JPH08196483A - 電気掃除機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 集塵部の空気漏れを低減し、集塵部の真空度
を高めることができる電気掃除機を提供する。 【構成】 本体下部ケースとダストボックスの合わせ面
に介在する本体バンパー７は、本体外部側に位置するバ
ンパー部８と、本体内部側に位置するパッキン部９とが
一体に形成される。パッキン部９は、集塵部の開口縁部
に配設され、ダストボックスの内側に形成されたシール
用リブの端部が当接するシール面９ｂを有するヒレ９ａ
が設けられている。そして、本発明では、パッキン部９
と一体に形成されて、前記シール用リブの内側全周にわ
たって突出する突起９ｄが形成され、この突起９ｄの途
中から上記ヒレ９ａが外側方向に伸びて形成される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電気掃除機に係り、特
に吸込口に連通し、電動送風機により吸引される集塵部
のシール性能の向上に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種の電気掃除機の構成を図７
と図８により説明する。図７はダストボックスを開けた
状態の電気掃除機本体の斜視図で、１は本体下部ケース
であり、この本体下部ケース１の後部側には電動送風機
等が収納されている。また、本体下部ケース１の前部側
には、吸込口２に連通し、前記電動送風機により吸引さ
れるとともに、この吸引によって集められた塵を取出す
ための開口３が設けられた集塵部４が形成されている。
５は本体上部ケースであり、後部側に収納された電動送
風機等を覆うようにして前記本体下部ケース１上に固定
されている。また、この本体上部ケース５の上面側に
は、上記集塵部４の開口３を開閉自在に覆う集塵蓋であ
るダストボックス６が取り付けられている。このダスト
ボックス６の内側には、前記集塵部４の開口３に合わせ
た形状のシール用リブ６ａが形成されている。なお、本
体下部ケース１，本体上部ケース５及びダストボックス
６は、ＡＢＳ樹脂（アクリロニトリルとブタジェン，ス
チレンの重合体）等を成形して成るものである。

【０００３】７は、本体下部ケース１の前部開口縁に取
り付けられて、当該本体下部ケース１とダストボックス
６との隙間を密閉し保護する本体バンパーである。この
本体バンパー７は、図８の要部断面図に示すように、本
体外部側のバンパー部８と本体内部側のパッキン部９と
が弾性を有する軟質塩化ビニール樹脂等により一体に形
成されている。バンパー部８は、掃除を行うときに本体
側壁が家具等に当たって本体側壁及び家具等が損傷する
のを保護する働きをする。また、パッキン部９は、集塵
部４の真空度を高める働きをし、その上面側には内側か
ら外側に向かって伸びるヒレ９ａが形成され、その表面
がシール面９ａとなっている。また、このパッキン部９
下面側には溝９ｃが形成され、この溝９ｃを、本体下部
ケース１の内側側壁１ａの上端に嵌合し、バンパー部８
の下部側を本体下部ケース１の側壁上端に被せることに
より、本体バンパー７が本体下部ケース１に取り付けら
れる。そして、ダストボックス６を閉じると、ダストボ
ックス６の側壁端部がバンパー部８の上部内側に当接す
る一方、シール用リブ６ａの端部がパッキン部９に形成
されたヒレ９ａのシール面９ｂを押圧するので、ヒレ９
ａの弾性により、互いに密着し、シール効果を果たして
いる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来の電気掃除機は以
上のように構成され、電動送風機の吸引力でホースの先
にあるブラシから塵を吸込み、集塵部４内に溜まるよう
になっている。高い吸込み性能を発揮するには、ダスト
ボックス６と本体下部ケース１の集塵部４で構成される
空間の真空度を高くしなければならない。ダストボック
ス６と本体下部ケース１を密閉するために本体バンパー
８があるのだが、電動送風機のパワーを上げて真空度を
高めようとすると、本体の外からの大気圧により大きな
力を受ける。すなわち、図９に示すように、大気圧の押
す力Ｆによってダストボックス６または本体下部ケース
１の一部，特にダストボックス６のシール用リブ６ａが
一時的に内側に変形する。従って、シール用リブ６ａの
端部とパッキン部９のヒレ９ａ上のシール面９ｄに隙間
ができ、空気が漏れて真空度が下がってしまう。これに
より、電気掃除機の吸込力が著しく低下する。

【０００５】空気漏れをなくすために、ダストボックス
６や本体下部ケース１の肉厚を厚くしたり、変形しそう
な箇所に補強リブを立てたりする対策を施しているが、
肉厚を厚くするのは重量が増えることであり、限界もあ
る。また、補強リブを立てると、ダストボックスの表面
にヒケ（筋状の模様）ができたり、リブにより集塵部の
容積が小さくなってしまう。また、これらの対策では限
界もあり不十分でもある。

【０００６】昨今、電気掃除機の吸込力を大きくするた
め、電動送風機のパワーを格段に大きくしているため、
上述した空気漏れによる真空度の低下は大きな問題にな
っている。

【０００７】そこで、本発明はこのような問題点を解決
するためになされたものであり、集塵部の空気漏れを低
減し、集塵部の真空度を高めることができる電気掃除機
を提供することを目的とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】請求項１に記載の発明
は、吸込口に連通し、電動送風機により吸引されるとと
もに、この吸引によって集められた塵を取出すための開
口が設けられた集塵部と、この集塵部の塵取出し用開口
を開閉自在に覆う集塵蓋と、前記集塵部の開口縁部に配
設され、前記集塵蓋の閉成時に当該集塵蓋の端部が当接
するシール面を有するパッキンとを備えた電気掃除機に
おいて、前記パッキンと一体に形成されて、前記集塵蓋
の端部の内側全周にわたって突出する突起を設けたもの
である。

【０００９】また、請求項２に記載の発明は、前記シー
ル面を、前記突起の途中から当該突起となす角が鋭角と
なるように形成したものである。

【００１０】

【作用】請求項１記載の構成によれば、電動送風機の吸
引によって、集塵部内の真空度が上がり、シール面に当
接する集塵蓋の端部が内側に引き込まれようとするが、
その内側には突起があるため、シール面から外れること
はない。また、集塵蓋の端部内側が突起の側面に当接し
て、シール面を形成するので、全体としてのシール面積
が大きくなる。従って、集塵部の空気漏れが著しく低減
する。

【００１１】また、請求項２記載の構成によれば、集塵
部内の真空度がさらに上がって集塵蓋の端部がさらに内
側に引き込まれ、その内側に設けられた突起が付け根の
ところで内側に屈曲しても、突起の途中から鋭角をなし
て形成されたシール面もこれに追随するので、集塵蓋の
端部とシール面の密着性は失われない。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説
明する。

【００１３】図１は、本発明の一実施例に係る電気掃除
機の集塵部を後部側から見た要部断面図、図２はそのＡ
部における本体バンパーの拡大図、図３〜図５は本実施
例の作用を示す図である。なお、各図において、前記図
７〜図９と同一符号は同一又は相当部分を示している。

【００１４】図１は、ダストボックス６を閉じた状態を
示しており、本体下部ケース１とダストボックス６の合
わせ面に本体バンパー７が介在している。本体下部ケー
ス１の前部側に形成された集塵部４は、吸込口２に連通
し、図面手前側にフィルタ及び隔壁を介して位置する電
動送風機により吸引されるとともに、この吸引によって
集められた塵を取出すための開口３が設けられている。
また、２ａは、図示しない集塵袋の口枠が密着した状態
で取り付けられる集塵袋取付部である。一方、ダストボ
ックス６の内側には、前記集塵部４の開口３に合わせた
形状のシール用リブ６ａが形成されている。

【００１５】本体バンパー７は、本体下部ケース１の前
部開口縁に取り付けられて、当該本体下部ケース１とダ
ストボックス６との隙間を密閉し保護するものである。
この本体バンパー７は、図１のＡ部の本体バンパー部分
を拡大図示した図２に示すように、本体外部側に位置す
るバンパー部８と本体内部側に位置するパッキン部９と
が弾性を有する軟質塩化ビニール樹脂等により一体に形
成されたものである。バンパー部８は、掃除を行うとき
に本体側壁が家具等に当たって本体側壁及び家具等が損
傷するのを保護する働きをする。パッキン部９は、外部
から集塵部４への空気漏れを防ぎ、集塵部４の真空度を
高める働きをする。

【００１６】ここで、本実施例の本体バンパー７には、
そのパッキン部９の内側全周にわたって上方に突出する
突起９ｄが一体に形成されている。そして、この突起９
ｄの外側面の途中から、当該突起９ｄとのなす角が鋭角
となるように、外側に向かって伸びるヒレ９ａが形成さ
れ、その表面がシール面９ｂとなっている。また、この
パッキン部９下面側には凹状の溝９ｃが形成され、この
溝９ｃを、本体下部ケース１の内部側壁１ａの上端に嵌
合し、バンパー部８の下部側を本体下部ケース１の外部
側壁上端に被せることにより、本体バンパー７が本体下
部ケース１に取り付けられる。そして、ダストボックス
６の側壁端部がバンパー部８の上部内側に当接する一
方、シール用リブ６ａの端部がパッキン部９に形成され
たヒレ９ａのシール面９ｂを押圧するので、ヒレ９ａの
弾性により、互いに密着し、シール効果を果たしてい
る。

【００１７】なお、本体下部ケース１の外部側壁と内部
側壁及び本体バンパー７により形成される通路は、電動
送風機から排出される高温な排気を集塵部４に還流させ
て、塵に混じって集められたダニ等を殺傷するための排
気循環通路として用いられている。

【００１８】以上の構成において、電気掃除機を駆動す
ると、電動送風機が回転して集塵部４内の空気を吸引す
るので、集塵部４内の真空度が上昇する。これに伴っ
て、ホースの先にあるブラシから空気とともに塵が吸い
込まれ、本体前部にある吸込口２を介して集塵部４内に
セットされた集塵袋に溜る。このとき、集塵部４内の真
空度の上昇に応じて、図３に示すように、ダストボック
ス６の側壁及びシール用リブ６ａに大気圧による押圧力
Ｆが加わり、それらを内側に位置ずれさせようとする。
しかしながら、本実施例においては、シール用リブ６ａ
の内側全周にわたって突出する突起９ｄが形成されてい
るので、シール用リブ６ａの端部の内側が突起９ｄの側
面に当接した状態となり、ヒレ９ａのシール面９ｂから
外れてしまうことはない。しかも、突起９ｄとの接触面
がシール面となるので、従来よりもシール面積が大きく
なり、シール効果もその分向上する。なお、ダストボッ
クス６の側壁は多少内側に位置ずれするが、この部分は
真空度が要求されないので、問題は生じない。

【００１９】さらに、本実施例では、ヒレ９ａを突起９
ｄの途中から伸ばすと共に、ヒレ９ａと突起９ｄのなす
角度を鋭角とすることにより、図４に示すような作用が
可能となる。すなわち、吸い込む塵の量が増大したり、
ブラシが床面に密着したり、あるいは電動送風機をパワ
ーアップした場合に、集塵部４内の真空度がさらに上昇
すると、ダストボックス６の側壁及びシール用リブ６ａ
にさらに強い押圧力Ｆが加わる。これにより、図４に示
すように突起９ｄがその付け根のところで内側に屈曲す
るため、ヒレ９ａも突起９ｄと同じ角度だけ曲がり、シ
ール用リブ６ａとの密着性は失われない。

【００２０】ところで、ダストボックス６と本体下部ケ
ース１では、通常、上述したようにダストボックス６側
が大きく変形するが、逆に、本体下部ケース１側が大気
圧によって押された場合、図５に示すように、相対的に
ダストボックス６側が外側にずれることになる。その場
合でも、ヒレ９ａと突起９ｄは同じ角度だけ外側に屈曲
し、密着性は失われない。

【００２１】以上のように、本実施例によれば、本体バ
ンパー７のパッキン部９に突起９ｄを設け、その突起９
ｄの途中からヒレ９ａを鋭角に伸ばすことにより、シー
ル効果を格段に向上することができる。その結果、電動
送風機のパワーを上げても、ダストボックス６の肉圧を
増やすこともなく、補強リブの数も少ない構成で、集塵
部４の真空度を高め、吸込性能を向上することができ
る。

【００２２】なお、図６に示すように、ヒレ９ａを突起
９ｄの途中から伸ばさないようにすると、ダストボック
ス６のシール用リブ６ａの端部とヒレ９ａのシール面９
ｂ間に隙間ができる可能性があり、上記実施例に比べて
密着性は低下する。しかし、突起９ｄとの圧接によるシ
ール面は確保されるので、本願の所期の目的は達成する
ことができる。

【００２３】また、上記実施例では、ヒレ９ａによりシ
ール面９ｂを形成したものについて説明したが、本発明
はヒレ９ａに限定されず、同様なシール面を形成するも
のであればよく、上記実施例と同様な効果が得られる。

【００２４】また、上記実施例では、ダニ殺傷用の排気
循環通路等を形成するため、本体下部ケース１とダスト
ボックス６との合わせ面が二重構造のものについて示し
たが、一重のものでも本発明は適用可能である。

【００２５】

【発明の効果】以上のように、請求項１に記載の発明に
よれば、集塵蓋の閉成時に当該集塵蓋の端部が当接する
シール面を有するパッキンと一体に形成されて、前記集
塵蓋の端部の内側全周にわたって突出する突起を設けた
ので、電動送風機の吸引によって、集塵部内の真空度が
上がり、シール面に当接する集塵蓋の端部が内側に引き
込まれようとしても、その内側には突起があるため、シ
ール面から外れることはない。また、集塵蓋の端部内側
が突起の側面に当接して、シール面を形成するので、全
体としてのシール面積が大きくなる。従って、集塵部の
空気漏れが著しく低減し、集塵部の真空度を高め、吸込
性能を向上できる効果がある。

【００２６】また、請求項２記載の発明によれば、前記
シール面を、前記突起の途中から当該突起となす角が鋭
角となるように形成したので、集塵部内の真空度がさら
に上がって集塵蓋の端部がさらに内側に引き込まれ、そ
の内側に設けられた突起が付け根のところで内側に屈曲
しても、突起の途中から鋭角をなして形成されたシール
面もこれに追随するので、集塵蓋の端部とシール面の密
着性は失われない。従って、電動送風機のパワーをあげ
ても、集塵蓋（ダストボックス）の肉厚を増すことな
く、補強リブの数も少ない構成で、集塵部の真空度を高
め、吸込性能を向上できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る電気掃除機の集塵部を
後部側から見た要部断面図。

【図２】上記図１のＡ部おける本体バンパーの拡大図。

【図３】上記実施例の作用を示す図。

【図４】同じく上記実施例の作用を示す図。

【図５】同じく上記実施例の作用を示す図。

【図６】本発明の他の実施例の要部構成とその作用を示
す図。

【図７】従来の電気掃除機本体を示す斜視図。

【図８】従来例における本体バンパー部分を示す断面
図。

【図９】従来例の作用を示す図。

【符号の説明】

１ 本体下部ケース ２ 吸込口 ３ 開口 ４ 集塵部 ６ ダストボックス ７ 本体バンパー ８ バンパー部 ９ パッキン部 ９ａ ヒレ ９ｂ シール面 ９ｃ 溝 ９ｄ 突起

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 吸込口に連通し、電動送風機により吸引
   されるとともに、この吸引によって集められた塵を取出
   すための開口が設けられた集塵部と、 この集塵部の塵取出し用開口を開閉自在に覆う集塵蓋
   と、 前記集塵部の開口縁部に配設され、前記集塵蓋の閉成時
   に当該集塵蓋の端部が当接するシール面を有するパッキ
   ンとを備えた電気掃除機において、 前記パッキンと一体に形成されて、前記集塵蓋の端部の
   内側全周にわたって突出する突起を設けたことを特徴と
   する電気掃除機。
2. 【請求項２】 前記シール面は、前記突起の途中から当
   該突起となす角が鋭角となるように形成されることを特
   徴とする請求項１記載の電気掃除機。