JPH07277901A - 植物の保存剤および保存方法 - Google Patents
植物の保存剤および保存方法Info
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- JPH07277901A JPH07277901A JP6087639A JP8763994A JPH07277901A JP H07277901 A JPH07277901 A JP H07277901A JP 6087639 A JP6087639 A JP 6087639A JP 8763994 A JP8763994 A JP 8763994A JP H07277901 A JPH07277901 A JP H07277901A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 植物を自然状態に保存するために、切り取っ
た植物に適用する保存剤であって、該保存剤が、植物内
に吸収され植物内の水分を保持するための保湿剤と、植
物が保存剤を吸収するのを促進させるための加速剤を含
み、加速剤が乳酸メチル、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどの1
種または2種以上からなる。 【効果】 天然の植物の形態、感触を変えることなく、
自然状態で長期間保存できる。
た植物に適用する保存剤であって、該保存剤が、植物内
に吸収され植物内の水分を保持するための保湿剤と、植
物が保存剤を吸収するのを促進させるための加速剤を含
み、加速剤が乳酸メチル、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどの1
種または2種以上からなる。 【効果】 天然の植物の形態、感触を変えることなく、
自然状態で長期間保存できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、植物の保存剤および保
存方法、詳しくは、植物体の自然の形態、感触を変える
ことなく、長期間保存を可能とする植物の保存剤および
保存方法に関する。
存方法、詳しくは、植物体の自然の形態、感触を変える
ことなく、長期間保存を可能とする植物の保存剤および
保存方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、草花や木など植物を自然環境から
切り取った後も、長期間室内で鑑賞することを目的とし
て、植物を保存剤に浸漬し、または茎部のみを浸漬して
保存剤を吸収させることにより自然状態のまま保存しよ
うとする手法が種々開発されている。これらの手法に使
用される保存剤は、植物内に吸収して植物内の水分を保
持するための保湿剤と、保存剤の吸収を促進させるため
の加速剤を含み、必要に応じて適宜の色素を添加してな
るもので、従来、保湿剤としてグリセリンなどのグリコ
ール類、加速剤としてアルカリ金属あるいはアルカリ土
類金属の塩を使用することを基本とする保存剤が多く提
案されている。(特開昭62-89601号公報、特開平1-3110
02号公報、特開平2-268101号公報、特開平4-53418 号公
報)
切り取った後も、長期間室内で鑑賞することを目的とし
て、植物を保存剤に浸漬し、または茎部のみを浸漬して
保存剤を吸収させることにより自然状態のまま保存しよ
うとする手法が種々開発されている。これらの手法に使
用される保存剤は、植物内に吸収して植物内の水分を保
持するための保湿剤と、保存剤の吸収を促進させるため
の加速剤を含み、必要に応じて適宜の色素を添加してな
るもので、従来、保湿剤としてグリセリンなどのグリコ
ール類、加速剤としてアルカリ金属あるいはアルカリ土
類金属の塩を使用することを基本とする保存剤が多く提
案されている。(特開昭62-89601号公報、特開平1-3110
02号公報、特開平2-268101号公報、特開平4-53418 号公
報)
【0003】グリセリン、グリコール類は保湿剤として
優れ、植物を自然の形態に維持するものであるが、植物
に対する吸収が遅く、樹木などの場合には吸収に時間が
かかるという難点がある。保湿剤の吸収を促進するため
に、保湿剤とともに使用されるアルカリ金属塩あるいは
アルカリ土類金属塩からなる加速剤の作用も必ずしも十
分ではなく、再現性にも問題があり、保湿剤の植物への
取り込みを効果的に促進する加速剤の開発が要望されて
いる。
優れ、植物を自然の形態に維持するものであるが、植物
に対する吸収が遅く、樹木などの場合には吸収に時間が
かかるという難点がある。保湿剤の吸収を促進するため
に、保湿剤とともに使用されるアルカリ金属塩あるいは
アルカリ土類金属塩からなる加速剤の作用も必ずしも十
分ではなく、再現性にも問題があり、保湿剤の植物への
取り込みを効果的に促進する加速剤の開発が要望されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、グリセリ
ン、グリコール類を主体とする保湿剤の植物への吸収を
速めることができる加速剤を新規に見出した結果として
なされたものであり、その目的は、上記従来の植物の保
存剤における問題点を解消し、植物への取り込みが早
く、樹木を含む種々の植物に適用でき、天然の植物体の
色、形態、感触を長期間保持することを可能とし再現性
にも優れた植物の保存剤および該保存剤を使用する植物
の保存方法を提供することにある。
ン、グリコール類を主体とする保湿剤の植物への吸収を
速めることができる加速剤を新規に見出した結果として
なされたものであり、その目的は、上記従来の植物の保
存剤における問題点を解消し、植物への取り込みが早
く、樹木を含む種々の植物に適用でき、天然の植物体の
色、形態、感触を長期間保持することを可能とし再現性
にも優れた植物の保存剤および該保存剤を使用する植物
の保存方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による植物の保存剤は、植物を自然状態に保
存するために水溶液として使用する保存剤であって、該
保存剤が、植物内に吸収され植物内の水分を保持するた
めの保湿剤と、植物が保存剤を吸収するのを促進させる
ための加速剤を含み、加速剤が、酢酸ブチル、2−ヘプ
タノン、エチル−3−エトキシプロピオネート、メチル
−3−メトキシプロピオネート、プロピレングリコール
モノメチルエーテルアセテート、ピルビン酸エチル、乳
酸メチル、乳酸エチル、シクロヘキサノール、シクロヘ
キサノン、シクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジエチレ
ングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノブチルエーテル、モルホリン、スルホラン、ジエ
チレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールジエチルエーテル、メチルセロソルブ、ジメチルス
ルホキシドおよびジオキサンからなる群から選ばれた1
種または2種以上の組成物からなることを構成上の第1
の特徴とする。
めの本発明による植物の保存剤は、植物を自然状態に保
存するために水溶液として使用する保存剤であって、該
保存剤が、植物内に吸収され植物内の水分を保持するた
めの保湿剤と、植物が保存剤を吸収するのを促進させる
ための加速剤を含み、加速剤が、酢酸ブチル、2−ヘプ
タノン、エチル−3−エトキシプロピオネート、メチル
−3−メトキシプロピオネート、プロピレングリコール
モノメチルエーテルアセテート、ピルビン酸エチル、乳
酸メチル、乳酸エチル、シクロヘキサノール、シクロヘ
キサノン、シクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジエチレ
ングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノブチルエーテル、モルホリン、スルホラン、ジエ
チレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールジエチルエーテル、メチルセロソルブ、ジメチルス
ルホキシドおよびジオキサンからなる群から選ばれた1
種または2種以上の組成物からなることを構成上の第1
の特徴とする。
【0006】また、保湿剤が、エチレングリコール、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラ
エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピ
レングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピ
レングリコール、1,3ブチレングリコール、ソルビト
ールおよびグリセリンからなる群から選ばれた1種また
は2種以上の組成物からなること、および保湿剤中に加
速剤が0.1〜5容量%含有することを構成上の第2、
第3の特徴とし、さらに、本発明による植物の保存方法
の特徴は、保湿剤と、上記記載の加速剤を含む保存剤の
水溶液中に、切り取った植物を浸漬し、または切り取っ
た植物の切り口部分のみを浸漬することに存する。
エチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラ
エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピ
レングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピ
レングリコール、1,3ブチレングリコール、ソルビト
ールおよびグリセリンからなる群から選ばれた1種また
は2種以上の組成物からなること、および保湿剤中に加
速剤が0.1〜5容量%含有することを構成上の第2、
第3の特徴とし、さらに、本発明による植物の保存方法
の特徴は、保湿剤と、上記記載の加速剤を含む保存剤の
水溶液中に、切り取った植物を浸漬し、または切り取っ
た植物の切り口部分のみを浸漬することに存する。
【0007】本発明による植物の保存剤は、上記のよう
に、保湿剤と加速剤を含み、このうち保湿剤は、植物内
に吸収されて植物内の水分を保持し、植物の自然の構
造、形態、感触を維持する作用をするもので、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリ
コール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、トリプロピレングリコール、1,3 ブチレングリコー
ルなどのグリコール類、ソルビトール、グリセリンなど
を単独あるいは混合して使用することができる。このう
ちでは、ポリエチレングリコールとグリセリンを併用し
て使用するのが好ましく、さらにテトラエチレングリコ
ール、トリプロピレングリコール、1,3 ブチレングリコ
ールのうちの1種または2種以上を使用するのがとくに
好ましい。好ましくは、これらの保湿剤は、保存剤に対
して合計で20〜35容量%含有させる。
に、保湿剤と加速剤を含み、このうち保湿剤は、植物内
に吸収されて植物内の水分を保持し、植物の自然の構
造、形態、感触を維持する作用をするもので、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリ
コール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、トリプロピレングリコール、1,3 ブチレングリコー
ルなどのグリコール類、ソルビトール、グリセリンなど
を単独あるいは混合して使用することができる。このう
ちでは、ポリエチレングリコールとグリセリンを併用し
て使用するのが好ましく、さらにテトラエチレングリコ
ール、トリプロピレングリコール、1,3 ブチレングリコ
ールのうちの1種または2種以上を使用するのがとくに
好ましい。好ましくは、これらの保湿剤は、保存剤に対
して合計で20〜35容量%含有させる。
【0008】加速剤は、上記の粘稠性のある保湿剤と共
存して、植物が保存剤を吸収するのを促進する機能を果
たすものであり、酢酸ブチル、2−ヘプタノン、エチル
−3−エトキシプロピオネート、メチル−3−メトキシ
プロピオネート、プロピレングリコールモノメチルエー
テルアセテート、ピルビン酸エチル、乳酸メチル、乳酸
エチル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノン、シク
ロヘキシルアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジメチルアセトアミド、ジエチレングリコール
モノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチル
エーテル、モルホリン、スルホラン、ジエチレングリコ
ールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチル
エーテル、メチルセロソルブ、ジメチルスルホキシドお
よびジオキサンからなる群から選ばれた1種または2種
以上が好適に使用される。
存して、植物が保存剤を吸収するのを促進する機能を果
たすものであり、酢酸ブチル、2−ヘプタノン、エチル
−3−エトキシプロピオネート、メチル−3−メトキシ
プロピオネート、プロピレングリコールモノメチルエー
テルアセテート、ピルビン酸エチル、乳酸メチル、乳酸
エチル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノン、シク
ロヘキシルアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジメチルアセトアミド、ジエチレングリコール
モノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチル
エーテル、モルホリン、スルホラン、ジエチレングリコ
ールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチル
エーテル、メチルセロソルブ、ジメチルスルホキシドお
よびジオキサンからなる群から選ばれた1種または2種
以上が好適に使用される。
【0009】これらの加速剤のうちでは、酢酸ブチル、
2−ヘプタノン、エチル−3−エトキシプロピオネー
ト、メチル−3−メトキシプロピオネート、プロピレン
グリコールモノメチルエーテルアセテート、ピルビン酸
エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、シクロヘキサノー
ル、シクロヘキサノン、シクロヘキシルアミン、N,N
−ジメチルアセトアミド、ジエチレングリコールモノメ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテ
ル、モルホリン、スルホランがさらに好ましく、乳酸メ
チル、N,N−ジメチルアセトアミド、ジエチレングリ
コールモノブチルエーテルを植物の種類によって使い分
けするのが最も好ましい。
2−ヘプタノン、エチル−3−エトキシプロピオネー
ト、メチル−3−メトキシプロピオネート、プロピレン
グリコールモノメチルエーテルアセテート、ピルビン酸
エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、シクロヘキサノー
ル、シクロヘキサノン、シクロヘキシルアミン、N,N
−ジメチルアセトアミド、ジエチレングリコールモノメ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテ
ル、モルホリン、スルホランがさらに好ましく、乳酸メ
チル、N,N−ジメチルアセトアミド、ジエチレングリ
コールモノブチルエーテルを植物の種類によって使い分
けするのが最も好ましい。
【0010】上記加速剤の含有量は、保存剤に対して
0.1〜5容量%の範囲が好ましく、0.1容量%未満
では、植物の保存剤吸い上げ効果が十分でなく、含有量
が5容量%を越えると保存剤を吸収した植物の葉がばさ
ついて湿潤感がなくなる傾向がある。加速剤の含有量の
さらに好ましい範囲は0.5〜3容量%である。
0.1〜5容量%の範囲が好ましく、0.1容量%未満
では、植物の保存剤吸い上げ効果が十分でなく、含有量
が5容量%を越えると保存剤を吸収した植物の葉がばさ
ついて湿潤感がなくなる傾向がある。加速剤の含有量の
さらに好ましい範囲は0.5〜3容量%である。
【0011】保存剤には、必要に応じて色素が添加され
る。色素は、植物組織内の細胞壁に吸収されて細胞壁を
着色する。色素としては、食品用色素、染料、顔料を単
独あるいは組み合わせて使用することができる。使用さ
れる食品用色素としては、例えば食用赤色3 号、食用黄
色1 号、食用青色1 号、食用緑色3 号などがある。
る。色素は、植物組織内の細胞壁に吸収されて細胞壁を
着色する。色素としては、食品用色素、染料、顔料を単
独あるいは組み合わせて使用することができる。使用さ
れる食品用色素としては、例えば食用赤色3 号、食用黄
色1 号、食用青色1 号、食用緑色3 号などがある。
【0012】本発明の保存剤は、一般には、切り取った
植物の切断面に適用され、切断面から植物内に吸収され
るものであるが、例えば樹木などのような大きな植物の
場合には、植物を切り取る前に、一部植物においては、
幹に穴を開け、この穴から保存剤を吸収させた後、植物
を切り取ることもできる。保存剤は植物組織内に吸収さ
れて組織の変質を防止し、組織内部に湿潤性を与え、植
物を切断前の状態に保持する。
植物の切断面に適用され、切断面から植物内に吸収され
るものであるが、例えば樹木などのような大きな植物の
場合には、植物を切り取る前に、一部植物においては、
幹に穴を開け、この穴から保存剤を吸収させた後、植物
を切り取ることもできる。保存剤は植物組織内に吸収さ
れて組織の変質を防止し、組織内部に湿潤性を与え、植
物を切断前の状態に保持する。
【0013】本発明は、花、草花、草木類、松、杉など
の樹木、竹などに適用することができ、これら対象とな
る植物の大きさ、高さにも制約はない。本発明の保存剤
の適用対象となる植物は、切り取り後出来るだけ早く処
理することが必要であり、遅くても切り取り後24時間以
内に処理するのが好ましく、植物の種類、大きさなどに
応じて、温度、湿度、浸漬期間など、保存剤の適用条件
を選択することが必要である。
の樹木、竹などに適用することができ、これら対象とな
る植物の大きさ、高さにも制約はない。本発明の保存剤
の適用対象となる植物は、切り取り後出来るだけ早く処
理することが必要であり、遅くても切り取り後24時間以
内に処理するのが好ましく、植物の種類、大きさなどに
応じて、温度、湿度、浸漬期間など、保存剤の適用条件
を選択することが必要である。
【0014】
【作用】本発明において、保存剤中に含有される加速剤
は、保湿剤と共存して、植物内に保存剤を迅速に吸収さ
せ、植物組織内に保湿剤を浸透させて、天然の植物体の
形態、感触を変えることなく、自然状態を長期間保持す
る役割を果たす。
は、保湿剤と共存して、植物内に保存剤を迅速に吸収さ
せ、植物組織内に保湿剤を浸透させて、天然の植物体の
形態、感触を変えることなく、自然状態を長期間保持す
る役割を果たす。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して説
明する。 実施例1 ポリエチレングリコール15容量%、エチレングリコール
7.0 容量%、グリセリン3.0 容量%、乳酸メチル1.0 容
量%、残部が精製水からなる水溶液をつくり、これに色
素として食用緑色3号を2g/lの割合で添加し、保存剤と
した。切り取った五葉松の幹の基部を常温の保存剤に浸
漬し、15日の間、温度10〜12℃、相対湿度60%の雰囲気
に保持した。五葉松は保存剤を吸い上げ、水分を十分保
持した均一な緑色を呈する葉を具えた五葉松が作製され
た。住居内に保存したところ、1年間その状態を保っ
た。
明する。 実施例1 ポリエチレングリコール15容量%、エチレングリコール
7.0 容量%、グリセリン3.0 容量%、乳酸メチル1.0 容
量%、残部が精製水からなる水溶液をつくり、これに色
素として食用緑色3号を2g/lの割合で添加し、保存剤と
した。切り取った五葉松の幹の基部を常温の保存剤に浸
漬し、15日の間、温度10〜12℃、相対湿度60%の雰囲気
に保持した。五葉松は保存剤を吸い上げ、水分を十分保
持した均一な緑色を呈する葉を具えた五葉松が作製され
た。住居内に保存したところ、1年間その状態を保っ
た。
【0016】比較例1 実施例1において、乳酸メチルを含有しない水溶液をつ
くり、これに色素として食用緑色3号を2g/lの割合で添
加して保存剤とし、切り取った五葉松の幹の基部を浸漬
したところ、五葉松は保存剤の吸収が悪く、乳酸メチル
を含有する実施例1と同一吸収条件下では松の葉が抜け
落ちる状態であった。
くり、これに色素として食用緑色3号を2g/lの割合で添
加して保存剤とし、切り取った五葉松の幹の基部を浸漬
したところ、五葉松は保存剤の吸収が悪く、乳酸メチル
を含有する実施例1と同一吸収条件下では松の葉が抜け
落ちる状態であった。
【0017】実施例2 ポリエチレングリコール20容量%、グリセリン4 容量
%、ジエチレングリコールモノブチルエーテル1.0 容量
%を含み、残部精製水からなる水溶液をつくり、これに
色素として食用青色1号1g/l、食用赤色3号1g/lを添加
し、保存剤とした。切り取ったカスミ草の切取り部を常
温の保存剤に浸漬し、12日の間、温度20℃、相対湿度60
%の雰囲気に保持した。カスミ草は保存剤を吸い上げ、
水分を十分保持した均一な紫色のカスミ草が作製され
た。住居内に保存したところ、1年間その状態を保っ
た。
%、ジエチレングリコールモノブチルエーテル1.0 容量
%を含み、残部精製水からなる水溶液をつくり、これに
色素として食用青色1号1g/l、食用赤色3号1g/lを添加
し、保存剤とした。切り取ったカスミ草の切取り部を常
温の保存剤に浸漬し、12日の間、温度20℃、相対湿度60
%の雰囲気に保持した。カスミ草は保存剤を吸い上げ、
水分を十分保持した均一な紫色のカスミ草が作製され
た。住居内に保存したところ、1年間その状態を保っ
た。
【0018】比較例2 実施例2において、ジエチレングリコールモノブチルエ
ーテルを含有しない水溶液をつくり、これに色素として
実施例2と同一の食品用色素を添加して保存剤とし、切
り取ったカスミ草を浸漬したところ、カスミ草は保存剤
の吸収が悪く、実施例2と同一条件での吸収期間では、
製品に保湿性がなく短期間で枯れ状態となった。
ーテルを含有しない水溶液をつくり、これに色素として
実施例2と同一の食品用色素を添加して保存剤とし、切
り取ったカスミ草を浸漬したところ、カスミ草は保存剤
の吸収が悪く、実施例2と同一条件での吸収期間では、
製品に保湿性がなく短期間で枯れ状態となった。
【0019】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば、天然の
植物体の形態、感触を変えることなく自然状態を保持し
長期間保存することを可能とする植物の保存剤および該
保存剤を使用する植物の保存方法が提供される。
植物体の形態、感触を変えることなく自然状態を保持し
長期間保存することを可能とする植物の保存剤および該
保存剤を使用する植物の保存方法が提供される。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年6月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による植物の保存剤は、植物を自然状態に保
存するために水溶液として使用する保存剤であって、該
保存剤が、植物内に吸収され植物内の水分を保持するた
めの保湿剤と、植物が保存剤を吸収するのを促進させる
ための加速剤を含み、加速剤が、酢酸ブチル、2−ヘプ
タノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキ
シプロピオン酸メチル、プロピレングリコールモノメチ
ルエーテルアセテート、ピルビン酸エチル、乳酸メチ
ル、乳酸エチル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノ
ン、シクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルホルムア
ミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジエチレングリ
コールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
ブチルエーテル、モルホリン、スルホラン、ジエチレン
グリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジ
エチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジメチルスルホキシドおよびジオキサンからなる群
から選ばれた1種または2種以上の組成物からなること
を構成上の第1の特徴とする。
めの本発明による植物の保存剤は、植物を自然状態に保
存するために水溶液として使用する保存剤であって、該
保存剤が、植物内に吸収され植物内の水分を保持するた
めの保湿剤と、植物が保存剤を吸収するのを促進させる
ための加速剤を含み、加速剤が、酢酸ブチル、2−ヘプ
タノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキ
シプロピオン酸メチル、プロピレングリコールモノメチ
ルエーテルアセテート、ピルビン酸エチル、乳酸メチ
ル、乳酸エチル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノ
ン、シクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルホルムア
ミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジエチレングリ
コールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
ブチルエーテル、モルホリン、スルホラン、ジエチレン
グリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジ
エチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジメチルスルホキシドおよびジオキサンからなる群
から選ばれた1種または2種以上の組成物からなること
を構成上の第1の特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】加速剤は、上記の粘稠性のある保湿剤と共
存して、植物が保存剤を吸収するのを促進する機能を果
たすものであり、酢酸ブチル、2−ヘプタノン、3−エ
トキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸
メチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセ
テート、ピルビン酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、
シクロヘキサノール、シクロヘキサノン、シクロヘキシ
ルアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジ
メチルアセトアミド、ジエチレングリコールモノメチル
エーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、
モルホリン、スルホラン、ジエチレングリコールジメチ
ルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、
エチレングリコールモノメチルエーテル、ジメチルスル
ホキシドおよびジオキサンからなる群から選ばれた1種
または2種以上が好適に使用される。
存して、植物が保存剤を吸収するのを促進する機能を果
たすものであり、酢酸ブチル、2−ヘプタノン、3−エ
トキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸
メチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセ
テート、ピルビン酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、
シクロヘキサノール、シクロヘキサノン、シクロヘキシ
ルアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジ
メチルアセトアミド、ジエチレングリコールモノメチル
エーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、
モルホリン、スルホラン、ジエチレングリコールジメチ
ルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、
エチレングリコールモノメチルエーテル、ジメチルスル
ホキシドおよびジオキサンからなる群から選ばれた1種
または2種以上が好適に使用される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】これらの加速剤のうちでは、酢酸ブチル、
2−ヘプタノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3
−メトキシプロピオン酸メチル、プロピレングリコール
モノメチルエーテルアセテート、ピルビン酸エチル、乳
酸メチル、乳酸エチル、シクロヘキサノール、シクロヘ
キサノン、シクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルア
セトアミド、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、モルホ
リン、スルホランがさらに好ましく、乳酸メチル、N,
N−ジメチルアセトアミド、ジエチレングリコールモノ
ブチルエーテルを植物の種類によって使い分けするのが
最も好ましい。
2−ヘプタノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3
−メトキシプロピオン酸メチル、プロピレングリコール
モノメチルエーテルアセテート、ピルビン酸エチル、乳
酸メチル、乳酸エチル、シクロヘキサノール、シクロヘ
キサノン、シクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルア
セトアミド、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、モルホ
リン、スルホランがさらに好ましく、乳酸メチル、N,
N−ジメチルアセトアミド、ジエチレングリコールモノ
ブチルエーテルを植物の種類によって使い分けするのが
最も好ましい。
Claims (4)
- 【請求項1】 植物を自然状態に保存するために水溶液
として使用する保存剤であって、該保存剤が、植物内に
吸収され植物内の水分を保持するための保湿剤と、植物
が保存剤を吸収するのを促進させるための加速剤を含
み、加速剤が、酢酸ブチル、2−ヘプタノン、エチル−
3−エトキシプロピオネート、メチル−3−メトキシプ
ロピオネート、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ルアセテート、ピルビン酸エチル、乳酸メチル、乳酸エ
チル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノン、シクロ
ヘキシルアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,
N−ジメチルアセトアミド、ジエチレングリコールモノ
メチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエー
テル、モルホリン、スルホラン、ジエチレングリコール
ジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエー
テル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、メチル
セロソルブ、ジメチルスルホキシドおよびジオキサンか
らなる群から選ばれた1種または2種以上の組成物から
なることを特徴とする植物の保存剤。 - 【請求項2】 保湿剤が、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチ
レングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレン
グリコール、1,3ブチレングリコール、ソルビトール
およびグリセリンからなる群から選ばれた1種または2
種以上の組成物からなることを特徴とする請求項1記載
の植物の保存剤。 - 【請求項3】 保湿剤中に加速剤が0.1〜5容量%含
有することを特徴とする請求項1〜2記載の植物の保存
剤。 - 【請求項4】 保湿剤と、請求項1記載の加速剤を含む
保存剤の水溶液中に、切り取った植物を浸漬、または切
り取った植物の切り口部分のみを浸漬し、保湿剤を吸収
させることを特徴とする植物の保存方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6087639A JPH07277901A (ja) | 1994-03-31 | 1994-03-31 | 植物の保存剤および保存方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6087639A JPH07277901A (ja) | 1994-03-31 | 1994-03-31 | 植物の保存剤および保存方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07277901A true JPH07277901A (ja) | 1995-10-24 |
Family
ID=13920559
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6087639A Pending JPH07277901A (ja) | 1994-03-31 | 1994-03-31 | 植物の保存剤および保存方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07277901A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005126377A (ja) * | 2003-10-24 | 2005-05-19 | 久美代 ▼えの▲目 | ススキの着色方法 |
JP2007119459A (ja) * | 2005-09-30 | 2007-05-17 | Suntory Ltd | 切花の保存方法、切花保存用キット、加工切花の製造方法及び加工切花 |
JP2011097935A (ja) * | 2009-10-12 | 2011-05-19 | Logico Bv | 鉢植え植物の花の着色方法、および着色された花を有する鉢植え植物 |
CN105028396A (zh) * | 2015-08-27 | 2015-11-11 | 苏州云舒新材料科技有限公司 | 一种鲜花保鲜剂及其制备方法 |
CN106376548A (zh) * | 2016-08-15 | 2017-02-08 | 卞佳林 | 一种鲜切花保鲜剂及其制备方法 |
JP2021033029A (ja) * | 2019-08-23 | 2021-03-01 | 千尋 根本 | 植物の葉への画像の転写方法および画像を転写した葉の保存方法 |
-
1994
- 1994-03-31 JP JP6087639A patent/JPH07277901A/ja active Pending
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