JPH08204423A - 窓ガラスアンテナ装置 - Google Patents

窓ガラスアンテナ装置

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JPH08204423A
JPH08204423A JP7014254A JP1425495A JPH08204423A JP H08204423 A JPH08204423 A JP H08204423A JP 7014254 A JP7014254 A JP 7014254A JP 1425495 A JP1425495 A JP 1425495A JP H08204423 A JPH08204423 A JP H08204423A
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JP
Japan
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antenna
antenna pattern
pattern portion
wave
window glass
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JP7014254A
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English (en)
Inventor
Kazuhiko Nakase
一彦 仲瀬
Masatoshi Saito
正利 斎藤
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Harada Industry Co Ltd
Original Assignee
Harada Industry Co Ltd
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Publication date
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  • Fittings On The Vehicle Exterior For Carrying Loads, And Devices For Holding Or Mounting Articles (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高利得,広帯域,低雑音なAM/FM波受信特
性を有し、FM波ダイバーシティ受信が可能で、信頼性
が高く、安価な窓ガラスアンテナ装置を提供。 【構成】本窓ガラスアンテナ装置は、金属製ボディの開
口部10に嵌め込まれる窓ガラス11に設けられた導体
線Eからなるアンテナパターン部12と、これに接続さ
れる給電線14とを備え、AM波受信に関してはアンテ
ナパターン部12が電界形アンテナとして働き、FM波
受信に関しては前記開口部10とアンテナパターン部1
2との間に形成される非導電性スロット部15がFM受
信周波数に共振する磁界形アンテナとして働くようにし
た。上記アンテナ装置にヒータ線Hからなるデホガー部
13をスロット部15の形成要素として利用した装置。
上記アンテナ装置に第2のアンテナパターン部16を付
加して電界形アンテナとし、これと前記磁界形アンテナ
とでFM波ダイバーシティ受信を可能とした装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば自動車の後部窓
ガラス等に設けられた細い導電線をAM波およびFM波
の受信用アンテナとして用いるようにした窓ガラスアン
テナ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から知られている自動車用窓ガラス
アンテナ装置として、例えば自動車の後部窓ガラス等に
予め設けられている曇り止め用のヒータ線からなるデホ
ガー部を電界形アンテナとして使用するものや、上記デ
ホガー部とは別に例えばストリップ状の細い導電線から
なる専用のアンテナパターンを上記窓ガラスに形成し、
これを電界形アンテナとして使用するもの等がある。
【0003】図11の(a)は、前者すなわちヒータ線
Hからなるデホガー部33をアンテナとして利用した従
来例を示す図である。図に示すように、窓ガラス31に
設けられたヒータ線Hからなるデホガー部33と電源回
路40との間に、ヒータ線Hを高周波的に分離・独立さ
せる為のAM波用高周波チョークコイル41(1mH〜
3mH)およびFM波用高周波チョークコイル42(3
μH〜10μH)を介在させ、デホガー部33を電界形
アンテナとして使用可能にしている。
【0004】高周波チョークコイル41,42には、約
10〜30アンペアの直流大電流が流れるため、これら
の高周波チョークコイル41,42としては、上記直流
大電流を流すことができるものであって、かつ必要なイ
ンダクタンスを確保できるものを備える必要がある。特
にAM波用高周波チョークコイル41としては高誘磁率
のフェライトコアに太い線をバイファイラー巻きにした
チョークコイル等が要求される。
【0005】またデホガー部33は本来アンテナ用とし
て設計されていないので、アンテナとしての機能を持た
せるために(特にFM波の受信機能が得られるよう
に)、補償回路43を付加してFM波帯域全体に亘り共
振が得られるようにする必要がある。さらにAM波およ
びFM波の双方について、アンテナA側と給電線F側と
の整合を良くし、かつ感度向上を図るために、AM波広
帯域前置増幅器44およびFM波広帯域前置増幅器45
が挿入されている。
【0006】図11の(b)は、後者すなわち専用のア
ンテナパターン部32を別途形成した従来例を示す図で
ある。図に示すように、専用のアンテナパターン部32
は、電界形アンテナとして(特にFM波受信アンテナと
して)良好な特性が得られるような形状になっている。
しかし上記アンテナパターン部32はAM波受信に対し
ては受信損失が大きいので、一般には図11の(a)の
場合と同様にデホガー部33をAM波用高周波チョーク
コイル41で高周波的に分離・独立させると共に、アン
テナパターン部32とヒータ線Hとの間隙Gを狭めて両
者を静電結合させ、感度の向上を図っている。またAM
波およびFM波の双方について、アンテナA側と給電線
F側との整合性を良くし、かつ感度向上を図るために、
図11の(a)と同様にAM波広帯域前置増幅器44お
よびFM波広帯域前置増幅器45が挿入されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の窓ガラスア
ンテナ装置には、以下述べるように第1〜第4の問題点
がある。第1に、図11の(a)に示したヒータ線Hか
らなるデホガー部33をアンテナとして利用する窓ガラ
スアンテナ装置の場合は、ヒータ線Hからなるデホガー
部33を、電源回路40および金属製ボディの窓枠30
から高周波的に分離・独立させるために、10〜30ア
ンペア程度の直流大電流(ヒータ電流)の通流に耐え得
るものであって、かつ所定のインダクタンスを確保でき
る大形な高周波チョークコイル41,42が必要であ
る。しかもAM波用の高周波チョークコイル41は、所
要機能を満たし得るものが容易には得難いために、非常
に高価格なものとなる。またヒータ線HをFM波も受信
可能なアンテナとして機能させるために、複雑な構成の
補償回路43が必要である。さらにアンテナA側と給電
線F側との整合性を良くしかつ感度向上を図るために、
格別なAM波広帯域前置増幅器44およびFM波広帯域
前置増幅器45を必要とする。従って、図11の(a)
に示した窓ガラスアンテナ装置には、アンテナとして機
能させるために、大形かつ複雑で高価格な回路装置を付
加する必要があるという欠点がある。
【0008】第2に、図11の(b)に示した専用のア
ンテナパターン部32を使用する窓ガラスアンテナ装置
の場合は、アンテナとして必要な特性が得られるように
アンテナパターン部32が形成されるので、前者に比べ
ると特定周波数のAM波およびFM波に対しては比較的
良好な受信特性が得られる。しかしながら、専用のアン
テナパターン部32は細い導電線で形成されるので、こ
れのみでは受信に必要な周波数帯域が十分にとれない。
またアンテナとして必要な導体面積が十分に取れないた
め、AM波に対しては放射に寄与するアンテナ容量Ca
が小さく、フィーダ容量Cfとの容量分割損失が大きく
なる。したがって受信感度が著しく低いという欠点があ
る。そこで通常の場合は、図示のようにヒータ線Hから
なるデホガー部33もAM波用アンテナの一部として利
用し、感度の向上を図っている。したがって図11の
(b)の場合も、図11の(a)の場合と同様に、少な
くともAM波用の高周波チョークコイル41が必要とな
り、前者とほぼ同様に大形で複雑な構成となり、安価に
製作しがたいという欠点がある。
【0009】第3に、図11の(a)の場合も図11の
(b)の場合も、アンテナA側と給電線F側との整合性
を良くしかつ感度を上昇させるために、AM広帯域増幅
器44およびFM広帯域増幅器45が使用されるので、
広帯域増幅器44,45から発生する熱雑音の影響によ
り、弱電界中での受信においては感度も上がるが雑音も
大きくなるため、実用感度(S/N)は殆ど向上しな
い。また強電界中では増幅器44,45の入力が過負荷
となり、混変調や相互変調が発生し、混信あるいは音声
歪み等が発生する。また広帯域増幅器44,45は高価
格であるために、コストアップも大きな問題となる。
【0010】第4に、図11の(a)の場合も図11の
(b)の場合も、FM波のダイバーシティ受信のための
手段を有していないため、FM波のダイバーシティ受信
が行なえない。しかるに、仮にFM波ダイバーシティ受
信を可能とすべく別の電界形アンテナを同一窓ガラス内
に形成しても、同じ電界形アンテナではメインアンテナ
との相互間距離が十分に取れないため、スペースダイバ
ーシティー効果が殆ど得られない。
【0011】本発明の目的は下記の窓ガラスアンテナ装
置を提供することにある。 (a) 高利得,広帯域,低雑音なAM/FM波受信特性を
有する窓ガラスアンテナ装置。
【0012】(b) 効果的なFM波のダイバーシティ受信
が可能な窓ガラスアンテナ装置。 (c) 複雑で高価格な高周波チョークコイル、補償回路、
広帯域増幅器などを必要とせず、信頼性に優れている
上、安価に製作可能な窓ガラスアンテナ装置。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決し目的を
達成するために、本発明の窓ガラスアンテナ装置は下記
の如く構成されている。 (1)本発明の窓ガラスアンテナ装置は金属製ボディの
開口部10に嵌め込まれる窓ガラス11に設けられた導
体線Eからなるアンテナパターン部12と、このアンテ
ナパターン部12に接続された給電線14とを備え、A
M波受信に関しては前記アンテナパターン部12が電界
形アンテナとして働き、FM波受信に関しては前記金属
製ボディの開口部10と前記アンテナパターン部12の
周囲との間に形成される非導電性のスロット部15がF
M受信周波数に共振する磁界形アンテナとして働くよう
にしたことを特徴としている。 (2)本発明の窓ガラスアンテナ装置は金属製ボディの
開口部10に嵌め込まれる窓ガラス11に設けられたヒ
ータ線Hからなるデホガー部13と、このデホガー部1
3に隣接して前記窓ガラス11に設けられた導体線Eか
らなるアンテナパターン部12と、このアンテナパター
ン部12に接続された給電線14とを備え、AM波受信
に関しては前記アンテナパターン部12が電界形アンテ
ナとして働き、FM波受信に関しては前記金属製ボディ
の開口部10と前記デホガー部13の周囲と前記アンテ
ナパターン部12の周囲との間に形成される非導電性の
スロット部15がFM受信周波数に共振する磁界形アン
テナとして働くようにしたことを特徴としている。 (3)本発明の窓ガラスアンテナ装置は金属製ボディの
開口部10に嵌め込まれる窓ガラス11の第1の領域に
設けられた導体線Eからなる第1のアンテナパターン部
12と、この第1のアンテナパターン部12に接続され
た第1の給電線14と、前記窓ガラス11の前記第1の
領域とは離間した第2の領域に設けられた導体線Eから
なる第2のアンテナパターン部16と、この第2のアン
テナパターン部16に接続された第2の給電線17とを
備え、AM波受信に関しては前記第1のアンテナパター
ン部12が電界形アンテナEAとして働き、FM波受信
に関しては前記金属製ボディの開口部10と前記アンテ
ナパターン部12の周囲との間に形成される非導電性の
スロット部15がFM受信周波数に共振する磁界形の第
1のFM波受信用アンテナとして働くと共に、前記第2
のアンテナパターン部16が電界形の第2のFM波受信
用アンテナとして働くようにし、上記第1のFM波受信
用アンテナと第2のFM波受信用アンテナとで、FM波
ダイバーシティ受信を可能としたことを特徴としてい
る。 (4)本発明の窓ガラスアンテナ装置は金属製ボディの
開口部10に嵌め込まれる窓ガラス11に設けられたヒ
ータ線Hからなるデホガー部13と、このデホガー部1
3の一側に隣接して前記窓ガラス11に設けられた導体
線Eからなる第1のアンテナパターン部12と、この第
1のアンテナパターン部12に接続された第1の給電線
14と、前記デホガー部13の他側に隣接して前記窓ガ
ラス11に設けられた導体線Eからなる第2のアンテナ
パターン部16と、この第2のアンテナパターン部16
に接続された第2の給電線17とを備え、AM波受信に
関しては前記第1のアンテナパターン部12が電界形ア
ンテナとして働き、FM波受信に関しては前記金属製ボ
ディの開口部10と前記デホガー部13の周囲と前記第
1のアンテナパターン部12の周囲との間に形成される
非導電性のスロット部15がFM受信周波数に共振する
磁界形の第1のFM波受信用アンテナとして働くと共
に、前記第2のアンテナパターン部16が電界形の第2
のFM波受信用アンテナとして働くようにし、上記第1
のFM波受信用アンテナと第2のFM波受信用アンテナ
とで、FM波ダイバーシティ受信を可能としたことを特
徴としている。
【0014】
【作用】上記手段(1)〜(4)を講じた結果、それぞ
れ次のような作用が生じる。 (1)本発明の窓ガラスアンテナ装置においてはAM波
(540〜1620kHz )の受信時には、AM波の受
信に適合する如く設けられた導体線Eからなるアンテナ
パターン部12が電界形アンテナとして働くため、良好
なAM波受信が可能となる。またFM波(76〜90M
Hz)の受信時には、金属製ボディの開口部10とアン
テナパターン部12の周囲との間に形成されたスロット
部15が磁界形アンテナとして働く。すなわち上記スロ
ット部15に形成されたFM受信周波数に共振する回路
が動作する。その結果FM波帯域幅全体に亘って良好な
VSWR特性が得られることになる。 (2)本発明の窓ガラスアンテナ装置においては、アン
テナパターン部12に隣接するデホガー部13の存在に
よって非導電性のスロット部15が所要パターンを呈す
ることになるため、磁界形アンテナの機能が適確に得ら
れる。 (3)本発明の窓ガラスアンテナ装置においては、スロ
ット部15からなる磁界形アンテナと、第2のアンテナ
パターン部16からなる線状の電界形アンテナとで、
[磁界/電界]ダイバーシティ受信が可能な如く構成さ
れているため、限られた狭小なスペース内でありなが
ら、FM波ダイバーシティ受信を効果的に行なうことが
できる。 (4)本発明の窓ガラスアンテナ装置においては、第1
のアンテナパターン部12に隣接するデホガー部13の
存在によって、非導電性スロット部15が所要パターン
を呈することになる為、磁界形アンテナの機能が適確に
得られると共に、スロット部15からなる磁界形アンテ
ナと、第2のアンテナパターン部16からなる線状の電
界形アンテナとで、[磁界/電界]ダイバーシティ受信
が可能な如く構成されているため、限られた狭小なスペ
ース内でありながら、FM波ダイバーシティ受信を効果
的に行なうことができる。
【0015】
【実施例】
(第1実施例)図1の(a)は本発明の第1実施例に係
る自動車用窓ガラスアンテナ装置の構成を示す図であ
る。図1の(a)に示すように、自動車の金属製ボディ
の開口部10に嵌め込まれる窓ガラス11の上縁部から
ギャップG1 を隔てた上部領域(第1の領域)には、細
長い導体線Eからなるアンテナパターン部12が設けら
れている。前記窓ガラス11の中央領域には、曇り止め
用ヒータ線Hからなるデホガー部13が上記アンテナパ
ターン部12とギャップG2を隔てて設けられている。
【0016】アンテナパターン部12の所定位置P(第
1のアンテナパターン部12の中央位置より例えば右方
向に若干ずれた位置であって、整合上の最適な位置は実
験により決められる)には、同軸型の給電線14の一端
おける中心導体aが接続されている。この給電線14の
外部導体bは、金属製ボディの開口部10に接続されて
いる。給電線14の他端は図示しない受信機の入力端に
接続されている。図1ではデホガー部13の電源回路は
省略されている。
【0017】かくして金属製のボディ開口部10と、ア
ンテナパターン部12の周囲と、デホガー部13の周囲
との間には、非導電性のスロット部15が形成される。
なおアンテナパターン部12を構成する導体線Eは、電
界形アンテナの放射に寄与するアンテナ静電容量Caが
大きくなるように、相互間隔を十分狭ばめられておりか
つその本数を多くしてある。さらに導体線Eの相互間を
導線12aで短絡している。またスロット部15からな
る磁界形アンテナを所定の周波数(76〜90MHz)
でFM受信周波数に共振させるべく、アンテナパターン
部12の形状や寸法は適宜調整されている。
【0018】図2の(a)(b)は図1の(a)に示し
た第1実施例におけるAM波およびFM波の受信機能を
説明するための図である。第1実施例の自動車用窓ガラ
スアンテナ装置は、AM波受信に関しては、図2の
(a)に示す如く第1のアンテナパターン部12が電界
形アンテナEAとして働く。またFM波受信に関して
は、図2の(b)に示す如く非導電性のスロット部15
がFM受信周波数に共振する磁界形アンテナMAとして
働く。
【0019】次に上記の如く構成された第1実施例の自
動車用窓ガラスアンテナ装置の作用を説明する。AM波
(540〜1620kHz )の受信時においては、導体
線Eからなるアンテナパターン部12が電界形アンテナ
EAとして作動するが、このアンテナパターン部12の
長さは、周波数が540〜1620kHz のAM波の波
長555〜185mに比べると極めて短い。したがって
上記アンテナパターン部12は、容量性の強いアンテナ
となる。このときの放射に寄与するアンテナ容量Caは
10pF前後となり、アンテナパターン部12の浮遊静
電容量Csと給電線14の静電容量Cfとによる容量分
割損失によって−20dB以上の損失が発生する。しか
るに本実施例の窓ガラスアンテナ装置にあっては、AM
波の受信損失が少なくなるように工夫がなされている。
すなわちアンテナパターン部12の導体線Eは、相互間
隔が十分狭くしかもその本数を多くしてあるため、アン
テナ容量は比較的大きなものとなり、上記損失を最小限
にとどめ得る。かくして良好なAM波受信が可能とな
る。
【0020】またFM波(76〜90MHz )の受信時
には、金属製ボディの開口部10とアンテナパターン部
12の周囲との間に形成されたスロット部15が磁界形
アンテナMAとして働く。すなわち上記スロット部15
に形成されたFM受信周波数に共振する回路が所定のF
M波周波数で共振動作する。その結果、FM波帯域幅全
体に亘って良好なVSWR特性が得られることになる。
【0021】(第2実施例)図1の(b)は本発明の第
2実施例に係る自動車用窓ガラスアンテナ装置の構成を
示す図である。なお図1の(a)と同一機能を有する部
分には同一の符号が付されている。図1の(b)に示す
ように、第2実施例においては窓ガラス11の下部領域
(第2の領域)に、導体線Eからなる第2のアンテナパ
ターン部16が設けられている。この第2のアンテナパ
ターン部16には第2の給電線17が接続されている。
上記以外は前記第1実施例と同様に構成されている。
【0022】したがってAM波受信に関しては、第1実
施例と同様に第1のアンテナパターン部12が電界形ア
ンテナEAとして働き、FM波受信に関しては、前記金
属製ボディの開口部10と前記アンテナパターン部12
の周囲との間に形成される非導電性のスロット部15が
FM受信周波数に共振する磁界形の第1のFM波受信用
アンテナFA1として働くと共に、第2のアンテナパタ
ーン部16が電界形の第2のFM波受信用アンテナFA
2として働く。かくして上記第1のFM波受信用アンテ
ナFA1と第2のFM波受信用アンテナFA2とで、F
M波ダイバーシティ受信が行なえるようになっている。
【0023】上記の如く第2実施例の自動車用窓ガラス
アンテナ装置においては、スロット部15からなる磁界
形の第1のFM波受信用アンテナFA1と、第2のアン
テナパターン部16からなる電界形の第2のFM波受信
用アンテナFA2とで、[磁界/電界]ダイバーシティ
受信が可能な如く構成されている。このため限られた狭
小なスペース内でありながら、FM波ダイバーシティ受
信を効果的に行なうことができる。上記以外は前述した
第1実施例と同様の作用が生じる。
【0024】(第3実施例)図3の(a)は本発明の第
3実施例に係る自動車用窓ガラスアンテナ装置の構成を
示す図である。図3の(a)に示すように、自動車の金
属製ボディの開口部10に嵌め込まれる窓ガラス11の
上部領域(第1の領域)には、細長い導体線Eからなる
アンテナパターン部12が設けられている。このアンテ
ナパターン部12の下端部に隣接する前記窓ガラス11
の中央領域には、曇り止め用ヒータ線Hからなるデホガ
ー部13が設けられている。このデホガー部13の下端
部に隣接する前記窓ガラス11の下部領域(第2の領
域)には導体線Eからなる第2のアンテナパターン部1
6(16a,16b)が設けられている。
【0025】第1のアンテナパターン部12の所定位置
Pには、第1実施例と同様に第1の給電線14の一端が
接続されている。デホガー部13のヒータ線両端部には
電源回路18が接続されている。第2のアンテナパター
ン部16(16a,16b)の基端部には、第2の給電
線17の一端が接続されている。かくして金属製ボディ
の開口部10と、デホガー部13の周囲と、第1,第2
のアンテナパターン部12,16の周囲との間には、非
導電性のスロット部15が形成される。なお第1のアン
テナパターン部12からなる電界形アンテナの放射に寄
与するアンテナ静電容量Caが大きくなるように、導体
線Eの中間部相互間を複数本(本実施例では2本)の導
線12a,12bで短絡している。上記以外は第1実施
例と同じである。
【0026】図4の(a)(b)は図3の(a)に示し
た第3実施例におけるAM波およびFM波の受信機能を
説明するための図である。本実施例の自動車用窓ガラス
アンテナ装置は、図4の(a)に示す如くAM波受信に
関しては第1のアンテナパターン部12が電界形アンテ
ナEMとして働く。また図4の(b)に示す如く、FM
波受信に関しては非導電性のスロット部15がFM受信
周波数に共振する磁界形の第1のFM波受信用アンテナ
FA1として働くと共に、前記第2のアンテナパターン
部16が、電界形の第2のFM波受信用アンテナFA2
として働く。かくして上記第1のFM波受信用アンテナ
FA1と第2のFM波受信用アンテナFA2とで、FM
波のダイバーシティ受信が可能な如く構成されている。
【0027】上記の如く第3実施例の自動車用窓ガラス
アンテナ装置においては、スロット部15からなる磁界
形の第1のFM波受信用アンテナFA1と、第2のアン
テナパターン部16(16a,16b)からなる電界形
の第2のFM波受信用アンテナFA2とで[磁界/電
界]ダイバーシティ受信が可能な如く構成されている。
このため限られた狭小なスペース内でありながら、FM
波ダイバーシティ受信を効果的に行なうことができる。
上記以外は前述した第1実施例と同様の作用が生じる。
【0028】(第4実施例)図3の(b)は本発明の第
4実施例に係る自動車用窓ガラスアンテナ装置の構成を
示す図である。なお図3の(a)と同一機能を有する部
分には同一の符号が付されている。図3の(b)に示す
ように、第4実施例においてはアンテナパターン部12
が、導体線Eとこの導体線Eを電気的に導通状態となる
ように覆った透明導電膜(半透明導電膜も含む)Tとか
らなっている。また第1のアンテナパターン部12と第
1の給電線14との接続部に、AM波用のアクティブイ
ンピーダンス変換器19を介在させている。このアクテ
ィブインピーダンス変換器19は入力インピーダンス
(数百KΩ)を信号レベルを変えることなく、低い出力
インピーダンス(数百Ω)に変換するための電子装置で
ある。さらにデホガー部13と金属製ボディの開口部1
0との間に、静電容量パターン部20を形成し、この静
電容量パターン部20を介して前記デホガー部13と前
記金属製ボディの開口部10との間を短絡させ、FM波
を静電容量パターン部20の垂直線部21で高周波的に
アースへ落とすようにしている。したがって上記垂直線
部21を設ける位置によって、前記スロット部15の等
価的な電気長(すなわち共振周波数)を調整可能であ
る。上記以外は前記第3実施例と同様に構成されてい
る。
【0029】上記の如く構成された第4実施例の自動車
用窓ガラスアンテナ装置に於ては、第1のアンテナパタ
ーン部12を構成する導体線Eが透明導電膜(半透明導
電膜も含む)Tによって覆われているため、この透明導
線膜Tにより第1のアンテナパターン部の実効面積が増
大し、電界形アンテナの放射に寄与するアンテナ静電容
量Caが、第3実施例の場合よりも大きくなる。また第
1のアンテナパターン部12と第1の給電線14との接
続部に、AM波用のアクティブインピーダンス変換器1
9を介在させているので、見掛け上のアンテナインピー
ダンスが数百Ω程度に低くなり、第1の給電線14での
損失が小さくなる。具体的にはー20dB以上の損失が
ー数dB程度になる。
【0030】さらに、デホガー部13の一部と金属製ボ
ディの開口部10との間に形成された静電容量パターン
部20の垂直線部21の位置によって、スロット部15
のスロット長を等価的に変化させ得るので、スロット部
15からなる磁界形アンテナを、所定の周波数(76〜
90MHz)で適確に共振させることが可能となる。上
記以外は第1実施例と同様の作用が生じる。
【0031】図5の(a)(b)は第1実施例〜第4実
施例に係る自動車用窓ガラスアンテナ装置の特性を示す
図である。(a)は窓ガラスアンテナに定在波が発生し
たときの電界と磁界との関係を示す図で、電界と磁界と
は位相が90°ずれた関係を有している。(b)は上記
窓ガラスアンテナの反射損失(リターンロス)特性を示
す図で、FM帯域内の反射損失はー9dB〜ー15dB
の範囲内に抑えられている。
【0032】(実験例)図6〜図10は本発明に係る実
験例を示す図で、図6はその実験品Vの具体的構成を示
す図である。図示の如く、第1のアンテナパターン部1
2は、金属製ボディの開口部10に嵌め込まれた車体後
部の窓ガラス11の上部領域(第1の領域)に設けられ
ている。すなわち、第1のアンテナパターン部12は、
その上端部が金属製ボディの開口部10の上縁部からギ
ャップG1 (40mm程度)だけ離れ、その左右両端部が
金属製ボディの開口部10の左右縁部から距離L1 (8
0mm程度)だけ離れた位置に設けられている。この第1
のアンテナパターン部12は、水平方向に延びる6本の
細い導体線Eが等間隔S1(15mm程度)で平行に配設
され、かつ上記導体線Eの左右両端部および中央部近傍
が導線12a〜12cで短絡された態様をなしている。
そして第1のアンテナパターン部12の水平方向の中心
位置OからL2 (50mm程度)だけ左方向へずれた位置
P、すなわち前記導線で短絡した略中央部の位置は、開
口部10の上縁部に取り付けてある同軸型給電線接続用
の端子T1 に接続されている。
【0033】デホガー部13は、窓ガラス11の中央領
域に設けられている。すなわちデホガー部13は、その
上端部が前記第1アンテナパターン部12の下側部から
ギャップG2(30mm程度)だけ離れ、その左右両端部
が金属製ボディの開口部10の左右縁部から上端部にお
いて距離L3 (15mm程度)だけ離間し、下端部におて
距離L4 (10mm程度)だけ離間した位置に設けられて
いる。このデホガー部13は、水平方向に延びる14本
の細いヒータ線Hが等間隔S2 (18mm程度)で平行に
配設され、かつ上記ヒータ線Hの左端部が中継導線13
cで短絡され、上記ヒータ線Hの右端部が上下7本づつ
正側導線13aおよび負側導線13bでそれぞれ短絡さ
れた態様をなしている。両導線13a,13bはそれぞ
れヒータ電源供給端子X,Yに接続されている。
【0034】第2アンテナパターン部16は、窓ガラス
11の下部領域(第2の領域)に設けられている。すな
わち第2アンテナパターン部16は、金属製ボディの開
口部10の左右方向の略中央部位において、その上端部
がデホガー部13の下側部からギャップG3 (13mm程
度)だけ離れ、下端部が金属製ボディの開口部10の下
縁部からギャップG4 (9mm程度)だけ離れた位置に設
けられている。この第2アンテナパターン部16は、水
平方向に延びる長さがL5(1093mm程度)の導体線E
からなる第1素子16aと、長さがL6 (720mm程
度)の導体線Eからなる第2素子16bとが、間隔S3
(20mm程度)だけ離間して平行に配設され、両者間が
導線16cで接続された態様をなしている。導線16c
による接続点は第1素子16aの右端部から距離L7
(175mm程度)だけ離れた位置である。第2アンテナ
パターン部16の第2素子16bの右端部は、開口部1
0の下縁部に取り付けてある同軸型給電線接続用の端子
T2に接続されている。
【0035】なお上記した実験品Vは、FM波に関して
は88〜108MHz 程度の比較的高い周波数帯域にお
いて良好な受信特性を示す如く設計されたものである。
図7の(a)は図6に示した実験品Vについてインピー
ダンス特性を実測した結果を示すスミスチャートであ
り、図7の(b)は同一実験品VについてVSWR特性
を実測した結果を示すグラフである。図7の(a)
(b)から分かるように、本実験品VはFM波帯域幅
(海外バンド)88〜108[MHz ]に亘って十分実
用化が可能なインピーダンス特性およびVSWR特性を
有している。
【0036】図8は、図6に示した実験品Vと従来品W
とを対比用試料として用い、第1アンテナパターン部1
2でAM波を受信した時のS.G出力(MOD 400
Hz,30%の送信波で、S/N=20dB(THD 略
10%)のラジオ音質を得るときのS.G出力)の周波
数特性について実測した結果を示す図である。
【0037】図9の(a)および(b)は、上記実験品
Vと従来品Wとを対比用試料として用い、第1アンテナ
パターン部12でFM波(水平偏波および垂直偏波)を
それぞれ受信した時のS.G出力(MOD 1KHz,D
EM 22.5KHz,の送信波で、S/N=30dB
(THD 略3%)のラジオ音質を得るときの周波数特
性について実測した結果を示す図である。
【0038】図10の(a)および(b)は、同じく実
験品Vと従来品Wとを対比用試料として用い、第2アン
テナパターン部16でFM波(水平偏波および垂直偏
波)をそれぞれ受信した時のS.G出力(MOD 1K
Hz,DEM 22.5KHz,の送信波で、S/N=30
dB(THD 略3%)のラジオ音質を得るときの周波
数特性について実測した結果を示す図である。
【0039】図8〜図10の実測結果から分かるよう
に、実験品Vは、比較的高い周波数帯域88〜108M
Hz 程度においては、従来品WよりもS.G出力のマイ
ナスの値が大きく、それだけ良好な受信特性を示すこと
が確認された。
【0040】(変形例)なお本発明は前記第1実施例〜
第4実施例および実験例に限定されるものではなく、下
記の如く変形実施可能である。例えば前記実施例では、
本発明を自動車用の窓ガラスアンテナ装置への適用例を
示したが、列車や船舶等の他の走行体あるいは建造物用
の窓ガラスアンテナ装置へも広く適用可能である。
【0041】(実施例のまとめ)実施例に示された窓ガ
ラスアンテナ装置の構成および作用効果をまとめると次
の通りである。 [1]実施例に示された窓ガラスアンテナ装置は、金属
製ボディの開口部10に嵌め込まれる窓ガラス11に設
けられた導体線Eからなるアンテナパターン部12と、
このアンテナパターン部12に接続された給電線14と
を備えており、AM波受信に関しては前記アンテナパタ
ーン部12が電界形アンテナとして働き、FM波受信に
関しては前記金属製ボディの開口部10と前記アンテナ
パターン部12の周囲との間に形成される非導電性のス
ロット部15がFM受信周波数に共振する磁界形アンテ
ナとして働くように構成されている。
【0042】したがって上記窓ガラスアンテナ装置にお
いては、AM波(540〜1620kHz )の受信時に
は、AM波の受信に適する如く形成された導体線Eから
なるアンテナパターン部12が電界形アンテナとして働
くため、良好なAM波受信が可能となる。またFM波
(76〜90MHz)の受信時には、金属製ボディの開
口部10とアンテナパターン部12の周囲との間に形成
されたスロット部15が磁界形アンテナとして働く。す
なわち上記スロット部15に形成されたFM受信周波数
に共振する回路が動作する。その結果、FM波帯域幅全
体に亘って良好なMSWR特性が得られることになる。 [2]実施例に示された窓ガラスアンテナ装置は、金属
製ボディの開口部10に嵌め込まれる窓ガラス11に張
り付けられたヒータ線Hからなるデホガー部13と、こ
のデホガー部13に隣接して前記窓ガラス11に設けら
れた導体線Eからなるアンテナパターン部12と、この
アンテナパターン部12に接続された給電線14とを備
えており、AM波受信に関しては前記アンテナパターン
部12が電界形アンテナとして働き、FM波受信に関し
ては前記金属製ボディの開口部10と前記デホガー部1
3の周囲と前記アンテナパターン部12の周囲との間に
形成される非導電性のスロット部15がFM受信周波数
に共振する磁界形アンテナとして働くように構成されて
いる。
【0043】したがって上記窓ガラスアンテナ装置にお
いては、アンテナパターン部12に隣接するデホガー部
13の存在によって非導電性のスロット部15が所要パ
ターンを呈することになるため、磁界形アンテナの機能
が適確に得られる。 [3]実施例に示された窓ガラスアンテナ装置は、金属
製ボディの開口部10に嵌め込まれる窓ガラス11の第
1の領域に設けられた導体線Eからなる第1のアンテナ
パターン部12と、この第1のアンテナパターン部12
に接続された第1の給電線14と、前記窓ガラス11の
前記第1の領域とは離間した第2の領域に設けられた導
体線Eからなる第2のアンテナパターン部16と、この
第2のアンテナパターン部16に接続された第2の給電
線17とを備えており、AM波受信に関しては前記第1
のアンテナパターン部12が電界形アンテナとして働
き、FM波受信に関しては前記金属製ボディの開口部1
0と前記アンテナパターン部12の周囲との間に形成さ
れる非導電性のスロット部15がFM受信周波数に共振
する磁界形の第1のFM波受信用アンテナとして働くと
共に、前記第2のアンテナパターン部16が電界形の第
2のFM波受信用アンテナとして働くようにし、上記第
1のFM波受信用アンテナと第2のFM波受信用アンテ
ナとで、FM波ダイバーシティ受信を可能とするように
構成されている。
【0044】したがって上記窓ガラスアンテナ装置にお
いては、スロット部15からなる磁界形アンテナと、第
2のアンテナパターン部16からなる線状の電界形アン
テナとで、[磁界/電界]ダイバーシティ受信が可能な
如く構成されているため、限られた狭小なスペース内で
ありながら、FM波ダイバーシティ受信を効果的に行な
うことができる。 [4]実施例に示された窓ガラスアンテナ装置は、金属
製ボディの開口部10に嵌め込まれる窓ガラス11に設
けられたヒータ線Hからなるデホガー部13と、このデ
ホガー部13の一側に隣接して前記窓ガラス11に張り
付けられた導体線Eからなる第1のアンテナパターン部
12と、この第1のアンテナパターン部12に接続され
た第1の給電線14と、前記デホガー部13の他側に隣
接して前記窓ガラス11に設けられた導体線Eからなる
第2のアンテナパターン部16と、この第2のアンテナ
パターン部16に接続された第2の給電線17とを備え
ており、AM波受信に関しては前記第1のアンテナパタ
ーン部12が電界形アンテナとして働き、FM波受信に
関しては前記金属製ボディの開口部10と前記デホガー
部13の周囲と前記第1のアンテナパターン部12の周
囲との間に形成される非導電性のスロット部15が、F
M受信周波数に共振する磁界形の第1のFM波受信用ア
ンテナとして働くと共に、前記第2のアンテナパターン
部16が、電界形の第2のFM波受信用アンテナとして
働くようにし、上記第1のFM波受信用アンテナと第2
のFM波受信用アンテナとで、FM波ダイバーシティ受
信を可能とするように構成されている。
【0045】したがって上記窓ガラスアンテナ装置にお
いては、一方において、第1のアンテナパターン部12
に隣接するデホガー部13の存在によって、非導電性の
スロット部15が所要パターンを呈することになる為、
磁界形アンテナの機能が適確に得られる。そして他方に
おいて、スロット部15からなる磁界形アンテナと、第
2のアンテナパターン部16からなる線状の電界形アン
テナとで、[磁界/電界]ダイバーシティ受信が可能な
如く構成されているため、限られた狭小なスペース内で
ありながら、FM波ダイバーシティ受信を効果的に行な
うことが可能となる。 [5]実施例に示された窓ガラスアンテナ装置は、前記
[1]〜[4]にそれぞれ記載の窓ガラスアンテナ装置
であって、アンテナパターン部12が、導体線Eを透明
導電膜(半透明導電膜も含む)Tで覆ったものであるこ
とを特徴としている。
【0046】したがって上記窓ガラスアンテナ装置にお
いては、導体線Eが透明導電膜(半透明導電膜も含む)
Tによって覆われているため、この透明導線膜Tにより
第1のアンテナパターン部12の実効面積が増大し、電
界形アンテナの放射に寄与するアンテナ静電容量Ca
が、より大きなものとなる。 [6]実施例に示された窓ガラスアンテナ装置は、前記
[1]〜[4]にそれぞれ記載の窓ガラスアンテナ装置
であって、かつ給電線14はアンテナパターン部12の
中央部から一方へ所定距離だけずれた位置に接続されて
いることを特徴としている。
【0047】したがって上記窓ガラスアンテナ装置にお
いては、アンテナパターン部12と給電線14との整合
が良好に行なわれ、広帯域化がはかれる。 [7]実施例に示された窓ガラスアンテナ装置は、前記
[1]〜[4]にそれぞれ記載の窓ガラスアンテナ装置
であって、かつアンテナパターン部12と給電線15と
の接続部に、AM波用のアクティブインピーダンス変換
器19を介在させたことを特徴としている。
【0048】したがって上記窓ガラスアンテナ装置にお
いては、第1のアンテナパターン部12と第1の給電線
14との接続部に、AM波用のアクティブインピーダン
ス変換器19を介在させているので、見掛け上のアンテ
ナインピーダンスが数百Ω程度に低くなり、第1の給電
線14での損失が小さくなる。具体的にはー20dB以
上の損失がー数dB程度になる。 [8]実施例に示された窓ガラスアンテナ装置は、前記
[2]または[4]にそれぞれ記載の窓ガラスアンテナ
装置であって、かつデホガー部13と金属製ボディの開
口部10との間に、静電容量パターン部20を形成し、
この静電容量パターン部20を介して前記デホガー部1
3と前記金属製ボディの開口部10との間を短絡させ、
FM波を静電容量パターン部20の垂直線部21で高周
波的にアースへ落とすようにしている。
【0049】したがって上記窓ガラスアンテナ装置にお
いては、デホガー部13の一部と金属製ボディの開口部
10との間に形成された静電容量パターン部20の垂直
線部21の位置によって、スロット部15のスロット長
を等価的に変化させ得るので、スロット部15からなる
磁界形アンテナを、所定の周波数(76〜90MHz)
で適確に共振させることが可能となる。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、下記の窓ガラスアンテ
ナ装置を提供することができる。 (a) 高利得,広帯域,低雑音なAM/FM波受信特性を
有する窓ガラスアンテナ装置。
【0051】(b) 効果的なFM波のダイバーシティ受信
が可能な窓ガラスアンテナ装置。 (c) 複雑で高価格な高周波チョークコイル、補償回路、
広帯域増幅器などを必要とせず、信頼性に優れている
上、安価に製作可能な窓ガラスアンテナ装置。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る窓ガラスアンテナ装置の
構成を示す図で、(a)は第1実施例に係る自動車用窓
ガラスアンテナ装置の構成を示す図、(b)は第2実施
例に係る自動車用窓ガラスアンテナ装置の構成を示す
図。
【図2】本発明の第1実施例に係る自動車用窓ガラスア
ンテナ装置の受信機能を説明するための図で、(a)は
AM波の受信機能説明図、(b)はFM波の受信機能説
明図。
【図3】本発明の実施例に係る窓ガラスアンテナ装置の
構成を示す図で、(a)は第3実施例に係る自動車用窓
ガラスアンテナ装置の構成を示す図、(b)は第4実施
例に係る自動車用窓ガラスアンテナ装置の構成を示す
図。
【図4】本発明の第3実施例に係る自動車用窓ガラスア
ンテナ装置の受信機能を説明するための図で、(a)は
AM波の受信機能説明図、(b)はFM波の受信機能説
明図。
【図5】本発明の第1実施例〜第4実施例に係る自動車
用窓ガラスアンテナ装置の特性を示す図で、(a)は窓
ガラスアンテナに定在波が発生したときの電界と磁界と
の関係を示す図、(b)は窓ガラスアンテナのリターン
ロス特性を示す図。
【図6】本発明の実験例に係る実験品の具体的構成を示
す図である
【図7】本発明の実験例に係る実験品についての特性実
測図で、(a)はインピーダンス特性を示すスミスチャ
ート、(b)はVSWR特性を示す図。
【図8】本発明の実験例に係る実験品の特性とと従来品
の特性とを対比して示す特性実測図で、第1のアンテナ
パターン部でAM波を受信した時のS.G出力に関する
周波数特性図。
【図9】本発明の実験例に係る実験品の特性と従来品の
特性とを対比して示す特性実測図で、(a)は第1のア
ンテナパターン部でFM波(水平偏波)を受信した時の
S.G出力に関する周波数特性図、(b)は第1のアン
テナパターン部でFM波(垂直偏波)を受信した時の
S.G出力に関する周波数特性図。
【図10】本発明の実験例に係る実験品の特性と従来品
の特性とを対比して示す特性実測図で、(a)は第2の
アンテナパターン部でFM波(水平偏波)を受信した時
のS.G出力に関する周波数特性図、(b)は第2のア
ンテナパターン部でFM波(垂直偏波)を受信した時の
S.G出力に関する周波数特性図。
【図11】従来例に係る自動車用窓ガラスアンテナ装置
の構成を示す図。
【符号の説明】
10…金属製ボディの開口部 11…窓ガラス 12…第1のアンテナパターン部 13…デホガー部 14…第1の給電線 15…スロット部 16…第2のアンテナパターン部 17…第2の給電
線 18…電源回路 19…アクティブ
インピーダンス変換器 20…静電容量パターン部 21…垂直部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属製ボディの開口部に嵌め込まれる窓ガ
    ラスに設けられた導体線からなるアンテナパターン部
    と、 このアンテナパターン部に接続された給電線と、 を備え、AM波受信に関しては前記アンテナパターン部
    が電界形アンテナとして働き、FM波受信に関しては前
    記金属製ボディの開口部と前記アンテナパターン部の周
    囲との間に形成される非導電性スロット部がFM受信周
    波数に共振する磁界形アンテナとして働くようにしたこ
    とを特徴とする窓ガラスアンテナ装置。
  2. 【請求項2】金属製ボディの開口部に嵌め込まれる窓ガ
    ラスに設けられたヒータ線よりなるデホガー部と、 このデホガー部に隣接して前記窓ガラスに設けられた導
    体線からなるアンテナパターン部と、 このアンテナパターン部に接続された給電線と、 を備え、AM波受信に関しては前記アンテナパターン部
    が電界形アンテナとして働き、FM波受信に関しては前
    記金属製ボディの開口部と前記デホガー部の周囲と前記
    アンテナパターン部の周囲との間に形成される非導電性
    のスロット部がFM受信周波数に共振する磁界形アンテ
    ナとして働くようにしたことを特徴とする窓ガラスアン
    テナ装置。
  3. 【請求項3】金属製ボディの開口部に嵌め込まれる窓ガ
    ラスの第1の領域に設けられた導体線からなる第1のア
    ンテナパターン部と、 この第1のアンテナパターン部に接続された第1の給電
    線と、 前記窓ガラスの前記第1の領域とは離間した第2の領域
    に設けられた導体線からなる第2のアンテナパターン部
    と、 この第2のアンテナパターン部に接続された第2の給電
    線と、 を備え、AM波受信に関しては前記第1のアンテナパタ
    ーン部が電界形アンテナとして働き、FM波受信に関し
    ては前記金属製ボディの開口部と前記アンテナパターン
    部の周囲との間に形成される非導電性のスロット部がF
    M受信周波数に共振する磁界形の第1のFM波受信用ア
    ンテナとして働くと共に、前記第2のアンテナパターン
    部が電界形の第2のFM波受信用アンテナとして働くよ
    うにし、上記第1のFM波受信用アンテナと第2のFM
    波受信用アンテナとで、FM波ダイバーシティ受信を可
    能としたことを特徴とする窓ガラスアンテナ装置。
  4. 【請求項4】金属製ボディの開口部に嵌め込まれる窓ガ
    ラスに設けられたヒータ線からなるデホガー部と、 このデホガー部の一側に隣接して前記窓ガラスに設けら
    れた導体線からなる第1のアンテナパターン部と、 この第1のアンテナパターン部に接続された第1の給電
    線と、 前記デホガー部の他側に隣接して前記窓ガラスに設けら
    れた導体線からなる第2のアンテナパターン部と、 この第2のアンテナパターン部に接続された第2の給電
    線と、 を備え、AM波受信に関しては前記第1のアンテナパタ
    ーン部が電界形アンテナとして働き、FM波受信に関し
    ては前記金属製ボディの開口部と前記デホガー部の周囲
    と前記第1のアンテナパターン部の周囲との間に形成さ
    れる非導電性のスロット部がFM受信周波数に共振する
    磁界形の第1のFM波受信用アンテナとして働くと共
    に、前記第2のアンテナパターン部が電界形の第2のF
    M波受信用アンテナとして働くようにし、上記第1のF
    M波受信用アンテナと第2のFM波受信用アンテナと
    で、FM波ダイバーシティ受信を可能としたことを特徴
    とする窓ガラスアンテナ装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015076322A (ja) * 2013-10-10 2015-04-20 株式会社豊田自動織機 ウインドウ用面状発熱体および車両用窓
EP3300168A4 (en) * 2015-05-22 2018-12-05 Nippon Sheet Glass Company, Limited Vehicle window glass and glass antenna for dab

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