JPH06226996A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JPH06226996A
JPH06226996A JP2008593A JP2008593A JPH06226996A JP H06226996 A JPH06226996 A JP H06226996A JP 2008593 A JP2008593 A JP 2008593A JP 2008593 A JP2008593 A JP 2008593A JP H06226996 A JPH06226996 A JP H06226996A
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JP
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recording head
signal
pulse
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Application number
JP2008593A
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English (en)
Inventor
Hisashi Yoshikawa
尚志 吉川
Isao Tsukada
功 塚田
Manabu Kanazawa
学 金沢
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 予備吐出等における記録ヘッドの停止位置を
正規の範囲内に制御し、インクが所定の場所以外に吐出
されることを防止する。 【構成】 吐出位置検出信号のパルス間隔Zが所定の範
囲内にあるか否かを判断することにキャリッジの正規の
場合において予備吐出させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェット記録装置
に関し、より詳細には、記録ヘッドを被記録媒体に対し
て移動させ、この移動に伴なって記録を行ういわゆるシ
リアル型のインクジェット記録装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェット記録方式による記
録装置においては、この装置に電源を投入した時あるい
は電源を投入した状態において所定の時間間隔をおいて
記録装置に次のような動作を行わせることがある。すな
わち、被記録媒体以外の場所で、記録ヘッドのオリフィ
スより記録液滴を吐出する、いわゆる予備吐出を行う。
【0003】この予備吐出の目的は、増粘インクを排出
しインクの増粘による吐出不良によって記録品位が低下
するのを防止することにある。このようなインクの増粘
は、インクジェット記録装置の置かれている環境が特に
高温,低湿度の場合、インクの溶媒が蒸発することによ
り、特にオリフィス近傍のインクに発生するものであ
る。
【0004】以上のような予備吐出は、前述したように
電源オン時や所定時間を経過した時に、記録ヘッドを記
録装置の所定位置に移動させ停止した状態において行う
のが一般的である。
【0005】この予備吐出のために記録ヘッドを移動さ
せる場合、特に駆動源として直流(DC)モーターを用
いて記録ヘッドを移動させる構成にあっては、DCモー
ターへの電力の供給を止めて記録ヘッドを所定位置に停
止させるか、または、逆起電力をDCモーターに供給し
て強制的にDCモーターを停止することが多かった。
【0006】しかしながら、記録ヘッドを停止させる場
合、DCモーターの特性上、常に同一の位置に停止させ
ることは困難である。これは、DCモーターの負荷の慣
性等によるトルクが逆にDCモーター軸に加わることに
より、DCモーターの軸が余分に回転してしまう等の理
由による。以上のような記録ヘッド移動の構成におい
て、従来、上述したDCモーターの停止位置を電気的に
検出することは行われず、記録ヘッドの停止位置範囲に
ある程度のマージンを持たせる場合がほとんどであっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、DCモ
ーター自体の製品上のばらつきや記録装置の駆動系の機
械的負荷のばらつきの程度が大きい場合、記録ヘッドが
停止する位置は、マージンを考慮して設定された上記停
止位置範囲を越えることがある。
【0008】この場合、その停止位置のままで予備吐出
を行えば、インクは吐出インクを受けるための吸収体等
以外の場所に吐出されることになる。また、このような
場所で吐出されたインクにより、記録紙や記録装置の内
部をインクで汚したり、インクが記録装置の外側に流れ
出すこともある。
【0009】そこで、本発明の目的は、上述した問題点
を解消し、予備吐出等における記録ヘッドの停止位置を
正規の範囲内に制御し、インクが所定の場所以外に吐出
されることを防止したインクジェット記録装置を提供す
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明のインクジェット記録装置は、駆動源
として直流モーターを用いた駆動手段によって移動可能
な記録ヘッドを用い、該記録ヘッドにより被記録媒体に
記録液滴を吐出して記録を行うインクジェット記録装置
において、前記記録ヘッドの移動による記録範囲に対応
した信号を発生する信号発生手段と、該信号発生手段が
発生する信号に基づいて、前記直流モーターへ電力の供
給を停止する停止手段と、前記記録ヘッドの移動による
パルスを発生するパルス発生手段と、前記信号発生手段
が発生する信号または前記パルス発生手段が発生するパ
ルスに基づいて前記記録ヘッドが正常範囲に停止したか
否かを判断する判断手段と、該判断手段の結果に基づい
て前記記録ヘッドの移動を制御する制御手段とを具備し
たことを特徴とする。
【0011】
【作用】本発明によれば、吐出位置検出信号のパルス数
またはパルス間隔が所定の範囲内にあるかどうかを判断
することにより、キャリッジの停止位置が正規の位置以
外で予備吐出されることを防止することができる。
【0012】
【実施例】以下、図面を参照しつつ本発明の実施例を詳
細に説明する。
【0013】図1は、本発明の一実施例に係るインクジ
ェット記録装置の上面図である。
【0014】図2は、図1に示したインクジェット記録
装置の右側面図である。
【0015】図3は、同様に図1に示したインクジェッ
ト記録装置の左側面の要部を示す図である。
【0016】図4は、図3に示す部分を左側板を除いて
示す図である。
【0017】図5は、図1に示したインクジェット記録
装置の正面図である。
【0018】図1ないし図5を参照しつつ本発明に係る
インクジェット記録装置の主要構成について説明する。
【0019】図1において、1はベースフレーム、2は
記録ヘッド、3は記録ヘッド2を搭載するキャリッジ、
4はキャリッジ3に設けられた穴3a(図2参照)を中
心として回動自在に取り付けられたセットレバーであ
り、記録ヘッド2と駆動回路基板(不図示)に接続する
フレキシブルケーブルとを相互に圧接固定するための部
材である。キャリッジ3はベースフレーム1に固定され
た2本の摺動軸5aおよび5bによって摺動可能に軸支
されており、これにより、図1に示す矢印方向、すなわ
ち、P方向またはQ方向に移動することができる。ま
た、キャリッジ3には、スクリュー13(図2参照)の
溝部に嵌入して、さらに、スクリュー13の回転運動を
図1に示したキャリッジ3の矢印方向の直線運動に変換
するための突出ピン22が固定されている。7は記録紙
を支持するプラテンである。また、送りローラ8の一端
は、ベースフレーム1の右側に位置する右側板10に回
転可能に軸支されている。8aは送りローラ8に設けら
れたギアである。送りローラ8の中央部近傍にはゴムリ
ング9が設けられている。このゴムリング9は、弾性を
有する軸(不図示)に軸支されたピンチローラ23によ
り圧力が加えられるように構成されている。記録紙はゴ
ムリング9とピンチローラ23との間に挿通されて、送
りローラ8の回転量に対応して搬送される。
【0020】図2において、11はベースフレーム1に
回転可能に支持された軸12に固定されたメインギアで
ある。14はベースフレーム1から突出した軸により回
転可能に支持された反転ギアである。また、スクリュー
13の右端部にはスクリューギア13aが一体的に成形
されている。反転ギア14とスクリューギア13aとは
常時噛合しており、メインギア11と反転ギア14、ま
たは、メインギア11とスクリューギア13aは後述す
る機構により間欠的に動力の伝達を行う。
【0021】図3および図4において、15はDCモー
ターであり、モーター軸15aにはウォームギア21が
嵌入固定されている。ウォームギア21の先端部には円
盤状のエンコーダ板21aが一体的に形成されていて、
吐出位置検出器19の凹部に挿入されている。17はホ
イールギアであり前述のメインギア11を固定する軸1
2に軸支されており、ホイールギア17とウォームギア
21とは常時噛合状態にある。吐出位置検出器19は透
過型光検出器であり、プリント回路基板(以下PCBと
言う)18上に設けられており、PCB18には後述の
記録開始位置検出器24も設けられている。20はPC
B18と駆動回路(不図示)と接続するためのフラット
ケーブルである。
【0022】次に、キャリッジ3を往復駆動するための
駆動伝達系について説明する。
【0023】図6はこの動力伝達系の概略斜視図であ
る。
【0024】DCモーター15に通電することにより図
6のI方向にそのモーター軸が回転する。これにより、
ホイールギア17は、DCモーター15を駆動源として
図の矢印J方向に回転する。一方、軸12はメインギア
11を駆動源として矢印J方向に回転駆動される。次
に、J方向に駆動されたメインギア11は直接スクリュ
ーギア13aに伝達される。この時、スクリュー13は
図6中K方向に回転される。このスクリュー13の回転
により、キャリッジ3の下部の突起部はスクリュー13
の溝と係合していることにより直線運動を行う。その結
果、キャリッジ3は図のQ方向に移動される。
【0025】一方、メインギア11から反転ギア14に
動力が伝達される時は、反転ギア14とスクリューギア
13aとは噛合している。その結果、スクリュー13は
図6中M方向に回転して、今度はキャリッジ3は図6中
Q方向の直線運動を行う。
【0026】スクリュー13の左端部には、側周部を有
するエンコーダ板25が配置されており、スクリュー1
3の回転に連動してエンコーダ板25も回転する。さら
に、エンコーダ板25の上記側周部にはスリット25a
および25bが設けられている。これらのスリット25
aおよび25bが記録開始位置検出器24の溝部を通過
する。従って、この検出器24の内側に設けられた発光
素子(不図示)から発せられた光は、スリット25a,
25bが通過するか否かに応じて受光素子がその光を受
光するかまたは受光しないことになる。これに応じて、
発光素子が吐出開始位置検出信号を発生する。また、D
Cモーター15に電力を供給して、ウォームギア21を
回転させる。このウォームギア21の回転に応じてホイ
ールギア17も回転する。このホイールギア17と一体
的に形成されたエンコーダスリット21aが吐出位置検
出器19の凹部を通過する時、この検出器19内に設け
られた発光素子(不図示)がオンまたはオフの信号を発
生する。
【0027】図6においてはギアが次のように回転駆動
される。
【0028】1)メインギア11が0度から180度J
方向に回転すると、反転ギア14はL方向に1回転し
て、スクリューギア13aはM方向に1回転する。
【0029】2)メインギア11がJ方向に180度か
ら360度回転すると、スクリューギア13aがK方向
に1回転して反転ギアはN方向に回転する。
【0030】図7はメインギア11の詳細を示す図であ
り、図7(A)は上面図であり、図7(B)は側面図で
ある。
【0031】スクリューギア13aと噛合するメインギ
ア11には、ギア31と、このギア31の両端にカム3
0とカム32とが設けられている。本実施例において
は、メインギア11のギア31は18歯を有するが、こ
の歯数は反転ギア14およびスクリューギア13aの歯
数に応じて設定される。また、ギア31の歯数はスクリ
ュー13を何度回転駆動するかによっても設定される。
【0032】反転ギア14の対向部にもギア34が設け
られ、その両端部にはカム33および35が設けられて
いる。ギア34の歯数はギア31と同様に18歯に設定
されている。メインギア11に一体的に形成された歯部
36および37は互いに180度位相がずれており、か
つ、歯部36および37はスクリューギア13aにより
キャリッジ3が両側部に位置する近傍に設けられてお
り、記録ヘッド2の記録動作に影響のない領域に設けら
れる。
【0033】図8は反転ギア14の形状の詳細を示す模
式図であり、図8(A)はその側面図であり、図8
(B)はその上面図である。
【0034】図7において、反転ギア14のほぼ全周に
歯が設けられている全周有歯部38は、3歯分欠歯して
いる欠歯部40と17歯を有する有歯部39により構成
されている。歯と歯とが反転ギア14の中心とのなす角
度は9度±1度である。欠歯部40はメインギア11の
カム33および35と対向する位置関係にある。全周有
歯部38と有歯部39との歯は互いに回転方向に半歯分
位相がずれるように設定されている。
【0035】図9は、スクリューギア13aの詳細な形
状を示す図であり、(A)はその側面図であり、(B)
は(A)のA−A′線に沿った断面図である。
【0036】反転ギア14と同様に、スクリューギア1
3aは3歯欠歯している欠歯部42とほぼ全周に17歯
有する全周有歯部41とにより構成されている。欠歯部
42はメインギア11のカム32および30に対向した
位置に設けられている。なお、前述したようにスクリュ
ーギア13aにはらせん形の溝13bが設けられてお
り、キャリッジ3の突起部と噛み合いキャリッジ3をP
方向またはQ方向へ移動されるように構成されている。
【0037】図10(A)〜(D)は、メインギア11
と反転ギア14との動きを説明するための側面図であ
る。
【0038】図10(A)はメインギア11のカム35
と反転ギア14の歯部14aとが係合している状態を示
す。この時、メインギア11の回転力は、反転ギア14
に伝達されず、メインギア11が矢印J方向に回転して
も反転ギア14は停止したままである。
【0039】次に、メインギア11が矢印Jの方向に回
転し続けて、図10(B)に示すようにメインギア11
の有歯部34aと反転ギア14の歯部14aとが噛合し
た状態になると、反転ギア14は図10(B)中L方向
に回転駆動される。
【0040】図10(C)においては、まだ、反転ギア
14はL方向に回転駆動されるが、メインギア11の有
歯部34aの歯数が、18歯に限定されていることによ
って、メインギア11の有歯部34bと反転ギア14の
歯との噛合が終了する。この時、反転ギア14は1回転
しており、図10(D)に示すように、メインギア11
のカム33は反転ギア14の欠歯部14bに入り込み、
反転ギア14の回転を停止させる。
【0041】図10(A)〜(D)を参照した上記の説
明は、メインギア11と反転ギア14との回転伝達動作
についてのものであるが、同様の説明をメインギア11
とスクリューギア13aの回転伝達動作に適用すること
ができる。
【0042】反転ギア14の全周有歯部38(図8参
照)とスクリューギア13aとは常に噛合しているた
め、反転ギア14の1回転の駆動力はスクリューギア1
3aに伝達され、スクリュー13の1回転させる。ここ
で、メインギア11において、これが反転ギア14と対
向して係合する部分とスクリューギア13aと対向して
係合する部分とは、実質的に位相が180度ずれた位置
関係にある。実際には、メインギア11の中心とスクリ
ューギア13aの中心とを結ぶ線は、メインギア11の
中心と反転ギア14の中心とを結ぶ線とのなす角度θ
(図11参照)分だけ、さらに位相がずれている。すな
わち、メインギア11と反転ギア14との位置関係が図
10(D)に示す状態にある時、メインギア11とスク
リューギア13aとの位置関係は図10(A)の状態に
ある。
【0043】しかるに、メインギア11の回転によって
次の動作が行われる。
【0044】(1)メインギア11が0度から180度
J方向に回転すると、反転ギア14はL方向に1回転し
て、スクリューギア13aはM方向に1回転する。
【0045】(2)メインギア11がJ方向に180度
から360度回転すると、スクリューギア13aはK方
向に1回転して反転ギアはN方向に回転する。
【0046】上述した(1)→(2),(2)→(1)
の状態に切換わる際、カム32およびカム35は、それ
ぞれ、反転ギア14およびスクリューギア13aの欠歯
部に入り込み、また同様にカム30およびカム33が、
それぞれ、反転ギア14およびスクリューギア13aの
欠歯部に入り込む。
【0047】次に紙送り伝達系について説明する。
【0048】紙送り動作は、図7においてメインギア1
1の歯部36および37が、メインギア11の回転動作
に伴い、送りローラ8のギア8a(図2参照)を間欠的
に回転駆動することによって行われる。図7(A)に示
されるように歯部36と37とでは互いに180度位相
がずれている。
【0049】紙送りは、歯部36,37とスクリュー1
3との関係によりキャリッジ3が装置の両側部近傍に位
置し、かつ記録ヘッド2がその記録動作に影響のない場
所で行われるように設定されている。
【0050】次に、本実施例における具体的な記録動作
について説明する。
【0051】図12は、本発明に係るインクジェット記
録装置の周辺部の構成を説明するためのブロック図であ
る。
【0052】図12において、51は外部から情報の入
力等を行うためのキーボード、52はキーボード51に
よって入力された情報等を表示するための表示器、53
は表示器52に表示された情報等を記録するためのプリ
ンタ54とモーター駆動IC55とに電力を供給するた
めの電源ユニット、56はCPU57からの記録データ
に応じてプリンタ54の記録ヘッドを駆動するための記
録ヘッド駆動IC、および57は上述した各部を制御す
るためのマイクロコンピュータ形態のCPUである。
【0053】プリンタ54からCPU57には、図1等
に示した吐出位置検出器19より出力される吐出位置検
出信号および記録開始位置検出器24から出力される吐
出開始位置検出信号が入力される。電源ユニット53か
らモーター駆動IC55に電力が供給されると、DCモ
ーターが駆動される。これにより、DCモーターが回転
を開始することにより、ウォームギア21に一体的に形
成されたエンコーダスリット21a(図6参照)を挟む
吐出位置検出器19の受光素子がオンまたはオフの吐出
位置検出信号が発生する。この吐出位置検出信号は、記
録画像として記録紙に形成されるドットマトリックスに
おける各ドット列に一対一に対応して発生するように設
定されている。
【0054】次に、メインギア11と反転ギア14およ
びスクリューギア13aとの相互動作により、キャリッ
ジ3は、例えば、図1の右端の位置から矢印P方向に移
動を開始する。
【0055】図13はキャリッジ3を右端部から左端部
へ移動する時のタイミングチャートである。
【0056】図6に示したように、スクリュー13の左
端部にはエンコーダ板25が同軸に固定されており、ス
クリュー13の回転に伴って、すなわち、記録ヘッド2
の移動に伴ってエンコーダ板25が回転する。ここで、
エンコーダ板25の円周部にはスリット25aおよび2
5bが設けられており、エンコーダ板25の回転に応じ
てスリット25a,25bが記録開始位置検出器24の
溝部を通過し、このとき、この検出器24の内側に設け
られた受光素子が通過光を受光する。この受光によって
吐出開始位置検出信号はハイとなる。このハイとなる期
間は、図13,図14にて後述されるようにスリット2
5aおよび25bの長さに応じて、それぞれ異なりXお
よびYとなる。CPU57はプリンタ54からの吐出位
置開始信号を受信すると同時に、上述した吐出位置検出
信号に同期して、記録信号を選択的に出力する。これに
より、図1のP方向における記録が行われる。P方向へ
の記録が終了すると、CPU57は吐出位置検出信号の
パルス数を計数し、この計数のNパルス後、DCモータ
ーへの通電(モーター制御信号)をオフとする。この間
に、紙送り動作も行われており、キャリッジ3は図1の
左端部にて停止する。
【0057】図14はキャリッジ3が左端部から右端部
に移動する時のタイミングチャートである。
【0058】モーター制御信号をオンとしてDCモータ
ー15を起動すると、前述したスクリュー13を反転さ
せる機構によりスクリュー13は逆回転してキャリッジ
3は図1の左端より矢印Q方向に移動を開始する。ま
た、DCモーター15の起動とほぼ同時に吐出位置検出
信号も発生する。次に、再びエンコーダ板25の回転に
より吐出開始位置信号が発生する。P方向記録と同様、
吐出位置検出信号に同期してCPU57から選択的に記
録信号を出力する。これにより、図1のQ方向走査時に
おける記録が行われる。Q方向への記録が終了すると、
CPU57は吐出位置検出信号のパルス数を計数し、M
パルス後にDCモーター15への通電をオフする。この
間に、前述したように紙送り動作も行われていて、キャ
リッジ3は図1の右端部にて停止する。
【0059】以上説明した動作の繰り返しにより記録を
行ってゆく。
【0060】また、CPU57はキャリッジ3が左端部
に位置するか右端部に位置するかを事前に判別する必要
がある。この方法については、例えば、記録装置に電源
が投入された時またはオールクリアキー等の特別のキー
を押下した時など、DCモーター15に通電した時に判
別する。
【0061】この判別は、例えば以下のようにして行
う。図13または図14に示したように吐出開始位置検
出信号がP方向,Q方向で異なる形の信号を発生するよ
うにエンコーダ板25のスリット25aおよび25の長
さを設定し、図13に示したように異なる期間のX信号
よびY信号がXの次にYと表われる場合はP方向に移動
中であると判別することができる。また、図14に示し
たようにY信号からX信号へ移行するならば、CPU5
7はQ方向へ移動中であると判別することができる。X
信号とY信号の違いはその間の吐出位置検出信号のパル
ス数を計数することにより行う。このため、DCモータ
ーの速度(または回転数)が異なってもCPU57は正
確にキャリッジの移動方向を判別することができる。
【0062】実施例1 上述した構成による本発明の第1の実施例について説明
する。
【0063】図15はP方向に記録を行い予備吐出のた
めのキャリッジの停止位置が正常な範囲内にある時のタ
イミングチャートである。
【0064】時点においてモーター制御信号をハイレ
ベルにすることにより、DCモーター15への通電を開
始すると、記録ヘッド2は移動を開始し、この移動に伴
って吐出位置検出信号は、前述したようにエンコーダス
リット21aを挟む吐出位置検出器19の受光素子がオ
ンまたはオフすることによって発生する。記録ヘッド2
が移動を開始した後、吐出開始位置検出信号は時点に
おいてハイレベルになり、エンコーダ板25のスリット
25aの長さに応じて、時点においてローレベルとな
る。その後、スリット25bが現われるまでの休止期間
をおいてハイレベルとなり、同様にスリット25bの長
さに応じて時点でローレベルとなる。この時点から、
吐出位置検出信号を計数し始める。
【0065】ここで、キャリッジが停止するまでの吐出
位置検出信号のパルス数をRとすると、このRが、予め
CPU57に設定された正規の停止位置範囲の両端を示
すパルス数aとbとの間(a≦b)、すなわちa≦R≦
bにある時、キャリッジは正常な停止位置範囲に停止し
たことをCPU57は判断する。
【0066】時点でモーター制御信号をローレベルと
すると、キャリッジ3を駆動するDCモーター15への
通電が断たれても、キャリッジ3は移動し続けるため、
すなわち、DCモーター15は回転し続けるため信号は
発生し続ける。しかし、そのパルス間隔はキャリッジの
減速に応じて徐々に広くなって、キャリッジが停止する
と共に吐出位置検出信号はローレベルのままとなる。
【0067】以上のような吐出位置検出信号を、吐出開
始位置検出信号がローレベルとなった時点から計数し
始め、そのパルスが後述するように所定期間発生しなく
なるまでのパルス数Rを計数し、このRがa≦R≦bの
条件を満足する時、キャリッジ(記録ヘッド)は正常な
停止範囲に停止したと判断する。
【0068】図16はP方向に記録を行い予備吐出のた
めのキャリッジの停止位置が異常である場合のタイミン
グチャートである。
【0069】図16においては、吐出開始位置検出信号
がローレベルになってからのパルス数Rが、R<aの関
係を満たしてキャリッジが正常な停止範囲にない時の波
形図である。計数値Rがこの関係を満足する時、キャリ
ッジは正規の停止範囲より手前で停止していることにな
る。
【0070】図17は、同様にP方向に記録を行い予備
吐出のためのキャリッジの停止位置が異常である場合の
タイミングチャートである。
【0071】図17は、パルス数RがR>bの時、すな
わち、正規のキャリッジの停止範囲を行き過ぎて停止し
た例を示している。
【0072】図18は、上述した第1の実施例の制御手
順を示すフローチャートである。
【0073】DCモーター15への通電を停止した後、
吐出開始位置検出信号がローレベルになるのを待機する
(ステップS11)。吐出開始位置検出信号がローレベ
ルになったと判断したならば、ステップS12に進み吐
出位置検出信号のパルス数を計数する。次に、ステップ
S13に進み、モーター制御信号がローレベルか否かを
判断する。ステップS13においてモーター制御信号が
ローレベルではない時、すなわち、ハイレベルと判断さ
れる時は、ステップS14に進みハイレベルの時間が所
定時間経過したか否かを判断する。ステップS14にお
いてハイレベルの時間が所定時間経過したと判断される
時には、ステップS15に進みモーター制御信号をロー
レベルとして、ステップS12に戻る。
【0074】ステップS13においてモーター制御信号
がローレベルにあると判断される時には、ステップS1
6に進みキャリッジ3が停止したか否かを判断する。ス
テップS16においてキャリッジ3が停止したと判断し
た時には、吐出開始位置検出信号がローレベルとなって
からキャリッジ3が完全に停止するまでのパルス数Rを
求める。ステップS16においてキャリッジ3が停止し
ていないと判断される時には、ステップS12に戻り吐
出位置検出信号を計数する。
【0075】パルス数Rの計数を終了するとステップS
17に進み、吐出位置検出信号のパルス数RがR≧aで
ある条件を満足するか否かを判断する。ステップS17
においてR<aであると判断される場合はキャリッジが
正常な停止位置に停止されていないので、ステップS1
8に進む。このステップS18においてエラー処理を実
行して、しかるべきエラー解除操作を実行する。この操
作を実行しない限りエラー状態を維持して次の動作は行
わない。一方、ステップS17において、R≧aと判断
されると、ステップS19に進み、吐出位置検出信号の
パルス数がR≦bの条件を満足するか否かを判断する。
ステップS19においてR<bであると判断される場
合、キャリッジは正常な停止位置にないのでステップS
18に進み、同様にエラー処理を実行する。
【0076】ステップS19においてR≦bであればキ
ャリッジは正常な停止位置にあるので、ステップS20
に進む。この時、キャリッジは予備吐出のための正常な
停止位置範囲内にある。
【0077】実施例2 図19は、本発明の第2の実施例を示すフローチャート
である。
【0078】DCモーター15への通電を停止した後、
吐出開始位置検出信号がローレベルになるのを待機する
(ステップS201)。吐出開始位置検出信号がローレ
ベルになると、ローレベルになってからの吐出位置検出
信号のパルスを計数する(ステップS202)。次に、
ステップS203に進みモーター制御信号がローレベル
か否かを判断する。ステップS203においてモーター
制御信号がローレベルではなくハイレベルであればDC
モーター15の駆動を続行する。次に、ステップS20
4に進みモーター制御信号がハイレベルである時間が所
定時間経過したか否かを判断する。ステップS204に
おいてハイレベルの時間が所定時間経過したと判断した
ならば、モーター制御信号をローレベルにして(ステッ
プS205)、ステップS202に戻り吐出位置検出信
号を計数する。ステップS204においてモーター制御
信号がハイレベルである時間が所定時間経過していない
と判断される場合には、ステップS206に進む。この
ステップS206においてキャリッジ3が停止している
か否かを判断する。
【0079】ステップS206において、キャリッジ3
が停止していないと判断される場合には、ステップS2
02に戻って吐出位置検出信号を計数する。
【0080】ステップS206においてキャリッジ3が
停止したと判断される場合には、ステップS207へ進
み、このステップS207において、吐出位置検出信号
のパルスのカウント数RがR≧aである条件を満足する
か否かを判断する。吐出位置検出信号がR≧aであれ
ば、ステップS208に進みR≦bである条件を満足す
るか否かを判断する。ステップS208においてR≦b
であればキャリッジ3は正常な停止位置範囲a≦R≦b
にある(ステップS209)。
【0081】ステップS207においてR<aである
か、または、ステップS208においてR<bであれ
ば、ステップS210に進む。
【0082】このステップS210においてR<aであ
れば、DCモーター15の制御信号をハイレベルとして
(ステップS211)DCモーター15を再起動する。
次に、ステップS212に進み吐出位置検出信号のパル
ス数Rを計数して、ステップS213においてR≧aで
ある条件を満足するか否かを判断する。
【0083】ステップS213においてR<aであれば
キャリッジ3の停止位置は正常範囲にないので、DCモ
ーター15に通電し続けると共に、ステップS212に
おいて吐出位置検出信号のパルス数を計数する。ステッ
プS213においてR≧aと判断されると、ステップS
214に進みモーター制御信号をローレベルとしてDC
モーター15の駆動を停止する。これにより、キャリッ
ジ3は正常な停止位置に停止する(ステップS21
5)。
【0084】ステップS210においてR>bと判断さ
れればモーター制御信号をハイレベルとして(ステップ
S216)DCモーターを再起動する。次に、ステップ
S217に進み吐出位置検出信号のパルス数Rを計数す
る。ステップS218においてR≦bである条件を満足
するか否かを判断する。ステップS218においてR>
bと判断されれば、キャリッジの停止位置は、未だ、正
常に至っていないから、DCモーターへの通電を続ける
と共にステップS217において吐出位置検出信号のパ
ルス数を計数する。
【0085】ステップS218においてR≦bと判断さ
れる場合には、ステップS219に進みモーター制御信
号をローレベルとする。これにより、キャリッジ3は正
常な停止位置に停止する(ステップS215)。
【0086】以下の実施例においては、吐出開始位置検
出信号を検出するために用いられるエンコーダ板の構成
について説明する。
【0087】図20はこのエンコーダ板の平面図であ
る。
【0088】エンコーダ板25には、スリット25aお
よび25bとの間のリブにスリット25cが設けられて
いる。スリット25cの位置および長さは、キャリッジ
の停止位置に対応して設けられる。このスリット25c
上に、記録位置検出器24の溝部がある時にQ信号が発
生する。
【0089】図21はキャリッジが正常な停止位置にあ
る場合の記録装置のタイミングチャートである。
【0090】モーター制御信号がハイレベルになると吐
出位置検出信号のパルスが間欠的に出力される。それと
同時に、前述のスリット25cが記録位置検出器24の
溝部にあれば吐出開始位置検出信号としてQ信号が発生
する。次に、吐出開始位置検出信号は、エンコーダ板2
5のスリット25bに記録位置検出器の溝部がある時、
X信号へと波形が変化する。さらに、エンコーダ板25
のスリット25a上に記録位置検出器がある時、Y信号
へと波形が変化する。モーター制御信号がローレベルに
なるとキャリッジは減速状態となり、吐出位置検出信号
間のパルス間隔は広くなる。この結果、キャリッジ3は
まもなく停止する。吐出位置検出信号の最後のパルスが
発生した時に、吐出開始位置検出信号がハイレベル(Q
信号)にある時は、キャリッジが正常な停止位置範囲内
に停止していることになる。なお、吐出開始位置検出信
号であるQ信号が発生すると、紙送り動作も終了する。
【0091】図22は、キャリッジが正常な停止位置の
手前に停止した場合のタイミングチャートである。
【0092】モーター制御信号がハイレベルになると共
に吐出位置検出信号と吐出開始位置検出信号Qが発生す
る。その後、吐出開始位置検出信号がX信号(ハイレベ
ル信号)が発生し、さらにY信号(ハイレベル信号)へ
変化する。モーター制御信号がローレベルとなるとキャ
リッジは減速状態になり吐出位置検出信号間のパルス間
隔が広くなり、じきにキャリッジ3は停止する。この
時、吐出位置検出信号の最後のパルスが発生した時に、
吐出開始位置検出信号がローレベルにあるので、キャリ
ッジは正常な停止位置範囲の手前に停止していることに
なる。なお、Q信号が出力されると共に紙送り動作も終
了する。
【0093】図23は、キャリッジが正常な停止位置を
通過して停止した場合のタイミングチャートである。
【0094】モーター制御信号がハイレベルとなると共
に吐出位置検出信号および吐出開始位置検出信号Qが出
力される。その後、吐出開始位置検出信号がローレベル
となり、次に、吐出開始位置検出信号の波形がX信号か
らY信号が出力される。モーター制御信号がローレベル
になり、キャリッジ3を駆動するDCモーター15への
通電が断たれてもキャリッジ3は移動し続けるため吐出
位置検出信号は出力される。この吐出位置検出信号の最
後のパルス信号が発生する時、吐出開始位置検出信号は
Q信号を越えてローレベルにある。従って、キャリッジ
は正常な停止位置範囲内を越えて停止している。なお、
Q信号が出力されると共に紙送り動作も終了する。
【0095】実施例3 図24は本発明の第3の実施例を説明するためのフロー
チャートである。
【0096】本実施例においては、DCモーター15へ
の通電を停止してキャリッジ3が徐々に減速状態となる
ことによって、吐出位置検出信号のパルス間隔が広くな
ることに着目することで、キャリッジ3の停止位置を制
御する。
【0097】具体的には、このパルス間隔がある幅を越
えた時に、キャリッジは停止したものと判断する。
【0098】この制御手順を図24を参照しつつ詳細に
説明する。
【0099】ステップS31において、吐出位置検出器
19から出力される吐出位置検出信号のパルス間隔が予
め設定されたパルス間隔Z以上になったか否かを判断す
る。ステップS31においてパルス間隔Zを越えていな
いと判断される場合においては、キャリッジ3は停止し
ていないのでステップS31に戻ってキャリッジ3が停
止するのを待機する。ステップS31においてパルス間
隔Zを越えている場合には、ステップS32に進み、吐
出開始位置検出信号がハイレベルにあるか否かを判断す
る。ステップS32において、吐出開始位置検出信号が
ハイレベルでないと判断される場合には、スリット25
cが記録開始位置検出器24の溝部の手前または通過し
た状態にある。この時にキャリッジが停止した場合、そ
の停止位置が異常であると判断し、ステップS33に進
みエラー処理を実行する。
【0100】ステップS32において吐出開始位置検出
信号がハイレベルにあると判断される場合には、正規の
停止位置範囲内において停止したと判断する。この停止
位置で予備吐出が行われることになる(ステップS3
4)。
【0101】実施例4 図25は本発明の第4の実施例を説明するためのフロー
チャートである。
【0102】ステップS41において、吐出位置検出器
19から出力される吐出位置検出信号のパルス間隔Zが
予め設定されたパルス間隔を越えているか否かを判断す
る。この時、ステップS31において所定間隔を越えて
いないと判断した場合には、キャリッジは停止していな
いのでステップS41に戻ってキャリッジが停止するの
を待機する。
【0103】次に、パルス間隔が所定のパルス間隔Zを
越えていると判断される場合、ステップS42に進み、
吐出開始位置検出信号がハイレベルにあるか否かを判断
する。ステップS42において、吐出開始位置検出信号
がハイレベルにないと判断した場合には、スリット25
cが記録開始位置検出器24の溝部の手前かまたは通過
した状態である。この状態で、キャリッジ3が停止した
場合、その停止位置が異常であると判断し、ステップS
43に進み、DCモーター15を再起動した後、ステッ
プS41に戻って待機する。ステップS42において吐
出開始位置検出信号がハイレベルにあると判断される場
合、キャリッジ3は正規の停止位置範囲内において停止
して予備吐出が行われることになる(ステップS4
4)。
【0104】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0105】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0106】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0107】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0108】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0109】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0110】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0111】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0112】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0113】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
吐出位置検出信号のパルス数またはパルスの最後尾が所
定の範囲内にあるかどうかを判断することにより、キャ
リッジの停止位置が正規の位置以外で予備吐出されるこ
とを防止することができる。
【0114】従って、記録紙や記録装置の内部をインク
により汚したりインクが記録装置の外側に流れ出すこと
を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェット記録装置の一実施
例を示す正面図である。
【図2】本発明に係るインクジェット記録装置の一実施
例を示す右側面図である。
【図3】本発明に係るインクジェット記録装置の一実施
例を示す左側面図である。
【図4】本発明に係るインクジェット記録装置の一実施
例を示す側面図である。
【図5】本発明に係るインクジェット記録装置の一実施
例を示す正面図である。
【図6】動力伝達系の模式的斜視図である。
【図7】メインギアの詳細を説明するための側面図およ
び上面図である。
【図8】反転ギアの形状を示す説明図であり、(A)は
その上面図であり、(B)はその側面図である。
【図9】スクリューギアの詳細な形状を示す説明図であ
り、(A)はその側面図であり、(B)はA−A′線に
沿った断面図である。
【図10】メインギアと反転ギアとの動きに限定した説
明図である。
【図11】メインギアと反転ギアとがθだけ位相がずれ
た場合の平面図である。
【図12】本発明に係るインクジェット記録装置の周辺
部の構成を説明するためのブロック図である。
【図13】図1に示したキャリッジがP方向に移動して
被記録媒体に記録する時のタイミングチャートである。
【図14】図1に示したキャリッジがQ方向に移動して
記録する場合のタイミングチャートである。
【図15】正常時にP方向へ記録する際のタイミングチ
ャートである。
【図16】異常時にP方向へ記録する際のタイミングチ
ャートである。
【図17】異常時にP方向へ記録する際のタイミングチ
ャートである。
【図18】本発明に係るインクジェット記録装置の第1
の実施例を示すフローチャートである。
【図19】本発明に係るインクジェット記録装置の第2
の実施例を示すフローチャートである。
【図20】本発明に係るインクジェット記録装置に用い
られる吐出開始位置検出器のエンコーダの平面図であ
る。
【図21】インクジェット記録ヘッドが正常な停止位置
に停止した場合のタイミングチャートである。
【図22】インクジェット記録ヘッドが正規の停止位置
より手前に停止した場合のタイミングチャートである。
【図23】インクジェット記録ヘッドが正規の停止位置
に停止していない場合のタイミングチャートである。
【図24】本発明に係るインクジェット記録装置の第3
の実施例を説明するためのフローチャートである。
【図25】本発明に係るインクジェット記録装置の第4
の実施例を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 ベースフレーム 2 記録ヘッド 3 キャリッジ 3a 穴 4 セットレバー 5a,5b 摺動軸 7 プラテン 8 送りローラ 8a ギア 9 ゴムリング 10 右側板 11 メインギア 12 軸 13 スクリュー 13a スクリューギア 13b 溝 14 反転ギア 15 DCモーター 17 ホイールギア 18 プリント回路基板 19 吐出位置検出器 20 フラットケーブル 21 ウォームギア 21a エンコーダ板 22 突出ピン 30,32,33,35 カム 34 ギア 36,37 歯部 38 全周有歯部 39 有歯部 40 欠歯部 41 全周有歯部 42 欠歯部 51 キーボード 52 表示器 53 電源ユニット 54 プリンタ 55 モーター駆動IC 56 記録ヘッドIC 57 CPU

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動源として直流モーターを用いた駆動
    手段によって移動可能な記録ヘッドを用い、該記録ヘッ
    ドにより被記録媒体に記録液滴を吐出して記録を行うイ
    ンクジェット記録装置において、 前記記録ヘッドの移動による記録範囲に対応した信号を
    発生する信号発生手段と、 該信号発生手段が発生する信号に基づいて、前記直流モ
    ーターへ電力の供給を停止する停止手段と、 前記記録ヘッドの移動によるパルスを発生するパルス発
    生手段と、 前記信号発生手段が発生する信号または前記パルス発生
    手段が発生するパルスに基づいて前記記録ヘッドが正常
    範囲に停止したか否かを判断する判断手段と、 該判断手段の結果に基づいて前記記録ヘッドの移動を制
    御する制御手段とを具備したことを特徴とするインクジ
    ェット記録装置。
  2. 【請求項2】 前記判断手段は、前記信号発生手段が発
    生する信号を基準とし、前記記録ヘッドが停止するまで
    前記パルス発生手段が発生するパルス数を計数し、当該
    計数に基づいて前記記録ヘッドが前記正常範囲にあるか
    否かを判断することを特徴とする請求項1に記載のイン
    クジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 前記判断手段は、前記パルス発生手段が
    発生するパルスの間隔に基づいて、ある一定間隔以上前
    記パルスの発生がない場合、前記記録ヘッドが停止した
    と判断し、該停止時の前記信号発生手段が発生する信号
    に基づいて前記記録ヘッドが前記正常範囲に停止したか
    否かを判断することを特徴とする請求項1に記載のイン
    クジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 前記制御手段は、前記判断手段の結果、
    前記パルス数が所定のパルス数範囲になければ、前記直
    流モーターを再起動して、前記記録ヘッドを正常範囲内
    に移動させることを特徴とする請求項1ないし3のいず
    れかの項に記載のインクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】 前記制御手段は、前記判断手段の結果、
    前記パルスの最後尾が前記信号発生手段が発生する信号
    に基づいた前記正常範囲の間隔内になければ、前記直流
    モーターを再起動して、前記記録ヘッドを正常範囲内に
    移動させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれ
    かの項に記載のインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】 前記インクジェット記録装置は熱エネル
    ギーを利用して記録液に気泡を生成させ、該気泡の生成
    に基づいて記録液滴を吐出することを特徴とする請求項
    1ないし5のいずれかの項に記載のインクジェット記録
    装置。
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