JPH0820502A - 鑑賞用ラベンダーの保存剤および保存方法、および該保存方法により作製された鑑賞用ラベンダー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 切り取ったラベンダーを自然状態に保存する
とともに花部が芳香を保ようラベンダーの茎部を処理す
るために、水溶液として使用する保存剤であって、該保
存剤が、多価アルコールおよび高分子化合物から選ばれ
た１種以上の組成物を含む。保存剤の吸収を促進させる
ために、アルカリ金属の塩類、界面活性剤、乳酸メチル
などの加速剤が保存剤に含まれてもよい。 【効果】 天然のラベンダーの形態、感触を変えること
なく、且つ花部に芳香を保ちながら長期間保存できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、鑑賞用ラベンダーの保
存剤および保存方法、詳しくは、ラベンダーの自然の形
態、感触を変えることなく、とくに芳香を保持しながら
長期間保存を可能とする鑑賞用ラベンダーの保存剤およ
び保存方法、および該保存方法により作製された鑑賞用
ラベンダーに関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、草花や木など植物を自然環境から
切り取った後も、長期間室内で鑑賞することを目的とし
て、水溶液状態の保存剤に、植物の茎部を浸漬して保存
剤を吸収させることにより自然状態のまま保存しようと
する手法が種々開発されている。これらの手法に使用さ
れる保存剤は、植物内に吸収されて植物内の水分を保持
するためのもので、従来、グリセリンなどのグリコール
類が使用されている。また、保存剤の吸収を促進させる
ために、保存剤には必要に応じて、アルカリ金属あるい
はアルカリ土類の塩類などからなる加速剤が添加されて
いる。（特開昭62-89601号公報、特開平1-311002号公
報、特開平2-268101号公報、特開平4-53418号公報)

【０００３】一方、花卉類においては、形態、色彩を天
然の状態に保持することに加えて、花の香りを保つこと
が出来れば、さらに理想的である。しかしながら、従来
の植物保存剤は、形態や色彩を自然風に長期間維持する
ことにのみ重点が置かれており、花の芳香保持について
は着目されていなかった。僅かに、切り花の保存方法と
して、形、色のみでなく香りにも着目したものもみられ
るが（特許出願公表平4-505766号公報) 、この方法にお
いては、花部を有機溶媒浴中に、浴面が花の高さより数
cm高くなるよう浸漬しなければならず、花弁を機械的に
支持し歪みが生じないようにするために、ホルダーグリ
ッド、分子篩のような支持具を必要とするなどの煩わし
い点がある。この処理に適した花として、バラ、しゃく
やく、らん、カーネーションなどが挙げられているが、
本処理方法に適しない花卉類も多い。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、花卉類のう
ち、とくにドライフラワーとしても普及しているラベン
ダーを対象として、従来提案されている保存剤およびそ
の適用方法を見直し、形態や色彩を自然状態に維持する
のみでなく、花部が香りを保つことができる保存剤およ
び保存方法について多角的に検討した結果としてなされ
たものであり、その目的は、切り取ったラベンダーの茎
の基部を浸漬して保存剤をラベンダー全体に吸収させる
ことにより、花部は芳香を保ち、吸収処理後、茎部は耐
候性の被膜で覆うことにより、天然の形態を長期間保持
することを可能とし、再現性にも優れた鑑賞用ラベンダ
ーの保存剤および保存方法、および該保存方法により作
製された鑑賞用ラベンダーを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による鑑賞用ラベンダーの保存剤は、ラベン
ダーを自然状態に保存するとともに花部は芳香を保つよ
うラベンダーを処理するために、水溶液として使用する
保存剤であって、該保存剤が、多価アルコールおよび高
分子化合物から選ばれた１種以上の組成物を含むことを
構成上の基本的特徴とし、多価アルコールがエチレング
リコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコー
ルおよびグリセリンであり、高分子化合物がポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール、ジプロピレ
ングリコール、トリプロピレングリコール、１，３ブチ
レングリコールであることを第２の特徴とする。

【０００６】また、本発明による鑑賞用ラベンダーの保
存剤の第３の特徴は、該保存剤がラベンダーの茎部から
花部へ浸透して行くとき、その植物体内にある香気成分
を溶解し、濃厚溶液となって花部に留まり、ラベンダー
を自然状態に保存するとともに花部は芳香を保つよう処
理するために、水溶液として使用する保存剤であって、
該保存剤が、植物体への保存剤の吸収を促進させるため
の加速剤を含有し、該加速剤が、アルカリ金属の塩類、
アルカリ土類金属の塩類、極性を有し、且つ溶解力が大
で、浸透性を有する有機溶剤および界面活性剤のうちか
ら選ばれた１種または２種以上の組成物からなることに
存する。

【０００７】第４および第５の特徴は、アルカリ金属の
塩類がカリウム、ナトリウムの塩類で、アルカリ土類金
属の塩類がカルシウム、マグネシウムの塩類であるこ
と、極性を有し、且つ溶解力が大で浸透性を有する有機
溶剤が酢酸ブチル、２−ヘプタノン、３−エトキシプロ
ピオン酸エチル、３−メトキシプロピオン酸メチル、プ
ロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ピ
ルビン酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、シクロヘキ
サノール、シクロヘキサノン、シクロヘキシルアミン、
Ｎ，Ｎ−ジメチルホルムアミド、Ｎ，Ｎ−ジメチルアセ
トアミド、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、
ジエチレングリコールモノブチルエーテル、モルホリ
ン、スルホラン、ジエチレングリコールジメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、エチレン
グリコールモノメチルエーテル、ジメチルスルホキシド
およびジオキサンのうちから選ばれた一種以上の組成物
であること、および界面活性剤が、ノニオン系界面活性
剤で、分子構造内にエーテル、エステル結合を有するも
のであることに存する。

【０００８】さらに、本発明による鑑賞用ラベンダーの
保存方法は、前記保存剤の水溶液、または前記加速剤を
含む保存剤の水溶液中に、切り取ったラベンダーの茎の
基部を浸漬し、ラベンダー全体に保存剤を吸収させ、且
つ茎部の表面に耐候性被膜形成剤を被覆して、花部は芳
香を保ち、天然の風合いを保持するようにしたことを構
成上の特徴とし、本発明による鑑賞用ラベンダーは、ラ
ベンダー内部に前記保存剤が吸収されるとともに茎部の
表面には耐候性被膜形成剤が被覆され、花部は芳香を保
ち天然の風合いを保持することを構成上の特徴とする。

【０００９】本発明による鑑賞用ラベンダーの保湿剤
は、上記のように、多価アルコールおよび高分子化合物
のうちから選択され、ラベンダー内に吸収されてラベン
ダー内に水分を保持し、自然の構造、形態、感触を維持
する作用をする。多価アルコールとしては、エチレング
リコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコー
ル、グリセリンが好ましく、高分子化合物としては、ポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジ
プロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,
3 ブチレングリコールが好適に使用される。このうちで
は、エチレングリコールまたはポリエチレングリコール
と、グリセリンを併用して使用するのが好ましく、さら
に、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
テトラエチレングリコールの１種以上を適宜併用するの
がとくに好ましい。これらの多価アルコール、高分子化
合物は、保存剤に対して合計で５〜５０容量％、好まし
くは２５〜４５容量％含有させるのが望ましい。

【００１０】加速剤は、上記の粘稠性のある多価アルコ
ール、高分子化合物と共存して、使用しない場合に比較
して、ラベンダーが保存剤を吸収するのを促進する機能
を果たすものであり、前記のように、アルカリ金属の塩
類、アルカリ土類金属の塩類、極性を有し且つ溶解力が
大で、浸透性を有する有機溶剤および界面活性剤のうち
から選ばれた一種以上の組成物が好適に使用される。

【００１１】アルカリ金属の塩類としては、カリウム、
ナトリウムの炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩や塩化物、アルカ
リ土類の塩類としては、カルシウム、マグネシウムの炭
酸塩、硫酸塩、硝酸塩や塩化物が使用される。

【００１２】極性を有し且つ溶解力が大で、浸透性を有
する有機溶剤としては、酢酸ブチル、２−ヘプタノン、
３−エトキシプロピオン酸エチル、３−メトキシプロピ
オン酸メチル、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ルアセテート、ピルビン酸エチル、乳酸メチル、乳酸エ
チル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノン、シクロ
ヘキシルアミン、Ｎ，Ｎ−ジメチルホルムアミド、Ｎ，
Ｎ−ジメチルアセトアミド、ジエチレングリコールモノ
メチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエー
テル、モルホリン、スルホラン、ジエチレングリコール
ジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエー
テル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジメチ
ルスルホキシド、ジオキサンのうちの１種以上を使用す
るのが好ましく、これらのうち乳酸メチル、Ｎ，Ｎ−ジ
メチルアセトアミド、ジエチレングリコールモノブチル
エーテルの１種以上が最も好適に使用し得る。

【００１３】界面活性剤としては、Ｎ−アシルアミノ酸
などのカルボン酸塩、アルキルスルホン酸などのスルホ
ン酸塩、アルキル硫酸塩などの硫酸エステル塩、アルキ
ルリン酸塩などのリン酸エステル塩に代表されるアニオ
ン系界面活性剤（陰イオン界面活性剤）、アルキルアミ
ン塩、４級アンモニウム塩などのカチオン系界面活性剤
（陽イオン界面活性剤）、アミノカルボン酸などの両性
界面活性剤およびエーテル型、エステル型、エーテルエ
ステル型などのノニオン系界面活性剤（非イオン系界面
活性剤）、基元素としてフッ素を持つフッ素型界面活性
剤、基元素としてシリコンを有する界面活性剤など、全
ての界面活性剤が適用可能である。

【００１４】これらの界面活性剤のうち、ノニオン系界
面活性剤であって、分子構造内にエステル、エーテル結
合を有し、ＨＬＢ（親水親油バランス）が５〜１８の範
囲内にあるもの、例えば、エステル結合を有するエステ
ル型のものとしては、ポリオキシエチレン脂肪酸エステ
ル、プロピレングリコール脂肪酸エステルなど、エーテ
ル結合を有するエーテル型のものとしては、ポリオキシ
アルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンア
ルキルフェニルエーテルなど、エーテルおよびエステル
結合を有するエーテルエステル型のものとしては、ポリ
オキシエチレングリセリン脂肪酸エステルなどが好適に
使用される

【００１５】とくに、ポリオキシアルキレンアルキルフ
ェニルエーテルの形態が好ましく、ポリオキシエチレン
オクチルフェニルエーテルまたはポリオキシエチレンノ
ニルフェニルエーテルであって、ＨＬＢが７〜１５の範
囲内のものを単独または混合して使用するのが望まし
い。この他、フルオロアルキルカルボン酸などのフッ素
型界面活性剤、シリコンを基元素とする界面活性剤も、
本発明における好ましい界面活性剤となる。

【００１６】保存剤中の加速剤の含有量は、加速剤がア
ルカリ金属の塩類、アルカリ土類金属の塩類の場合に
は、塩類として10000ppmまで、極性を有し且つ溶解力が
大で浸透性を有する有機溶剤の場合には5 ％まで、界面
活性剤の場合には1000ppm までとする。加速剤がそれぞ
れその濃度を越えるとラベンダーの首折れ現象が起き
る。

【００１７】保存剤には着色剤が添加される。着色剤
は、ラベンダーの植物組織内の細胞壁に吸収されて細胞
壁を着色する。着色剤としては、食品添加物着色剤、繊
維等を染色するための染料、顔料を単独あるいは組み合
わせて使用することができる。使用される食品添加物着
色剤としては、例えば食用赤色101 号、食用黄色1 号、
食用青色1 号、食用緑色3 号などがあり、染料では、ブ
リリアントグリーン、マラカイトグリーン、ミーリング
グリーンなどがある。本発明においては、保存剤として
使用される多価アルコール、高分子化合物が、ラベンダ
ーの組織内部に浸透して、本来ラベンダーの持つ香気を
保存剤が溶解、吸収して花部に集積し花部から芳香を生
じる。

【００１８】切り取ったラベンダーは、茎の基部のみを
本発明の保存剤に浸漬し保存剤を基部より吸収処理する
ことによって、保存剤がラベンダー全体に行き渡る。花
部より保存剤のしみ出しは見られないが、茎部表面から
は保存剤のしみ出しがあるため茎部表面を耐候性被膜形
成剤で被覆する。その結果、花部は芳香を保ち、茎部は
天然の形態、風合いを保持した状態で、より長期間保存
できる鑑賞用ラベンダーが再現性よく作製される。

【００１９】ラベンダーの茎部を被覆するための耐候性
被膜形成剤としては、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂、
シアノアクリレート系樹脂、シリコン系樹脂、天然ゴ
ム、等接着型の樹脂が広範囲に使用可能である。シアノ
アクリレート系樹脂が特に好ましく、この樹脂で被膜し
た場合は保存剤のしみ出しは一切発生しない。

【００２０】

【作用】本発明において、保存剤として適用される多価
アルコール、高分子化合物が、ラベンダーの組織内部に
含浸されて、ラベンダーを天然の形態、色彩に保持し、
ラベンダーの花部から芳香を生じるよう作用する。加速
剤の添加は、ラベンダーの組織内への保存剤の迅速な吸
収、浸透を促進し、天然のラベンダーの形態、感触を変
えることなく、自然状態を長期間保持し、花部の芳香を
保つのを助長し、被膜形成剤は、ラベンダーが吸収した
保存剤の浸み出しの防止と、光線（紫外線）による劣化
を抑制する役割を果たす。

【００２１】

【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して説
明する。 実施例１ ポリエチレングリコール15容量％、グリセリン5 容量
％、残部が精製水からなる水溶液をつくり、これに色素
として食用青色１号を1.3g/l、食用赤色101 号を1.2g/l
の割合で添加し、保存剤とした。切り取ったラベンダー
の茎の基部2cm を、常温の保存剤に浸漬し、6 日の間、
温度18〜20℃、相対湿度70％の雰囲気に保持した。ラベ
ンダーは保存剤を吸い上げ、水分を十分保持した均一な
青紫色を呈する花芽を具えたラベンダーが作製された。
作製されたラベンダーは、６か月間その状態を保ち芳香
を発散した。

【００２２】実施例２ ポリエチレングリコール15容量％、グリセリン5 容量
％、乳酸メチル1.5 容量％、残部精製水からなる水溶液
をつくり、これに実施例１と同様な色素を加えて保存剤
とした。実施例１と同一条件で切り取ったラベンダーの
茎の基部2cm を常温の保存剤に浸漬し保持した。ラベン
ダーは保存剤を吸い上げ、２日間の保持で水分を十分保
持した均一な青紫色の花芽を供えたラベンダーが作製さ
れた。作製されたラベンダーは、６か月間その状態を保
ち花部から芳香を発散した。

【００２３】実施例３ 実施例２の乳酸メチルのかわりに、塩化カルシウム5g/l
を添加した他は実施例２と同一の保存剤をつくった。切
り取ったラベンダーを、実施例２と同一の条件で保存剤
中に浸漬したところ、ラベンダーは保存剤を吸い上げ、
４日間で水分を十分に保持した均一な青紫色の花芽を具
えたラベンダーが作製された。作製されたラベンダー
は、６か月間その状態を保持し花部は芳香を保った。

【００２４】実施例４ 実施例２における乳酸メチルのかわりにポリオキシエチ
レンオクチルフェニルエーテル50ppm を添加した他は実
施例２と同一の保存剤をつくった。切り取ったラベンダ
ーの茎の基部2cm を常温の保存剤に浸漬したところ、ラ
ベンダーは保存剤を吸い上げ、２日間で水分を十分に保
持した青紫色の花芽を具えたラベンダーが作製された。
作製されたラベンダーは、６か月間その状態を保持し花
部から芳香を発散した。

【００２５】実施例５ 実施例１〜４で吸収処理したラベンダーを２４時間自然
乾燥させた後、シアノアクリレート樹脂（田岡化学工業
（株）製ＲＰ−Ｘ）100 ％溶液に1 秒間、花の部分を除
いた茎部全体を浸漬し取り出した。30秒後には完全に乾
き茎部よりの保存剤のしみ出し現象が防げた。

【００２６】

【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば、天然の
ラベンダーの形態、感触を変えることなく自然状態を保
持し、且つ花部が芳香を保った状態で、長期間保存する
ことを可能とする鑑賞用ラベンダーの保存剤および保存
方法、および該保存方法により作製された鑑賞用ラベン
ダーが提供される。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村上 祇子 富山県東礪波郡庄川町筏101番地 (72)発明者 平野 和美 富山県富山市奥井町19番20号

Claims (11)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 切り取ったラベンダーを自然状態に保存
   するとともに花部は芳香を保つようラベンダーを処理す
   るために、水溶液として使用する保存剤であって、該保
   存剤がラベンダー内に吸収されラベンダー内の水分を保
   持するための保湿剤と着色剤を含み、該保湿剤が多価ア
   ルコールおよび高分子化合物から選ばれた１種以上の組
   成物であることを特徴とする鑑賞用ラベンダーの保存
   剤。
2. 【請求項２】 多価アルコールがエチレングリコール、
   プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエ
   チレングリコール、テトラエチレングリコールおよびグ
   リセリンであり、高分子化合物がポリエチレングリコー
   ル、ポリプロピレングリコール、ジプロピレングリコー
   ル、トリプロピレングリコール、１，３ブチレングリコ
   ールおよびポリビニルアルコールであることを特徴とす
   る請求項１記載の鑑賞用ラベンダーの保存剤。
3. 【請求項３】 着色剤が食品添加物着色剤、染料または
   顔料であることを特徴とする請求項１〜２記載の鑑賞用
   ラベンダーの保存剤。
4. 【請求項４】 切り取ったラベンダーを自然状態に保存
   するとともに花部は芳香を保つようラベンダーの茎部を
   処理するために、水溶液として使用する保存剤であっ
   て、該保存剤が、茎部内への保存剤の吸収を促進させる
   ための加速剤を含み、加速剤が、アルカリ金属の塩類、
   アルカリ土類金属の塩類、極性を有し、且つ溶解力が大
   で、浸透性を有する有機溶剤、および界面活性剤、のう
   ちから選ばれた１種以上の組成物からなることを特徴と
   する請求項１〜３記載の鑑賞用ラベンダーの保存剤。
5. 【請求項５】 アルカリ金属の塩類がカリウム、ナトリ
   ウムの塩類であり、アルカリ土類金属の塩類がカルシウ
   ム、マグネシウムの塩類であることを特徴とする請求項
   ４記載の鑑賞用ラベンダーの保存剤。
6. 【請求項６】 極性を有し且つ溶解力が大で、浸透性を
   有する有機溶剤が酢酸ブチル、２−ヘプタノン、３−エ
   トキシプロピオン酸エチル、３−メトキシプロピオン酸
   メチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセ
   テート、ピルビン酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、
   シクロヘキサノール、シクロヘキサノン、シクロヘキシ
   ルアミン、Ｎ，Ｎ−ジメチルホルムアミド、Ｎ，Ｎ−ジ
   メチルアセトアミド、ジエチレングリコールモノメチル
   エーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、
   モルホリン、スルホラン、ジエチレングリコールジメチ
   ルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、
   エチレングリコールモノメチルエーテル、ジメチルスル
   ホキシドおよびジオキサンのうちから選ばれた一種以上
   の組成物であることを特徴とする請求項４記載の鑑賞用
   ラベンダーの保存剤。
7. 【請求項７】 界面活性剤が、ノニオン系界面活性剤
   で、分子構造内にエーテル、エステル結合を有するもの
   であることを特徴とする請求項４記載の鑑賞用ラベンダ
   ーの保存剤。
8. 【請求項８】 請求項１〜７記載の保存剤の水溶液中
   に、切り取ったラベンダーの茎部を浸漬して保存剤を吸
   収させることを特徴とし、花部は芳香を保ち天然の風合
   いを保持するようにした鑑賞用ラベンダーの保存方法。
9. 【請求項９】 請求項８記載の保存処理終了後、ラベン
   ダーの花部より下の茎部に耐候性の被膜を形成すること
   を特徴とする鑑賞用ラベンダーの保存方法。
10. 【請求項１０】 耐候性の被膜がシアノアクリレート樹
    脂であることを特徴とする請求項８〜９記載の鑑賞用ラ
    ベンダーの保存方法。
11. 【請求項１１】 茎部内に請求項１〜７記載の保存剤が
    含浸されとともに茎部の表面に耐候性の被膜を形成した
    ことを特徴とする鑑賞用ラベンダー。