JPH08198798A - 抗腫瘍性インダノン誘導体 - Google Patents
抗腫瘍性インダノン誘導体Info
- Publication number
- JPH08198798A JPH08198798A JP7010383A JP1038395A JPH08198798A JP H08198798 A JPH08198798 A JP H08198798A JP 7010383 A JP7010383 A JP 7010383A JP 1038395 A JP1038395 A JP 1038395A JP H08198798 A JPH08198798 A JP H08198798A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- compound
- methanol
- chloroform
- formula
- crude extract
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/55—Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups
Landscapes
- Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
- Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 抗腫瘍剤としての利用が期待される新規物質
を提供する。 【構成】 下記の一般式 【化1】 で表されるインダノン誘導体。例えば、沖縄産海綿動物
を抽出、精製して得られる。 【効果】 マウスリンパ性白血病細胞(P388)に対
する増殖阻害活性を有し、抗腫瘍剤として利用すること
が期待される。
を提供する。 【構成】 下記の一般式 【化1】 で表されるインダノン誘導体。例えば、沖縄産海綿動物
を抽出、精製して得られる。 【効果】 マウスリンパ性白血病細胞(P388)に対
する増殖阻害活性を有し、抗腫瘍剤として利用すること
が期待される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインダノン骨格を有する
新規化合物及びその誘導体に関するものである。本化合
物は抗腫瘍剤として利用することが期待される。
新規化合物及びその誘導体に関するものである。本化合
物は抗腫瘍剤として利用することが期待される。
【0002】
【従来の技術】天然物質由来の抗腫瘍剤はアドリアマイ
シン、マイトマイシン、ビンカアルカロイド等、数多く
知られているが、必ずしも満足の行かない治療成績や重
篤な副作用等の点で問題が残っており、医療の場では常
により有効で、より副作用の少ない薬剤が求められてい
る。
シン、マイトマイシン、ビンカアルカロイド等、数多く
知られているが、必ずしも満足の行かない治療成績や重
篤な副作用等の点で問題が残っており、医療の場では常
により有効で、より副作用の少ない薬剤が求められてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで本研究では海洋
生物から、新規な構造を有する抗腫瘍性物質を発見する
ことを目的とする。
生物から、新規な構造を有する抗腫瘍性物質を発見する
ことを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は海洋生物の抽
出液に含まれる成分を検索した結果、沖縄産海綿動物の
抽出液から分離したインダノン骨格を有する新規化合物
が、マウスリンパ性白血病細胞(P388)に対して増
殖阻害活性を有することを見出し、本発明を完成した。
出液に含まれる成分を検索した結果、沖縄産海綿動物の
抽出液から分離したインダノン骨格を有する新規化合物
が、マウスリンパ性白血病細胞(P388)に対して増
殖阻害活性を有することを見出し、本発明を完成した。
【0005】即ち、本発明は一般式
【0006】
【化2】
【0007】で表されるインダノン誘導体を提供するも
のである。
のである。
【0008】前記一般式(1)の水酸基の保護基として
は、アセチル基、プロパノイル基、ベゾイル基などのア
シル基、トリメチルシリル基、t-ブチルジメチルシリル
基等のシリル基、メトキシメチル基、テトラヒドロピラ
ニル基等のアセタール型保護基、メチル基、エチル基、
プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t-ブチル基等
の低級アルキル基などが例示できる。またこれらの基を
有する化合物は、R1,R2が水素原子である化合物に、
対応するハロゲン化物を反応させるか、あるいはアセタ
ール型保護基の場合には、ジヒドロピラン等を反応させ
ることにより得られる。ハロゲン原子としては、フッ素
原子、塩素原子、臭素原子等が例示できる。
は、アセチル基、プロパノイル基、ベゾイル基などのア
シル基、トリメチルシリル基、t-ブチルジメチルシリル
基等のシリル基、メトキシメチル基、テトラヒドロピラ
ニル基等のアセタール型保護基、メチル基、エチル基、
プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t-ブチル基等
の低級アルキル基などが例示できる。またこれらの基を
有する化合物は、R1,R2が水素原子である化合物に、
対応するハロゲン化物を反応させるか、あるいはアセタ
ール型保護基の場合には、ジヒドロピラン等を反応させ
ることにより得られる。ハロゲン原子としては、フッ素
原子、塩素原子、臭素原子等が例示できる。
【0009】本発明化合物は、沖縄産海綿動物、例えば
多良間島で採集される海綿動物を有機溶媒中で粉砕、抽
出し、更にクロマトグラフィにより分離することによ
り、通常の方法で得られる。
多良間島で採集される海綿動物を有機溶媒中で粉砕、抽
出し、更にクロマトグラフィにより分離することによ
り、通常の方法で得られる。
【0010】粉砕に用いられる溶媒としてはエタノー
ル、メタノール、アセトン等が挙げられ、抽出に用いら
れる溶媒としてはヘキサン、酢酸エチル、クロロホルム
が挙げられる。クロマトグラフィはカラム及び薄層クロ
マトグラフィが用いられ、カラムクロマトグラフィには
シリカゲルの他、セファデックスLH−20、逆相系の
RP−18等が用いられ、薄層クロマトグラフィには、
シリカゲルの他、RP−18が用いられる。
ル、メタノール、アセトン等が挙げられ、抽出に用いら
れる溶媒としてはヘキサン、酢酸エチル、クロロホルム
が挙げられる。クロマトグラフィはカラム及び薄層クロ
マトグラフィが用いられ、カラムクロマトグラフィには
シリカゲルの他、セファデックスLH−20、逆相系の
RP−18等が用いられ、薄層クロマトグラフィには、
シリカゲルの他、RP−18が用いられる。
【0011】本発明における前記一般式(1)に含まれ
る化合物としては具体的には、下記式(1a)
る化合物としては具体的には、下記式(1a)
【0012】
【化3】
【0013】で表され、タラマノンAと命名した化合物
が挙げられる。
が挙げられる。
【0014】以下、実施例及び試験例により更に詳細に
説明する。
説明する。
【0015】
実施例1 海綿動物(沖縄県多良間島東部サンゴ礁で採集、1k
g)を、約3Lのエタノールと混合して、ブレンダで粉
砕した。得られた浸漬液は10日間冷浸した後、内径3
0cmのブフナロートで吸引濾過した。茶褐色の濾液を
減圧下ロータリエバポレータ(約40℃)で濃縮乾固
し、この濃縮物を70%メタノールとn−ヘキサンで分
配した。70%メタノール層を濃縮し、水と酢酸エチル
で分配し、酢酸エチル層を濃縮し黄色油状の粗抽出物を
得た。
g)を、約3Lのエタノールと混合して、ブレンダで粉
砕した。得られた浸漬液は10日間冷浸した後、内径3
0cmのブフナロートで吸引濾過した。茶褐色の濾液を
減圧下ロータリエバポレータ(約40℃)で濃縮乾固
し、この濃縮物を70%メタノールとn−ヘキサンで分
配した。70%メタノール層を濃縮し、水と酢酸エチル
で分配し、酢酸エチル層を濃縮し黄色油状の粗抽出物を
得た。
【0016】内径2.0cm×35cmのガラスカラム
にクロロホルムで懸濁させたシリカゲルを充填し、少量
のクロロホルムに溶かした粗抽出物を吸着させた。この
カラムに順次、クロロホルム、1%メタノール−クロロ
ホルム、3%メタノール−クロロホルム、5%メタノー
ル−クロロホルム、7%メタノール−クロロホルム、1
0%メタノール−クロロホルム、30%メタノール−ク
ロロホルム、50%メタノール−クロロホルム、99%
メタノールを流した。各溶出溶媒を200mlとし、1
5mlを1画分とし、計117画分を得た。
にクロロホルムで懸濁させたシリカゲルを充填し、少量
のクロロホルムに溶かした粗抽出物を吸着させた。この
カラムに順次、クロロホルム、1%メタノール−クロロ
ホルム、3%メタノール−クロロホルム、5%メタノー
ル−クロロホルム、7%メタノール−クロロホルム、1
0%メタノール−クロロホルム、30%メタノール−ク
ロロホルム、50%メタノール−クロロホルム、99%
メタノールを流した。各溶出溶媒を200mlとし、1
5mlを1画分とし、計117画分を得た。
【0017】前記カラムの5%メタノール−クロロホル
ムで溶出される画分を集めて濃縮後、少量のメタノール
溶液とした。これを分取用シリカゲル薄層板(厚さ0.
5mm、20x20cm)に吸着させ、メタノール:ク
ロロホルム(1:9)で3回展開し、Rf値が0.4〜
0.5の部分(254nmUV吸収を示す、またはアニス
アルデヒド発色剤で赤色を呈する)をかきとり、クロロ
ホルム:メタノール(1:1)を加えて激しく振とう後
吸引濾過し、濾液を濃縮乾固して、白色粉末状単一物質
タラマノンA2mgを得た。この化合物の物性は以下の
通りであり、5−ブロモ−4、7−ジヒドロキシインダ
ン−1−オン(1a)と同定された。
ムで溶出される画分を集めて濃縮後、少量のメタノール
溶液とした。これを分取用シリカゲル薄層板(厚さ0.
5mm、20x20cm)に吸着させ、メタノール:ク
ロロホルム(1:9)で3回展開し、Rf値が0.4〜
0.5の部分(254nmUV吸収を示す、またはアニス
アルデヒド発色剤で赤色を呈する)をかきとり、クロロ
ホルム:メタノール(1:1)を加えて激しく振とう後
吸引濾過し、濾液を濃縮乾固して、白色粉末状単一物質
タラマノンA2mgを得た。この化合物の物性は以下の
通りであり、5−ブロモ−4、7−ジヒドロキシインダ
ン−1−オン(1a)と同定された。
【0018】 分子量: 242 組成式: C9H7BrO3 1 H-NMR(CD3OD, 400MHz):δ 6.66(1H,s), 3.47,2.79(各
々2H,A2B2).1 H-NMR(DMSO-d6, 400MHz):δ 12.9(1H,br.s,OH), 8.35
(1H,s,OH).
々2H,A2B2).1 H-NMR(DMSO-d6, 400MHz):δ 12.9(1H,br.s,OH), 8.35
(1H,s,OH).
【0019】13C-NMR(CD3OD, 125MHz):δ 194.2(s), 1
62.0(s), 131.1(s), 128.5(s), 124.8(s), 111.2(d), 1
05.1(s), 42.5(t), 36.2(t). EI-MS(m/z): 242,244(M)+.
62.0(s), 131.1(s), 128.5(s), 124.8(s), 111.2(d), 1
05.1(s), 42.5(t), 36.2(t). EI-MS(m/z): 242,244(M)+.
【0020】試験例1 マウスリンパ性白血病細胞(P388)を2−ヒドロキ
シエチルジスルフィド5μM、硫酸カナマイシン100
μg/mlを添加した10%牛胎児血清含有のRPMI
−1640培地に加え、培養細胞を1x104 個/mL
に調製し、前記インダノン誘導体(タラマノンA)
(1)を所定の濃度になるように添加し、CO2 培養器
(CO2 5%、湿度100%、37℃)で4日間培養
した。MTT比色法により生存細胞数を計測して、対照
群に対する増殖阻害率から50%細胞増殖阻害濃度(I
C50)を求めた。その結果、IC50(μg/mL)は
0.3であった。
シエチルジスルフィド5μM、硫酸カナマイシン100
μg/mlを添加した10%牛胎児血清含有のRPMI
−1640培地に加え、培養細胞を1x104 個/mL
に調製し、前記インダノン誘導体(タラマノンA)
(1)を所定の濃度になるように添加し、CO2 培養器
(CO2 5%、湿度100%、37℃)で4日間培養
した。MTT比色法により生存細胞数を計測して、対照
群に対する増殖阻害率から50%細胞増殖阻害濃度(I
C50)を求めた。その結果、IC50(μg/mL)は
0.3であった。
【0021】
【発明の効果】本発明のインダノン誘導体は、癌細胞で
ある、マウスリンパ性白血病細胞(P388)に対する
強い増殖阻害活性を有する。したがって、抗腫瘍剤ある
いはそのプロドラッグとしての利用が期待される。
ある、マウスリンパ性白血病細胞(P388)に対する
強い増殖阻害活性を有する。したがって、抗腫瘍剤ある
いはそのプロドラッグとしての利用が期待される。
Claims (1)
- 【請求項1】 下記一般式、 【化1】 (式中、R1、R2は水素原子または水酸基の保護基を表
し、Xはハロゲン原子を表す。)で表されるインダノン
誘導体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7010383A JPH08198798A (ja) | 1995-01-26 | 1995-01-26 | 抗腫瘍性インダノン誘導体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7010383A JPH08198798A (ja) | 1995-01-26 | 1995-01-26 | 抗腫瘍性インダノン誘導体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08198798A true JPH08198798A (ja) | 1996-08-06 |
Family
ID=11748611
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7010383A Pending JPH08198798A (ja) | 1995-01-26 | 1995-01-26 | 抗腫瘍性インダノン誘導体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08198798A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017009860A1 (en) | 2015-07-13 | 2017-01-19 | Council Of Scientific & Industrial Research | 2-benzyl-indanone compounds as anticancer agent and a process for preparation thereof |
-
1995
- 1995-01-26 JP JP7010383A patent/JPH08198798A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017009860A1 (en) | 2015-07-13 | 2017-01-19 | Council Of Scientific & Industrial Research | 2-benzyl-indanone compounds as anticancer agent and a process for preparation thereof |
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