JPH08195336A - 収差補正光学系及び該光学系を用いた位置合わせ装置 - Google Patents

収差補正光学系及び該光学系を用いた位置合わせ装置

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JPH08195336A
JPH08195336A JP7003856A JP385695A JPH08195336A JP H08195336 A JPH08195336 A JP H08195336A JP 7003856 A JP7003856 A JP 7003856A JP 385695 A JP385695 A JP 385695A JP H08195336 A JPH08195336 A JP H08195336A
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正弘 中川
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構成で、他の収差には殆ど影響を与え
ることなく、容易にコマ収差を補正して、高精度に位置
合わせ用のマークの位置を検出する。 【構成】 ウエハ3のショット領域にウエハマーク5が
付設されている。広帯域の照明光L1は、ハーフミラー
7、第1対物レンズ8、ミラー9を介してウエハマーク
5を照明し、ウエハマーク5からの反射光は、ミラー
9、第1対物レンズ8、ハーフミラー7、第2対物レン
ズ10、及びアフォーカル系13を介して撮像素子14
の撮像面上にウエハマーク5の像を形成する。第2対物
レンズ10で発生するコマ収差とアフォーカル系13で
発生するコマ収差とが相殺する関係にしておき、全系の
コマ収差を打ち消すようにアフォーカル系13を光軸に
垂直な適当な方向に適量シフトさせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばコマ収差を補正
するための収差補正光学系、及びこの収差補正光学系を
備えた位置合わせ装置に関し、特に半導体素子、又は液
晶表示素子等を製造する際に使用される投影露光装置に
おいて、感光基板上のアライメントマークの位置に基づ
いてその感光基板の位置合わせを行うアライメント装置
に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】半導体素子(又は液晶表示素子等)は一
般に感光材料が塗布されたウエハ(又はガラスプレート
等)上に複数層の回路パターンを積み重ねて形成される
ため、回路パターンをウエハ上に露光するための投影露
光装置には、これから露光するレチクルのパターンと既
に回路パターンが形成されているウエハの各ショット領
域との位置合わせを行うためのアライメント装置が備え
られている。
【0003】従来この種のアライメント装置としては、
特開平4−65603号公報、特開平4−273246
号公報等で提示されているように、ハロゲンランプ等の
光源から射出される波長帯域幅の広い光でウエハ上のア
ライメントマーク(ウエハマーク)を照明し、その拡大
像を撮像素子上に形成し、得られた撮像信号を画像処理
してそのウエハマークの位置検出を行うオフ・アクシス
方式で、且つ撮像方式のアライメント装置が知られてい
る。撮像方式のアライメント装置の検出系はFIA(Fi
eld Image Alignment)系とも呼ばれている。
【0004】この撮像方式のアライメント装置では、広
帯域照明であるため、ウエハ上のフォトレジスト層での
薄膜干渉の影響が低減される。更に、検出対象とするウ
エハマークが非対称マークであるときにも、得られたウ
エハマークの拡大像中から特定のエッジを選択する等の
処理により、その非対称の影響を軽減することができる
等、様々なプロセスウエハに対して高精度にアライメン
トを行うことができる。
【0005】また、従来のアライメント装置として、T
TL(スルー・ザ・レンズ)方式で、且つ撮像方式のア
ライメント装置も知られている。TTL方式の場合に
は、露光光の波長とアライメント用の検出光の波長とが
異なるために、露光用の投影光学系においてアライメン
ト用の検出光に対して収差が発生する。そこで、例えば
特公平2−35446号公報に開示されているTTL方
式のアライメント装置では、アライメント用の検出光に
対して投影光学系で発生するコマ収差を1枚の斜めに配
置された平行平面板で補正し、この平行平面板により発
生する非点収差を別の2枚の平行平面板で補正してい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
撮像方式のアライメント装置の結像光学系では、加工、
組立、調整等の製造工程において、僅かながら収差が残
存していた。このように収差が残存していると、撮像面
上でのウエハマーク像のコントラストが低下したり、ウ
エハマーク像に歪が生じるなどして、マーク位置の検出
誤差が発生する。近年、回路パターンの線幅の微細化に
伴い、益々高精度のアライメントが必要とされるように
なり、上記の如き僅少な収差による、アライメント精度
の低下も問題となってきている。
【0007】そのように残存する収差の内で、特にコマ
収差のウエハマーク像の検出に及ぼす影響は大きく、軸
対称なコマ収差や偏心コマ収差などの非対称な横収差が
光学系内に発生していると、撮像面上に投影されるウエ
ハマーク像は、理想結像の場合と比べて位置ずれして計
測される。また、ピッチ、デューティ比、段差等のウエ
ハマークの形状が変わった場合や、ウエハマークがデフ
ォーカスした場合に、そのウエハマーク像にコマ収差が
存在すると、その像の非対称性の度合いが様々に変化
し、且つその計測位置のずれ量も様々に変わることにな
る。
【0008】半導体製造工程毎にウエハマークの形状は
異なるため、コマ収差が残留した光学系でウエハのアラ
イメント(位置合わせ)を行うと、プロセスオフセット
が発生したり、重ね合わせ精度の再現性が悪化する等に
より、アライメント精度が低下する。また、結像光学系
の光学性能(物体側開口数、倍率など)や画像処理の方
式によって、光学系に許容されるコマ収差量は多少異な
るものの、高精度のアライメントを可能とするにはほぼ
0でなくてはならない。
【0009】これに関して、従来のアライメント装置で
は、光学系の製造上の精度を極力高めることで、コマ収
差を含む諸収差の発生を押さえていたが、上記の要請に
応えるほど十分にコマ収差を除去することは非常に困難
であると共に、製造コスト的にも限界があった。また、
上述の特公平2−35446号公報で開示されているT
TL方式のアライメント装置では、コマ収差を低減させ
るために平行平面板を斜めに配置することにより、逆に
非点収差や分散等の収差が発生するため、これを更に補
正するための新たな光学部材の追加が必要となる。即
ち、光軸に対して非対称に(斜めに)配置された平行平
面板でコマ収差の補正を行う場合には、他の諸収差、例
えば像面傾斜、非点収差、分散等が発生して、マーク像
の像質が劣化してしまい、却ってマーク位置の検出精度
の低下を招くことになる。そして、これを防ぐために更
に収差補正部材を追加するのでは、光学系が大型化し、
且つ製造コストも高くなるという不都合がある。
【0010】本発明は斯かる点に鑑み、簡単な構成で、
他の収差には殆ど影響を与えることなく、コマ収差を容
易に補正できる収差補正光学系を提供することを目的と
する。更に本発明は、そのような収差補正光学系を備え
高精度に位置合わせ用のマークの位置を検出できる位置
合わせ装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明による第1の収差
補正光学系は、例えば図2に示すように、第1面(5)
からの光を集光する対物光学系(8)と、この対物光学
系からの光を集光して第2面(14a)上にその第1面
の像を形成する集光光学系(10)とを有する光学系に
おいて、対物光学系(8)と第2面(14a)との間
に、集光光学系(10)で発生するコマ収差と相殺され
るコマ収差を発生する補正光学系(13)を配置し、集
光光学系(10)と補正光学系(13)との少なくとも
一方を偏心させることにより全系のコマ収差を減少させ
るものである。
【0012】この場合、集光光学系(10)と補正光学
系(13)との間の空間はテレセントリックであること
が望ましい。また、本発明の第2の収差補正光学系は、
第1の収差補正光学系と同じ前提のもとで、例えば図5
に示すように、対物光学系(8)と第2面(14a)と
の間に、この集光光学系で発生する球面収差と相殺され
る球面収差を発生する補正光学系(20)を配置し、集
光光学系(10)と補正光学系(20)との少なくとも
一方を偏心させることにより全系のコマ収差を減少させ
るものである。
【0013】この場合、集光光学系(10)と補正光学
系(20)との間の空間は非テレセントリックであるこ
とが望ましい。更に、これらの場合において、補正光学
系(13;20)はほぼ等倍正立のアフォーカル系であ
ることが望ましい。次に、本発明の第1の位置合わせ装
置は、例えば図1に示すように、感光基板(3)上の位
置合わせ用のマーク(5)からの光を集光する対物光学
系(8)と、この対物光学系からの光を集光して位置合
わせ用のマーク(5)の像を形成する集光光学系(1
0)と、この集光光学系により形成されるその位置合わ
せ用のマークの像の位置を検出する検出手段(14)と
を備え、この検出手段の検出結果に基づいて感光基板
(3)の位置合わせを行う位置合わせ装置において、対
物光学系(8)と検出手段(14)との間に、集光光学
系(10)で発生するコマ収差と相殺されるコマ収差を
発生する補正光学系(13)を配置し、集光光学系(1
0)と補正光学系(13)との少なくとも一方を偏心さ
せることにより全系のコマ収差を減少させるものであ
る。
【0014】また、本発明の第2の位置合わせ装置は、
第1の位置合わせ装置と同じ前提のもとで、例えば図4
に示すように、対物光学系(8)と検出手段(14)と
の間に、集光光学系(10)で発生する球面収差と相殺
される球面収差を発生する補正光学系(20)を配置
し、集光光学系(10)と補正光学系(20)との少な
くとも一方を偏心させることにより全系のコマ収差を減
少させるものである。
【0015】
【作用】斯かる本発明によれば、例えば製造誤差等によ
り理想光軸対称のコマ収差が発生している場合には、集
光光学系(10)と補正光学系(13;20)との少な
くとも一方を偏心させて適量の偏心コマ収差を発生する
ことにより、結像面上の特にコマ収差が問題になる範囲
においてそのコマ収差を打ち消すことができる。一方、
製造誤差等により結像面全体に一様に偏心コマ収差が発
生している場合にも、適量の偏心コマ収差を発生させる
ことにより、その結像面全域でコマ収差を打ち消すこと
ができる。その際に、他の収差の発生は殆ど無視できる
程度である。
【0016】
【実施例】
[第1実施例]以下、本発明の第1実施例につき図1〜
図3を参照して説明する。本実施例は投影露光装置に備
えられるオフ・アクシス方式で、且つ撮像方式のアライ
メント装置(位置合わせ装置)に本発明を適用したもの
である。
【0017】図1は本実施例の投影露光装置の概略構成
を示し、この図1において、不図示の照明光学系からの
露光光のもとで、レチクル1のパターンの像が投影光学
系2を介してフォトレジストが塗布されたウエハ3上の
各ショット領域に投影される。ここで、投影光学系2の
光軸AX0 に平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内で
図1の紙面に平行にX軸を、図1の紙面に垂直にY軸を
取る。
【0018】ウエハ5はウエハステージ4上に保持さ
れ、ウエハステージ4はウエハ3をZ方向に位置決めす
るZステージ、及びウエハ3をXY平面内で移動させる
XYステージ等から構成されている。ウエハ5上の或る
ショット領域へのレチクル1のパターン像の露光が終わ
ると、ウエハステージ4のステッピングにより次のショ
ット領域が露光位置に設定され、以下ステップ・アンド
・リピート方式でウエハ3上の複数のショット領域への
露光が行われる。この際に各ショット領域の位置決めを
正確に行うためには、ウエハ3上の各ショット領域の位
置、即ち各ショット領域に付設されたアライメント用の
マーク(ウエハマーク)の位置を計測し、この計測結果
に基づいてウエハステージ4のステッピング量を定める
必要がある。以下の説明では、ウエハ3上の所定のショ
ット領域に付設された所定のウエハマーク5の位置を計
測するものとする。
【0019】本例では投影光学系2の側方にオフ・アク
シス方式のアライメント光学系6が配されている。この
アライメント光学系6において、不図示のハロゲンラン
プ等の光源からの、フォトレジストに対する感光性が低
く、且つ広帯域の照明光L1は、ハーフミラー7に入射
し、ハーフミラー7で反射された照明光L1は、第1対
物レンズ8及びミラー9を介してウエハ3上のウエハマ
ーク5を落射照明する。ウエハマーク5からの反射光
は、ミラー9を経て第1対物レンズ8により集光されて
ハーフミラー7に戻り、ハーフミラー7を透過した反射
光は、順次第2対物レンズ10と、ほぼ等倍のガリレオ
型のアフォーカル系13とを通過して、2次元CCDよ
りなる撮像素子14の撮像面上にウエハマーク5の拡大
像を形成する。
【0020】本例のアフォーカル系13は第2対物レン
ズ10側から負屈折力を持つレンズ群11及び正屈折力
を持つレンズ群12よりなり、且つアフォーカル系13
は一体となって、この結像光学系の光軸AX1 に対して
垂直な任意の方向に所定範囲内で任意の量だけシフトで
きるように構成されている。そして、撮像素子14から
の撮像信号を画像処理することによりウエハマーク5の
位置が検出され、この検出結果に基づいてウエハ3の当
該ショット領域が露光位置に位置合わせ(アライメン
ト)される。
【0021】図2(a)及び(b)は、図1のアライメ
ント光学系6中の結像光学系を示す拡大図であり、図2
(a)及び(b)では図1中のハーフミラー7及びミラ
ー9は省略してある。先ず、物体面と像面との共役関係
を示す図2(a)において、合焦状態では第1対物レン
ズ8の物体側焦点F1 を通り光軸に垂直な面上にウエハ
マーク5が位置し、ウエハマーク5からの光は第1対物
レンズ8を通過した後ほぼ平行光束となって第2対物レ
ンズ10に入射し、第2対物レンズ10からの光束がア
フォーカル系13を介して撮像素子14上にウエハマー
ク5の像を形成する。
【0022】また、瞳の共役関係を示す図2(b)にお
いて、第1対物レンズ8の像側焦点F1'と第2対物レン
ズ10の物体側焦点F2 とはほぼ合致し、ウエハマーク
5から出た光軸AX1 に平行な主光線は、第2対物レン
ズ10から射出される際にも光軸AX1 にほぼ平行とな
る。この第2対物レンズ10とアフォーカル系13との
間の空間がテレセントリックであるということは、本例
の光学系の構成上特に望まれる条件である。それに続く
アフォーカル系13では、レンズ群11の像側焦点F3'
とレンズ群12の物体側焦点F4 とがほぼ合致し、ほぼ
等倍のガリレオ型のアフォーカル系が構成されている。
そのため、第2対物レンズ10から光軸AX1 に平行に
射出される主光線は、アフォーカル系13から射出され
る際にも光軸AX1 にほぼ平行である。よって、本例の
第1対物レンズ8からアフォーカル系13までの結像光
学系は全体としてほぼ両側テレセントリック系となって
いる。更に、第1対物レンズ8の焦点距離に対して、第
2対物レンズ10の焦点距離の方が長く設定され、ウエ
ハマーク5の形成面から撮像素子14の撮像面14aへ
の倍率は拡大倍率となっている。
【0023】本例では、第1対物レンズ8はほぼ理想レ
ンズに近く収差補正されている。一方、第2対物レンズ
10で適量発生させたコマ収差とアフォーカル系13で
発生したコマ収差とは、撮像面14a上にて互いにほぼ
打ち消し合うように収差補正してある。また、これに伴
い第2対物レンズ10で副次的に球面収差が発生するこ
とがあるが、この場合には、第2対物レンズ10で発生
した球面収差とアフォーカル系13で発生した球面収差
とが、撮像面14a上にて互いにほぼ打ち消し合うよう
に収差補正すればよい。
【0024】なお、上記の第2対物レンズ10、及びア
フォーカル系13で発生しているコマ収差や球面収差は
ほぼ3次収差のレベルにあり、その他の収差はどのレン
ズ系にても殆ど発生せず十分に収差補正されている。本
例では、第2対物レンズ10の屈折力及び開口数(N
A)が第1対物レンズ8に比べて拡大倍率分だけ十分に
小さいため、第2対物レンズ10及びアフォーカル系1
3において、そのようにコマ収差同士が相殺するように
収差の操作を行うことは容易である。このような収差関
係で構成された本例の結像光学系により、撮像素子14
の撮像面14a上に投影されるウエハマーク5の像はほ
ぼ理想結像と見なすことが出来る。
【0025】次に、本例のアライメント光学系におい
て、第1対物レンズ8等の製造誤差等に起因して撮像面
14a上でコマ収差が発生するときには、アフォーカル
系13を光軸AX1 に対して垂直な方向内の適当な方向
に、且つ適当量だけシフトさせることで、撮像面14a
上には所望の量と方向の偏心コマ収差を発生させる。こ
のため、製造誤差等で生じる2種類のコマ収差の内、理
想光軸対称のコマ収差が発生している場合には、撮像面
14a上の特にコマ収差が問題となる範囲において、そ
のコマ収差をアフォーカル系13のシフトにより発生し
たコマ収差で打ち消すことが可能である。また、偏心コ
マ収差が発生している場合には、撮像面全域の偏心コマ
収差をアフォーカル系13のシフトにより発生したコマ
収差で打ち消すことが可能である。そのようにコマ収差
が打ち消される範囲には他の収差は殆ど発生せず、ウエ
ハマーク5の像は理想結像に近いものとなる。
【0026】また、図3(a)は第1実施例においてア
フォーカル系13のシフト量δに対して発生する偏心コ
マ収差量ΔXCを示し、図3(a)に示すように、発生
する偏心コマ収差量ΔXCはアフォーカル系13のシフ
ト量δに比例し、その傾きは第2対物レンズ10とアフ
ォーカル系13とで相殺し合うコマ収差量に比例する。
従って、第2対物レンズ10とアフォーカル系13とで
相殺し合うコマ収差量を適当に設定し、調整の容易なア
フォーカル系13を適当量だけシフトさせることで所望
の偏心コマ収差を発生させることができる。発生する偏
心コマ収差量ΔHC、アフォーカル系13のシフト量δ
に対して、相殺し合うコマ収差量をΔC、比例定数をk
1 とすると以下のように表される。
【0027】ΔHC=k1 ・ΔC・δ (1) (1)式を変形すると、ΔHC/δ=k1 ・ΔCとなる
が、この関係が図3(b)に表されている。上述実施例
では、ガリレオ型のアフォーカル系13はほぼ等倍であ
るとしていたが、等倍であることの利点としては、偏心
コマ収差を発生させるためにアフォーカル系13をシフ
トしても、その後の光軸AX1 のずれ(倒れ、又はシフ
ト)が殆ど無い点が挙げられる。
【0028】なお、上述実施例ではアフォーカル系13
を光軸AX1 から垂直な方向にシフトしているが、撮像
面での光軸のずれ(倒れ、シフト)が問題にならないの
であれば、図2(a)において、第2対物レンズ10側
を光軸AX1 から垂直な方向にシフトさせてもよい。ま
た、本実施例ではアフォーカル系としてほぼ等倍のガリ
レオ型としたが、ほぼ等倍で正立でありさえすればよ
い。
【0029】本例は、第1対物レンズの物体側空間がテ
レセントリックであるものについて示したが、特に物体
側がテレセントリックである必要がなく、逆に第1対物
レンズの像側がテレセントリックの場合には、本例の第
2対物レンズ10とアフォーカル系13の位置を入れ換
え、同様の収差の相殺関係にすれば同様の性能が得られ
る。
【0030】また、光軸のずれ(倒れ、又はシフト)が
問題にならない場合には、アフォーカル系13が等倍正
立でなくても、また所定の屈折力のあるレンズでも構わ
ない。このときは、第2対物レンズ10が前後2群のレ
ンズ群によって構成されると考えられる。図2(c)
は、そのような第1実施例の変形例として屈折力のある
レンズの場合を示し、この図2(c)において、ウエハ
マーク5からの光は、第1対物レンズ8、及び第2対物
レンズ17を介して撮像素子14の撮像面上にウエハマ
ーク5の像を形成し、第2対物レンズ17は、第1対物
レンズ8側から正の屈折力を有する第1レンズ群15、
及び負の屈折力を有する第2レンズ群16より構成され
ている。
【0031】この変形例では、第1対物レンズ8の像側
焦点F1'と第2対物レンズ17内の第1レンズ群15の
物体側焦点F12とが一致し、第1対物レンズ8及び第1
レンズ群15よりなる合成系が両側テレセントリックの
関係になっている。更に、第1レンズ群15と第2レン
ズ群16とは、互いにほぼ打ち消し合うようなコマ収差
を発生すると共に、広帯域の波長にて色収差の補正が行
われている。また、第2レンズ群16が、全系の光軸A
1 に対して垂直な任意の方向にシフトできるように構
成されている。そして、製造誤差等によりコマ収差が残
存しているときには、第2レンズ群16をシフトさせて
所望の偏心コマ収差を発生させ、それにより残存してい
るコマ収差を打ち消すことができる。
【0032】なお、この変形例では第2レンズ群16を
光軸から垂直な方向にシフトしているが、図3(c)に
おいて、第1レンズ群15を光軸から垂直な方向にシフ
トさせてもよい。
【0033】[第2実施例]次に、図4及び図5を参照
して第2実施例につき説明する。本例は第1実施例にお
いて第2対物レンズ10とアフォーカル系13との順序
を入れ換え、且つ第2対物レンズ10とアフォーカル系
13との間の空間が非テレセントリックである実施例に
相当し、図4及び図5において図1に対応する部分には
同一符号を付してその詳細説明を省略する。
【0034】図4は本実施例の投影露光装置の概略構成
を示し、この図4において、ハーフミラー7により導か
れた広帯域の照明光L1は、第1対物レンズ8及びミラ
ー9を介してウエハ3上のウエハマーク5を落射照明す
る。ウエハマーク5からの反射光は、ミラー9、及び第
1対物レンズ8を経て集光されてハーフミラー7に戻
り、ハーフミラー7を透過した光束は、ほぼ等倍のガリ
レオ型のアフォーカル系20と第2対物レンズ10とを
介して、撮像素子14の撮像面上にウエハマーク5の拡
大像を形成する。アフォーカル系20は、第1対物レン
ズ8側から正屈折力を持つレンズ群18、及び負屈折力
を持つレンズ群19より構成され、且つアフォーカル系
20は一体となってこの結像光学系の光軸AX1 に対し
て垂直な任意の方向に所定範囲内で任意の量だけシフト
出来るように構成されている。但し、アフォーカル系を
除く他の構成は第1実施例と同様である。
【0035】図5は図4中のアライメント光学系の結像
光学系を示し、合焦状態では第1対物レンズ8の物体側
焦点F1 を通り光軸AX1 に垂直な面上にウエハマーク
5が位置し、ウエハマーク5からの光は第1対物レンズ
8から射出された後、ほぼ平行光束となってアフォーカ
ル系20に入射する。そして、アフォーカル系20から
射出された光束は、次の第2対物レンズ10により撮像
素子14の撮像面14a上にウエハマーク5の像を形成
する。
【0036】また、ウエハマーク5から射出された光軸
AX1 に平行な主光線(破線)は、第1対物レンズ8か
ら射出された後、光軸AX1 に非平行となり、アフォー
カル系20、更に第2対物レンズ10に入射する。この
アフォーカル系と第2対物レンズとの間の空間が非テレ
セントリックであるということは、本例の光学系の構成
上特に望まれる条件である。更に、第1対物レンズ8の
焦点距離に比べて第2対物レンズ10の焦点距離の方が
長く設定され、ウエハマーク5の配置面から撮像面14
aへの倍率は拡大倍率となっている。
【0037】また、第1対物レンズ8はほぼ理想レンズ
に近く収差補正されている。一方、アフォーカル系20
で適当量発生させた球面収差と第2対物レンズ10で発
生した球面収差とは、撮像面14a上にて互いにほぼ打
ち消し合うように収差補正してある。なお、それらアフ
ォーカル系20及び第2対物レンズ10の各々で発生し
ている球面収差はほぼ3次収差のレベルにあり、その他
の収差はどのレンズ系にても殆ど発生せず、十分に収差
補正されている。本例でも、拡大光学系における第2対
物レンズ10の屈折力及び開口数(NA)が、第1対物
レンズ8のそれに比べて倍率分だけ十分に小さいため、
第2対物レンズ10及びアフォーカル系20においてそ
のように球面収差同士が相殺し合うように収差を操作す
ることは容易である。このような収差関係で構成された
上記光学系により撮像素子14上に投影されるウエハマ
ーク5の像はほぼ理想結像と見なすことが出来る。
【0038】本例の結像光学系において、第1対物レン
ズ8等により製造誤差等に起因して撮像面14a上にコ
マ収差が発生したときには、アフォーカル系20を光軸
AX 1 に対して垂直な所定の方向の適当量だけシフトさ
せて、撮像面14a上には所望の量と向きの偏心コマ収
差を発生させる。これにより、製造誤差等で生じる2種
類のコマ収差の内、理想光軸対称のコマ収差が発生して
いる場合には、撮像面上の特にコマ収差が問題となる範
囲においてそのコマ収差を打ち消すことが可能であり、
また、偏心コマ収差が発生している場合には、撮像面全
域にてその偏心コマ収差を打ち消すことが可能である。
このとき、そのコマ収差の発生範囲には他の収差として
若干のメリジオナル像面とサジタル像面との乖離(像面
の倒れは無い)が生じるが、他の収差は殆ど発生しな
い。
【0039】図3(c)は、第2実施例におけるアフォ
ーカル系20の光軸AX1 からのシフト量δに対する発
生する偏心コマ収差量ΔHCを示し、図3(c)に示す
ように、発生する偏心コマ収差量ΔHCはアフォーカル
系20のシフト量δに比例し、その傾きは、相殺し合う
球面収差量に比例する。そこで、相殺し合う球面収差量
を適当に設定し、調整の容易なアフォーカル系20を適
当な方向に適量シフトさせることで、所望の量、及び向
きの偏心コマ収差を発生させることができる。発生する
偏心コマ収差量ΔHC、アフォーカル系20のシフト量
δに対して、相殺し合う球面収差量をΔS、比例定数を
2 とすると以下のように表される。
【0040】ΔHC=k2・ΔS・δ (2) この(2)式を変形すると、ΔHC/δ=k2・ΔSとな
るが、この関係が図3(d)に表されている。また、上
述の像面の乖離は、発生する像面乖離量をΔAS、相殺
し合う球面収差量をΔS、アフォーカル系20のシフト
量をδ、比例定数をk3 とすると以下のように表され
る。
【0041】ΔAS=k3・ΔS・δ2 (3) 即ち、アフォーカル系20のシフト量δが小さい範囲に
おいては、像面乖離量ΔASは無視できる大きさである
が、シフト量δが或る程度大きく像面乖離量ΔASが無
視できないときであっても、光学系内に元々その調整機
構(例えばシリンドリカルレンズを利用したもの等)が
あれば問題はない。
【0042】なお、上述実施例ではガリレオ型のアフォ
ーカル系20はほぼ等倍であるとしたが、等倍であるこ
との利点は、アフォーカル系20を偏心コマ収差を発生
させるためにシフトしても、その後の光軸AX1 のずれ
が殆ど無いという点が挙げられる。また、本例ではアフ
ォーカル系としてほぼ等倍のガリレオ型としたが、ほぼ
等倍で正立でありさえすればどのようなタイプでもよ
い。
【0043】撮像面での光軸のずれ(倒れ、シフト)が
問題にならないのであれば、図5(a)において、アフ
ォーカル系20ではなく、第2対物レンズ10側を光軸
AX 1 に対して垂直な方向にシフトしても同様の効果が
得られる。また、本例では第1対物レンズ8と第2対物
レンズ10との間にアフォーカル系20を配置したが、
第2対物レンズ10とアフォーカル系20の配置が逆で
あっても、第2対物レンズ10とアフォーカル系20と
の間の空間が非テレセントリックであるならば同様に実
現できる。
【0044】[第3実施例]図6〜図11を参照して第
3実施例につき説明する。本実施例は、投影露光装置に
設けられるオフ・アクシス方式で、且つ所謂レーザ・ス
テップ・アライメント方式のアライメント装置の照明系
に本発明を適用したものである。図6は本実施例の投影
露光装置の要部の斜視図であり、この図6において、不
図示のレチクルのパターンの像が投影光学系2を介して
ウエハステージ4上のウエハ3の各ショット領域に投影
露光される。ウエハステージ4の上部にはX軸に垂直な
反射面を有する移動鏡21X、及びY軸に垂直な反射面
を有する移動鏡21Yが固定され、不図示のX軸用のレ
ーザ干渉計から投影光学系2の光軸を通り、且つX軸に
平行な直線に沿ってレーザビーム22Xが移動鏡21X
に照射され、不図示のY軸用のレーザ干渉計から投影光
学系2の光軸を通り、且つY軸に平行な直線に沿ってレ
ーザビーム22Yが移動鏡21Yに照射され、それらの
レーザ干渉計によりウエハステージ4の2次元の座標
(X,Y)が計測されている。
【0045】また、投影光学系2の側方にオフ・アクシ
ス方式のアライメント装置のアライメント光学系24が
配置されている。そのアライメント光学系24は、レー
ザ・ステップ・アライメント方式の検出系(以下、「L
SA系」と呼ぶ)26と、撮像方式の検出系であるFI
A系52とが一体化されたものであり、LSA系26か
らのレーザビームとFIA系52からの照明光とがハー
フプリズム48により合成されて共通の第1対物レンズ
49に向かい、第1対物レンズ49を通過した光束がミ
ラーで反射されてウエハ3を落射照明する。そして、こ
のミラーにより折り曲げられたアライメント光学系24
の光軸を通り、且つX軸に平行な直線に沿って不図示の
回転計測用のレーザ干渉計から移動鏡21Xにレーザビ
ーム23が供給され、回転計測用のレーザ干渉計の計測
値とX軸用のレーザ干渉計の計測値との差分により、ウ
エハステージ4の回転角が検出される。
【0046】図7は、図6中のアライメント光学系24
を示す拡大斜視図であり、この図7のLSA系26にお
いて、He−Neレーザ光源31から射出されるレーザ
ビームL2は、ビームエキスパンダ32、及びシリンド
リカルレンズ33を経て、XY分離用偏光ビームスプリ
ッタ34を介してX軸用の断面形状が細長いシートビー
ムL4と、Y軸用のシートビームL3とに分離される。
そして、Y軸用のシートビームL3は、視野絞り35
Y、ミラー36、ミラー37Y、リレーレンズ38Y、
ミラー39Yを経て送受光分離用偏光ビームスプリッタ
ー40Yに達し、偏光ビームスプリッター40Yを透過
したシートビームは、フーリエ変換レンズ41Y、1/
4波長板42Y、及びミラー45を介してアフォーカル
系46に入射する。
【0047】一方、X軸用のシートビームL4は、Y軸
用のシートビームL3とほぼ対称に視野絞り35X〜1
/4波長板42Xを介して、ウエハ3(図6参照)の表
面と共役な面の近傍でY軸用のシートビームと視野合成
されて、ほぼ等倍のガリレオ型のアフォーカル系46に
入射し、アフォーカル系46から射出される両シートビ
ームは、第2対物レンズ47により集光されハーフプリ
ズム48で反射されて一度交差した後、第1対物レンズ
49及びミラー50を経てそれぞれX軸用のシートビー
ム51X、及びY軸用のシートビーム51Yとしてウエ
ハ3上に入射する。それらシートビーム51X、及びシ
ートビーム51Yの照射位置の近傍のウエハ3上にそれ
ぞれX軸用のウエハマーク25X、及びY軸用のウエハ
マーク25Yが形成されている。
【0048】また、FIA系において、ライトガイド5
3から射出された広帯域の照明光は、コンデンサーレン
ズ54により集光されハーフミラー55を透過した後、
第2対物レンズ56を介してハーフプリズム48に入射
する。そして、ハーフプリズム48を透過した照明光
は、共通の第1対物レンズ49及びミラー50を経てウ
エハ3上に照射され、ウエハ3からの反射光は、ミラー
50、第1対物レンズ49、ハーフプリズム48、第2
対物レンズ56及びハーフミラー55を介してCCDカ
メラ57上にウエハマークの像を形成する。
【0049】図8は、ウエハ3上の第1対物レンズ49
の観察視野58を示し、この図8において、X軸用のウ
エハマーク25XはY方向に所定ピッチで配列されたド
ットパターン、Y軸用のウエハマーク25YはX方向に
所定ピッチで配列されたドットパターンであり、X軸用
のシートビーム51XはY方向にスリット状に伸びた光
ビーム、Y軸用のシートビーム51YはX方向にスリッ
ト状に伸びた光ビームである。また、シートビーム51
Xとシートビーム51Yとは第1対物レンズ49の光軸
AX1 を挟むように配置され、第1対物レンズ49の光
軸AX1 と図6の投影光学系2の光軸AX0 とを通る直
線はY軸に平行である。
【0050】図8において、ウエハステージを駆動する
ことによりシートビーム51Xに対してウエハマーク2
5XをX方向に横切るように走査すると、シートビーム
51Xとウエハマーク25Xとが合致したときに所定の
方向に回折光が射出されるため、その回折光の強度が最
大になるときのウエハステージのX座標を検出すること
によりウエハマーク25XのX座標が検出できる。同様
に、シートビーム51Yに対してウエハマーク25Yを
Y方向に横切るように走査し、シートビーム51Yとウ
エハマーク25Yとが合致したときの回折光を検出する
ことにより、ウエハマーク25YのY座標が検出され
る。ウエハマーク25Yからの回折光(反射光も含む)
は図7のミラー50、及び第1対物レンズ49を経てハ
ーフプリズム48に戻る。
【0051】図7において、ハーフプリズム48で反射
された回折光は、第2対物レンズ47、アフォーカル系
46、ミラー45、1/4波長板42Y、及びフーリエ
変換レンズ41Yを経て送受光分離用偏光ビームスプリ
ッター40Yに戻り、偏光ビームスプリッター40Yで
反射された回折光は、リレーレンズ43Yを介して受光
素子44Yに導かれ、受光素子44Yにて0次回折光を
除く回折光が選択的に光電変換される。このとき、1/
4波長板42Yの方向を最適調整しておくことにより、
ウエハマークからの回折光はほぼ完全に偏光ビームスプ
リッター40Yにて反射されて受光素子44Yに導かれ
る。
【0052】同様に、図8のX軸用のウエハマーク25
Xからの回折光は、Y軸の回折光と対称に送受光分離用
偏光ビームスプリッター40Xに戻り、偏光ビームスプ
リッター40Xで反射された回折光は、リレーレンズ4
3Xを介して受光素子44Xで受光される。そして、受
光素子44X,44Yの出力信号、及びウエハステージ
4の座標に基づいてウエハマーク25X及び25YのX
座標及びY座標が計測され、この計測結果に基づいてウ
エハ3のアライメントが行われる。
【0053】ここで、本例において図7のアフォーカル
系46は一体として、光軸に垂直な任意の方向に所定範
囲内で任意の量だけシフトできるように支持されてい
る。次に、本例のようにHe−Neレーザ光源31から
射出されるレーザビームL2が繰り返しリレーされる場
合に、コマ収差が発生しているときの弊害につき簡単に
説明する。先ず、レーザビームのリレーは、レーザビー
ムのビームウエスト(断面形状が最も小さい位置)のリ
レーとみなすことができる。
【0054】図11(a)は、図7のビームエクスパン
ダ32におけるレーザビームのリレーを示し、この図1
1(a)において、ビームエクスパンダ32が2枚のフ
ーリエ変換レンズ62及び63により構成されている。
そして、入射するレーザビームのビームウエスト64A
が第1のフーリエ変換レンズ62によりビームウエスト
64Bにリレーされ、このビームウエスト64Bが第2
のフーリエ変換レンズ63によりビームウエスト64C
にリレーされている。
【0055】これに関して、図11(b)は理想レンズ
によりリレーされたビームウエスト65Aの近傍の拡大
図であり、その近傍におけるビーム断面のエネルギーが
最大となるライン66Aも表示されている。このように
理想レンズにてリレーされた場合には、ライン66Aは
ビームウエスト前後で直線に分布する。ところが、図1
1(c)に示すように、リレーレンズに例えば偏心コマ
収差が発生した場合には、ビームウエスト65Bの近傍
でのエネルギー分布が最大となるライン66Bは、ビー
ムウエスト65Bの前後で湾曲してしまう。この湾曲量
はその発生したコマ収差量にほぼ比例する。同様に、図
7において第1対物レンズ49からウエハ上に照射され
るシートビーム25X,25Yもウエハ上でほぼビーム
ウエストとなっており、仮にシートビーム25X,25
Yに偏心コマ収差が発生していると、シートビーム25
X,25Y中のエネルギー分布が最大となるラインに曲
がりが生ずることになる。
【0056】このようなエネルギー分布が最大となるラ
インの湾曲がアライメント精度に与える影響は、図8に
おいてウエハマーク25X,25Yがウエハ上のシート
ビーム51X,51Yの集光点から図8の紙面に垂直な
方向(Z方向)に外れたとき(デフォーカスしたとき)
に生じる。即ち、エネルギー分布の湾曲がない場合に
は、デフォーカスしてもウエハマーク25X,25Yの
検出される位置がずれないようにするには、ウエハに対
してエネルギー分布が最大となるラインを垂直にすれば
よい。このためには、図7において、例えば第2対物レ
ンズ47と第1対物レンズ49との間に平行平面板を配
置し、この平行平面板を適当な角度だけ傾斜させればよ
い。
【0057】ところが、エネルギー分布が最大となるラ
インに湾曲があると、このような調整ができず、ウエハ
マーク25X,25Yが集光点から少しでもデフォーカ
スしてZ方向に外れてしまうと、ウエハマーク25X,
25Yの検出される位置が横ずれして、アライメント誤
差が生じてしまう。そのため、このようなエネルギー分
布の湾曲は解消する必要があり、その原因となるコマ収
差を殆ど0に抑えなければならない。
【0058】図9は、図7のLSA系26内のアフォー
カル系46からウエハまでの送光系の概略の拡大図を示
し、この図9において、第1対物レンズ49と、第2対
物レンズ47と、アフォーカル系46とからなる合成光
学系は両側テレセントリック光学系を形成し、第1対物
レンズ49の焦点距離に対して第2対物レンズ47の焦
点距離が長く設定されている。また、アフォーカル系4
6は第2対物レンズ47側から順に負の屈折率を有する
レンズ群60、及び正の屈折率を有するレンズ群61よ
り構成されている。また、第1対物レンズ8の物体側焦
点面がウエハ3の表面となり、その合成光学系の像側焦
点面59がウエハの表面に対する共役面となるように構
成される。よって、ウエハの表面と共役な像側焦点面5
9に導かれたシートビームは、ウエハ3の表面上に縮小
されて集光される。
【0059】この例では、第1対物レンズ49はほぼ理
想レンズに近く収差補正されている。一方、第2対物レ
ンズ47で適当量発生させたコマ収差と、アフォーカル
系46で発生したコマ収差とは、ウエハ3の表面にて互
いにほぼ打ち消し合うように収差補正してある。即ち、
図9の送光系は、第1実施例である図2(a)の結像光
学系を送光系として使用するものであり、構成及び作用
効果は第1実施例と同様である。
【0060】図9に示すこの第3実施例の送光系におい
ては、第1対物レンズ49等における製造誤差等に起因
してウエハ3の表面上にコマ収差が発生することがあっ
ても、アフォーカル系46を光軸AX1 に対して垂直な
適当な方向に適当量だけシフトさせることで、そのコマ
収差を打ち消すことができる。従って、ウエハ3上に集
光されるシートビームは、エネルギー分布が最大となる
ラインに湾曲のないほぼ理想的なものと考えられる。
【0061】また、本例でも、図10(a)に示すよう
にウエハ3上で発生する偏心コマ収差量ΔHCはアフォ
ーカル系46のシフト量δに比例し、その傾きは相殺し
合うコマ収差量に比例するので、相殺し合うコマ収差量
を適当に設定し、アフォーカル系46をシフトさせるこ
とで所望の偏心コマ収差を発生させることができる。発
生させたい偏心コマ収差ΔHC、アフォーカル系のシフ
ト量δに対して、第2対物レンズ47とアフォーカル系
46にて相殺し合うコマ収差量をΔC、比例定数をk1
とすると、第1実施例と同じく(1)式が成立する。従
って、第1実施例と同様に、図10(b)に示すよう
に、ΔHC/δとΔCとは比例する。また、ほぼ等倍の
アフォーカル系46の代わりに、例えば角倍率α(αは
ウエハの表面への縮小倍率)のアフォーカル系や屈折力
のあるレンズを使用してもよい。
【0062】なお、この第3実施例ではレーザビームを
照射する際のエネルギー分布が最大となるラインの湾曲
を補正しているが、例えばレーザビームを集光する際の
スポット形状を乱すコマ収差の補正にも本発明が適用で
きる。また、アライメント光学系だけでなく、ウエハマ
ークの重ね合わせ測定系においても本発明を適用するこ
とにより、測定結果の高精度化が期待できる。特に、重
ね合わせ測定値の真値ずれ(所謂ティス)を殆ど無くす
ことが出来る。
【0063】このように、本発明は上述実施例に限定さ
れず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取
り得る。
【0064】
【発明の効果】本発明の第1又は第2の収差補正光学系
によれば、簡単なレンズ構成で、全体の光学系内に製造
誤差等により生じたコマ収差を容易に相殺でき、且つ、
他の収差に殆ど影響を与えることがない。また、集光光
学系の物体又は像空間がテレセントリックであるかどう
かに応じて、少なくともどちらかの収差補正光学系が実
現できる。
【0065】更に、補正光学系がほぼ等倍で正立のアフ
ォーカル系であるときには、例えばこのアフォーカル系
を偏心させてコマ収差を補正した場合でも、その後の光
軸のずれが無い利点がある。次に、本発明の第1、又は
第2の位置合わせ装置によれば、本発明の収差補正光学
系が使用されているため、簡単構成で他の収差に殆ど影
響を与えることなくコマ収差を補正でき、結果として高
精度に位置合わせ用のマークの位置を検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例のアライメント装置を備え
た投影露光装置の要部を示す構成図である。
【図2】(a)は第1実施例のアライメント光学系の結
像関係を示す光路図、(b)はその第1実施例の瞳の共
役関係を示す光路図、(c)は第1実施例の変形例を示
す光路図である。
【図3】本発明の第1実施例及び第2実施例におけるア
フォーカル系のシフト量δと発生する偏心コマ収差量Δ
HCとの関係等を示す図である。
【図4】本発明の第2実施例のアライメント装置を備え
た投影露光装置の要部を示す構成図である。
【図5】本発明の第2実施例のアライメント光学系の結
像関係を示す光路図である。
【図6】本発明の第3実施例のアライメント装置を備え
た投影露光装置の要部を示す斜視図である。
【図7】第3実施例のアライメント光学系を示す斜視図
である。
【図8】第3実施例におけるウエハマークと照射される
シートビームとの関係を示す拡大平面図である。
【図9】第3実施例のアライメント光学系内の送光系の
結像関係を示す光路図である。
【図10】第3実施例におけるアフォーカル系のシフト
量δと発生する偏心コマ収差量ΔHCとの関係等を示す
図である。
【図11】レーザビームのビームウエストをレンズ系で
リレーする場合のコマ収差の影響の説明に供する図であ
る。
【符号の説明】
3 ウエハ 4 ウエハステージ 5 ウエハマーク 6 アライメント光学系 7 ハーフミラー 8 第1対物レンズ 10 第2対物レンズ 13,20 アフォーカル系 14 撮像素子 24 アライメント光学系 26 LSA系 51X,51Y シートビーム 52 FIA系 31 He−Neレーザ光源 40X,40Y 送受光分離用変更ビームスプリッター 44X,44Y 受光素子 46 アフォーカル系 47 第2対物レンズ 49 第1対物レンズ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1面からの光を集光する対物光学系
    と、該対物光学系からの光を集光して第2面上に前記第
    1面の像を形成する集光光学系とを有する光学系におい
    て、 前記対物光学系と前記第2面との間に、前記集光光学系
    で発生するコマ収差と相殺されるコマ収差を発生する補
    正光学系を配置し、 前記集光光学系と前記補正光学系との少なくとも一方を
    偏心させることにより全系のコマ収差を減少させること
    を特徴とする収差補正光学系。
  2. 【請求項2】 第1面からの光を集光する対物光学系
    と、該対物光学系からの光を集光して第2面上に前記第
    1面の像を形成する集光光学系とを有する光学系におい
    て、 前記対物光学系と前記第2面との間に、前記集光光学系
    で発生する球面収差と相殺される球面収差を発生する補
    正光学系を配置し、 前記集光光学系と前記補正光学系との少なくとも一方を
    偏心させることにより全系のコマ収差を減少させること
    を特徴とする収差補正光学系。
  3. 【請求項3】 前記集光光学系と前記補正光学系との間
    の空間がテレセントリックであることを特徴とする請求
    項1記載の収差補正光学系。
  4. 【請求項4】 前記集光光学系と前記補正光学系との間
    の空間が非テレセントリックであることを特徴とする請
    求項2記載の収差補正光学系。
  5. 【請求項5】 前記補正光学系はほぼ等倍正立のアフォ
    ーカル系であることを特徴とする請求項1、2、3又は
    4記載の収差補正光学系。
  6. 【請求項6】 感光基板上の位置合わせ用のマークから
    の光を集光する対物光学系と、該対物光学系からの光を
    集光して前記位置合わせ用のマークの像を形成する集光
    光学系と、該集光光学系により形成される前記位置合わ
    せ用のマークの像の位置を検出する検出手段と、を備
    え、 前記検出手段の検出結果に基づいて前記感光基板の位置
    合わせを行う位置合わせ装置において、 前記対物光学系と前記検出手段との間に、前記集光光学
    系で発生するコマ収差と相殺されるコマ収差を発生する
    補正光学系を配置し、 前記集光光学系と前記補正光学系との少なくとも一方を
    偏心させることにより全系のコマ収差を減少させること
    を特徴とする位置合わせ装置。
  7. 【請求項7】 感光基板上の位置合わせ用のマークから
    の光を集光する対物光学系と、該対物光学系からの光を
    集光して前記位置合わせ用のマークの像を形成する集光
    光学系と、該集光光学系により形成される前記位置合わ
    せ用のマークの像の位置を検出する検出手段と、を備
    え、 前記検出手段の検出結果に基づいて前記感光基板の位置
    合わせを行う位置合わせ装置において、 前記対物光学系と前記検出手段との間に、前記集光光学
    系で発生する球面収差と相殺される球面収差を発生する
    補正光学系を配置し、 前記集光光学系と前記補正光学系との少なくとも一方を
    偏心させることにより全系のコマ収差を減少させること
    を特徴とする位置合わせ装置。
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