JPH04236731A

JPH04236731A - 脱銅スライムからの貴金属の回収方法

Info

Publication number: JPH04236731A
Application number: JP1494991A
Authority: JP
Inventors: Hiroki Sumiya; 角　谷　博　樹
Original assignee: Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Current assignee: Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority date: 1991-01-16
Filing date: 1991-01-16
Publication date: 1992-08-25

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】銅製錬における銅電解工程で発生
する銅電解スライムより貴金属を回収するプロセスに関
する。

【０００２】

【従来の技術】銅製錬における銅電解工程で発生する銅
電解スライムには銅を初めとしてセレン、鉛、アンチモ
ン、ビスマス、テルル、金、銀と言った各種の金属が含
まれている。この銅電解スライムより貴金属を回収する
方法として種々のものが提案されているが、最も一般的
な方法の一つとして、銅電解スライムを酸化焙焼して得
た焼鉱を硫酸で抽出し、あるいは硫酸化焙焼して抽出し
て銅を除去して抽出澱物を得る整澱工程と、該抽出澱物
を焙焼し、セレンを揮発除去し焙焼澱物を得る焙焼工程
と、次いで該焙焼澱物をフラックスと炭素質還元剤と共
に加熱溶融し、鉛、アンチモン、ビスマスを含むスラグ
と、貴金属を含む貴鉛とを得る熔澱工程と、次いで貴鉛
中の不純物を滓化して粗銀を得る分銀工程とからなる方
法がある。

【０００３】しかし、上記方法では熔澱工程で貴鉛を得
る際にスラグ中への貴金属のロスが避けられないという
問題点が有り、スラグ中の貴金属のロスを可能なかぎり
低下させるためには還元剤の量を多くして各金属酸化物
をより完全に還元することが必要である。しかし、原料
中のアンチモン品位が高い場合にこの手段を採用すると
貴鉛中に多量のアンチモンが含まれることになり、次工
程に脱アンチモン工程を設けることが必要となり、しか
もアンチモンの除去に極めて長時間を要することになる
。これを避けるためにできるだけ多くのアンチモンをス
ラグ中に固定し、貴鉛中のアンチモン量を少なくしよう
とすると、必然的にスラグ量が増加して貴金属のスラグ
ロスが多くなる。無論、該スラグは前工程である製錬工
程等に繰り返され、いずれ回収されるとはいうものの仕
掛増となり金利の負担増を招きコストの上昇につながる
。

【０００４】高アンチモン原料を処理すべく、フラック
スとしてシリカ質フラックスとライム質フラックスとを
用いてスラグ量を減少させ、かつ原料中のベースメタル
の大部分をスラグとし、浮遊選鉱により該スラグ中の貴
金属を濃縮した精鉱を得ようとする方法が提案されてい
る。しかし、この方法でも貴金属の仕掛り増は避けられ
ず、金利負担の増加は避けられない。加えて、該スラグ
は融点が低く、スラグ中の硫酸鉛の分解によりＳＯ２ガ
スが発生し、スラグが沸き上がり炉より吹きこぼれたり
炉内に付着するという操業上のトラブルを起こしやすい
という問題点がある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、貴鉛
よりの脱アンチモン工程を省略し、かつ高アンチモン原
料の処理を可能とする脱銅スライムからの貴金属の回収
法の提供にある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の方法は、前記整澱工程と、焙焼工程と、熔澱工程と
、脱アンチモン工程と、分銀工程とからなる方法におい
て、焙焼工程で得られた焙焼殿物と、該焙焼殿物中の貴
金属、ビスマス及び鉛の全てを還元するに必要とされる
鉄量の６０〜１００％の量の鉄とを混合し、且つスラグ
中のＣａＯ／ＦｅＯを重量比で０．１〜０．５となるよ
うにして熔融し、高アンチモンスラグと貴鉛とを得、該
貴鉛を分銀工程で処理することを特徴とする脱銅スライ
ムからの貴金属の回収方法である。

【０００７】

【作用】　　本発明においては、銅電解スライムを脱銅
脱セレンして得た焙焼殿物を鉄と共に熔融するが、これ
は該焙焼殿物中の脈石成分とアンチモンの大部分をスラ
グとして固定し、貴金属をビスマスや鉛に溶解させ、貴
鉛として回収するためであり、還元剤としての鉄をあま
りに多く用いるとアンチモンが貴鉛中にメタルとして取
込まれ、一方あまりに鉄が少ないと生成するスラグが増
し貴金属のスラグロスが大きくなる。このため、加える
鉄の量は焙焼殿物中の貴金属、ビスマス及び鉛の全てを
還元するに必要とされる鉄量の６０〜１００％とするこ
とが必要である。

【０００８】さらに、スラグ中のＣａＯ／ＦｅＯを重量
比で０．１〜０．５、好ましくは０．４程度とするのは
、これによりスラグの融点を低下させ、操業を容易にす
るためであり、仮にＣａＯ／ＦｅＯを調整する必要が有
れば石灰石や炭酸カルシウム等を用いれば良い。

【０００９】このようにして得た貴鉛中のアンチモンは
１０％未満であり、脱アンチモン工程での処理を必要と
しないものである。貴金属は該貴鉛中にほとんど含まれ
、スラグロスは極めて小さい。そして、スラグ中の極め
て僅かの貴金属は、該スラグをコークス等と鉄と硅石と
共に熔融し、還元してアンチモンメタルを得ることによ
りアンチモンメタル中に完全に回収できる。そして、該
アンチモンメタルはそのまま酸化アンチモン原料とする
ことができ、酸化アンチモン回収後の残渣は前記焙焼殿
物と合一することによりアンチモンメタル中の貴金属を
回収することができる。よって、本発明によれば貴金属
のスラグロスは極めて小さいものとなる。

【００１０】

【実施例】以下本発明を実施例を用いて説明する。（実施例１）脱銅、脱セレン後の表１に示した銅電解ス
ライム２０００Ｋｇと鉄４１０Ｋｇと生石灰２１０Ｋｇ
とを１２００℃に加熱溶解し、貴鉛１０６０Ｋｇとスラ
グ１９４０Ｋｇと煙灰１２０Ｋｇとを得た。得られた貴
鉛、スラグ煙灰の組成を表２に示した。なお、鉄の添加
量は銅とビスマスの全量と鉛の５０％を還元するに必要
とされる計算量であり、生石灰の添加量はＣａＯ／Ｆｅ
Ｏが０．４となるようにした。

【００１２】

【００１３】

【００１４】表１と表２とを比較するとＡｕは１００％
、Ａｇは９９．２％が貴鉛に分配され、Ｓｂの８６．０
％とＰｂの５１．７％がスラグに移行していることがわ
かる。また、貴鉛中のＳｂ品位は　５　％と低く、脱ア
ンチモン工程を付加する必要の無いことは明らかである
。

【００１５】（実施例２）脱銅、脱セレン後の表１に示
した銅電解スライム２０００Ｋｇと鉄６１０Ｋｇと生石
灰３１０Ｋｇとを１２００℃に加熱溶解し、貴鉛１０６
０Ｋｇとスラグ１９４０Ｋｇと煙灰１２０Ｋｇとを得た
。得られた貴鉛、スラグ煙灰の組成を表３に示した。なお、鉄の添加量は銅とビスマスの全量と鉛の８０％を
還元するに必要とされる計算量であり、生石灰の添加量
はＣａＯ／ＦｅＯが０．４となるようにした。

【００１６】

【００１７】表１と表３とを比較するとＡｕは１００％
、Ａｇは９９．５％が貴鉛に分配され、Ｓｂの８１．０
％とＰｂの２０．４％がスラグに移行していることがわ
かる。また、貴鉛中のＳｂ品位は６．１％と低く、脱ア
ンチモン工程を付加する必要の無いことは明らかである
。

【００１８】

【発明の効果】本発明の方法に従えば、脱銅スライムか
らの貴金属の回収に際して、貴鉛よりの脱アンチモン工
程を省略し、かつ高アンチモン原料の処理を可能とする
ことがてきる。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】　　　　銅電解スライムを酸化焙焼して得
た焼鉱を硫酸で抽出し、あるいは硫酸化焙焼して抽出し
て銅を除去して抽出澱物を得る整澱工程と、該抽出澱物
を焙焼し、セレンを揮発除去し焙焼澱物を得る焙焼工程
と、次いで該焙焼澱物をフラックスと炭素質還元剤と共
に加熱溶融し、鉛、アンチモン、ビスマスを含むスラグ
と、貴金属を含む貴鉛とを得る熔澱工程と、次いで貴鉛
中のアンチモンを酸化揮発させ脱Ｓｂ貴鉛を得る脱アン
チモン工程と、該脱Ｓｂ貴鉛中の不純物を滓化して粗銀
を得る分銀工程とからなる脱銅スライムからの貴金属の
回収方法において、前記焙焼工程で得られた焙焼殿物と
、該焙焼殿物中の貴金属、ビスマス及び鉛の全てを還元
するに必要とされる鉄量の６０〜１００％の量の鉄とを
混合し、且つスラグ中のＣａＯ／ＦｅＯを重量比で０．
１〜０．５となるようにして熔融し、高アンチモンスラ
グと貴鉛とを得、該貴鉛を分銀工程で処理することを特
徴とする脱銅スライムからの貴金属の回収方法。