JPH08196613A - 医用材料及びその製造方法 - Google Patents

医用材料及びその製造方法

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JPH08196613A
JPH08196613A JP7013028A JP1302895A JPH08196613A JP H08196613 A JPH08196613 A JP H08196613A JP 7013028 A JP7013028 A JP 7013028A JP 1302895 A JP1302895 A JP 1302895A JP H08196613 A JPH08196613 A JP H08196613A
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JP
Japan
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medical material
cross
succinyl chitosan
agent
antibacterial agent
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JP7013028A
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Takamitsu Kuroyanagi
能光 黒柳
Michihiro Tajima
道弘 田島
Masato Izume
正人 井爪
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Katakura Chikkarin Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 強度、柔軟性及び透湿性に優れた医用材料及
び該医用材料の効率的な製造方法を提供することを目的
とする。 【構成】 架橋されたN−サクシニルキトサンを含むス
ポンジ層と、不織布からなる補強材層とを有する医用材
料。N−サクシニルキトサン及び架橋剤を含有する水溶
液と不織布とを接触させて凍結乾燥することを特徴とす
る前記医用材料の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、N−サクシニルキトサ
ンを含むスポンジ層が不織布で補強された生体適合性に
優れた医用材料及びその製造方法に関し、詳しくは、創
傷被覆材などに応用可能な医用材料及びその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、生体適合性に優れた医用材料とし
て、N−サクシニルキトサンからなるスポンジ状シート
が知られている(特開平3−165775号公報参
照)。しかしながら、そのような生体由来材料のみから
なるシートは強度が低いため、操作性が悪く、特に湿潤
状態においては著しく強度が損なわれるため使用中に一
部割れたり、更には縫合部の針穴から欠落したりするこ
とがあるので、そのまま臨床的に使用するには問題があ
る。
【0003】特開平3−289961号公報には、N−
サクシニルキトサン及びコラーゲンからなるスポンジ層
と、特定のポリウレタン樹脂を製膜してなるフィルム層
との2層を有する創傷被覆材が開示されており、かかる
創傷被覆材は、補強材として特定のポリウレタン樹脂フ
ィルムを有するものである。しかしながら、この創傷被
覆材は、柔軟性が十分ではないことから湾曲部等に適用
する際に密着性に劣る。特に、褥瘡等の深い創傷の治癒
促進には、創傷被覆材の密着性が必要であり、そのため
にも創傷被覆材には高い柔軟性が要求される。
【0004】また、ポリウレタン樹脂フィルムは透湿性
に劣るため、上記の創傷被覆材は、その創傷被覆材下に
浸出液が貯留して湿潤状態となり易く、浸出液の多い創
傷においては創傷被覆材としての機能を十分に果たすこ
とができないという問題がある。特に、褥瘡等の深い創
傷は浸出液の発生が多く、浸出液の貯留を防ぐには、効
率のよいドレナージ機能、即ち、透湿性が要求される。
透湿性を高めるために、ドレナージ用の穴を被覆材に機
械的に設ける方法が知られているが、顕著な改善は見ら
れていない。
【0005】さらに、創傷被覆材に抗菌性を持たせるた
めに、該創傷被覆材に抗菌剤を含ませる場合がある。こ
の場合、抗菌性を発揮させるために、効率よく抗菌剤が
溶出されることが要求される。上記の特開平3−289
961号公報に記載の創傷被覆材にも抗菌剤を含有させ
てもよい旨が記載されているが、該創傷被覆材におい
て、抗菌剤はポリウレタン樹脂フィルム内に強固に保持
されているため、溶出率が低く、その抗菌力を期待する
ことはできない。その他にも、ポリアミノ酸に抗菌剤を
含有させた創傷被覆材が知られているが(特開昭63−
115566号公報)、疎水性の高分子であるポリアミ
ノ酸中に抗菌剤を含浸させているため、抗菌剤の溶出に
劣り、臨床中における抗菌力を期待することはできな
い。
【0006】また、上記の特開平3−289961号公
報記載の創傷被覆材は、N−サクシニルキトサン及びコ
ラーゲンの凍結乾燥工程、該凍結乾燥工程により得られ
たスポンジを有機溶媒中で架橋を施すことにより不溶化
する架橋工程、及び、該架橋工程により得られた架橋ス
ポンジと特定のポリウレタン樹脂フィルムとの接着工程
の複数の工程により製造されるものであり作業工程が煩
雑で、その製造においては多量の有機溶媒を必要とす
る。したがって、この製造方法は生産効率面、環境衛生
面及びコスト面において問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、N−サクシ
ニルキトサンにみからなるシートの欠点や、柔軟性、透
湿性の低い補強材を使用することによる欠点を解決する
ことを目的とする。すなわち、本発明の課題は、密着
性、吸水性、耐久性、生体適合性、取り扱いの簡便性、
保存性、細菌の遮断性、縫合性、創傷面からの剥離性等
を有するのみならず、強度、柔軟性及び透湿性にも優れ
た医用材料を提供することにある。また、本発明の課題
は、生産効率が高く、環境衛生に優れ、生産コストの低
い該医用材料の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、架橋されたN
−サクシニルキトサンを含むスポンジ層と、不織布から
なる補強材層とを有する医用材料を提供する。さらに、
本発明は、N−サクシニルキトサン及び架橋剤を含有す
る水溶液と不織布とを接触させて凍結乾燥することを特
徴とする上記医用材料の製造方法を提供する。
【0009】N−サクシニルキトサンは、キチンのN−
アセチル基の一部又は全部を脱アセチル化することによ
り得られるキトサンのアミノ基(−NH2 )がサクシニル
化されたものである。キチンは、例えば、カニ、エビな
どの甲殻を希塩酸で処理して脱炭酸カルシウム処理し、
次いで希水酸化ナトリウム溶液で処理して脱タンパク処
理することにより得られる。得られた粗キチンはそのま
ま用いても精製処理して用いてもよい。キチンの脱アセ
チル化は、キチンを濃水酸化ナトリウム溶液のような濃
アルカリで処理することにより行うことができる。得ら
れるキトサンは、酸に溶解するものであればいかなるも
のであっても使用することができるが、脱アセチル化度
が45%以上のものが好ましく、さらに85%以上のものが
好ましい。キトサンのアミノ基のサクシニル化は無水コ
ハク酸を用いて行う。N−サクシニルキトサンは、水溶
性のものであればいかなるものであっても使用すること
ができるが、サクシニル化前のキトサンのアミノ基(−
NH2 )量(mol )に対するサクシニル化後のサクシニル
基の量(mol )の割合(サクシニル化度)が40%以上の
ものが好ましい。
【0010】また、本発明においては、架橋されたN−
サクシニルキトサンを使用する。架橋されたN−サクシ
ニルキトサンを使用することによって医用材料の強度や
吸水性が向上し、風合いも向上する。また、N−サクシ
ニルキトサンの架橋度は通常、 0.1〜100 %であり、好
ましくは 0.1〜30%の範囲である。ここで、N−サクシ
ニルキトサンの架橋度とは、架橋前のN−サクシニルキ
トサンに含まれるアミノ基(−NH2 )及びカルボキシル
基(−COOH)の合計量(mol )に対する架橋後の架橋さ
れている基の割合をいう。架橋度が高すぎると、柔軟性
が低下し、架橋の割合が低すぎると医用材料を形成した
場合に、N−サクシニルキトサンの溶出が生じる場合が
ある。
【0011】N−サクシニルキトサンを架橋するのに使
用する架橋剤としては、2個以上の官能基を有する化合
物であればいかなるものも使用することができ、具体的
には、例えば、グルタールアルデヒド等の少なくとも2
個のアルデヒド基を有する化合物;例えば、ヘキサメチ
レンジイソシアナート等のイソシアナート類;例えば、
グリセリン-1,3- ジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサン
ジオールジグリシジルエーテル等の少なくとも2個のエ
ポキシ基を有する化合物;例えば、無水酢酸、無水コハ
ク酸等の酸無水物類等が例示され、これらは1種単独で
も2種以上を組み合わせても使用可能である。これらの
中で好ましいものは、反応性の観点から少なくとも2個
のエポキシ基を有する化合物である。
【0012】さらに、本発明の医用材料は、その強度を
向上させるために、不織布からなる補強材層を有してい
る。不織布としては、天然繊維、合成繊維等が使用され
る。天然繊維としては、具体的には、セルロース系繊
維、タンパク系繊維等が例示され、合成繊維としては、
具体的には、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、
ポリウレタン系繊維、ポリ尿素系繊維、ポリオレフィン
系繊維、ポリスチレン系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、
ポリ塩化ビニリデン系繊維、ポリフッ化エチレン系繊
維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリビニルアルコー
ル系繊維、ポリシアン化ビニリデン系繊維等が例示され
る。これらの中で好ましいものは、セルロース系繊維で
ある。本発明の医用材料は、柔軟性を考慮すると、スポ
ンジ層の厚さが、1〜50mmの範囲であるのが好ましく、
補強材層の厚さが、 0.1〜1mmの範囲であるのが好まし
い。
【0013】また、本発明の医用材料は、スポンジ層に
抗菌剤が含有されているのが好ましい。抗菌剤が含有さ
れると、抗菌効果を持つ医用材料となる。抗菌剤として
は、従来公知の抗菌剤を特に制限されることなく使用す
ることができ、具体的には、例えば、スルファジアジン
銀、スルファジアジン亜鉛、スルファジアジンセリウム
等のサルファ剤系抗菌剤;例えば、硫酸ゲンタマイシ
ン、硫酸ストレプトマイシン、硫酸フラジオマイシン等
のアミノグリコシド系抗菌剤;例えば、アンピシリン、
メチシリンナトリウム等のペニシリン系抗菌剤;例え
ば、硝酸銀等の無機系抗菌剤等が例示され、これらは1
種単独でも2種以上の組み合わせでも使用可能である。
これらの中で好ましいものは、抗菌性や耐性菌の抑制な
どの点からサルファ剤系抗菌剤である。
【0014】N−サクシニルキトサン及び架橋剤を含有
する水溶液と、不織布とを接触させて、凍結乾燥するこ
とにより、片面が架橋されたN−サクシニルキトサンを
含む(場合によっては抗菌材も含む)スポンジ層からな
り、もう一方の面が補強材層からなる2層構造の本発明
の医用材料を容易に製造することができる。また、スポ
ンジ層に抗菌剤を含有する医用材料を製造する場合に
は、上記のN−サクシニルキトサン及び架橋剤を含有す
る水溶液に、抗菌剤を添加すればよい。N−サクシニル
キトサンの水溶液中の濃度は特に制限されないが、得ら
れるスポンジ層の柔軟性や強度を向上させることを考慮
すれば、 0.1〜4.0 %w/v の範囲が好ましく、さらに
1.0〜2.0 %w/v の範囲が好ましい。また、架橋剤の添
加量は、N−サクシニルキトサンの架橋度が上述したよ
うな範囲となるような量を添加すればよく、具体的に
は、アミノ基及びカルボキシル基の1モル当たり、架橋
剤を 0.001〜1モルの範囲で添加するのが好ましく、さ
らに、 0.001〜0.3 モルの範囲で添加するのが好まし
い。抗菌剤の添加量は、使用する抗菌剤の抗菌力により
異なるが、得られるスポンジ層1cm2 当たり 0.1〜500
μgとなるような量が好ましく、さらに 0.1〜10μgと
なるような量が好ましい。補強材は、例えば、上記のN
−サクシニルキトサン等を含有する水溶液を容器に入
れ、該水溶液の表面を覆うような状態で接触させればよ
い。また、上記の方法によりスポンジ層に抗菌剤が含有
される本発明の医用材料を製造すると、本発明の医用材
料を創傷被覆材として使用した場合に、抗菌剤の溶出率
が高くなることから、創傷面に存在する細菌の繁殖を効
果的に阻止することができ、また、外部からの細菌の侵
入を阻止することができる。
【0015】
【実施例】以下本発明の実施例を詳細に説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0016】製造例1 キトサンの調製 紅ズワイガニの甲殻の粉砕品 200g及び5%塩酸2リッ
トルを混合し、室温で5時間撹拌した後、得られた混合
液を濾過して固形物を得た。該固形物を水洗して5%水
酸化ナトリウム水溶液2リットルと混合し、90℃で 2.5
時間攪拌した後、得られた混合液を濾過後し、得られた
固形物を水洗した。このようにしてキチンを得た。得ら
れたキチンと、50%水酸化ナトリウム水溶液2リットル
とを混合し、90℃で 2.5時間攪拌した後、得られた混合
液を濾過して固形物を得た。得られた固形物を十分に水
洗し、95℃で乾燥した。このようにして脱アセチル化度
99%のキトサン41gを得た。
【0017】N−サクシニルキトサンの調製 上記の方法により得られたキトサン50gを脱塩水 2.4リ
ットルに分散させた後、酢酸50gを加えてキトサンを溶
解させた。得られた溶液にメタノール 2.5リットルを少
しずつ添加して十分撹拌した後、無水コハク酸のアセト
ン溶液 400ml(無水コハク酸を59.0g含有)を加えて一
晩撹拌して反応を行った。反応終了後、得られた沈殿を
分離し、これに脱塩水 2.5リットル及び5N水酸化ナト
リウム 800mlを加え、一晩撹拌して沈殿を溶解した。得
られた溶液を透析した後、濃縮した。このようにして
1.5%w/v N−サクシニルキトサン水溶液を 4.5リット
ルを得た。尚、N−サクシニルキトサンのサクシニル化
度は50%であった。
【0018】製造例2 医用材料Iの製造 製造例1で調製した 1.5%w/v N−サクシニルキトサン
水溶液 100gに、架橋剤としてグリセリン-1,3- ジグリ
シジルエーテルを、N−サクシニルキトサンのアミノ基
及びカルボキシル基の1モルに対して0.5 モル(0.56g)
となるように添加した。得られた混合溶液を十分攪拌し
た後、11cm×10cm角の容器に溶液の深さが2mm(容器当
たり溶液22g)となるように注いだ。次に、容器中の混
合溶液の表面を厚さ 0.3mmのセルロース系不織布で覆っ
た後、メタノールバス中で急速に凍結し、24時間真空凍
結乾燥を行った。このようにしてスポンジ層と、補強材
層とから構成される医用材料Iを得た。
【0019】医用材料IIの製造 架橋剤の添加量を、N−サクシニルキトサンのアミノ基
及びカルボキシル基の1モル当たり 0.1モル(0.11g) と
した以外は医用材料Iの製造と同様の方法で医用材料II
を得た。医用材料III の製造 架橋剤の添加量を、N−サクシニルキトサンのアミノ基
及びカルボキシル基の1モル当たり0.05モル(0.056g)と
した以外は医用材料Iの製造と同様の方法で医用材料II
I を得た。医用材料IVの製造 架橋剤の添加量を、N−サクシニルキトサンのアミノ基
及びカルボキシル基の1モル当たり0.01モル(0.011g)と
した以外は医用材料Iの製造と同様の方法で医用材料IV
を得た。得られた医用材料Iのスポンジ層は剛直で、柔
軟性に劣っていたが、医用材料II〜IVのスポンジ層は柔
軟で、曲げても折れず、吸水性も良好であった。
【0020】製造例3 医用材料Vの製造 製造例1で調製した 1.5%w/v N−サクシニルキトサン
水溶液 100gに、架橋剤としてグリセリン-1,3- ジグリ
シジルエーテルを、N−サクシニルキトサンのアミノ基
及びカルボキシル基の1モルに対して0.05モル(0.056g)
となるように添加した。得られた混合溶液を十分攪拌し
た後、11cm×10cm角の容器に溶液の深さが2mm(容器当
たり溶液22g)となるように注いだ後、メタノールバス
中で急速に凍結し、24時間真空凍結乾燥を行った。この
ようにしてスポンジ層のみからなる医用材料Vを得た。
【0021】実施例1 背部の片側に欠損層(3cm×2.5cm)を外科的に作成した
6〜8週令の2匹のラットに、それぞれ、製造例2で得
られた医用材料III と、製造例3で得られた医用材料V
とを縫合した後エラスチックバンドで包帯した。スポン
ジ層のみからなる医用材料Vは強度が低く、縫合が困難
であったが、不織布を有するスポンジ層からなる医用材
料III は十分な強度を有しているため操作性が高く、優
れた縫合性を示した。2週間後、ラットの創面から医用
材料を剥離したところ、医用材料III は優れた剥離性を
示したのに対して、医用材料Vはスポンジが創面でひび
割れを起こして剥離性が非常に悪かった。
【0022】製造例4 医用材料VIの製造 製造例1で調製した 1.5%w/v N−サクシニルキトサン
水溶液 100gに、架橋剤としてグリセリン-1,3- ジグリ
シジルエーテルを、N−サクシニルキトサンのアミノ基
及びカルボキシル基の1モルに対して0.05モル(0.056g)
となるように添加して、さらにスルファジアジン銀 200
μgを加えて混合した。得られた混合溶液を十分攪拌し
た後、11cm×10cm角の容器に溶液の深さが2mm(容器当
たり溶液22g)となるように注いだ。次に、容器中の混
合溶液の表面を厚さ 0.3mmのセルロース不織布で覆った
後、メタノールバス中で急速に凍結し、24時間真空凍結
乾燥を行った。このようにしてスポンジ層と、補強材層
とから構成される医用材料VIを得た。
【0023】実施例2 製造例4で製造した医用材料VIを純水 100mlに浸漬し、
37℃で24時間振とう後、溶出したスルファジアジン銀の
量を原子吸光光度計にて測定した。比較試料として、同
量のスルファジアジン銀を含むポリL-ロイシン凍結乾燥
スポンジを使用した。その結果、医用材料VIのスルファ
ジアジン銀の溶出率は比較試料の約5倍であり、抗菌剤
を有効に利用できることが確認された。
【0024】
【発明の効果】本発明の医用材料は、密着性、吸水性、
耐久性、生体適合性、取り扱いの簡便性、保存性、細菌
の遮断性、縫合性、創傷面からの剥離性等を有し、しか
も、強度が高く、柔軟性に優れ、透湿性に優れる。従っ
て、本発明の医用材料は、例えば、創傷被覆材などの医
用材料として好適に用いられる。また、本発明の医用材
料の製造方法によれば、1工程で医用材料を製造するこ
とができるので、操作性に優れ、効率的であり、製造コ
ストも低減することが可能である。また、有機溶剤を使
用しないためにより安全性の高い医用材料を製造するこ
とができる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 架橋されたN−サクシニルキトサンを含
    むスポンジ層と、不織布からなる補強材層とを有する医
    用材料。
  2. 【請求項2】 N−サクシニルキトサンの架橋度が、
    0.1〜30%である請求項1に記載の医用材料。
  3. 【請求項3】 N−サクシニルキトサンがエポキシ基を
    少なくとも2個有する化合物により架橋されている請求
    項1又は2に記載の医用材料。
  4. 【請求項4】 不織布が天然繊維又は合成繊維からなる
    ものである請求項1〜3のいずれか一つに記載の医用材
    料。
  5. 【請求項5】 スポンジ層が抗菌剤を含む請求項1〜4
    のいずれか一つに記載の医用材料。
  6. 【請求項6】 抗菌剤が、サルファ剤系抗菌剤、アミノ
    グリコシド系抗菌剤、ペニシリン系抗菌剤、及び無機系
    抗菌剤からなる群から選ばれる少なくとも1種である請
    求項5に記載の医用材料。
  7. 【請求項7】 N−サクシニルキトサン及び架橋剤を含
    有する水溶液と不織布とを接触させて凍結乾燥すること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の医用
    材料の製造方法。
  8. 【請求項8】 N−サクシニルキトサン、架橋剤及び抗
    菌剤を含有する水溶液と不織布とを接触させて凍結乾燥
    することを特徴とする請求項5又は6に記載の医用材料
    の製造方法。
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