JPH08203065A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH08203065A
JPH08203065A JP7014576A JP1457695A JPH08203065A JP H08203065 A JPH08203065 A JP H08203065A JP 7014576 A JP7014576 A JP 7014576A JP 1457695 A JP1457695 A JP 1457695A JP H08203065 A JPH08203065 A JP H08203065A
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JP
Japan
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magnetic
recording medium
powder
magnetic layer
layer
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Application number
JP7014576A
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English (en)
Inventor
Akira Ishikawa
彰 石川
Hidehiko Nakayama
英比古 中山
Kazutaka Yamashita
和孝 山下
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面平滑性が良好であり、出力(C/N)特
性及びオーバーライト特性に優れ、且つ磁気記録媒体が
帯電することに起因する耐久性の低下がない磁気記録媒
体を提供すること。 【構成】 非磁性支持体と、該非磁性支持体上に設けら
れた複数の磁性層とを有し、該複数の磁性層は、最上層
として設けられた第1の磁性層と、該第1の磁性層に隣
接して設けられた第2の磁性層とを含む磁気記録媒体に
おいて、上記の第2の磁性層は、軟磁性粉末と、導電性
粉末とを含有し、該導電性粉末が、下記一般式(I)で
表されるYBCO粉末の1種以上であることを特徴とす
る磁気記録媒体。 YBa2Cu37-X ・・・(I) (0.03<X<0.64)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、出力(C/N)特性、
オーバーライト特性及び耐久性に優れた磁気記録媒体に
関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、磁気記録媒体は、テープ、ディスク、ドラム或いは
シート等の形態で汎用されている。このような磁気記録
媒体は、通常、ポリエステルフィルムのような非磁性支
持体上に、磁性粉末及び結合剤を主成分とする磁性塗料
を塗布することにより製造されている。そして、特に近
年においては、磁気記録媒体に対し、その小型化と共に
記録の高密度化が要求されている。斯る要求に応えるた
めに、例えば、磁性層の保磁力Hcや残留磁束密度B
rを向上させること、及び磁性層の厚さを薄くするこ
とが提案されており、該の提案としては、具体的に
は、磁性層と支持体との間に第2の層を設け、該第2の
層と磁性層とを重層塗布により形成する、所謂ダブルコ
ート法が提案されている。しかし、上記の提案では、
オーバーライト特性が低下するという問題がある。ま
た、上記の提案では、上記磁性層を形成する塗料と上
記の第2の層を形成する塗料との流動特性を揃える必要
があるが、未だ十分に揃えられておらず、上記磁性層と
上記の第2の磁性層との界面の乱れ及び磁性層の表面平
滑性が損なわれて電磁変換特性が低下するという問題が
ある。
【0003】一方、磁気記録媒体は、静電気により帯電
するため、ゴミや磁性塗膜のくずが付着し易く、これら
がヘッドにかみ込んで媒体表面に傷が入ったり、スペー
スロスやヘッドクロッグの原因となり、該磁気記録媒体
の耐久性を低下させるという問題がる。このため、磁気
記録媒体における磁性層中に界面活性剤やカーボンブラ
ックを添加することが提案されているが、上記界面活性
剤においては、ブロッキングやブルーミングが生じた
り、潤滑剤と反応したりする等の問題があり、また、上
記カーボンブラックにおいては、一次粒子がストラクチ
ュアを有しているため、該カーボンブラックを磁気記録
媒体の帯電を防止できる程度に多量に用いると、磁性塗
料の凝集の原因となり、該凝集により、媒体表面の平滑
性が低下し、出力(C/N)特性が低下するという問題
がある。また、最近では、記録の高密度化が要求されて
いるため、磁性粉末の充填量を増加させる傾向にある
が、上記の提案における磁気記録媒体では、磁性層の
カーボンブラックの含有量を減少させる方が記録の高密
度化に有利であるが、該カーボンブラックの含有量を減
少させると静電気が発生し帯電し易くなるという問題が
生じる。そこで、該帯電を防止するために、上記の第2
の層にカーボンブラックを添加することも提案されてい
るが、上述のように、カーボンブラックを磁気記録媒体
の帯電を防止できる程度に多量に添加すると、第2の層
を形成するための第2の塗料が凝集して、結果的には磁
性層の表面性が低下するという問題が生じる。即ち、磁
性層の表面性を低下させる等の他の弊害を生じさせるこ
となく、帯電に起因する耐久性の低下を防止した磁気記
録媒体は未だ提案されていないのが現状である。
【0004】従って、本発明の目的は、表面平滑性が良
好であり、出力(C/N)特性及びオーバーライト特性
に優れ、且つ磁気記録媒体が帯電することに起因する耐
久性の低下がない磁気記録媒体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討を行った結果、磁気記録媒体の最
上層として設けられた磁性層に隣接して、軟磁性粉末及
び特定の導電性粉末を含有する磁性層を設けた磁気記録
媒体が上記目的を達成し得ることを知見した。
【0006】本発明は、上記知見に基づいてなされたも
ので、非磁性支持体と、該非磁性支持体上に設けられた
複数の磁性層とを有し、該複数の磁性層は、最上層とし
て設けられた第1の磁性層と、該第1の磁性層に隣接し
て設けられた第2の磁性層とを含む磁気記録媒体におい
て、上記の第2の磁性層は、軟磁性粉末と、導電性粉末
とを含有し、該導電性粉末が、下記一般式(I)で表さ
れるYBCO粉末の1種以上であることを特徴とする磁
気記録媒体を提供するものである。 YBa2 Cu3 X ・・・(I) (6.36<X<6.97)
【0007】以下、本発明の磁気記録媒体について詳細
に説明する。先ず、図1を参照して、本発明の磁気記録
媒体の好ましい構成を例示して説明する。
【0008】図1に示す本発明の磁気記録媒体1は、非
磁性支持体2と、該非磁性支持体2上に設けられた複数
の磁性層3とを有し、該複数の磁性層3は、最上層とし
て設けられた第1の磁性層3aと、該第1の磁性層3a
に隣接して設けられた第2の磁性層3bとからなる。ま
た、上記非磁性支持体2の裏面には、必要に応じてバッ
クコート層4が設けられる。
【0009】尚、本発明の磁気記録媒体には、上記非磁
性支持体、上記第1の磁性層、上記第2の磁性層及び上
記バックコート層以外に、更に、非磁性支持体と第2の
磁性層又はバックコート層との間に設けられるプライマ
ー層や、長波長信号を使用するハードシステムに対応し
てサーボ信号等を記録するために設けられる第3の磁性
層等の他の層を設けてもよい。
【0010】本発明の磁気記録媒体において用いられる
上記非磁性支持体2は、通常公知のものを特に制限され
ることなく用いることができるが、具体的には、高分子
樹脂からなる可撓性フィルムやディスク;Cu,Al,
Zn等の非磁性金属、ガラス、磁器、陶器等のセラミッ
ク等からなるフィルム、ディスク、カード等を用いるこ
とができる。
【0011】上記可撓性フィルムや上記ディスクを形成
する上記高分子樹脂としては、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフ
タレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレ
ート、ポリエチレンビスフェノキシカルボキシレート等
のポリエステル類、ポリエチレン、ポリプロピレン等の
ポリオレフィン類、セルロースアセテートブチレート、
セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース誘
導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル
系樹脂、或いはポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネ
ート、ポリスルフォン、ポリエーテル・エーテルケト
ン、ポリウレタン等が挙げられ使用に際しては、単独若
しくは2種以上併用して用いることができる。
【0012】また、本発明の磁気記録媒体において上記
非磁性支持体の裏面に必要に応じて設けられる上記バッ
クコート層は、公知のバックコート塗料を特に制限なく
用いて形成することができる。
【0013】本発明の磁気記録媒体において上記非磁性
支持体上に設けられる上記第1の磁性層は、磁気記録媒
体の最上層、即ち、磁気記録媒体の表面に位置する層と
して設けられる層であり、後述する第2の磁性層上に第
1の磁性塗料を塗布することにより形成される。上記の
第1の磁性塗料は、磁性粉末、バインダ及び溶剤を主成
分とする塗料が好ましく用いられる。
【0014】上記磁性粉末としては、鉄を主体とする強
磁性金属粉末、又は六方晶系フェライト粉末が挙げられ
る。上記強磁性金属粉末の保磁力は、1400〜250
0Oeであるのが好ましい。また、上記六方晶系フェラ
イト粉末の保磁力は、900〜2300Oeであるのが
好ましい。上記強磁性金属粉末及び六方晶系フェライト
の上記保磁力が、それぞれ、上記の下限未満であると、
減磁しやすいため短波長RF出力が低下し、また、上記
の上限を超えると、ヘッド磁界が不充分となり書き込み
能力が不足し、更にはオーバーライト特性が低下するの
で、上記範囲内とするのが好ましい。
【0015】また、上記強磁性金属粉末の飽和磁化は、
100〜180emu/gであるのが好ましく、110〜1
60emu/gであるのが更に好ましい。また、上記六方晶
系フェライト粉末の飽和磁化は、30〜70emu/gであ
るのが好ましく、45〜70emu/gであるのが更に好ま
しい。上記強磁性金属粉末及び上記六方晶系フェライト
粉末の上記飽和磁化が、それぞれ、上記の下限未満であ
ると、磁束密度が低くなり、出力が低下し、また、上記
の上限を超えると、各磁性粉末間の相互作用が大きくな
り、結果的に、磁性粉末が凝集状態となって、所望の出
力を得るのが困難となるので、上記範囲内とするのが好
ましい。
【0016】従って、上記強磁性金属粉末を含有する第
1の磁性層の保磁力は、好ましくは1500〜2400
Oe、更に好ましくは1600〜2200Oeであり、
上記六方晶系フェライト粉末を含有する第1の磁性層の
保磁力は、好ましくは1100〜2200Oeである。
また、上記強磁性金属粉末を含有する第1の磁性層の飽
和磁束密度は、好ましくは3000〜4500ガウス、
更に好ましくは3200〜4000ガウスであり、上記
六方晶系フェライト粉末を含有する第1の磁性層の飽和
磁束密度は、好ましくは1500〜2500ガウス、更
に好ましくは1600〜2300ガウスである。
【0017】上記強磁性金属粉末又は上記六方晶系フェ
ライト粉末を含有する上記の第1の磁性層の保磁力及び
飽和磁束密度が、上記の好ましい範囲である場合に、上
記の第1の磁性層の厚みが0.05〜1.0μmであ
り、上記の第1の磁性層は、後述する第2の磁性層の湿
潤時に塗設・形成されていることが好ましい。
【0018】上記強磁性金属粉末としては、金属分が7
0重量%以上であり、該金属分の80重量%以上がFe
である強磁性金属粉末が挙げられる。該強磁性金属粉末
の具体例としては、例えば、Fe−Co、Fe−Ni、
Fe−Al、Fe−Ni−Al、Fe−Co−Ni、F
e−Ni−Al−Zn、Fe−Al−Si等が挙げられ
る。また、該強磁性金属粉末の形状は、針状又は紡錘状
で、その長軸長が好ましくは0.05〜0.25μm、
更に好ましくは0.05〜0.2μmであり、好ましい
針状比が、3〜20、好ましい結晶子サイズが、130
〜250Åであるのが望ましい。
【0019】また、上記六方晶系フェライト粉末として
は、微小平板状のバリウムフェライト及びストロンチウ
ムフェライト並びにそれらのFe原子の一部がTi、C
o、Ni、Zn、V等の原子で置換された磁性粉末等が
挙げられる。また、該六方晶系フェライト粉末の形状
は、板径が0.02〜0.09μmで板状比が2〜7で
あるのが好ましい
【0020】また、上記磁性粉末には、必要に応じて、
稀土類元素や遷移金属元素を含有せしめることもでき
る。なお、本発明においては、上記磁性粉末の分散性等
を向上させるために、該磁性粉末に表面処理を施しても
よい。上記表面処理は、「Characterization of Powder
Surfaces 」;Academic Pressに記載されている方法等
と同様の方法により行うことができ、例えば上記磁性粉
末の表面を無機質酸化物で被覆する方法が挙げられる。
この際、用いることができる上記無機質酸化物として
は、Al2 3 、SiO2 、TiO2 、ZrO2、Sn
2 、Sb2 3 、ZnO等が挙げられ、使用に際して
は、単独若しくは2種以上混合して用いることができ
る。上記表面処理は、上記の方法以外に、シランカップ
リング処理、チタンカップリング処理及びアルミナカッ
プリング処理等の有機処理により行うこともできる。
【0021】また、上記バインダとしては、熱可塑性樹
脂、熱硬化性樹脂、及び反応型樹脂等が挙げられ、使用
に際しては単独又は混合物として用いることができる。
上記バインダの具体例としては、塩化ビニル系の樹脂、
ポリエステル、ポリウレタン、ニトロセルロース、エポ
キシ樹脂等が挙げられ、その他にも、特開昭57−16
2128号公報の第2頁右上欄19行〜第2頁右下欄1
9行等に記載されている樹脂等が挙げられる。さらに、
上記バインダは、分散性等向上のために極性基を含有し
てもよい。上記バインダの使用量は、上記磁性粉末10
0重量部に対して約5〜100重量部とするのが好まし
く、5〜70重量部とするのが特に好ましい。
【0022】上記溶剤としては、ケトン系の溶剤、エス
テル系の溶剤、エーテル系の溶剤、芳香族炭化水素系の
溶剤、及び塩素化炭化水素系の溶剤等が挙げられ、具体
的には、特開昭57−162128号公報の第3頁右下
欄17行〜第4頁左下欄10行等に記載されている溶剤
を用いることができる。また、上記溶剤の使用量は、上
記磁性粉末100重量部に対して、80〜500重量部
が好ましく、100〜350重量部が更に好ましい。
【0023】また、上記の第1の磁性塗料には、分散
剤、潤滑剤、研磨剤、帯電防止剤、防錆剤、防黴剤、及
び硬化剤等の通常磁気記録媒体に用いられている添加剤
を、必要に応じて添加することができる。上記添加剤と
しては、具体的には、特開昭57−162128号公報
の第2頁左上欄6行〜第2頁右上欄10行及び第3頁左
上欄6行〜第3頁右上欄18行等に記載されている種々
の添加剤を挙げることができる。
【0024】上記の第1の磁性塗料を調製するには、例
えば、上記磁性粉体及び上記バインダを溶剤の一部と共
にナウターミキサー等に投入し予備混合して混合物を
得、得られた混合物を連続式加圧ニーダー等により混練
し、次いで、溶剤の一部で希釈し、サンドミル等を用い
て分散処理した後、潤滑剤等の添加剤を混合して、濾過
し、更にポリイソシアネート等の硬化剤や残りの溶剤を
混合する方法等を挙げることができる。
【0025】上記の第1の磁性層の厚みは、0.05〜
1.0μmであるのが好ましく、0.05〜0.8μm
であるのが更に好ましい。0.05μm未満であると、
均一塗布が困難となり、耐久性も低下する場合があり、
1.0μmを超えると、厚み損失が大きくなり、オーバ
ーライト特性が著しく低下する場合があるので、上記範
囲内とするのが好ましい。
【0026】本発明の磁気記録媒体において上記第1の
磁性層に隣接して設けられる上記第2の磁性層は、軟磁
性粉末と特定の導電性粉末とを含有する層であって、上
記非磁性支持体上に第2の磁性塗料を塗布して形成され
る層である。上記第2の磁性塗料は、上記軟磁性粉末及
び上記導電性粉末を含有する塗料であり、具体的には、
該軟磁性粉末及び該導電性粉末、バインダ及び溶剤を主
成分とする塗料を好ましく用いることができる。
【0027】上記軟磁性粉末としては、軟磁性粉末であ
ればいかなるものでも用いることができるが、特に磁気
ヘッドや電子回路等のいわゆる弱電機器に用いられるも
のが好ましく、例えば近角聡信著「強磁性体の物理
(下)磁気特性と応用」(裳華房,1984年)368
〜376頁に記載されているソフト磁性材料が使用で
き、具体的には、酸化物軟磁性粉末が挙げられる。上記
酸化物軟磁性粉末としては、スピネル型フェライト粉末
が好ましく用いられ、該スピネル型フェライト粉末とし
ては、MnFe2 4 、Fe3 4 、CoFe2 4
NiFe2 4 、MgFe2 4 、Li0.5 Fe2.5
4 や、Mn−Zn系フェライト、Ni−Zn系フェライ
ト、Ni−Cu系フェライト、Cu−Zn系フェライ
ト、Mg−Zn系フェライト、Li−Zn系ファレイト
等を挙げることができ、これらの中でも、Mn−Zn系
フェライトおよびNi−Zn系フェライトが好ましい。
また、使用に際しては、その一種を単独で使用すること
もできるが、その二種以上を併用することもできる。
【0028】また、上記軟磁性粉末としては、金属軟磁
性粉末等を用いることもできる。前記金属軟磁性粉末と
しては、Fe−Si合金、Fe−Al合金(Alperm, Alf
enol ,Alfer)、パーマロイ(Ni−Fe系二元合金、お
よびこれにMo、Cu、Crなどを添加した多元系合
金)、センダスト(Fe−Si−Al〔9.6重量%の
Si、5.4%のAl、残りがFeである組成〕)、F
e−Co合金等を挙げることができる。また、使用に際
しては、その一種を単独で使用することもできるし、又
その二種以上を併用することもできる。
【0029】上記酸化物軟磁性粉末の保磁力は、通常
0.1〜150Oeであり、飽和磁化は、通常30〜9
0emu/gである。また、金属軟磁性粉末の保磁力は、通
常0.02〜100Oeであり、飽和磁化は、通常50
〜500emu/gである。また、上記軟磁性粉末の粒径
は、1mμ〜1,000mμであるのが好ましく、1m
μ〜500mμであるのが更に好ましい。また、上記軟
磁性粉末の比表面積は、10〜50m2 /gであるのが
好ましく、10〜40m2 /gであるのが更に好まし
い。
【0030】上記軟磁性粉末は、下記の如くして製造す
ることができる。即ち、金属軟磁性粉末においては、溶
解した合金を真空雰囲気下に噴霧することにより得るこ
とができる。又、酸化物軟磁性粉末においては、ガラス
結晶化法、共沈焼成法、カ焼法、水熱合成法、フラック
ス法、アルコキシド法、プラズマジェット法等により得
ることができ、更に好ましくは、ガラス結晶化法、共沈
法、水熱合成法等により製造することができる。
【0031】本発明の磁気記録媒体においては、上記の
第2の磁性層が含有する上記の特定の導電性粉末は、下
記一般式(I)で表されるYBCO粉末の1種以上であ
る。 YBa2 Cu3 X ・・・(I) (6.36<X<6.97)
【0032】上記一般式(I)において、Xの値が上記
の所定の範囲外であると、導電性が充分でなく走行耐久
性の低下を防止できない。尚、該Xの値が上記の所定の
範囲内ならば、本発明の効果を充分に得ることができ、
該Xの値は、上記一般式(I)で表されるYBCO粉末
の出発原料となる、BaO、Y2 3 及びCuOの添加
量、添加方法や焼成温度・時間、反応抑制温度・時間、
エージング温度・時間等の合成条件を選択することによ
り、上記の所定の範囲内とすることが出来る。
【0033】上記導電性粉末の平均粒径は、0.01〜
0.3μmであるのが好ましい。上記平均粒径が、0.
01μm未満のものは、実際上合成が困難であり、ま
た、導電性粉末粒子が大きいため第2の磁性層と第1の
磁性層との界面の平滑性が低下することがある。0.3
μmを超えると、該導電性粉末の分散が困難となり、第
2の磁性層と第1の磁性層との界面平滑性が低下する場
合があるため好ましくない。
【0034】上記導電性粉末の比表面積は、10〜60
2 /gであるのが好ましい。上記比表面積が、10m
2 /g未満であると、導電性粉末粒子が大きいため第2
の磁性層と第1の磁性層との界面の平滑性が低下するこ
とがある。また、60m2 /gを超えると、該導電性粉
末の分散が困難となり、第2の磁性層と第1の磁性層と
の界面平滑性が低下する場合があるため好ましくない。
【0035】上記導電性粉末は、湿式化学法、即ち、噴
霧乾燥法、冷凍乾燥法、熱分解法、ゾル・ゲル法、共沈
法等を用いて容易に製造することができ、特に上記の共
沈法を用いた後、カ焼して製造するのが好ましい。この
際、該カ焼時の温度条件等を制御することにより、上記
電導性粉末の粒径を調節することができる。また、上記
導電性粉末を製造する際の製造条件は、例えば、J.Am.C
eram.Soc.77(1994),1436に記載の製造条件等の公知の製
造条件を適宜採用することができる。
【0036】上記導電性粉末の配合割合は、上記軟磁性
粉末100重量部に対して、5〜1000重量部である
のが好ましく、10〜900重量部であるのが更に好ま
しい。上記配合割合が5重量部未満であると、第2の磁
性層の導電性が低下して、第1の磁性層への帯電による
ゴミの付着を防止する効果が低下し、また、エラーレー
トの増加を防止する効果も減少する場合があるため好ま
しくない。一方、上記配合割合が1000重量部を超え
ると、軟磁性粉末を含有する効果が低下し、オーバーラ
イト特性が低下する場合があるため好ましくない。
【0037】また、上記の第2の磁性塗料に用いられる
上記バインダ及び上記溶剤は、上記の第1の磁性塗料に
用いられる上記バインダ及び上記溶剤と同じものを用い
ることができる。また、上記の第2の磁性塗料における
上記バインダの配合割合は、上記軟磁性粉末及び必要に
応じて添加される後述の非磁性粉体の合計量100重量
部に対して、5〜200重量部が好ましく、5〜100
重量部が更に好ましい。また、上記の第2の磁性塗料に
おける上記溶剤の配合割合は、上記軟磁性粉末100重
量部に対して、80〜500重量部が好ましく、100
〜350重量部が更に好ましい。
【0038】また、上記第2の磁性塗料には、分散剤、
潤滑剤、研磨剤、帯電防止剤、防錆剤、防黴剤、及び硬
化剤等の通常磁気記録媒体に用いられている添加剤を、
必要に応じて添加することができる。上記添加剤として
は、具体的には、特開昭57−162128号公報の第
2頁左上欄6行〜第2頁右上欄10行及び第3頁左上欄
6行〜第3頁右上欄18行等に記載されている種々の添
加剤を挙げることができる。
【0039】また、上記の第2の磁性塗料には、非磁性
粉体を添加することもできる。上記非磁性粉体として
は、非磁性であれば特に制限されないが、カーボンブラ
ック、グラファイト、酸化チタン、硫酸バリウム、硫化
亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、
酸化カルシウム、酸化マグネシウム、二硫化タングステ
ン、二硫化モリブデン、窒化ホウ素、二酸化錫、二酸化
珪素、非磁性の酸化クロム、アルミナ、炭化珪素、酸化
セリウム、コランダム、人造ダイヤモンド、非磁性の酸
化鉄、ザクロ石、ガーネット、ケイ石、窒化珪素、炭化
モリブデン、炭化ホウ素、炭化タングステン、炭化チタ
ン、ケイソウ土、ドロマイト、樹脂性の粉末等が挙げら
れ、中でも、カーボンブラック、酸化チタン、硫酸バリ
ウム、炭酸カルシウム、アルミナ、非磁性の酸化鉄等が
好ましく用いられる。また、上記非磁性粉体には、該非
磁性粉体の分散性等を向上させるために、該非磁性粉体
に上述の表面処理を施してもよい。
【0040】また、上記の第2の磁性層の厚みは、0.
2〜5μmであるのが好ましく、0.5〜4μmである
のが更に好ましく、0.5〜2.5μmであるのが最も
好ましい。0.2μm未満であると、得られる磁気記録
媒体のこしの強さが弱くなり、5μmを超えると、オー
バーライト特性が低下するので上記範囲内とするのが好
ましい。
【0041】本発明の磁気記録媒体は、8mmビデオテ
ープやDATテープ等の磁気テープとして好適である
が、フロッピーディスク等の他の磁気記録媒体としても
適用することができる。
【0042】次に、本発明の磁気記録媒体を製造する方
法の概略を述べる。まず、上記非磁性支持体上に上記の
第1の磁性塗料と上記の第2の磁性塗料とを第1の磁性
層及び第2の磁性層の乾燥膜厚がそれぞれ前記の厚みと
なるようにウエット・オン・ウエット方式により同時重
層塗布を行い、第1及び第2の磁性層の塗膜を形成す
る。即ち、上記の第1の磁性層は、上記の第2の磁性層
の湿潤時に塗設・形成されているのが好ましい。次い
で、該塗膜に対して、磁場配向処理を行った後、乾燥処
理を行い巻き取る。この後、必要に応じてカレンダー処
理を行った後、更に必要に応じてバックコート層を形成
する。次いで、必要に応じて、例えば、磁気テープを得
る場合には、40〜70℃下にて、6〜72時間エージ
ング処理し、所望の幅にスリットする。
【0043】上記同時重層塗布方法は、特開平5−73
883号公報の第42欄31行〜第43欄31行等に記
載されており、上記第2の磁性層を形成する上記第2の
磁性塗料が乾燥する前に上記の第1の磁性層を形成する
上記の第1の磁性塗料を塗布する方法であって、上記の
第1の磁性層と上記の第2の磁性層との境界面が滑らか
になると共に上記の第1の磁性層の表面性も良好になる
ため、ドロップアウトが少なく、高密度記録に対応でき
且つ塗膜(第1の磁性層及び第2の磁性層)の耐久性に
も優れた磁気記録媒体が得られる。
【0044】また、上記磁場配向処理は、上記第1及び
第2の磁性塗料が乾燥する前に行われ、例えば、本発明
の磁気記録媒体が磁気テープの場合には、上記第1の磁
性塗料の塗布面に対して平行方向に約500Oe以上、
好ましくは約1000〜10000Oeの磁界を印加す
る方法や、上記の第1及び第2の磁性塗料が湿潤状態の
うちに1000〜10000Oeのソレノイド等の中を
通過させる方法等により行うことができる。
【0045】上記乾燥処理は、例えば、30〜120℃
に加熱された気体の供給により行うことができ、この
際、気体の温度とその供給量を制御することにより塗膜
の乾燥程度を制御することができる。
【0046】また、上記カレンダー処理は、メタルロー
ル及びコットンロール若しくは合成樹脂ロール、メタル
ロール及びメタルロール等の2本のロールの間を通すス
ーパーカレンダー法等により行うことができる。また、
上記カレンダー処理の条件は、60〜140℃、100
〜500kg/cmとすることができる。
【0047】また、必要に応じて設けられる上記バック
コート層は、上記非磁性支持体の裏面(上記第1及び第
2の磁性層を設けていない側の面)に設けられるもので
あり、通常バックコート層の形成に用いられているバッ
クコート塗料を上記非磁性支持体上に塗布することによ
り得られるものである。
【0048】尚、本発明の磁気記録媒体の製造に際して
は、必要に応じ、磁性層表面の研磨やクリーニング工程
等の仕上げ工程を施すこともできる。また、上記第1及
び第2の磁性塗料の塗布は、通常公知の逐次重層塗布方
法により行うこともできる。
【0049】
【実施例】次に、実施例及び比較例により本発明を更に
具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。
【0050】〔実施例1及び2,比較例1及び2〕下記
配合の第1の磁性塗料A及びBと、下記配合の第2の磁
性塗料(イ)、(ロ)及び(ハ)とを〔表1〕に示す組
み合わせで用い、またバックコート塗料として下記配合
のバックコート塗料を用い、下記〔磁気記録媒体の製造
方法〕に準じて磁気テープの製造を行って、それぞれ
〔表1〕に示す第1及び第2の磁性塗料により第1及び
第2の磁性層が形成されてなる磁気記録媒体としての磁
気テープを得た。尚、第1の磁性塗料A又はBを用いて
形成した第1の磁性層(Aの乾燥膜厚;0.8μm、B
の乾燥膜厚;0.5μm)の保磁力及び飽和磁束密度を
後述の〔測定法〕に準じて測定したところ、第1の磁性
塗料Aを用いて形成した第1の磁性層の保磁力は、16
30Oeであり、飽和磁束密度は、3450ガウスであ
った。また第1の磁性塗料Bを用いて形成した第1の磁
性層の保磁力は、1270Oeであり、飽和磁束密度
は、1920ガウスであった。
【0051】 第1の磁性塗料A ・鉄を主体とする針状の強磁性金属粉末 100重量部 Fe:Al:Ba:Si:Ni:Co(重量比)=88:2:1:1:3:5 保磁力;1610Oe、 飽和磁化;128emu/g 平均長軸長;0.25μm、比表面積;58m2 /g 結晶子サイズ;190Å、軸比;10 ・アルミナ(平均粒径0.3μm) 8重量部 ・カーボンブラック(平均一次粒子径50nm) 0.5重量部 ・「MR−110」 10重量部 〔商品名、日本ゼオン(株)製、スルホン酸基含有塩化ビニル系重合体〕 ・「UR−8700」 7重量部 〔商品名、東洋紡績(株)製、スルホン酸基含有ポリウレタン樹脂〕 ・2−エチルヘキシルステアレート 2重量部 ・パルミチン酸 2重量部 ・「コロネートL」 3重量部 〔商品名、日本ポリウレタン工業(株)製、ポリイソシアネート化合物〕 ・メチルエチルケトン 120重量部 ・トルエン 80重量部 ・シクロヘキサノン 40重量部
【0052】 第1の磁性塗料B ・六方晶形フェライト粉末 100重量部 (六角板状のCo−Ti置換バリウムフェライト粉末 ) 保磁力;1080Oe、 飽和磁化;58emu/g 平均板径;0.06μm、板状比;5 ・アルミナ(平均粒径0.2μm) 5重量部 ・カーボンブラック(平均一次粒子径20nm) 2重量部 ・「MR−110」 6重量部 〔商品名、日本ゼオン(株)製、スルホン酸基含有塩化ビニル系重合体〕 ・「UR−8700」 4重量部 〔商品名、東洋紡績(株)製、スルホン酸基含有ポリウレタン樹脂〕 ・2−エチルヘキシルステアレート 1.5重量部 ・パルミチン酸 1.5重量部 ・「コロネートL」 3重量部 (商品名、日本ポリウレタン工業(株)製、ポリイソシアネート化合物〕 ・メチルエチルケトン 60重量部 ・トルエン 40重量部 ・シクロヘキサノン 20重量部
【0053】 第2の磁性塗料(イ) (重量部) ・Mn−Znフェライト 95 (比表面積;25m2 /g、水熱合成により合成したもの) ・YBa2 Cu3 6.8 (平均粒径0.2μm) 5 ・「MR110」 10 〔商品名、日本ゼオン(株)製、スルホン酸基含有塩化ビニル系重合体〕 ・「UR8700」 8 〔商品名、東洋紡績(株)製、スルホン酸基含有ポリウレタン樹脂〕 ・2−エチルヘキシルステアレート 2 ・パルミチン酸 1 ・「コロネートL」 3 (商品名、日本ポリウレタン工業(株)製、ポリイソシアネート化合物〕 ・メチルエチルケトン 60 ・トルエン 40 ・シクロヘキサノン 20
【0054】第2の磁性塗料(ロ) YBa2 Cu3 6.8(平均粒径0.2μm)に代えて、
YBa2 Cu3 6.22(平均粒径0.8μm)を用いた
以外は、上記の第2の磁性塗料(イ)と同じ。第2の磁性塗料(ハ) YBa2 Cu3 6.8 (平均粒径0.2μm)に代え
て、カーボンブラック(コロンビアン・カーボン社製、
商品名「コンダックテックス975」)を用いた以外
は、上記の第2の磁性塗料(イ)と同じ。
【0055】 (バックコート塗料の配合) カーボンブラック(平均一次粒径0.028μm) 32重量部 カーボンブラック(平均一次粒径0.062μm) 8重量部 「ニッポラン2301」〔商品名,日本ポリウレタン工業(株)製のポリウレタ ン〕 20重量部 ニトロセルロース(Hercules Powder Co.製の粘度表示 1/2秒のもの) 20重量部 ポリイソシアネート(武田薬品工業(株)製、商品名「D−250N」) 4重量部 銅フタロシアニン 5重量部 ステアリン酸 1重量部 メチルエチルケトン 120重量部 トルエン 120重量部 シクロヘキサノン 120重量部
【0056】〔磁気記録媒体の製造〕厚さ6μmのポリ
エチレンナフタレートフィルムの表面上に上記の第1及
び第2の磁性塗料を乾燥膜厚が〔表1〕に示す値となる
ように塗布し、第1及び第2の磁性層の塗膜を形成し
た。次いで、塗膜が湿潤状態のうちに5000Oeのソ
レノイド中を通過させて磁場配向処理を行い、80℃に
て乾燥処理を行った後巻き取った。次いで、85℃、3
50kg/cmの条件でカレンダー処理を行い第1及び
第2の磁性層を形成した後、上記非磁性支持体の裏面上
にバックコート塗料を乾燥膜厚が0.5μmになるよう
塗布し、90℃にて乾燥処理を行った後、巻き取った。
その後、50℃下にて、16時間エージング処理した
後、3.81mm幅、90m長さに裁断し、磁気テープを
得、得られた磁気テープをDATのカセットケースに装
填してDATカセットを作製した。
【0057】得られた磁気記録媒体としての磁気テープ
について、下記の如く表面粗さ、C/N特性、オーバー
ライト特性、耐久性について評価した。その結果を〔表
1〕に示す。
【0058】〔測定法〕 ◎保磁力及び飽和磁束密度 上記非磁性支持体及び第2の磁性層上に塗工された上記
第1の磁性層について、粘着テープを用いて該非磁性支
持体及び第2の磁性層から該第1の磁性層のみを剥離さ
せ、該第1の磁性層を所定寸法形状に打抜き、振動式磁
力計を使用して、印加磁場10kOeにて、保磁力及び
飽和磁束密度をそれぞれ測定した。 ◎磁気記録媒体の表面粗さ 表面粗さRa 得られた磁気記録媒体について、株式会社東京精密製
表面粗さ形状測定器商品名「サーフコム553A」を使
用し、針の半径2μm、荷重30mgで拡大倍率20万
倍、カットオフ0.08mmの条件で測定を行った。尚、
Ra(中心線平均粗さ)は、粗さ曲線からその中心線の
方向に測定長Lの部分を抜き取り、この抜き取り部分の
中心線をX軸、縦倍率の方向をY軸とし、粗さ曲線をy
=f(x)で表した時、次の式によって求られる値を
〔nm〕で表したものである。
【0059】
【数1】
【0060】◎C/N特性(DATカセットの評価) DDS−1ドライブ(データ記録用のDATドライブ)
を用い、4.7MHzの単一波を記録し、再生出力
(C)をスペクトラムアナライザーで観測し、ノイズレ
ベルを3.7MHzノイズレベル(N)としてC/Nを
表わした。尚、比較例4を基準とした。 ◎オーバーライト特性 DDS−1ドライブ(データ記録用のDATドライブ)
を用い、1.2MHz又は130KHzの信号を記録
し、次いで4.7MHz又は1.5MHzの信号を重ね
書きし、残留する1.2MHz又は130KHzの信号
の出力レベルを測定した。尚、比較例4を基準とした。
また、残留出力レベルが小さい程、オーバーライト特性
は良好である。 ◎走行耐久性 DDS−1ドライブを用い、まず得られた磁気テープの
初期のブロックエラーレート(1st-BER)を測定(BO
T:Beginning 及びEOT:End of Tape の5分間を除
く全長の平均値)し、次いで全長にわたる記録及び再生
を10回行なった。そして、10回目のブロックエラー
レート(10th-BER)を測定(全長の平均値)し、得られ
た測定値を初期ブロックエラーレートと比較した。尚、
上昇の少ない方(10th-BER/1st-BER)が走行耐久性の良
好なものである。
【0061】〔比較例3〕第2の磁性層を形成しない以
外は、実施例1及び2,比較例1及び2と同様にして磁
気テープを作製し、得られた磁気テープについて実施例
1及び2,比較例1及び2と同様に試験を行い評価し
た。その結果を〔表1〕に示す。尚、第1の磁性塗料A
を用いて形成した第1の磁性層〔単層〕(乾燥膜厚:
2.5μm)の保磁力及び飽和磁束密度を上述の〔測定
法〕に準じて測定したところ、該第1の磁性層の保磁力
は、1610Oeであり、飽和磁束密度は、3470ガ
ウスであった。
【0062】〔比較例4〕上記の第2の磁性塗料に代え
て、下記非磁性塗料を用いた以外は、上記の実施例1及
び2,比較例1及び2と同様にして磁気テープを作製
し、得られた磁気テープについて実施例1及び2,比較
例1及び2と同様に試験を行い評価した。その結果を
〔表1〕に示す。非磁性塗料(ニ) Mn−Znフェライトに代えて、針状のα−Fe2 3
(平均長軸長0.17μm、針状比10)を用いた以外
は、上記の第2の磁性塗料(イ)と同じ。
【0063】〔比較例5〕上記の第1の磁性塗料Bと、
下記の第2の磁性塗料(ホ)とを用いた以外は、上記の
実施例1及び2,比較例1及び2と同様にして磁気テー
プを作製し、得られた磁気テープについて実施例1及び
2,比較例1及び2と同様に試験を行い評価した。その
結果を〔表1〕に示す。第2の磁性塗料(ホ) Mn−Znフェライト95重量部を、該Mn−Znフェ
ライト100重量部にして用い、また、YBa2 Cu3
6.8 を使用しない以外は、上記の第2の磁性塗料
(イ)と同じ。
【0064】
【表1】
【0065】〔表1〕に示す結果から明らかなように、
本発明の磁気記録媒体は、第2の磁性層が軟磁性粉末及
び特定の導電性粉末を有しているので、C/N特性、オ
ーバーライト特性、耐久性及び表面粗さに優れているこ
とが判る。
【0066】
【発明の効果】本発明の磁気記録媒体は、表面平滑性が
良好であり、出力(C/N)特性及びオーバーライト特
性に優れ、且つ磁気記録媒体が帯電することに起因する
耐久性の低下がないものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の磁気記録媒体の構造を示す概
略断面図である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体と、該非磁性支持体上に設
    けられた複数の磁性層とを有し、該複数の磁性層は、最
    上層として設けられた第1の磁性層と、該第1の磁性層
    に隣接して設けられた第2の磁性層とを含む磁気記録媒
    体において、 上記の第2の磁性層は、軟磁性粉末と、導電性粉末とを
    含有し、該導電性粉末が、下記一般式(I)で表される
    YBCO粉末の1種以上であることを特徴とする磁気記
    録媒体。 YBa2 Cu3 X ・・・(I) (6.36<X<6.97)
  2. 【請求項2】 上記導電性粉末は、その平均粒径が0.
    01〜0.3μmであることを特徴とする請求項1記載
    の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 上記の第1の磁性層は、強磁性金属粉末
    を含有しており、該第1の磁性層の保磁力が1500〜
    2400Oeであり、飽和磁束密度が3000〜450
    0ガウスであることを特徴とする請求項1記載の磁気記
    録媒体。
  4. 【請求項4】 上記の第1の磁性層は、六方晶系フェラ
    イト粉末を含有しており、該第1の磁性層の保磁力が1
    100〜2200Oeであり、飽和磁束密度が1500
    〜2500ガウスであることを特徴とする請求項1記載
    の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 上記の第1の磁性層は、その厚みが0.
    05〜1.0μmであり、上記の第1の磁性層は、上記
    の第2の磁性層の湿潤時に塗設・形成されていることを
    特徴とする請求項3又は4記載の磁気記録媒体。
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