JPH08196300A - 固結が防止された粉末キシリトール、その製造方法および粉末キシリトールの固結防止法 - Google Patents

固結が防止された粉末キシリトール、その製造方法および粉末キシリトールの固結防止法

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 食品本来の味や舌触りに悪影響を与えること
なく、蔗糖代替甘味料として求められている機能を保持
しつつ粉末キシリトールの固結を防止する。 【構成】 粉末還元イソマルチュロースおよび/または
粉末還元麦芽糖が混合されて固結が防止された、粉末キ
シリトール。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固結が防止された粉末
キシリトール、その製造方法および粉末キシリトールの
固結防止法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】食生
活は健康の保持・増進に大きな影響を持ち、この食生活
を健全に営むためには歯を健康に維持することが大切で
ある。砂糖が虫歯の生成に密接な関係を有することが明
らかにされて以来、砂糖代替甘味料として糖アルコール
が、シュガーレス、シュガーフリーまたはノンシュガー
などと表示された、歯の保健を意識した食品、例えばチ
ューインガム、チョコレート、錠菓などに大量に使用さ
れている。
【0003】糖アルコールの1つにキシリトールがあ
る。キシリトールは1分子中に5個の炭素原子を有する
単糖の糖アルコールであって、高純度の結晶、結晶性粉
末または95%以上の純度をもつ造粒品が諸外国では食
品に利用されており、わが国においても食品への利用が
検討されている。キシリトールは、自然界では、果実、
野菜、キノコおよび微生物中に分布しており、これらの
ものから分離して得ることができるが、通常は、キシラ
ンに富む綿実、麦藁、コーンコブ、樺などを原料として
キシランを得、それを加水分解してキシロースとし、次
いでこのキシロースを水素添加して粗製のキシリトール
とし、そしてこれを精製・結晶化することによって生産
される。
【0004】キシリトールは、蔗糖と同等の甘味度を持
ち、水に対する溶解度も蔗糖と大差ないが、溶解時に吸
熱反応を起こすために温度が大きく低下するので、その
溶解には蔗糖よりも時間を要する。これの味質は、吸熱
反応により周囲から熱が奪われる結果、口中では冷涼感
を示し、食した際に独特の感覚を与える。またキシリト
ールは蔗糖よりも吸湿性が高い。さらにキシリトールは
一般に微生物で資化されないので、口腔内でも虫歯の原
因菌であるS.mutans菌などの連鎖球菌に資化さ
れない。したがってキシリトールを食しても酸は生成さ
れず、また歯垢も生成することがなく、う蝕の原因とな
らない。このようなキシリトールの特徴を利用して、う
蝕を避けるチューインガム、キャンディなどが開発され
つつあるが、このような食品にキシリトールを使用する
には、このキシリトールを一般に粉末の状態として利用
するが、キシリトールを粉末化すると、非常に固結し易
くなって取扱いが難しくなるという問題が生じる。粉末
キシリトールが固結し易いのは、それの吸・脱水性およ
び粉末粒子表面の状態(表面の滑らかさ、結晶構造な
ど)が複雑に絡み合っているためと考えられている。
【0005】従来、粉糖の固結防止方法としては、蔗糖
粉糖についてはリン酸三カルシウムなどの特定の無機塩
を添加して粉糖粒子間の架橋を防止する方法、あるいは
コーンスターチなどの澱粉を添加して、架橋防止および
自由水分のコンディショニングを行なう方法が一般的に
知られている。しかしながら、これらの方法により固結
防止された蔗糖粉糖を食品に添加すると、これらの添加
物によって食品本来の味や食感、例えば舌触り、物性な
どが悪くなるという問題がある。
【0006】これら従来の方法の改良方法として、蔗糖
粉糖や粉末グルコースにマルトースを添加する「糖の固
結防止方法」が特開昭54−35224号公報に開示さ
れている。この改良方法によれば、従来のリン酸三カル
シウム、コーンスターチなどを添加する方法と比較して
食品本来の味や食感は改善されるが、コーンスターチと
同等の固結防止効果を得るためには、マルトースを比較
的大量に添加しなければならず、またマルトースの還元
基によって褐変反応などの好ましない反応が付加される
ために、マルトースが添加されている蔗糖粉糖や粉末グ
ルコースは製菓原料としての汎用性に欠けるという問題
がある。
【0007】さらにこれらの問題を改善した方法とし
て、蔗糖粉糖に固形還元イソマルチュロースおよび/ま
たは固形還元麦芽糖を添加する「蔗糖粉糖の固結防止
法」が特公平5−28120号公報に開示されている。
しかし、この特許文献は、専ら蔗糖粉糖に関するもので
あって、蔗糖粉糖とは全く異なる化学的構造および性質
を有する粉末糖アルコール、特に粉末キシリトールの固
結防止については何ら言及していない。
【0008】糖アルコールに添加される固結防止剤は、
シュガーレス、シュガーフリーまたはノンシュガーなど
の表示に応えて、食品本来の味や食感に悪影響を及ぼす
ことなく蔗糖代替甘味料として求められている機能も併
せ持つことが必要である。
【0009】しかしながら、上記のような好都合な特性
を有する適当な固結防止剤が従来見つかっていなかった
ので、各食品メーカー、特に製菓業界では、粉末糖アル
コールの固結によるトラブルを菓子製造工程で起こしな
がらも、固結防止剤を使用しないで粉末糖アルコールを
使用しているのが現状である。
【0010】本発明者らは、従来技術のこのような欠点
を克服するために鋭意研究を重ねた結果、蔗糖粉糖とは
全く性質の異なる粉末キシリトールについても、固形還
元イソマルチュロースおよび/また固形末還元麦芽糖を
添加することによって、極めて効果的、経済的に粉末キ
シリトールの固結が防止されるばかりでなく、食品本来
の味や食感、特に舌触り、蔗糖代替甘味料として求めら
れている機能が損なわれず、しかも味質の改善効果、具
体的にはキシリトールの「甘味の出現と消失」が早いた
めに感じられる「甘味のボディ感の不足」という好まし
くない味質の改善効果が得られ、さらにキシリトールに
特有な癖のある甘味質も改善されて美味しい甘味質が生
ずることを見出して、本発明を完成するに至った。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、食
品本来の味や舌触りに悪影響を与えることなく、蔗糖代
替甘味料として求められている機能を保持しつつ粉末キ
シリトールの固結を防止することを目的とし、 1.粉末還元イソマルチュロースおよび/または粉末還
元麦芽糖が混合されている、粉末キシリトール、 2.結晶キシリトールに顆粒状還元イソマルチュロース
および/または顆粒状還元麦芽糖を混合し、ついでその
混合物を粉砕することを特徴とする、固結が防止された
粉末キシリトールの製造方法、および 3.粉末キシリトールに、固形還元イソマルチュロース
および/または固形還元麦芽糖を添加することを特徴と
する、粉末キシリトールの固結防止法 を提供するものである。
【0012】本発明で使用される還元イソマルチュロー
ス(別名:イソマルト、パラチニット)は、イソマルチ
ュロース(別名:パラチノース)を還元して得られる、
1分子中に12個の炭素原子を有する2糖類タイプの糖
アルコールである。還元イソマルチュロースは、α−D
−グルコピラノシル−1,6−D−マンニトール(GP
M)と、α−D−グルコピラノシル−1,6−D−ソル
ビトール(GPS)との、高純度の2種類の異性体のほ
ぼ等モル混合物であって、例えば、白色無臭の顆粒また
は粉末(固形分当たりの純度98%以上)として、三井
製糖(株)よりパラチニットの商品名で販売されてい
る。還元麦芽糖(別名:マルチトール)は、麦芽糖(マ
ルトース)を還元して得られる、1分子中に12個の炭
素原子を有する2糖類タイプの糖アルコールであって、
例えば、顆粒または粉末(固形分当たりの純度88%以
上)として、商品名アマルティ(東和化成工業
(株))、マービー(林原商事(株))などの商品名で
販売されている。粉末還元イソマルチュロースと粉末還
元麦芽糖の粉末キシリトールに対する固結防止効果はほ
ぼ同程度であって、その間にはほとんど差が認められな
い。
【0013】本発明に関わる粉末キシリトールは、特に
粒度によってその範囲が規定されているものではない。
一般にはグラニュー糖などの蔗糖に比べて粒子の非常に
細かい蔗糖を包括的に「粉糖」と指称しているが、本発
明でいう「粉末」もこれと同意語である。すなわち、本
発明に関わる粉末キシリトールは、キシリトール(結
晶、溶融固化物)を微粉砕機にかけて粉末化したもの、
または造粒などの方法で製造した非常に細かい粒子のも
のを意味し、それの粉砕法、造粒法は特に限定されな
い。
【0014】本発明で粉末キシリトールに混合される粉
末還元イソマルチュロースおよび/または粉末還元麦芽
糖の粒径は特に制限されないが、固結防止の対象となる
キシリトールの粒径と同程度の粒径のものを用いるのが
好ましい。例えばキシリトールの90%以上の粒子がJ
IS250ミクロン篩を通過する程度のものである場合
には、還元イソマルチュロースおよび/または還元麦芽
糖も90%以上の粒子がJIS250ミクロン篩を通過
するものであるのが望ましい。粉末キシリトールと、そ
れと同程度の粒径の粉末還元イソマルチュロースおよび
/または粉末還元麦芽糖との混合物は、粉末キシリトー
ルを、それと同程度の粒径の粉末還元イソマルチュロー
スおよび/または粉末還元麦芽糖と単に混合することに
より得ることができるが、結晶または顆粒状キシリトー
ルを、顆粒状還元イソマルチュロースおよび/または還
元麦芽糖と混合した後、得られる混合物を微粉砕機にか
けて所望の粒径になるまで粉砕することによっても得ら
れる。
【0015】粉末キシリトールに対する粉末還元イソマ
ルチュロースおよび/または粉末還元麦芽糖の混合量
は、一般に、粉末キシリトール97〜70重量部に対し
て、粉末還元イソマルチュロースおよび/または粉末還
元麦芽糖3〜30重量部の割合、好ましくは粉末キシリ
トール95〜75重量部に対して、5〜25重量部の割
合である。なぜならば、粉末還元イソマルチュロースお
よび/または粉末還元麦芽糖の混合量が3〜30重量部
の範囲にある場合には、粉末還元イソマルチュロースお
よび/または粉末還元麦芽糖の混合比率が高くなるほど
固結防止効果の向上が見られるが、それが30重量部よ
り多くなっても固結防止効果の大きな向上は認められ
ず、またこの混合量が3重量部未満では固結防止効果が
小さく、使用前の段階で固結する恐れが大きいからであ
る。粉末還元イソマルチュロースおよび/または粉末還
元麦芽糖の具体的な混合量は、粉末キシリトールを使用
する食品の特性から要望される粒子径、粉末キシリトー
ルの流通期間や粉末キシリトールが流通時に受ける荷重
条件などの種々の条件を総合的に考慮して決められる。
例えば、チョコレートのように工程にリファイナーを有
するような製品では、製造に、比較的粒子径の大きい粉
末品を使用するため、粉末還元イソマルチュロースおよ
び/または粉末還元麦芽糖の混合量は、粉末キシリトー
ル97〜70重量部に対して3〜30重量部の割合、好
ましくは粉末キシリトール95〜85重量部に対して5
〜15重量部の割合である。チューインガムや錠菓のよ
うに粉末品の粒径が直接食感に影響を与えるような製品
では、製造に、非常に固結を起こしやすい粒径の小さな
粉末品を使用することが要求されるために、粉末還元イ
ソマルチュロースおよび/または粉末還元麦芽糖の混合
量は、粉末キシリトール97〜70重量部に対して3〜
30重量部の割合、好ましくは粉末キシリトール95〜
75重量部に対して5〜25重量部の割合である。
【0016】
【実施例】以下、実施例を参照して本発明を説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されない。
【0017】実施例1 結晶キシリトール(ザイロフィン(株)Cタイプ)10
0、97、95、90、80、70、60および50重
量部のそれぞれに対して、顆粒状還元イソマルチュロー
ス(三井製糖(株)PNタイプ)を、0(全く添加しな
いことを意味する)、3、5、10、20、30、40
および50重量部の割合で添加し、混合機で十分に混合
した。
【0018】次に、不二パウダル製(株)サンプルミル
KIIW−1型(ハンマークリアランス0.05m
m、下網0.6mm)で上記混合物をそれぞれ粉砕し、
いずれも平均粒径約30ミクロンの粉砕品を得た。
【0019】このようにして、0、3、5、10、2
0、30、40および50%の8水準の還元イソマルチ
ュロースを含む、キシリトールと還元イソマルチュロー
スとの混合粉砕品を得た。
【0020】顆粒状還元麦芽糖(東和化成工業(株)ア
マルティMR)、顆粒状マルトース(林原商事(株)フ
ァイントース−R)についても同様にして、それぞれ8
水準のキシリトールとの混合粉砕品(平均粒径約30ミ
クロン)を得た。
【0021】得られた粉砕品は、各々可及的速やかに1
kgずつ厚さ60ミクロンのポリ袋(200×300m
m)6袋に詰めて脱気した後に開口部を熱シールした。
得られた全サンプル144袋(=固結防止剤3種類×添
加量8水準×6袋)を72袋ずつに2分し、それらのう
ちの一方は荷重グループ、他方は無荷重グループとし
た。
【0022】無荷重グループの72袋は厚さ1cmの木
板上に3袋重ねて並べ、それらを板ごと木製パレット上
に置いた。荷重グループの72袋は、3袋重ねに並べて
その上に厚さ1cmの木板を載せて、この木板の上から
31.7kgの荷重を加えて2週間常温蔵置した(この
時の荷重31.7kgは、25kg詰め砂糖大袋の10
段積みの荷重に相当する)。
【0023】蔵置条件は、最高温度25±1℃、最低温
度15±1℃、相対湿度60〜85%であった。2週間
蔵置した後、3袋(3段)重ねの中間のポリ袋を木板上
に移し、鋭利なナイフでポリ袋の側面を切って、ポリ袋
の上面を取り去り、粉末糖アルコールの表面の特定の5
か所に、断面積1.33cm2 のポリエチレン製円柱を
置いて、その円柱を粉末糖アルコールに1cmめり込ま
せるため円柱に加えられた荷重をそれぞれ測定した。
【0024】その荷重平均値(g)を固結強度とし、そ
の結果を図1に示す。図1中、縦軸に示されている固結
強度は小さいほど望ましい。図1から、荷重グループ
(実線)の還元イソマルチュロース添加サンプル(○
印)と還元麦芽糖添加サンプル(□印)はほとんど同一
線上にあり、マルトース添加サンプル(×印)に比べて
固結が明らかに少ないことがわかる。無荷重グループ
(点線)についても、荷重グループと同様の結果が得ら
れていることがわかる。
【0025】また、図1から、平均粒径30ミクロンの
粉末キシリトールに対する粉末還元イソマルチュロース
および/または粉末還元麦芽糖の混合量は、粉末キシリ
トール97〜70重量部に対して、粉末還元イソマルチ
ュロースおよび/または粉末還元麦芽糖を3〜30重量
部、特に15〜25重量部とした割合が好ましいことが
わかる。
【0026】実施例2 結晶キシリトール(ザイロフィン(株)Cタイプ)10
0、97、95、90、80および70重量部のそれぞ
れに対して、顆粒状還元イソマルチュロース(三井製糖
(株)PNタイプ)を、0、3、5、10、20および
30重量部の割合で添加し、混合機で十分に混合した。
【0027】次に不二パウダル製サンプルミル KII
W−1型(ハンマークリアランス1.0mm、下網3.
0mm)で上記混合物を粉砕混合し、平均粒径約120
ミクロンの粉砕品を得た。
【0028】このようにして、0、3、5、10、20
および30%の6水準の還元イソマルチュロースを含
む、キシリトールと還元イソマルチュロースとの混合粉
砕品を得た。
【0029】顆粒状還元麦芽糖(東和化成工業(株)ア
マルティMR)についても同様にして、それぞれ6水準
のキシリトールとの混合粉砕品(平均粒径約120ミク
ロン)を得た。
【0030】得られた粉砕品は、各々可及的速やかに1
kgずつ厚さ60ミクロンのポリ袋(200×300m
m)6袋に詰めて脱気した後に開口部を熱シールした。
得られたサンプル72袋(=固結防止剤2種類×添加量
6水準×6袋)を36袋ずづに2分し、そのうちの一方
は荷重グループ、他方は無荷重グループとし、実施例1
に準じて保存試験を行なった(荷重グループには、1
5.9kgの荷重を与えた)。
【0031】以上の結果を、実施例1の対応する結果と
合わせて表1および表2に示す。 表1 粉末キシリトールに対する還元イソマルチュロース(固結防止剤)の添加量と保 存された粉末キシリトールの固結強度との関係 表2 粉末キシリトールに対する還元麦芽糖(固結防止剤)の添加量と保存された粉末 キシリトールの固結強度との関係 表1および表2から、荷重の有無に拘わらず、平均粒径
の小さなものほど強く固結する傾向が認められ、粉末キ
シリトールが強く固結する場合ほど、固結を防止するた
めに必要な粉末還元イソマルチュロースまたは粉末還元
麦芽糖の添加量も、多くする必要があることがわかる。
【0032】また、表1および表2から、平均粒径12
0ミクロンの粉末キシリトールに対する、粉末還元イソ
マルチュロースおよび/または粉末還元麦芽糖の混合量
は、粉末キシリトール97〜70重量部に対して、粉末
還元イソマルチュロースおよび/または粉末還元麦芽糖
を3〜30重量部、特に5〜10重量部とした割合が好
ましいことがわかる。
【0033】実施例3 粉末キシリトール90重量部に対して、粉末還元イソマ
ルチュロース、粉末還元麦芽糖、コーンスターチ、粉末
マルトース、β−サイクロデキストリンまたは粉末ソル
ビトールをそれぞれ10重量部添加し、実施例1に準じ
た方法で固結の比較実験を行なった。その結果を表3に
示す。
【0034】 表3 種々の固結防止剤を使用した場合における粉末キシリトールの固結状況 ○ 固結せず、またはわずかに固結 △ やや固結 × 強く固結 また、何も混合されていない粉末キシリトールを標準と
して、粉末キシリトール95重量部に対して上記固結防
止剤各5重量部が混合されている粉末キシリトール99
重量部に対し、ステアリン酸カルシウム1重量部を混合
後、打錠して得られた錠菓の味および舌触り、さらに甘
味のボディ感について官能検査を行なった。その結果を
表4に示す。
【0035】 表4 ○ 良好な評価が得られたもの △ 余り良い評価が得られなかったもの 表3から、粉末還元イソマルチュロース、粉末還元麦芽
糖およびコーンスターチの固結防止効果は良好であっ
て、それらの間でほとんど差がないことがわかるが、表
4の結果から、錠菓の味や舌触りを損なわないで、さら
に粉末キシリトールによる甘味のボディ感の不足を改善
する点で還元イソマルチュロースと還元麦芽糖は他の固
結防止剤よりも優れていることがわかる。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、粉末キシリトールに、
粉末還元イソマルチュロースおよび/または粉末還元麦
芽糖を混合することによって、食品本来の味や舌触りに
悪影響を与えることなく、粉末キシリトールの固結を防
止することができて、粉末キシリトールの保管、流通、
さらには使用時の作業が容易になる。また、粉末還元イ
ソマルチュロースおよび/または粉末還元麦芽糖は蔗糖
に似た甘味を有する糖アルコールであり、物性面でも他
の糖アルコールと同様に化学的に安定であるから、物性
上も食品表示上も問題がない。さらに、粉末還元イソマ
ルチュロースおよび/または粉末還元麦芽糖は粉末キシ
リトールの甘味のボディ感の不足を改善でき、また癖の
ある粉末キシリトールの甘味質を改善して、これをより
蔗糖に近い甘味質にすることから、菓子類の味質を向上
させる効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 粉末キシリトールに対する各種固結防止剤の
添加量と保存された粉末キシリトールの固結強度(g)
との関係を示すグラフである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉末還元イソマルチュロースおよび/ま
    たは粉末還元麦芽糖が混合されて固結が防止された、粉
    末キシリトール。
  2. 【請求項2】 粉末キシリトール97〜70重量部に対
    して、3〜30重量部の粉末還元イソマルチュロースお
    よび/または粉末還元麦芽糖が混合されている、請求項
    1記載の粉末キシリトール。
  3. 【請求項3】 結晶キシリトールに顆粒状還元イソマル
    チュロースおよび/または顆粒状還元麦芽糖を混合し、
    ついでその混合物を粉砕することを特徴とする、固結が
    防止された粉末キシリトールの製造方法。
  4. 【請求項4】 結晶キシリトール97〜70重量部に対
    して、3〜30重量部の顆粒状還元イソマルシュロース
    および/または顆粒状還元麦芽糖を混合する、請求項3
    記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 粉末キシリトールに、固形還元イソマル
    チュロースおよび/または固形還元麦芽糖を添加するこ
    とを特徴とする、粉末キシリトールの固結防止法。
  6. 【請求項6】 粉末キシリトールに97〜70重量部に
    対して、固形還元イソマルチュロースおよび/または固
    形還元麦芽糖を3〜30重量部の割合で添加する、請求
    項5記載の固結防止法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114158737A (zh) * 2021-12-17 2022-03-11 浙江华康药业股份有限公司 一种防止木糖醇与天门冬氨酸钙混合物结块的方法

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CN114158737A (zh) * 2021-12-17 2022-03-11 浙江华康药业股份有限公司 一种防止木糖醇与天门冬氨酸钙混合物结块的方法

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