JPH08196243A - シート状ワカメの製造法 - Google Patents

シート状ワカメの製造法

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JPH08196243A
JPH08196243A JP7027255A JP2725595A JPH08196243A JP H08196243 A JPH08196243 A JP H08196243A JP 7027255 A JP7027255 A JP 7027255A JP 2725595 A JP2725595 A JP 2725595A JP H08196243 A JPH08196243 A JP H08196243A
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JP
Japan
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seaweed
sheet
wakame
drying
undaria pinnatifida
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Pending
Application number
JP7027255A
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English (en)
Inventor
Kosuke Tanaka
耕輔 田中
Yoshiharu Fujinaka
義治 藤中
Fumio Nishimoto
文雄 西本
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TANAKA CORP KK
Original Assignee
TANAKA CORP KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ワカメの体組織および鮮やかな緑色を失うこ
となく、厚さ200ミクロン前後の抄きノリ状のシート
を経済的に、かつ、速やかに製造するシート状ワカメの
製造法を提供する。 【構成】 充分に膨潤させたワカメ藻体を加圧しつつ急
速に乾燥するのに必要な熱量を付与して、加熱脱水を行
なうと共にシート状に成形するシート状ワカメの製造
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生もしくは塩蔵ワカメ
を物理的操作のみでシート状に成形するシート状ワカメ
の製造法に関するもので、ワカメを喫食しやすく、か
つ、種々の新規食品素材として有用なワカメ加工品を提
供するものである。
【0002】
【従来の技術】ワカメを素材としたシート状食品とし
て、地方特産品の板ワカメ、のしワカメあるいは簀乾ワ
カメと称するものがある。その製造法は、ワカメ原藻を
水洗した後、簀上へ間隙のないように丁寧に重ね合わ
せ、それを天日あるいは乾燥機を利用して、10時間前
後乾燥して製造する方法であり、この製品は、主として
焙って細末にし、飯に副えて食することが古くから行わ
れている。また、ノリ抄き法類似の方法として、生ワカ
メを水洗した後、水中でミンチにかけて擂砕したもの
を、ノリ抄きと同様の方法で所要の厚みに抄き上げて乾
燥する方法が提案されていたが、実際に行なってみる
と、乾燥した後にワカメが収縮を起こして皮むけ状態
(ピッキング状態)となり、よほど厚く抄かないと穴開
き状態となり、また、簀から剥離し難く、いわゆる抄き
ノリ状態のものにはほど遠い、厚くゴワゴワしたものに
しかならない。
【0003】シート状食品としては、前記抄きノリを始
めとして、湯葉、たたみ鰯、薄焼玉子、あるいはプルラ
ン、コンニャク粉、大豆蛋白とペースト状食品の組み合
わせによる可食膜など多岐にわたっている。
【0004】これらの製造法を検討してみると、ノリ抄
き法としてアサクサノリ、スサビノリなどの紅藻類を3
〜3.6mmにチョッパーで細截し、濃厚な懸濁液を作
り、スダレ(ミス)に充填して脱水した後、乾燥する方
法、ペースト状食品を混入したデンプン、ゼラチン、プ
ルランなどの溶液をドラムやエンドレスベルトにそのも
のを流し、薄層にして加熱、乾燥する方法、高濃度のゾ
ルを連続的に押し出してシート状にする、例えば、カニ
カマボコの前処理としての魚肉ゾルのシート化などの方
法、熱をかけずにアルギン酸溶液を塩化カルシウム液に
フィルム状に押し出し、人造クラゲなどを製造する方
法、湯葉のように豆乳を加熱して、空気に触れてできる
表面の薄膜をすくい上げる浮遊成形シート法、さらに、
昆布を強圧でブロックに成形した後、鉋で削りシートを
得る方法、ポン煎餅機でペレット化した食品を加熱して
大気に放出する方法、シート状鰹節のように、これらの
組み合わせによる方法などがあり、食品素材の物理化学
的特性に応じて種々提案されてきた。これらの方法をワ
カメに適用して種々検討したが、満足できるものを得る
ことはできないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記のように、従来の
方法においては、ワカメをシート状にするには各々欠点
があり、本発明は、ワカメの体組織および鮮やかな緑色
を失うことなく、厚さ200ミクロン前後の抄きノリ状
のシートを経済的に、かつ、速やかに製造するシート状
ワカメの製造法を提供することを目的とするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意研究を進めた結果、充分に膨潤させ
たワカメ藻体を加圧しつつ急速に乾燥するのに必要な熱
量を付与して加熱し、水分を蒸発させて乾燥すると、
色、香り良く、組織を残して外観は自然な極めて優れた
シート状ワカメが容易に、かつ、経済的に得られること
を見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、充分に膨潤させたワ
カメ藻体を加圧しつつ急速に乾燥するのに必要な熱量を
付与して、加熱脱水を行なうと共にシート状に成形する
ことを特徴とするシート状ワカメの製造法である。ワカ
メなどの褐藻類は、抄きノリの原料として用いられるア
サクサノリやスギノリなどの紅藻類と同じく、その藻体
は多細胞の体であり、普通葉状体と言われているが、ノ
リとワカメでは、その組織構造が異なり、紅藻類のアサ
クサノリなどの場合は、多数の細胞系が互いに合着して
大きくなった偽柔組織構造の葉状体と言われるものであ
る。一方、褐藻類のワカメは、細胞分裂がいろいろな方
向に行なわれて組織が作られる柔組織構造葉状体と言わ
れるもので、葉状体は大型になる。
【0008】また、各々の藻類が関与する粘質物は、K
+ イオンに影響を受けるカラゲーナンやアガロースを含
む紅藻類と、Ca+ イオン反応性に影響を受けるアルギ
ン酸を含む褐藻類において、塩、ミネラルなどのアッシ
ュバランスに対する海藻の反応性により、細胞内の浸透
圧の潜在性を高め、原形質分離を防いでいることは同一
であっても、その内部構造、作用が相違し、その結果、
ノリはシート状にするのは容易であるが、ワカメの場
合、非常に困難さを伴うことの要因になっていることは
想像することができる。
【0009】一般に、細胞は細胞内に溶質を選択してと
り込み透過させる選択半透性の細胞膜を有しており、海
水の浸透圧は約25.2気圧であると計算されている。
それが等張になるように海藻原形質分離防止の機能を有
しているもので、もし、ここに高濃度の食塩水を加える
と、その濃度に応じた細胞内水分と食塩水との置換が選
択透過性を有する細胞膜を通して行われ、藻体固形分の
増加が認められるようになる。逆に等張圧より低くする
手段として、過剰の水を加えることによりどうなるかを
検討してみると、生ワカメの藻体は、約1.3倍量の重
量増加をみる。また、生体類似の構造であるブランチン
グもしくは塩蔵ワカメにおいても、膨潤の度合が藻体の
原形質分離を起こさない限度の膨圧があり、食塩を含む
ミネラル濃度が等張圧よりも低くなった場合、ワカメ細
胞は膨圧に持ち応え切れなくなって、逐次破裂して行
き、それは約34気圧以上の膨圧がかかると、藻体は無
限大に膨潤し、すなわち、溶解してゾル状になること
が、本発明者らの研究の結果確認されたのである。
【0010】本発明において、充分に膨潤したワカメと
は、湿量基準水分率が93〜98.5%のものを言う。
この水分率の場合、溶解してゾル状になることなく、原
形質分離を起こさない藻体限度のものである。なお、通
常のワカメ藻体の含水量は、生育条件、品種によっても
異なるが、湿量基準水分率(通常水分と言われるもの)
は91.5%であり、これを乾量基準水分率に換算する
と1076%(約10.8倍)となるが、充分膨潤した
ワカメの乾量基準水分率は、水分93%で1328%
(約13.3倍)、98.5%の水分のワカメは実に6
566%(約65.7倍)の乾量基準水分率となる。
【0011】このようなワカメを従来法にしたがい、ス
ダレ上に取り、拡げて板状にして乾燥する場合、極めて
長時間を要し、かつ、残存する酵素作用などにより乾燥
物は軟化し、また、色も好ましいものではない。海藻に
限らず、含水率の高い細胞質食品素材の乾燥の場合、一
般の乾燥特性曲線がとるような恒率乾燥期から、内部拡
散が表面蒸発について行けない点より減率乾燥期となっ
て、所要の平衡含水率になり、この点で乾燥速度が0に
なるような単純なものではなく、2段ないし3段に恒率
乾燥と減率乾燥を繰り返す。すなわち、細胞内の内部拡
散が表面蒸発について行けない点が数回繰り返されるの
が通常であり、このような乾燥特性曲線での乾燥では乾
燥収縮を起こし、好ましい品質のものを得るには至らな
い。
【0012】本発明者らは、かかる見地より、できる限
り恒率乾燥期間を短くし、かつ、減率乾燥期間のグラフ
勾配を急にする方法を研究した結果、乾燥初期に細胞内
の水分を強制的に圧出しつつ、圧出した水分を急速に蒸
発させ、藻体内の水分を取り去る方法を見出すことがで
きたのである。すなわち、細胞内水溶液が沸点以上で蒸
発して気相に変わるとき、異常に高い蒸気圧と体積をと
ること、充分に膨潤したワカメは、乾量基準水分が純藻
体に比べ約13ないし65倍量の水量を持ち、この乾燥
には、短時間に含水量の蒸発に必要な熱量以上の多量の
熱量を常時付与しなければならないことから、熱風乾燥
より伝導伝熱による乾燥が最も望ましいことが判明し
た。
【0013】ワカメを接触させ伝導伝熱させるプレート
の温度は沸点以上が好ましく、さらに好ましくは110
℃以上であり、実際の運転に際しては135〜150℃
が最も望ましい。プレートに接触させつつローラーなど
で加圧して、水分を瞬時に蒸発させることは、ワカメ藻
体が乾燥収縮することなく骨格を作りながら乾燥するこ
とを可能にするもので、ワカメはポーラスな歯切れのよ
いものとなる。プレートとローラーの間隙は、ワカメ藻
体内の水が充分に圧出できる圧と間隙があればよく、間
隙は任意であるが、100〜200ミクロンが望まし
い。
【0014】本発明に適用できる装置としては、従来の
ツインドラムドライヤーの充分な強度を有するもので、
間隙を調節し、二つのドラム間に強圧をかけられるよう
にした装置が使用されるが、加圧ローラーとエンドレス
ベルトを組み合わせた装置、ドラムに複数の衛星ローラ
ーを付した装置、固定床に往復動のローラーを付した装
置、あるいはインキの吸取器様のスタンプ装置を付した
ものいずれでもよい。また、運転に際し、常圧もしくは
減圧機構を具備したものいずれでもよく、熱源は蒸気、
ガス、電気のいずれも使用することができきる。
【0015】シート状に成形されたワカメをプレートか
ら剥皮するのも容易で、ワカメ膨潤体細胞内に有するア
ルギン酸ソーダ溶液がフィルム化し、離型を助けるもの
と推定される。本発明は、ワカメ以外のコンブなどの褐
藻類にも適用することができる。さらに、醤油、味醂な
どで製したタレを滴下、塗布することにより、味付けワ
カメを連続的に製造することも可能である。
【0016】
【実施例】次に、本発明の実施例を挙げて説明する。塩
蔵ワカメ1000gを塩抜きした後、換水し、ワカメ藻
体を充分に膨潤させて水分98.3%のもの5900g
を得た。これを間隙130ミクロンに調節したドラムド
ライヤーにより、水分を圧出しつつ表面温度136℃、
0.66m/分のスピードで伝導伝熱方式で乾燥し、6
0秒後にスクレーバーナイフで剥離させて、水分23%
のシート状ワカメ250gを得た。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、ワカメの組織を残した
ままシート状にしているので、外観は自然そのもので、
色も鮮やかな緑色を呈し、また、口の中で速やかに軟化
してソフトな口あたりのものとなる。そして、折り曲げ
ても破れることなく、吸水が早いので、巻きずしや握り
飯に使用しても違和感がなく、巻いた後に剥離するする
こともない。また、麺類やお好み焼などにもよく、その
風味を味わうことができる。さらに、添加物を使用する
ことなく物理的操作のみで作られているので、衛生の面
からも極めて安全であり、ノリに比べて原藻価格が格安
であるから、海草の栄養を安全に提供することができ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 充分に膨潤させたワカメ藻体を加圧しつ
    つ急速に乾燥するのに必要な熱量を付与して、加熱脱水
    を行うと共にシート状に成形することを特徴とするシー
    ト状ワカメの製造法。
JP7027255A 1995-01-24 1995-01-24 シート状ワカメの製造法 Pending JPH08196243A (ja)

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JP7027255A JPH08196243A (ja) 1995-01-24 1995-01-24 シート状ワカメの製造法

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JP7027255A JPH08196243A (ja) 1995-01-24 1995-01-24 シート状ワカメの製造法

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JPH08196243A true JPH08196243A (ja) 1996-08-06

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JP7027255A Pending JPH08196243A (ja) 1995-01-24 1995-01-24 シート状ワカメの製造法

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Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01273568A (ja) * 1988-04-27 1989-11-01 House Food Ind Co Ltd シート状わかめの製造方法

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01273568A (ja) * 1988-04-27 1989-11-01 House Food Ind Co Ltd シート状わかめの製造方法

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