JPH08197112A - 熱間継目無管圧延用マンドレルバーおよびその製造方法 - Google Patents
熱間継目無管圧延用マンドレルバーおよびその製造方法Info
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- JPH08197112A JPH08197112A JP858895A JP858895A JPH08197112A JP H08197112 A JPH08197112 A JP H08197112A JP 858895 A JP858895 A JP 858895A JP 858895 A JP858895 A JP 858895A JP H08197112 A JPH08197112 A JP H08197112A
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Abstract
なマンドレルバーの提供。 【構成】表面硬度Hv(5kg)が500以上で、かつ
表面の歪み破壊靭性値K1Cが20MPa×m1/2 以上
であるマンドレルバー。SKD6、SKD61またはこ
れ等の相当鋼製のバーを、図1に示す領域「イ」、
「ロ」または「ハ」のいずれかの範囲内の温度で焼入れ
−焼戻し処理する方法。 【効果】耐摩耗性および耐クラック性に優れ、従来バー
の約2倍以上の長寿命なバーが得られる。
Description
で用いられるマンドレルミルのマンドレルバーおよびそ
の製造方法に関する。
展を抑制する特性と、その特性を得るための熱処理方法
を提案し、優れた寿命を持つ熱間継目無管用工具である
マンドレルバーの製造方法に関するものである。
レルミルによる延伸圧延方法が多用されている。このマ
ンドレルミルによる延伸圧延方法においては、加熱した
ビレットを穿孔機で穿孔圧延して中空素管となし、この
中空素管の内面に内面規制用圧延工具であるマンドレル
バーを挿入した後、図2に示すように、対向孔型ロール
2、2で構成されたスタンドを複数連設したマンドレル
ミル1に通して中空素管3を所定寸法の継目無管4に圧
延する。その後、挿入されたマンドレルバー5は、圧延
後の継目無管4から、図示しないバー引き抜き装置によ
って引き抜かれて循環再使用される。
いられるマンドレルバー5は、その表面が摩耗および肌
荒れ損傷等しないように、中空素管3への挿入前にその
表面に固体潤滑剤を主成分とする潤滑被膜が形成され
る。これによって、圧延時およびバー引抜き時に発生す
る管内面とマンドレルバー表面との摩擦力を減じて工具
疵等が発生するのを防止することとしている。
1200℃の中空素管に挿入使用される。従って、圧延
中、高温の中空素管と常時接触した状態にあり、かつ大
きな圧力を受けるため、その表面は極めて過酷な摩擦状
態に曝されて摩耗し、また圧延終了後に継目無管から引
き抜かれる時の急激な温度変化によってバー表面に亀裂
が発生する。そして、この摩耗および亀裂が繰り返し使
用に伴って大きくなると、継目無管の内面に疵を発生さ
せて製品品質を低下させ、またバー自体も所定段取りの
圧延に使用できなくなる。このため、マンドレルバー
は、その表面硬度が高く、全体として靭性を有するもの
でなければならない。
KD6、同SKD61およびその相当鋼等のCr−Mo
−V系の熱間工具鋼からなり、バー表面の最高温度が1
000〜1100℃になるように高周波誘導加熱手段に
よって加熱して表面焼入れした後、バー全体を650〜
750℃に均一加熱して焼き戻すことにより、その表面
の硬度がショアー硬度(Hs)で55〜60になるよう
に調整したものが使用されていた(鉄鋼便覧III (2) 第
3版 P978)。
として耐摩耗性を確保すべく、バー表面の硬度のみを管
理指標にし、その硬度をショアー硬度(Hs)で55〜
60(ビッカース硬度Hvで400〜450)としたも
ので摩耗損傷し易いため、バー1本当たりの圧延管本数
が1000本程度と少なく、バー寿命が短いという問題
があった。また、耐摩耗性を向上させて摩耗損傷を抑制
すべく単に硬度を高めると靭性が低下して亀裂折損する
という問題もあった。
の実状に鑑みなされたもので、摩耗損傷または/および
亀裂折損によるバー寿命が少なくとも上記従来バーの約
2倍以上であるマンドレルバーとその製造方法を提供す
ることにある。
(1)および(2)のマンドレルバーおよびその製造方
法にある。
上で、かつ表面の歪み破壊靭性値K1Cが20MPa×
m1/2 以上であることを特徴とする熱間継目無管圧延用
マンドレルバー。
当鋼の熱間工具鋼からなるマンドレルバーを高周波誘導
加熱を用いて加熱して表面焼入れし、次いで焼き戻し処
理するに際し、図1に示す領域「イ」、「ロ」または
「ハ」のいずれかの範囲内の温度で焼入れ−焼戻し処理
することを特徴とする請求項1に記載の熱間継目無管圧
延用マンドレルバーの製造方法。
得るため、バー表面に生じる摩耗、亀裂損傷とバー表層
の硬度および靭性との関係について、鋭意実験研究を行
った結果、次のおよびのことを知見し、本発明をな
した。
るためには、バーの表面硬度がビッカース硬度Hv(5
kg)で500以上であり、かつ表面の歪み破壊靭性値
K1Cが20MPa×m1/2 以上の特性を具備する必要
があること。
KD6、SKD61またはその相当鋼の熱間工具鋼から
なるマンドレルバーに対して高周波誘導加熱を用いて加
熱して表面焼入れし、次いで焼き戻し処理すに際し、図
1に示す領域「イ」、「ロ」または「ハ」のいずれかの
範囲内の温度で焼入れ−焼戻し処理する必要のあるこ
と。
表面の歪み破壊靭性値を上記(1)のように定めた理由
は次のとおりである。すなわち、バーの表面硬度がビッ
カース硬度Hv(5kg)で500未満ではバー表面が
柔らか過ぎるため、バー表層での摩耗が早期に進行して
表面状態が不安定になるとともにバー外径が減少し、製
品の内面性状が悪化するのに加え寸法バラツキが大きく
なる。また、バー表面の歪み破壊靭性値K1Cが20M
Pa×m1/2 未満では耐亀裂進展性が不十分でクラック
が生じ易く、バーが早期に折損してしまい、その使用寿
命を従来バーの約2倍以上になし得ないからである。こ
のことは、後述の実施例結果からも明かである。
レルバーの製造方法の製造熱処理条件を上記(2)のよ
うに定めた理由について説明する。
とは相反する関係にあり、硬度が高くなると靭性が低下
する傾向にあることは周知のとおりである。しかし、上
記SKD6、SKD61およびその相当鋼の熱間工具鋼
からなるマンドレルバーを高周波誘導加熱手段を用いて
バーの表層部分を短時間加熱保持後表面焼入れし、次い
でバー全体を均一加熱して焼戻し処理した場合、マンド
レルバーに上記の両特性を付与する熱処理条件を定め
るための実験研究例は未だ見当たらない。
上記の熱処理条件を見いだした。
のマンドレルバーを内径220mmの高周波誘導加熱コ
イルに通してバーの表面温度が950〜1100℃の種
々の温度になるように表層加熱してその温度に30秒間
保持してから空冷して表面焼入れ処理するとともに、そ
の後バー全体を550〜680℃の種々の温度に均熱し
てその温度に30分間保持してから空冷して焼戻し処理
した場合における、焼入れ温度(Tq)と焼戻し温度
(Tt)の組み合わせがバーの表面硬度とバー表面の歪
み破壊靭性値(K1C)に及ぼす影響を調べた結果を示
す図である。
され、焼入れ温度Tqに応じて下式(a)で求められる
焼戻し温度Tt以下で焼戻し処理する場合、すなわち曲
線Yを含む曲線Yの右方領域(I)の焼戻し温度Ttで
焼戻し処理する場合に限ってバーの表面硬度がビッカー
ス硬度Hv(5kg)で500以上となり、曲線Yより
も左方領域(II)の焼戻し温度Ttで焼戻し処理する場
合にはバーの表面硬度がビッカース硬度Hv(5kg)
で500未満になることを示しており、かつ斜線領域
「イ」、「ロ」および「ハ」の領域内の焼戻し温度Tt
で焼戻し処理する場合に限ってバーの表面の歪み破壊靭
性値K1Cが20MPa×m1/2 以上になることを示し
ている。
99に規定の3点曲げ試験を行って求めた値である。
命を従来バーの約2倍以上にするために必要な特性であ
る上記両特性、すなわちバーの表面硬度をビッカース硬
度Hv(5kg)で500以上にし、かつバー表面の歪
み破壊靭性値K1Cを20MPa×m1/2 以上にするた
めには、図1中の直線AB、BC、CDおよびDAで囲
まれる領域「イ」、直線EF、EH、HGおよび曲線G
Fで囲まれる領域「ロ」または直線IJ、IL、LKお
よび曲線KJで囲まれる領域「ハ」のいずれかの範囲内
における焼入れ温度Tqと焼戻し温度Ttで焼入れ−焼
戻し処理する必要のあることがわかる。以上の実験結果
から、本発明ではその製造熱処理条件を上記(2)のよ
うに定めた。
60℃、Tt=550℃)、点B:(Tq=1060
℃、Tt=595℃)、点C:(Tq=1040℃、T
t=595℃)、点D:(Tq=1040℃、Tt=5
50℃)、点E:(Tq=1060℃、Tt=610
℃)、点F:(Tq=1060℃と曲線Yとの交点温度
Tt)、点G:(Tq=1040℃と曲線Yとの交点温
度Tt)、点H:(Tq=1040℃、Tt=610
℃)、点I:(Tq=1010℃、Tt=560℃)、
点J:(Tq=1060℃と曲線Yとの交点温度T
t)、点K:(Tq=950℃、Tt=600℃)、点
L:(Tq=950℃、Tt=560℃)である。
る表面焼入れ処理に際しては、少なくともバー表面から
3mmまでの深さの部分がビッカース硬度Hv(5k
g)で500以上で、かつ歪み破壊靭性値K1Cが20
MPa×m1/2 以上となるように、バー表面と誘導加熱
コイル内面との間隙等に応じて給電力を適宜調整するの
が望ましい。
来バーと同様に、JIS−SKD6、同SKD61の
他、これらの相当鋼を用いることができる。そして、上
記相当鋼としては、例えば、重量%で、C:0.2〜
0.45%、Si:0.3〜1.2%、Mn:0.2〜
0.8%、Cr:4.0〜6.0%、Mo:0.3〜
1.5%、V:0.3〜1.5%を含有し、残部がFe
および不可避不純物からなる鋼をあげることができる。
Mn:0.4%、Cr:5.0%、Mo:1.1%、
V:0.4%を含有し残部Feおよび不可避不純物から
なる熱間工具鋼製で、外径179mm、長さ27000
mmのマンドレルバーを26本作成し、これらのマンド
レルバーに表1示す各条件で焼入れ−焼戻し処理を施し
た後、外径220mm、内径185mm、長さ6800
〜10200mmの炭素鋼からなる中空素管を8スタン
ドの実機マンドレルミルを用いて外径192mm、内径
179mm、長さ20000〜30000mmの継目無
管に延伸圧延するのに供し、中空素管の圧延可能本数と
バーの寿命原因を調べてその使用寿命を比較調査した。
その結果を、バーの表面硬度(Hv=5kg)とバー表
面の破壊靭性値(K1C)とともに、表1に示した。な
お、各バーにはその外表面に黒鉛系の潤滑剤を塗布して
圧延に供した。
の熱処理条件で製造した従来バー(No. 22〜26)
は、バーの表面硬度がいずれも低く早期に摩耗損傷した
ため、中空素管の圧延可能本数が1300本以下と少な
く使用寿命が短い。また、本発明の範囲を外れる熱処理
条件で製造した比較例のバー(No. 10〜21)は、い
ずれもバー表面の破壊靭性値または/およびバーの表面
硬度が低いため、早期に摩耗損傷または/および亀裂が
発生して中空素管の圧延可能本数が1500本以下と少
なく使用寿命が短い。さらに、バー表面の破壊靭性値が
低く亀裂が発生した比較例(No. 10、12〜18およ
び21)のバーは、改削再使用が困難であった。
たバー(No. 1〜9)は、いずれもバーの表面硬度およ
びバー表面の破壊靭性値が本発明で規定する値以上とな
っており、中空素管の圧延可能本数が2500本以上
で、従来バーの約2倍以上となっている。また、その寿
命原因も全て表面状態の不安定化とバー外径減少をもた
らす摩耗によるもので亀裂折損によるものでないため、
外径を極微小量研磨補修することで再使用可能であり、
また1ランク小径のマンドレルバーとしても改削再使用
が可能であった。
よび耐クラック性(耐亀裂進展性)に優れるので、その
使用寿命が飛躍的に長くなり、工具原単位の低減が図れ
る他、製品の内面品質も格段に向上するため製品歩留が
向上し、製品のコスト低減が図れる。また、本発明の方
法によれば耐摩耗性および耐クラック性に優れるマンド
レルバーを確実に得ることができる。
面の破壊靭性値に及ぼす影響を示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】表面硬度Hv(5kg)が500以上で、
かつ表面の歪み破壊靭性値K1Cが20MPa×m1/2
以上であることを特徴とする熱間継目無管圧延用マンド
レルバー。 - 【請求項2】SKD6、SKD61またはその相当鋼の
熱間工具鋼からなるマンドレルバーを高周波誘導加熱手
段を用いて加熱して表面焼入れし、次いで焼き戻し処理
するに際し、図1に示す領域「イ」、「ロ」または
「ハ」のいずれかの範囲内の温度で焼入れ−焼戻し処理
することを特徴とする請求項1に記載の熱間継目無管圧
延用マンドレルバーの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00858895A JP3419126B2 (ja) | 1995-01-24 | 1995-01-24 | 熱間継目無管圧延用マンドレルバーおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP00858895A JP3419126B2 (ja) | 1995-01-24 | 1995-01-24 | 熱間継目無管圧延用マンドレルバーおよびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH08197112A true JPH08197112A (ja) | 1996-08-06 |
JP3419126B2 JP3419126B2 (ja) | 2003-06-23 |
Family
ID=11697161
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP00858895A Expired - Lifetime JP3419126B2 (ja) | 1995-01-24 | 1995-01-24 | 熱間継目無管圧延用マンドレルバーおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3419126B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003092110A (ja) * | 2001-09-17 | 2003-03-28 | Shin Kobe Electric Mach Co Ltd | 鉛蓄電池格子体の連続鋳造用金型 |
US8065901B2 (en) * | 2006-03-28 | 2011-11-29 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | Mandrel bar for high-alloy rolling, method for surface treating a mandrel bar, method for producing mandrel bar, and method for operating seamless pipe mill |
CN105986184A (zh) * | 2015-02-09 | 2016-10-05 | 宝钢特钢有限公司 | 一种用于经济型mpm连轧芯棒的钢材及其制造方法 |
-
1995
- 1995-01-24 JP JP00858895A patent/JP3419126B2/ja not_active Expired - Lifetime
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US8065901B2 (en) * | 2006-03-28 | 2011-11-29 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | Mandrel bar for high-alloy rolling, method for surface treating a mandrel bar, method for producing mandrel bar, and method for operating seamless pipe mill |
CN105986184A (zh) * | 2015-02-09 | 2016-10-05 | 宝钢特钢有限公司 | 一种用于经济型mpm连轧芯棒的钢材及其制造方法 |
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JP3419126B2 (ja) | 2003-06-23 |
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