JPH08203757A - 内燃機関用点火コイル - Google Patents

内燃機関用点火コイル

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JPH08203757A
JPH08203757A JP7011901A JP1190195A JPH08203757A JP H08203757 A JPH08203757 A JP H08203757A JP 7011901 A JP7011901 A JP 7011901A JP 1190195 A JP1190195 A JP 1190195A JP H08203757 A JPH08203757 A JP H08203757A
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JP
Japan
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spool
coil
primary
internal combustion
combustion engine
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JP7011901A
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English (en)
Inventor
Masayasu Adachi
安達  雅泰
Kazutoyo Osuga
一豊 大須賀
Masami Kojima
政美 小島
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁路構成部材に帯電した高電圧が低電圧側に
漏れることを防止する内燃機関用点火コイルを提供す
る。 【構成】 内燃機関用点火コイルは、鉄心502と磁石
504等からなる磁路構成部材と、この磁路構成部材の
外周に設けられる二次スプール510と、この二次スプ
ール510に巻装される二次コイル512と、二次スプ
ール510の外周に設けられる一次スプール514と、
この一次スプール514に巻装される一次コイル516
と、二次コイル512の一端から引き出され一次ターミ
ナル20に電気的に接続される引出線512aとを備え
ている。この引出線512aと磁路構成部材である鉄心
502と磁石504との間には、一次スプール514の
一端部に形成される筒部514fと二次スプール510
の一端部に形成される筒部510fとが位置しているこ
とから、鉄心502および磁石504と引出線512a
との間の絶縁耐力を増加させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関用点火コイル
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、内燃機関に設けられる点火コ
イルには、点火コイル内で発生させる高電圧の漏れを防
ぐ(以下「高電圧封止」という)ため、エポキシ樹脂等
を封入したものがある。ところが、このような従来のエ
ポキシ樹脂等を封入した点火コイルによると、機関本体
の近傍、例えばエンジンバンク、エンジンヘッド等に搭
載するために要求される小型、軽量化により点火コイル
内の絶縁距離の減少した場合、エポキシ樹脂のクラック
等の欠陥による絶縁低下を招き易くなり、絶縁破壊の原
因になるという問題がある。
【0003】そこで、特表昭60−501961号公報
に開示されている内燃機関点火装置の点火器は、フェラ
イト芯の外周に位置する筒に巻かれた二次巻線とこの筒
の外周に位置する筒に巻かれた一次巻線との間に高圧絶
縁油(以下「絶縁油」という)を封入することで、一次
巻線と二次巻線との間の高電圧封止を行い、前述の問題
を解決している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特表昭
60−501961号公報に開示されている内燃機関点
火装置の点火器によると、例えば絶縁油の液面が一次お
よび二次巻線の双方の端部に浸る程度に絶縁油が充填さ
れ、一次および二次巻線の双方の端部上方に絶縁油が充
填されない空気空間がある場合、点火器を傾けて取付け
ることにより、一次および二次巻線の端部が絶縁油の液
面から露出することがある。つまり、V型内燃機関等に
この点火器を取付けると、露出した一次巻線の端部と二
次巻線の端部と間では、絶縁油による高電圧封止が行わ
れないことから、絶縁耐力が低下し高電圧が漏れるおそ
れがある。このため、各気筒に点火コイルを傾けて取付
けるタイプのV型内燃機関等にこの点火器を使用するこ
とは困難であった。
【0005】また、点火コイルの構成によっては、磁路
構成部材である中心コアの軸方向長さが一次および二次
巻線の巻幅より長い場合、前述のように、点火コイルを
傾けて取付けると中心コアの端部が絶縁油から露出する
ことがある。すると、中心コアは電気的にどこにも接続
されていないことから、中心コアには二次巻線で発生す
る高電圧が帯電し、この帯電した高電圧が低電圧側配線
等に漏れるおそれがあり、漏れた高電圧によって低電圧
側回路の性能の低下を招くという問題がある。
【0006】本発明の目的は、磁路構成部材に帯電した
高電圧が低電圧側に漏れることを防止する内燃機関用点
火コイルを提供することである。また本発明の別の目的
は、傾けた状態での使用が可能な内燃機関用点火コイル
を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めの本発明による請求項1記載の内燃機関用点火コイル
は、磁束を通す棒状の磁路構成部材と、前記磁路構成部
材の外周に設けられる内側スプールと、前記内側スプー
ルに巻装される内側コイルと、前記内側スプールの外周
に設けられる外側スプールと、前記外側スプールに巻装
される外側コイルと、前記内側コイルと前記外側コイル
とを電気的に接続する配線とを備え、前記磁路構成部材
と前記配線との間には前記内側スプールの一部が介在す
ることを特徴とする。
【0008】また、本発明による請求項2記載の内燃機
関用点火コイルは、請求項1記載の内燃機関用点火コイ
ルにおいて、前記磁路構成部材と前記配線との間には、
前記内側スプールの一部と前記外側スプールの一部とが
介在することを特徴とする。さらに、本発明による請求
項3記載の内燃機関用点火コイルは、請求項2記載の内
燃機関用点火コイルにおいて、前記内側スプールの一部
と前記外側スプールの一部とは互いに入れ子に位置する
ことを特徴とする。
【0009】さらにまた、本発明による請求項4記載の
内燃機関用点火コイルは、請求項2または3記載の内燃
機関用点火コイルにおいて、前記内側スプールの一部
は、前記内側スプールと同心上に位置する筒体であるこ
とを特徴とする。また、本発明による請求項5記載の内
燃機関用点火コイルは、請求項2、3または4記載の内
燃機関用点火コイルにおいて、前記外側スプールの一部
は、前記外側スプールと同心上に位置する筒体であるこ
とを特徴とする。
【0010】さらに、本発明による請求項6記載の内燃
機関用点火コイルは、請求項1〜5のいずれか一項記載
の内燃機関用点火コイルにおいて、前記磁路構成部材
は、前記磁路構成部材の一端部に接する前記内側スプー
ルと前記磁路構成部材の他端部に接する前記外側スプー
ルとの間に挟持されることを特徴とする。
【0011】
【作用および発明の効果】本発明の請求項1記載の内燃
機関用点火コイルによると、内側コイルと外側コイルと
を電気的に接続する配線と磁路構成部材との間には、内
側スプールの一部が介在することから、この内側スプー
ルの一部の外壁面による沿面距離が増加する。これによ
り、配線と磁路構成部材との間の絶縁耐力を増加させる
効果がある。したがって、内燃機関用点火コイルを傾け
た状態で使用した場合、例えば高電圧封止用に封入した
絶縁油の液面が変動し配線と磁路構成部材との間に絶縁
油が満たされなくても、所定の絶縁耐力を確保でき、内
燃機関用点火コイルを傾けて取付けるタイプのV型内燃
機関等に使用できる効果がある。
【0012】また、本発明の請求項2記載の内燃機関用
点火コイルによると、磁路構成部材と配線との間には、
内側スプールの一部と外側スプールの一部とが介在する
ことから、内側スプールの一部の外壁面と外側スプール
の一部の外壁面とによる沿面距離が増加ため、配線と磁
路構成部材との間の絶縁耐力をさらに増加させ、配線と
磁路構成部材との間の沿面放電を阻止できる効果があ
る。
【0013】さらに、本発明の請求項3記載の内燃機関
用点火コイルによると、内側スプールの一部と外側スプ
ールの一部とは互いに入れ子に位置することから、内側
スプールの一部の外壁面と外側スプールの一部の外壁面
とによる沿面距離がさらに増加する。これにより、配線
と磁路構成部材との間の絶縁耐力を一段と増加させ、配
線と磁路構成部材との間の沿面放電をより効果的に阻止
できる。
【0014】さらにまた、本発明の請求項4または5記
載の内燃機関用点火コイルによると、内側スプールの一
部または外側スプールの一部は、内側スプールまたは外
側スプールと同心上に位置する筒体であることから、例
えば点火コイル内に高電圧封止用の絶縁油が封入される
場合、内側スプールの一部と外側スプールの一部との間
に形成される隙間に毛細管現象により絶縁油が残留す
る。すると、配線と磁路構成部材との間の絶縁耐力がよ
り増加し、点火コイルを傾けて使用した場合の高電圧封
止に対する信頼性が向上する効果がある。
【0015】さらに、本発明の請求項6記載の内燃機関
用点火コイルによると、磁路構成部材は、磁路構成部材
の一端部に接する内側スプールと磁路構成部材の他端部
に接する外側スプールとの間に挟持されることから、例
えば点火コイルを傾けて使用したり、振動が加わる環境
で使用したりしても磁路構成部材が移動することなく、
配線と磁路構成部材との間隔を所定距離に維持すること
ができる。これにより、配線と磁路構成部材との間の絶
縁耐力を所定値に確保できる効果がある。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。 (第1実施例)本発明の第1実施例による内燃機関用点
火コイルを図1〜図5に示す。図2に示すように、点火
コイル2は、主に円筒状のトランス部5と、このトラン
ス部5の一方の端部に位置しトランス部5の一次電流を
断続する図示しない制御回路部と、トランス部5の他方
の端部に位置しトランス部5の二次電圧を図示しない点
火プラグに供給する接続部6とから構成されている。
【0017】点火コイル2は、前述の点火コイルのハウ
ジングである樹脂材料からなる円筒状のケース100を
備えており、このケース100の内側に形成されている
収容室102内には、高電圧発生用のトランス部5と図
示しない制御回路部とトランス部5の周囲を満たす絶縁
油29とが収容されている。収容室102の上端部に
は、制御信号入力用コネクタ9と固定用ブラケット11
とが設けられ、また収容室102の下端部には、後述す
るカップ15の底部により閉塞された底部104が形成
されている。このカップ15の外周壁は、ケース100
の下端に位置する接続部6に覆われている。
【0018】接続部6には、ケース100によって図示
しない点火プラグを収容する筒部105が形成され、こ
の筒部105の開口端にはゴムからなるプラグキャップ
13が装着されている。筒部105の上端に位置する底
部104には、導電部材としての金属製のカップ15が
ケース100の樹脂材料中にインサート成形されてい
る。このため、収容室102と接続部6とは液密に区画
されている。
【0019】カップ15の底部に係止されているスプリ
ング17は、圧縮コイルスプリングからなり、接続部6
内に挿入される図示しない点火プラグの電極部がスプリ
ング17の他端部に電気的に接触するようになってい
る。制御信号入力用コネクタ9は、コネクタハウジング
18とコネクタピン19とから構成されている。コネク
タハウジング18は、ケース100と一体成形されてお
り、このコネクタハウジング18内に位置する3本のコ
ネクタピン19がケース100を貫通し外部と接続可能
にコネクタハウジング18にインサート成形されてい
る。
【0020】固定用ブラケット11は、ケース100と
一体成形され、金属製のカラー21がインサート成形さ
れている。点火コイル2は、このカラー21に貫通して
設けられるボルトにより図示しないエンジンヘッドカバ
ーに固定される。ケース100の上側には、トランス部
5、図示しない制御回路部、絶縁油29等をケース10
0の外部から収容室102に収容するための開口部10
0aが形成されている。この開口部100aは、樹脂製
の蓋31およびOリング32により液密に閉塞されてい
る。
【0021】トランス部5は、鉄心502、磁石50
4、506、二次スプール510、二次コイル512、
一次スプール514および一次コイル516から構成さ
れている。円柱状の鉄心502は、薄い珪素鋼板を断面
がほぼ円形となるように重ねて組立られている。この鉄
心502の両端には、コイルにより励磁されて発生する
磁束の方向とは逆方向の極性を有する磁石504、50
6がそれぞれ粘着テープにより固定されている。
【0022】樹脂成形品である二次スプール510は、
両端部に鍔部を有する有底円筒状に形成されており、底
部510aにより下端部がほぼ閉塞されている。この二
次スプール510の内部には、前記鉄心502と磁石5
06とが収容され、二次スプール510の外周には二次
コイル512が巻回されている。底部510aには、二
次コイル512の一端から引き出される図示しない引出
線が電気的に接続されたターミナルプレート33が固定
され、このターミナルプレート33にカップ15と接触
するためのスプリング27が固定されている。これらタ
ーミナルプレート15とスプリング27とがスプール側
導電部材として機能し、二次コイル516に誘起された
高電圧がターミナルプレート33、スプリング27、カ
ップ15、スプリング17を経由して図示しない点火プ
ラグの電極部に供給される。
【0023】一方、図1および図3に示すように、底部
510aの反対側端部には、二次スプール510と同心
上に筒部510fが延出して形成されている。そして、
二次コイル512の他端から引き出される引出線512
aが、この筒部510fの外壁に形成されるガイド51
0gに沿うようにして二次スプール510の端部方向に
向って延びている。この引出線512aは、後述する低
電圧側の一次ターミナル20に電気的に接続されること
から、引出線512aの電位は10V程度になる。ここ
で、図3には組付前の二次スプール510が示されてい
る。
【0024】樹脂成形品である一次スプール514は、
両端部に鍔部を有する有底円筒状に形成されており、蓋
部514aにより上端部がほぼ閉塞されている。この一
次スプール514の外周には一次コイル516が巻回さ
れている。図1および図4に示すように、一次スプール
514の内側の蓋部514aには、一次スプール514
の下端部側に延びる筒部514fが一次スプール514
と同心上に形成されるとともに、開口部514dと孔部
514gとが形成されている。この筒部514fは、前
述の二次スプール510と一次スプール514とを組付
けたとき、二次スプール510の筒部510fの内側に
同心円となって位置するように形成されている。この筒
部514fの外周壁の外径は筒部510fの内周壁の内
径より僅かに小さく形成されており、筒部514fと筒
部510fとの間には毛細管現象により絶縁油29が溜
まる程度の隙間520が形成されている。したがって、
一次スプール514と二次スプール510と組付ける
と、鉄心502および磁石504と引出線512aとの
間に筒部514fと筒部510fとが位置することにな
り、鉄心502および磁石504と引出線512aとの
間の絶縁耐力が増加する。
【0025】また、図4に示すように、蓋部514aに
は一次ターミナル20が保持されており、この一次ター
ミナル20にはコネクタ9のコネクタピン19、図示し
ない制御回路部が電気的に接続されている。ここで、図
4には組付前の一次スプール514が示されている。図
5には、一次スプール514と二次スプール510との
組付後の状態が示されており、組付後、二次スプール5
10に形成されたガイド510gが一次スプール514
に形成された孔部514gから見えるように位置してい
る。これにより、前述した引出線512aが孔部514
gを通り抜けた後、蓋部514aに保持された一次ター
ミナル20に電気的に接続されている。また一次ターミ
ナル20には、図示しない制御回路部から3本のリード
が引き出されたリードが電気的に接続されている。この
ように引出線512aは二次スプール510の端部から
一次スプール514の蓋部514aを貫通して延びてい
る。
【0026】さらに、蓋部514aには、一次スプール
514の下端部側に延びる突起部514eが形成されて
おり、この突起部514eにより鉄心502に取付けら
れた磁石504が蓋部514aに固定されている。した
がって、一次スプール514と二次スプール510との
組付時、一次スプール514の蓋部514aと二次スプ
ール510の底部510aとの間に、両端に磁石50
4、506を備えた鉄心502が挟持される。
【0027】一次スプール514のさらに外側には、補
助コア508が装着されている。この補助コア508
は、薄い珪素鋼板を筒状に巻回し、巻回開始端と巻回終
了端とを接続しないことから軸方向に隙間を形成してお
り、磁石504の外周位置から磁石506の外周位置に
わたる軸方向長さを有する。トランス部5等が収容され
ている収容室102内には、収容室102の上端部に僅
かの空気空間を残して絶縁油29が充填されている。絶
縁油29は、一次スプール514の下側開口端、一次ス
プール514の蓋部514aのほぼ中央部に開設された
開口514d、二次スプール510の上側開口端および
開口510dを通して侵入し、鉄心502、二次コイル
512、一次コイル516、補助コア508等の間の電
気絶縁を確実なものとしている。
【0028】次に、例えばV型内燃機関に点火コイルを
傾けて使用した場合について、図1および図6に基づい
て説明する。ここで、図6には、従来の比較例による点
火コイル60の要部拡大図が示されている。図6に示す
ように、比較例の点火コイル60は、本実施例による点
火コイル2とほぼ同一の構成からなり、二次スプール6
10および一次スプール614の形状が点火コイル2の
二次スプール510および一次スプール514と異な
る。つまり、二次スプール610および一次スプール5
14には、点火コイル2の二次スプール510に形成さ
れている筒部510fおよび一次スプール514に形成
されている筒部514fが形成されていない。したがっ
て、一次スプール614と二次スプール610と組付け
たとき、鉄心502および磁石504と引出線512a
との間に間隙Cが形成されることになる。
【0029】点火コイル60を内燃機関本体にほぼ鉛直
に取付けた状態(以下「鉛直状態」という)で使用する
とき、この間隙C、すなわち鉄心502および磁石50
4と引出線512aとの間には高電圧封止用の絶縁油2
9が満たされることから、鉄心502、磁石504およ
び磁石506に二次コイル512で発生する10kV程
度の高電圧が帯電しても、10V程度の電位を有する引
出線512aにこの帯電した高電圧が漏れることをこの
絶縁油29によって防止されている。
【0030】ところが、図6に示すように、点火コイル
60を傾けて使用した場合、絶縁油29の液面29bが
傾くことから、鉛直状態の使用では生じなかった「絶縁
油29が満たされない空間」が間隙Cに生ずる。つま
り、この「絶縁油29が満たされない空間」によって、
鉄心502および磁石504と引出線512aとの間の
絶縁耐力が低下することになる。したがって、鉄心50
2、磁石504および磁石506に帯電した10kV程
度の高電圧が10V程度の電位を有する引出線512a
に漏れるおそれがある。また引出線512aに高電圧が
漏れた場合、この引出線512aが電気的に接続される
図示しない制御回路部の性能の低下または故障等を招く
おそれがある。
【0031】この比較例の点火コイル60に対し、本実
施例の点火コイル2によると、二次スプール510に形
成される筒部510fと、一次スプール514に形成さ
れる筒部514fとが図6に示す間隙Cに位置すること
から、鉄心502および磁石504と引出線512aと
の間の縁面距離が増加することになる。これにより、鉄
心502および磁石504と引出線512aとの間の絶
縁耐力が増加する効果がある。
【0032】また、図1に示すように、点火コイル2を
傾けて使用した場合、絶縁油29の液面29aが傾き、
鉄心502および磁石504と引出線512aとの間に
絶縁油29が満たされない状態になっても、筒部510
fと筒部514fとの隙間520には毛細管現象により
絶縁油29が残留する。したがって、鉄心502および
磁石504と引出線512aとの間の絶縁耐力がさらに
増加し、点火コイル2を傾けて使用した場合の高電圧封
止に対する信頼性が向上する効果がある。
【0033】さらに、図1に示すように、一次スプール
514に形成される突起部514eにより磁路構成部材
である鉄心502、磁石504および磁石506の取付
位置が決定でき、一次スプール514に形成される筒部
514fと二次スプール510に形成される筒部510
fとにより二次スプール510の取付位置が決定でき
る。これにより、組付時、一次スプール514に巻回さ
れる一次コイル516と、二次スプール510に巻回さ
れる二次コイル512と、鉄心502、磁石504およ
び磁石506との間隔が容易に決定できる効果がある。
したがって、鉄心502、磁石504および磁石506
と二次コイル512との間隔を低コストに管理できる効
果がある。
【0034】(第2実施例)本発明の第2実施例による
内燃機関用点火コイルの二次スプールの平面図を図7に
示す。図7に示す第2実施例は、第1実施例の二次スプ
ール510の筒部510fおよび一次スプール514の
筒部514fの形状の変形例である。
【0035】二次スプール710は、第1実施例の二次
スプール510とほぼ同様の形状からなり、第1実施例
の二次スプール510の筒部510fの形状を筒状にす
ることなく、二次スプール710の端部には、二次スプ
ール710に巻回された二次コイル712の引出線71
2aが引き出される位置に二次スプール710の軸方向
に向って延びる板状の壁部710fが形成されている。
また図示しない一次スプールの端部には、一次スプール
に巻回された一次コイルの引出線が引き出される位置に
一次スプールの軸方向に向って延びる図示しない板状の
壁部が形成されている。つまり、二次スプール710と
図示しない一次スプールとを組付けると、第1実施例と
同様、二次スプール710の内側に位置する図示しない
鉄心および磁石と引出線712aとの間に壁部710f
と一次スプールの図示しない壁部とが位置することにな
る。したがって、一次スプールと二次スプール710の
それぞれの端部に筒状の筒部を設けることなく、簡素な
形状の壁部710fを形成することで、鉄心および磁石
と引出線712aとの間の絶縁耐力を増加させる効果が
ある。
【0036】(第3実施例)本発明の第3実施例による
内燃機関用点火コイルの模式的構成図を図8に示す。第
1実施例と実質的に同一の構成部分については、同一符
号を付す。図8に示す第3実施例は、第1実施例の二次
スプール510の筒部510fの形状の変形例である。
【0037】一次スプール814は、第1実施例の一次
スプール514とほぼ同様の形状からなり、一次スプー
ル814の外囲には一次コイル816が巻回されてい
る。一次スプール814は、第1実施例の一次スプール
514の筒部514fを取除いた形状に形成されてい
る。二次スプール810は、第1実施例の二次スプール
510とほぼ同様の形状からなり、二次スプール810
の外囲には二次コイル812が巻回され、第1実施例と
同様、引出線812aが引き出されている。二次スプー
ル810の端部には、第1実施例の二次スプール510
の筒部510fを厚肉にした形状からなる筒部810f
が形成されている。つまり、二次スプール810の内側
に位置する鉄心502および磁石504と引出線812
aとの間には、肉厚の筒部810fが位置することにな
り、鉄心502および磁石504と引出線812aとの
間の沿面距離が十分に確保される。したがって、一次ス
プール814と二次スプール810の双方に筒状の筒部
を設けることなく、二次スプール810の端部に厚肉の
筒部810fを形成することで、鉄心502および磁石
504と引出線812aとの間の絶縁耐力を増加させる
効果がある。また、一次スプール814と二次スプール
810のうち、片側の二次スプール810にだけ筒部8
10fを形成すれば良いことから、製造コストを削減す
る効果がある。
【0038】なお、第3実施例では、二次スプール81
0に厚肉の筒部810fを形成したが、本発明では、磁
路構成部材である鉄心、磁石等と二次コイルの引出線と
の間の沿面距離を増加させる電気的に絶縁特性を有する
部材であればこれに限られることはなく、一次スプール
または二次スプールのうち、一方のスプールの一部に厚
肉の筒部、壁部等を形成しても良い。
【0039】(第4実施例)本発明の第4実施例による
内燃機関用点火コイルの模式的構成図を図9に示す。第
1実施例と実質的に同一の構成部分については、同一符
号を付す。図9に示す第4実施例は、第1実施例の二次
スプール510の筒部510fの形状の変形例である。
【0040】一次スプール914は、第1実施例の一次
スプール514とほぼ同様の形状からなり、一次スプー
ル914の外周には図示しない一次コイルが巻回されて
いる。一次スプール914は、第1実施例の一次スプー
ル514の筒部514fの形成位置を僅かに径方向外側
に移動させることで、後述する二次スプール910の筒
部910a、910bの間に位置するように筒部914
aが形成されている。
【0041】二次スプール910は、第1実施例の二次
スプール510とほぼ同様の形状からなり、二次スプー
ル910の外周には図示しない二次コイルが巻回され、
第1実施例と同様、引出線912aが引き出されてい
る。二次スプール910の端部には、一次スプール91
4の筒部914aと同心上に同心円として位置し、かつ
筒部914aの側壁を両側から挟むような位置に筒部9
10a、910bが形成されている。つまり、一次スプ
ール914の筒部914aと二次スプール910の筒部
910a、910bとは互いに入れ子に位置している。
したがって、二次スプール910の内側に位置する鉄心
502および磁石504と引出線912aとの間には、
筒部910aと筒部914aと筒部910bとが位置す
ることになり、鉄心502および磁石504と引出線9
12aとの間の沿面距離が十分に確保される。なお、符
号29cは絶縁油29の液面である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による内燃機関用点火コイ
ルの図2に示す一点鎖線Aの円内拡大図である。
【図2】本発明の第1実施例による内燃機関用点火コイ
ルの縦断面図である。
【図3】図2に示すB方向矢視による二次スプールの平
面図である。
【図4】図2に示すB方向矢視による一次スプールの平
面図である。
【図5】図2に示すB方向矢視による一次スプールと二
次スプールを組付けた状態の平面図である。
【図6】従来の比較例による内燃機関用点火コイルの要
部拡大図である。
【図7】本発明の第2実施例による二次スプールの平面
図である。
【図8】本発明の第3実施例による内燃機関用点火コイ
ルの要部を示す模式的構成図である。
【図9】本発明の第4実施例による内燃機関用点火コイ
ルの要部を示す模式的構成図である。
【符号の説明】
2 点火コイル 5 トランス部 6 接続部 100 ケース 502 鉄心 (磁路構成部材) 504、506 磁石 (磁路構成部材) 508 補助コア 510 二次スプール(内側スプール) 510f 筒部 (内側スプールの一部) 512 二次コイル (内側コイル) 512a 引出線 (配線) 514 一次スプール(外側スプール) 514f 筒部 (外側スプールの一部) 516 一次コイル (外側コイル)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁束を通す棒状の磁路構成部材と、 前記磁路構成部材の外周に設けられる内側スプールと、 前記内側スプールに巻装される内側コイルと、 前記内側スプールの外周に設けられる外側スプールと、 前記外側スプールに巻装される外側コイルと、 前記内側コイルと前記外側コイルとを電気的に接続する
    配線とを備え、 前記磁路構成部材と前記配線との間には前記内側スプー
    ルの一部が介在することを特徴とする内燃機関用点火コ
    イル。
  2. 【請求項2】 前記磁路構成部材と前記配線との間に
    は、前記内側スプールの一部と前記外側スプールの一部
    とが介在することを特徴とする請求項1記載の内燃機関
    用点火コイル。
  3. 【請求項3】 前記内側スプールの一部と前記外側スプ
    ールの一部とは互いに入れ子に位置することを特徴とす
    る請求項2記載の内燃機関用点火コイル。
  4. 【請求項4】 前記内側スプールの一部は、前記内側ス
    プールと同心上に位置する筒体であることを特徴とする
    請求項2または3記載の内燃機関用点火コイル。
  5. 【請求項5】 前記外側スプールの一部は、前記外側ス
    プールと同心上に位置する筒体であることを特徴とする
    請求項2、3または4記載の内燃機関用点火コイル。
  6. 【請求項6】 前記磁路構成部材は、前記磁路構成部材
    の一端部に接する前記内側スプールと前記磁路構成部材
    の他端部に接する前記外側スプールとの間に挟持される
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の内
    燃機関用点火コイル。
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