JPH08199255A - 貴鉛からアンチモンと鉛を分別除去する方法 - Google Patents
貴鉛からアンチモンと鉛を分別除去する方法Info
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- JPH08199255A JPH08199255A JP2891295A JP2891295A JPH08199255A JP H08199255 A JPH08199255 A JP H08199255A JP 2891295 A JP2891295 A JP 2891295A JP 2891295 A JP2891295 A JP 2891295A JP H08199255 A JPH08199255 A JP H08199255A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 アンチモンや鉛を多量に含む貴鉛から、フラ
ックス添加によってアンチモンと鉛を分別酸化除去する
方法を提供する。 【構成】 貴金属およびアンチモンと鉛を含む貴鉛か
ら、酸化製錬により貴金属をメタルとして回収するに際
し、炭酸ソーダまたは/および硫酸カルシウムをフラッ
クスとして加えて酸化ガスを吹き込むことによりアンチ
モンと鉛を分別酸化する。
ックス添加によってアンチモンと鉛を分別酸化除去する
方法を提供する。 【構成】 貴金属およびアンチモンと鉛を含む貴鉛か
ら、酸化製錬により貴金属をメタルとして回収するに際
し、炭酸ソーダまたは/および硫酸カルシウムをフラッ
クスとして加えて酸化ガスを吹き込むことによりアンチ
モンと鉛を分別酸化する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アンチモンおよび鉛を
含む貴鉛からアンチモンおよび鉛を分別酸化除去する方
法に関する。
含む貴鉛からアンチモンおよび鉛を分別酸化除去する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】銅あるいは亜鉛、鉛などの非鉄金属製錬
工程の電解精製時に生成するアノードスライムには有価
金属を高濃度で含有するものが多く、特に、金、銀につ
いては早期回収が望まれている。この金、銀を回収する
ための一例として、従来から分銀炉が利用されている。
分銀炉工程の前に、銅電解工程および鉛電解工程にて生
成したアノードスライムは電気炉で還元されて金、銀を
含む貴鉛となる。この貴鉛は金、銀の他、鉛、アンチモ
ン、ビスマス、テルル等を含んでおり、これらの不純物
を除去するために、通常は、まず揮発炉で酸化揮発によ
りアンチモンの一部を除去し、次いで塩化炉で塩化揮発
により鉛の一部を除去して金、銀を濃縮した貴鉛とす
る。この貴鉛には、上記の不純物がまだ含まれているた
め、分銀炉中で重油バーナーにより加熱熔解した後、熔
体となったメタルに空気を吹き当て、不純物である鉛そ
の他の卑な金属を酸化し分離する。
工程の電解精製時に生成するアノードスライムには有価
金属を高濃度で含有するものが多く、特に、金、銀につ
いては早期回収が望まれている。この金、銀を回収する
ための一例として、従来から分銀炉が利用されている。
分銀炉工程の前に、銅電解工程および鉛電解工程にて生
成したアノードスライムは電気炉で還元されて金、銀を
含む貴鉛となる。この貴鉛は金、銀の他、鉛、アンチモ
ン、ビスマス、テルル等を含んでおり、これらの不純物
を除去するために、通常は、まず揮発炉で酸化揮発によ
りアンチモンの一部を除去し、次いで塩化炉で塩化揮発
により鉛の一部を除去して金、銀を濃縮した貴鉛とす
る。この貴鉛には、上記の不純物がまだ含まれているた
め、分銀炉中で重油バーナーにより加熱熔解した後、熔
体となったメタルに空気を吹き当て、不純物である鉛そ
の他の卑な金属を酸化し分離する。
【0003】以上説明したように、分銀炉で金メタルお
よび銀メタルを得るには、各種の不純物を除去するため
に様々な工程が必要であったが、これらの工程の簡略化
が求められている。このため、従来行われている酸化揮
発工程、あるいは塩化揮発工程によるアンチモンや鉛除
去を行わず、電気炉で得られた貴鉛を直接に分銀炉で処
理するという方法が考えられた。この方法では、分銀炉
で生成するスラグに、従来よりも多量のアンチモンや鉛
が分配される。従って、このスラグからアンチモンや鉛
を分別回収するために、スラグ生成の段階でアンチモン
と鉛を分別できる方法が必要となる。
よび銀メタルを得るには、各種の不純物を除去するため
に様々な工程が必要であったが、これらの工程の簡略化
が求められている。このため、従来行われている酸化揮
発工程、あるいは塩化揮発工程によるアンチモンや鉛除
去を行わず、電気炉で得られた貴鉛を直接に分銀炉で処
理するという方法が考えられた。この方法では、分銀炉
で生成するスラグに、従来よりも多量のアンチモンや鉛
が分配される。従って、このスラグからアンチモンや鉛
を分別回収するために、スラグ生成の段階でアンチモン
と鉛を分別できる方法が必要となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
に示すような工程改善のために、アンチモンや鉛を多量
に含む貴鉛から、フラックス添加によってアンチモンと
鉛を分別酸化除去する方法の提供にある。
に示すような工程改善のために、アンチモンや鉛を多量
に含む貴鉛から、フラックス添加によってアンチモンと
鉛を分別酸化除去する方法の提供にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明による貴鉛からア
ンチモンおよび鉛を分別除去する方法は、貴金属および
アンチモンと鉛を含む貴鉛から、酸化製錬により貴金属
をメタルとして回収するに際し、炭酸ソーダまたは/お
よび硫酸カルシウムをフラックスとして加えて酸化ガス
を吹き込むことによりアンチモンと鉛を分別酸化するこ
とを特徴とする。前述のように、貴鉛中のアンチモンを
除去回収するために、揮発炉によりアンチモンを三酸化
アンチモンとして揮発させて、貴鉛中のアンチモン品位
を下げる工程に必要な時間は長く、回収効率に与える影
響が大きいことから、本発明では、貴鉛を直接に分銀炉
で酸化処理して分銀炉中で生成したスラグからアンチモ
ンと鉛を回収する。この方法を実施すると、揮発炉を経
た場合よりもアンチモン品位が高い貴鉛から、アンチモ
ンと鉛を酸化物として除去回収するので、後工程のアン
チモンと鉛の処理を考えると、分銀炉のスラグ生成時に
分別して回収できることが望ましい。すなわち、アンチ
モンと鉛を別々に酸化させることが可能であれば、分別
してスラグ化することができることになる。
ンチモンおよび鉛を分別除去する方法は、貴金属および
アンチモンと鉛を含む貴鉛から、酸化製錬により貴金属
をメタルとして回収するに際し、炭酸ソーダまたは/お
よび硫酸カルシウムをフラックスとして加えて酸化ガス
を吹き込むことによりアンチモンと鉛を分別酸化するこ
とを特徴とする。前述のように、貴鉛中のアンチモンを
除去回収するために、揮発炉によりアンチモンを三酸化
アンチモンとして揮発させて、貴鉛中のアンチモン品位
を下げる工程に必要な時間は長く、回収効率に与える影
響が大きいことから、本発明では、貴鉛を直接に分銀炉
で酸化処理して分銀炉中で生成したスラグからアンチモ
ンと鉛を回収する。この方法を実施すると、揮発炉を経
た場合よりもアンチモン品位が高い貴鉛から、アンチモ
ンと鉛を酸化物として除去回収するので、後工程のアン
チモンと鉛の処理を考えると、分銀炉のスラグ生成時に
分別して回収できることが望ましい。すなわち、アンチ
モンと鉛を別々に酸化させることが可能であれば、分別
してスラグ化することができることになる。
【0006】そこで、銅電解工程あるいは鉛電解工程に
て生成した澱物を電気炉で処理した貴鉛に、各種フラッ
クスを添加して酸素富化空気を吹き込んでアンチモンと
鉛の酸化除去試験を行った。その結果、フラックスとし
て炭酸ソーダまたは硫酸カルシウムを加えることによっ
て、初期の酸化段階で、貴鉛からアンチモンの優先的な
除去と鉛の酸化の抑制を行うことができ、アンチモンと
鉛の分別酸化除去が可能になることが判った。本発明に
おける炭酸ソーダや硫酸カルシウムの添加量は、貴鉛中
に含まれるアンチモン1モルに対して0.1モル以上添
加すれば良いが、反応性や操業の関係から0.5〜1.
5モルが好ましい。
て生成した澱物を電気炉で処理した貴鉛に、各種フラッ
クスを添加して酸素富化空気を吹き込んでアンチモンと
鉛の酸化除去試験を行った。その結果、フラックスとし
て炭酸ソーダまたは硫酸カルシウムを加えることによっ
て、初期の酸化段階で、貴鉛からアンチモンの優先的な
除去と鉛の酸化の抑制を行うことができ、アンチモンと
鉛の分別酸化除去が可能になることが判った。本発明に
おける炭酸ソーダや硫酸カルシウムの添加量は、貴鉛中
に含まれるアンチモン1モルに対して0.1モル以上添
加すれば良いが、反応性や操業の関係から0.5〜1.
5モルが好ましい。
【0007】本発明によれば、酸化の初期の段階で、熔
融したメタルからのアンチモンの優先的な酸化が進め
ば、鉛の酸化が始まる前にメタル表面に生成したスラグ
を機械的に除去することによって、アンチモンリッチの
スラグが得られることになる。その時期については貴鉛
中のアンチモンのモル数に対し、吹き込み酸素量が0.
75モルとなる付近が好ましい。その後、さらに酸素富
化空気の吹き込みによって、鉛の酸化を進行させ、鉛の
モル数に対し吹き込み酸素量が0.5モルとなる付近で
スラグを機械的に除去してメタルとの分離を行えば、ア
ンチモンの高いスラグと鉛の高いスラグ、そしてメタル
の3つに分離することができる。こうして分離された高
アンチモン品位スラグと高鉛品位スラグは、別々の工程
でスムーズに処理されることになる。
融したメタルからのアンチモンの優先的な酸化が進め
ば、鉛の酸化が始まる前にメタル表面に生成したスラグ
を機械的に除去することによって、アンチモンリッチの
スラグが得られることになる。その時期については貴鉛
中のアンチモンのモル数に対し、吹き込み酸素量が0.
75モルとなる付近が好ましい。その後、さらに酸素富
化空気の吹き込みによって、鉛の酸化を進行させ、鉛の
モル数に対し吹き込み酸素量が0.5モルとなる付近で
スラグを機械的に除去してメタルとの分離を行えば、ア
ンチモンの高いスラグと鉛の高いスラグ、そしてメタル
の3つに分離することができる。こうして分離された高
アンチモン品位スラグと高鉛品位スラグは、別々の工程
でスムーズに処理されることになる。
【0008】
【作用】図1は炭酸ソーダを添加した場合と無添加の場
合の酸素富化ガス吹き込み過程において貴鉛からアンチ
モンと鉛を除去する状態の変化を示すグラフである。ま
た、図2は硫酸カルシウムを添加した場合と無添加の場
合の酸素富化ガス吹き込み過程において貴鉛からアンチ
モンと鉛を除去する状態の変化を示すグラフである。
合の酸素富化ガス吹き込み過程において貴鉛からアンチ
モンと鉛を除去する状態の変化を示すグラフである。ま
た、図2は硫酸カルシウムを添加した場合と無添加の場
合の酸素富化ガス吹き込み過程において貴鉛からアンチ
モンと鉛を除去する状態の変化を示すグラフである。
【0009】図1および図2に示すように、フラックス
を添加しない場合、貴鉛中のアンチモンと鉛はほぼ同様
な傾向で除去されており、これらの元素が同時に酸化さ
れていくことがわかる。これに対して、フラックスとし
て炭酸ソーダや硫酸カルシウムを添加した場合、アンチ
モンはフラックス無添加の場合よりも早い速度で酸化除
去されているにもかかわらず、鉛はほとんど除去されて
おらず、アンチモンと鉛の分別が可能なことがわかる。
すなわち、鉛が酸化され始める前に生成したスラグを除
去すれば、鉛を含まないアンチモン主体のスラグを得る
ことができ、アンチモンが除去されてから生成したスラ
グを除去すれば鉛主体のスラグが回収できることにな
る。炭酸ソーダや硫酸カルシウムを添加することによっ
てアンチモンが選択的に貴鉛から除去されるのは、強塩
基性のスラグであるソーダ系スラグやカルシウム系スラ
グを生成させることによって、アンチモンのスラグ/メ
タル分配率を高める効果が生じたため、貴鉛から選択的
に脱アンチモンが進んだと考えられる。
を添加しない場合、貴鉛中のアンチモンと鉛はほぼ同様
な傾向で除去されており、これらの元素が同時に酸化さ
れていくことがわかる。これに対して、フラックスとし
て炭酸ソーダや硫酸カルシウムを添加した場合、アンチ
モンはフラックス無添加の場合よりも早い速度で酸化除
去されているにもかかわらず、鉛はほとんど除去されて
おらず、アンチモンと鉛の分別が可能なことがわかる。
すなわち、鉛が酸化され始める前に生成したスラグを除
去すれば、鉛を含まないアンチモン主体のスラグを得る
ことができ、アンチモンが除去されてから生成したスラ
グを除去すれば鉛主体のスラグが回収できることにな
る。炭酸ソーダや硫酸カルシウムを添加することによっ
てアンチモンが選択的に貴鉛から除去されるのは、強塩
基性のスラグであるソーダ系スラグやカルシウム系スラ
グを生成させることによって、アンチモンのスラグ/メ
タル分配率を高める効果が生じたため、貴鉛から選択的
に脱アンチモンが進んだと考えられる。
【0010】
[実施例1]表1に示す化学組成を有する貴鉛600g
を内径50mm、深さ180mmのアルミナタンマン管
に入れ、試験用のルツボ炉中で加熱し熔解した。熔融の
温度が1100℃となったところで、シリンジにより熔
融メタルのサンプリングを実施した後、フラックスとし
て炭酸ソーダの一級試薬84gを添加した。その後、酸
素富化空気(O2:80%−N2:20%)を300ml
/mimで吹き込みながら、一定時間毎に熔融メタルの
サンプリングを行った。熔融メタルの温度は1100℃
±5℃以内で制御した。
を内径50mm、深さ180mmのアルミナタンマン管
に入れ、試験用のルツボ炉中で加熱し熔解した。熔融の
温度が1100℃となったところで、シリンジにより熔
融メタルのサンプリングを実施した後、フラックスとし
て炭酸ソーダの一級試薬84gを添加した。その後、酸
素富化空気(O2:80%−N2:20%)を300ml
/mimで吹き込みながら、一定時間毎に熔融メタルの
サンプリングを行った。熔融メタルの温度は1100℃
±5℃以内で制御した。
【0011】
【表1】 メタル組成 Sb Pb Ag Bi wt% 14.6 45.5 34.4 3.9
【0012】次いで、ここで得られたメタルサンプルの
化学分析を実施した。このようにして得られた各メタル
サンプルにおけるアンチモンと鉛の除去率を表2に示
す。
化学分析を実施した。このようにして得られた各メタル
サンプルにおけるアンチモンと鉛の除去率を表2に示
す。
【0013】
【表2】 吹き込み酸素量 Sb除去率 Pbの除去率 (リットル) (wt%) (wt%) 0 0 0 2.4 20.5 0.4 4.8 37.9 0.3 炭酸ソーダ 7.2 60.2 0.3 + 9.6 76.0 0.4 酸素富化空気 12.0 88.4 0.9 14.4 95.9 12.0 16.8 97.7 36.0 19.2 99.1 63.3 21.6 99.3 89.2 24.0 99.9 98.8
【0014】表2に示されるように、炭酸ソーダを添加
した本発明では、アンチモンが酸化アンチモンとして熔
融メタル中より先行して除去されており、その後に鉛が
除去されている。このように、本発明は炭酸ソーダをフ
ラックスとして加えることによって、アンチモンと鉛を
選択的に分離酸化除去することができる。
した本発明では、アンチモンが酸化アンチモンとして熔
融メタル中より先行して除去されており、その後に鉛が
除去されている。このように、本発明は炭酸ソーダをフ
ラックスとして加えることによって、アンチモンと鉛を
選択的に分離酸化除去することができる。
【0015】[実施例2]フラックスとして硫酸カルシ
ウムの一級試薬57gを添加した他は、実施例1と同様
に処理し、サンプリングを行い、化学分析を実施した。
このようにして得られたアンチモンと鉛の除去率を表3
に示す。
ウムの一級試薬57gを添加した他は、実施例1と同様
に処理し、サンプリングを行い、化学分析を実施した。
このようにして得られたアンチモンと鉛の除去率を表3
に示す。
【0016】
【表3】 吹き込み酸素量 Sb除去率 Pbの除去率 (リットル) (wt%) (wt%) 0 0 0 2.4 26.9 0.4 4.8 44.3 0.3 硫酸カルシウム 7.2 60.2 0.3 + 9.6 72.3 2.8 酸素富化空気 12.0 84.7 9.6 14.4 91.5 29.1 16.8 96.9 51.6 19.2 99.1 78.8 21.6 99.6 93.6 24.0 99.9 99.2
【0017】表3に示されるように、硫酸カルシウムを
添加した本発明では、アンチモンが酸化アンチモンとし
て熔融メタル中より先行して除去されており、その後に
鉛が除去されている。このように、本発明は硫酸カルシ
ウムをフラックスとして加えることによって、アンチモ
ンと鉛を選択的に分離酸化除去することができる。
添加した本発明では、アンチモンが酸化アンチモンとし
て熔融メタル中より先行して除去されており、その後に
鉛が除去されている。このように、本発明は硫酸カルシ
ウムをフラックスとして加えることによって、アンチモ
ンと鉛を選択的に分離酸化除去することができる。
【0018】[比較例]表1に示す化学組成を有する貴
鉛600gを内径50mm、深さ180mmのアルミナ
タンマン管に入れ、試験用のルツボ炉中で加熱し熔解し
た。熔融メタルの温度が1100℃となったところで、
シリンジにより熔融メタルのサンプリングを実施した
後、酸素富化空気(O2:80%−N2:20%)を30
0ml/minで吹き込みながら、一定時間毎に熔融メ
タルのサンプリングを行った。熔融メタルの温度は11
00℃±5℃以内で制御した。次いで、ここで得られた
メタルサンプルの化学分析を実施した。このようにして
得られた各メタルサンプルにおけるアンチモンと鉛の除
去率を表4に示す。
鉛600gを内径50mm、深さ180mmのアルミナ
タンマン管に入れ、試験用のルツボ炉中で加熱し熔解し
た。熔融メタルの温度が1100℃となったところで、
シリンジにより熔融メタルのサンプリングを実施した
後、酸素富化空気(O2:80%−N2:20%)を30
0ml/minで吹き込みながら、一定時間毎に熔融メ
タルのサンプリングを行った。熔融メタルの温度は11
00℃±5℃以内で制御した。次いで、ここで得られた
メタルサンプルの化学分析を実施した。このようにして
得られた各メタルサンプルにおけるアンチモンと鉛の除
去率を表4に示す。
【0019】
【表4】 吹き込み酸素量 Sb除去率 Pbの除去率 (リットル) (wt%) (wt%) 0 0 0 2.4 0.8 1.1 4.8 4.0 2.2 7.2 11.5 3.7 9.6 19.8 5.9 酸素富化空気 12.0 25.0 9.2 14.4 35.5 15.8 16.8 44.6 22.2 19.2 62.1 33.9 21.6 79.5 48.8 24.0 94.6 72.2
【0020】本発明の範囲外である酸素富化空気の吹き
込みだけの場合には、アンチモンの除去と同時に鉛の除
去も進んでおり、アンチモンと鉛をスラグへ分別酸化除
去できないことになる。なお、以上の実施例では、炭酸
ソーダと硫酸カルシウムを単独で使用したが、混合使用
も可能である。
込みだけの場合には、アンチモンの除去と同時に鉛の除
去も進んでおり、アンチモンと鉛をスラグへ分別酸化除
去できないことになる。なお、以上の実施例では、炭酸
ソーダと硫酸カルシウムを単独で使用したが、混合使用
も可能である。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、貴鉛中のアンチモンと
鉛を分別酸化除去することができる。
鉛を分別酸化除去することができる。
【図1】酸素富化ガス吹き込み量と、メタル中のアンチ
モンと鉛の除去状態の関係を、炭酸ソーダを加えた場合
と何も加えなかった場合とで比較したグラフである。
モンと鉛の除去状態の関係を、炭酸ソーダを加えた場合
と何も加えなかった場合とで比較したグラフである。
【図2】酸素富化ガス吹き込み量と、メタル中のアンチ
モンと鉛の除去状態の関係を、硫酸カルシウムを加えた
場合と何も加えなかった場合とで比較したグラフであ
る。
モンと鉛の除去状態の関係を、硫酸カルシウムを加えた
場合と何も加えなかった場合とで比較したグラフであ
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 貴金属およびアンチモンと鉛を含む貴鉛
から、酸化製錬により貴金属をメタルとして回収するに
際し、炭酸ソーダまたは/および硫酸カルシウムをフラ
ックスとして加えて酸化ガスを吹き込むことによりアン
チモンと鉛を分別酸化することを特徴とする貴鉛からア
ンチモンと鉛を分別除去する方法。 - 【請求項2】 炭酸ソーダや硫酸カルシウムの添加量が
アンチモン1モルに対し0.1モル以上である請求項1
に記載の方法。 - 【請求項3】 炭酸ソーダや硫酸カルシウムの添加量が
アンチモン1モルに対し0.5〜1.5モルである請求
項2に記載の方法。 - 【請求項4】 酸化ガスの吹き込みによりメタルから除
去されたアンチモンを含むスラグを除去し、次いで酸化
ガスの吹き込みを続けてメタルから除去された鉛を含む
スラグを生成する請求項1に記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2891295A JPH08199255A (ja) | 1995-01-26 | 1995-01-26 | 貴鉛からアンチモンと鉛を分別除去する方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2891295A JPH08199255A (ja) | 1995-01-26 | 1995-01-26 | 貴鉛からアンチモンと鉛を分別除去する方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08199255A true JPH08199255A (ja) | 1996-08-06 |
Family
ID=12261620
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2891295A Pending JPH08199255A (ja) | 1995-01-26 | 1995-01-26 | 貴鉛からアンチモンと鉛を分別除去する方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08199255A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008163370A (ja) * | 2006-12-27 | 2008-07-17 | Shin Kobe Electric Mach Co Ltd | 鉛合金の製造方法 |
JP2018168459A (ja) * | 2017-03-30 | 2018-11-01 | Jx金属株式会社 | Sbの回収方法およびSb揮発炉 |
CN115627363A (zh) * | 2022-09-26 | 2023-01-20 | 中南大学 | 一种锑熔炼渣的资源化回收方法 |
-
1995
- 1995-01-26 JP JP2891295A patent/JPH08199255A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008163370A (ja) * | 2006-12-27 | 2008-07-17 | Shin Kobe Electric Mach Co Ltd | 鉛合金の製造方法 |
JP2018168459A (ja) * | 2017-03-30 | 2018-11-01 | Jx金属株式会社 | Sbの回収方法およびSb揮発炉 |
CN115627363A (zh) * | 2022-09-26 | 2023-01-20 | 中南大学 | 一种锑熔炼渣的资源化回收方法 |
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