JPH08196287A - 微生物を用いた3−ヒドロキシ−1−フェニルチオ−1−ブテンの製造方法 - Google Patents

微生物を用いた3−ヒドロキシ−1−フェニルチオ−1−ブテンの製造方法

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JPH08196287A
JPH08196287A JP987295A JP987295A JPH08196287A JP H08196287 A JPH08196287 A JP H08196287A JP 987295 A JP987295 A JP 987295A JP 987295 A JP987295 A JP 987295A JP H08196287 A JPH08196287 A JP H08196287A
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butene
phenylthio
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JP987295A
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Kunihiko Yamashita
邦彦 山下
Naoki Kawada
直紀 河田
Takeshi Hamaya
武 浜谷
Yoichiro Ueda
陽一郎 上田
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 3-オキソ-1- フェニルチオ-1- ブテンに3-オ
キソ-1- フェニルチオ-1- ブテンを還元する能力のある
微生物、あるいはその処理物を作用させ、生成した3-ヒ
ドロキシ-1- フェニルチオ-1- ブテンを回収する。 【効果】 本発明によって、微生物の作用により、3-ヒ
ドロキシ-1- フェニルチオ-1- ブテン、さらには光学活
性な3-ヒドロキシ-1- フェニルチオ-1- ブテンを効率よ
く生産することが可能となった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、3-オキソ-1- フェニル
チオ-1- ブテンを微生物を用いて還元し、3-ヒドロキシ
-1- フェニルチオ-1- ブテン、さらには光学活性な3-ヒ
ドロキシ-1-フェニルチオ-1- ブテンを製造する方法に
関する。本発明により製造される3-ヒドロキシ-1- フェ
ニルチオ-1- ブテンは、特に限定されるわけではない
が、例えばアセチジノン化合物(特開昭61-207373 号公
報参照)の製造原料等として利用される。
【0002】
【従来の技術】光学活性な 3- ヒドロキシ-1- フェニル
チオ-1- ブテンを取得する方法としてはリパーゼを用い
た選択的加水分解反応を利用する方法が知られている
(特開平4-228093号公報参照)。この方法には、理論的
な最高収率が50% であること、リパーゼの価格が高価で
ある等の問題があり、工業的スケールでの実施に関して
は必ずしも好適なものとはいえない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、3-ヒ
ドロキシ-1- フェニルチオ-1- ブテン、さらには光学活
性な3-ヒドロキシ-1- フェニルチオ-1- ブテンを簡便か
つ効率的に製造する方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究し
た結果、3-オキソ-1- フェニルチオ-1- ブテンに該化合
物を還元する能力を有する微生物またはその処理物を作
用させると、3位のカルボニル基が還元され3-ヒドロキ
シ-1- フェニルチオ-1- ブテンが得られること、更に、
適当な微生物を用いることによって、光学活性な3-ヒド
ロキシ-1- フェニルチオ-1- ブテンが高収率で得られる
ことを見いだし、本発明を完成した。
【0005】本発明で使用する微生物は、3-オキソ-1-
フェニルチオ-1- ブテンを還元し、3-ヒドロキシ-1- フ
ェニルチオ-1- ブテンを生成する能力を有する微生物で
あればいずれも使用可能であるが、例えばアグロバクテ
リウム(Agrobacterium) 属、エンテロバクター(Enterob
acter)属、シトロバクター(Citrobacter) 属、イサチェ
ンキア(Issatchenkia)属、ステファノアスカス(Stephan
oascus) 属、ジオトリカム(Geotrichum)属、ハンセヌラ
(Hansenula) 属、ストレプトコッカス(Strepto coccus)
属、リュウコノストック(Leuconostoc) 属、シリングス
ポラ(Syringosp ora)属、ロデロマイセス(Lodderomyces)
属、ラクトバシルス(Lactobacillus) 属、カンジダ(Can
dida) 属、サッカロマイセス(Saccharomyces) 属、ピキ
(Pichi a)属、アンブロシオジーナ(Ambrosiozyma)属、
クラビスポーラ(Clavispora)属、エンドマイセス(Endom
yces) 属、エレマスカス(Eremascus) 属、クレブシエラ
(K lebsiella)属のいずれかに属する微生物をあげること
ができる。また、その中でも光学活性体を生産すること
が明らかな微生物としては、シリングスポラ(Syrin gosp
ora)属、ロデロマイセス(Lodderomyces)属、カンジダ(C
andida) 属、ジオトリカム(Geotrichum)属、ハンセヌラ
(Hansenula) 属、ラクトバシルス(Lactobaci llus) 属、
ストレプトコッカス(Streptococcus) 属、リュウコノス
トック(Leuco nostoc) 属のいずれかに属する微生物があ
げられる。特に、3-オキソ-1- フェニルチオ-1- ブテン
を還元し、(R)-3-ヒドロキシ-1- フェニルチオ-1- ブテ
ンを生成する能力を有する株としては、シリングスポラ
クラウセニ(Syringospora c laussenii)IFO0750 、ロ
デロマイセス エロンギスポラス(Lodderomyces elong
isporus )IFO1676 、カンジダ パラプシロシス(Candi
da parapsilosis)IFO1396 、ラクトバシルス ヒルガル
ディ(Lactobacillus hilgardii)NRIC1060 、ラクトバシ
ルス フリギダス(Lactobacillus frigidus)NRIC1079等
があげられる。また特に3-オキソ-1- フェニルチオ-1-
ブテンを還元し、(S)-3-ヒドロキシ-1- フェニルチオ-1
- ブテンを生成する能力を有する株としてはストレプト
コッカスフェカリス(Streptococcus faecalis)IFO1296
、ジオトリカム カンジダム(Geo trichum candidum)IF
O5767、ハンセヌラ ファビアニ(Hansenula fabianii)I
FO1254 、リュウコノストック デキストリニカム(Leuc
onostoc dextranicum)IFO3370等があげられる。これら
の微生物は、野生株、突然変異株、他の微生物との細胞
融合によって得られる株、または遺伝子操作などの遺伝
的手法により誘導される組換え株など、いずれの株でも
好適に用いることができる。
【0006】なお、IFO 番号の付された微生物は、財団
法人 発酵研究所発行の微生物カタログ第9 版(1992
年) に記載されており、同研究所より入手することがで
きる。NRIC番号の付された微生物は東京農業大学発行の
菌株カタログ第2 版(1992 年)に記載されており、同大
学より入手することができる。ATCC番号の付された微生
物は、「American Type Culture Collection」発行の
「Catalogue of BACTERIA& BACTERIOPHAGES, 18th Edit
ion(1992)」または「Catalogue of YEASTS, 18thEditio
n(1990) 」に記載されており、同機関より入手すること
ができる。JCM 番号の付された微生物は、財団法人 理
化学研究所微生物保存施設発行の「CATALOGUE OF STRAI
NS, Fifth Edition (1992)」に記載されており、同研究
所より入手することができる。DSM 番号の付された微生
物は、「Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und
Zellkulturen GmbH 」発行の「Catalogue of Strains(1
989)」に記載されており、同機関より入手することがで
きる。
【0007】本発明において用いる微生物を培養するた
めの培地は、その微生物が増殖しうるものであれば特に
制限はない。例えば、炭素源としては、上記微生物が利
用可能であればいずれも使用でき、具体的には、グルコ
ース、フルクトース、シュクロース、デキストリンなど
の糖類、ソルビトール、グリセロールなどのアルコール
類、フマール酸、クエン酸、酢酸、プロピオン酸などの
有機酸類及びその塩類、パラフィンなどの炭化水素類な
どあるいはこれらの混合物を使用することができる。ま
た窒素源としては例えば、塩化アンモニウム、硫酸アン
モニウム、リン酸アンモニウムなどの無機酸のアンモニ
ウム塩、フマル酸アンモニウム、クエン酸アンモニウム
などの有機酸のアンモニウム塩、肉エキス、酵母エキ
ス、コーンスティープリカー、カゼイン加水分解物、尿
素などの無機有機含窒素化合物、あるいはこれらの混合
物を使用することができる。他に無機塩、微量金属塩、
ビタミン類など、通常の培養に用いられる栄養源を適宜
混合して用いることができる。また、必要に応じて微生
物の増殖を促進する因子、あるいは培地のpH保持に有効
な炭酸カルシウムなどの物質も添加できる。
【0008】培養方法としては、培地は通常pH3.0 から
10.0、好ましくは4.0 から8.0 、培養温度は通常20℃か
ら60℃、好ましくは25℃から45℃で、嫌気的または好気
的にその微生物の生育に適した条件下で通常5 時間から
240 時間、好ましくは12時間から96時間程度培養する。
【0009】基質である3-オキソ-1- フェニルチオ-1-
ブテンは、例えば特開昭61-207373号公報、「Aust.J.Ch
em.,41,881(1988) 」、「J.Org.Chem.,46,235(198
1)」、「J.Org.Chem.,37,2391(1972) 」、「J.Chem.So
c.Perkin Trans.I,1029(1988)」、「Synthetic Comm.,1
4(4),363(1984) 」などの文献に記載された方法により
調製することができる。
【0010】反応の際の菌体濃度はいずれの濃度でもか
まわないが、例えば菌体濁度(OD660nm) での測定で0.5
ないし200 が好適である。また反応の際の基質濃度は、
菌体濃度にもよるが通常0.01-20%(w/vol) 濃度であり、
一括あるいは間欠的に、あるいは連続して添加すればよ
い。基質を添加する形態としては、そのまま水に分散、
あるいは必要に応じて加温し溶解させてから添加、ある
いは基質を反応に影響を与えないような有機溶媒に溶解
し添加、またあるいは界面活性剤などに分散して添加す
ればよい。3-オキソ-1- フェニルチオ-1- ブテンから、
3-ヒドロキシ-1- フェニルチオ-1- ブテンを生成させる
方法としては、菌体培養液をそのまま用い、該培養液に
3-オキソ-1- フェニルチオ-1- ブテンを加える方法、遠
心分離などにより菌体を分離し、これをそのまま、ある
いは洗浄した後、緩衝液、水などに再懸濁したものに3-
オキソ-1- フェニルチオ-1- ブテンを添加し反応させる
方法の他に、超音波処理、アセトン処理、トルエン処
理、凍結乾燥処理などを施した菌体(本明細書において
「処理物」と総称する)を基質に作用させる方法があ
る。微生物の菌体またはその処理物を、カラギーナンゲ
ル、アルギン酸ゲル、ポリアクリルアミドゲル、セルロ
ース、寒天などに公知の方法で固定化して本発明を実施
することも可能であり、限外濾過膜などを用いて反応器
中で反応させることもできる。反応温度は5 ℃から60
℃、好ましくは20℃から40℃で行う。反応液のpHは通常
3 から10、好ましくはpH4 から8 で、緩衝液中あるいは
pHスタットを用いて反応を行う。反応は静置あるいは振
盪、攪拌いずれでも行うことができる。反応に用いる溶
媒は、通常水であるが、トルエン、ヘキサン、その他の
有機溶媒を加えることもできる。生成した3-ヒドロキシ
-1- フェニルチオ-1- ブテンは、限外濾過、濃縮、カラ
ムクロマトグラフィー、抽出など通常の方法を組み合わ
せることで精製、回収できる。
【0011】
【実施例】次に本発明を実施例をあげて具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものでは
ない。なお本発明における 3- ヒドロキシ-1- フェニル
チオ-1- ブテンの光学純度(エナンチオイクセス純度 %
e.e.)の測定は、HPLCにより行った[カラム:CHIRALCE
L OD-H(ダイセル化学工業株式会社製)内径4.6mm×長
さ25cm、移動相:ヘキサン:イソプロピルアルコール=
40:1、流速:1ml/分、カラム温度:40℃、検出:UV254n
m ]。また反応率を求めるための3-ヒドロキシ-1- フェ
ニルチオ-1- ブテン、3-オキソ-1- フェニルチオ-1- ブ
テンの定量は、逆相HPLCによって行った[カラム:ODS-
120T(東ソー社製)内径4.6mm ×長さ25cm、移動相:50
% アセトニトリル、流速:1ml/分、カラム温度:40℃、
検出:UV254nm ]。また、使用した培地の組成は以下の
通りである。
【0012】 [菌体調整用培地1 ] [菌体調整用培地2 ] [菌体調整用培地3 ] 滅菌蒸留水1000ml中 滅菌蒸留水1000ml中 滅菌蒸留水1000ml中 グルコース 20g グルコース 10g グルコース 10g 酵母エキス 3g 酵母エキス 5g 酵母エキス 20g 麦芽エキス 3g ペプトン 5g ペプトン 20g ポリペプトン 5g 酢酸ナトリウム 1g 酢酸ナトリウム 1g CaCO3 10g CaCO3 3g ミネラル溶液 5ml ミネラル溶液 5ml ミネラル溶液(100ml 中) MgSO4.7H2O 4g MnSO4.4H2O 0.2g FeSO4.7H2O 0.2g NaCl 0.2g また、本反応で用いた3-オキソ-1フェニルチオ-1- ブテ
ンの合成は、以下の参考例の通り行った。
【0013】[参考例]本反応で用いた3-オキソ-1- フ
ェニルチオ-1- ブテンは、特開昭61-207373 号公報の記
載を基に調製した。即ち、1-メトキシ-3- オキソ-1- ブ
テンとチオフェノールを酸触媒下反応させた。反応終了
後、常法により処理をし、得られた粗生成物をヘキサン
/ジイソプロピルエーテルの混合溶媒を用いて低温再結
晶により精製すると、本発明に用いた3-オキソ-1- フェ
ニルチオ-1- ブテンが白色の針状結晶として得られた
(融点38.5〜40℃) 。
【0014】[実施例1]菌体調整用培地1 を滅菌後、
1.5ml ずつプレート培養機(丸菱バイオエンジ株式会社
製)用プレートに分注し、表1および表2記載の菌株の
それぞれ1種を白金針を用いて植菌した。30℃で24時間
回転振盪培養を行い、続いて遠心分離で菌体を分離し生
菌体を得た。次に生菌体を2%グルコース、50mM 3- オキ
ソ-1- フェニルチオ-1- ブテン、0.1%炭酸カルシウムを
含む反応液1ml に懸濁し、プレート培養器を用いて30℃
で24時間回転振盪反応させた。反応終了後遠心分離にて
上清を分離し、HPLCにて生成した3-ヒドロキシ-1- フェ
ニルチオ-1- ブテンの濃度を測定した。結果を表1およ
び表2に示す。
【0015】
【表1】 菌株名 3-ヒドロキシ-1- フェニルチオ-1- ブテン 濃度( μM) アグロバクテリウム ラディオバクター 250 IFO1264 エンテロバクター クロアサエ 125 ATCC7256 シトロバクター フレンディー 200 AHU1534 イサチェンキア スクツラタ 30 IFO10070 ステファノアスカス シフェリー 20 IFO1854 ジオトリカム カンジダム 130 IFO4610 ジオトリカム ファーメンタンス 15 JCM2467 ハンセヌラ ポリモルファ 5 ATCC26012 ハンセヌラ ミヌータ 10 DSM70274 シリングスポラ クラウセニ 15 IFO0759 ロデロマイセス エロンギスポラス 220 IFO1676 カンジダ パラプシロシス 600 IFO0640
【表2】 菌株名 3-ヒドロキシ-1- フェニルチオ-1- ブテン 濃度( μM) カンジダ ケフィア 2 DSM70073 カンジダ クルゼイ 4 DSM70075 カンジダ ユテリス 15 IFO0639 サッカロマイセス クリベリ 2 IFO1894 ピキア オプティアエ 6 IFO10024 ピキア ヒーディー 5 IFO10019 ピキア トレハロフィア 20 DSM70391 アンブロシオジーナ シカトリコーザ 6 IFO1846 クラビスポーラ ルシタニア 49 IFO1019 エレマスカス ファーティリス 10 IFO0691 エンドマイセス デシピエンス 5 IFO0102 クレブシエラ プネモニア 0.5 IFO12059 [実施例2]菌体調整用培地1をそれぞれ50mlずつ500m
l 三角フラスコに入れ、滅菌後、シリングスポラ クラ
ウセニ(Syringospora claussenii )IFO0759 、ロデロ
マイセス エロンギスポラス(Lodderomyces elongispo
rus )IFO1676 、カンジダパラプシロシス(Candida par
apsilosis )IFO1396 、ジオトリカム カンジダム(Geo
trichum candidum)IFO5767またはハンセヌラ ファビア
(Hansenula fabia nii)IFO1254 を植菌し、30℃で24時
間回転振盪培養を行った。続いて遠心分離で菌体を分離
し生菌体を得た。次に生菌体を7ml の2%グルコース、0.
1%炭酸カルシウムに懸濁した。このうち2ml を50mlの三
角フラスコに入れ、3-オキソ-1- フェニルチオ-1- ブテ
ン40mgを加えて(最終濃度112mM )、30℃(ジオトリカ
ム カンジダム(Geotrichum candidum) 、ハンセヌラ
ファビアニ(Hansenula fabiani i)は40℃)で24時間振盪
反応させた。反応終了後遠心分離にて上清を分離し、HP
LCにて生成した3-ヒドロキシ-1- フェニルチオ-1- ブテ
ンの光学純度と濃度を測定した。結果を表3に示す。
【0016】
【表3】 3-ヒドロキシ-1- フェニルチオ-1- ブテン 菌株名 光学純度(%e.e.) 濃度(mM) シリングスポラ クラウセニ (R) 84 18 IFO0759 ロデロマイセス エロンギスポラス (R) 82 3 IFO1676 ジオトリカム カンジダム (S) 86 13 IFO5767 カンジダ パラプシロシス (R) 85 14 IFO1396 ハンセヌラ ファビアニ (S) 93 3 IFO1254 [実施例3]菌体調整用培地2を滅菌後それぞれ1.5ml
ずつプレート培養器に分注し、ラクトバシルス ヒルガ
ルディ(Lactobacillus hilgardii)NRIC1060 、ラクトバ
シルス フリギダス(Lactobacillus frigidus)NRIC107
9、リュウコノストック デキストリニカム(Leuconosto
c dextranicum)IFO3370、ストレプトコッカス フェカ
リス(Streptpcoccus faecalis)IFO1296 を植菌し、30℃
で24時間回転振盪培養を行った。続いて、遠心分離で菌
体を分離し生菌体を得た。次に生菌体を1ml の、50mMの
3- オキソ-1- フェニルチオ-1- ブテンを含む2%グルコ
ース、0.1%炭酸カルシウム溶液に懸濁し30℃で24時間振
盪反応させた。反応終了後遠心分離にて上清を分離し、
HPLCにて生成した3-ヒドロキシ-1- フェニルチオ-1- ブ
テンの光学純度と濃度を測定した。結果を表4に示す。
【0017】
【表4】 3-ヒドロキシ-1- フェニルチオ-1- ブテン 菌株名 光学純度(%e.e.) 濃度(mM) ラクトバシルス ヒルガルディ (R) 97 21 NRIC1060 ラクトバシルス フリギダス (R) 77 2 NRIC1079 リュウコノストック デキストリニカム (S) 35 13 IFO3370 ストレプトコッカス フェカリス (S) 93 3 IFO1296 [実施例4]菌体調整用培地3の1lを5lの三角フラスコ
中で滅菌し、ラクトバシルス ヒルガルディ(Lactobaci
llus hilgardii)NRIC1060 を植菌し、30℃で24時間回転
振盪培養を行った。続いて、遠心分離で菌体を分離し生
菌体を得た。次に生菌体をOD660nm の濁度が30になるよ
うに2%グルコース溶液に懸濁し、該懸濁液10mlに終濃度
0.5%(w/vol)(28mM) 、3%(169mM) 、10%(562mM)の3-オキ
ソ-1- フェニルチオ-1- ブテンを添加し、50ml三角フラ
スコ中で30℃、24時間振盪反応させた。反応終了後遠心
分離にて上清を分離し、HPLCにて生成した3-ヒドロキシ
-1- フェニルチオ-1- ブテンの光学純度と生成量を測定
した。結果を表5に示す。
【0018】
【表5】 3-ヒドロキシ-1- フェニルチオ-1- ブテン 基質濃度(%) 光学純度(%e.e.) 濃度(mM) 0.5 97 22 3.0 98 112 10.0 96 260 [実施例5]下記菌体調整用培地3の1lを5lの三角フラ
スコ中で滅菌し、ラクトバシルスヒルガルディ(Lactoba
cillus hilgardii)NRIC1060 を植菌し、30℃で24時間回
転振盪培養を行った。続いて、4 本のフラスコから回収
した4lの培養液から遠心分離で菌体を分離し生菌体を得
た。次に生菌体を220ml の2%グルコース溶液に懸濁し、
そこに6.6gの3-オキソ-1- フェニルチオ-1- ブテンを添
加し、500ml 三角フラスコ中で30℃、24時間振盪反応さ
せた。反応終了後遠心分離にて上清を分離し、1lの酢酸
エチルを用いて抽出した。抽出液を濃縮後クロマトグラ
フィーを行い、光学活性な(R)3- ヒドロキシ-1- フェニ
ルチオ-1- ブテン4.94g を得た。得られた(R)-3-ヒドロ
キシ-1- フェニルチオ-1- ブテンの光学純度は、(R)96.
7%e.e.であり、NMR 分析の結果は以下に示す通りであっ
た。
【0019】1H-NMR(CDCl3-TMS) δ7.38-7.22(m,5H),6.
42(dd ,J=15,1Hz,1H),5.89(dd, J=15,6 Hz,1H),4.43-
4.37(m,1H),1.54(d,J=4Hz,1H),1.31(d,J=6Hz,3H).
【0020】
【発明の効果】本発明によって、微生物の作用により、
3-ヒドロキシ-1- フェニルチオ-1- ブテン、さらには光
学活性な3-ヒドロキシ-1- フェニルチオ-1- ブテンを効
率よく生産することが可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:22) (C12P 7/22 C12R 1:225) (C12P 7/22 C12R 1:46) (C12P 7/22 C12R 1:645) (C12P 7/22 C12R 1:72) (C12P 7/22 C12R 1:78) (C12P 7/22 C12R 1:84) (C12P 7/22 C12R 1:85)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3-オキソ-1- フェニルチオ-1- ブテンに
    3-オキソ-1- フェニルチオ-1- ブテンを還元する能力を
    有する微生物またはその処理物を作用させ、3-ヒドロキ
    シ-1- フェニルチオ-1- ブテンを回収することを特徴と
    する、3-ヒドロキシ-1- フェニルチオ-1- ブテンの製造
    方法。
  2. 【請求項2】 3-オキソ-1- フェニルチオ-1- ブテンを
    還元する能力のある微生物が、アグロバクテリウム (Ag
    robacterium)属、エンテロバクター(Enterob acter)属、
    シトロバクター(Citrobacter) 属、イサチェンキア(Iss
    atchenkia)属、ステファノアスカス(Stephanoascus)
    属、ジオトリカム(Geotrichum)属、ハンセヌラ(Hansenu
    la) 属、ストレプトコッカス(Streptococcus) 属、リュ
    ウコノストック(Leuconostoc) 属、シリングスポラ(Syr
    ingospora)属、ロデロマイセス(L odderomyces)属、ラク
    トバシルス(Lactobacillus) 属、カンジダ(Candida)
    属、サッカロマイセス(Saccharomyces) 属、ピキア(Pic
    hia)属、アンブロシオジーナ(Ambrosiozyma)属、クラビ
    スポーラ(Clavispora)属、エンドマイセス(Endomyces)
    属、エレマスカス(Eremascus) 属、クレブシエラ(Klebs
    iella)属のいずれかに属する微生物またはその処理物で
    あることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 アグロバクテリウム(Agrobacterium) 属
    に属する微生物がアグロバクテリウム ラディオバクタ
    (Agrobacterium radiobacter) 、エンテロバクター(E
    nterobacter)属に属する微生物がエンテロバクター ク
    ロアサエ(Ent erobacter cloacae)、シトロバクター(Cit
    robacter) 属に属する微生物がシトロバクター フレン
    ディー(Citrobacter freundii)、イサチェンキア(Issat
    chenki a) 属に属する微生物がイサチェンキア スクツ
    ラタ(Issatchenkia scutulata)、ステファノアスカス(S
    tephanoascus) 属に属する微生物がステファノアスカス
    シフェリー(Stephanoascus ciferrii)、ジオトリカム(G
    eotrichum)属に属する微生物がジオトリカム カンジダ
    (Geotrichum candidum) 、ジオトリカム クレバニー
    (Geotrichum klebahnii)、ジオトリカム ファーメンタ
    ンス(Geotrichu m fermentans) またはジオトリカム カ
    ピタタム(Geotrichum capitatum)、ハンセヌラ(Hansenu
    la) 属に属する微生物がハンセヌラ ファビアニ(Hanse
    nula f abianii)、ハンセヌラ ポリモルファ(Hansenu
    la polymorpha)、ハンセヌラ ミヌータ(Hansenula min
    uta)、ストレプトコッカス(Streptococcus) 属に属する
    微生物がストレプトコッカス フェカリス(Streptococc
    us faecalis)、リュウコノストック(Leuconostoc) 属に
    属する微生物がリュウコノストック デキストリニカム
    (Leuconostoc dextranicum) 、シリングスポラ(Syringo
    spora)属に属する微生物がシリングスポラ クラウセニ
    (Syringospora claussenii) 、ロデロマイセス(Loddero
    myces)属に属する微生物がロデロマイセスエロンギスポ
    ラス(Loddero myces elongisporus) 、カンジダ(Candid
    a) 属に属する微生物がカンジダ パラプシロシス(Cand
    ida parapsilosis)、カンジダ ユテリス(Candida util
    is)、カンジダ ケフィア(Candida kefyr) またはカン
    ジダ クルゼイ(Candida krusei)、ラクトバシルス(Lac
    tobacillus) 属に属する微生物がラクトバシルス ヒル
    ガルディ(Lactobacillus hilgardii) またはラクトバシ
    ルス フリギダス(Lactoba cillus frigidus)、サッカロ
    マイセス(Saccharomyces) 属に属する微生物がサッカロ
    マイセス クリベリ(Saccharomyces kluyveri)、ピキア
    (Pichia)属に属する微生物がピキア オプティアエ(Pic
    hia opuntiae) 、ピキア ヒーディー(Pichi a heedii)
    またはピキア トレハロフィア(Pichia trehalophila)
    、アンブロシオジーナ(Ambrosiozyma)属に属する微生
    物がアンブロシオジーナ シカトリコーザ(Ambrosiozym
    a cicatricosa)、クラビスポーラ(Clavispora)属に属す
    る微生物がクラビスポーラ ルシタニア(Clavispora lu
    sitanial) 、エレマスカス(Erema scus) 属に属する微生
    物がエレマスカス ファーティリス(Eremascus fertili
    s)、エンドマイセス(Endomyces) 属に属する微生物がエ
    ンドマイセス デシピエンス(Endomyces decipiens) 、
    クレブシエラ(Klebsiella)属に属する微生物がクレブス
    テラ プネモニア(Klebstella pneumoniae) であること
    を特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 3-オキソ-1- フェニルチオ-1- ブテンに
    3-オキソ-1- フェニルチオ-1- ブテンを還元する能力の
    ある微生物またはその処理物を作用させ、生成した光学
    活性な3-ヒドロキシ-1- フェニルチオ-1- ブテンを回収
    することを特徴とする光学活性な3-ヒドロキシ-1- フェ
    ニルチオ-1- ブテンの製造方法。
  5. 【請求項5】 3-オキソ-1- フェニルチオ-1- ブテンを
    還元する能力のある微生物が、シリングスポラ(Syringo
    spora)属、ロデロマイセス(Lodderomyces)属、カンジダ
    (Candida) 属、ラクトバシルス(Lactobacillus) 属のい
    ずれかに属する微生物であり、光学活性な 3- ヒドロキ
    シ-1- フェニルチオ-1- ブテンが(R)-3-ヒドロキシ-1-
    フェニルチオ-1- ブテンであることを特徴とする請求項
    4に記載の方法
  6. 【請求項6】 シリングスポラ(Syringospora)属に属す
    る微生物がシリングスポラ クラウセニ(Syringospora
    claussenii) 、ロデロマイセス(Lodderomyce s)属に属す
    る微生物がロデロマイセス エロンギスポラス(Loddero
    myces elongi sporus) 、カンジダ(Candida) 属に属する
    微生物がカンジダ パラプシロシス(C andida parapsilo
    sis )、ラクトバシルス(Lactobacillus) 属に属する微
    生物がラクトバシルス ヒルガルディ(Lactobacillus h
    ilgardii) またはラクトバシルス フリギダス(Lactoba
    cillus frigidus)であることを特徴とする請求項5に記
    載の方法。
  7. 【請求項7】 3-オキソ-1- フェニルチオ-1- ブテンを
    還元する能力のある微生物が、ジオトリカム(Geotrichu
    m)属、ハンセヌラ(Hansenula) 属、ストレプトコッカス
    (Streptococcus) 属、リュウコノストック(Leuconosto
    c) 属のいずれかに属する微生物またはその処理物であ
    り、光学活性な 3- ヒドロキシ-1- フェニルチオ-1- ブ
    テンが(S)-3-ヒドロキシ-1- フェニルチオ-1- ブテンで
    あることを特徴とする請求項4に記載の方法。
  8. 【請求項8】 ジオトリカム(Geotrichum)属に属する微
    生物がジオトリカムカンジダム(Geotrichum candidum)
    、ハンセヌラ(Hansenula) 属に属する微生物がハンセ
    ヌラ ファビアニ(Hansenula fabianii)、ストレプトコ
    ッカス(Strep tococcus) 属に属する微生物がストレプト
    コッカス フェカリス(Streptococcus faecalis)、リュ
    ウコノストック(Leuconostoc) 属に属する微生物がリュ
    ウコノストック デキストリニカム(Leuconostoc dextr
    anicum) であることを特徴とする請求項7に記載の方
    法。
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