、本発明に係わるピペラジン及びピペリジ
ン化合物は抗ヒスタミン作用が弱いにもかかわらず、優
れた抗アレルギー作用を有し、且つ既存の抗アレルギー
剤に比し低毒性であること又、合成が極めて容易である
ことを見出し、本発明を完成した。
【0008】
【発明の構成】即ち、本発明は次の一般式[I]
【0009】
【化11】
【0010】〔式中、Yは
【0011】
【化12】
【0012】(式中、R1 は水素原子、炭素数1〜4の
アルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原
子又は−CF3 :Aはフェニル基及びピリジル基から選
ばれる芳香環基であって、当該芳香環基は環上に炭素数
1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハ
ロゲン原子及び−CF3 から選ばれる置換基を有してい
てもよい:nは1〜3の整数を示す)で示される基であ
り:Rは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基:aは
2〜6の整数、bは1〜5の整数を示す〕で示される化
合物(以下、本発明化合物[I]ともいう)、又はその
薬理学的に許容可能な塩、並びに当該化合物を有効成分
として含有することを特徴とするアレルギー疾患の予防
又は治療剤に関するものである。
アルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原
子又は−CF3 :Aはフェニル基及びピリジル基から選
ばれる芳香環基であって、当該芳香環基は環上に炭素数
1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハ
ロゲン原子及び−CF3 から選ばれる置換基を有してい
てもよい:nは1〜3の整数を示す)で示される基であ
り:Rは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基:aは
2〜6の整数、bは1〜5の整数を示す〕で示される化
合物(以下、本発明化合物[I]ともいう)、又はその
薬理学的に許容可能な塩、並びに当該化合物を有効成分
として含有することを特徴とするアレルギー疾患の予防
又は治療剤に関するものである。
【0013】本発明化合物[I]には次の化合物が含ま
れる。 一般式[Ia]:
れる。 一般式[Ia]:
【0014】
【化13】
【0015】(式中、R1 、R、A、n、a及びbは前
記と同意義である)で示される化合物、又はその薬理学
的に許容可能な塩。 一般式[Ib]:
記と同意義である)で示される化合物、又はその薬理学
的に許容可能な塩。 一般式[Ib]:
【0016】
【化14】
【0017】(式中、R1 、R、A、n、a及びbは前
記と同意義である)で示される化合物、又はその薬理学
的に許容可能な塩。 一般式[Ic]:
記と同意義である)で示される化合物、又はその薬理学
的に許容可能な塩。 一般式[Ic]:
【0018】
【化15】
【0019】(式中、R1 、R、A、n、a及びbは前
記と同意義である)で示される化合物、又はその薬理学
的に許容可能な塩。 一般式[Id]:
記と同意義である)で示される化合物、又はその薬理学
的に許容可能な塩。 一般式[Id]:
【0020】
【化16】
【0021】(式中、R1 、R、A、n、a及びbは前
記と同意義である)で示される化合物、又はその薬理学
的に許容可能な塩。
記と同意義である)で示される化合物、又はその薬理学
的に許容可能な塩。
【0022】本発明の前記一般式[I]中、R1 で示さ
れる炭素数1〜4のアルキル基は直鎖状又は分枝鎖状の
いずれでもよく、例えばメチル、エチル、n-プロピル、
iso-プロピル、n-ブチルであり、好ましくはメチル又は
エチルであり、最も好ましくは、メチルであり:炭素数
1〜4のアルコキシ基は直鎖状又は分枝鎖状のいずれで
もよく、例えばメトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、is
o-プロポキシ、n-ブトキシであり、好ましくはメトキシ
又はエトキシであり、最も好ましくは、メトキシであ
り:ハロゲン原子としては、塩素、臭素、フッ素、ヨウ
素が挙げられ、最も好ましくは塩素又はフッ素である。
れる炭素数1〜4のアルキル基は直鎖状又は分枝鎖状の
いずれでもよく、例えばメチル、エチル、n-プロピル、
iso-プロピル、n-ブチルであり、好ましくはメチル又は
エチルであり、最も好ましくは、メチルであり:炭素数
1〜4のアルコキシ基は直鎖状又は分枝鎖状のいずれで
もよく、例えばメトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、is
o-プロポキシ、n-ブトキシであり、好ましくはメトキシ
又はエトキシであり、最も好ましくは、メトキシであ
り:ハロゲン原子としては、塩素、臭素、フッ素、ヨウ
素が挙げられ、最も好ましくは塩素又はフッ素である。
【0023】Rで示される炭素数1〜6のアルキル基は
直鎖状又は分枝鎖状のいずれでもよく、例えばメチル、
エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、iso-ブ
チル、n-ペンチル、iso-ペンチル、n-ヘキシル、iso-ヘ
キシルが挙げられ、好ましくはメチル、エチル、n-プロ
ピル、iso-プロピル、n-ブチル又はiso-ブチルであり、
最も好ましくはメチル、エチル、n-プロピル、iso-プロ
ピルである。
直鎖状又は分枝鎖状のいずれでもよく、例えばメチル、
エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、iso-ブ
チル、n-ペンチル、iso-ペンチル、n-ヘキシル、iso-ヘ
キシルが挙げられ、好ましくはメチル、エチル、n-プロ
ピル、iso-プロピル、n-ブチル又はiso-ブチルであり、
最も好ましくはメチル、エチル、n-プロピル、iso-プロ
ピルである。
【0024】Aで示されるピリジル基としては2−ピリ
ジル、3−ピリジル又は4−ピリジルであり、好ましく
は2−ピリジルであり、Aの置換基、炭素数1〜4のア
ルキル基としては、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブ
チルであり、好ましくはメチル又はエチルであり、最も
好ましくは、メチルであり:炭素数1〜4のアルコキシ
基としては、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、iso-
プロポキシ、n-ブトキシであり、好ましくはメトキシ又
はエトキシであり、最も好ましくは、メトキシであり:
ハロゲン原子としては、塩素、臭素、フッ素、ヨウ素が
挙げられ、最も好ましくは塩素又はフッ素である。
ジル、3−ピリジル又は4−ピリジルであり、好ましく
は2−ピリジルであり、Aの置換基、炭素数1〜4のア
ルキル基としては、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブ
チルであり、好ましくはメチル又はエチルであり、最も
好ましくは、メチルであり:炭素数1〜4のアルコキシ
基としては、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、iso-
プロポキシ、n-ブトキシであり、好ましくはメトキシ又
はエトキシであり、最も好ましくは、メトキシであり:
ハロゲン原子としては、塩素、臭素、フッ素、ヨウ素が
挙げられ、最も好ましくは塩素又はフッ素である。
【0025】本発明の前記一般式[I]で示される化合
物は所望に応じて薬理学的に許容可能な塩に変換するこ
とも、又、生成した塩から塩基又は酸を遊離させること
も出来る。
物は所望に応じて薬理学的に許容可能な塩に変換するこ
とも、又、生成した塩から塩基又は酸を遊離させること
も出来る。
【0026】本発明の前記一般式[I]で示される化合
物の薬理学的に許容可能な塩としては、酸付加塩もしく
はアルカリ付加塩が提供され、酸付加塩としては、例え
ば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、燐酸等の鉱酸塩、
メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、エ
タンスルホン酸のような低級アルキルスルホン酸塩、ベ
ンゼンスルホン酸塩のようなアリールスルホン酸塩、酢
酸、マレイン酸、フマル酸、クエン酸、リンゴ酸、シュ
ウ酸、乳酸、酒石酸等の有機酸塩が、又アルカリ付加塩
としては、例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム
等の金属塩、アンモニウム塩、メチルアミン、エチルア
ミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン、エタノール
アミン、ピペリジン等の有機塩基の塩が挙げられる。
物の薬理学的に許容可能な塩としては、酸付加塩もしく
はアルカリ付加塩が提供され、酸付加塩としては、例え
ば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、燐酸等の鉱酸塩、
メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、エ
タンスルホン酸のような低級アルキルスルホン酸塩、ベ
ンゼンスルホン酸塩のようなアリールスルホン酸塩、酢
酸、マレイン酸、フマル酸、クエン酸、リンゴ酸、シュ
ウ酸、乳酸、酒石酸等の有機酸塩が、又アルカリ付加塩
としては、例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム
等の金属塩、アンモニウム塩、メチルアミン、エチルア
ミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン、エタノール
アミン、ピペリジン等の有機塩基の塩が挙げられる。
【0027】本発明の一般式[I]で示される化合物に
は、不斉炭素原子に基づく光学異性体が存在するが、本
発明はこれらの立体異性体並びにその混合物を包含する
ものである。
は、不斉炭素原子に基づく光学異性体が存在するが、本
発明はこれらの立体異性体並びにその混合物を包含する
ものである。
【0028】本発明の前記一般式[I]で示される新規
なピペラジン及びピペリジン化合物は次に示す方法によ
り製造することが出来る。
なピペラジン及びピペリジン化合物は次に示す方法によ
り製造することが出来る。
【0029】
【化17】
【0030】〔式中、[Ya−d]は
【0031】
【化18】
【0032】(式中、R1 、A及びnは前記と同意義で
ある)から選ばれるピペラジン又はピペリジン化合物を
表し、R、a及びbは前記と同意義を表し、Xはハロゲ
ン原子(塩素、臭素、フッ素、ヨウ素など)を表す。
ある)から選ばれるピペラジン又はピペリジン化合物を
表し、R、a及びbは前記と同意義を表し、Xはハロゲ
ン原子(塩素、臭素、フッ素、ヨウ素など)を表す。
【0033】本発明の化合物[I]は、一般式[II]の
ピペラジン又はピペリジン化合物に一般式[III ]で示
されるハロゲン化合物を、無溶媒あるいは溶媒中、脱酸
剤としての塩基の存在下で反応させることにより製造す
ることができる。
ピペラジン又はピペリジン化合物に一般式[III ]で示
されるハロゲン化合物を、無溶媒あるいは溶媒中、脱酸
剤としての塩基の存在下で反応させることにより製造す
ることができる。
【0034】本製造方法において縮合反応に使用される
有機溶媒としては、反応を阻害しない限りいかなるもの
でもよく、例えば、メタノール、エタノール、iso-プロ
パノール、n−ブタノール等のアルコール系溶媒等、ア
セトン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒
等、あるいはベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホ
ルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジエチルエーテ
ル、ジ-iso- プロピルエーテル、テトラヒドロフラン、
及びジオキサン等の非プロトン性無極性溶媒等が挙げら
れ、又反応は冷却下から溶媒の還流温度までの範囲で行
われる。又、脱ハロゲン化水素剤として使用される塩基
としては、例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭
酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、ピリジン、トリ
エチルアミン等が挙げられる。
有機溶媒としては、反応を阻害しない限りいかなるもの
でもよく、例えば、メタノール、エタノール、iso-プロ
パノール、n−ブタノール等のアルコール系溶媒等、ア
セトン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒
等、あるいはベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホ
ルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジエチルエーテ
ル、ジ-iso- プロピルエーテル、テトラヒドロフラン、
及びジオキサン等の非プロトン性無極性溶媒等が挙げら
れ、又反応は冷却下から溶媒の還流温度までの範囲で行
われる。又、脱ハロゲン化水素剤として使用される塩基
としては、例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭
酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、ピリジン、トリ
エチルアミン等が挙げられる。
【0035】本製造法において出発原料として用いられ
た前記一般式[Ya−d]で示される化合物は、例えば
[Ya]はジャーナル オブ ファーマシュウティカル
サイエンス(Journal of Phrmaceutical Sience) 第6
7巻、900頁、1978年、[Yb]は特開昭51−
82279号公報、[Yc]は特開昭51−82277
号公報、[Yd]は特開平3−264562号公報等で
公知な化合物であり次の反応式で示される方法により製
造する事が出来る。
た前記一般式[Ya−d]で示される化合物は、例えば
[Ya]はジャーナル オブ ファーマシュウティカル
サイエンス(Journal of Phrmaceutical Sience) 第6
7巻、900頁、1978年、[Yb]は特開昭51−
82279号公報、[Yc]は特開昭51−82277
号公報、[Yd]は特開平3−264562号公報等で
公知な化合物であり次の反応式で示される方法により製
造する事が出来る。
【0036】
【化19】
【0037】
【化20】
【0038】
【化21】
【0039】
【化22】
【0040】式中、A、R1 及びnは前記と同意義であ
る。
る。
【0041】一般式[III ]で示される化合物は、例え
ばアンナーレン デル ケミ(Annalen der Chemie) 第
679巻、123−125頁、1964年等で公知の化
合物であり、次の反応式で示される方法により製造する
事が出来る。
ばアンナーレン デル ケミ(Annalen der Chemie) 第
679巻、123−125頁、1964年等で公知の化
合物であり、次の反応式で示される方法により製造する
事が出来る。
【0042】
【化23】
【0043】式中、R、X,a及びbは前記と同意義で
ある。
ある。
【0044】本発明の前記一般式[I]で示される化合
物及びその薬理学的に許容可能な塩は、種々のアレルギ
ー作用に対する試験に於いて優れた効果を示す。即ち、
本化合物を用いたラット背部での48時間homolo
gos PCA(受身皮膚アナフィラキシー;Passive
cutaneus anaphylaxis) に及ぼす影響を試験したとこ
ろ、後記試験例1に示すように、本発明の化合物は類似
の骨格を有する化合物(化合物A)と比べて明らかに強
いアレルギー反応抑制作用を示し、既存薬のケトチフェ
ンと同程度のアレルギー反応抑制作用を示した。一方、
抗ヒスタミン作用についてはモルモットの摘出回腸の収
縮を指標にして検討したところ、後記試験例2に示すよ
うに、本発明の化合物は既存薬のケトチフェンに比べ特
に弱い抗ヒスタミン作用を示し、副作用の少ないことが
明らかである。更に、マウスに経口投与した場合の急性
毒性試験の結果も後記試験例3に示すように急性毒性は
極めて低く、安全性の高い化合物であることが示され
た。これらの結果から、本発明化合物は抗ヒスタミン作
用が弱いにもかかわらず、抗アレルギー作用に優れてお
り、且つ、毒性も低いので、気管支喘息、アレルギー性
鼻炎、アトピー性皮膚疾患、じん麻疹等のアレルギー疾
患に対して長期連用が可能な予防又は治療剤として有用
である。
物及びその薬理学的に許容可能な塩は、種々のアレルギ
ー作用に対する試験に於いて優れた効果を示す。即ち、
本化合物を用いたラット背部での48時間homolo
gos PCA(受身皮膚アナフィラキシー;Passive
cutaneus anaphylaxis) に及ぼす影響を試験したとこ
ろ、後記試験例1に示すように、本発明の化合物は類似
の骨格を有する化合物(化合物A)と比べて明らかに強
いアレルギー反応抑制作用を示し、既存薬のケトチフェ
ンと同程度のアレルギー反応抑制作用を示した。一方、
抗ヒスタミン作用についてはモルモットの摘出回腸の収
縮を指標にして検討したところ、後記試験例2に示すよ
うに、本発明の化合物は既存薬のケトチフェンに比べ特
に弱い抗ヒスタミン作用を示し、副作用の少ないことが
明らかである。更に、マウスに経口投与した場合の急性
毒性試験の結果も後記試験例3に示すように急性毒性は
極めて低く、安全性の高い化合物であることが示され
た。これらの結果から、本発明化合物は抗ヒスタミン作
用が弱いにもかかわらず、抗アレルギー作用に優れてお
り、且つ、毒性も低いので、気管支喘息、アレルギー性
鼻炎、アトピー性皮膚疾患、じん麻疹等のアレルギー疾
患に対して長期連用が可能な予防又は治療剤として有用
である。
【0045】本発明化合物を薬剤として使用する際の投
与形態としては、経口、非経口のいずれにおいても投与
できる。経口投与剤の剤型としては、例えば、錠剤、カ
プセル剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、液剤及びシロップ剤
等が挙げられ、非経口投与剤の剤型としては、例えば、
注射剤、噴霧剤、点眼剤、貼付剤及び坐剤等が挙げられ
る。これらの製剤の調製には薬理学的、製剤学的に許容
しうる添加物を加えることができ、賦形剤、崩壊剤ない
し崩壊補助剤、結合剤、滑沢剤、コーティング剤及び色
素等が用いられる。
与形態としては、経口、非経口のいずれにおいても投与
できる。経口投与剤の剤型としては、例えば、錠剤、カ
プセル剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、液剤及びシロップ剤
等が挙げられ、非経口投与剤の剤型としては、例えば、
注射剤、噴霧剤、点眼剤、貼付剤及び坐剤等が挙げられ
る。これらの製剤の調製には薬理学的、製剤学的に許容
しうる添加物を加えることができ、賦形剤、崩壊剤ない
し崩壊補助剤、結合剤、滑沢剤、コーティング剤及び色
素等が用いられる。
【0046】経口剤においては、賦形剤として、ブドウ
糖、乳糖、D−マンニトール、デンプン、結晶セルロー
ス等が、崩壊剤、崩壊補助剤として、カルボキシメチル
セルロース、デンプン、カルボキシメチルセルロースカ
ルシウム等が、結合剤として、ヒドロキシプロピルセル
ロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロ
リドン、ゼラチン等が滑沢剤として、ステアリン酸マグ
ネシウム、タルク等がコーティング剤として、ヒドロキ
シプロピルメチルセルロース、白糖、酸化チタン等が、
又、注射剤においては、水性あるいは用時溶解形式注射
剤を構成しうる溶解剤ないし溶解補助剤として、注射用
水、生理食塩液、プロピレングリコール等が、等張化剤
として、ブドウ糖、塩化ナトリウム、D−マンニトー
ル、グリセリン等が、pH調整剤として、無機酸、有機
酸又は無機塩基、有機塩基等の製剤用成分を使用でき
る。
糖、乳糖、D−マンニトール、デンプン、結晶セルロー
ス等が、崩壊剤、崩壊補助剤として、カルボキシメチル
セルロース、デンプン、カルボキシメチルセルロースカ
ルシウム等が、結合剤として、ヒドロキシプロピルセル
ロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロ
リドン、ゼラチン等が滑沢剤として、ステアリン酸マグ
ネシウム、タルク等がコーティング剤として、ヒドロキ
シプロピルメチルセルロース、白糖、酸化チタン等が、
又、注射剤においては、水性あるいは用時溶解形式注射
剤を構成しうる溶解剤ないし溶解補助剤として、注射用
水、生理食塩液、プロピレングリコール等が、等張化剤
として、ブドウ糖、塩化ナトリウム、D−マンニトー
ル、グリセリン等が、pH調整剤として、無機酸、有機
酸又は無機塩基、有機塩基等の製剤用成分を使用でき
る。
【0047】本発明化合物の治療患者への投与量は、経
口投与で通常成人の場合1日0.1mg〜300mgで
あるが、年齢、症状等により適宜増減することができ
る。
口投与で通常成人の場合1日0.1mg〜300mgで
あるが、年齢、症状等により適宜増減することができ
る。
【0048】
【実施例】以下に参考例、実施例及び試験例を挙げて本
発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの例の
特定の細部に限定されるものではない。
発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの例の
特定の細部に限定されるものではない。
【0049】参考例1 3−クロロプロピルチオ酢酸エチルエステル 25g(0.208モル)のチオグリコール酸エチルエ
ステルと36g(0.229モル)の1−ブロモ−3−
クロロプロパンを200mlの無水テトラヒドロフラン
に溶解し、氷冷下8.3g(0.208モル)の水素化
ナトリウムを少量ずつ加えた後、室温で一夜撹拌反応し
た。反応終了後、反応溶液に500mlの水を加えジエ
チルエーテルで抽出し、エーテル層を乾燥後減圧濃縮し
た。得られた油状物を減圧蒸留し、沸点114−115
℃/9mmHgの無色油状物として標記化合物38.6
g(収率94.4%)を得た。
ステルと36g(0.229モル)の1−ブロモ−3−
クロロプロパンを200mlの無水テトラヒドロフラン
に溶解し、氷冷下8.3g(0.208モル)の水素化
ナトリウムを少量ずつ加えた後、室温で一夜撹拌反応し
た。反応終了後、反応溶液に500mlの水を加えジエ
チルエーテルで抽出し、エーテル層を乾燥後減圧濃縮し
た。得られた油状物を減圧蒸留し、沸点114−115
℃/9mmHgの無色油状物として標記化合物38.6
g(収率94.4%)を得た。
【0050】実施例1 3−[4−〔(4−クロロフェニル)フェニルメチル〕
−1−ピペラジニル]プロピルチオ酢酸エチルエステル
・フマル酸塩 (化合物番号 3) 14.3g(0.05モル)の1−(4−クロロベンズ
ヒドリル)ピペラジンを80mlのキシレンに懸濁さ
せ、10g(0.05モル)の3−クロロプロピルチオ
酢酸エチルエステルと当モルのトリエチルアミンを加
え、16時間還流した。反応液を冷却、水洗し無水硫酸
マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた油状物
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;
クロロホルム:メタノール=100:1)に付し、17
g(粗収率76.1%)の黄色油状物を得た。このうち
2.7gをフマル酸塩とし、得られた粗結晶を酢酸エチ
ルエステルから再結晶し、融点136−139℃、白色
粉末、収量2.7g(収率81.6%)の標記化合物を
得た。
−1−ピペラジニル]プロピルチオ酢酸エチルエステル
・フマル酸塩 (化合物番号 3) 14.3g(0.05モル)の1−(4−クロロベンズ
ヒドリル)ピペラジンを80mlのキシレンに懸濁さ
せ、10g(0.05モル)の3−クロロプロピルチオ
酢酸エチルエステルと当モルのトリエチルアミンを加
え、16時間還流した。反応液を冷却、水洗し無水硫酸
マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた油状物
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;
クロロホルム:メタノール=100:1)に付し、17
g(粗収率76.1%)の黄色油状物を得た。このうち
2.7gをフマル酸塩とし、得られた粗結晶を酢酸エチ
ルエステルから再結晶し、融点136−139℃、白色
粉末、収量2.7g(収率81.6%)の標記化合物を
得た。
【0051】実施例2 3−[4−(ジフェニルヒドロキシメチル)ピペリジ
ノ]プロピルチオ酢酸エチルエステル・塩酸塩 (化合
物番号 20) 5.0g(0.02モル)の4−(ジフェニルヒドロキ
シメチル)ピペリジンを50mlのキシレンに懸濁さ
せ、5.0g(0.025モル)の3−クロロプロピル
チオ酢酸エチルエステルと当モルのトリエチルアミンを
加え、16時間還流した。反応液を冷却し、水洗し、無
水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒; クロ
ロホルム:メタノール=50:1)に付し、常法による
後処理により得られた油状物を10%塩酸−エタノール
により塩酸塩とし、3.7g(収率46%)の無色プリ
ズム状結晶として標記化合物を得た。
ノ]プロピルチオ酢酸エチルエステル・塩酸塩 (化合
物番号 20) 5.0g(0.02モル)の4−(ジフェニルヒドロキ
シメチル)ピペリジンを50mlのキシレンに懸濁さ
せ、5.0g(0.025モル)の3−クロロプロピル
チオ酢酸エチルエステルと当モルのトリエチルアミンを
加え、16時間還流した。反応液を冷却し、水洗し、無
水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒; クロ
ロホルム:メタノール=50:1)に付し、常法による
後処理により得られた油状物を10%塩酸−エタノール
により塩酸塩とし、3.7g(収率46%)の無色プリ
ズム状結晶として標記化合物を得た。
【0052】実施例3 3−[4−(ジフェニルヒドロキシメチル)ピペリジ
ノ]プロピルチオ酢酸(化合物番号 22) 2.0g(0.0047モル)の3−[4−(ジフェニ
ルヒドロキシメチル)ピペリジノ]プロピルチオ酢酸エ
チルエステルを15mlのメタノールに溶解し、2N−
水酸化ナトリウム水溶液5mlを滴下し、6時間還流し
た。溶媒を留去後、残渣に水を加え希塩酸でpH5に調
整した。クロロホルムで抽出し、乾燥後溶媒を留去し、
2.16g(粗収率83.1%)の油状物を得た。得ら
れた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶
出溶媒;クロロホルム)に付し、融点96−102℃、
無色プリズム状結晶、収量1.2g(収率60%)の標
記化合物を得た。
ノ]プロピルチオ酢酸(化合物番号 22) 2.0g(0.0047モル)の3−[4−(ジフェニ
ルヒドロキシメチル)ピペリジノ]プロピルチオ酢酸エ
チルエステルを15mlのメタノールに溶解し、2N−
水酸化ナトリウム水溶液5mlを滴下し、6時間還流し
た。溶媒を留去後、残渣に水を加え希塩酸でpH5に調
整した。クロロホルムで抽出し、乾燥後溶媒を留去し、
2.16g(粗収率83.1%)の油状物を得た。得ら
れた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶
出溶媒;クロロホルム)に付し、融点96−102℃、
無色プリズム状結晶、収量1.2g(収率60%)の標
記化合物を得た。
【0053】実施例4 4−[4−〔(4−クロロフェニル)フェニルメチル〕
−1−ピペラジニル]ブチルチオ酢酸エチルエステル・
フマル酸塩 (化合物番号 4) 8.6g(0.03モル)の4−[(4−クロロフェニ
ル)フェニルメチル]−1−ピペラジンを70mlのキ
シレンに溶解させ、6.32g(0.03モル)の4−
クロロブチルチオ酢酸エチルエステルと当モルのトリエ
チルアミンを加え、一夜還流した。反応液を冷却し、水
洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後減圧濃縮した。残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;
クロロホルム)に付し、4.57g(粗収率33.1
%)の黄褐色油状物を得た。このうち2.4gをフマル
酸塩とし、酢酸エチルエステル−メタノールから再結晶
を行い、融点138−142℃、収量1.86g(収率
25.7%)で標記化合物を得た。
−1−ピペラジニル]ブチルチオ酢酸エチルエステル・
フマル酸塩 (化合物番号 4) 8.6g(0.03モル)の4−[(4−クロロフェニ
ル)フェニルメチル]−1−ピペラジンを70mlのキ
シレンに溶解させ、6.32g(0.03モル)の4−
クロロブチルチオ酢酸エチルエステルと当モルのトリエ
チルアミンを加え、一夜還流した。反応液を冷却し、水
洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後減圧濃縮した。残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;
クロロホルム)に付し、4.57g(粗収率33.1
%)の黄褐色油状物を得た。このうち2.4gをフマル
酸塩とし、酢酸エチルエステル−メタノールから再結晶
を行い、融点138−142℃、収量1.86g(収率
25.7%)で標記化合物を得た。
【0054】実施例5 5−[4−〔(4−クロロフェニル)フェニルメチル〕
−1−ピペラジニル]ペンチルチオ酢酸エチルエステル
・フマル酸塩 (化合物番号 5) 8.6g(0.03モル)の4−[(4−クロロフェニ
ル)フェニルメチル]−1−ピペラジンを60mlのキ
シレンに懸濁させ、6.74g(0.03モル)の5−
クロロペンチルチオ酢酸エチルエステルと当モルのトリ
エチルアミンを加え、一夜還流した。反応液を冷却し、
水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後減圧濃縮した。
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶
媒;クロロホルム)に付し、8.68g(粗収率60.
9%)の黄褐色油状物を得た。このうち2gをフマル酸
塩とし、酢酸エチルエステル−メタノールから再結晶を
行い、融点131−133℃、収量1.34g(収率4
0.8%)で標記化合物を得た。
−1−ピペラジニル]ペンチルチオ酢酸エチルエステル
・フマル酸塩 (化合物番号 5) 8.6g(0.03モル)の4−[(4−クロロフェニ
ル)フェニルメチル]−1−ピペラジンを60mlのキ
シレンに懸濁させ、6.74g(0.03モル)の5−
クロロペンチルチオ酢酸エチルエステルと当モルのトリ
エチルアミンを加え、一夜還流した。反応液を冷却し、
水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後減圧濃縮した。
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶
媒;クロロホルム)に付し、8.68g(粗収率60.
9%)の黄褐色油状物を得た。このうち2gをフマル酸
塩とし、酢酸エチルエステル−メタノールから再結晶を
行い、融点131−133℃、収量1.34g(収率4
0.8%)で標記化合物を得た。
【0055】前記実施例に記載したのと同様な方法によ
り、次の表に示す化合物を製造した。なお表中の略号は
次の意味を表す。 AcOEt:酢酸エチル MeOH:メタノール iso−PrOH:イソプロピルアルコール
り、次の表に示す化合物を製造した。なお表中の略号は
次の意味を表す。 AcOEt:酢酸エチル MeOH:メタノール iso−PrOH:イソプロピルアルコール
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】
【表4】
【0060】
【表5】
【0061】
【表6】
【0062】
【表7】
【0063】
【薬理試験】次に本発明化合物についての薬理試験方法
及びその結果を示す。対照薬として、ケトチフェン、及
び2−[4−〔(4−クロロフェニル)フェニルメチ
ル〕−1−ピペラジニル]エトキシ酢酸・塩酸塩(化合
物A)を使用した。
及びその結果を示す。対照薬として、ケトチフェン、及
び2−[4−〔(4−クロロフェニル)フェニルメチ
ル〕−1−ピペラジニル]エトキシ酢酸・塩酸塩(化合
物A)を使用した。
【0064】試験例1: 受身皮膚アナフィラキシー(PC
A) 抑制作用 本試験は多田、奥村の方法[Tada,T. and Okumura,T.:
J.Immunol.,106,1002-1011,1971 ]に準じて行った。ウ
ィスター系雄性ラット(体重150〜200g)の背部
皮内4ケ所に多田、奥村の方法に準じて作成した抗DN
P−Ascaris抗血清の1000倍希釈液を0.0
5ml/site注射して受動的感作した。48時間後
に、DNP−Ascaris 0.25mgを含む0.
5%Evans blue生理食塩水溶液0.5ml/
100gを静脈内に無麻酔下に注射して反応を惹起し
た。40分後に頭部を強打し放血致死させた後、皮膚を
剥離し、注射部位の漏出色素を抽出して定量した。な
お、試験化合物は、反応惹起1時間前に経口投与した。
抑制率は0.7%メチルセルロース水溶液を経口投与し
た場合をコントロールとして比較した。結果を表8に示
す。本発明の化合物は類似のピペラジン構造を有する化
合物Aより強力なアレルギー抑制作用を示した。既存薬
ケトチフェンのラットPCA抑制率は10mg/kg
(経口投与)で80〜90%と報告されている。従っ
て、本発明の化合物はケトチフェンと同程度のPCA抑
制作用を有する。
A) 抑制作用 本試験は多田、奥村の方法[Tada,T. and Okumura,T.:
J.Immunol.,106,1002-1011,1971 ]に準じて行った。ウ
ィスター系雄性ラット(体重150〜200g)の背部
皮内4ケ所に多田、奥村の方法に準じて作成した抗DN
P−Ascaris抗血清の1000倍希釈液を0.0
5ml/site注射して受動的感作した。48時間後
に、DNP−Ascaris 0.25mgを含む0.
5%Evans blue生理食塩水溶液0.5ml/
100gを静脈内に無麻酔下に注射して反応を惹起し
た。40分後に頭部を強打し放血致死させた後、皮膚を
剥離し、注射部位の漏出色素を抽出して定量した。な
お、試験化合物は、反応惹起1時間前に経口投与した。
抑制率は0.7%メチルセルロース水溶液を経口投与し
た場合をコントロールとして比較した。結果を表8に示
す。本発明の化合物は類似のピペラジン構造を有する化
合物Aより強力なアレルギー抑制作用を示した。既存薬
ケトチフェンのラットPCA抑制率は10mg/kg
(経口投与)で80〜90%と報告されている。従っ
て、本発明の化合物はケトチフェンと同程度のPCA抑
制作用を有する。
【0065】
【表8】
【0066】試験例2: 抗ヒスタミン作用 ハートレイ系雌性モルモット(体重500〜650g)
の頭部を強打し放血致死させた後、回盲部より約10〜
25cmの回腸を摘出し、長さ3cmの標本を作成し
た。その標本を95%O2 +5CO2 %混合ガス通気下
のTyrode液(30±1℃)を満たしたマグヌス管
に0.5gの負荷をかけ懸垂した。約60分静置し、標
本が安定した後、ヒスタミン(3×10-7M)の単発適
用をおこなった。収縮は等張性トランスジュサーを用い
等張性に測定記録した。収縮が一定した後、試験化合物
を3分間前処置し抑制作用を検討した。結果は50%有
効濃度(EC50値)として示した。結果を表9に示す。
本発明の化合物は、既存薬ケトチフェンよりも特に弱い
抗ヒスタミン作用を示し、化合物Aと同程度の抗ヒスタ
ミン作用を示した。
の頭部を強打し放血致死させた後、回盲部より約10〜
25cmの回腸を摘出し、長さ3cmの標本を作成し
た。その標本を95%O2 +5CO2 %混合ガス通気下
のTyrode液(30±1℃)を満たしたマグヌス管
に0.5gの負荷をかけ懸垂した。約60分静置し、標
本が安定した後、ヒスタミン(3×10-7M)の単発適
用をおこなった。収縮は等張性トランスジュサーを用い
等張性に測定記録した。収縮が一定した後、試験化合物
を3分間前処置し抑制作用を検討した。結果は50%有
効濃度(EC50値)として示した。結果を表9に示す。
本発明の化合物は、既存薬ケトチフェンよりも特に弱い
抗ヒスタミン作用を示し、化合物Aと同程度の抗ヒスタ
ミン作用を示した。
【0067】
【表9】
【0068】試験例3:急性毒性試験 一夜絶食させたICR系雄性マウス(体重25〜35
g)に試験化合物を経口投与し、24時間までの生死を
判定し、最小致死量を求めた。ケトチフェンの最小致死
量は500mg/kgであった。これに対して本発明化
合物の最小致死量は何れも500mg/kgより高く、
ケトチフェンよりも低い毒性を示した。したがって、本
発明化合物は極めて安全性の高い化合物であり、医薬品
として長期連用が可能である。
g)に試験化合物を経口投与し、24時間までの生死を
判定し、最小致死量を求めた。ケトチフェンの最小致死
量は500mg/kgであった。これに対して本発明化
合物の最小致死量は何れも500mg/kgより高く、
ケトチフェンよりも低い毒性を示した。したがって、本
発明化合物は極めて安全性の高い化合物であり、医薬品
として長期連用が可能である。
【0069】製剤例1 下記方法により錠剤を作成する。 本発明化合物 10mg 乳糖 145mg トウモロコシデンプン 34mg ステアリン酸マグネシウム 2mg ヒドロキシプロピルメチルセルロース 8mg ポリエチレングリコール6000 0.5mg 酸化チタン 0.5mg 全 量 200mg 以上の重量比率で成形打錠機で錠剤を作成する。
【0070】製剤例2 下記方法によりカプセル剤を作成する。 本発明化合物 10mg 乳糖 71mg カルボキシメチルセルロースカルシウム 15mg ヒドロキシプロピルセルロース 2mg ステアリン酸マグネシウム 2mg 全 量 100mg 以上の重量比率で常法により混合し、硬カプセルに充填
する。
する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 211/46 211/70 213/38 213/74 295/08 A 401/06 211 //(C07D 401/06 211:22 213:06) (72)発明者 秋本 吉信 京都府宇治市伊勢田町名木1−1−241 (72)発明者 坂本 博彦 奈良県生駒郡斑鳩町目安766 (72)発明者 櫻井 利実 奈良市西木辻町200−27新谷ビル3F (72)発明者 岳野 猛 大阪府高槻市芝生町1−24−2サンハイム 303号 (72)発明者 永井 博弌 岐阜県岐阜市長良竜東町3−55
Claims (7)
- 【請求項1】 次の一般式[I]: 【化1】 〔式中、Yは 【化2】 (式中、R1 は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、
炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子又は−CF
3 :Aはフェニル基及びピリジル基から選ばれる芳香環
基であって、当該芳香環基は環上に炭素数1〜4のアル
キル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子及
び−CF3 から選ばれる置換基を有していてもよい:n
は1〜3の整数を示す)で示される基であり:Rは水素
原子又は炭素数1〜6のアルキル基:aは2〜6の整
数、bは1〜5の整数を示す〕で示される化合物、又は
その薬理学的に許容可能な塩。 - 【請求項2】 次の一般式[Ia]: 【化3】 (式中、R1 は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、
炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子又は−CF
3 :Rは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基:Aは
フェニル基及びピリジル基から選ばれる芳香環基であっ
て、当該芳香環基は環上に炭素数1〜4のアルキル基、
炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子及び−CF
3 から選ばれる置換基を有していてもよい:nは1〜3
の整数、aは2〜6の整数、bは1〜5の整数を示す)
で示される化合物、又はその薬理学的に許容可能な塩。 - 【請求項3】 次の一般式[Ib]: 【化4】 (式中、R1 は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、
炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子又は−CF
3 :Rは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基:Aは
フェニル基及びピリジル基から選ばれる芳香環基であっ
て、当該芳香環基は環上に炭素数1〜4のアルキル基、
炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子及び−CF
3 から選ばれる置換基を有していてもよい:nは1〜3
の整数、aは2〜6の整数、bは1〜5の整数を示す)
で示される化合物、又はその薬理学的に許容可能な塩。 - 【請求項4】 次の一般式[Ic]: 【化5】 (式中、R1 は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、
炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子又は−CF
3 :Rは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基:Aは
フェニル基及びピリジル基から選ばれる芳香環基であっ
て、当該芳香環基は環上に炭素数1〜4のアルキル基、
炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子及び−CF
3 から選ばれる置換基を有していてもよい:nは1〜3
の整数、aは2〜6の整数、bは1〜5の整数を示す)
で示される化合物、又はその薬理学的に許容可能な塩。 - 【請求項5】 次の一般式[Id]: 【化6】 (式中、R1 は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、
炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子又は−CF
3 :Rは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基:Aは
フェニル基及びピリジル基から選ばれる芳香環基であっ
て、当該芳香環基は環上に炭素数1〜4のアルキル基、
炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子及び−CF
3 から選ばれる置換基を有していてもよい:nは1〜3
の整数、aは2〜6の整数、bは1〜5の整数を示す)
で示される化合物、又はその薬理学的に許容可能な塩。 - 【請求項6】 次の一般式[I]: 【化7】 〔式中、Yは 【化8】 (式中、R1 は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、
炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子又は−CF
3 :Aはフェニル基及びピリジル基から選ばれる芳香環
基であって、当該芳香環基は環上に炭素数1〜4のアル
キル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子及
び−CF3 から選ばれる置換基を有していてもよい:n
は1〜3の整数を示す)で示される基であり:Rは水素
原子又は炭素数1〜6のアルキル基:aは2〜6の整
数、bは1〜5の整数を示す〕で示される化合物、又は
その薬理学的に許容可能な塩を有効成分として含有する
ことを特徴とするアレルギー疾患の予防又は治療剤。 - 【請求項7】 請求項1に記載の一般式[I]で示され
る化合物又はその薬理学的に許容可能な塩を有効成分と
して含有することを特徴とする気管支喘息、アレルギー
性鼻炎、アトピー性皮膚疾患及びじん麻疹から選ばれる
アレルギー疾患の予防又は治療剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6156183A JPH0820575A (ja) | 1994-07-07 | 1994-07-07 | ピペラジン及びピペリジン化合物、並びにそれを含むアレルギー疾患予防又は治療剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP6156183A JPH0820575A (ja) | 1994-07-07 | 1994-07-07 | ピペラジン及びピペリジン化合物、並びにそれを含むアレルギー疾患予防又は治療剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0820575A true JPH0820575A (ja) | 1996-01-23 |
Family
ID=15622180
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6156183A Pending JPH0820575A (ja) | 1994-07-07 | 1994-07-07 | ピペラジン及びピペリジン化合物、並びにそれを含むアレルギー疾患予防又は治療剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0820575A (ja) |
-
1994
- 1994-07-07 JP JP6156183A patent/JPH0820575A/ja active Pending
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