JPH0820320A - 車両用ペダルとクレビスとの結合構造 - Google Patents

車両用ペダルとクレビスとの結合構造

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JPH0820320A
JPH0820320A JP15763094A JP15763094A JPH0820320A JP H0820320 A JPH0820320 A JP H0820320A JP 15763094 A JP15763094 A JP 15763094A JP 15763094 A JP15763094 A JP 15763094A JP H0820320 A JPH0820320 A JP H0820320A
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clevis pin
pedal
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敬史 杉山
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靖雄 大西
Kenji Takahashi
鍵次 高橋
Kyoji Yamamoto
京司 山本
Keikichi Furukawa
桂吉 古川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 クレビスピンと車両用ペダル及びクレビスの
挿通孔との間に適正なクリアランスを確保した上で、ク
レビスピンとクレビスとのガタの発生を防止する。 【構成】 クレビス32の挿通孔38にはクレビスピン
34が挿通され、更にその周囲には梃プレート52が配
設されている。この梃プレート52の係止孔56には、
リターンスプリングが係止されている。更に、梃プレー
ト52には支点ブロック60が設けられており、この支
点ブロック60がクレビス32に干渉することで支点と
なり梃の原理によりクレビスピン34を挿通孔38の内
周面に押し付ける。これにより、適正なクリアランスを
確保した上で、クレビスピン34とクレビス32とのガ
タ発生を防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、支軸回りに揺動可能に
支持された車両用ペダルと、マスタシリンダから突出す
るプッシュロッドの先端部に設けられたクレビスと、を
クレビスピンによってピン結合する車両用ペダルとクレ
ビスとの結合構造に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】車両用
ペダル、例えば所謂吊り下げ式のブレーキペダルでは、
マスタシリンダから突出するプッシュロッドの先端部に
設けられたクレビスとブレーキペダルとが、クレビスピ
ンによってピン結合されている。この種の構造が実開昭
57−59168号公報に開示されており、以下この公
報に開示された構成を用いて従来のブレーキペダルとク
レビスとの結合構造について説明する。
【0003】図21に示されるように、平面視でコ字形
のクレビス100の端部にはウエルドナット102が溶
着されており、このウエルドナット102にプッシュロ
ッド104の先端部が螺合されている。そして、このク
レビス100とブレーキペダル106とがクレビスピン
108によって連結されている。
【0004】具体的には、ブレーキペダル106及びク
レビス100の両側部には所定の径寸法に設定された挿
通孔110、112が同軸上に形成されており、これら
の挿通孔110、112内へクレビスピン108が挿入
されている。なお、クレビスピン108の挿入端部に
は、図示しないピン等が挿入されて抜け止めがなされて
いる。
【0005】ここで、図22に拡大して示すように、上
述したブレーキペダル106の挿通孔110及びクレビ
ス100の挿通孔112の内径寸法Pは、クレビスピン
108の外径寸法Qよりも若干大に設定されている。別
言すれば、双方の部材の挿通孔110、112とクレビ
スピン108との間に所定のクリアランス114、11
6が意図的に設けられている。このようにブレーキペダ
ル106及びクレビス100の挿通孔110、112と
クレビスピン108との間にクリアランス114、11
6を設けているのは、基本的には加工公差によってクレ
ビスピン108のブレーキペダル106及びクレビス1
00への組付ができなくなるのを避けるためである。ま
た、クリアランス114、116を設けることにより、
ブレーキペダル106の操作時におけるクレビスピン1
08とブレーキペダル106及びクレビス100との摺
動抵抗増加によるブレーキペダル106の作動不良(復
帰不良、引きずり等)を解消するという狙いもある。
【0006】しかしながら、上記クリアランス114、
116を設けると、各部材間にガタが発生するという不
具合が生じる。詳しく説明すると、ブレーキペダル10
6は通常車体側のブラケットとの間に張設されたリター
ンスプリング118によって常時初期位置に復帰するよ
うに引張付勢されている。このため、図23(A)に示
される如く、ブレーキペダル106の挿通孔110がク
レビスピン108に対して図上左側へ偏心した位置関係
で初期状態が維持される。従って、ドライバがブレーキ
ペダル106のペダル本体(ペダルパット)106Aに
踏力F(図22参照)を付与すると、ブレーキペダル1
06のペダル支持部106Bが揺動して、当該挿通孔1
10とクレビスピン108との間に生じているクリアラ
ンス114を潰しながら当該挿通孔110の内周面がク
レビスピン108の外周面に当接して当接音を発生させ
る。つまり、ブレーキペダル106の挿通孔110とク
レビスピン108との間にガタが生じていたことにな
る。
【0007】一方、前述した初期状態におけるクレビス
100の挿通孔112とクレビスピン108の位置関係
を観ると、図23(B)に示される如くとなっており、
クレビスピン108に対してクレビス100の挿通孔1
12が図上右側へ偏心している。これは、リターンスプ
リング118の付勢力によってブレーキペダル106の
ペダル支持部106Bを介してクレビスピン108が図
上左側へ引っ張られるのに対し、クレビス100自体は
プッシュロッド104に連結されているために、相対的
な位置関係が前述した場合と逆になるからである。従っ
て、この場合においても、ドライバがブレーキペダル1
06のペダル本体106Aに踏力Fを付与すると、ペダ
ル支持部106Bの揺動に追従するかたちでクレビスピ
ン108が移動して、当該挿通孔112とクレビスピン
108との間に生じているクリアランス116を潰しな
がらクレビスピン108が当該挿通孔112の内周面に
当接して当接音を発生させる。つまり、クレビス100
の挿通孔112とクレビスピン108との間にガタが生
じていたことになる。
【0008】上述したことから、ペダル操作による当接
音発生の原因となるガタには二種類あることが判る。こ
の内、ブレーキペダル106の挿通孔110とクレビス
ピン108とのガタは、リターンスプリング118をク
レビス100に直接係止させることにより偏心位置関係
が逆になる(図23(B)の如くとなる)ので解消する
ことができるが、この場合においてもクレビス100と
クレビスピン108とのガタは依然として解消すること
ができない。
【0009】なお、前述した公報に開示された構成によ
れば図21に示される如くコ字形スペーサ120をブレ
ーキペダル106とクレビス100との間に装着するこ
とでガタ発生を防止することができると記載されている
が、ここでいうガタはブレーキペダル106とクレビス
100との間のクレビスピン軸方向のガタであり、前述
した意味でのガタとは異なる。
【0010】本発明は上記事実を考慮し、クレビスピン
を常時半径方向へ押圧することにより、クレビスピンと
車両用ペダルの挿通孔及びクレビスの挿通孔との間に各
々適正なクリアランスを確保した上で、このクリアラン
スに起因したクレビスピンとクレビスとのガタ発生を防
止することができる車両用ペダルとクレビスとの結合構
造を得ることが目的である。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、支軸回りに揺動可能に支持され、所定径寸法の挿通
孔を備えた車両用ペダルと、マスタシリンダから突出す
るプッシュロッドの先端部に設けられ、所定径寸法の挿
通孔を備えたクレビスと、を、双方の挿通孔よりも小径
とされたクレビスピンによってピン結合する車両用ペダ
ルとクレビスとの結合構造であって、前記車両用ペダル
のペダルストロークに拘わらず、前記クレビスピンの外
周面が前記クレビスの挿通孔の内周面に接触又は略接触
するように、当該クレビスピンを半径方向へ押圧するガ
タ防止手段を設けた、ことを特徴としている。
【0012】請求項2記載の本発明は、請求項1記載の
本発明において、前記ガタ防止手段は、前記車両用ペダ
ルを初期位置に復帰させる方向へ付勢する付勢手段の付
勢力を受けて、梃の原理により前記クレビスピンを半径
方向へ押圧するレバーである、ことを特徴としている。
【0013】請求項3記載の本発明は、請求項1又は請
求項2記載の本発明において、前記クレビスピンの前記
クレビスの前記挿通孔への挿通状態で、当該挿通孔周囲
に干渉することで当該クレビスピンの当該挿通孔からの
脱落を阻止する脱落阻止手段を、当該クレビスピンに或
いは当該クレビスピン及び当該クレビスの双方に設け
た、ことを特徴としている。
【0014】
【作用】請求項1記載の本発明によれば、車両用ペダル
のペダルストロークに拘わらずクレビスピンを半径方向
へ押圧するガタ防止手段を設けたので、クレビスピンの
外周面はクレビスの挿通孔の内周面に常時接触又は略接
触する。つまり、クレビスピンの外周面とクレビスの挿
通孔の内周面との間に隙間が生じることはなく、又は極
僅かな隙間が生じるに過ぎない。従って、クレビスピン
とクレビスの挿通孔との間でガタが生じることはない。
このため、ドライバの踏力が付与されて車両用ペダルが
支軸回りに揺動しても、クレビスピンの外周面とクレビ
スの挿通孔の内周面とが当接することによる当接音(打
音、ビビリ音)は生じない。同様に、車両走行中の車体
振動による異音も発生しない。
【0015】なお、クレビスピンの外径は車両用ペダル
の挿通孔及びクレビスの挿通孔よりも小径とされている
ので、両者の間には適正なクリアランスが確保される。
従って、クレビスピンと車両用ペダル及びクレビスとの
適正な組付が可能であると共に、摺動抵抗増加或いはこ
じり等の発生による作動不良(車両用ペダルの復帰不良
等)が生じることもない。
【0016】請求項2記載の本発明によれば、請求項1
記載の本発明において、車両用ペダルを初期位置に復帰
させる方向へ付勢する付勢手段の付勢力を受けて、梃の
原理によりクレビスピンを半径方向へ押圧するレバーに
よってガタ防止手段を構成したので、前記作用が得られ
る他、てこ比を変えることによりクレビスピンに対する
押圧力を変えることができる。
【0017】請求項3記載の本発明によれば、請求項1
又は請求項2記載の本発明において、クレビスピンに或
いはクレビスピン及びクレビスの双方に脱落阻止手段を
設けたので、クレビスピンをクレビスの挿通孔に挿通さ
せると、この脱落阻止手段がクレビスの挿通孔周囲に干
渉して、クレビスピンの軸方向移動によるクレビスの挿
通孔からの脱落が阻止される。すなわち、クレビスピン
のクレビスからの抜けが防止される。
【0018】
【実施例】以下に、各実施例を順次説明していくが、最
初に請求項と各実施例との対応関係について触れてお
く。請求項1に対応する実施例は第1実施例〜第5実施
例のすべてであり、請求項2に対応する実施例は第1実
施例であり、請求項3に対応する実施例は第4実施例及
び第5実施例である。
【0019】〔第1実施例〕以下、図1〜図6を用い
て、第1実施例について説明する。なお、これらの図に
おいて適宜示される矢印FRは車両前方側を示し、矢印
UPは車両上方側を示し、矢印INは車両室内側を示し
ている。
【0020】図6には、本実施例に係るブレーキペダル
10の周辺概略構成が示されている。この図に示される
ように、ブレーキペダル10は、略「く」の字形に屈曲
されたペダル支持部12と、このペダル支持部12の下
端部に設けられ乗員の踏力が付与されるペダル本体(ペ
ダルパット)14と、を含んで構成されている。ペダル
支持部12の上端部は、取付ボルト16(図1参照)に
よって車体に揺動自在に支持されている。従って、ブレ
ーキペダル10のペダル本体14に踏力が付与された場
合には、ブレーキペダル10は取付ボルト16を回転中
心として揺動することになる。
【0021】一方、ブレーキペダル10の前方側にはド
ライバの踏力を油圧に変換するマスタシリンダ18が配
設されており、更にマスタシリンダ18からは内部のピ
ストンを押圧するプッシュロッド20が突出している。
また、マスタシリンダ18とブレーキペダル10との間
にはエンジンの負圧等を利用して乗員が付与した踏力を
増強するブレーキブースタ24が配設されている。従っ
て、ドライバの踏力が付与されると、ブレーキブースタ
24によって踏力が増強されてマスタシリンダ18のピ
ストンに伝達され、マスタシリンダ18から押し出され
たブレーキ液がブレーキパイプ26内のブレーキ液を順
次押し出していく。この結果、各車輪に設けられたホイ
ールシリンダ内のピストンが押圧され、摩擦材がディス
クブレーキ28のディスクやドラムブレーキ30のドラ
ムに押し付けられブレーキ力が発生する。
【0022】さて、図1乃至図4に示されるように、上
述したプッシュロッド20の突出端部には平面視でコ字
形に屈曲形成されたクレビス32が調整可能に取り付け
られており(調整の構成は前述した従来技術と同様)、
このクレビス32と前述したブレーキペダル10とがク
レビスピン34によってピン結合されている。以下、ブ
レーキペダル10とクレビス32との結合構造について
詳細に説明する。
【0023】ブレーキペダル10のペダル支持部12に
は所定径寸法の挿通孔(円孔)36が形成されており、
又クレビス32の両側部にも挿通孔36と同軸上に同径
寸法の挿通孔(円孔)38が形成されている(図5参
照)。そして、クレビス32の内方にペダル支持部12
を挿入配置した状態で、クレビス32の外側からクレビ
スピン34が挿入されている。クレビスピン34は、軸
部40とこの軸部40の基端に形成され軸部40よりも
大径とされた頭部42とによって構成されている。クレ
ビスピン34の軸部40は前述した挿通孔36、38よ
りも小径とされており、又クレビスピン34の頭部42
は挿通孔36、38よりも大径とされている。従って、
クレビスピン34の軸部40の外周面とブレーキペダル
10の挿通孔36の内周面との間には所定のクリアラン
ス44が形成されており、又クレビスピン34の軸部4
0の外周面とクレビス32の挿通孔38の内周面との間
にも所定のクリアランス46が形成されている(図5参
照)。
【0024】また、クレビスピン34の軸部40の先端
部にはその半径方向へ貫通する小孔48(図3参照)が
形成されており、クレビスピン34が双方の部材の挿通
孔36、38内へ挿入された後にピン50が挿入係止さ
れることによりクレビスピン34のクレビス32に対す
る抜止めとされている。
【0025】上述したクレビス32の一方の側部とクレ
ビスピン34の頭部42との間には、梃プレート52が
介在されている。この梃プレート52は、有孔円板状の
基部及びこの基部から半径方向へ所定長さ突出するレバ
ー部から成る。梃プレート52の基部にはクレビスピン
34の軸部40よりも大径とされた貫通孔54が形成さ
れており、この貫通孔54内をクレビスピン34の軸部
40が貫通している。さらに、梃プレート52のレバー
部の先端部には係止孔56が形成されており、ブレーキ
ペダル10のリターンスプリング(引張コイルスプリン
グ)58の一端が係止されている。なお、リターンスプ
リング58の他端は車体に設けられたペダルブラケット
(図示省略)に係止されている。従って、リターンスプ
リング58は、梃プレート52のアーム部の先端部を常
時矢印A方向へ引張付勢している。
【0026】ここで、上述した梃プレート52の中間部
のクレビス32側の側面には、直方体状の支点ブロック
60が一体形成されている。この支点ブロック60は、
梃プレート52がリターンスプリング58の付勢力によ
って揺動することにより、クレビス32の側部上端に干
渉(当接)するようになっており、移動支点ともいえ
る。支点ブロック60がクレビス32の側部上端に干渉
した状態では、図4に示されるように、支点ブロック6
0が支点、係止孔56の形成部位が力点、更に貫通孔5
4の内周面がクレビスピン34への作用点となってい
る。すなわち、この実施例では、梃プレート52(レバ
ー)によって、リターンスプリング58の付勢力を利用
した梃の原理が成立する系を形成している。
【0027】以下に、本実施例の作用を説明する。図4
に示されるように、リターンスプリング58によって梃
プレート52の先端部が矢印A方向へ引張付勢された場
合、梃プレート52がクレビスピン34回りに揺動する
ことにより支点ブロック60がクレビス32の側部上端
に干渉する。この状態で、なおも付勢力を梃プレート5
2が受けることにより、梃プレート52は、支点ブロッ
ク60を支点として梃の原理により貫通孔54の内周面
によってクレビスピン34を矢印B方向へ押圧する。な
お、このときの押圧力Pは、係止孔56から支点ブロッ
ク60までの距離をL1 とし、支点ブロック60から貫
通孔54の中心までの距離をL2 とし、リターンスプリ
ング58の付勢力をTとすると、P=T・(L1
2 )である。これにより、クレビスピン34は矢印B
方向への押圧力を受けることで結果的にクレビス32の
挿通孔38の内周面に押し付けられる。
【0028】一方、この状況下におけるクレビスピン3
4とブレーキペダル10のペダル支持部12の挿通孔3
6との関係はどうなっているかというと、梃プレート5
2によってクレビスピン34をクレビス32の挿通孔3
8の内周面に押し付けたままリターンスプリング58の
付勢力によってクレビスピン34の外周面がペダル支持
部12の挿通孔36の内周面に当接している。これは、
リターンスプリング58の係止点が梃プレート52の係
止孔56であるが、結果的には梃プレート52を介して
クレビスピン34に直接リターンスプリング58を係止
したのと同等になるからである。
【0029】上述したことから、本実施例による場合、
クレビスピン34とブレーキペダル10の挿通孔36と
の位置関係は図5(A)に示される如くとなり、又クレ
ビスピン34とクレビス32の挿通孔38との位置関係
は図5(B)に示される如くとなる。すなわち、前述し
た従来技術の課題の説明のために用いた図23と比較す
ると、(A)、(B)の関係が逆になる。
【0030】従って、ドライバがブレーキペダル10の
ペダル本体14に踏力を付与してブレーキペダル10を
揺動させた場合、クレビスピン34及びブレーキペダル
10の挿通孔36については図5(A)図示状態を維持
したまま図上左側へ移動し、又クレビスピン34及びク
レビス32の挿通孔38については図5(B)図示状態
を維持したまま同方向へ移動していくことになる。すな
わち、ブレーキペダル10のペダルストロークに拘わら
ず、クレビスピン34の軸部40の外周面は、ブレーキ
ペダル10の挿通孔36の内周面のみならずクレビス3
2の挿通孔38の内周面に対しても常時接触状態を維持
する。
【0031】このように本実施例では、リターンスプリ
ング58の付勢力を利用して梃の原理によりクレビスピ
ン34をクレビス32の挿通孔38の内周面に常時押し
付ける梃プレート52を配設し、これによりペダルスト
ロークに拘わらずクレビスピン34をブレーキペダル1
0及びクレビス32の挿通孔36、38に常時接触させ
るようにしたので、ペダル操作に際してクレビスピン3
4とブレーキペダル10及びクレビス32の挿通孔3
6、38との間にガタが生じるのを防止することができ
る。従って、ペダル操作時における両者の当接音(打
音、ビビリ音)の発生を防止することができると共に、
車体振動による異音の発生も防止することができる。
【0032】しかも、クレビスピン34とブレーキペダ
ル10の挿通孔36及びクレビス32の挿通孔38との
間には所定のクリアランス44、46が設けられている
ので、組付も適正に行うことができると共に摺動抵抗増
加によるブレーキペダル10の作動不良といった不具合
も生じない。
【0033】さらに、ガタ発生が防止されることによ
り、ブレーキペダル10のペダルフィーリングを向上さ
せることができる。
【0034】また、本実施例によれば、各部品の設計公
差を大きくしても対応可能であるので、従来用いていた
例えばウェーブワッシャ等の部品が不要になる。
【0035】なお、本実施例では、梃プレート52に一
体に支点ブロック60を形成したが、これに限らず、支
点ブロック60を梃プレート52と別体で構成してもよ
い。この場合、例えば梃プレート52のレバー部の中心
線上に所定間隔で複数の孔を形成し、任意の孔を選択し
て支点ブロック60を圧入、カシメ等により固定するこ
とにすれば、てこ比を所望の値に変更することができ
る。つまり、クレビスピン34に対する押圧力を自由に
変更することができる。
【0036】また、本実施例では、梃プレート52をク
レビス32の側部とクレビスピン34の頭部42との間
に介在させたが、これに限らず、ブレーキペダル10の
ペダルストロークに拘わらず、クレビスピン34の外周
面がクレビス32の挿通孔38の内周面に接触又は略接
触するように、当該クレビスピン34を半径方向へ押圧
する構成であればよい。従って、例えば、梃プレート5
2に相当するレバー(レバー先端部の形状はクレビスピ
ン34の曲面形状に略合致する湾曲形状が好ましい)
を、クレビス32の側部にピンで軸支させ、リターンス
プリング58をレバー基端側に係止する構成を採って
も、上述した効果は得られる。
【0037】〔第2実施例〕次に、図7〜図10を用い
て、第2実施例について説明する。なお、第1実施例と
実質的に同一である構成部分については同一番号を付し
てその説明を省略する。
【0038】図7及び図8に示されるように、この実施
例では、前述した梃プレート52を用いる代わりに捩じ
りコイルスプリング62を用いた点に特徴がある。捩じ
りコイルスプリング62は、コイル部62Aと、このコ
イル部62Aの端部62B、62Cと、から成る。捩じ
りコイルスプリング62のコイル部62Aのコイル径は
クレビスピン34の軸部40よりも大径とされ、このコ
イル部62Aがクレビスピン34の軸部40に遊嵌され
ている(図8参照)。一方、捩じりコイルスプリング6
2の一方の端部62Bは、クレビス32の下端部に延設
されたスプリング係止部64の係止孔66に係止されて
いる。また、捩じりコイルスプリング62の他方の端部
62Cは、ペダル支持部12の側部に係止されている。
なお、各端部62B、62Cの係止に際しては、捩じり
コイルスプリング62の自然状態に対して双方の端部6
2B、62Cを互いに離反する方向へ広げながら係止さ
れる。従って、捩じりコイルスプリング62が係止され
た状態では、一方の端部62Bはクレビス32を図8矢
印C方向へ付勢し、他方の端部62Cはペダル支持部1
2を図8矢印D方向へ付勢している。そして、全体とし
ては、矢印C方向への付勢力と矢印D方向への付勢力と
の合力の反力が、上方(図8矢印E方向)への付勢力と
してクレビスピン34の軸部40に作用する。
【0039】以下に、本実施例の作用を説明する。図9
には、クレビス32及びクレビスピン34の系に着目し
た場合におけるクレビスピン34とクレビス32の挿通
孔38との位置関係が示されている。ブレーキペダル1
0の初期状態においては、クレビス32に作用する矢印
C方向への付勢力の反力とクレビスピン34に作用する
矢印E方向への付勢力とによって、クレビスピン34は
クレビス32に対して同図(A)に示される位置に位置
している。この状態から、ドライバの踏力が付与される
と、クレビスピン34に捩じりコイルスプリング62の
付勢力よりも十分に大きな力が矢印F方向へ作用する。
このため、クレビスピン34は、同図(A)図示状態を
保つことができなくなり、クレビス32の挿通孔38の
内周面上を矢印G方向へ摺動して同図(B)図示位置に
到る。このとき、クレビスピン34は捩じりコイルスプ
リング62の付勢力を受けながら移動することになるの
で、クレビスピン34の外周面はクレビス32の挿通孔
38の内周面に対して常時接触状態を維持する。
【0040】一方、図10には、ブレーキペダル10及
びクレビスピン34の系に着目した場合におけるクレビ
スピン34とブレーキペダル10の挿通孔36との位置
関係が示されている。ブレーキペダル10の初期状態に
おいては、ペダル支持部12に作用する矢印D方向への
付勢力の反力とクレビスピン34に作用する矢印E方向
への付勢力とによって、クレビスピン34はペダル支持
部12に対して同図(A)に示される位置に位置してい
る。この状態から、ドライバの踏力が付与されると、前
述した如くクレビスピン34に捩じりコイルスプリング
62の付勢力よりも十分に大きな力が矢印F方向へ作用
する。このため、クレビスピン34は、同図(A)図示
状態を保つことができなくなり、ペダル支持部12の挿
通孔36の内周面上を矢印H方向へ摺動して同図(B)
図示位置に到る。このとき、前述した場合と同様にクレ
ビスピン34は捩じりコイルスプリング62の付勢力を
受けながら移動することになるので、クレビスピン34
の外周面はペダル支持部12の挿通孔36の内周面に対
して常時接触状態を維持する。
【0041】なお、以上のことは、ブレーキペダル10
が復帰する場合についても同様に当てはまる。
【0042】従って、この実施例においても、クレビス
ピン34の外周面とブレーキペダル10及びクレビス3
2の挿通孔36、38の内周面とが常時接触状態を維持
するので、ペダル操作に伴う当接音や車体振動による異
音は生じない。
【0043】また、捩じりコイルスプリング62を用い
たこの実施例においても、線径寸法、コイル径寸法等を
変えることにより、クレビスピン34に対する押圧力
(矢印E方向への付勢力)を自由に変更することができ
る。
【0044】さらに、捩じりコイルスプリング62を用
いた場合、前述した梃プレート52を用いるよりも加工
に手間がかからず低コスト化を図ることができる。
【0045】〔第3実施例〕次に、図11〜図13を用
いて、第3実施例について説明する。なお、第1実施例
又は第2実施例と実質的に同一である構成部分について
は同一番号を付してその説明を省略する。
【0046】図11及び図12に示されるように、この
実施例では、前述した捩じりコイルスプリング62と同
等の捩じりコイルスプリング68を用いたという意味で
は第2実施例と同様であるが、その係止の仕方が第2実
施例とは相違する。
【0047】これらの図に示されるように、捩じりコイ
ルスプリング68はコイル部68A及びコイル部68A
から延出する端部68B、68Cから成るが、クレビス
32側の端部68Bがクレビス32の側部上端に係止さ
れている。なお、他方の端部68Cについては、第2実
施例同様にペダル支持部12の側部に係止されている。
従って、捩じりコイルスプリング68のコイル部68A
がクレビスピン34の軸部40に遊嵌されて各端部68
B、68Cが係止された状態では、双方の端部68B、
68Cがほぼ直線状になっている。この結果、捩じりコ
イルスプリング68が係止された状態では、一方の端部
68Bはクレビス32を図12矢印I方向へ付勢し、他
方の端部68Cはペダル支持部12を図12矢印J方向
へ付勢している。そして、全体としては、矢印I方向へ
の付勢力と矢印J方向への付勢力との合力の反力が、右
斜め上方(図12矢印K方向)への付勢力としてクレビ
スピン34の軸部40に作用する。
【0048】以下に、本実施例の作用を説明する。図1
3には、クレビス32及びクレビスピン34の系に着目
した場合におけるクレビスピン34とクレビス32の挿
通孔38との位置関係が示されている。ブレーキペダル
10の初期状態においては、クレビス32に作用する矢
印I方向への付勢力の反力とクレビスピン34に作用す
る矢印K方向への付勢力とによって、クレビスピン34
はクレビス32に対して同図(A)に示される位置に位
置している。この状態から、ドライバの踏力が付与され
ると、クレビスピン34に捩じりコイルスプリング68
の付勢力よりも十分に大きな力が矢印F方向へ作用す
る。このため、クレビスピン34は、同図(A)図示状
態を保つことができなくなり、クレビス32の挿通孔3
8の内周面上を矢印L方向へ摺動して同図(B)図示位
置に到る。このとき、クレビスピン34は捩じりコイル
スプリング68の付勢力を受けながら移動することにな
るので、クレビスピン34の外周面はクレビス32の挿
通孔38の内周面に対して常時接触状態を維持するか或
いは極僅かに離間するに過ぎない。
【0049】一方、ブレーキペダル10及びクレビスピ
ン34の系に着目した場合におけるクレビスピン34と
ブレーキペダル10の挿通孔36との位置関係について
は前述した第2実施例における図10(A)、(B)の
場合とほぼ同様になる。
【0050】なお、以上のことは、ブレーキペダル10
が復帰する場合についても同様に当てはまる。
【0051】従って、この実施例においても、前述した
第2実施例と同様の効果が得られる。加えて、本実施例
による場合、捩じりコイルスプリング68の係止の仕方
を変更したことにより、クレビス32の形状を変更する
必要がなくなるので第2実施例の場合よりも低コストに
なる。
【0052】〔第4実施例〕次に、図14〜図18を用
いて、第4実施例について説明する。なお、第1実施例
又は第2実施例と実質的に同一である構成部分について
は同一番号を付してその説明を省略する。
【0053】図14及び図15に示されるように、この
実施例では前述した第2実施例の構成に抜け止め構成を
付加した点に特徴があり、以下に具体的に説明する。
【0054】図16には、軸部40及び頭部42から成
るクレビスピン34の単品平面図が示されている。この
図に示されるように、クレビスピン34の軸部40の軸
方向中間部両側には所定幅(クレビス32の肉厚寸法に
略一致)の周方向溝が形成されており、これによりクレ
ビスピン34の軸部40には大径部40A(三箇所)と
小径部40B(二箇所)とが形成されている。
【0055】一方、図17(A)にはクレビス32の単
品正面図が示されており、又同図(B)にはクレビス3
2の単品底面図が示されている。この図に示されるよう
に、クレビス32の両側部には同軸上にだるま形状の挿
通孔38が形成されている。この挿通孔38の形状は、
大径孔38Aと小径孔38Bとを一部重合させた形とな
っている。挿通孔38の大径孔38Aの内径寸法は、ク
レビスピン34の大径部40Aの外径寸法に一致してい
る。また、挿通孔38の小径孔38Bの内径寸法は、ク
レビスピン34の小径部40Bの外径寸法に一致してい
る。
【0056】以下に、本実施例の作用を説明する。クレ
ビスピン34のクレビス32への組付は、以下の要領で
行われる。まず、クレビスピン34の頭部42側の大径
部40Aに捩じりコイルスプリング62のコイル部62
Aを遊嵌させておくと共に、クレビス32の両側部間に
ペダル支持部14を配置しておく。次いで、この状態で
クレビスピン34の大径部40Aをクレビス32の一方
の側部の大径孔38A、ペダル支持部12、クレビス3
2の他方の側部の大径孔38Aの順に挿通させていく。
次に、捩じりコイルスプリング62の各端部62B、6
2Cをクレビス32、ペダル支持部12に係止させる。
【0057】ここで、図18に付記したベクトル図に示
されるように、クレビス32には捩じりコイルスプリン
グ62によって矢印C方向への付勢力が作用しているた
め、その反力Mがクレビスピン34に作用する。この反
力Mを分化すると、垂直方向の分力M1 と水平方向の分
力M2 とが得られる。そして、このうち水平分力M2
よってクレビスピン34が同方向へ押圧される。これに
より、クレビスピン34の小径部40Bが挿通孔38の
小径孔38B内へ嵌合され、嵌合後は前記水平分力M2
がクレビスピン34の保持力となる。なお、垂直分力M
1 は図9(A)において示した矢印E方向への付勢力の
一部になる力である。この結果、クレビスピン34は、
その大径部40Aがクレビス32の小径孔38Bの周囲
に干渉するので、クレビス32から抜けなくなる。
【0058】このように本実施例では、クレビス32の
挿通孔38を大径孔38Aと小径孔38Bとから成るだ
るま形状に形成すると共にクレビスピン34の軸部40
に大径部40Aと小径部40Bとを形成したので、捩じ
りコイルスプリング62の付勢力を利用してクレビスピ
ン34のクレビス32からの抜けを防止することができ
る。従って、第1実施例においてクレビスピン34の抜
け止め用に用いられていたピン50を廃止することがで
きると共にクレビスピン34の先端部にピン50を挿入
するための小孔48をコストのかかる切削加工により形
成する必要がなくなる。しかも、本実施例によれば、捩
じりコイルスプリング62の付勢力によってクレビスピ
ン34の大径孔38Aから小径孔38Bへの移動が操作
を要することなく自然に行われるので、作業性を向上さ
せることができる。
【0059】〔第5実施例〕次に、図19及び図20を
用いて、第5実施例について説明する。なお、第1実施
例又は第4実施例と実質的に同一である構成部分につい
ては同一番号を付してその説明を省略する。
【0060】これらの図に示されるように、この実施例
も第4実施例と同様に抜け止め構成を付加した例である
が、更にこの実施例では第2実施例の捩じりコイルスプ
リング62及び第3実施例の捩じりコイルスプリング6
8のいずれであっても適用可能である点及び抜け止め構
成が二段階になっている点に特徴あり、以下に具体的に
説明する。
【0061】図20(A)、(B)に示されるように、
第4実施例と同様に、クレビスピン34の軸部40には
大径部40A及び小径部40Bが形成されているが、大
径部40Aは軸方向中間部及び先端部の二箇所にのみ形
成されてている点で形状が相違している。また、クレビ
スピン34の頭部42の裏面には、円柱形の突起70が
形成されている。
【0062】なお、この実施例では一例として第3実施
例で用いた捩じりコイルスプリング68を使用している
ので、大径孔38A及び小径孔38Bから成る挿通孔3
8を備えている点を除いてクレビス32の形状も第3実
施例のものと同一である。
【0063】上記構成によれば、以下の要領でクレビス
ピン34のクレビス32への組付が行われる。まず、ク
レビス32の両側部間にペダル支持部12を配置してお
く。次いで、この状態でクレビスピン34の大径部40
Aをクレビス32の一方の側部の大径孔38A、ペダル
支持部12、クレビス32の他方の側部の大径孔38A
の順に挿通させていく。この際、クレビスピン34をあ
る程度挿入した時点で、クレビスピン34の頭部42の
裏面の突起70がクレビス32の側部(最初に挿通させ
た方)に干渉する。従って、干渉後はクレビスピン34
を直進させることができない。この場合、突起70を大
径孔38A内に進入させるべく、クレビスピン34をプ
ッシュロッド20側(小径孔38B側)に移動させる。
これにより、突起70が大径孔38A内に進入すると共
にクレビスピン34の小径部40Bが挿通孔38の小径
孔38内に嵌合する。その後、捩じりコイルスプリング
68の各端部68B、82Cをクレビス32、ペダル支
持部12に係止させる。この結果、捩じりコイルスプリ
ング68の付勢力によって前述した第4実施例と同様の
作用が得られ、クレビスピン34のクレビス32からの
抜けが防止される。
【0064】ここで、本実施例では、捩じりコイルスプ
リング68の付勢力でクレビスピン34の小径部40B
をクレビス32の小径孔38Bに保持させることができ
る点で、第1段階の抜け止めが成立し、この点において
第4実施例と同様といえる。しかしながら、本実施例に
よれば、更に突起70を設けたことにより、突起70が
大径孔38Aの内周面(小径孔38Bと対峙する部位)
に当接し、クレビスピン34の大径孔38A側への移動
を阻止することができる点で、第2段階の抜け止めが成
立し、この点において第4実施例と相違する。この結
果、本実施例によれば、クレビスピン34のクレビス3
2からの抜け止めを2段階に成立させることができるの
で、抜け止め効果がより一層確実なものとなる。
【0065】しかも、この実施例による場合、突起70
を設け、この突起70が大径孔38A内に入り込み大径
孔38Aの内周面に当接するので(別言すれば、突起7
0がストッパとして機能するので)、付勢力の方向性に
制限がなくなる。このため、第2実施例及び第3実施例
のいずれのタイプにも適用することができ、適用の自由
度を高めることができる。
【0066】さらに、突起70が大径孔38A内に入り
込み大径孔38Aの内周面に当接することから、ペダル
操作時におけるクレビスピン34の不必要な移動をなく
すことができる。従って、確実かつ円滑な作動を得るこ
とができる。
【0067】なお、上述した各実施例ではブレーキペダ
ル10を対象として本発明を適用したが、これに限ら
ず、クラッチペダルを対象として本発明を適用してもよ
い。
【0068】また、第4実施例及び第5実施例に係るガ
タ防止構造を第1実施例に適用することも可能である。
【0069】さらに、上述した各実施例では引張コイル
スプリングによってリターンスプリング58を構成した
が、これに限らず、取付方を変えることにより圧縮コイ
ルスプリングや板バネ等の他のスプリングを用いること
も可能であり、或いはゴム等の樹脂製の弾性体を用いる
ことも可能である。
【0070】また、請求項1記載の本発明を捩じりコイ
ルスプリング62、68を用いた第2実施例、第3実施
例に限定すると、例えば以下の如くとなる。 「前記ガタ防止手段は、一端部が前記クレビスに係止さ
れると共に他端部が前記車両用ペダルに係止され、付勢
力で前記クレビスピンを半径方向へ押圧する付勢手段で
ある、ことを特徴とする請求項1記載の車両用ペダルと
クレビスとの結合構造。」 さらにまた、本発明では車両用ペダルとクレビスとの結
合構造として発明を捉えたが、適用対象を車両に限定し
ない場合には、例えば、下記の如くとなる。 「支軸回りに揺動可能に支持され、所定径寸法の挿通孔
を備えた一の部材と、所定径寸法の挿通孔を備えた他の
一の部材と、を、双方の挿通孔よりも小径とされたピン
によってピン結合する一の部材と他の一の部材との結合
構造であって、前記一の部材の揺動ストロークに拘わら
ず、前記ピンの外周面が前記他の一の部材の挿通孔の内
周面に接触又は略接触するように、当該ピンを半径方向
へ押圧するガタ防止手段を設けた、ことを特徴とする一
の部材と他の一の部材との結合構造。」 さらにまた、上述した第4実施例及び第5実施例ではク
レビスピン34に大径部40A及び小径部40Bを設け
ると共に、クレビス32の挿通孔38を大径孔38A及
び小径孔38Bから成るだるま形状に形成したが、これ
に限らず、クレビスピン34のクレビス32の挿通孔3
8への挿通状態で、当該挿通孔38の周囲に干渉して当
該クレビスピン34のクレビス32からの脱落を阻止す
ることができる構成であればすべて適用可能である。例
えば、クレビスピン34の軸方向中間部に薄肉大径のフ
ランジ部を形成しておくと共に、クレビス32の挿通孔
38の肉厚方向中間部内周にリング状の溝を形成し、こ
の溝内にフランジ部を挿入する構成を採っても、クレビ
スピン34の抜け止めを防止することができる。また、
クレビスピン34に作用する付勢力を考慮すると、クレ
ビス32の挿通孔38をだるま形状にすることなく、ク
レビスピン34に大径部40A及び小径部40Bを設け
ておくだけでも、抜け止め効果は得られる。更なる例と
して、クレビスピン34に互いに同一半径方向に平行に
突出する例えば扇形状の一対の突起を設けておく構成を
採っても(尚、突起の突出量はクレビス32の挿通孔3
8を通過できる程度にしておく)、付勢力でこれらの突
起間にクレビス32の挿通孔38の周囲が進入するので
前記抜け止め効果は十分に得られる。
【0071】なお、請求項3記載の本発明に係る車両用
ペダルとクレビスとの結合構造を、第4実施例及び第5
実施例に合致させると、例えば以下の如くとなる。 「前記クレビスの挿通孔を大径孔と小径孔とを一部重合
させた形状に形成すると共に、前記クレビスピンに当該
大径孔のみを挿通可能な大径部と当該大径孔及び当該小
径孔の双方を挿通可能な小径部とを設けた、ことを特徴
とする請求項1又は請求項2記載の車両用ペダルとクレ
ビスとの結合構造。」 この場合、最初にクレビスピンの大径部をクレビスの挿
通孔の大径孔内へ挿通させ、次いでクレビスピンの小径
部をクレビスの小径孔内へ挿通させることにより組付状
態となる。この組付状態では、クレビスピンの大径部と
クレビスの挿通孔の小径孔周囲とがクレビスピンの軸方
向に干渉するので、クレビスピンのクレビスからの抜け
が防止される。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の本発
明に係る車両用ペダルとクレビスとの結合構造は、車両
用ペダルのペダルストロークに拘わらず、クレビスピン
の外周面がクレビスの挿通孔の内周面に接触又は略接触
するように、当該クレビスピンを半径方向へ押圧するガ
タ防止手段を設けたので、クレビスピンと車両用ペダル
の挿通孔及びクレビスの挿通孔との間に各々適正なクリ
アランスを確保した上で、このクリアランスに起因した
クレビスピンとクレビスとのガタ発生を防止することが
できるという優れた効果を有する。
【0073】また、請求項2記載の本発明に係る車両用
ペダルとクレビスとの結合構造は、請求項1記載の本発
明において、車両用ペダルを初期位置に復帰させる方向
へ付勢する付勢手段の付勢力を受けて、梃の原理により
クレビスピンを半径方向へ押圧するレバーによってガタ
防止手段を構成したので、請求項1記載の本発明の効果
に加え、クレビスピンに対する押圧力の設定の自由度を
高めることができるという優れた効果を有する。
【0074】さらに、請求項3記載の本発明に係る車両
用ペダルとクレビスとの結合構造は、請求項1又は請求
項2記載の本発明において、クレビスピンのクレビスの
挿通孔への挿通状態で、当該挿通孔周囲に干渉すること
で当該クレビスピンの当該挿通孔からの脱落を阻止する
脱落阻止手段を、当該クレビスピンに或いは当該クレビ
スピン及び当該クレビスの双方に設けたので、クレビス
ピンの抜け止め用の別部品を廃止することができるとい
う優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係り、ブレーキペダルとクレビス
との結合状態を示す正面図である。
【図2】図1同様、両部材の結合状態を示す側面図であ
る。
【図3】図1同様、両部材の結合状態を示す平面図であ
る。
【図4】図1に示される梃プレートの作用を説明するた
めの説明図である。
【図5】クレビスピンと各部材の挿通孔との位置関係を
示す説明図である。
【図6】ブレーキペダルの周辺概略構成を示す斜視図で
ある。
【図7】第2実施例に係り、(A)はブレーキペダルと
クレビスとの結合状態を示す正面図、(B)はその側面
図である。
【図8】図7に示される捩じりコイルスプリングの作用
を説明するための説明図である。
【図9】クレビスピンとクレビスの挿通孔との位置関係
を示す説明図である。
【図10】クレビスピンとブレーキペダルの挿通孔との
位置関係を示す説明図である。
【図11】第3実施例に係り、(A)はブレーキペダル
とクレビスとの結合状態を示す正面図、(B)はその側
面図である。
【図12】図11に示される捩じりコイルスプリングの
作用を説明するための説明図である。
【図13】クレビスピンとクレビスの挿通孔との位置関
係を示す説明図である。
【図14】第4実施例に係り、(A)はブレーキペダル
とクレビスとの結合状態を示す正面図、(B)はその側
面図である。
【図15】(A)はクレビスピンとクレビスの結合状態
を示す正面図、(B)はその底面図である。
【図16】クレビスピン単品の平面図である。
【図17】(A)はクレビス単品の平面図、(B)はそ
の底面図である。
【図18】抜け止めの仕組みを説明するための説明図で
ある。
【図19】第5実施例に係り、(A)はブレーキペダル
とクレビスとの結合状態を示す正面図、(B)はその側
面図である。
【図20】(A)はクレビス単品の平面図、(B)はそ
の側面図である。
【図21】従来構造を示す平面図である。
【図22】図21に示す構造を概略的に示す正面図であ
る。
【図23】従来構造の課題を説明するための説明図であ
る。
【符号の説明】
10 ブレーキペダル(車両用ペダル) 16 取付ボルト(支軸) 18 マスタシリンダ 20 プッシュロッド 32 クレビス 34 クレビスピン 36 挿通孔 38 挿通孔 38A 大径孔(脱落阻止手段) 38B 小径孔(脱落阻止手段) 40A 大径部(脱落阻止手段) 40B 小径部(脱落阻止手段) 52 梃プレート(ガタ防止手段、レバー) 58 リターンスプリング(ガタ防止手段、付勢手
段) 62 捩じりコイルスプリング(ガタ防止手段) 68 捩じりコイルスプリング(ガタ防止手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 鍵次 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 山本 京司 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 古川 桂吉 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支軸回りに揺動可能に支持され、所定径
    寸法の挿通孔を備えた車両用ペダルと、 マスタシリンダから突出するプッシュロッドの先端部に
    設けられ、所定径寸法の挿通孔を備えたクレビスと、
    を、 双方の挿通孔よりも小径とされたクレビスピンによって
    ピン結合する車両用ペダルとクレビスとの結合構造であ
    って、 前記車両用ペダルのペダルストロークに拘わらず、前記
    クレビスピンの外周面が前記クレビスの挿通孔の内周面
    に接触又は略接触するように、当該クレビスピンを半径
    方向へ押圧するガタ防止手段を設けた、 ことを特徴とする車両用ペダルとクレビスとの結合構
    造。
  2. 【請求項2】 前記ガタ防止手段は、 前記車両用ペダルを初期位置に復帰させる方向へ付勢す
    る付勢手段の付勢力を受けて、梃の原理により前記クレ
    ビスピンを半径方向へ押圧するレバーである、 ことを特徴とする請求項1記載の車両用ペダルとクレビ
    スとの結合構造。
  3. 【請求項3】 前記クレビスピンの前記クレビスの前記
    挿通孔への挿通状態で、当該挿通孔周囲に干渉すること
    で当該クレビスピンの当該挿通孔からの脱落を阻止する
    脱落阻止手段を、当該クレビスピンに或いは当該クレビ
    スピン及び当該クレビスの双方に設けた、 ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両用ペ
    ダルとクレビスとの結合構造。
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