JPH09169601A - 加工樹木、加工枝、並びにこれらの加工方法 - Google Patents
加工樹木、加工枝、並びにこれらの加工方法Info
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- JPH09169601A JPH09169601A JP33440295A JP33440295A JPH09169601A JP H09169601 A JPH09169601 A JP H09169601A JP 33440295 A JP33440295 A JP 33440295A JP 33440295 A JP33440295 A JP 33440295A JP H09169601 A JPH09169601 A JP H09169601A
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- Chemical And Physical Treatments For Wood And The Like (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【解決手段】多価アルコール及び/又は多価アルコール
誘導体を成分とする液剤を樹木や枝の組織中に含浸させ
た、加工樹木や加工枝に関し、その加工は、液剤に樹木
や枝を浸漬し、減圧雰囲気下に置き、液剤を組織中に含
浸させることにより行う。 【効果】樹木の組織中に含浸させてある液剤は、天然の
樹木の組織の含有成分に比べて蒸発しにくく、樹木の組
織の変質を抑制するため、植樹、灌水、施肥を行わなく
ても、樹皮や枝は長期間にわたって天然の樹木と同様の
色艶、形状、しなやかさを維持できる。
誘導体を成分とする液剤を樹木や枝の組織中に含浸させ
た、加工樹木や加工枝に関し、その加工は、液剤に樹木
や枝を浸漬し、減圧雰囲気下に置き、液剤を組織中に含
浸させることにより行う。 【効果】樹木の組織中に含浸させてある液剤は、天然の
樹木の組織の含有成分に比べて蒸発しにくく、樹木の組
織の変質を抑制するため、植樹、灌水、施肥を行わなく
ても、樹皮や枝は長期間にわたって天然の樹木と同様の
色艶、形状、しなやかさを維持できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植樹、灌水、施肥
を行わなくても、長期間にわたって天然の色艶、形状、
しなやかさを維持できる、加工樹木、加工枝、並びにこ
れらの加工方法に関する。
を行わなくても、長期間にわたって天然の色艶、形状、
しなやかさを維持できる、加工樹木、加工枝、並びにこ
れらの加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境緑化が地球規模で叫ばれる
中、植物と人間との係わりが時間と場所を問わず高まっ
ており、ホテル、レストラン、オフィス、ショウウイン
ド、駅構内、地下広場、学校、病院等、数え上げればき
りがない程、あらゆる場所に植物が鑑賞用或いは装飾用
として配置され、或いは要求されている。このような植
物としては、草花、観葉植物の他、樹木やその枝等も多
く用いられている。
中、植物と人間との係わりが時間と場所を問わず高まっ
ており、ホテル、レストラン、オフィス、ショウウイン
ド、駅構内、地下広場、学校、病院等、数え上げればき
りがない程、あらゆる場所に植物が鑑賞用或いは装飾用
として配置され、或いは要求されている。このような植
物としては、草花、観葉植物の他、樹木やその枝等も多
く用いられている。
【0003】従来、鑑賞用或いは装飾用の樹木や枝に
は、天然のものをそのまま用いるか、或いは、模造品を
用いるかのいずれかであった。
は、天然のものをそのまま用いるか、或いは、模造品を
用いるかのいずれかであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】鑑賞用或いは装飾用の
樹木や枝に天然のものをそのまま用いると、植樹、灌
水、施肥等、設置や管理が極めて繁雑になる。一方、模
造品では、天然の質感には遠く及ばず、うるおいのない
殺伐とした外観を余儀なくされる。
樹木や枝に天然のものをそのまま用いると、植樹、灌
水、施肥等、設置や管理が極めて繁雑になる。一方、模
造品では、天然の質感には遠く及ばず、うるおいのない
殺伐とした外観を余儀なくされる。
【0005】本発明の課題は、植樹、灌水、施肥を行わ
なくても、長期間にわたって天然の色艶、形状、しなや
かさを維持できる加工樹木、加工枝、並びにこれらの加
工方法を提供することにある。
なくても、長期間にわたって天然の色艶、形状、しなや
かさを維持できる加工樹木、加工枝、並びにこれらの加
工方法を提供することにある。
【0006】
(第1発明及び第2発明)第1発明の加工樹木は、多価
アルコール及び/又は多価アルコール誘導体を成分とす
る液剤を、樹木の組織中に含浸させたことを特徴とす
る。第2発明の加工枝は、多価アルコール及び/又は多
価アルコール誘導体を成分とする液剤を、枝の組織中に
含浸させたことを特徴とする。
アルコール及び/又は多価アルコール誘導体を成分とす
る液剤を、樹木の組織中に含浸させたことを特徴とす
る。第2発明の加工枝は、多価アルコール及び/又は多
価アルコール誘導体を成分とする液剤を、枝の組織中に
含浸させたことを特徴とする。
【0007】(第3発明及び第4発明)第3発明の加工
樹木の加工方法は、多価アルコール及び/又は多価アル
コール誘導体を成分とする液剤に、樹木を浸漬し、減圧
雰囲気下に置くことにより、液剤を樹木の組織中に含浸
させることを特徴とする。第4発明の加工枝の加工方法
は、多価アルコール及び/又は多価アルコール誘導体を
成分とする液剤に、樹木の枝を浸漬し、減圧雰囲気下に
置くことにより、液剤を枝の組織中に含浸させることを
特徴とする。
樹木の加工方法は、多価アルコール及び/又は多価アル
コール誘導体を成分とする液剤に、樹木を浸漬し、減圧
雰囲気下に置くことにより、液剤を樹木の組織中に含浸
させることを特徴とする。第4発明の加工枝の加工方法
は、多価アルコール及び/又は多価アルコール誘導体を
成分とする液剤に、樹木の枝を浸漬し、減圧雰囲気下に
置くことにより、液剤を枝の組織中に含浸させることを
特徴とする。
【0008】
(第1発明)樹木の組織中に含浸させてある液剤の成分
は、天然の樹木の組織中に含有されている成分に比べて
蒸発しにくいうえ、樹木の組織の変質を抑制する機能を
有しているため、植樹、灌水、施肥を行わなくても、加
工樹木は長期間にわたって天然の色艶、形状、しなやか
さを維持できる。
は、天然の樹木の組織中に含有されている成分に比べて
蒸発しにくいうえ、樹木の組織の変質を抑制する機能を
有しているため、植樹、灌水、施肥を行わなくても、加
工樹木は長期間にわたって天然の色艶、形状、しなやか
さを維持できる。
【0009】(第2発明)枝の組織中に含浸させてある
液剤の成分は、天然の枝の組織中に含有されている成分
に比べて蒸発しにくいうえ、枝の組織の変質を抑制する
機能を有しているため、灌水、施肥を行わなくても、加
工枝は長期間にわたって天然の色艶、形状、しなやかさ
を維持できる。
液剤の成分は、天然の枝の組織中に含有されている成分
に比べて蒸発しにくいうえ、枝の組織の変質を抑制する
機能を有しているため、灌水、施肥を行わなくても、加
工枝は長期間にわたって天然の色艶、形状、しなやかさ
を維持できる。
【0010】(第3発明)減圧雰囲気下で、天然の樹木
の組織中に含まれる比較的蒸気圧の高い成分の気化が促
進され、これらが抜け出た後の空隙に液剤が浸透するた
め、樹木の組織中への液剤の含浸が速やかに行われる。
の組織中に含まれる比較的蒸気圧の高い成分の気化が促
進され、これらが抜け出た後の空隙に液剤が浸透するた
め、樹木の組織中への液剤の含浸が速やかに行われる。
【0011】(第4発明)減圧雰囲気下で、天然の枝の
組織中に含まれる比較的蒸気圧の高い成分の気化が促進
され、これらが抜け出た後の空隙に液剤が浸透するた
め、枝の組織中への液剤の含浸が速やかに行われる。
組織中に含まれる比較的蒸気圧の高い成分の気化が促進
され、これらが抜け出た後の空隙に液剤が浸透するた
め、枝の組織中への液剤の含浸が速やかに行われる。
【0012】
【発明の実施の形態】第1発明の加工樹木は、多価アル
コール及び/又は多価アルコール誘導体を成分とする液
剤を、樹木の組織中に含浸させたものである。第2発明
の加工枝は、多価アルコール及び/又は多価アルコール
誘導体を成分とする液剤を、枝の組織中に含浸させたも
のである。第3発明の加工樹木の加工方法では、多価ア
ルコール及び/又は多価アルコール誘導体を成分とする
液剤に、樹木を浸漬し、減圧雰囲気下に置くことによ
り、液剤を樹木の組織中に含浸させ、第1発明の加工樹
木を得る。第4発明の加工枝の加工方法では、多価アル
コール及び/又は多価アルコール誘導体を成分とする液
剤に、樹木の枝を浸漬し、減圧雰囲気下に置くことによ
り、液剤を枝の組織中に含浸させ、第2発明の加工枝を
得る。
コール及び/又は多価アルコール誘導体を成分とする液
剤を、樹木の組織中に含浸させたものである。第2発明
の加工枝は、多価アルコール及び/又は多価アルコール
誘導体を成分とする液剤を、枝の組織中に含浸させたも
のである。第3発明の加工樹木の加工方法では、多価ア
ルコール及び/又は多価アルコール誘導体を成分とする
液剤に、樹木を浸漬し、減圧雰囲気下に置くことによ
り、液剤を樹木の組織中に含浸させ、第1発明の加工樹
木を得る。第4発明の加工枝の加工方法では、多価アル
コール及び/又は多価アルコール誘導体を成分とする液
剤に、樹木の枝を浸漬し、減圧雰囲気下に置くことによ
り、液剤を枝の組織中に含浸させ、第2発明の加工枝を
得る。
【0013】多価アルコールとしては、グリセリン、グ
リコール類、ペンタエリスリトール、トリメチロールエ
タン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、
ソルビトール、ポリビニルアルコール、その他のものを
使用できる。多価アルコール誘導体としては、多価アル
コールエステル、その他のものを使用できる。
リコール類、ペンタエリスリトール、トリメチロールエ
タン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、
ソルビトール、ポリビニルアルコール、その他のものを
使用できる。多価アルコール誘導体としては、多価アル
コールエステル、その他のものを使用できる。
【0014】グリコール類としては、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、その他のものを使用でき、
グリコール類の誘導体としては、ジエチレングリコー
ル、その他のものを使用できる。このうち、グリセリ
ン、グリセリン誘導体、グリコール類、グリコール類の
誘導体はより好適に使用でき、グリセリン、エチレング
リコール、ジエチレングリコールは一層好適に使用でき
る。このため、グリセリン、グリセリン誘導体、グリコ
ール類、グリコール類の誘導体のうちから選択される1
種以上の化合物を成分とする液剤を用いるのが望まし
く、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリ
コールのうちから選択される1種以上の化合物を成分と
する液剤を用いるのが一層望ましい。液剤には、防菌防
黴剤や色素を添加しておくのが望ましい。
ル、プロピレングリコール、その他のものを使用でき、
グリコール類の誘導体としては、ジエチレングリコー
ル、その他のものを使用できる。このうち、グリセリ
ン、グリセリン誘導体、グリコール類、グリコール類の
誘導体はより好適に使用でき、グリセリン、エチレング
リコール、ジエチレングリコールは一層好適に使用でき
る。このため、グリセリン、グリセリン誘導体、グリコ
ール類、グリコール類の誘導体のうちから選択される1
種以上の化合物を成分とする液剤を用いるのが望まし
く、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリ
コールのうちから選択される1種以上の化合物を成分と
する液剤を用いるのが一層望ましい。液剤には、防菌防
黴剤や色素を添加しておくのが望ましい。
【0015】本発明でいう樹木とは、少なくとも幹を備
えたものをいい、根、枝、葉の全部または一部を備えて
いるものでもよいし、全部を備えていないものでもよ
い。また、本発明でいう枝は、葉を備えたものでもよ
く、備えていないものでもよい。
えたものをいい、根、枝、葉の全部または一部を備えて
いるものでもよいし、全部を備えていないものでもよ
い。また、本発明でいう枝は、葉を備えたものでもよ
く、備えていないものでもよい。
【0016】本発明で用いる樹木や枝の種類としては、
針葉樹、広葉樹のいずれでもよいが、色艶、形状、しな
やかさの維持期間が長く、加工が容易である等の利点を
考慮すれば、針葉樹、落葉広葉樹が好ましく、針葉樹の
中では、スギ科、ヒノキ科のものがより好ましく、落葉
広葉樹の中では、ブナ科、バラ科、カエデ科のものがよ
り好ましい。
針葉樹、広葉樹のいずれでもよいが、色艶、形状、しな
やかさの維持期間が長く、加工が容易である等の利点を
考慮すれば、針葉樹、落葉広葉樹が好ましく、針葉樹の
中では、スギ科、ヒノキ科のものがより好ましく、落葉
広葉樹の中では、ブナ科、バラ科、カエデ科のものがよ
り好ましい。
【0017】そして、スギ科の中では、スギ、ダイス
ギ、エンコウスギ、モントレートスギがより好ましく、
ヒノキ科の中では、ゴールドクレスト、コノテガシワ、
ローソンヒノキ、シルバースター、サワラ、アスナロ、
ハイビャクシンがより好ましい。また、ブナ科の中で
は、シラカシ、クヌギ、コナラ、アラカシがより好まし
く、バラ科の中では、ナナカマド、サクラがより好まし
く、カエデ科の中ではモミジがより好ましい。そして、
最も好ましいのは、ヒノキ科のゴールドクレストとコノ
テガシワである。
ギ、エンコウスギ、モントレートスギがより好ましく、
ヒノキ科の中では、ゴールドクレスト、コノテガシワ、
ローソンヒノキ、シルバースター、サワラ、アスナロ、
ハイビャクシンがより好ましい。また、ブナ科の中で
は、シラカシ、クヌギ、コナラ、アラカシがより好まし
く、バラ科の中では、ナナカマド、サクラがより好まし
く、カエデ科の中ではモミジがより好ましい。そして、
最も好ましいのは、ヒノキ科のゴールドクレストとコノ
テガシワである。
【0018】加工樹木の加工に当たっては、浸漬の前処
理として根を切除しておくことが望ましい。根の切除に
よって幹にできる切り口から液剤が樹木の組織中に速や
かに含浸され、加工時間を短縮できるからである。同様
の理由により、枝の全部または一部を備えていない加工
樹木を得る場合には、浸漬の前処理として、根とともに
或いは根に代えて、枝の全部または一部を切除しておく
ことが望ましい。加工樹木や加工枝の加工設備として
は、減圧室の内部に液剤槽を備えたものを用いるのが望
ましく、加工は次の手順で行うことが望ましい。すなわ
ち、液剤槽に液剤を溜め、この液剤に樹木や枝を浸漬
し、真空ポンプで減圧室内を減圧し、その減圧状態を所
定時間継続し、その後、減圧室内を所定時間かけて徐々
に大気圧に戻し、加工樹木または加工枝を得る。
理として根を切除しておくことが望ましい。根の切除に
よって幹にできる切り口から液剤が樹木の組織中に速や
かに含浸され、加工時間を短縮できるからである。同様
の理由により、枝の全部または一部を備えていない加工
樹木を得る場合には、浸漬の前処理として、根とともに
或いは根に代えて、枝の全部または一部を切除しておく
ことが望ましい。加工樹木や加工枝の加工設備として
は、減圧室の内部に液剤槽を備えたものを用いるのが望
ましく、加工は次の手順で行うことが望ましい。すなわ
ち、液剤槽に液剤を溜め、この液剤に樹木や枝を浸漬
し、真空ポンプで減圧室内を減圧し、その減圧状態を所
定時間継続し、その後、減圧室内を所定時間かけて徐々
に大気圧に戻し、加工樹木または加工枝を得る。
【0019】減圧室の真空度(本発明の真空度とは、真
空の程度を示すもので、大気圧を0としたゲージ圧によ
り表す)、減圧状態の継続時間、大気圧への戻し時間等
の最適値は、処理する樹木の種類、大きさ等によって変
わるが、一般には、減圧室の真空度は400mmHg〜
700mmHgの範囲内で、減圧状態の継続時間は24
時間〜168時間(7日間)の範囲内で、大気圧への戻
し時間は6〜24時間の範囲内でそれぞれ設定するのが
望ましい。尚、減圧室の内圧を徐々に大気圧に戻す理由
は、急速に大気圧に戻した場合には、一旦、組織中に含
浸させた液剤が急速に増加した外圧によって押し出さ
れ、処理した樹木や枝がひからびた状態になってしまう
からである。
空の程度を示すもので、大気圧を0としたゲージ圧によ
り表す)、減圧状態の継続時間、大気圧への戻し時間等
の最適値は、処理する樹木の種類、大きさ等によって変
わるが、一般には、減圧室の真空度は400mmHg〜
700mmHgの範囲内で、減圧状態の継続時間は24
時間〜168時間(7日間)の範囲内で、大気圧への戻
し時間は6〜24時間の範囲内でそれぞれ設定するのが
望ましい。尚、減圧室の内圧を徐々に大気圧に戻す理由
は、急速に大気圧に戻した場合には、一旦、組織中に含
浸させた液剤が急速に増加した外圧によって押し出さ
れ、処理した樹木や枝がひからびた状態になってしまう
からである。
【0020】
(実施例1)水69.88重量部とグリセリン30重量
部とを混合し、これに防菌防黴剤0.02重量部と、赤
色106号(食品添加物)0.1重量部とを添加して液
剤とし、この液剤を減圧室の内部に設けた液剤槽に溜め
る。そして、樹木としてヒノキ科のゴールドクレスト
(成木)を用意し、前処理として根の部分を切除し、上
記液剤に幹及び枝葉を全部を浸漬し、減圧室を減圧して
その真空度を600mmHgとし、この減圧状態を24
時間継続して、液剤を樹木の組織中に含浸させる。その
後、24時間かけて徐々に大気圧に戻し、液剤を樹木の
組織中に含浸させた加工樹木を得た。
部とを混合し、これに防菌防黴剤0.02重量部と、赤
色106号(食品添加物)0.1重量部とを添加して液
剤とし、この液剤を減圧室の内部に設けた液剤槽に溜め
る。そして、樹木としてヒノキ科のゴールドクレスト
(成木)を用意し、前処理として根の部分を切除し、上
記液剤に幹及び枝葉を全部を浸漬し、減圧室を減圧して
その真空度を600mmHgとし、この減圧状態を24
時間継続して、液剤を樹木の組織中に含浸させる。その
後、24時間かけて徐々に大気圧に戻し、液剤を樹木の
組織中に含浸させた加工樹木を得た。
【0021】(実施例2)樹木をヒノキ科のコノテガシ
ワ(成木)に変え、減圧状態の継続時間を168時間
(7日間)に変え、大気圧への戻し時間を6時間に変え
た以外は、実施例1と同じにして、加工樹木を得た。
ワ(成木)に変え、減圧状態の継続時間を168時間
(7日間)に変え、大気圧への戻し時間を6時間に変え
た以外は、実施例1と同じにして、加工樹木を得た。
【0022】(実施例3)樹木をヒノキ科のゴールドク
レスト(成木)に変えた以外は、実施例2と同じにし
て、加工樹木を得た。
レスト(成木)に変えた以外は、実施例2と同じにし
て、加工樹木を得た。
【0023】(実施例4)色素を黄色4号(食品添加
物)1.0重量部と青色1号(食品添加物)0.08重
量部に変え、減圧継続時間を120時間に変えた以外
は、実施例3と同じにして、加工樹木を得た。
物)1.0重量部と青色1号(食品添加物)0.08重
量部に変え、減圧継続時間を120時間に変えた以外
は、実施例3と同じにして、加工樹木を得た。
【0024】(実施例5)樹木をヒノキ科のコノテガシ
ワ(成木)に変え、防菌防黴剤を0.05重量部に変え
た以外は、実施例4と同じにして、加工樹木を得た。
ワ(成木)に変え、防菌防黴剤を0.05重量部に変え
た以外は、実施例4と同じにして、加工樹木を得た。
【0025】(実施例6)樹木をブナ科のコナラ(成
木)に変え、前処理を枝の切除に変え、色素を黄色4号
(食品添加物)1.0重量部に変えた以外は、実施例1
と同じにして、加工樹木を得た。
木)に変え、前処理を枝の切除に変え、色素を黄色4号
(食品添加物)1.0重量部に変えた以外は、実施例1
と同じにして、加工樹木を得た。
【0026】(実施例7)樹木をカエデ科のモミジ(成
木)に変え、前処理を枝の切除に変えた以外は、実施例
1と同じにして、加工樹木を得た。
木)に変え、前処理を枝の切除に変えた以外は、実施例
1と同じにして、加工樹木を得た。
【0027】(実施例8)樹木をヒノキ科のローソンヒ
ノキ(成木)に変えた以外は、実施例4と同じにして、
加工樹木を得た。
ノキ(成木)に変えた以外は、実施例4と同じにして、
加工樹木を得た。
【0028】(実施例9)樹木をヒノキ科のシルバース
ター(成木)に変え、色素を黄色4号(食品添加物)
1.0重量部と青色1号(食品添加物)0.08重量部
に変えた以外は、実施例1と同じにして、加工樹木を得
た。
ター(成木)に変え、色素を黄色4号(食品添加物)
1.0重量部と青色1号(食品添加物)0.08重量部
に変えた以外は、実施例1と同じにして、加工樹木を得
た。
【0029】(実施例10)樹木をヒノキ科のサワラ
(成木)に変え、色素を黄色4号(食品添加物)1.0
重量部と青色1号(食品添加物)0.08重量部に変
え、減圧継続時間を72時間に変えた以外は、実施例1
と同じにして、加工樹木を得た。
(成木)に変え、色素を黄色4号(食品添加物)1.0
重量部と青色1号(食品添加物)0.08重量部に変
え、減圧継続時間を72時間に変えた以外は、実施例1
と同じにして、加工樹木を得た。
【0030】(実施例11)ゴールドクレストの枝葉の
部分を幹から切り離し、この枝葉を実施例1と同じに処
理して、加工枝を得た。 (実施例12)ゴールドクレストの枝葉の部分を幹から
切り離し、この枝葉を実施例2と同じに処理して、加工
枝を得た。
部分を幹から切り離し、この枝葉を実施例1と同じに処
理して、加工枝を得た。 (実施例12)ゴールドクレストの枝葉の部分を幹から
切り離し、この枝葉を実施例2と同じに処理して、加工
枝を得た。
【0031】(比較例1)実施例1で調製した液剤に、
実施例1で用いた樹木を浸漬し、大気圧下でこの浸漬状
態を48時間継続させて、加工樹木を得た。 (比較例2)実施例1で用いた樹木の枝葉の部分を幹か
ら切り離し、この枝葉を実施例1で調製した液剤に浸漬
し、大気圧下でこの浸漬状態を48時間継続させて、加
工枝を得た。
実施例1で用いた樹木を浸漬し、大気圧下でこの浸漬状
態を48時間継続させて、加工樹木を得た。 (比較例2)実施例1で用いた樹木の枝葉の部分を幹か
ら切り離し、この枝葉を実施例1で調製した液剤に浸漬
し、大気圧下でこの浸漬状態を48時間継続させて、加
工枝を得た。
【0032】上記各実施例と各比較例の主要条件であ
る、樹木の種類、減圧室の真空度、減圧状態の継続時
間、大気圧への戻し時間等を、下記の表1にまとめた。
る、樹木の種類、減圧室の真空度、減圧状態の継続時
間、大気圧への戻し時間等を、下記の表1にまとめた。
【0033】
【表1】
【0034】《試験例》上記各実施例と各比較例で得た
加工樹木または加工枝を、植樹、灌水、施肥を行うこと
なく、常温常圧の室内に放置し、放置6カ月後と、放置
1年後に、色艶、形状、しなやかさを評価した。評価
は、適性な植樹、灌水、施肥によって育成されている天
然樹木と比較し、差異が認められるかどうかにより行っ
た。色艶の比較は、樹皮や葉面の色合いや光沢を目視で
観察することにより行った。形状の比較は、樹皮や葉面
の剥がれや割れ、枝の不自然な湾曲や葉のカール等の有
無を目視で観察することにより行った。しなやかさの比
較は、枝を手で曲げた時の反発力や手を離した時の復元
状態等を観察することにより行った。
加工樹木または加工枝を、植樹、灌水、施肥を行うこと
なく、常温常圧の室内に放置し、放置6カ月後と、放置
1年後に、色艶、形状、しなやかさを評価した。評価
は、適性な植樹、灌水、施肥によって育成されている天
然樹木と比較し、差異が認められるかどうかにより行っ
た。色艶の比較は、樹皮や葉面の色合いや光沢を目視で
観察することにより行った。形状の比較は、樹皮や葉面
の剥がれや割れ、枝の不自然な湾曲や葉のカール等の有
無を目視で観察することにより行った。しなやかさの比
較は、枝を手で曲げた時の反発力や手を離した時の復元
状態等を観察することにより行った。
【0035】放置6カ月後、各比較例のものは、色艶、
形状、しなやかさのいずれに関しても、天然のものに比
べて明らかに劣悪であると認められるのに対し、各実施
例のものは、天然のものに比べて大きな差異が認められ
ない。また、放置1年後、各比較例のものは更に劣化が
進んだのに対し、各実施例のものは、天然のものに比べ
て大きな差異が認められない。
形状、しなやかさのいずれに関しても、天然のものに比
べて明らかに劣悪であると認められるのに対し、各実施
例のものは、天然のものに比べて大きな差異が認められ
ない。また、放置1年後、各比較例のものは更に劣化が
進んだのに対し、各実施例のものは、天然のものに比べ
て大きな差異が認められない。
【0036】上記各実施例では、液剤の成分としてグリ
セリンを用いたが、多価アルコール及び/又は多価アル
コール誘導体を成分として用いた他の配合でも、同様の
優れた結果が得られた。
セリンを用いたが、多価アルコール及び/又は多価アル
コール誘導体を成分として用いた他の配合でも、同様の
優れた結果が得られた。
【0037】以上の結果から、多価アルコール及び/又
は多価アルコール誘導体を成分とする液剤に、樹木や枝
を浸漬し、減圧雰囲気下に置くことにより、液剤を樹木
や枝の組織中に含浸させて得られた加工樹木や加工枝
は、植樹、灌水、施肥を行わなくても、長期間にわたっ
て天然の色艶、形状、しなやかさを維持できることがわ
かる。
は多価アルコール誘導体を成分とする液剤に、樹木や枝
を浸漬し、減圧雰囲気下に置くことにより、液剤を樹木
や枝の組織中に含浸させて得られた加工樹木や加工枝
は、植樹、灌水、施肥を行わなくても、長期間にわたっ
て天然の色艶、形状、しなやかさを維持できることがわ
かる。
Claims (4)
- 【請求項1】 多価アルコール及び/又は多価アルコー
ル誘導体を成分とする液剤を、樹木の組織中に含浸させ
た、ことを特徴とする加工樹木。 - 【請求項2】 多価アルコール及び/又は多価アルコー
ル誘導体を成分とする液剤を、枝の組織中に含浸させ
た、ことを特徴とする加工枝。 - 【請求項3】 多価アルコール及び/又は多価アルコー
ル誘導体を成分とする液剤に、樹木を浸漬し、減圧雰囲
気下に置くことにより、液剤を樹木の組織中に含浸させ
る、ことを特徴とする加工樹木の加工方法。 - 【請求項4】 多価アルコール及び/又は多価アルコー
ル誘導体を成分とする液剤に、樹木の枝を浸漬し、減圧
雰囲気下に置くことにより、液剤を枝の組織中に含浸さ
せる、ことを特徴とする加工枝の加工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33440295A JPH09169601A (ja) | 1995-12-22 | 1995-12-22 | 加工樹木、加工枝、並びにこれらの加工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33440295A JPH09169601A (ja) | 1995-12-22 | 1995-12-22 | 加工樹木、加工枝、並びにこれらの加工方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09169601A true JPH09169601A (ja) | 1997-06-30 |
Family
ID=18276972
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33440295A Pending JPH09169601A (ja) | 1995-12-22 | 1995-12-22 | 加工樹木、加工枝、並びにこれらの加工方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09169601A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102598963A (zh) * | 2012-03-20 | 2012-07-25 | 杨祚星 | 一种松花粉的加工方法 |
JP2020193161A (ja) * | 2019-05-27 | 2020-12-03 | 株式会社Egサイクル | 任意染色植物の製造方法及び任意染色植物の製造装置並びに真空チャンバ |
-
1995
- 1995-12-22 JP JP33440295A patent/JPH09169601A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102598963A (zh) * | 2012-03-20 | 2012-07-25 | 杨祚星 | 一种松花粉的加工方法 |
JP2020193161A (ja) * | 2019-05-27 | 2020-12-03 | 株式会社Egサイクル | 任意染色植物の製造方法及び任意染色植物の製造装置並びに真空チャンバ |
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