JP2022152768A - 化合物、及び抗腫瘍剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】天然に存在する生物由来の新規生物活性物質を提供する。【解決手段】式(I)で表される化合物であり、クロイソカイメンの培養物から抽出及び精製することによって得ることができ、抗腫瘍効果を奏する。TIFF2022152768000013.tif70134【選択図】なし
Description
本発明は、化合物、及び抗腫瘍剤に関する。
生命科学や医学の分野においては、有用生物活性物質の探索のため、天然に存在する生物から生物活性物質を単離する試みがなされている。
天然に存在する生物のうち、海洋生物は、生息条件が陸上生物と全く異なる等の理由から、陸上生物には存在しない特異な構造や機能を有する物質を有し得る。そのため、海洋生物は、有用生物活性物質の探索源として着目されている。
このような有用生物活性物質として、本発明者らは、近年、渦鞭毛藻(Amphidinium sp.)由来のカルシウムイオンチャネル阻害活性物質Amdigenol類(非特許文献1及び2)や、シアノバクテリア(Leptolyngbya sp.)由来の脂肪細胞分化阻害活性物質Yoshinone A(非特許文献3)等の新規生物活性物質の発見について報告した。
Inuzuka,T.,Yamamoto,Y.,Yamada,K.,Uemura D. Tetrahedron Letters 2012,53,239-242
Inuzuka,T.,Yamada,K.,Uemura,D. Tetrahedron Letters 2014,55,6319-6323
Inuzuka,T.,Yamamoto,K.,Iwasaki,A.,Ohno, O.,Suenaga,K.,Kawazoe,Y.,Uemura,D. Tetrahedron Letters 2014,55,6711-6714
しかし、天然に存在する生物由来の新規生物活性物質に対するさらなるニーズがある。
本発明は以上の実情に鑑みてなされたものであり、天然に存在する生物由来の新規生物活性物質を提供することを目的とする。
本発明者らは、クロイソカイメンから新規生物活性物質を単離し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下を提供する。
(2) (1)に記載された化合物を含む抗腫瘍剤。
本発明によれば、天然に存在する生物由来の新規生物活性物質が提供される。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれに限定されない。
<本発明の化合物>
本発明の化合物は、2種の化合物、すなわち、式(I)又は式(II)で表される化合物を包含する。以下、各化合物について説明する。
本発明の化合物は、2種の化合物、すなわち、式(I)又は式(II)で表される化合物を包含する。以下、各化合物について説明する。
[式(I)で表される化合物]
本発明の化合物のうち、式(I)で表される化合物は下記のとおりである。
本発明の化合物のうち、式(I)で表される化合物は下記のとおりである。
式(I)で表される化合物は、本発明らが、神奈川県三浦半島で採集したクロイソカイメン(学名:Halichondria okadai)から単離した新規化合物である。
式(I)で表される化合物は、例えば実施例及び図1に示すように、クロイソカイメンの培養物から抽出及び精製することによって得ることができる。クロイソカイメンの培養条件は、海綿の培養において通常採用される条件であってもよい。
式(I)で表される化合物は、例えば、以下の工程によって得られる。
(1)クロイソカイメンの破砕液を、抗オカダ酸抗体を用いて染色した後、該破砕液から、抗オカダ酸抗体によって染色された微生物をフローサイトメトリーで回収する。
(2)フローサイトメトリーで回収した微生物を液体培地中で培養し、得られた培養液及び菌体を有機溶媒(酢酸エチル等)で抽出する。
(3)得られた粗抽出物を有機層と水層とに分配し、さらに、有機層をODSシリカゲルカラムクロマトグラフィー、分取薄層クロマトグラフィーにより分画及び精製する。得られた精製物が式(I)で表される化合物に相当する。
(1)クロイソカイメンの破砕液を、抗オカダ酸抗体を用いて染色した後、該破砕液から、抗オカダ酸抗体によって染色された微生物をフローサイトメトリーで回収する。
(2)フローサイトメトリーで回収した微生物を液体培地中で培養し、得られた培養液及び菌体を有機溶媒(酢酸エチル等)で抽出する。
(3)得られた粗抽出物を有機層と水層とに分配し、さらに、有機層をODSシリカゲルカラムクロマトグラフィー、分取薄層クロマトグラフィーにより分画及び精製する。得られた精製物が式(I)で表される化合物に相当する。
なお、上記工程(1)で用いた微生物の特許生物寄託センター受領番号は、「NITE AP-03376」(受領日2021年2月4日)である。
式(I)で表される化合物は、公知の方法に基づく化学合成によっても得ることができる。
[式(II)で表される化合物]
本発明の化合物のうち、式(II)で表される化合物は下記のとおりである。
本発明の化合物のうち、式(II)で表される化合物は下記のとおりである。
式(II)で表される化合物は、式(I)で表される化合物の類縁体を合成する過程で、本発明者らが新規に合成した化合物である。
式(II)で表される化合物は、例えば実施例及び図5に示すように、化学合成によって得ることができる。
式(II)で表される化合物は、例えば、以下の工程によって得られる。
(工程1)3-Furancarboxylic Acid(3)、及び4-Nitorophenol(4)を出発物質として、DCC(N,N’-Dicyclohexylcarbodiimide)縮合反応を行う。
(工程2)得られたp-ニトロフェノールエステル化合物(5)、及びtris(hydroxymethyl)aminomethane(6)を、溶媒(ピリジン等)中で加熱還流を行う。得られた反応物が式(II)で表される化合物に相当する。
(工程1)3-Furancarboxylic Acid(3)、及び4-Nitorophenol(4)を出発物質として、DCC(N,N’-Dicyclohexylcarbodiimide)縮合反応を行う。
(工程2)得られたp-ニトロフェノールエステル化合物(5)、及びtris(hydroxymethyl)aminomethane(6)を、溶媒(ピリジン等)中で加熱還流を行う。得られた反応物が式(II)で表される化合物に相当する。
<本発明の抗腫瘍剤>
本発明の化合物は、腫瘍細胞に対する毒性を有するため、抗腫瘍効果を奏する。したがって、本発明の化合物を含む剤は抗腫瘍剤として好適に使用し得る。
本発明の化合物は、腫瘍細胞に対する毒性を有するため、抗腫瘍効果を奏する。したがって、本発明の化合物を含む剤は抗腫瘍剤として好適に使用し得る。
本発明の抗腫瘍剤には、式(I)で表される化合物、及び式(II)で表される化合物の両方又は片方が含まれ得る。
本発明において「抗腫瘍剤」とは、腫瘍細胞の増殖抑制効果や、腫瘍細胞の死滅効果を有する剤を意味する。したがって、本発明の抗腫瘍剤は、癌の治療効果や予防効果を有し得る。
本発明の抗腫瘍剤は、任意の腫瘍に対して抗腫瘍効果を奏し得る。本発明の抗腫瘍剤の適用対象である腫瘍としては、例えば、皮膚癌(黒色腫、基底細胞癌、有棘細胞癌等)、大腸癌、肺癌、脳腫瘍、肝臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、血液癌(慢性骨髄性白血病、悪性リンパ腫等)等が挙げられる。
本発明の抗腫瘍剤の剤形は特に限定されず、注射剤(静脈内注射剤、筋肉内注射剤、腹腔内注射剤、皮下注射剤等)、経口剤(錠剤、カプセル剤等)、液剤、坐剤、軟膏剤等が挙げられる。
本発明の抗腫瘍剤に含まれる本発明の化合物の量は特に限定されず、投与対象の状態(年齢、体重、症状等)や、投与回数等に応じて適宜調整される。
本発明の抗腫瘍剤には、本発明の化合物に加えて、本発明の効果を阻害しない範囲で、医薬組成物に通常配合され得る任意の成分が含まれていてもよい。
このような成分としては、賦形剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、潤滑剤、界面活性剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、溶解補助剤、防腐剤、等張化剤等が挙げられる。これらの成分の種類や量は、得ようとする効果等に応じて適宜選択される。
このような成分としては、賦形剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、潤滑剤、界面活性剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、溶解補助剤、防腐剤、等張化剤等が挙げられる。これらの成分の種類や量は、得ようとする効果等に応じて適宜選択される。
本発明の抗腫瘍剤の投与対象は特に限定されず、任意の生物(哺乳類等)であり得る。
以下に、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<本発明の化合物(式(I))の単離及び精製>
以下の方法で、本発明の化合物(式(I)で表される化合物)の単離及び精製を行った。
なお、下記方法の概要を図1に示す。
以下の方法で、本発明の化合物(式(I)で表される化合物)の単離及び精製を行った。
なお、下記方法の概要を図1に示す。
(1)クロイソカイメン(学名:Halichondria okadai)の破砕液を準備した。該破砕液から、抗オカダ酸抗体によって染色された微生物をフローサイトメトリーで回収した。
(2)得られた微生物を、液体培地(オートミール 2%、マリンブロス 0.1%、海水)に接種し、室温で7日~10日培養した。
(3)培養後の培養液を、吸引ろ過により、培地及び菌体に分配した。
培地を、酢酸エチルを用いて分液した。
菌体を、メタノール/クロロホルム(1:9)で2日間抽出した。得られた抽出液を吸引ろ過した後、培地の酢酸エチル層と合わせて濃縮した。
(4)得られた濃縮物を、ODSオープンカラムクロマトグラフィーを用いて、5画分(Fr.5~9)に分画した。第1画分(Fr.5)を濃縮し、濃縮物(3mg)を得た。
ODSオープンカラムクロマトグラフィーとしては、「Cosmosil 75 C18-OPN(2.0×120 mm)」(ナカライテスク株式会社製)を、下記の条件:メタノール/水(20/80→40/60→60/40→80/20→100/0)で用いた。
(5)得られた第1画分(Fr.5)を、分取薄層クロマトグラフィーを用いて、7画分(Fr.5-1~7)に分画した。
第3画分(Fr.5-3)をメタノール/酢酸エチル(1/1)で溶出した後、減圧濃縮及び乾固を行い、下記式(I)で表される化合物(1.0mg)を無色不定形固体として得た。なお、下記式(I)中の数字は炭素番号を表す。
分取薄層クロマトグラフィーとしては、「Silica gel 60 F254(0.5×200×200mm)」(Merck社製)を、下記の条件:メタノール/クロロホルム(3/17)で用いた。
(2)得られた微生物を、液体培地(オートミール 2%、マリンブロス 0.1%、海水)に接種し、室温で7日~10日培養した。
(3)培養後の培養液を、吸引ろ過により、培地及び菌体に分配した。
培地を、酢酸エチルを用いて分液した。
菌体を、メタノール/クロロホルム(1:9)で2日間抽出した。得られた抽出液を吸引ろ過した後、培地の酢酸エチル層と合わせて濃縮した。
(4)得られた濃縮物を、ODSオープンカラムクロマトグラフィーを用いて、5画分(Fr.5~9)に分画した。第1画分(Fr.5)を濃縮し、濃縮物(3mg)を得た。
ODSオープンカラムクロマトグラフィーとしては、「Cosmosil 75 C18-OPN(2.0×120 mm)」(ナカライテスク株式会社製)を、下記の条件:メタノール/水(20/80→40/60→60/40→80/20→100/0)で用いた。
(5)得られた第1画分(Fr.5)を、分取薄層クロマトグラフィーを用いて、7画分(Fr.5-1~7)に分画した。
第3画分(Fr.5-3)をメタノール/酢酸エチル(1/1)で溶出した後、減圧濃縮及び乾固を行い、下記式(I)で表される化合物(1.0mg)を無色不定形固体として得た。なお、下記式(I)中の数字は炭素番号を表す。
分取薄層クロマトグラフィーとしては、「Silica gel 60 F254(0.5×200×200mm)」(Merck社製)を、下記の条件:メタノール/クロロホルム(3/17)で用いた。
<本発明の化合物(式(I))の構造確認>
式(I)で表される化合物について、各種方法に基づき構造確認を行った。
式(I)で表される化合物について、各種方法に基づき構造確認を行った。
式(I)で表される化合物について、高分解能ESI-MSにより分子イオンピーク(m/z:212.0823(100%)、213.0919(13.3%))が観測され、分子式がC10H13NO4であることが分かった。
式(I)で表される化合物について、1H-NMR、HMQC、及びHMBCを測定し、得られたスペクトルを解析することにより、平面構造を特定した。
1H-NMR、HMQC、及びHMBCのスペクトルデータをそれぞれ、図2、3、4に示す。
1H-NMR、HMQC、及びHMBCのスペクトルデータをそれぞれ、図2、3、4に示す。
式(I)で表される化合物の1H-NMR(600MHz,C6D6)のスペクトルデータを表1に示す。表中、sは1重線を表し、dは2重線を表し、brsは幅広い1重線を表す。
式(I)で表される化合物の13C-NMR(150MHz,C6D6)のスペクトルデータを表2に示す。
<本発明の化合物(式(II))の合成>
以下の方法で、本発明の化合物(式(II)で表される化合物)の合成を行った。
なお、下記方法の概要を図5に示す。
以下の方法で、本発明の化合物(式(II)で表される化合物)の合成を行った。
なお、下記方法の概要を図5に示す。
(工程1)3-Furancarboxylic Acid、及び4-NitorophenolのDCC縮合反応
まず、出発物質として、3-Furancarboxylic Acid(3)、及び4-Nitorophenol(4)を準備した(いずれも東京化成株式会社製)。
3-Furancarboxylic Acid(3.446mg、3.98mmol)、及び4-Nitorophenol(4.1.66g、11.93mmol)を入れた3つ口フラスコ(3方コック付き)を真空ポンプに連結し、脱気した。
次いで、3方コックをアルゴンガス(アルゴン風船)側に開き、容器内をアルゴン雰囲気下とした後、酢酸エチル(30ml)を加えて溶解した。
さらに、反応物に、N,N’-Dicyclohexylcarbodiimide(1.64g、8.0mmol)、及び4-Dimethylaminopyridine(1.46g、12.0mmol)を加え、室温で17時間撹拌した。
撹拌後に得られた反応液を冷凍庫に5時間入れ、尿素の沈殿を行った。その後、尿素をセライトろ過により除去し、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=4/1)により精製して、p-ニトロフェニルエステル化合物(5)を0.6mg(収率66%)得た。
まず、出発物質として、3-Furancarboxylic Acid(3)、及び4-Nitorophenol(4)を準備した(いずれも東京化成株式会社製)。
3-Furancarboxylic Acid(3.446mg、3.98mmol)、及び4-Nitorophenol(4.1.66g、11.93mmol)を入れた3つ口フラスコ(3方コック付き)を真空ポンプに連結し、脱気した。
次いで、3方コックをアルゴンガス(アルゴン風船)側に開き、容器内をアルゴン雰囲気下とした後、酢酸エチル(30ml)を加えて溶解した。
さらに、反応物に、N,N’-Dicyclohexylcarbodiimide(1.64g、8.0mmol)、及び4-Dimethylaminopyridine(1.46g、12.0mmol)を加え、室温で17時間撹拌した。
撹拌後に得られた反応液を冷凍庫に5時間入れ、尿素の沈殿を行った。その後、尿素をセライトろ過により除去し、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=4/1)により精製して、p-ニトロフェニルエステル化合物(5)を0.6mg(収率66%)得た。
(工程2)p-ニトロフェノールエステル化合物(5)、及びtris(hydroxymethyl)aminomethane(6)の加熱還流
上記(工程1)で得たp-ニトロフェニルエステル化合物(5.255mg、1.1mmol)、及びtris(hydroxymethyl)aminomethane(6.181mg、1.5mmol)を入れた50mlナス型フラスコに、ピリジン(15ml)を加えた。
このナスフラスコをオイルバスに浸し、110~120℃に加熱し、23時間還流した。
得られた反応液を減圧下で濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1)により精製して、下記式(II)で表される化合物(21mg、収率10%)を黄色不定形固体として得た。なお、下記式(II)中の数字は炭素番号を表す。
上記(工程1)で得たp-ニトロフェニルエステル化合物(5.255mg、1.1mmol)、及びtris(hydroxymethyl)aminomethane(6.181mg、1.5mmol)を入れた50mlナス型フラスコに、ピリジン(15ml)を加えた。
このナスフラスコをオイルバスに浸し、110~120℃に加熱し、23時間還流した。
得られた反応液を減圧下で濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1)により精製して、下記式(II)で表される化合物(21mg、収率10%)を黄色不定形固体として得た。なお、下記式(II)中の数字は炭素番号を表す。
<本発明の化合物(式(II))の構造決定>
式(II)で表される化合物について、各種方法に基づき構造決定を行った。
式(II)で表される化合物について、各種方法に基づき構造決定を行った。
式(II)で表される化合物について、高分解能ESI-MSにより分子イオンピーク(m/z:332.1581(100%)、333.1646(25%))が観測され、分子式がC14H15NO7であることが分かった。
式(II)で表される化合物について、1H-NMR、HMQC、及びHMBCを測定し、得られたスペクトルを解析することにより、平面構造を特定した。
1H-NMR、HMQC、及びHMBCのスペクトルデータをそれぞれ、図6、7、8に示す。
1H-NMR、HMQC、及びHMBCのスペクトルデータをそれぞれ、図6、7、8に示す。
式(II)で表される化合物の1H-NMR(600MHz,CD3OD)のスペクトルデータを表3に示す。表中、sは1重線を表し、dは2重線を表し、brsは幅広い1重線を表す。
式(II)で表される化合物の13C-NMR(150MHz,CD3OD)のスペクトルデータを表4に示す。
<本発明の化合物の腫瘍細胞増殖阻害活性試験>
以下の方法で、式(I)及び式(II)で表される化合物について、腫瘍細胞増殖阻害活性試験を行った。本例では、腫瘍細胞として黒色腫細胞を用いた。
以下の方法で、式(I)及び式(II)で表される化合物について、腫瘍細胞増殖阻害活性試験を行った。本例では、腫瘍細胞として黒色腫細胞を用いた。
(1)マウス黒色腫由来細胞株(B16メラノーマ細胞)を、10%ウシ胎児血清含有DMEM培地中で、炭素ガス培養器(5%CO2、37℃)内で培養した。
(2)B16メラノーマ細胞を、96穴プレートに播種し(1×104cells/well)、DMSOに溶解した本発明の各化合物を、それぞれ所定の濃度(0、0.1、1、10、又は100μg/mL)となるように細胞に添加し、さらに120時間培養を行った。
(3)培養後の細胞数を、MTTアッセイ法で測定した。
(2)B16メラノーマ細胞を、96穴プレートに播種し(1×104cells/well)、DMSOに溶解した本発明の各化合物を、それぞれ所定の濃度(0、0.1、1、10、又は100μg/mL)となるように細胞に添加し、さらに120時間培養を行った。
(3)培養後の細胞数を、MTTアッセイ法で測定した。
MTTアッセイの結果、式(I)及び式(II)で表される化合物は、それぞれIC50=28μg/mL及びIC50=28μg/mLの濃度で腫瘍細胞の増殖を阻害した。
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