JPH08199010A - オレフィン系熱可塑性樹脂エラストマー - Google Patents

オレフィン系熱可塑性樹脂エラストマー

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JPH08199010A
JPH08199010A JP3893695A JP3893695A JPH08199010A JP H08199010 A JPH08199010 A JP H08199010A JP 3893695 A JP3893695 A JP 3893695A JP 3893695 A JP3893695 A JP 3893695A JP H08199010 A JPH08199010 A JP H08199010A
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ethylene
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JP3893695A
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Toshio Inoue
敏夫 井上
Toshio Takahashi
寿夫 高橋
Masaaki Miyazaki
正昭 宮崎
Narihito Suzuki
得仁 鈴木
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Petrochemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 カレンダー加工性に優れ、真空成形における
シボの保持性にも優れるオレフィン系熱可塑性樹脂エラ
ストマーを提供する。 【構成】 〔1〕結晶性飽和ポリオレフィン樹脂とエチ
レン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴムを炭素ラジ
カル誘発剤存在下に動的熱処理した生成物と〔2〕結晶
性ポリプロピレン樹脂と共重合ゴムをプロセスオイルと
有機ペルオキシド存在下に動的熱処理した生成物とをブ
レンドする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オレフィン系熱可塑性
樹脂エラストマーおよびオレフィン系熱可塑性樹脂エラ
ストマーシートに関し、さらに詳しくはカレンダー加工
性に優れたオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマー、お
よびシボの転写性、保持性に優れ、表皮として、例え
ば、自動車内装表皮材等の用途に適したオレフィン系熱
可塑性樹脂エラストマーシートに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィン系熱可塑性樹脂とゴム成
分からなる混合物を動的架橋して得られるオレフィン系
熱可塑性エラストマーは、使用温度範囲、柔軟性、耐熱
性、軽量性、加工特性、経済性等に優れ、新しい構造部
材として市場を拡大してきている。近年では、塩化ビニ
ル製成形品の代替を目標とする材料の開発が盛んに行わ
れており、従来の優れた特性に加えて、シート成形性
や、シボ加工を施した表皮シートとしての特性要求が高
まってきている。特に、自動車内装表皮材の分野では、
従来主に塩化ビニル製表皮材が使用されているが、その
耐フォギング性、軽量性、残材のリサイクル材料として
の使用方法に問題があり、これらの点に優れたオレフィ
ン系熱可塑性樹脂エラストマーシートが代替材料として
注目を集めている。しかしながら、オレフィン系熱可塑
性樹脂エラストマーはカレンダー加工性が劣り、また、
真空成形時にシボが消失し易いとの欠点があり、これら
の点についての改善が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の点に鑑
み、カレンダー加工性に優れたオレフィン系熱可塑性樹
脂エラストマー、およびそれを含有してなる真空成形時
のシボの保持性に関し優れた特性を付与したオレフィン
系熱可塑性樹脂エラストマーシートを提供することを目
的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のオレフィン系熱
可塑性樹脂エラストマーは、 〔1〕(1a)結晶性飽和ポリオレフィン系樹脂(以下
「成分A」と略す)90〜60重量部、(1b)エチレ
ン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴム(以下「成分
B」と略す)10〜40重量部、(「成分A」と「成分
B」を併せて100重量部とする。)(1C)炭素ラジ
カル誘発剤(以下「成分C」と略す)を成分Bに対して
0.2〜3重量部、(1d)プロセスオイル(以下「成
分D」と略す)0〜30重量部、からなる混合物を動的
に熱処理することにより得られるオレフィン系熱可塑性
樹脂エラストマー組成物(以下「TPO−A」と略す)
と、 〔2〕(2a)結晶性ポリプロピレン樹脂(以下「成分
E」と略す)50〜30重量部、(2b)エチレン−α
−オレフィン共重合ゴムおよび/またはエチレン−プロ
ピレンー非共役ジエン共重合ゴム(以下「成分F」と略
す)50〜70重量部、(「成分E」と「成分F」を併
せて100重量部とする。)(2c)有機ペルオキシド
(以下「成分G」と略す)0.05〜2重量部、(2
d)プロセスオイル((1d)項の「成分D」と同一、
以下「成分D」と略す)10〜40重量部、からなる混
合物を動的に熱処理することにより得られるオレフィン
系熱可塑性樹脂エラストマー組成物(以下「TPO−
B」と略す)とからなることを特徴としている。また、
本発明のオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマーシート
は、上記したオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマーを
含有してなるシートである。以下、本発明のオレフィン
系熱可塑性樹脂エラストマーを具体的に説明する。
【0005】初めに、「TPO−A」を構成する成分に
ついて説明する。「成分A」は、DSC昇温分析で明確
な融点が検出されるエチレンまたはプロピレンを主成分
とし、必要に応じて他のα−オレフィンを共重合成分と
して得られる実質的に炭素−炭素不飽和結合を有さない
熱可塑性樹脂をいう。具体的には、高密度ポリエチレ
ン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、
超低密度ポリエチレン、ホモポリプロピレン、ブロック
ポリプロピレン、ランダムポリプロピレン等が挙げられ
る。これらは、単独で用いても、2種以上を任意の割合
で併用してもよい。
【0006】「成分B」の例としては、一般にEPDM
と呼ばれる合成ゴムがあげられる。非共役ジエンの例と
しては、エチリデンノルボルネン、メチレンノルボルネ
ン、ジシクロペンタジエン、ジシクロオクタジエン、
1,4−ヘキサジエン等があげられる。これらは、単独
で用いても、2種以上を任意の割合で併用してもよい。
【0007】「成分C」は、特定の2種の化合物を組合
せて、これらが相互作用を起こして両者が炭素ラジカル
になるもの(以下炭素ラジカル誘発剤(I)という)、
およびその化合物自体が炭素ラジカルを熱分解によって
自発的に生じる、有機過酸化物、アゾ化合物以外の化合
物(以下炭素ラジカル誘発剤(II)という)である。
【0008】炭素ラジカル誘発剤(I)には2種類あ
る。以下これらについて説明する。炭素ラジカル誘発剤
(I)の第1は、電荷移動錯体を形成する化合物の組合
せである。すなわち、該錯体中で一方の化合物から他方
の化合物に、例えば水素原子を移動させて不飽和結合を
開裂しラジカル化するものである。当該目的に使用され
る化合物の組合せとしては、両化合物の不飽和結合の電
子密度e値に差があればよく、種々の組合せが相互共重
合体として公知である。
【0009】本発明における好ましい例として、6−エ
トキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキ
ノリン、ポリ(2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒ
ドロキノリン)等のジヒドロキノリン誘導体またはその
重合体とビスマレイミド(例えばN,N’−m−フェニ
レンビスマレイミド、N,N’−p−フェニレンビスマ
レイミド、N,N’−エチレンビスマレイミド)、α,
β−不飽和カルボン酸およびその無水物(例えばアクリ
ル酸およびメタクリル酸またはそれらのエステル誘導
体、無水マレイン酸またはその誘導体)との組合せがあ
げられる。
【0010】炭素ラジカル誘発剤(I)の第2は、水素
供与性化合物と水素受容性化合物の組合せである。すな
わち、前者から後者に水素原子を移動させて両者がラジ
カル化するものである。水素供与性化合物とは、水素ラ
ジカル供与後も自身は共鳴安定化できる化合物であり、
特性的には、所定量の該化合物を350℃、50気圧
(N下)、無触媒の条件下で水素受容体としてのアン
トラセンと30分間反応させたとき、当該化合物からア
ントラセンへの水素移行量が少なくとも0.1−水素原
子/mol−アントラセンであるものをいう。具体例と
しては、1,2−ジヒドロベンゼン、1,2−ジヒドロ
ナフタレン、9,10−ジヒドロフェナントレン、オク
タヒドロフェナントレン、オクタヒドロントラセン、テ
トラリン、インデン、テトラヒドロフラン、2,3−ジ
ヒドロベンゾフラン、フルオレン等が挙げられる。
【0011】水素受容性化合物は、上記の水素ラジカル
が付加されてラジカルとなったとき共鳴安定化が小さい
化合物で、一般に過酸化物を用いたゴム架橋時に架橋助
剤として用いられる化合物が使用される。具体的には、
トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチレン
ジメタクリレートに代表されるメタクリル酸の高級エス
テル類、ジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート、
ジアリルフタレートに代表される多官能性ビニルモノマ
ー類が挙げられる。しかしながら本発明では、ラジカル
としての反応性の高さから、マレイミド系化合物(例え
ばN,N′−m−フェニレンビスマレイミド、N,N′
−エチレンビスマレイミド)、不飽和カルボン酸の無水
物(例えば無水マレイン酸およびその誘導体)が好まし
い。炭素ラジカル誘発剤(II)の具体例としては、
1,1,2,2−テトラメチル−1,2−ジフェニルエ
タン(通称「ジクミル」)が挙げられる。
【0012】「成分D」は、通常ゴム工業の分野で使用
されている鉱物油、および、合成油のうち、ナフテン
系、および、パラフィン系のものをいう。これらの中で
も、水素添加処理され含有芳香族成分が0.5%以下と
なったパラフィン系の高沸点鉱物油が好ましい。「動的
に熱処理する」とは、架橋剤の存在下、溶融混練によ
り、溶融混練前には実質的に全溶解する組成物中に沸騰
キシレン不溶物を蒸発させることをいう。
【0013】なお、「TPO−A」の製造にあたって
は、炭素ラジカル誘発剤(I)中にN,N’−m−フェ
ニレンビスマレイミド、ジビニルベンゼン、トリアリル
シアヌレート、ジアリルフタレート等の架橋助剤の機能
を有する化合物を含有しない場合、および、炭素ラジカ
ル誘発剤(II)を使用するときは、架橋助剤を添加す
ることが好ましい。「TPO−A」は、溶融混練下の架
橋反応を進行させた主ラジカルが活性が穏和な炭素ラジ
カルであるために(「成分B」のアリル位の水素を優先
的に引き抜くため、架橋反応は実質上「成分B」で選択
的に進行し、そして、ラジカルが実質上発生しない「成
分A」はその化学的構造が変化しない)、本発明で規定
する各成分の配合においては、「成分A」の加工特性を
含む諸特性が維持されたまま連続相となり、粒状構造の
架橋された「成分B」が分散相となる構造を有すると考
えられる。つぎに、「TPO−B」を構成する成分につ
いて説明する。
【0014】「成分E」は、DSC昇温分析で明確な融
点が検出されるプロピレンを主成分とし、必要に応じて
他のα−オレフィンを共重合成分として得られる熱可塑
性樹脂をいう。具体的には、ホモポリプロピレン、ブロ
ックポリプロピレン、ランダムポリプロピレンが挙げら
れる。これらは単独で用いても、2種以上を任意の割合
で併用してもよい。「成分F」の例としては、一般にE
PM、EBMと呼ばれる合成ゴムおよび/または一般に
EPDMと呼ばれる合成ゴムがあげられる。非共役ジエ
ンの例としては、エチリデンノルボルネン、メチレンノ
ルボルネン、ジシクロペンタジエン、ジシクロオクタジ
エン、1,4−ヘキサジエンがあげられる。これらは、
単独で用いても、2種以上を任意の割合で併用してもよ
い。「成分G」の具体例としては、アルキルペルオキシ
ド、ペルオキシドエステルが好ましい例としてあげられ
る。
【0015】なお、「TPO−B」の製造にあたって
は、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、ジヒニ
ルベンゼン、トリアリルシアヌレート、ジアリルフタレ
ート等の架橋助剤を添加することが好ましい。「TPO
−B」は、溶融混練下の架橋反応を進行させた主ラジカ
ルが活性が高いラジカルであるために(「成分F」のア
リル位の水素の引き抜きに加え、「成分E」および「成
分F」中の3級炭素上にもラジカルを発生させ、多種の
架橋反応と減成反応が進行し、主として「成分F」では
架橋反応が主に進行し、そして、「成分E」では主とし
て減成が進行し、その化学的構造も変化する)、「成分
E」の架橋成分および減成成分、「成分F」の架橋成分
および減成成分が混在し、本発明で規定する各成分の配
合においては、実質的に「成分E」、「成分F」が両者
とも連続相となる構造を有すると考えられる。なお、架
橋機構に関する情報は、1993年10月発行の「成形
加工」(成形加工学会発行)669ページ以下に記載さ
れている。
【0016】本発明のオレフィン系熱可塑性エラストマ
ーは、「TPO−A」と「TPO−B」のブレンド品か
らなることによって優れた特性を示す。その理由は、い
まのところ、明らかではないが、本発明者らは以下のよ
うに想定している。すなわち、「TPO−A」は、架橋
反応機構の関係から「成分A」に依存する加工特性を良
く保持しているが、「成分B」との相互作用が配合比お
よび相構造の関係から不足している。「TPO−B」
は、架橋反応機構の関係から「成分E」に依存する加工
特性は不足しているが、「成分F」との配合比と架橋反
応機構の関係相互作用は十分である。そして、材料とし
て両者がブレンドされることによって、優れたカレンダ
ー加工性が得られ、また、優れた特性のシートが得られ
る。その配合比は、「TPO−A」が60〜30重量
部、「TPO−B」が40〜70重量部の範囲が好まし
い。
【0017】また、シート成形時には、本発明の目的を
逸脱しない範囲で、「TPO−A」、「TPO−B」に
加えて、超低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、
直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重
合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−ア
クリル酸アルキルエステル共重合体、エチレン−メタク
リル酸アルキルエステル共重合体等のエチレンを主成分
とするエチレン−α−オレフィン共重合体、水添された
スチレン−ブタジエンランダム共重合体、水添されたス
チレン−ブタジエン−スチレン−ブロック共重合体、水
添されたスチレン−イソプレン−スチレン−ブロック共
重合体、水添されたエチレン−ブタジエン−スチレン−
ブロック共重合体、水添されたエチレン−イソプレン−
エチレン−ブロック共重合体等の、不飽和結合部分が水
添処理されたブタジエンおよび/またはイソプレンの重
合部分を含むランダム共重合体および不飽和結合部分が
水添処理されたブタジエンおよび/またはイソプレンの
重合部分を含むブロック共重合体、エチレン−α−オレ
フィン共重合ゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジエ
ン共重合ゴム等を加えることができる。
【0018】また、シート成形時には、本発明の目的を
逸脱しない範囲で、染料、顔料、有機充填材、無機充填
材、金属充填材、難燃剤、酸化防止剤、耐候剤、帯電防
止剤、滑剤、結晶化促進剤およびその他のプラスチック
に加えられる通常の添加剤を添加することができる。
【0019】以下、本発明を実施例により具体的に説明
するが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。
【0020】
【実施例】
〔TPO−Alの製造〕 (1)「成分A」として、 ポリプロピレン(MFR=4) 50重量部 (商品名:日石ポリプロ:J630G/日本石油化学(株)製) 超低密度ポリエチレン(MFR=0.5) 20重量部 (商品名:日石ソフトレックス:D9005/日本石油化学(株)製) 「成分B」として、 エチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン共重合体 30重量部 (ML1+4(100℃)=88、ヨウソ価=15、プロピレン含量28wt %) (商品名:EP57P/日本合成ゴム(株)製) をヘンシェルミキサーで混合した。
【0021】(2)(1)で得られた混合物を、二軸連
続混練押出機(30mmφ、プラスチック工学研究所
(株)製)を用いて溶融混練した。溶融混練中に混練機
に連結したポンプから、「成分D」として、 水添処理パラフィン系プロセスオイル 10重量部 (商品名:サンピュア400/日本サンオイル(株)
製)を注入した。 (3)(2)で得られた混合物に、「成分C」として、 ポリ−(2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン)0.2重量部 (商品名:ノックラック224/大内新興化学工業(株)製) N,N−m−フェニレンビスマレイミド 0.2重量部 (商品名:バルノックPM/大内新興化学工業(株)製) を添加し、ヘンシェルミキサーで混合した。 (4)(3)で得られた混合物を、(2)で使用した二
軸連続混練押出機を用いて溶融混練(動的に熱処理)し
た。
【0022】〔沸騰キシレン不溶物の測定〕上記製造方
法の、(2)および(4)の製造工程で得られた組成物
を20mm×50mm×0.2mmのフィルムをプレス
成形し、120メッシュの金網に入れて沸騰キシレン中
に5hr浸せきし、不溶物の生成を確認した。
【0023】〔TPO−A2の製造〕 (1)「成分A」として、 ポリプロピレン(MFR=4) 20重量部 (商品名:日石ポリプロ:J630G/日本石油化学(株)製) 超低密度ポリエチレン(MFR=0.5) 20重量部 (商品名:日石ソフトレックス:D9005/日本石油化学(株)製) 「成分B」として、 エチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン共重合体 60重量部 (ML1+4(100℃)=88、ヨウソ価=15、プロピレン含量28wt %) (商品名:EP57P/日本合成ゴム(株)製) を、ヘンシェルミキサーで混合した。以下、TPO−A
1の製造と同様に行った。
【0024】〔TPO−B1の製造〕 (1)「成分E」として、 ポリプロピレン(MFR=0.5) 30重量部 (商品名:日石ポリプロ:E110G/日本石油化学(株)製) 「成分F」として、 エチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン共重合体 50重量部 (ML1+4(100℃)=88、ヨウソ価=15、プロピレン含量28wt %) (商品名:EP57P/日本合成ゴム(株)製) エチレン−プロピレン−共重合体 20重量部 (ML1+4(100℃)=19、プロピレン含量22wt%) (商品名:EP57P/日本合成ゴム(株)製) を、ヘンシェルミキサーで混合した。
【0025】(2)(1)で得られた混合物を、二軸連
続混練押出機(30mmφ、プラスチック工学研究所
(株)製)を用いて溶融混練した。溶融混練中に混練機
に連結したポンプから、「成分D」として、 水添処理パラフィン系プロセスオイル 30重量部 (商品名:サンピュア400/日本サンオイル(株)
製)を注入した。 (3)(2)で得られた混合物に、「成分G」として、 1,3−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピ
ル)ベンゼン 0.3重量部 (商品名:パーブチルP/日本油脂(株)製) 「架橋助剤」として トリアリルイソシアヌレート 0.3重量部 (商品名:TAIC/武蔵野化学(株)製) を添加し、ヘンシェルミキサーで混合した。 (4)(3)で得られた混合物を、(2)で使用した二
軸連続混練押出機を用いて溶融混練(動的に熱処理)し
た。
【0026】〔沸騰キシレン不溶物の測定〕上記製造方
法の、(2)および(4)の製造工程で得られた組成物
を20mm×50mm×0.2mmのフィルムをプレス
成形し、120メッシュの金網に入れて沸騰キシレン中
に5hr浸せきし、不溶物の生成を確認した。
【0027】〔TPO−B2の製造〕 (1)「成分E」として、 ポリプロピレン(MFR=0.5) 60重量部 (商品名:日石ポリプロ:E110G/日本石油化学(株)製) 「成分F」として、 エチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン共重合体 20重量部 (ML1+4(100℃)=88、ヨウソ価=15、プロピレン含量28wt %) (商品名:EP57P/日本合成ゴム(株)製) エチレン−プロピレン−共重合体 20重量部 (ML1+4(100℃)=19、プロピレン含量22wt%) (商品名:EP57P/日本合成ゴム(株)製) を、ヘンシェルミキサーで混合した。以下、TPO−B
1の製造と同様に行った。
【0028】〔カレンダー加工性の評価〕上記手法によ
って得られた熱可塑性エラストマーを以下の条件で2本
のクロムメッキを施したロール上で混練し、カレンダー
成形性を常法により判定した。合格を「○」とし、不合
格を「×」とした。 ロール径: 200mmφ ロール表面温度: 165±5℃ 回転数(低速側) 20rpm 〃 (高速側) 24rpm ロール間距離 0.2mm
【0029】〔真空成形時のシボ保持性評価〕以下の条
件にしたがってシボ模様が加工された金型を使用して射
出成形にて試験片を製造した。 〔射出成形の条件〕 成形機 IS−90B (東芝機械(株)製) 射出圧力 800〜1,000kg/cm 成形温度 180〜230℃ 金型温度 50℃ 成形品 100mm×100mm×1mm
【0030】上記成形品からシート20mm×100m
m×1mmを切り出し、両端をチャックで挟み(チャッ
ク間:60mm)、120℃中のオープンに5分間保持
した後、チャックを100mm/minで30mm移動
させた。その後、シボ模様の保持度合を評価した。この
時シート全体が均一に伸長し、シボが保持されたものは
「○」と判定し、一部のみが伸長し、その部分のシボが
消失したものは「×」と判定した。その中間を「△」と
した。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】本発明のオレフィン系熱可塑性樹脂エラ
ストマーは、オレフィン系熱可塑性樹脂エラストマー本
来の優れた耐熱性、耐寒性、耐候性、耐薬品性、電気絶
縁性、柔軟性、軽量性を有し、カレンダー加工を含む成
形加工性に優れる。また、真空成形時のシボ保持性に優
れるので、表皮材として使用されたときには、特に、そ
の効果が大きい。このような優れた特性を生かして、自
動車内装表皮材(インスストルメントパネル、ドアトリ
ム、天井の表皮等)、文具のカバー、文具の表皮、家電
製品の表皮、建装材の化粧シート等として有効に用いら
れる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 〔1〕(1a)結晶性飽和ポリオレフィ
    ン系樹脂(以下「成分A」と略す)90〜60重量部、
    (1b)エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴ
    ム(以下「成分B」と略す)10〜40重量部、(「成
    分A」と「成分B」を併せて100重量部とする。)
    (1c)炭素ラジカル誘発剤(以下「成分C」と略す)
    を成分Bに対して0.2〜3重量部、(1d)プロセス
    オイル(以下「成分D」と略す)0〜30重量部、から
    なる混合物を動的に熱処理することにより得られるオレ
    フィン系熱可塑性樹脂エラストマー組成物(以下「TP
    O−A」と略す)と、 〔2〕(2a)結晶性ポリプロピレン樹脂(以下「成分
    E」と略す)50〜30重量部、(2b)エチレン−α
    −オレフィン共重合ゴムおよび/またはエチレン−プロ
    ピレン−非共役ジエン共重合ゴム(以下「成分F」と略
    す)50〜70重量部、(「成分E」と「成分F」を併
    せて100重量部とする。)(2c)有機ペルオキシド
    (以下「成分G」と略す)0.05〜2重量部、(2
    d)プロセスオイル((1d)項の「成分D」と同一、
    以下「成分D」と略す)10〜40重量部、からなる混
    合物を動的に熱処理することにより得られるオレフィン
    系熱可塑性樹脂エラストマー組成物(以下「TPO−
    B」と略す)含有することを特徴とするオレフィン系熱
    可塑性樹脂エラストマー。
  2. 【請求項2】 全組成物100重量部当りTPO−Aが
    60〜30重量部、TPO−Bが40〜70重量部存在
    する請求項1に記載のオレフィン系熱可塑性樹脂エラス
    トマー。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のオレフィン系熱可塑性
    樹脂エラストマーを含有するシート。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のオレフィン系熱可塑性
    樹脂エラストマーを含有する自動車用内装表皮シート。
JP3893695A 1995-01-20 1995-01-20 オレフィン系熱可塑性樹脂エラストマー Pending JPH08199010A (ja)

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WO1998017722A1 (fr) * 1996-10-24 1998-04-30 Mitsubishi Chemical Corporation Composition d'elastomere thermoplastique
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