JPH082049A - 記録装置 - Google Patents

記録装置

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JPH082049A
JPH082049A JP13614194A JP13614194A JPH082049A JP H082049 A JPH082049 A JP H082049A JP 13614194 A JP13614194 A JP 13614194A JP 13614194 A JP13614194 A JP 13614194A JP H082049 A JPH082049 A JP H082049A
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JP13614194A
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Inventor
Takashi Yamada
隆 山田
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Canon Electronic Business Machines HK Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 単一の検出手段によって、記録動作範囲内に
おける記録手段の移動位置と、その記録手段が記録動作
範囲外の停止位置等の特定位置に移動したこととの両方
を簡易に検出することができる記録装置を提供するこ
と。 【構成】 記録ヘッド2の移動に応じて、フォトセンサ
59がスリット板52に沿って移動し、フォトセンサ5
9がスリット板52のスリット52aを検出したときの
検出信号に基づいて、記録動作範囲内における記録ヘッ
ド2の移動位置を検出し、またフォトセンサ59がスリ
ット板52の一端側の壁部52bと穴部52d、および
他端側の穴部52cと壁部52eを検出したときの検出
信号に基づいて、記録ヘッド2の移動方向が記録動作範
囲外において反転したことを検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録手段を移動させつ
つ記録を行う計算機用プリンタ等の記録装置に関し、特
に、記録動作範囲内における記録手段の移動位置と、そ
の記録手段が記録動作範囲外の停止位置等の特定位置に
移動したこととの検出が簡易な記録装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、記録ヘッドの位置検出を行う記録
装置においては、図22に示すように、記録ヘッドの移
動動作と被記録媒体の搬送動作とを単一のモーター22
01によって行なう構成のものがある。
【0003】すなわち、そのモータ2201の駆動軸に
ウォームギヤ2202が取り付けられ、そのウォームギ
ヤ2202に一体成形されたエンコーダ板2202a
と、モーターフォトセンサ2203とにより、モータ2
201の回転量が検出される。モータ2201の回転運
動は、ギヤ2204,2205,2206,2207に
よりスクリュー2208の回転運動に変換され、さら
に、スクリュー2208に形成された一条のリード溝部
2208aに入り込んだ突出ピン2209aにより、不
図示の記録ヘッドを搭載したキャリッジ2209の矢印
P方向、およびQ方向への直線往復運動に変換される。
ギヤ2205,2206,2207はモータ2201の
一方方向(矢印J方向)の回転運動をスクリュー220
8の正逆の双方向(矢印K方向、およびM方向)の回転
運動に変換するものであり、詳細は例えば特開平4−2
88264号公報に公開されている。
【0004】そして、キャリッジ2209の矢印P方向
もしくはQ方向への移動中に、その移動位置に応じて記
録ヘッドを駆動制御することにより、被記録媒体に文字
や絵等を記録する。このときのキャリッジ2209の移
動位置の検出動作は、スリットフォトセンサ2211が
スリット板2212のスリット2212bとの対向位置
を通過する毎に出力するスリットパルスの立ち上がり、
もしくは立ち下がりの回数を1回ずつ計数することによ
って行い、その計数値を位置情報として記録ヘッドを駆
動制御する。
【0005】また、キャリッジ2209がスクリュー2
208の右端、もしくは左端で停止するときには、スリ
ットフォトセンサ2211との対向位置からスリット2
212bが外れるため、そのときは、モータフォトセン
サ2203によるモータ2201の回転量の検出値から
間接的にキャリッジ2209の移動位置を検出して、キ
ャリッジ2209を任意の停止位置にて停止させるよう
にしている。スリット板2212において、図23中の
右端には壁部2212aが形成され、また同図中の左端
には穴部2212cが形成されている。図23(c)
は、キャリッジ2209が矢印Q方向に移動する時に出
力されるスリットフォトセンサ2211のスリットパル
ス波形であり、キャリッジ2209は同図(d)のスリ
ット板2212に沿って移動する。キャリッジ2209
がスリット2212bの無い壁部2212aに差し掛か
ってから、モータ2201を停止位置にて停止させるタ
イミングXをとるために、モータフォトセンサ2203
から出力される同図(b)のモータセンサパルスをタイ
ミングXに対応する数Mだけ計数したときに、モータ2
201を駆動する同図(a)のモータ制御信号を“L”
とし、モータ2201への通電を遮断して、そのモータ
2201を停止させる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例では、記録終了後、キャリッジ2209を次の記録
に備えるために所定の停止位置にて停止させておくよう
な場合、キャリッジ2209の移動位置の検出とモータ
2201の停止位置の検出のために、それぞれ別のセン
サ(スリットフォトセンサ2211とモータフォトセン
サ2203)を必要とするため、その分、部品点数が増
えコストアップの要因となっていた。
【0007】本発明の目的は、単一の検出手段によっ
て、記録動作範囲内における記録手段の移動位置と、そ
の記録手段が記録動作範囲外の停止位置等の特定位置に
移動したこととの両方を簡易に検出することができる記
録装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の記録装置は、被
記録媒体に記録を行うための記録手段と、前記記録手段
を前記被記録媒体との対向位置にて往復移動させる移動
手段と、前記記録手段の移動に応じて相対移動する対の
部材を有し、該対の部材の相対移動に基づいて、前記記
録手段の記録動作範囲内の移動位置と、前記記録手段が
前記記録動作範囲外の特定位置に移動したことを検出す
る検出手段と、前記検出手段の検出結果に基づいて、前
記記録手段および移動手段を駆動制御する制御手段とを
備えたことを特徴とする。
【0009】
【作用】本発明の記録装置は、スリット板とフォトセン
サ等の対の部材が記録手段の移動に応じて相対移動する
検出手段を用い、その単一の検出手段によって、記録動
作範囲内における記録手段の移動位置と、その記録手段
が記録動作範囲外の特定位置に移動したこととの両方を
検出することにより、それらの検出のために2つの検出
手段を備える従来のものに比して、部位品点数を削減し
て低コスト化を実現する。
【0010】また、前記検出手段によって、記録手段が
記録動作範囲外の特定の停止位置に移動したことを検出
することにより、その記録手段を特定の停止位置にて簡
易に停止させる。
【0011】また、記録手段の往復動作と被記録媒体の
搬送動作とを単一の駆動源によって行うことにより、記
録装置自体の構成の一層の簡素化を可能とする。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0013】「第1の実施例」先ず、本実施例の機械的
な構成について説明する。
【0014】(機械的な構成について)図1は本実施例
の記録装置にかかる機械的構成部分の平面図、図2は図
1の右側面図(図1のII矢視図)、図3は同左側面図
(図1のIII 矢視図)、図4は同背面図(図1のIV矢視
図)、図5は同正面図(図1のV矢視図)、図6は図1
のVI-VI 線に沿う断面図である。
【0015】図1において、1は装置全体を形成するベ
ースフレームであり、このフレーム1に対して、記録手
段を構成する記録ヘッド2を搭載したキャリッジ3が矢
印P,Q方向に移動可能に取り付けられている。記録ヘ
ッド2は、記録信号に応じたエネルギーが印加されるこ
とにより、インク吐出口からインクを吐出するインクジ
ェット記録方式のものが用いられており、その方式の中
でも、インクを吐出させるために利用するエネルギーの
発生手段として、例えば、電気熱変換体やレーザ光等の
熱エネルギーを発生する手段を備えて、その熱エネルギ
ーによってインクの状態変化を生起させるものを用いて
いる。すなわち、その電気熱変換体等からの熱エネルギ
ーによってインクに膜沸騰を生じさせ、そのときの発泡
を利用してインクを吐出する。この方式によれば、記録
の高密度化、高精細化を達成し得る。
【0016】4は、キャリッジ3に穿設された穴を中心
に回転自在に取り付けられたセットレバーであり、これ
は、記録ヘッド2を不図示の駆動回路基板に接続された
フレキシブルケーブル6に圧接固定するための部材であ
る。
【0017】また、キャリッジ3は、ベースフレーム1
に固定された摺動軸5(図2,3参照)とフレーム1の
キャリッジ支え部1c(図5,6参照)とによって支持
されて、矢印P,Q方向に摺動自在とされている。そし
て、キャリッジ3には突出ピン3a(図6参照)が一体
に形成されており、その突出ピン3aが後述する回転体
であるスクリュー13に形成された一条のリード溝部1
3b(図5参照)内に入り込んでいることにより、スク
リュー13の回転運動がキャリッジ3の矢印P,Q方向
の直線運動に変換される。
【0018】7はプラテンであり、被記録媒体である記
録シートのガイドとしての機能を有している。記録シー
トを搬送するための送りローラ8は、ベースフレーム1
の左側部と右側板10との間に回転可能に軸支されてお
り、その送りローラ8の所定位置にはギヤ部8aが形成
されている。送りローラ8の中央部にはゴムリング9
(図1参照)が取り付けられており、そのゴムリング9
の下方位置にはピンチローラ23(図1参照)が対向し
て配設され、ばね弾性を有する不図示の軸により、ピン
チローラ23を介してゴムリング9に圧力が与えられて
いる。記録シートは、ゴムリング9とピンチローラ23
との間に挿通され、送りローラ8の回転量に応じて搬送
される。
【0019】15は駆動源としてのDCモータである。
50a,50bは、それぞれフレキシブルケーブル6を
固定するためのクリップであり、記録ヘッド2に圧接固
定されたフレキシブルケーブル6をクリップ50aでキ
ャリッジ3に挾み込むことにより、そのフレキシブルケ
ーブル6を固定し、そしてケーブル6に一定のたるみを
持たせた後、そのケーブル6をクリップ50bでベース
フレーム1に固定してから、その端部を記録装置の前方
から導き出している。51は、吐出位置検出信号を発生
させるためのスリット板を保持するスリット板ホルダで
ある。それらの詳細については後述する。
【0020】図2は、前述した右側板10を取り除いた
図1の右側面図(II矢視図)である。図2において、1
1は第1回転部材としてのメインギアであり、このメイ
ンギア11は、それと一体の一端側の軸11aと他端側
の軸11c(図7参照)が右側板10とベースフレーム
1のそれぞれの穴内に受け止められることによって、回
転可能に支持されている。14は第2の回転部材として
の反転ギヤであり、ベースフレーム1から突出した軸に
より回転可能に支持されている。13はスクリューであ
り、その右端部には、第3の回転部材としてのスクリュ
ーギヤ13aが一体的に形成されている。
【0021】反転ギヤ14とスクリューギヤ13aとは
常時噛合状態にあるが、メインギヤ11と反転ギヤ1
4、またはメインギヤ11とスクリューギヤ13aは、
後述する機構により間欠的に動力伝達を行うように構成
されている。1bは、ベースフレーム1に穿設された穴
であり、キャリッジ3が右端部に移動したときのフレキ
シブルケーブル6のたわみ分を穴1bに逃がすことによ
り、それがベースフレーム1に当接するのを防止する。
【0022】図3は図1の左側面図(III 矢視図)であ
り、図4は図1の背面図(IV矢視図)である。
【0023】駆動源モータ15の出力軸には第1のウォ
ームギヤ21が圧入固定されている。56aは第1のホ
イールギヤであり、第1のウォームギヤ21と常時噛合
状態にあり、その回転軸は、第1のウォームギヤ21の
回転軸と直交(図4の紙面に対しては垂直に延在)して
いる。16は金属板によって成るモータ取付板であり、
小ねじでベースフレーム1に固定されると共に、L字状
に折り曲げられて、DCモータ15が小ねじにより固定
されている。さらに、このモータ取付板16は、第1の
ホイールギヤ56の軸56cを回転可能に保持する役目
をも有している。20は、不図示の回転基板とDCモー
タ15とを接続するためのリード線で、これによりDC
モータ15へ電力を供給する。
【0024】図5は図1の正面図(V矢視図)であり、
同図において、52は厚さ0.1〜0.2mm程度のス
テンレス等の金属板によってなるスリット板であり、エ
ッチングやプレスなどによって形成された格子状のスリ
ットを有する。また、このスリット板52は、透光性の
樹脂フィルムに遮光塗料を印刷したものであってもよ
い。51は、スリット板52を小ねじ等で保持するため
のスリット板ホルダであり、ベースフレーム1のボス1
aに小ねじで止められることにより、スリット板52と
共にベースフレーム1に固定される。そして、後述する
フォトセンサ59と、このスリット板52とによって、
吐出位置検出信号を出力する。
【0025】図6は、図1のVI-VI 線に沿う断面図であ
る。56aは前述した第1のホイールギヤであり、それ
は第1のウォームギヤ21と噛み合っている。また、5
6bは第2のウォームギヤであり、それは、回転軸56
c,56d及び第1のホイールギヤ56aと共に一体に
形成されている。そして、回転軸56cは、軸受57を
介してモータ取付板16の穴16aに嵌め込まれること
により支持され、他方の回転軸56dは、ベースフレー
ム1と一体に形成された軸受部1dの穴に嵌め込まれる
ことにより支持され、第1のホイールギヤ56a、第2
のウォームギヤ56bは、それらの回転軸56c,56
dの軸線を中心として回転可能とされている。
【0026】11bは、メインギヤ11と一体に形成さ
れた第2のホイールギヤであり、一端側の軸11aを右
側板10穴に、また他端側の軸11c(図7参照)をベ
ースフレーム1に形成された不図示の穴に通すことによ
り回転可能とされている。そして、第2のホイールギヤ
11bは、第2のウォームギヤ56bと噛み合ってい
る。よって、DCモータ15の駆動力は、図6,図7に
示すように、DCモータ15→第1のウォームギヤ21
→第1のホイールギヤ56a→第2のウォームギヤ56
b→第2のホイールギヤ11b→メインギヤ11の経路
を矢印のように伝達されることになる。
【0027】3aは、キャリッジ3と一体に形成された
突出ピンであり、スクリュー13に形成された一条のリ
ード溝部13b(図7参照)に入り込み、スクリュー1
3の回転運動を矢印P,Q方向の直線運動に変換する。
また、図6において36は、キャリッジ3と一体のフッ
ク部であり、ベースフレーム1と一体のキャリッジ支え
部1cと摺動自在に係合している。そして、キャリッジ
3は、他端を摺動軸5によって支持されているため、図
6において紙面に垂直な方向(図1中の矢印P,Q方
向)に移動可能となっている。
【0028】また、58はプリント回路基板(以下「P
CB」という)であり、フォトセンサ59がはんだ付け
されている。PCB58は小ねじによってキャリッジ3
のボス3cに固定され、これにより、フォトセンサ59
はキャリッジ3に固定されている。そして、キャリッジ
3の移動位置の検出は、キャリッジ3に固定されたフォ
トセンサ59が、スリット板ホルダ51を介してベース
フレーム1に固定されたスリット板52のスリットを検
出することにより行う。フォトセンサ59の検出信号
は、PCB58にはんだ付け接続されたフレキシブルケ
ーブル6の分岐ケーブル6aから不図示の駆動回路基板
に送られる。
【0029】次に、キャリッジ3を往復移動させるため
の動力伝達系について説明する。
【0030】図7は、キャリッジ3の往復運動に係る動
力伝達系を簡略的に示した斜視図であり、DCモータ1
5は通電により常時一方向に回転する。これにより、前
述したように、DCモータ15→第1のウォームギヤ2
1→第1のホイールギヤ56a→第2のウォームギヤ5
6b(第1のホイールギヤ56aと一体)→第2のホイ
ールギヤ11b→メインギヤ11(第2のホイールギヤ
11bと一体)という経路で動力が伝達される。DCモ
ータ15の回転方向は、メインギヤ11を矢印J方向に
常時回転させる方向に設定されている。
【0031】そして、常時図7中の矢印J方向に回転駆
動されるメインギヤ11の動力は、後述するように、直
接メインギヤ11からスクリューギヤ13aに伝達され
た時は、スクリュー13を図7中の矢印K方向に回転さ
せて、キャリッジ3を矢印P方向に移動させる。一方、
後述するように、メインギヤ11から反転ギヤ14に動
力が伝達された時は、反転ギヤ14とスクリューギヤ1
3aとが常時噛合しているために、反転ギヤ14が図7
中の矢印L方向に回転し、結果的に、スクリュー13が
矢印M方向に回転して、キャリッジ3が矢印Q方向に移
動する。
【0032】次に、図8ないし図10を参照して、メイ
ンギヤ11,反転ギヤ14,スクリューギヤ13aの形
状を具体的に説明する。図8(a),(b)は、それぞ
れメインギヤ11の正面図および側面図であり、メイン
ギヤ11は、反転ギヤ14との対向部分、スクリューギ
ヤ13aとの対向部分、送りローラギヤ8aとの対向部
分のそれぞれ3つの対向部位に分けられる。
【0033】先ず、メインギヤ11におけるスクリュー
ギヤ13aとの対向部分は、ギヤ部31、及びその両端
側のカム部30,32から成る。ギヤ部31の歯数は、
本実施例では18歯に設定してあるが、その歯数は、反
転ギヤ14及びスクリューギヤ13aの歯数により、ま
た後述するようにスクリュー13を何度回転駆動させる
かによって決定される。
【0034】次に、メインギヤ11における反転ギヤ1
4との対向部分は、同様に、ギヤ部34、及びその両端
側のカム部33,35から成り、前述したスクリューギ
ヤ13aとの対向部分と同形状に形成され、かつ、その
スクリューギヤ13aとの対向部分を実質的に位相が1
80°ずれている。カム部33,35は、後述する反転
ギヤ14,スクリューギヤ13aの欠歯部40,42と
対向できるように設けられている。なお、メインギヤ1
1における送りローラギヤ8aとの対向部分については
後述する。
【0035】図9(a),(b)は、それぞれ反転ギヤ
14の側面図及び正面図であり、全周歯を有する全周歯
部38と、一部に欠歯部(3歯分の欠歯部分)40を有
する有歯部39とにより構成されている。前述のごと
く、欠歯部40はメインギヤ11のカム部33及び35
と対向できる位置にある。また、全周歯部38と有歯部
39との歯は互いに回転方向に半歯幅のα分ずつ位相が
ずれている。
【0036】図10はスクリューギヤ13aの説明図で
あり、同図(a)はその側面図、同図(b)は同図
(a)のA−A線に沿う断面図である。スクリューギヤ
13aは、前記反転ギヤ14と同様に、一部欠歯部(3
歯分の欠歯部分)42を有する有歯部41により構成さ
れている。その欠歯部42は、メインギヤ11のカム部
30,32と対向できるように位置している。
【0037】次に、メインギヤ11の具体的な動作を図
11(a)〜(d)を参照して説明する。同図(a)〜
(d)は、動作を理解し易くするために、メインギヤ1
1と反転ギヤ14との動きに限定した説明図であり、同
図(a)は、メインギヤ11のカム部35が反転ギヤ1
4の欠歯部40内に入り込んだ状態を示し、このときま
だ反転ギヤ14には回転力が伝達されず、メインギヤ1
1が矢印J方向回転しても、反転ギヤ14は停止してい
る。次に、メインギヤ11がさらに矢印J方向に回転す
ると、同図(b)に示すようにメインギヤ11に設けら
れたギヤ部34が反転ギヤ14の有歯部39と噛合し、
反転ギヤ14は図の矢印L方向に回転駆動される。その
後の同図(c)の状態では、まだ反転ギヤ14が矢印L
方向に回転駆動されている。そして、反転ギヤ14が一
回転した後、メインギヤ11のギヤ部34が反転ギヤ1
4の有歯部39から外れると、同図(d)に示すよう
に、カム部33が欠歯部40内に入り込み、反転ギヤ1
4の回転が停止され、かつロックされる。メインギヤ1
1におけるスクリューギヤ13aとの対向部分と、スク
リューギヤ13aとの間においても同様の回転力の伝達
動作が行われる。
【0038】また、反転ギヤ14の全周歯部38(図9
参照)とスクリューギヤ13aの有歯部41とは噛合状
態にあるため、反転ギヤ14の一回転の動作はスクリュ
ーギヤ13aに伝達され、スクリュー13が一回転する
ことになる。
【0039】ここで、前記メインギヤ11における反転
ギヤ14との対向部分と、スクリューギヤ13aとの対
向部分は、前述したように実質的に位相を180°ずら
した状態に設定されている(実際には、図12に示すよ
うに、メインギヤ11の中心に対して反転ギヤ14とス
クリューギヤ13aとが成す角度θ分だけ、さらに位相
がずれている)。
【0040】しかるに、図7において、(1)メインギ
ヤ11が0°〜180°回転すると、反転ギヤ14が矢
印L方向へ一回転し、この反転ギヤ14を介してスクリ
ューギヤ13aが矢印M方向へ一回転する。また、
(2)メインギヤ11が180°〜360°回転する
と、スクリューギヤ13aが矢印K方向へ一回転し、こ
のスクリューギヤ13aを介して反転ギヤ14が矢印N
方向へ一回転する。
【0041】そして、このような状態が(1)→
(2),(2)→(1)に切換わる際に、メインギヤ1
1の各カム部が正確に対応する反転ギヤ14,スクリュ
ーギヤ13aの各欠歯部に入り込んで、それらのギヤ1
4,13aを固定することになる。
【0042】(記録シートの搬送力伝達系)次に、記録
シートの搬送力伝達系について説明する。記録シートの
搬送動作は、メインギヤ11に一体的に形成された歯部
36,37(図8参照)がメインギヤ11の回転動作に
伴い、送りローラ8のギヤ部8aを間欠的に回転駆動す
ることで行われる。歯部36,37は互いに180°位
相がずれており、送りローラ8の回転によって記録シー
トが搬送される時期は、後述するように、スクリュー1
3によってキャリッジ3が図1中左右の端側近傍に移動
し、かつ記録ヘッド2の記録動作に影響のない時期に設
定されている。
【0043】(記録動作)次に、本実施例における記録
動作について説明する。
【0044】なお、図13は、本実施例における記録装
置の周辺部の構成を示すブロック図であり、CPU6
0,キーボード61,表示器62,電源ユニット63,
モータ駆動回路64,記録ヘッド駆動回路65,記録装
置66により構成されている。後述する記録装置66の
フォトセンサ59から出力されるスリット信号はCPU
60に入力される。
【0045】図14は、前述したスリット板52の平面
図である。同図において52aは、スリット板52の長
手方向に等間隔に形成されたスリットであり、キャリッ
ジ3および記録ヘッド2と共に矢印P,Q方向に移動す
るフォトセンサ59によって検出される。すなわち、フ
ォトセンサ59によって、スリット52aによる通光部
と、スリット52aの相互間における遮光部が光学的に
検出され、そして、検出位置が通光部から遮光部に移動
するとき、また遮光部から通光部に移動するときのフォ
トセンサ59の出力信号(スリット信号)に同期して、
記録ヘッド2が駆動制御される。また、スリット信号に
基づいてスリットの検出数を計数することにより、キャ
リッジ3の位置が検出される。52bは、スリット板5
2の矢印Q方向側の端に位置する壁部、52dは、壁部
52dよりも矢印Q方向側に形成されたモータ停止位置
検出用の穴部、52cは、スリット板52の矢印P方向
側の端に形成された穴部、52eは、穴部52cよりも
矢印P方向側に位置するモータ停止位置検出用の壁部で
ある。
【0046】スリット板52を用いてのモータ制御の方
法を図15,16により説明する。
【0047】モータ駆動回路64(図13参照)にモー
タ回転信号を与えると、駆動源としてのDCモータ15
が通電されて回転し、前述したメインギヤ11,反転ギ
ヤ14、及びスクリューギヤ13aの相互の回転力の伝
達動作により、キャリッジ3が矢印P,Q方向に往復移
動する。
【0048】いま、例えば、キャリッジ3が図1中の右
端側から矢印P方向への移動を開始したとする。キャリ
ッジ3の移動開始後、そのキャリッジ3に固定されたフ
ォトセンサ59がスリット板52におけるスリット52
aとの対向位置を通過し始めると、そのスリット52a
に対応したスリット信号が出力される(図15参照)。
CPU60は、そのスリット信号に同期して記録信号を
出力し、これにより、矢印P方向への記録がなされる。
矢印P方向への記録が終了すると、フォトセンサ59
は、スリット52aとの対向位置を通過後、穴部52c
との対向位置からモータ停止位置検出用の壁部52eと
の対向位置に至る。そして、フォトセンサ59が壁部5
2eと対向して、スリット信号が「L」(ロー)となる
時期Yにおいて、送りローラ8が回転駆動されて、記録
シートの搬送動作Vが行われる。その後、前述したキャ
リッジ3を往復移動させるための動力伝達系によりスク
リュー13が逆回転され、キャリッジ3が矢印Q方向に
移動を開始する。その結果、フォトセンサ59は、壁部
52eから外れて穴部52cと対向し、スリット信号が
「L」から「H」(ハイ)に変化し、その変化によっ
て、キャリッジ3が矢印Q方向への移動を開始したこと
が確認され、CPU60はモータ駆動信号を停止して、
モータ15への通電を停止する。このように、記録シー
トの搬送動作Vが終了した後、次の行の記録前にキャリ
ッジ3が停止されることになる。
【0049】次に、再度モータ15を起動すると、キャ
リッジ3は矢印Q方向に移動を開始する。そして、図1
6に示すように、フォトセンサ59がスリット板52に
おけるスリット52aとの対向位置を通過することによ
り、そのスリットに対応したスリット信号が発生し、こ
れと同期してCPU60が記録信号を出力することによ
り、矢印Q方向への記録がなされる。そして、矢印Q方
向への記録が終了すると、フォトセンサ59は、壁部5
2bとの対向位置を通過後、モータ停止位置検出用の穴
部52dとの対向位置に至る。そして、フォトセンサ5
9が穴部52dと対向して、スリット信号が「H」とな
る時期Xにおいて、送りローラ8が回転駆動されて、記
録シートの搬送動作Wが行なわれる。その後、前述した
キャリッジ3を往復移動させるための動力伝達系により
スクリュー13が逆回転され、キャリッジ3が矢印P方
向に移動を開始する。その結果、フォトセンサ59は、
穴部52dから外れて壁部52bと対向し、スリット信
号が「H」から「L」に変化し、その変化によって、キ
ャリッジ3が矢印P方向への移動を開始したことが確認
され、CPU60はモータ駆動信号を停止して、モータ
15への通電を停止する。
【0050】以上のような動作を繰り返すことにより、
往復走査による記録シート上への記録が行われる。
【0051】ところで、CPU60は、キャリッジ3が
矢印P,Q方向のいずれの移動限位置するかを事前に判
別するために、例えば、システムの電源投入時、または
オールクリアー等の特定の操作キーが押下された時等
に、DCモータ15の通電を行う。そして、フォトセン
サ59がスリット板52のモータ停止位置検出用の穴部
52dとの対向位置を通過して、スリット信号が一定時
間「H」となる状態X(図16参照)が続いてから、壁
部52bとの対向位置を通過してスリット信号が「L」
となったときは、そのスリット信号の変化から、キャリ
ッジ3が図1中右方の移動限位置から矢印P方向へ向か
って移動していると判断する。また、フォトセンサ59
がスリット板52のモータ停止位置検出用の壁部52e
との対向位置を通過して、スリット信号が一定時間
「L」となる状態Y(図15参照)が続いてから、穴部
52cとの対向位置を通過してスリット信号が「H」と
なったときは、そのスリット信号の変化から、キャリッ
ジ3が図1中左方の移動限位置から矢印Q方向へ向かっ
て移動していると判断する。
【0052】スリット信号がモータ停止位置検出用の穴
部52d、壁部52e、およびスリット52aのいずれ
に対応するかの判断は、スリット信号が一定時間以上
「H」または「L」の状態が続くか否か、また一定時間
以内に「H」,「L」の状態が切り換わるか否かによっ
て行う。キャリッジ3の矢印P方向またはQ方向への方
向を判断した後は、フォトセンサ59がモータ停止位置
検出用の穴部52d、または壁部52eとの対向位置か
ら外れた時点でモータ15を停止することにより、イニ
シャル動作を終了することができる。
【0053】「第2の実施例」図17ないし図20は、
本発明の第2の実施例を説明するための図である。本実
施例は、前述した第1の実施例におけるスリット板52
の形状を変更して、波形整形回路67を追加した構成と
なっている。
【0054】スリット板52は、図17に示すように、
一端側に三角形の壁部52fが形成され、他端側に三角
形の穴部52gが形成されている。これにより、フォト
センサ59が三角形の壁部(以下、「三角壁部」とい
う)52f、および三角形の穴部(以下、「三角穴部」
という)52gとの対向位置を通過する際、フォトセン
サ59の出力波形は図18(a)に拡大して示すような
アナログ波形となる。本実施例では、図19に示すよう
に、記録装置66側のフォトセンサ59の出力信号を波
形整形回路67を通してスリット信号を生成する。
【0055】波形整形回路67を図20に示す。同図に
おいて、2001は交流結合コンデンサ、2002は比
較器、2003は帰還抵抗、2004と2005、およ
び2006と2007はそれぞれ分圧抵抗である。交流
結合コンデンサ2001は、フォトセンサ59のA点の
出力信号から直流分を除去し、A点の交流分をB点に伝
えている。比較器2002は、+入力端子の電圧が−入
力端子の電圧より高い場合に出力が「H」(ハイ)とな
り、逆の場合は「L」(ロー)になる。帰還抵抗200
3は、比較器2002にヒステリシス特性を持たせるた
めのもので、D点の出力が「H」になった場合に、+入
力端子の電圧を少し上昇させ、また、D点の出力が
「L」となった場合は+入力端子の電圧を少し降下させ
る役目を持つ。分圧抵抗2004と2005は同じ抵抗
値の抵抗器であり、帰還抵抗2003との作用により、
A点に電圧の変化が無いときは、図18(b)のよう
に、B点の電圧を電源電圧の1/2よりもわずかに大き
い値もしくはわずかに小さい値に固定する。また、分圧
抵抗2006と2007も同じ抵抗値の抵抗器であり、
C点の電圧を図18(c)のように電源電圧の1/2に
固定している。
【0056】図17,18は、キャリッジ3が矢印P方
向に移動する際における波形整形回路67の各部の波形
を示し、キャリッジ3が矢印Q方向の移動限位置に停止
しているときに、モータ駆動信号がオンとなることによ
ってキャリッジ3が矢印P方向に移動する。そして、フ
ォトセンサ59がスリット板52の三角壁部52fとの
対向位置において矢印P方向に移動すると、そのフォト
センサ59の出力(A点の出力)は徐々に低下してい
く。比較器2002の出力(D点の出力)は予め「L」
になっており、フォトセンサ59がスリット52aとの
対向位置を通過することによって、そのスリット52a
に対応したパルス状の信号が出力される。
【0057】キャリッジ3が記録を終えて、フォトセン
サ59が三角穴部52gとの対向位置に至ると、フォト
センサ59の出力(A点の出力)は次第にその電圧が下
がっていく。その出力が所定の電圧まで低下すると、比
較器2002の出力(D点の出力)が反転し「H」から
「L」に反転する。このあと、記録シートの搬送動作に
入り、比較器2002の出力(D点の出力)は帰還抵抗
2003により「L」のままに固定される。記録シート
の搬送動作が終了し、キャリッジ3が矢印Q方向に移動
を始めると、フォトセンサ59の出力電圧(A点の出力
電圧)が上昇し、比較器2002の出力(D点の出力)
が反転して「H」となる。その出力が「L」から「H」
となった時点がキャリッジ3の移動方向の反転時点であ
り、この信号の反転に同期してモータ駆動信号をオフと
することにより、キャリッジ3を停止させる。
【0058】矢印Q方向への記録動作の場合も同様に、
移動方向が矢印Q方向からP方向に反転した際にキャリ
ッジ3を停止させることができる。
【0059】本実施例では、スリット板52の取り付け
位置がキャリッジ3の移動方向(矢印P,Q方向)に多
少ずれていたとしても、キャリッジ3の移動方向の反転
位置が三角壁部52f,三角穴部52gの形成領域内に
納まっていれば問題なくキャリッジ3の反転を検出する
ことができる。
【0060】「第3の実施例」図21は本発明の第3の
実施例を示し、前述した第2の実施例のスリット板52
の構成を変更したものである。本例におけるスリット板
52は、透明樹脂板等に遮光塗料を印刷することによっ
て、スリット52aと、ぼかし壁部52hと、ぼかし穴
部52iが形成されている。ぼかし壁部52hは、矢印
Q方向に向って透明度が増すことによって、前述した第
2の実施例における三角壁部52fと同等の役割を持
ち、一方、ぼかし穴部52iは、矢印Q方向に向って透
明度が増すことによって、前述した第2の実施例の三角
穴部52gと同等の役割を持つ。したがって、ぼかし壁
部52h,ぼかし穴部52iとの対向位置をフォトセン
サ59が通過する際、フォトセンサ59の出力波形は図
17,図18と同様になり、図19,図20の波形整形
回路67を用いることにより、前述した第2の実施例と
同様に、キャリッジ3の反転移動に同期してモータを停
止させることができる。
【0061】本実施例では、スリット板52として、エ
ッチング加工等が必要な金属板に代えて、印刷でステッ
プ52aを設けることができる樹脂材料を使用すること
により、コストを下げることが可能になる。
【0062】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0063】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0064】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0065】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0066】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0067】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0068】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0069】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の記録装置
は、スリット板とフォトセンサ等の対の部材が記録手段
の移動に応じて相対移動する検出手段を用い、その単一
の検出手段によって記録動作範囲内における記録手段の
移動位置と、その記録手段が記録動作範囲外の特定位置
に移動したこととの両方を検出する構成であるから、そ
れらの検出のために2つの検出手段を備える従来のもの
に比して、部品点数を削減して低コスト化を実現するこ
とができる。
【0071】また、前記検出手段によって、記録手段が
記録動作範囲外の特定の停止位置に移動したことを検出
することにより、その記録手段を所定の停止位置にて簡
易に停止させることができる。
【0072】また、記録手段の往復動作と被記録媒体の
搬送動作とを単一の駆動源によって行うことにより、記
録装置自体の構成をより簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を説明するための平面図
である。
【図2】図1のII矢視図である。
【図3】図1のIII 矢視図である。
【図4】図1のIV矢視図である。
【図5】図1のV矢視図である。
【図6】図1のVI-VI 線に沿う断面図である。
【図7】図1に示すキャリッジの駆動系の概略斜視図で
ある。
【図8】図7に示すメインギヤの拡大図である。
【図9】図7に示す反転ギヤの拡大図である。
【図10】図7に示すスクリューギヤの拡大図である。
【図11】図7に示すメインギヤと反転ギヤとの動作説
明図である。
【図12】図7に示すメインギヤと、スクリューギヤ
と、反転ギヤとの噛合関係を説明するための正面図であ
る。
【図13】本発明の第1の実施例における駆動制御系の
ブロック構成図である。
【図14】図2に示すスリット板の平図面である。
【図15】図6に示すフォトセンサによる一方向記録時
の検出動作の説明図である。
【図16】図6に示すフォトセンサによる他方向記録時
の検出動作の説明図である。
【図17】本発明の第2の実施例におけるスリット板に
よる検出動作の説明図である。
【図18】図17に示すスリット板を用いた場合の検出
動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図19】本発明の第2の実施例における駆動制御系の
ブロック構成図である。
【図20】図19に示す波形整形回路の回路構成図であ
る。
【図21】本発明の第3の実施例におけるスリット板の
平面図である。
【図22】従来の記録装置の概略構成を説明するための
斜視図である。
【図23】図22に示すスリット板を用いた場合の検出
動作を説明するためのタイミングチャートである。
【符号の説明】
2 記録ヘッド(記録手段) 3 キャリッジ 7 プラテン 8 送りローラ 52 スリット板 52a スリット 52b 壁部 52c 穴部 52d モータ停止位置の検出用穴部 52e モータ停止位置の検出用壁部 59 フォトセンサ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被記録媒体に記録を行うための記録手段
    と、 前記記録手段を前記被記録媒体との対向位置にて往復移
    動させる移動手段と、 前記記録手段の移動に応じて相対移動する対の部材を有
    し、該対の部材の相対移動に基づいて、前記記録手段の
    記録動作範囲内の移動位置と、前記記録手段が前記記録
    動作範囲外の特定位置に移動したことを検出する検出手
    段と、 前記検出手段の検出結果に基づいて、前記記録手段およ
    び移動手段を駆動制御する制御手段とを備えたことを特
    徴とする記録装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、前記検出手段によって
    前記記録手段が前記特定位置に移動したことが検出され
    たとき、前記移動手段による前記記録手段の移動を停止
    させることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 【請求項3】 前記検出手段は、前記対の部材として、
    透光部が形成された被検出板と、該被検出板と対向して
    前記透光部を検出可能なフォトセンサとを有することを
    特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
  4. 【請求項4】 前記移動手段は、前記記録動作範囲およ
    び前記特定位置を含む所定範囲内での前記記録手段の往
    復動作と、該往復動作の方向と略直交する方向への前記
    被記録媒体の搬送動作とを単一の駆動源によって行なう
    ことを特徴とする請求項1,2または3に記載の記録装
    置。
  5. 【請求項5】 前記記録手段はインクを吐出するインク
    ジェット記録ヘッドを有し、該インクジェット記録ヘッ
    ドは、前記インクを吐出するために利用されるエネルギ
    ーとして前記インクに膜沸騰を生じさせる熱エネルギー
    を発生する電気熱変換素子を有することを特徴とする請
    求項1,2または3に記載の記録装置。
JP13614194A 1994-06-17 1994-06-17 記録装置 Pending JPH082049A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20120070219A1 (en) * 2010-09-17 2012-03-22 Seiko Epson Corporation Media processing device, control method for a media processing device, and recording medium

Cited By (2)

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